JP2007335927A - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】プラテン板に近い白い原稿の場合でも検知が可能で、しかもプラテン板が汚れていても原稿の位置またはサイズを検知することができるようにした画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置の画像データ入力手段は原稿を読み取った原稿画像データが含まれる画像データを入力し、濃度変動検知手段は前記画像データ入力手段によって入力した画像データから濃度の変動を検知し、位置サイズ検知手段は前記濃度変動検知手段によって検知した濃度変動を用いて、前記画像データ内の前記原稿画像データの位置またはサイズを検知する。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
例えば特許文献1で説明しているように、固定式イメージセンサーで原稿を搬送させて画像を読み取る機構で、原稿幅の位置とサイズを検知する場合、フォトセンサーのような紙の有無を検知するセンサーを横幅一杯に並べることは多大なコストがかかり、またセンサー自体の大きさを考慮すると、正確でかつ、細かな単位での位置を検出できない。
それに対し、同じ特許文献1には、イメージセンサーを副走査方向へ動かし、原稿幅サイズ検知位置のプラテン板の色を黒くすることで幅サイズを検知し、実際に原稿を読み取る際には、イメージセンサーを元の位置(原稿読み取り位置)に戻す技術が開示されている。この時のプラテン板の色は白とする。
それに対して例えば特許文献2には、コスト削減と幅検知精度を向上させるため、イメージセンサーを固定し画像データの先端と後端の影で原稿幅サイズを検知しようとする技術が開示されている。
しかし、特許文献2記載の技術によると、プラテン板は紙よりも白い色にする必要がある。紙よりも白い色にしない場合は、原稿内の影と同じような水平の直線のイメージは、原稿の影と区別がつかない。また、後端を検知するため、その後もリアルタイムに原稿の後端を検出するよう、後端の影を見つけるようになっているが、原稿の影の濃度は一様でなく、原稿の厚さや原稿とプラテン板の距離が空くことによってできる影が濃くなる場合があり、原稿の図柄と原稿の端を誤認識する場合もある。さらに、原稿とプラテン板の摩擦等によるプラテン板の汚れや、プラテン板もしくは、イメージセンサー上にゴミが発生した場合、真の原稿の端影と判断することが難しくなる。
また、これらに関する技術として、例えば特許文献3には、非矩形原稿について、より高精度で、誤検出の少ない原稿検出及び傾き検出を行うことができる原稿検出装置を提供することを課題とし、原稿台に載置された原縞を読み取った画像データから、原稿台上の原稿のエッジを検出し、検出された原稿のエッジから、頂点を求め、このエッジ変化点を基に、原稿の傾きを求め、これと得られた原稿の頂点に基づいて、適切な原稿領域が得られ、これにより、見出しがついた原稿などの矩形以外の原稿が検出される場合においても、原稿領域が適切に検出できる技術が開示されている。
例えば特許文献4には、簡易な構成で原稿の濃度を判断することが可能な画像読取装置を提供することを課題とし、原稿における所定の位置において、1ライン分のデータを撮像素子で読み取り、1ライン分のデータに基づいて、MPUは原稿の幅を検出するとともに、白色を基準として、1ライン分のデータから所定値以上の各ピーク値を検出し、続いて、各ピーク値の平均値を算出し、MPUは原稿が地色ありの原稿か否かを濃度差より判断し、そして、MPUはピーク値の平均値より原稿の濃度を判断する技術が開示されている。
例えば特許文献5には、画像読み取り装置において、原稿下地濃度が原稿台濃度に近かったり、原稿端に高濃度領域があっても、誤りなく原稿サイズ検出を行えるようにすることを課題とし、背景となる原稿台に高エッジ量パターン領域を施し、読み取り画像データについて特定のラプラシアンフィルタを用いて画像処理することで、原稿と高エッジ領域の背景とのエッジ量差を検出し、これにより、誤りなく原稿と背景との分離が可能となる技術が開示されている。
例えば特許文献6には、従来の原稿サイズ検知では、カラーセンサを必要とするためにコスト高になり、また、外光の影響で誤検知する場合がある等の問題があったことを課題とし、原稿の端部に斜光を照射して原稿端縁の影を作り、原稿端部を撮像することにより原稿の輪郭を検知して、原稿サイズを検知する技術が開示されている。
例えば特許文献7には、背景側画像が不安定であったり、背景と原稿との材質が類似していたりしても原稿のエッジを高い精度で検出できるようにすることを課題とし、そのためのエッジ検出方法は、画像を尽くす全ての探索行に対し、画像の端からエッジと直角な方向に探索してエッジ片を検出し、エッジ片が検出できない行が存在する場合、全ての探索行に対し、画像の中央付近から画像の端へと探索することにより、エッジ片を検出し、これらのエッジ片から直線エッジを決定し、全ての探索行に対するエッジ片から複数のエッジ候補を求め、その中から最適な候補を選び、画像において原稿から罫線を抽出し、この罫線との比較に基づいて最適な候補を選ぶ技術が開示されている。
特開平03−093348号公報 特開平10−145556号公報 特開平11−177773号公報 特開平11−205606号公報 特開2001−268367号公報 特開2001−285585号公報 特開2005−285010号公報
本発明は、このような背景技術の状況の中でなされたもので、プラテン板に近い白い原稿の場合でも検知が可能で、しかもプラテン板が汚れていても原稿の位置またはサイズを検知することができるようにした画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 原稿を読み取った原稿画像データが含まれる画像データを入力する画像データ入力手段と、
前記画像データ入力手段によって入力した画像データから濃度の変動を検知する濃度変動検知手段と、
