JP2001199425A - 段ボール製絞り成型容器及びその製造方法 - Google Patents
段ボール製絞り成型容器及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2001199425A JP2001199425A JP2000005312A JP2000005312A JP2001199425A JP 2001199425 A JP2001199425 A JP 2001199425A JP 2000005312 A JP2000005312 A JP 2000005312A JP 2000005312 A JP2000005312 A JP 2000005312A JP 2001199425 A JP2001199425 A JP 2001199425A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liner
- synthetic resin
- core
- container
- sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 段ボール構造の嵩を維持したまま、寸法安定
性が高い、段ボール製の絞り成形容器を提案する。 【解決手段】 少なくとも片側のライナーと中芯とが合
成樹脂で接着され、段の山数が30cmあたり90以上
であり、厚さが1mm以下である片面段ボールシートま
たは両面段ボールシートからなる、熱成形された絞り成
型容器。ライナーの中芯との貼合面側を合成樹脂層とす
ることが好ましい。
性が高い、段ボール製の絞り成形容器を提案する。 【解決手段】 少なくとも片側のライナーと中芯とが合
成樹脂で接着され、段の山数が30cmあたり90以上
であり、厚さが1mm以下である片面段ボールシートま
たは両面段ボールシートからなる、熱成形された絞り成
型容器。ライナーの中芯との貼合面側を合成樹脂層とす
ることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】食品などの内容物を入れるた
めの紙製容器のうち、簡易輸送用あるいは店頭販売用に
適した絞り成形されたトレー、カップなどの紙製容器に
関する。
めの紙製容器のうち、簡易輸送用あるいは店頭販売用に
適した絞り成形されたトレー、カップなどの紙製容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる簡易輸送用トレーや店頭販売容
器は、これまでは発泡スチロール製の容器が多く採用さ
れてきた。特に店頭販売容器には、容器の上部開放端を
フイルムラップなどの手段で包装し、消費者が中身を識
別できるようにする場合が多い。近年、スチレンモノマ
ーの問題、廃棄物処理、リサイクルの観点から紙を主体
とした容器のニーズが高まっており、トレー状あるいは
カップ状の絞り成形容器もそれら候補の内の一つに挙げ
られる。絞り成型容器は従来、無印刷もしくは印刷され
た板紙を打ち抜いたカートンブランクを成形金型にて加
圧及び加熱成型して製造されてきた。
器は、これまでは発泡スチロール製の容器が多く採用さ
れてきた。特に店頭販売容器には、容器の上部開放端を
フイルムラップなどの手段で包装し、消費者が中身を識
別できるようにする場合が多い。近年、スチレンモノマ
ーの問題、廃棄物処理、リサイクルの観点から紙を主体
とした容器のニーズが高まっており、トレー状あるいは
カップ状の絞り成形容器もそれら候補の内の一つに挙げ
られる。絞り成型容器は従来、無印刷もしくは印刷され
た板紙を打ち抜いたカートンブランクを成形金型にて加
圧及び加熱成型して製造されてきた。
【0003】また、水分、脂質を有した内容物を充填
後、保護するためには食品衛生法に合致した耐油処理な
どでカートン素材に保護性が求められていた。これらの
用途を満たすものとして合成樹脂ラミネートを施した板
紙が絞り成型用途として多く採用されてきた。代表的な
ものとしてカップ原紙と称される紙コップの部材として
多く使用されている引っ張り強度を有する伸びの良い板
紙にPE,PP等の樹脂をTダイ等の押し出し設備にて
10〜40μ程度の厚みで押し出しラミネートしたう
え、所定の円形、楕円などの形状に打ち抜き、成型金型
に入れて加圧成型してシワの少ない成型を行う方法が公
知技術として良く知られている。理論上、成形容器の周
辺部に容器の中央部から、たぐり寄せられてシワが寄る
傾向にあるために絞り成型前にあらかじめ周辺部に罫線
を入れたり、放射状にカットすることが知られている。
(特許庁:包装関連「周知技術集」P155、P451
に関連の記載有り)
後、保護するためには食品衛生法に合致した耐油処理な
どでカートン素材に保護性が求められていた。これらの
用途を満たすものとして合成樹脂ラミネートを施した板
紙が絞り成型用途として多く採用されてきた。代表的な
ものとしてカップ原紙と称される紙コップの部材として
多く使用されている引っ張り強度を有する伸びの良い板
紙にPE,PP等の樹脂をTダイ等の押し出し設備にて
10〜40μ程度の厚みで押し出しラミネートしたう
え、所定の円形、楕円などの形状に打ち抜き、成型金型
に入れて加圧成型してシワの少ない成型を行う方法が公
知技術として良く知られている。理論上、成形容器の周
辺部に容器の中央部から、たぐり寄せられてシワが寄る
傾向にあるために絞り成型前にあらかじめ周辺部に罫線
を入れたり、放射状にカットすることが知られている。
(特許庁:包装関連「周知技術集」P155、P451
に関連の記載有り)
【0004】絞り成形では成形金型の空隙と原紙の厚
み、表面の滑りによって成形後の容器外観が大幅に変化
するために原紙厚さの管理がほぼ0.01mm単位で必
要であり、表面の滑りも重要なことから食品衛生法に適
したパラフィンオイルなどの微量オイルを金型もしくは
ブランクに噴霧するなどの方法がとられる場合が多い。
み、表面の滑りによって成形後の容器外観が大幅に変化
するために原紙厚さの管理がほぼ0.01mm単位で必
要であり、表面の滑りも重要なことから食品衛生法に適
したパラフィンオイルなどの微量オイルを金型もしくは
ブランクに噴霧するなどの方法がとられる場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】POP印刷された店頭
販売用のトレー、容器などは、中身充填後に展示陳列さ
れることから容器強度と寸法安定性が必要である。板紙
製のトレーの場合、大きくなると撓みが生じ易く、板紙
の厚さを厚くして剛度を向上すると、重量が大きくなる
という問題がある。そこで、段ボールのような嵩高い構
造体を使用して、軽量で剛度を向上させる方法が考えら
れ、例えば、実開平6−78214号公報、特許第27
21953号公報などが提案されている。しかし、段ボ
ールシートを絞り成形すると、変形が大きい部分にシワ
が多く発生したり、成形中に部材が切れてしまうという
問題がある。特許第2721953号公報では、中芯を
