JP2007254258A - 窒化物半導体基板とその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板とその製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 転位を集結した部分から転位が再び解き放たれず転位終結部以外の部分が低転位密度であり低転位である部分の面積を広くできるような窒化物半導体基板の製造方法と基板を提供すること。
【解決手段】下地基板の上に被覆部Υが閉曲線をなすマスクを付け窒化物半導体を気相成長させ、露呈部Πにファセット面で取り囲まれる凸型のファセット丘を形成し、露呈部Πの輪郭線をなす被覆部Υは窪みとし、露呈部Πのファセット丘と被覆部Υの窪みを維持しながら結晶成長させ転位をファセット面の作用で外側へ追い出して輪郭線である被覆部Υへ集結させ被覆部Υの上に欠陥集合領域Hを生成し露呈部Πの上ファセットの下には低欠陥単結晶領域Zを形成する。デバイスを製作したのち加熱したKOH、NaOHで欠陥集合領域Hを溶かし多角形のチップに分離できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、一定形状の低転位単結晶領域を規則正しく縦横にちりばめそれら低転位単結晶領域の間は網目状の欠陥集合領域によって覆っているような構造の窒化物半導体基板とその製造方法を提供することを目的とする。半導体基板はデバイスをその上に作製するための基礎となる部材である。通常は全面で組成、構造ともに一様均一であることが望ましいとされる。が本発明は半導体基板でありながら組成構造が場所によって異なり不均一であるものを提供する。その点で通常の半導体基板とは異なる。
窒化物半導体というのは窒化ガリウムGaN、AlGaN、InGaN、AlN、InNなどを意味する。3−5族窒化物半導体ともいう。基板というのはデバイスを作製する場合に下地となるような基板でありウエハ−ともいう。
GaN、InGaNを用いた発光デバイスは、青色LED、青色LDとして実用化がなされている。従来の青色デバイスの基板はサファイヤ単結晶が用いられていた。サファイヤは簡単に単結晶ができ入手しやすく安価であり物理化学的に安定でその上にGaN、InGaN、AlGaN薄膜を成長させることができる。これら窒化物と相性がよい。青色発光素子の基板として適している。だからサファイヤ基板の上に薄いGaN、InGaN、AlGaNなどの薄膜を気相成長(MOCVD法など)させて発光デバイスを作ることができる。転位密度(EPD)はとても多くて1010cm−2程度あるがそれでも劣化しない。そのような青色発光素子は大量生産され使用されている。
しかしサファイヤは劈開性がない。絶縁体である。窒化ガリウムとのミスマッチが大きいというような欠点がある。劈開性がないので自然劈開ができず、コスト高を招く。半導体レーザの場合は自然劈開によって共振器を作製できないという欠点がある。
発光ダイオード(LED)の場合でも絶縁体であるから基板の底面にn電極を形成することができず側方へn型GaN薄膜をはみ出させそこへn電極を設けワイヤボンデイングでリードピンへ接続する必要がある。素子構造が複雑になり工程が増えデバイス形状が大きくなるという欠点もある。
だからGaN系の発光素子の基板としては窒化ガリウム(GaN)の基板を用いたいという強い要求がある。ところが転位密度(EPD)の低い良質の窒化ガリウム単結晶基板を製造するのは難しい。GaNや、AlN、InNなど窒化物半導体材料は加熱しても融液にならない。だからチョクラススキー法やブリッジマン法で結晶を作ることはできない。