前記濃度変動検知手段によって検知した濃度変動を用いて、前記画像データ内の前記原稿画像データの位置またはサイズを検知する位置サイズ検知手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。
[2] 前記画像データ入力手段は、前記原稿を搬送することによって画像データを入力する
ことを特徴とする[1]に記載の画像処理装置。
[3] 前記画像データ入力手段は、画像データを入力するセンサは固定されている
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像処理装置。
[4] 前記濃度変動検知手段は、副走査方向の画素の濃度変動の差を検知し、
前記位置サイズ検知手段は、前記濃度変動検知手段によって検知した濃度変動差が閾値以上である場合に、該濃度変動差が発生する画素を原稿画像データの位置として検知する
ことを特徴とする[1]、[2]または[3]に記載の画像処理装置。
[5] 前記濃度変動検知手段は、主走査方向の複数ラインの画像データを用いて画素の濃度変動の差を検知する
ことを特徴とする[1]、[2]、[3]または[4]に記載の画像処理装置。
[6] 前記濃度変動検知手段は、主走査方向の両端に位置する画素から開始し、内側に位置する画素方向に向けて、画素の濃度変動の差を検知する
ことを特徴とする[5]に記載の画像処理装置。
[7] 前記位置サイズ検知手段は、検知した原稿画像データの位置から前記原稿のサイズを検知する
ことを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]または[6]に記載の画像処理装置。
[8] 前記位置サイズ検知手段によって検知された原稿画像データの位置から原稿の傾きを算出し、該傾きを補正する画像処理手段
を具備することを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]または[7]に記載の画像処理装置。
[9] 前記濃度変動検知手段は、予め記憶しておいた基準データと画像データとを比較することによって、濃度の変動を検知する
ことを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]または[8]に記載の画像処理装置。
[10] 画像処理装置に、
原稿を読み取った原稿画像データが含まれる画像データを入力する画像データ入力機能と、
前記画像データ入力機能によって入力した画像データから濃度の変動を検知する濃度変動検知機能と、
前記濃度変動検知機能によって検知した濃度変動を用いて、前記画像データ内の前記原稿画像データの位置またはサイズを検知する位置サイズ検知機能
を実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
本発明にかかる画像処理装置および画像処理プログラムによれば、本構成を有していない場合に比較して、プラテン板に近い白い原稿の場合でも検知が可能で、しかもプラテン板が汚れていても原稿の位置またはサイズを検知することができる。
まず、本実施の形態の概要を説明する。
本実施の形態は、原稿搬送型の固定式イメージセンサーの構成において、原稿の幅サイズ検知用の専用のセンサーを使用せず、イメージセンサーによって取得する画像データから、原稿の幅サイズと原稿がイメージセンサー上を通過した位置を精度良く計測するものである。
本実施の形態は、原稿を読み取り、その読み取った画像データの最初または最後尾の複数ラインにおいて、読み取りの画素単位毎の副走査方向の濃度変動差を取得し、その濃度変動差が大きい画素を原稿が通過した画素として判断する。つまり、主走査の左右端画素から内側画素に向けて濃度変動差を取得することを順次行い、最初に原稿が通過した画素として判定した画素を原稿の左右端が通過した画素として検出し、原稿がイメージセンサー上を通過した位置と原稿幅を取得する。
固定式イメージセンサーおよび固定プラテン板を使用する構成の場合、イメージセンサーがプラテン板を読み取った時の濃度は常にプラテン板の同じ位置を読み取るため、読み取りの画素単位において、副走査方向の読み取り濃度の変化はほとんどない。ちなみに、プラテン板に汚れ、ゴミ、傷がある場合においても、副走査方向の読み取り濃度の変動は安定している。
例えば、図14は、原稿(普通紙)を読み込み、その画像データにおける原稿の右端の濃度変化を表したものである。図14のグラフのX軸は、副走査方向の位置を示しており、Y軸は、濃度値を示している。図のように濃度の変動幅があるのがわかる。また、図15は、図14と同様に、原稿を読み込み、4つの場所における画像データの濃度変化を表したものである。その4つとは、原稿の濃度変化1401、プラテン板の濃度変化1402、プラテン板の汚れのある位置の濃度変化1403、原稿の左端の濃度変化1404である。図からわかるように、プラテン板の濃度変化1402、プラテン板の汚れのある位置の濃度変化1403は比較的安定しているが、原稿の濃度変化1401、原稿の左端の濃度変化1404は、比較的変動している。
次に、本実施の形態のような固定式イメージセンサー上に原稿を搬送する場合は、厚紙原稿を通す場合や原稿にダメージを与えないようにするため、原稿搬送路の上下に空間をもっており、イメージセンサーのガラス面とプラテン板間に一定の隙間がある。このような構成において、原稿搬送を行う時、厚紙原稿の場合は原稿の表面とプラテン板に距離が発生することにより、原稿の前後左右の端部に影が発生する。また、薄い原稿の場合は、プラテン板と原稿表面間に隙間ができるため原稿のバタつき等が発生し、原稿の前後左右の端部に影が発生したり、原稿部分の読み取り濃度が変動する。また、原稿を形成する繊維や原稿の紙しわ等により原稿搬送中の原稿の読み取り濃度も変動している。
以上から、原稿搬送中における原稿の副走査方向の読み取り濃度は、読み取りの画素単位において、常にプラテン板の同じ位置を読み取った時の読み取り濃度と比較して、大きく変動している。