圧搾する方法によりこれらの問題を解決しているが、段
を押しつぶしてしまうと、段ボールが嵩高いという前記
利点を損ねてしまう。また、前記した、もう一つの課題
である容器成形後の寸法安定性という点でも、押しつぶ
された段の変形が戻ろうとする力が働き、寸法安定性と
いう点でも、充分とは言えない面がある。そこで、本発
明では、極力、段ボール構造の嵩を維持したまま、寸法
安定性が高い、段ボール製の成形容器を提案することを
課題とする。
販売用のトレー、容器などは、中身充填後に展示陳列さ
れることから容器強度と寸法安定性が必要である。板紙
製のトレーの場合、大きくなると撓みが生じ易く、板紙
の厚さを厚くして剛度を向上すると、重量が大きくなる
という問題がある。そこで、段ボールのような嵩高い構
造体を使用して、軽量で剛度を向上させる方法が考えら
れ、例えば、実開平6−78214号公報、特許第27
21953号公報などが提案されている。しかし、段ボ
ールシートを絞り成形すると、変形が大きい部分にシワ
が多く発生したり、成形中に部材が切れてしまうという
問題がある。特許第2721953号公報では、中芯を
圧搾する方法によりこれらの問題を解決しているが、段
を押しつぶしてしまうと、段ボールが嵩高いという前記
利点を損ねてしまう。また、前記した、もう一つの課題
である容器成形後の寸法安定性という点でも、押しつぶ
された段の変形が戻ろうとする力が働き、寸法安定性と
いう点でも、充分とは言えない面がある。そこで、本発
明では、極力、段ボール構造の嵩を維持したまま、寸法
安定性が高い、段ボール製の成形容器を提案することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは、曲面成形段ボールの製造方法(特公
昭53−4767号)を適用することを検討し、本発明
に到達した。即ち、本発明は以下に記載する6つの発明
である。
め、本発明者らは、曲面成形段ボールの製造方法(特公
昭53−4767号)を適用することを検討し、本発明
に到達した。即ち、本発明は以下に記載する6つの発明
である。
【0007】本発明の第1の発明は、「少なくとも片側
のライナーと中芯とが合成樹脂で接着され、段の山数が
30cmあたり90以上であり、厚さが1mm以下であ
る片面段ボールシートまたは両面段ボールシートからな
る、熱成形された絞り成型容器」である。
のライナーと中芯とが合成樹脂で接着され、段の山数が
30cmあたり90以上であり、厚さが1mm以下であ
る片面段ボールシートまたは両面段ボールシートからな
る、熱成形された絞り成型容器」である。
【0008】第2の発明は、前記第1の発明において、
前記少なくとも片側のライナーが、中芯との貼合面側に
合成樹脂層を有する絞り成形容器である。
前記少なくとも片側のライナーが、中芯との貼合面側に
合成樹脂層を有する絞り成形容器である。
【0009】第3の発明は、前記第1〜第2のいずれか
の発明において、容器の内側面に相当するライナーの表
面が合成樹脂で被覆されていることを特徴とする絞り成
形容器である。
の発明において、容器の内側面に相当するライナーの表
面が合成樹脂で被覆されていることを特徴とする絞り成
形容器である。
【0010】第4の発明は、「少なくとも片側のライナ
ーと中芯とが合成樹脂で接着され、段の山数が30cm
あたり90以上であり、厚さが1mm以下である片面段
ボールシートまたは両面段ボールシートを所定サイズに
打ち抜いて容器ブランクシートとし、該ブランクシート
を該合成樹脂の軟化点以上に加熱した状態で、一対の金
型で熱成形することを特徴とする、絞り成形容器の製造
方法」である。
ーと中芯とが合成樹脂で接着され、段の山数が30cm
あたり90以上であり、厚さが1mm以下である片面段
ボールシートまたは両面段ボールシートを所定サイズに
打ち抜いて容器ブランクシートとし、該ブランクシート
を該合成樹脂の軟化点以上に加熱した状態で、一対の金
型で熱成形することを特徴とする、絞り成形容器の製造
方法」である。
【0011】第5の発明は、前記第4の発明において、
前記少なくとも片側のライナーと中芯との接着が擬似接
着であるブランクシートを使用する絞り成形容器の製造
方法である。
前記少なくとも片側のライナーと中芯との接着が擬似接
着であるブランクシートを使用する絞り成形容器の製造
方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に使用する片面段ボールシ
ートまたは両面段ボールシートは、段の山数が30cm
あたり90以上であり、厚さが1mm以下である。段の
山数が30cmあたり90未満のものでは、シートの剛
性が不足し、フラットクラッシュ強度も不足する。ま
た、厚さが1mmを超えるものは、成形時にシートが切
れる危険性が高くなる。厚さを1mm以下とするため、
中芯の段高は0.9mm以下とする必要がある。また、
前記と同様の理由で、より好ましくは、段の山数が30
cmあたり120以上、更に好ましくは130以上であ
る。また、段高は0.55mm以下がより好ましい。最
も好ましい態様としては、段高が0.55mm以下であ
り、かつ、段の山数が30cmあたり130以上であ
る。なお、ここで言う段高とは、中芯の段の高さであ
り、段ボールシートの厚さからライナーの厚さを引いた
数値である。
ートまたは両面段ボールシートは、段の山数が30cm
あたり90以上であり、厚さが1mm以下である。段の
山数が30cmあたり90未満のものでは、シートの剛
性が不足し、フラットクラッシュ強度も不足する。ま
た、厚さが1mmを超えるものは、成形時にシートが切
れる危険性が高くなる。厚さを1mm以下とするため、
中芯の段高は0.9mm以下とする必要がある。また、
前記と同様の理由で、より好ましくは、段の山数が30
cmあたり120以上、更に好ましくは130以上であ
る。また、段高は0.55mm以下がより好ましい。最
も好ましい態様としては、段高が0.55mm以下であ
り、かつ、段の山数が30cmあたり130以上であ
る。なお、ここで言う段高とは、中芯の段の高さであ
り、段ボールシートの厚さからライナーの厚さを引いた
数値である。
【0013】本発明で使用する段ボールシートは片面段
ボールシートまたは両面段ボールシートであるが、容器
の強度、耐水性などを考慮すると、両面段ボールの方が
好ましく、以下、主として両面段ボールを例として説明
する。
ボールシートまたは両面段ボールシートであるが、容器
の強度、耐水性などを考慮すると、両面段ボールの方が
好ましく、以下、主として両面段ボールを例として説明
する。
【0014】本発明に使用するライナーとしては、従来
から段ボールに使用されているクラフトライナー、ジュ
ートライナー、白板紙などが使用できる。ただし、前記
した段の山数、段高を実現するためには、ライナー原紙
の米坪は150g/m2以下、好ましくは、120g/
m2以下である。パルプとしては、未晒しクラフトパル
プ、段ボール古紙パルプなどが使用できる。本発明に使
用する中芯としては、従来から段ボールに使用されてい