MOCVD法でサファイヤ基板(α−Al)の上に薄い窒化ガリウム膜を作製することはできる。これはもともと薄膜形成のための技術である。MOCVD法はTMGやTEGなどの有機金属とアンモニア(NH)などでGaN薄膜を作る。そのままでは転位密度が多いので転位密度を減らすためにELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法が用いられる。これは細かい孤立窓を多数もつ連続マスクMを下地基板の上に形成しその上にGaNを気相成長させるものである。マスク被覆部Υは連続して一様である。マスクで被覆していない部分は「非被覆部」というのが正確な表現であるが「被覆部」と「非被覆部」では紛らわしいのでマスクで被覆していない部分は露呈部Πと以後表現する。露呈部Πはその後結晶が堆積するのでいつまでも露呈しているわけではない。マスクMがないという意味で「非被覆部」ということで「被覆部」と明確に区別するため露呈部Πといっている。以後も「被覆部Υ」、「露呈部Π」という区別を一貫して用いる。
図20にELOのマスクM/下地基板Sを示す。下地基板Sの上全面にSiOなどを形成しフォトリソグラフィ、エッチングで小さい穴をあける。ELOにおいて露出部Πは小さな窓である。被覆部Υが圧倒的に広い。露呈部Π(窓)面積S2は被覆部Υ面積S1よりかなり小さい(S1>S2)。露出部から結晶成長がおこり結晶粒がマスクに乗り上げると成長方向が横になるから転位も横方向になりそれらがマスクの上で合体して転位がかなり減る。隣接窓からの結晶が合体した後表面を平坦にする。以後は表面を平坦C面とし、平坦なC面を維持しながら薄膜を成長させる。図21にELOの成長の様子を示す。ELOは平坦なC面を保持するように成長させるものである。実は平坦なC面を維持しながら成長することは難しく表面を観察し平坦からずれると条件を変更して平坦面になるように絶えず制御する。
ELOは成長初期に転位を衝突によって減らす技術であり薄膜(厚み0.1〜3μm程度)には有効である。サファイヤ基板の上に1μm〜4μm程度のGaN、InGaN薄膜をELOで成長させLEDとした場合転位密度は10〜1011cm−2程度あるがサファイヤとの相性がよく発光し劣化も起こらない。
しかしELO法は厚い結晶成長には殆ど有効でない。ELO法で厚いGaNを作っても下地基板から剥離したりするし、剥離しない場合でも転位密度が10〜1011cm−2と大きすぎる。基板成長にはELO法以外の新規な手法が必要である。
厚いGaNの低転位の基板を作るために本出願人が創案したのがファセット成長法とでも呼ぶべきものである。この成長法も本出願人が改善工夫を重ね歴史的な発展を遂げてきた。本出願人による先行する3段階のファセット成長法がある。全部順に説明する。
特開2001−102307(特願平11−273882)
特許文献1はC面成長をさせるのではなく、わざとファセットを多数表面に作り出し、ファセットを埋め込まないようにしてファセットを成長の終わりまで維持する。図22は下地基板Sの図である。マスクを設けない。その上にGaN結晶を気相成長させる。多くの場合自然にファセットΦが表面に生ずる。これまではファセットが発生するとそれを消すように条件を制御していたのであるが、ここではファセットが生ずるようにしファセットを維持するようにする。従来の成長方法とは反対である。ファセットΦは低面指数((khmn)のk、h、m、nが0、1、2程度ということ)結晶面であり凹部(ピット)を形成する。
図23にファセットピットが表面に生じた様子を示す。ファセット面が集合したものは六角錐、十二角錐のロート型ピットとなる。そのようなファセットピットが数多く無秩序に表面に存在するようにする。全体としてc軸方向に成長するが、ファセットピット内ではファセットの法線方向に成長する。成長とともにファセット内にあった転位がファセット交差線に集まりさらにピットの底へ集結する。ピット底に転位の束である線状欠陥ができる。転位は連続する糸の様な線であり消滅しないがピット底に集まる。そのために他の部分が低転位になる。これは成長条件を適当に制御してピットをランダムにつくりだす。区別するためランダム型ファセット成長法と呼ぶことにする。C面上にランダムにピットが存在する。位置も大きさもまちまちである。