本実施の形態は、原稿搬送中の原稿の読み取り濃度の変動量とプラテン板の読み取り濃度の変動量に違いがある事を利用して、原稿の読み取りをしたラインを含む数ラインにおいて、読み取りの画素単位毎の副走査方向の濃度変動差を取得し、その濃度変動差が大きい画素を原稿が通過した画素として判断する処理を主走査方向の左右端画素から内側画素に向けて順次行い、最初に原稿が通過した画素として判定した画素を原稿の左右端が通過した画素として検出し、原稿がイメージセンサー上を通過した位置と原稿幅を取得する。
なお、この時に取得することができる原稿がイメージセンサー上を通過した位置は、最大でイメージセンサーの読み取り解像度の性能を持つこととなるので、高い精度で通過した位置と原稿幅を取得することが可能となる。
また、上記処理を原稿搬送中の複数の異なるタイミングで行うことにより、それぞれ検出処理を行ったタイミングで、イメージセンサー上を原稿先端が通過した位置を取得することができるので、取得した原稿通過位置から原稿のスキュー量を計算で算出することができる。
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
図1、図2を用いて、読み取り装置(スキャナー)の構造例を説明する。図1は、読み取り装置の断面図である。図2は、同じ読み取り装置を上方から見た図である。
本実施の形態における読み取り装置は、原稿を搬送して読み取るものであり、イメージセンサーは固定されているものである。つまり、原稿を固定してイメージセンサーを移動させることによって原稿を読み取るものではない。
図示するように、原稿11は原稿挿入口から(図1では左から、図2では下から)挿入され、原稿面(図1では原稿11の下面、図2では原稿(表面)11A)がランプ16で照射され反射した光を固定されたイメージセンサー17によって、画像として取り込むようになっている。イメージセンサー17は、原稿11の幅を全て読み込むことができる長さになっている。また、1ライン毎に読み込むものであってもよく、複数ラインを読み取ることができるものであってもよい。
またイメージセンサー17の上部は、ごみや傷がつかないようにガラス15で覆われており、さらにその上方は、原稿11を抑えるためのプラテン板12で構成されている。原稿11は、ガラス15とプラテン板12の間を通過する。原稿11の読み取り面(表面)がガラス15側に向くように挿入する。そして、原稿搬送方向19は、原稿挿入口から入り、ガラス15を通り、原稿排出口から出力される(図1では左から右、図2では下から上)。
原稿11を自動的に搬送するため、ユーザが原稿11を挿入したことを検知する原稿検知センサー14Aと、原稿11の先/後端を検知するための原稿検知センサー14Bと、原稿11の後端が通り抜けたことを検知する原稿検知センサー14Cがある。原稿検知センサー14A、原稿検知センサー14B、原稿検知センサー14Cは、この場合、原稿11の主走査方向のセンターにあるが、原稿検知センサー14A等の設置場所は任意で、また複数のセンサーがあっても良い。
各ローラ(ローラ13A、ローラ13B、ローラ13C、ローラ13D)は、モーター等で構成される図2の駆動装置22へ接続されていて、原稿11の検知状態で、駆動が制御される。
イメージセンサー17とプラテン板12の関係は上下反対でも良いが、この場合、原稿11の読み取り面を上にして挿入する。また、イメージセンサー17とプラテン板12は上下関係以外に、左右関係でもよいが、その場合、原稿11の読み取り面はイメージセンサー17側に向くことになる。
原稿とは、画像データとして入力したい文書等の紙を含み、また紙に限らずシート状のものを含む。
また、原稿サイズとしては、原稿の縦および横の長さの他に、原稿の縦の長さのみ、原稿の横の長さ(原稿幅)のみを含む。
図3は、本発明の一実施の形態の概念的なモジュール構成図を示している。図3で説明するものは、図1、図2で説明した読み取り装置に内蔵されており、各モジュールはコンピュータを動作させるプログラム、またはハードウェアで構成されている。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはプログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成(ASIC等)におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、プログラム、装置および方法の説明をも兼ねている。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散または並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続を含む。
また、装置とは、1つの筐体に収納されて実現される場合のほかに、複数のハードウェア、装置等がネットワーク等で接続されて構成される場合も含まれる。
スキャナー制御モジュール301は、図3に示すように、画像読み取りモジュール302、A/D変換モジュール303、シェーディング補正モジュール304、画像メモリ305、画像処理モジュール306、画像出力モジュール307、原稿長位置および長さ算出モジュール308、検知関連情報309、原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310、データ演算モジュール311、演算用メモリ312とを備えている。
スキャナー制御モジュール301は、図2で示した原稿検知センサー14A、原稿検知センサー14B、原稿検知センサー14Cによる原稿検知や駆動装置22による原稿11の搬送/停止や、装置全体の動作に関する制御を行う。また原稿11の検知の有無とローラ(ローラ13A、ローラ13B、ローラ13C、ローラ13D)の搬送速度を都度に原稿長位置および長さ算出モジュール308へ通知する。
画像読み取りモジュール302は、原稿11が挿入された事を原稿検知センサー14Aで検知すると、イメージセンサー17に原稿11の先端が到達する前からイメージセンサー17によってアナログ画像値を取り込み始め、A/D変換モジュール303へ出力する。
A/D変換モジュール303は、画像読み取りモジュール302で出力されるアナログ画像データをデジタル画像データに変換し、シェーディング補正モジュール304へ出力する。