る中芯原紙が使用できる。中芯の米坪は、前記した段の
山数、段高を実現するためには、好ましくは115g/
m2以下、より好ましくは100g/m2以下である。パ
ルプとしては、未晒しクラフトパルプ、セミケミカルパ
ルプ(SCP)、ケミグラインドパルプ(CGP)、段
ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプなどが使用できる。
から段ボールに使用されているクラフトライナー、ジュ
ートライナー、白板紙などが使用できる。ただし、前記
した段の山数、段高を実現するためには、ライナー原紙
の米坪は150g/m2以下、好ましくは、120g/
m2以下である。パルプとしては、未晒しクラフトパル
プ、段ボール古紙パルプなどが使用できる。本発明に使
用する中芯としては、従来から段ボールに使用されてい
る中芯原紙が使用できる。中芯の米坪は、前記した段の
山数、段高を実現するためには、好ましくは115g/
m2以下、より好ましくは100g/m2以下である。パ
ルプとしては、未晒しクラフトパルプ、セミケミカルパ
ルプ(SCP)、ケミグラインドパルプ(CGP)、段
ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプなどが使用できる。
【0015】本発明のライナーおよび中芯には、前記し
た従来の段ボールに使用されている、いわゆる段ボール
原紙および板紙以外に、米坪30〜130g/m2の上
質紙、中質紙、印刷用塗工紙なども使用できる。中で
も、米坪50〜120g/m2の(特に好ましくは70
〜100g/m2の)クラフト紙が好ましく、商品名と
しては、色片艶クラフト紙、RC片艶クラフト、RC晒
クラフト(以上、王子製紙製)などが挙げられる。これ
らに使用されるパルプとしては、晒しクラフトパルプ、
脱墨古紙パルプなどが使用できる。容器の内側に相当す
るライナーには、晒しクラフトパルプを20重量%以上
含有する白色度70%以上の紙を使用することが好まし
い。ライナーのみ、または、ライナーと中芯にグラシン
紙、硫酸紙、樹脂含浸紙などを使用し、透明または半透
明容器とすることも可能である。この場合、中芯に着色
紙、模様紙、印刷された紙などを使用すれば、意匠性を
高めることができる。本発明に使用するライナーまたは
中芯は、前記した各種紙の積層紙であっても良く、ま
た、その積層が合成樹脂接着剤層を中間に挟む形であっ
ても良い。
た従来の段ボールに使用されている、いわゆる段ボール
原紙および板紙以外に、米坪30〜130g/m2の上
質紙、中質紙、印刷用塗工紙なども使用できる。中で
も、米坪50〜120g/m2の(特に好ましくは70
〜100g/m2の)クラフト紙が好ましく、商品名と
しては、色片艶クラフト紙、RC片艶クラフト、RC晒
クラフト(以上、王子製紙製)などが挙げられる。これ
らに使用されるパルプとしては、晒しクラフトパルプ、
脱墨古紙パルプなどが使用できる。容器の内側に相当す
るライナーには、晒しクラフトパルプを20重量%以上
含有する白色度70%以上の紙を使用することが好まし
い。ライナーのみ、または、ライナーと中芯にグラシン
紙、硫酸紙、樹脂含浸紙などを使用し、透明または半透
明容器とすることも可能である。この場合、中芯に着色
紙、模様紙、印刷された紙などを使用すれば、意匠性を
高めることができる。本発明に使用するライナーまたは
中芯は、前記した各種紙の積層紙であっても良く、ま
た、その積層が合成樹脂接着剤層を中間に挟む形であっ
ても良い。
【0016】前記した各種の紙には、填料、サイズ剤、
紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤など、通常、各
種用途に合わせて添加される添加剤を含有しても良い。
耐水化剤としては、例えばロジン系サイズ剤、合成系サ
イズ剤、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、環状尿
素−グリオキザール反応物、アクリルアミド−グリオキ
ザール反応物共重合体、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、ポリアミド−エポキシ樹脂、ポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂等が挙げられる。これらは、対パルプ乾
燥重量で0.01〜5重量%程度の範囲で使用される。
中でも、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂を対パル
プ乾燥重量で0.2重量%〜1.0重量%配合したもの
が好ましい。
紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤など、通常、各
種用途に合わせて添加される添加剤を含有しても良い。
耐水化剤としては、例えばロジン系サイズ剤、合成系サ
イズ剤、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、環状尿
素−グリオキザール反応物、アクリルアミド−グリオキ
ザール反応物共重合体、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、ポリアミド−エポキシ樹脂、ポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂等が挙げられる。これらは、対パルプ乾
燥重量で0.01〜5重量%程度の範囲で使用される。
中でも、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂を対パル
プ乾燥重量で0.2重量%〜1.0重量%配合したもの
が好ましい。
【0017】撥水剤としては、ワックス、石油樹脂、高
級脂肪酸塩、シリコーン樹脂、フッ素系撥水剤、エチレ
ン尿素系撥水剤、ピリジン系撥水剤、オレフィン系樹脂
等を任意に使用することができる。
級脂肪酸塩、シリコーン樹脂、フッ素系撥水剤、エチレ
ン尿素系撥水剤、ピリジン系撥水剤、オレフィン系樹脂
等を任意に使用することができる。
【0018】耐油剤としては、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合樹脂、フッ素系耐油剤などが使用できる。
フッ素系耐油剤としては、パーフロロ炭化水素のカルボ
ン酸エステルまたは塩、パーフロロ炭化水素のリン酸エ
ステルまたは塩などが使用できる。
ジエン共重合樹脂、フッ素系耐油剤などが使用できる。
フッ素系耐油剤としては、パーフロロ炭化水素のカルボ
ン酸エステルまたは塩、パーフロロ炭化水素のリン酸エ
ステルまたは塩などが使用できる。
【0019】また、合成繊維を配合し、軽量化、耐水性
の向上をしても良い。合成繊維を配合すると、加熱成形
後の寸法安定性も向上する。合成繊維としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルな
ど、各種のものが使用できる。使用する場合には、使用
量は対パルプ3〜40重量%、好ましくは5〜20重量
%である。
の向上をしても良い。合成繊維を配合すると、加熱成形
後の寸法安定性も向上する。合成繊維としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルな
ど、各種のものが使用できる。使用する場合には、使用
量は対パルプ3〜40重量%、好ましくは5〜20重量
%である。
【0020】成形容器に水分の多い食品も入れられるよ
うにするためには、容器の内面に相当するライナーには
前記した耐水化剤や撥水剤を添加したり塗布したりする
が、それでも不十分な場合には、ライナーに合成樹脂層
を設けることができる。合成樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどが
使用でき、これらの樹脂をライナー表面に押し出しラミ
ネートする方法が好ましい。また、合成樹脂エマルジョ
ンをライナーに塗布し乾燥する方法も有効である。この
場合、公知の合成樹脂エマルジョンが使用できるが、耐
水性、耐油性、耐ブロッキング性、摩擦適性などの観点
から、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系
の共重合体が好ましい。
うにするためには、容器の内面に相当するライナーには
前記した耐水化剤や撥水剤を添加したり塗布したりする
が、それでも不十分な場合には、ライナーに合成樹脂層
を設けることができる。合成樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどが
使用でき、これらの樹脂をライナー表面に押し出しラミ
ネートする方法が好ましい。また、合成樹脂エマルジョ
ンをライナーに塗布し乾燥する方法も有効である。この
場合、公知の合成樹脂エマルジョンが使用できるが、耐
水性、耐油性、耐ブロッキング性、摩擦適性などの観点
から、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系
の共重合体が好ましい。
【0021】本発明の最も特徴的なことは、少なくとも
片側ライナーと中芯とが合成樹脂により接着されている
ことにある。両側ライナーと中芯が通常の段ボールのよ
うに澱粉接着剤で接着されたものでは、奇麗に、かつ、
紙の破断なく絞り成形することができない。また、加熱
されて成形される時に、ライナーと中芯とを接着してい
る合成樹脂が軟化し、その後冷却固化することによっ
て、寸法安定性が格段に向上する。残りの片側のライナ
ーと中芯との接着は澱粉接着剤であっても良い。しか
し、両側とも合成樹脂により接着されていることが好ま
しい。
片側ライナーと中芯とが合成樹脂により接着されている
ことにある。両側ライナーと中芯が通常の段ボールのよ
うに澱粉接着剤で接着されたものでは、奇麗に、かつ、
紙の破断なく絞り成形することができない。また、加熱
されて成形される時に、ライナーと中芯とを接着してい
る合成樹脂が軟化し、その後冷却固化することによっ
て、寸法安定性が格段に向上する。残りの片側のライナ
ーと中芯との接着は澱粉接着剤であっても良い。しか
し、両側とも合成樹脂により接着されていることが好ま
しい。
【0022】ライナーと中芯を合成樹脂で接着する方法
としては、(1)ライナーの表面に合成樹脂層を形成し
ておき、ライナーと中芯を加熱により接着する方法、
(2)中芯の表面に合成樹脂層を形成しておき、ライナ
ーと中芯を加熱により接着する方法、(3)ライナーと
中芯の間に合成樹脂フィルムを介在させ、加熱により接
着する方法、(4)ライナーと中芯を合成樹脂エマルジ
ョン接着剤で貼合する方法、の4つが可能である。いず
れの方法も、従来公知のコルゲーターにより段ボールシ
ートを製造することが可能である。
としては、(1)ライナーの表面に合成樹脂層を形成し
ておき、ライナーと中芯を加熱により接着する方法、
(2)中芯の表面に合成樹脂層を形成しておき、ライナ
ーと中芯を加熱により接着する方法、(3)ライナーと
中芯の間に合成樹脂フィルムを介在させ、加熱により接
着する方法、(4)ライナーと中芯を合成樹脂エマルジ
ョン接着剤で貼合する方法、の4つが可能である。いず
れの方法も、従来公知のコルゲーターにより段ボールシ
ートを製造することが可能である。
【0023】前記(1)〜(3)の方法で使用する合成
樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリエステルなどである。中でも、ポリエチレンは、低
い温度で成形でき、成形後の反発力も低いという利点が
ある。(1)(2)の方法において、上記合成樹脂は押
し出しラミネートによりライナー表面に積層しておくこ
とが好ましい。(1)(2)の方法においては、公知の
合成樹脂エマルジョンをライナー表面に塗布して合成樹
脂層を形成しても良い。
樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリエステルなどである。中でも、ポリエチレンは、低
い温度で成形でき、成形後の反発力も低いという利点が
ある。(1)(2)の方法において、上記合成樹脂は押
し出しラミネートによりライナー表面に積層しておくこ
とが好ましい。(1)(2)の方法においては、公知の
合成樹脂エマルジョンをライナー表面に塗布して合成樹
脂層を形成しても良い。
【0024】(3)の方法では、ライナーと中芯の間に
巻き取りから合成樹脂フィルムを繰り出して介在させる
方法、コルゲーター上で、ライナーと段繰りされた中芯
とを溶融押出された樹脂で貼合する方法がある。
巻き取りから合成樹脂フィルムを繰り出して介在させる
方法、コルゲーター上で、ライナーと段繰りされた中芯
とを溶融押出された樹脂で貼合する方法がある。
【0025】(4)の方法に使用する合成樹脂エマルジ
ョンとしては、ポリエチレン、エチレン−不飽和カルボ
ン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体など
のエマルジョンが例示される。
ョンとしては、ポリエチレン、エチレン−不飽和カルボ
ン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体など
のエマルジョンが例示される。
【0026】なお前記(1)〜(4)のいずれにおいて
も、容器の内側面に合成樹脂層を有する態様の場合、成
形時の加熱温度を表面層合成樹脂の軟化点より低くする
必要があり、10℃以上低くすることが好ましい。その
場合には、中芯とライナーを接着する樹脂は、ライナー
表面層合成樹脂より軟化点が10℃以上低いものを選択
することが好ましい。例えば、容器内側面の合成樹脂と
して軟化点140〜160℃のポリプロピレンを使用
し、中芯とライナーは軟化点80〜100℃の低密度ポ
リエチレンを使用する方法、容器内側面の合成樹脂とし
て軟化点120〜135℃の高密度ポリエチレンを使用