ランダム型ファセット成長法はランダムに欠陥(転位)が存在する基板であるので使いにくいという問題がある。また多数の転位がピット底に拘束されないので成長とともに再びばらけてくるということもある。ランダム型ファセット法にはそのような欠点があった。
特開2003−165799(特願2002−230925)
特許文献2は、ファセットピットの位置を正確に決めるために、下地基板の上に予め円形(ドット状)の孤立した被覆部を点状に形成しておいてその上からGaNを気相成長させる方法を提案した。図24に下地基板Sの上に点状孤立マスクMを設けた状態を示す。被覆部Υの面積S1は、露呈部Πの面積S2より小さい(S1<S2)。これはELO法と反対の関係である。ファセット成長法では必ずS1<S2であってELOとは逆である。またELOの窓ピッチよりファセット法ではマスクピッチがずっと大きい。結晶成長させると露呈部Πで結晶成長が始まるが被覆部Υでは生成が遅れる。成長開始時間がずれるので、孤立マスク(被覆部Υ)の上に底があるファセットピットが必ず形成される。
ファセットは法線方向へ成長するので、露呈部Πに存在した転位Dはファセットの傾斜面からファセット境界線へ集まりさらに境界線にそってピットの底へと移動する。全ての転位がそのような運動をするので転位はファセットピットの底へ集まる。ピット底に転位が集結する。それは成長とともに視点が上がってゆくのでそうなるのであるが、視点を成長界面に固定すると、転位が「ファセットを滑り落ちファセットピットの底へ集まる」というように簡単に表現することもできる。以後もそんな表現を使うこともある。そのようにして孤立マスクMの上方(被覆部Υ)ピットの底は転位の集結した欠陥集合領域Hとなる。露呈部Πの上ファセットの斜面の下にあたる部分は転位の少ない単結晶領域となる。これを「低欠陥単結晶領域Z」と名付ける。
ピットの外にある部分は平坦なC面を維持して成長する。これは転位の少ない単結晶の領域でC面成長領域Yと呼ぶ。同心状にHZY構造となる。ファセットピットを維持しながら成長するので結晶成長が終わったときは表面に凹凸の多いボコボコの結晶となる。それをC面に平行に横切断(スライス)しアズカットウエハ−とする。さらに両面を研磨する。ミラーウエハ−になる。図26にウエハ−の平面構造を示す。同心のHZY構造となる。H、Z、Yともに表面から裏面に貫通した領域である。これは孤立した小さい被覆部(マスク)を点状に分布させるのでドット型ファセット成長法と呼ぶことができよう。
ドット型ファセット成長法では、点状マスクを中心に円錐形のピットができる。転位はピット底へ吸収され拘束される。一旦拘束された転位はピット底の欠陥集合領域Hから二度と開放されない。これはドット底の近くのファセット下の領域は低転位(低欠陥単結晶領域Z)になり好都合であった。
しかし孤立マスクが点状に分布するとそれを中心としてピットが形成されるので、ピットに含まれない部分(C面成長領域Y)の面積が大きくなる。C面成長領域Yは単結晶であるが転位低減は不十分である。またC面成長領域Yは電気抵抗が高くてn型の基板として必ずしも好都合でない。
さらにドットが規則正しく分布してもたくさんのデバイスを同じ条件で基板の上に作ることができない、という問題もある。これはドット型という。ファセット成長法でランダム型とドット型の二つの類型が発明されたのである。
特開2003ー183100(特願2002−269387)
特許文献3は、直線状平行複数の被覆部Υを下地基板のうえに形成し、その上からGaNを成長させたものである。図27に下地基板Sの上に平行直線マスクMを設けた状態を示す。マスクMの被覆部Υは何十本もあるが一部だけを図示した。露呈部Πから結晶成長が始まる。被覆部Υは結晶粒の形成が遅れる。結晶成長開始時間、結晶成長速度が違うので、V溝状の結晶成長となる。マスク被覆部Υの面積S1は露呈部Πの面積S2より狭い(S1<S2)。