シェーディング補正モジュール304は、原稿11を読み取る前に均一な白基準板を使用しランプ16で反射させた濃度を取得した白基準データと、ランプ16OFF時の黒基準データを保持し、実際に入力されたデジタル画像データの各画素のばらつきを調整する。
画像メモリ305は、シェーディング補正モジュール304で補正された画像データを格納することのできるメモリで、後述する原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310とデータ演算モジュール311との処理方式によっては、その容量を削減することも可能である。
画像処理モジュール306は、画像メモリ305に格納されている画像データの画質、解像度、大きさ、角度等を調整する。より詳細には例えば、ガンマ補正、シャープネス、階調補正、画像角度(回転)補正、解像度変換、拡大縮小、階調数変換、色調整、色変換等の画像処理を行える。また、画像処理を施すにあたり、検知関連情報309に保存される後述する情報に基づいて画像処理の方法、パラメータ等を決定することができる。例えば、原稿の先後端と左右の位置関係から画像の回転角度を決定する。また、画像メモリ305に格納されている画像データを処理対象とするほかに、シェーディング補正モジュール304で補正された画像データを直接、画像処理の対象とすることもできる。
画像出力モジュール307は、画像処理モジュール306、検知関連情報309と接続されており、外部にあるプリンターやホスト等への画像データおよび、原稿の縦横サイズ情報等を通知するインターフェイス機能をもつ。
原稿長位置および長さ算出モジュール308は、スキャナー制御モジュール301から、リアルタイムに通知される原稿検知の有無やローラの搬送速度を受け取り、原稿の長さ方向の位置や長さを計測し、その結果を検知関連情報309に記憶する。また、原稿の先後端検知の有無も記憶する。
検知関連情報309は、各原稿検知センサー(原稿検知センサー14A、原稿検知センサー14B、原稿検知センサー14C)で検出される原稿の有無の状態、原稿長位置および長さ算出モジュール308で算出された原稿先/後端の位置と長さ、原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310で算出された長さ方向の複数位置に対する原稿幅位置と幅サイズを格納することができる。
原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310は、原稿幅の位置/幅サイズを検出するための幾つかの計算方法を選択できる機能をもち、選択した方法でデータ演算モジュール311へ演算方法を指示する。データ演算モジュール311の結果や演算用メモリ312により、原稿幅の位置/幅サイズを決定し、その結果を検知関連情報309に記憶する。原稿幅の位置/幅サイズの決定は、原稿を原稿検知センサー14Aで検知後、原稿検知センサー14Cで排出されるまでの間ならば、いつでも決定可能である。データ演算モジュール311での演算方法の選択の他に、決定する時期も選択することができる。
データ演算モジュール311は、原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310の指示により、画像メモリ305もしくは、直接シェーディング補正モジュール304からの画像データを使用して、後述する演算処理を行う。演算に必要なデータや、演算結果は演算用メモリ312へ格納する。
次に図4を用いて、イメージセンサー17から取得した画像データと副走査方向の濃度変動について説明する。なお、図4における画像データの主走査方向の長さは、イメージセンサー17の幅全体であり、また、画像データの副走査方向499の長さは、原稿11先端がイメージセンサー17に到達する前の複数ラインから原稿11後端がイメージセンサー17に到達した後の複数ラインまでを読み取った場合の画像データである。したがって、画像データには、原稿を読み取った原稿画像データが含まれていることになる。図4で矢印で示した画素位置401〜画素位置409は、主走査方向における画素位置を示しており、画素位置401は主走査方向の左端画素位置、画素位置409は主走査方向の右端画素位置となる。
ここで、画素位置401、画素位置402、画素位置403、画素位置408、画素位置409に位置する画素は、画像データ取得時(原稿11の搬送時ではあるが)に、原稿11がイメージセンサー17上を通過していない画素であり、常にプラテン板12の同じ位置を読み取った画素となる。つまり、図4で示すように、プラテン板12を読み取った画像(原稿がない箇所の画像)411となる。これらの画素においては、読み取り濃度はほぼ一定の値となり、読み取り濃度の変動量は、画素位置404〜画素位置407と比較して小さい値となる。
ちなみに、画素位置402の画素は、プラテン板12に傷または汚れが付いた場所を読み取った画素である。したがって、図4に示すように、プラテン板の傷や汚れによる縦筋410が発生する。その読み取り濃度値は、他の傷または汚れが付いていないプラテン板12を読み取った画素の読み取り濃度値(画素位置403等)とは異なる濃度値となるが、読み取り濃度の変動量の観点からみれば、常にプラテン板12の同じ位置を読み取った画素となるので、読み取り濃度の変動量は小さい値となる。
画素位置404、画素位置405、画素位置406、画素位置407に位置する画素は、画像データ取得時に原稿11がイメージセンサー17上を通過している画素となる。これらの画素においては、原稿11通過前や原稿11通過後のプラテン板12の同じ位置を読み取った際の読み取り濃度値のほかに、原稿11通過中に読み取った濃度値(図4に示す、原稿を読み取った画像413の部分)がある。
原稿11通過中に読み取った濃度値については、常にプラテン板12の同じ位置を読み取った画素(画素位置401、画素位置402、画素位置403、画素位置408、画素位置409に位置する画素)における、読み取り濃度の変動量と比較すると、充分大きな読み取り濃度の変動量となる。