し、中芯とライナーは前記低密度ポリエチレンまたは、
軟化点70〜80℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体を
使用する方法などが好ましい。
も、容器の内側面に合成樹脂層を有する態様の場合、成
形時の加熱温度を表面層合成樹脂の軟化点より低くする
必要があり、10℃以上低くすることが好ましい。その
場合には、中芯とライナーを接着する樹脂は、ライナー
表面層合成樹脂より軟化点が10℃以上低いものを選択
することが好ましい。例えば、容器内側面の合成樹脂と
して軟化点140〜160℃のポリプロピレンを使用
し、中芯とライナーは軟化点80〜100℃の低密度ポ
リエチレンを使用する方法、容器内側面の合成樹脂とし
て軟化点120〜135℃の高密度ポリエチレンを使用
し、中芯とライナーは前記低密度ポリエチレンまたは、
軟化点70〜80℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体を
使用する方法などが好ましい。
【0027】以上のようにして得られた段ボールシート
を断裁し、必要に応じて印刷し、更に必要に応じて表面
被覆し、所定形状で所定大きさのブランクシートに打ち
抜く。この工程は、従来の通常の板紙、段ボールの加工
工程と同じである。尚、印刷はあらかじめ表ライナー面
に巻き取りにてグラビア、フレキソ、オフセット輪転機
などの方法にて施すことも可能である。比較的大きなロ
ットに適したプレプリント方式と呼ばれる本方式におい
ては貼合後の印刷工程を経ずしてシートカット後、打ち
抜き所定サイズに仕上がる。
を断裁し、必要に応じて印刷し、更に必要に応じて表面
被覆し、所定形状で所定大きさのブランクシートに打ち
抜く。この工程は、従来の通常の板紙、段ボールの加工
工程と同じである。尚、印刷はあらかじめ表ライナー面
に巻き取りにてグラビア、フレキソ、オフセット輪転機
などの方法にて施すことも可能である。比較的大きなロ
ットに適したプレプリント方式と呼ばれる本方式におい
ては貼合後の印刷工程を経ずしてシートカット後、打ち
抜き所定サイズに仕上がる。
【0028】次に、ブランクシートから成形容器を製造
する工程について説明する。本発明で絞り成形は一対の
プレス用金型により行う。一対の加熱プレス用金型と
は、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型と、
凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型である。前記
一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも
片方の型が動くことにより成形品をプレスすることがで
きる。以下説明の便宜上、凸状の型を上型とし、凹状の
型を下型とし、上型が下方に移動することによりプレス
する方式で説明する。
する工程について説明する。本発明で絞り成形は一対の
プレス用金型により行う。一対の加熱プレス用金型と
は、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型と、
凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型である。前記
一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも
片方の型が動くことにより成形品をプレスすることがで
きる。以下説明の便宜上、凸状の型を上型とし、凹状の
型を下型とし、上型が下方に移動することによりプレス
する方式で説明する。
【0029】所定の容器形状に絞り成形する際には、ラ
イナーと中芯とを接着している合成樹脂は軟化点以上で
ある必要がある。そのため、ブランクシート全体が該合
成樹脂の軟化点以上となっていることが好ましい。ここ
で軟化点とは、融点を有する樹脂では融解温度を意味
し、融点を有さない樹脂では、粘性率が1011Ns/m
2以下になる温度、即ちも1〜10秒程度で流動が認め
られる温度である。ブランクシートを加熱する方法とし
ては、高周波加熱、熱風加熱、赤外線加熱などの方法で
も良い。また、金型全体を加熱しておいても良い。この
場合、金型を加熱する手段を必要とする。加熱手段とし
ては該プレス用金型に電熱加熱装置を設け加熱すること
が一般的であるが、プレス用金型に高周波発振機を接続
して、高周波を印加して乾燥する手段もある。また、電
熱加熱と高周波加熱を併用することもできる。
イナーと中芯とを接着している合成樹脂は軟化点以上で
ある必要がある。そのため、ブランクシート全体が該合
成樹脂の軟化点以上となっていることが好ましい。ここ
で軟化点とは、融点を有する樹脂では融解温度を意味
し、融点を有さない樹脂では、粘性率が1011Ns/m
2以下になる温度、即ちも1〜10秒程度で流動が認め
られる温度である。ブランクシートを加熱する方法とし
ては、高周波加熱、熱風加熱、赤外線加熱などの方法で
も良い。また、金型全体を加熱しておいても良い。この
場合、金型を加熱する手段を必要とする。加熱手段とし
ては該プレス用金型に電熱加熱装置を設け加熱すること
が一般的であるが、プレス用金型に高周波発振機を接続
して、高周波を印加して乾燥する手段もある。また、電
熱加熱と高周波加熱を併用することもできる。
【0030】絞り成形を完了した容器は、金型から取り
出し、空冷しても良いが、寸法安定性を高める為には、
高温の容器を冷却用の金型に一定時間だけ固定冷却する
ことも好ましい。
出し、空冷しても良いが、寸法安定性を高める為には、
高温の容器を冷却用の金型に一定時間だけ固定冷却する
ことも好ましい。
【0031】加熱される前のブランクシートの紙の水分
は、紙を柔軟にして成形させるため、乾燥紙重量の6〜
15重量%であることが好ましい。水分がこれより多い
と、水分の蒸発により、成形体表面に火膨れを起こすと
いう問題がある。特に、容器内面に合成樹脂層が存在す
る場合に、上記問題が発生し易い。しかし、容器外側面
に相当するライナーに多数の小穴またはスリットを設け
ておき、下型に水蒸気が流出できる通路を設ければ、前
記トラブルは解消でき、その場合には、加熱前の紙水分
は15重量%以上であっても良い。前記した成形中の水
分によるトラブルを防止する意味では、水分は6〜10
重量%が特に好ましい。また、成形の形状が浅くて複雑
な場合、アイロンがけと同様な寸法安定性の効果をより
高く得るためには、水分は10〜15重量%が好まし
い。
は、紙を柔軟にして成形させるため、乾燥紙重量の6〜
15重量%であることが好ましい。水分がこれより多い
と、水分の蒸発により、成形体表面に火膨れを起こすと
いう問題がある。特に、容器内面に合成樹脂層が存在す
る場合に、上記問題が発生し易い。しかし、容器外側面
に相当するライナーに多数の小穴またはスリットを設け
ておき、下型に水蒸気が流出できる通路を設ければ、前
記トラブルは解消でき、その場合には、加熱前の紙水分
は15重量%以上であっても良い。前記した成形中の水