例えば、本実施の形態では、図1に示すように、厚紙原稿を通す場合や原稿にダメージを与えないようにするため、原稿搬送路の上下に空間をもっており、イメージセンサー17上のガラス15とプラテン板12間に一定の隙間がある構成になっている。そのため、原稿搬送を行う時、厚手原稿の場合は原稿11の表面とプラテン板12に距離が発生することにより、原稿11の前後左右の端部に影が発生し、薄手原稿の場合はプラテン板12と原稿11表面間に隙間ができるため原稿のバタつき等が発生し、原稿11の前後左右の端部に影が発生したりする。図4に示すような、原稿縁の影が濃い場合412や原稿縁の影が薄い場合414が発生する。また、原稿自体に描かれているものによって読み取り濃度が変動したり、原稿を形成する繊維や原稿の紙しわ等により原稿搬送中の原稿の読み取り濃度が変動している。
以上より、同一の画素位置における副走査方向の画素読み取り濃度の変動量が、設定した閾値以上かどうかで、その画素に原稿11が通過したかどうかを検出することができる。
この検出処理を画素位置401の主走査方向の左端画素と画素位置409の主走査方向の右端画素から、内側の画素に向けて行い、最初に原稿11が通過したと判断した画素を、それぞれ原稿11の左端・右端が通過した画素として検出することで、イメージセンサー17上における原稿11の通過位置を得ることができる。そして、原稿11の左右端が通過した画素位置から原稿幅を算出することによって得ることができる。
次に図5、図6を用いて、原稿幅検出とスキュー量の算出方法について説明する。
図5には、取得した画像データ501の全体が示されており、その中に原稿の画像502が含まれており、原稿11が傾きなく入力された場合の画像データが示されている。
原稿11の位置を示すものとして、原稿検知センサー14A、原稿検知センサー14B、原稿検知センサー14Cで検出される先端検出位置503、後端検出位置511があり、原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310、データ演算モジュール311、演算用メモリ312等を用いて検出される先端左位置504、先端右位置505、後端左位置509、後端右位置510がある。また、原稿の画像502と先端左位置504との距離を算出することにより先端部幅サイズ506を得て、後端左位置509と後端右位置510との距離を算出することにより後端部幅サイズ508を得る。
原稿幅の検出を行うには、読み取り濃度の変動量を算出するのに必要な副走査方向の複数ラインの読み取りデータを取得する必要がある(図5では、左右位置検知範囲(先端部)512、左右位置検出範囲(後端部)513)。ここで必要とするライン数は読み取り濃度の変動量の違いが検出できるようになる充分な最小のライン数とすることが望ましい。
これは、図6に示すように原稿11の先端がイメージセンサー17に平行に入らなかった場合(つまりスキューが発生している場合)の読み取りにおいて、読み取り濃度の変動量を算出するためのライン数(図6では、左右検出範囲(先端部)609、左右検出範囲(後端部)610)を大きくとると、原稿11が斜めに挿入されたことにより、原稿11の左右端と認識する位置から算出する原稿幅が、実際の原稿幅と比べ、誤差が大きくなってしまうためである。一般的には、原稿11が斜めに挿入されないようにして読み取りが行われるため、原稿11の原稿先端部を含む必要最小限のライン数の読み取りデータのみを使用して原稿11の挿入位置や原稿幅を検出することで、精度の高い情報を得ることができる。
次に、原稿が斜めに挿入されたことを検知する方法を説明する。
原稿の原稿先端部を含む必要最小限のライン数(図6の左右検出範囲(先端部)609)の読み取りデータを使用して得た原稿の挿入位置(図6の先端左端画素605)と原稿の原稿後端部を含む必要最小限のライン数(図6の左右検出範囲(後端部)610)の読み取りデータを使用して得た原稿の挿入位置(図6の後端左端画素607)から、原稿先端部と原稿後端部の左右のズレ幅(Xとする。図6の左右ズレ幅X611)を算出することができる。つまり、原稿の先端部の左右検出範囲(先端部)609内の原稿画像データの左端位置である先端左端画素605と、原稿の後端部の左右検出範囲(後端部)610内の原稿画像データの左端位置である後端左端画素607との距離がX(左右ズレ幅X611)である。
図3の原稿長位置および長さ算出モジュール308で検出した原稿長(Yとする。図6の原稿長Y602)の値を参照することで下記に示した計算式にて原稿が斜めになっている角度を求めることができる。この値を使用して、図3の画像処理モジュール306にて画像データを回転補正することが可能である。なお下式におけるαは、左右検出範囲の任意の長さや後述する図3の原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310での原稿幅検出方法による誤差分を考慮し任意に調整するためのオフセット値である。

角度 = tan-1((X+α)/Y) ... 式
図7、図8のフローチャートを用いて、原稿位置等の判定の処理例を説明する。
ステップS701では、原稿検知センサー14Aで原稿11が挿入されたことを検知する。
ステップS702では、ローラ13A、ローラ13B、ローラ13C、ローラ13Dを用いて、原稿11の搬送を開始する。
ステップS703では、原稿検知センサー14Bで原稿11の先端を検知したか否かを判断し、検知するまで待つ。
ステップS704では、(a)原稿長を計るためのタイマー1を始動する。(b)取得する画像データ内の原稿画像データの先端位置を検出することを目的として、原稿11がイメージセンサー17に到着する位置を測るためのタイマー2を始動する。(c)イメージセンサー17で画像データの取得を開始し、画像メモリ305に保存する。
ステップS705では、幅位置/サイズ検知のため画像データより副走査方向の演算処理(後述する)を行う。
ステップS706では、原稿11の先端がイメージセンサー17に到達したか否かを検知する。到達した場合はステップS707へ進み、到達していない場合または既に到達している場合はステップS709へ進む。
ステップS707では、画像処理モジュール306および画像出力モジュール307へ原稿11の先端位置がイメージセンサー17に到達したことを通知する。
ステップS708では、取得する画像の原稿11の後端位置を検出するため、原稿11がイメージセンサー17を抜ける時間を計測するタイマー3を始動する。
ステップS709では、一定長画像を読み込んだか否かを判断する。一定長を読み込んだ場合はステップS710へ進み、未だ読み込んでいない場合はステップS705に戻る。
ステップS710では、ステップS705での演算結果より原稿11の左右位置、幅サイズを算出する。
ステップS711では、原稿検知センサー14Bで原稿11の後端を検知したか否かを判断し、検知するまで待つ。
ステップS712では、タイマー2を停止する。そして、このタイマー2が計測した時間とローラ(ローラ13A、ローラ13B、ローラ13C、ローラ13D)の搬送速度より、原稿長を算出する。
ステップS713では、幅位置/サイズ検知のため画像データより副走査方向の演算処理(後述する)を行う。
ステップS714では、原稿11の後端がイメージセンサー17に到達したか否かを検知する。到達した場合はステップS715へ進み、到達していない場合または既に到達している場合はステップS716へ進む。
ステップS715では、画像処理モジュール306および画像出力モジュール307へ原稿11の後端位置がイメージセンサー17に到達したことを通知する。タイマー3を停止する。
ステップS716では、一定長画像を読み込んだか否かを判断する。一定長を読み込んだ場合はステップS717へ進み、未だ読み込んでいない場合はステップS713に戻る。
ステップS717では、ステップS713での演算結果より原稿11の左右位置、幅サイズを算出する。
ステップS718では、画像処理モジュール306が、画像メモリ305より原稿画像データを切り出して、画像処理を開始する。また、原稿11の位置、サイズ情報と原稿画像データを出力する。
ステップS719では、原稿検知センサー14Cで原稿11の後端を検知したら一定時間動作後、画像の読み込みを停止し、原稿の搬送を停止する。
次に、図3におけるデータ演算モジュール311の演算方法、ならびに原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310の決定方法について説明する。なお、ここで行う演算・決定方法は、原稿の読み取りをしたラインを含む複数ラインにおいて、読み取りの画素単位毎の副走査方向の濃度変動量を算出し原稿端を検出することにある。以下に演算方法別に4例を挙げるが、読み取りの画素単位毎に濃度変動量を算出してから原稿端を検出する方法であれば、どのような演算でもかまわない。
・演算方法1
あるデータを各画素の基準データとして予め保持し、随時入力される読み取りデータと基準データの濃度値の差分を各画素毎に算出し、差分値が閾値Aを超えた回数を各画素毎に保持する。検出のための読み取りデータの取り込みが終了した時点で、差分値が閾値Aを超えた回数が、閾値Bを超えた画素を原稿11が通過した場所であると判定する。
図9を用いて説明する。図9の画像メモリ305には、画像読み取りモジュール302によって読み取られた画像が、A/D変換モジュール303、シェーディング補正モジュール304による処理を経た画像データとして記憶されている。演算用メモリ312の第1行目には、基準データが記憶されている。そして、データ演算モジュール311は、画像メモリ305の各ラインにおける画素値と演算用メモリ312の基準データとの差分を算出する。そして、その差分が閾値Aを超えているか否かを判断し、その判断結果を演算用メモリ312の第2行目以降に画素毎に記憶する。画像メモリ305の最終行まで以上の処理を行う。そして、原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール310は、列毎に閾値Aを超えていると判断された画素の数を計数する。この画素数が閾値Bを超えている画素を原稿11が通過した画素であると判定する。
なお、ここでの基準データは、ある1ラインの読み取りデータであったり、数ラインの平均値であったりしてもよい。また、差分を算出する随時入力される画像データも1ラインの画像データであったり、数ラインの平均値であってもよい。閾値Aおよび閾値Bは、任意の値を設定することが可能であるが、誤検知無く検出するために、本実施の形態の装置毎(システム毎)に調整された値である。画像データが3ラインである場合を図10に示す。図10では、データ演算モジュール311は、図9と異なり、1ライン毎ではなく、3ラインの平均値(画像メモリ305の第1〜3行、第2〜4行、第3〜5行、等々)を用いている場合である。その他は、図9に示した処理と同様である。このように複数ラインの平均値を用いることによって、センサーの突発的なムラを押さえて原稿位置およびサイズを検出することができるようになる。
・演算方法2
注目するラインの読み取りデータとその前もしくは後の読み取りデータとの濃度値の差分を各画素毎に算出し、差分値が閾値Aを超えた回数を各画素毎に保持する。注目するラインは一回差分を算出する毎に副走査方向にずらして算出を繰り返し行う。検出のための読み取りデータの取り込みが終了した時点で、差分値が閾値Aを超えた回数が、閾値Bを超えた画素を原稿11が通過した場所であると判定する。
なお、ここでの注目するラインの読み取りデータは、1ラインの読み取りデータであったり、数ラインの平均値であったりしてもよく、また、差分算出するために注目するラインの前もしくは後の読み取りデータも1ラインの読み取りデータであったり、数ラインの平均値であってもよい。注目するラインの副走査方向へのずらし量は、1ライン毎であったり、数ライン毎であってもよい。閾値Aおよび閾値Bは、任意の値を設定することが可能であるが、誤検知無く検出するために、本実施の形態の装置毎(システム毎)に調整された値である。
・演算方法3