分によるトラブルを防止する意味では、水分は6〜10
重量%が特に好ましい。また、成形の形状が浅くて複雑
な場合、アイロンがけと同様な寸法安定性の効果をより
高く得るためには、水分は10〜15重量%が好まし
い。
【0032】前記加熱プレス用金型の材質としては、ア
ルミニウム、アルミニウム系合金、黄銅、鉄、ステンレ
ス鋼、セラミックなど公知のものが使用できる。中でも
アルミブロックを削りだして成形したものが、製造適
性、価格、重量などの点で優れている。
ルミニウム、アルミニウム系合金、黄銅、鉄、ステンレ
ス鋼、セラミックなど公知のものが使用できる。中でも
アルミブロックを削りだして成形したものが、製造適
性、価格、重量などの点で優れている。
【0033】金型を動作させる方法としては、油圧プレ
ス、エアーシリンダー、カム機構のいずれの方法も可能
である。本発明で上型と下型のクリアランスを制御する
具体的な方式としては、油圧あるいはエアー圧による場
合、成形品厚さに応じて、コンピューター制御により圧
力を制御しても良いし、ストッパーの位置を制御しても
良い。カム機構による場合、予め設計されたカム形状と
型の下降速度により制御することが可能である。いずれ
にしても、平坦部の中芯を圧搾して段を潰さないように
制御する必要がある。
ス、エアーシリンダー、カム機構のいずれの方法も可能
である。本発明で上型と下型のクリアランスを制御する
具体的な方式としては、油圧あるいはエアー圧による場
合、成形品厚さに応じて、コンピューター制御により圧
力を制御しても良いし、ストッパーの位置を制御しても
良い。カム機構による場合、予め設計されたカム形状と
型の下降速度により制御することが可能である。いずれ
にしても、平坦部の中芯を圧搾して段を潰さないように
制御する必要がある。
【0034】加熱される前の合成樹脂による中芯とライ
ナーの接着強度は、十分な強度で接着されていても良い
が、擬似接着の状態でも良い。加熱プレスにより十分な
接着が完成するからである。最も極端な場合、合成樹脂
または澱粉で接着された片面段ボールシートをブランク
形状に打ち抜き、該ブランクと同寸法に打ち抜かれた合
成樹脂ラミネートライナーとを、該合成樹脂面が中芯に
接するように仮止めした状態で金型に導入することも可
能である。また、公知の真空成型法を利用して片面段ボ
ールもしくは両面段ボールの本発明による絞り成型容器
の内面もしくは外面にフイルムを貼り付ける事によって
耐水性を強化することも可能である。
ナーの接着強度は、十分な強度で接着されていても良い
が、擬似接着の状態でも良い。加熱プレスにより十分な
接着が完成するからである。最も極端な場合、合成樹脂
または澱粉で接着された片面段ボールシートをブランク
形状に打ち抜き、該ブランクと同寸法に打ち抜かれた合
成樹脂ラミネートライナーとを、該合成樹脂面が中芯に
接するように仮止めした状態で金型に導入することも可
能である。また、公知の真空成型法を利用して片面段ボ
ールもしくは両面段ボールの本発明による絞り成型容器
の内面もしくは外面にフイルムを貼り付ける事によって
耐水性を強化することも可能である。
【0035】いずれのケースでも、略四角形のブランク
シートの場合はブランクシートの4角に罫線を入れても
良いし、あるいは容器外面からハーフカットを入れても
良い。また、略円形または楕円形のブランクシートの場
合は外形近傍の全周にわたって間欠的に、罫線を入れて
も良いし、あるいは容器外面からハーフカットを入れて
も良い。
シートの場合はブランクシートの4角に罫線を入れても
良いし、あるいは容器外面からハーフカットを入れても
良い。また、略円形または楕円形のブランクシートの場
合は外形近傍の全周にわたって間欠的に、罫線を入れて
も良いし、あるいは容器外面からハーフカットを入れて
も良い。
【0036】成形容器の開放上端はフランジ部を形成し
ても良い。また、該フランジ部の外周を潰しても良い
し、カーリング成形を加えても良い。
ても良い。また、該フランジ部の外周を潰しても良い
し、カーリング成形を加えても良い。
【0037】
【実施例】以下、具体的な実施例で説明する。 <実施例1>表ライナーとして片艶クラフト70g/m
2(王子製紙製)、中芯として未晒しクラフト70g/
m2(王子製紙製)、裏ライナーとして、両更晒しクラ
フト70g/m2(王子製紙製)を使用した。なお、こ
こで言う表ライナーは容器の内面側に相当し、裏ライナ
ーは容器の外面側に相当する。本実施例では、表ライナ
ーと中芯をコルゲーターのシングルフェーサー部で貼合
する。コルゲーターのシングルフェーサー部で、中芯を
段高0.5mm、山数155個/(30cmあたり)の
段ロールにて成型後、段頂部にポリ酢酸ビニルエマルジ
ョン接着剤を供給し、裏ライナーと貼り合わせて片面段
ボールとした。引き続き、テイクアップコンベアーにて
ブリッジ部に排出した後、別途コルゲーターに用意され
たグルーユニットにて該片面段ボールの中芯段頂部にポ
リ酢酸ビニルエマルジョン接着剤を供給し、表ライナー
と貼り合わせた後、熱板ユニットにて170℃の表面温
度にて加熱接着し両面段ボールシートを作成した。乾燥
後スリッター及びカッターにて長方形の所定サイズに打
ち抜いて、両面段ボールの平板シートを作成した。別途
用意された打ち抜き機にて所定のブランクサイズ(10
cm×20cm)に打ち抜いた。また、成形前に、紙中
の水分を、乾燥紙重量に対して12重量%に調整した。
2(王子製紙製)、中芯として未晒しクラフト70g/
m2(王子製紙製)、裏ライナーとして、両更晒しクラ
フト70g/m2(王子製紙製)を使用した。なお、こ
こで言う表ライナーは容器の内面側に相当し、裏ライナ
ーは容器の外面側に相当する。本実施例では、表ライナ
ーと中芯をコルゲーターのシングルフェーサー部で貼合
する。コルゲーターのシングルフェーサー部で、中芯を
段高0.5mm、山数155個/(30cmあたり)の
段ロールにて成型後、段頂部にポリ酢酸ビニルエマルジ
ョン接着剤を供給し、裏ライナーと貼り合わせて片面段
ボールとした。引き続き、テイクアップコンベアーにて
ブリッジ部に排出した後、別途コルゲーターに用意され
たグルーユニットにて該片面段ボールの中芯段頂部にポ
リ酢酸ビニルエマルジョン接着剤を供給し、表ライナー
と貼り合わせた後、熱板ユニットにて170℃の表面温
度にて加熱接着し両面段ボールシートを作成した。乾燥
後スリッター及びカッターにて長方形の所定サイズに打
ち抜いて、両面段ボールの平板シートを作成した。別途
用意された打ち抜き機にて所定のブランクサイズ(10
cm×20cm)に打ち抜いた。また、成形前に、紙中
の水分を、乾燥紙重量に対して12重量%に調整した。
【0038】ブランクシートを図1のような上下の金型
を有する加熱プレス機に導入し、図2のような深さ5m
mの紙皿を製造した。成形に際して、ブランクシート
を、熱風で100℃に予熱し、130℃に設定した上下
の金型の間に導入し、上型を下降させ、所定のクリアラ
ンスとしてから2秒間保持することにより絞り成形工程