検出のために入力される全読み取りデータから各画素毎での濃度最大値と濃度最小値を抽出する。その濃度最大値と濃度最小値の差分値が閾値Aを超えた画素を原稿が通過した場所であると判定する。
図11を用いて説明する。データ演算モジュール311は、画像メモリ305に記憶されている画像データから第1ライン目を取り出す。そして、演算用メモリ312の第1ライン目に最大値としてとりあえず記憶させ、第2ライン目にも同様に最小値としてとりあえず記憶させる。画像メモリ305の第2ライン目の各画素と演算用メモリ312の第1ライン目の最大値とをそれぞれ比較し、画像メモリ305の画像データの画素が演算用メモリ312の第1ライン目の最大値よりも大きいならば、演算用メモリ312の第1ライン目の値を画像メモリ305の画像データの画素に置き換える。同様に、最小値についても、画像メモリ305の第2ライン目の各画素と演算用メモリ312の第2ライン目の最小値とをそれぞれ比較し、画像メモリ305の画像データの画素が演算用メモリ312の第2ライン目の最小値よりも小さいならば、演算用メモリ312の第2ライン目の値を画像メモリ305の画像データの画素に置き換える。これを画像メモリ305に記憶されている全ラインに適用する。そして、データ演算モジュール311は、演算用メモリ312に結果として記憶されている最大値と最小値とから、濃度変動差(=最大値−最小値)を求める。そして、その各画素毎の濃度変動差がある閾値A(図11では16)を超えた画素を原稿画像データがあると判断する。そして、画像データの左端から順次濃度変動差が閾値Aを超えているか否かを判断し、最初に閾値Aを超えている画素を原稿の左端として検出する。同様に、画像データの右端から順次濃度変動差が閾値Aを超えているか否かを判断し、最初に閾値Aを超えている画素を原稿の右端として検出する。
なお、ここでの検出のために入力される画像データは1ライン単位の画像データであったり、数ライン毎の平均値であったりしてもよい。閾値Aは、任意の値を設定することが可能であるが、誤検知無く検出するために、本実施の形態の装置毎(システム毎)に調整された値である。なお、図11は、1ライン毎に画像データを取り出してきて最大値、最小値を取得したものである。図12は、画像データの4ラインの画素毎の平均値を求めて、最大値、最小値を取得したものであり、その4ラインは1ラインずつずらして取り出したもの(具体的には、第1〜4行、第2〜5行、第3〜6行等々)である。また、図13は、画像データの3ラインの画素毎の平均値を求めて、最大値、最小値を取得したものであり、その3ラインは3ライン毎に取り出したもの(具体的には、第1〜3行、第4〜6行、第7〜9行、等々)である。
・演算方法4
検出のために入力される全読み取りデータから各画素毎での出現頻度の高い濃度の出現回数を抽出する。その出現頻度の高い濃度の出現回数が閾値Aを下回る画素を原稿が通過した場所であると判定する。
なお、ここでの検出のために入力される全読み取りデータは1ライン単位の読み取りデータであったり、数ライン毎の平均値であったりしてもよい。閾値Aは、任意の値を設定することが可能であるが、誤検知無く検出するために、本実施の形態の装置毎(システム毎)に調整された値である。
本実施の形態は、原稿の横幅の位置と幅サイズを検出するために従来あるフォトセンサーのような原稿の有無を検出するセンサーを必要としない。従来技術の主走査方向の画像濃度だけで原稿の幅を検知する方法では、通常経年変化でプラテン板に無数の傷や汚れが発生するため、原稿幅検出の誤認識が発生し、算出精度も下がる。
しかし本実施の形態は、副走査方向の安定度を考慮したもので、プラテン板に傷、汚れがある場合であっても、正確かつ精度良く原稿の幅を判断できる。さらに本実施の形態では、原稿幅を算出する過程でイメージセンサー上で原稿の通過した位置が正確かつ精度良く検出できるため、原稿挿入時に位置合わせをしなくても原稿の通過した位置を使用して、原稿部分のみの画像データを正確に抽出して出力することが可能となる。
また、任意の場所で複数回、原稿の通過した位置を検出できるため、原稿のイメージセンサーに対する搬送角度を知ることができ、自動的に画像の角度補正が任意の位置で可能となる。そのため、ユーザがイメージセンサーに対して斜めに挿入した場合や、原稿搬送時の左右速度の違い、例えば厚みの違いや、摩擦の差異があった場合に曲がって搬送される場合でも、角度補正後の画像データは、原稿がイメージセンサーに対して常に垂直に挿入されたような画像データを取得することができる。
さらには事前に原稿の縦横サイズを検知できるので、出力装置(プリンター)にセットされている用紙に応じて必要な場合は90度回転等の処理を施し、画像データがおさまる一番小さい用紙を自動的に選択することで、動作を中断させることを少なくすることが可能となる。
また、原稿の幅サイズを検知するための専用センサーを設ける必要がないため、コスト減少を図ることができる。
前記実施の形態においては、画素単位毎に濃度の変動量を用いて、原稿の位置(原稿端)を検出していることを示したが、画素単位毎ではなく、隣り合う複数の画素を単位としてもよい。その場合、複数の画素の平均としてもよい。
また、前記実施の形態においては、1ライン内の全ての画素を対象としたが、一定間隔毎の画素を対象としてもよい。この場合、処理対象となる画素数が減るので、処理速度を高速にすることができる。
また、本実施の形態はスキャナーを例示したが、複写機、ファックス、複合機(多機能複写機とも呼ばれ、スキャナー、プリンター、複写機、ファックス等の機能を有している)、画像処理ソフトウェア等にも転用可能である。
本実施の形態では原稿挿入方式としたが、スタックされた原稿を高速に読み取るCVT方式(プラテン板とイメージセンサーが固定)においても適用可能である。
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納することも可能であり、その場合は、例えば以下の発明としても把握することができる。
画像処理装置に、
原稿を読み取った原稿画像データが含まれる画像データを入力する画像データ入力機能と、
前記画像データ入力機能によって入力した画像データから濃度の変動を検知する濃度変動検知機能と、
前記濃度変動検知機能によって検知した濃度変動を用いて、前記画像データ内の前記原稿画像データの位置またはサイズを検知する位置サイズ検知機能
を実現させることを特徴とする画像処理プログラムを記録した画像処理装置読み取り可能な記録媒体。
「プログラムを記録した画像処理装置読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録された画像処理装置で読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、上記のプログラムまたはその一部は、上記記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能である。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に乗せて搬送することも可能である。
さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
読み取り装置の構造例を模式的に示す説明図である。 読み取り装置の構造例を模式的に示す説明図である。 画像処理装置例の概念的なモジュール構成図である。 読み取り画像データを模式的に示す説明図である。 原稿の検出位置を模式的に示す説明図である。 傾いた原稿の検出位置を模式的に示す説明図である。 原稿位置等の判定の処理例を示すフローチャートである。 原稿位置等の判定の処理例を示すフローチャートである。 原稿幅等を検出するアルゴリズムを概念的に示す説明図である。 原稿幅等を検出するアルゴリズムを概念的に示す説明図である。 原稿幅等を検出するアルゴリズムを概念的に示す説明図である。 原稿幅等を検出するアルゴリズムを概念的に示す説明図である。 原稿幅等を検出するアルゴリズムを概念的に示す説明図である。 副走査方向の画像の濃度データのグラフである。 副走査方向の画像の濃度データのグラフである。
符号の説明
11…原稿
11A…原稿(表面)
11B…原稿(裏面)
12…プラテン板
13A、13B、13C、13D…ローラ
14A、14B、14C…原稿検知センサー
15…ガラス
16…ランプ
17…イメージセンサー
19…原稿搬送方向
21…原稿台
22…駆動装置
301…スキャナー制御モジュール
302…画像読み取りモジュール
303…A/D変換モジュール
304…シェーディング補正モジュール
305…画像メモリ
306…画像処理モジュール
307…画像出力モジュール
308…原稿長位置および長さ算出モジュール
309…検知関連情報
310…原稿幅の位置/幅サイズ判断モジュール
311…データ演算モジュール
312…演算用メモリ

Claims (10)

  1. 原稿を読み取った原稿画像データが含まれる画像データを入力する画像データ入力手段と、
    前記画像データ入力手段によって入力した画像データから濃度の変動を検知する濃度変動検知手段と、
    前記濃度変動検知手段によって検知した濃度変動を用いて、前記画像データ内の前記原稿画像データの位置またはサイズを検知する位置サイズ検知手段
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記画像データ入力手段は、前記原稿を搬送することによって画像データを入力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像データ入力手段は、画像データを入力するセンサは固定されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記濃度変動検知手段は、副走査方向の画素の濃度変動の差を検知し、
    前記位置サイズ検知手段は、前記濃度変動検知手段によって検知した濃度変動差が閾値以上である場合に、該濃度変動差が発生する画素を原稿画像データの位置として検知する
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の画像処理装置。
  5. 前記濃度変動検知手段は、主走査方向の複数ラインの画像データを用いて画素の濃度変動の差を検知する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記濃度変動検知手段は、主走査方向の両端に位置する画素から開始し、内側に位置する画素方向に向けて、画素の濃度変動の差を検知する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記位置サイズ検知手段は、検知した原稿画像データの位置から前記原稿のサイズを検知する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の画像処理装置。
  8. 前記位置サイズ検知手段によって検知された原稿画像データの位置から原稿の傾きを算出し、該傾きを補正する画像処理手段
    を具備することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の画像処理装置。
  9. 前記濃度変動検知手段は、予め記憶しておいた基準データと画像データとを比較することによって、濃度の変動を検知する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の画像処理装置。
  10. 画像処理装置に、
    原稿を読み取った原稿画像データが含まれる画像データを入力する画像データ入力機能と、
    前記画像データ入力機能によって入力した画像データから濃度の変動を検知する濃度変動検知機能と、
    前記濃度変動検知機能によって検知した濃度変動を用いて、前記画像データ内の前記原稿画像データの位置またはサイズを検知する位置サイズ検知機能
    を実現させることを特徴とする画像処理プログラム。
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