を終了した。成形終了後、図1と同じ大きさの冷却用金
型に容器を移動し、10秒間冷却固定して本発明の絞り
容器を完成した。
を有する加熱プレス機に導入し、図2のような深さ5m
mの紙皿を製造した。成形に際して、ブランクシート
を、熱風で100℃に予熱し、130℃に設定した上下
の金型の間に導入し、上型を下降させ、所定のクリアラ
ンスとしてから2秒間保持することにより絞り成形工程
を終了した。成形終了後、図1と同じ大きさの冷却用金
型に容器を移動し、10秒間冷却固定して本発明の絞り
容器を完成した。
【0039】<実施例2>実施例1に使用した表ライナ
ーの非光沢面に低密度ポリエチレン(軟化点90℃)を
押し出し塗工した。また、実施例1に使用した裏ライナ
ーの片面に低密度ポリエチレンを押し出し塗工した。い
ずれも、ポリエチレンの塗工量は30g/m2とした。
中芯は実施例1と同様のものを使用し、コルゲーターに
よる段ボール成形以下、容器完成まて、実施例1と同様
に行った。ただし、シングルフエーサー部、ダブルフェ
ーサー部いずれにおいても、貼合用のエマルジョン接着
剤を使用せず、ライナーの中芯との接合面に積層されて
いるポリエチレンを接着剤として、中芯およびライナー
の予熱、段ロールの熱、熱板の熱により熱接着させた。
ーの非光沢面に低密度ポリエチレン(軟化点90℃)を
押し出し塗工した。また、実施例1に使用した裏ライナ
ーの片面に低密度ポリエチレンを押し出し塗工した。い
ずれも、ポリエチレンの塗工量は30g/m2とした。
中芯は実施例1と同様のものを使用し、コルゲーターに
よる段ボール成形以下、容器完成まて、実施例1と同様
に行った。ただし、シングルフエーサー部、ダブルフェ
ーサー部いずれにおいても、貼合用のエマルジョン接着
剤を使用せず、ライナーの中芯との接合面に積層されて
いるポリエチレンを接着剤として、中芯およびライナー
の予熱、段ロールの熱、熱板の熱により熱接着させた。
【0040】<実施例3>実施例2と同様のポリエチレ
ン積層ライナーを使用した。ただし、ダブルフェーサー
部での裏ライナーの貼合を行わず、シングルフェーサー
部で得られた片面段ボールシートを所定形状に打ち抜い
てブランクシートとした。裏ライナーも同じ大きさのシ
ートに打ち抜き、該ライナーのポリエチレン積層面を中
芯と接した状態で、4角に図3のような罫線を入れると
同時に、加熱により4角のみ接着させ、擬似接着状態の
ブランクシートを作成した。前記擬似接着ブランクシー
トを実施例1と同様に熱プレス成形を行った。
ン積層ライナーを使用した。ただし、ダブルフェーサー
部での裏ライナーの貼合を行わず、シングルフェーサー
部で得られた片面段ボールシートを所定形状に打ち抜い
てブランクシートとした。裏ライナーも同じ大きさのシ
ートに打ち抜き、該ライナーのポリエチレン積層面を中
芯と接した状態で、4角に図3のような罫線を入れると
同時に、加熱により4角のみ接着させ、擬似接着状態の
ブランクシートを作成した。前記擬似接着ブランクシー
トを実施例1と同様に熱プレス成形を行った。
【0041】<実施例4>表ライナーとして実施例1と
同様の下艶クラフト紙の光沢面にポリプロピレン樹脂
(軟化点150℃)を15g/m2で押し出し塗工した
ものを使用した。中芯として、未晒しクラフトパルプ2
0重量%、段古紙パルプ80重量%の配合で、耐水化剤
として対パルプ0.5%のポリアミド−エピクロルヒド
リン樹脂を含有する耐水中芯原紙(米坪100g/
m2)を使用した。裏ライナーとして、未晒しクラフト
パルプ50重量%、段古紙パルプ50重量%の配合で、
耐水化剤として対パルプ0.5%のポリアミド−エピク
ロルヒドリン樹脂を含有する耐水ライナ原紙(米坪10
0g/m2)を使用した。その他は実施例2と同様にし
て(ライナーの中芯との貼合面にはポリエチレンをラミ
ネートして)成形容器を作成した。 なお、この実施例
では、成形前の紙中水分を10重量%に調整した。
同様の下艶クラフト紙の光沢面にポリプロピレン樹脂
(軟化点150℃)を15g/m2で押し出し塗工した
ものを使用した。中芯として、未晒しクラフトパルプ2
0重量%、段古紙パルプ80重量%の配合で、耐水化剤
として対パルプ0.5%のポリアミド−エピクロルヒド
リン樹脂を含有する耐水中芯原紙(米坪100g/
m2)を使用した。裏ライナーとして、未晒しクラフト
パルプ50重量%、段古紙パルプ50重量%の配合で、
耐水化剤として対パルプ0.5%のポリアミド−エピク
ロルヒドリン樹脂を含有する耐水ライナ原紙(米坪10
0g/m2)を使用した。その他は実施例2と同様にし
て(ライナーの中芯との貼合面にはポリエチレンをラミ
ネートして)成形容器を作成した。 なお、この実施例
では、成形前の紙中水分を10重量%に調整した。
【0042】<比較例>実施例1に使用したライナー原
紙と中芯原紙を使用し、澱粉接着剤で従来の段ボールと
全く同様に両面段ボールシートを作成した。以下、実施
例1と同様に加熱プレス成形を行った。
紙と中芯原紙を使用し、澱粉接着剤で従来の段ボールと
全く同様に両面段ボールシートを作成した。以下、実施
例1と同様に加熱プレス成形を行った。
【0043】実施例1〜4ではシートが切れることなく
絞り成形ができた。また、中芯とライナーの貼合部分の
剥離は発生しなかった。比較例のものはシートの一部が
切れ、また、中芯とライナーの貼合が一部で剥離してい
た。
絞り成形ができた。また、中芯とライナーの貼合部分の
剥離は発生しなかった。比較例のものはシートの一部が
切れ、また、中芯とライナーの貼合が一部で剥離してい
た。
【0044】
【発明の効果】本発明により、同じ厚さの板紙シートを
絞り成形したものと比較して、シートを大幅に軽量化で
きた。また、澱粉接着剤を使用した段ボールシートに比
較して、奇麗に絞り成形ができ、寸法安定性に優れた絞
り成形容器が得られた。
絞り成形したものと比較して、シートを大幅に軽量化で
きた。また、澱粉接着剤を使用した段ボールシートに比
較して、奇麗に絞り成形ができ、寸法安定性に優れた絞
り成形容器が得られた。
【図1】 本発明に使用する成形金型の模式図
【図2】 本発明による絞り成形容器の見取り図
【図3】 本発明の成形方法の一実施態様を示す模式図
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも片側のライナーと中芯とが合
成樹脂で接着され、段の山数が30cmあたり90以上
であり、厚さが1mm以下である片面段ボールシートま
たは両面段ボールシートからなる、熱成形された絞り成
型容器。 - 【請求項2】 前記少なくとも片側のライナーが、中芯
との貼合面側に合成樹脂層を有する請求項1に記載の絞
り成形容器。 - 【請求項3】 容器の内側面に相当するライナーの表面
が合成樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1
〜請求項2のいずれかに記載の絞り成形容器。 - 【請求項4】 少なくとも片側のライナーと中芯とが合
成樹脂で接着され、段の山数が30cmあたり90以上
であり、厚さが1mm以下である片面段ボールシートま
たは両面段ボールシートを所定サイズに打ち抜いて容器
ブランクシートとし、該ブランクシートを該合成樹脂の
軟化点以上に加熱した状態で、一対の金型により熱成形
することを特徴とする、絞り成形容器の製造方法。 - 【請求項5】 前記少なくとも片側のライナーと中芯と
の接着が擬似接着であるブランクシートを使用する請求
項4に記載の絞り成形容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005312A JP2001199425A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 段ボール製絞り成型容器及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005312A JP2001199425A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 段ボール製絞り成型容器及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001199425A true JP2001199425A (ja) | 2001-07-24 |
Family
ID=18533990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000005312A Withdrawn JP2001199425A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 段ボール製絞り成型容器及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001199425A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006315687A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Sato Isamu | 食品収納容器の製造方法 |
JP2011037277A (ja) * | 2010-10-06 | 2011-02-24 | Sato Isamu | 弁当箱の蓋の製造方法 |
-
2000
- 2000-01-14 JP JP2000005312A patent/JP2001199425A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006315687A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Sato Isamu | 食品収納容器の製造方法 |
JP2011037277A (ja) * | 2010-10-06 | 2011-02-24 | Sato Isamu | 弁当箱の蓋の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2005235615B2 (en) | Insulating cup wrapper and insulated container formed with wrapper | |
US7767049B2 (en) | Multi-layered container having interrupted corrugated insulating liner | |
RU2732133C2 (ru) | Способ изготовления многослойного упаковочного материала, многослойный упаковочный материал и изготовленный из него упаковочный контейнер | |
US5772819A (en) | Method of making a composite of paper and plastic film | |
US20010055655A1 (en) | Method of making a composite of paper and plastic film and composites | |
MXPA01005293A (es) | Vaso aislante y metodo de fabricacion. | |
CN1997557A (zh) | 隔热杯子包装物和用包装物形成的隔热容器 | |
JP4039006B2 (ja) | 絞り成形加工用原紙及びそれを用いた紙製成形容器 | |
US6030477A (en) | Method of making a composite of paper and plastic film and composites | |
KR20030070053A (ko) | 전자 레인지 대응 종이컵 및 그 제조 방법 | |
EP1201822A1 (en) | Printable paperboard for packaging | |
US20190009970A1 (en) | Paperboard, paperboard container, and method for using a paperboard article | |
JP2001199425A (ja) | 段ボール製絞り成型容器及びその製造方法 | |
JP4983189B2 (ja) | 包装材料及びその製造方法 | |
WO2021132429A1 (ja) | 加工用原紙、紙器用シートおよび紙器 | |
JP2009173296A (ja) | 断熱カップ | |
WO2003101839A1 (fr) | Recipient de papier etire et procede de fabrication de ce recipient | |
JP2004291566A (ja) | 紙カップのトップカール成形方法 | |
JP2004330423A (ja) | 紙カップのトップカール成形加工方法 | |
JP2006151434A (ja) | 装飾性紙カップ容器 | |
JP2004114656A (ja) | 容器プレス成型用紙及びその製造方法及びプレス成型紙容器 | |
JP3671463B2 (ja) | 断熱カップ | |
JP2007326599A (ja) | 紙容器 | |
JP3845909B2 (ja) | 複合容器 | |
JP2006062284A (ja) | 紙カップ端面折り返し装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060728 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090529 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090615 |