マスク被覆部が平行であるから、ファセットの集まりは最早角錐形ピットを作らず平行のV溝を形成する。V溝の底は被覆部Υ(マスクM)に一致する。露呈部Πの上に向きが相反した傾斜壁ができる。露呈部Π上のV溝の2つの傾斜壁はファセットΦである。V溝は二つのファセットを持つだけである。ドット型のように6つあるいは12のファセットをもつのとは異なる。
V溝を埋め込まず、ファセット成長を維持する。ファセットは法線方向に成長するからファセット面にあった転位がファセットを滑り落ちて、V溝の底に転位が集結し傾斜壁下に成長する部分は低転位の単結晶となる。これは溝底に欠陥集合領域Hがあり、その両側に低欠陥単結晶領域Zがあり、低欠陥単結晶領域Zのさらに横にC面成長領域Yがあるという構造であり、HZYZHZY…というような周期構造をもつ。低欠陥単結晶領域Zが直線状に生成できるからデバイスを作る場合に便利である。図28にそのような構造を持つファセット成長途中の結晶の状態を示す。
またマスクのピッチpを狭くするとファセット面だけでV溝を構成できC面成長領域Yが存在しないようにすることもできる。それはマスクピッチがp=800μm以下というような制限がある。800μm以上2000μmピッチ程度までファセット面には転位低減効果がある。しかしp=2000μm以上では転位低減効果がなくなる。
だから特許文献3のマスクピッチは2mm以下である。それにこれは平行なマスク、平行なH、Z、Yという平行構造をとるのでウエハ−が割れ易いという欠点もある。これはH、Z、Yすべてが平行なのでストライプ型とよぶ。
3つのファセット成長法を述べた。特許文献1のランダム型はマスクなし(S1=0)でランダムなピット配置となる。特許文献2は孤立点状のマスク(S1<S2)でドット型というが規則正しくHが存在しその周りに同心状にZが存在する。特許文献3は平行直線状マスク(S1<S2)を使いストライプ型というが、平行にHZYZHZYZH…という繰り返し構造がある。
特許文献3のストライプ型ファセット成長法は有用であり低転位のGaN基板を得ることができる。しかしそれにもなおいくつかの問題がある。
(1) 欠陥集合領域Hが直線状に配列されるので、欠陥集合領域Hと垂直方向にファセットΦが出現しない。そのため欠陥低減が不十分になる。欠陥は成長面に対し垂直に曲げられるため、ファセットΦが出現しない箇所では欠陥は低減しない。特許文献2のように孤立点状マスク(ドット型)の場合は角錐状のファセットピットを形成するから様々の面指数のファセットΦがピットに存在し転位Dを底へ集結する力が優勢であったが、ストライプの場合はV溝を作りファセットの傾きは2種類しかなく転位DをV溝の底へ集結させる力が不十分である。だから転位低減効果が不足する場合がある。
(2) 端面に鏡面を必要としないチップ(LD以外)の場合は、ダイシング等の加工工程が必要となる。ダイシングによってウエハ−からチップを切り出す場合ダイシングがデバイスにダメージを与える。ダメージによってデバイスが劣化する。ダイシング等の切断では、端面から加工に伴う(ダイヤモンドやSiC等の硬質砥粒)欠陥が混入し、その増殖により、素子の劣化が起こる。
(3) 光を3次元的な箱から取り出す場合、単位体積あたりの表面積が多いほど外部に接触している割合が多く、四角形より三角形が有利である。発光素子(LED)の場合、端面が多いほど、光の取り出し量が増える。そのため光取り出し量を増やすには四角形よりも三角形の方がよい。あるいは六角形の素子の方が良いということもある。そのような異形の素子を作る事は難しい。
(4) 刃物を使ったダイシングは四角形を切り出すことができるが、切断方向の変化する三角形や六角形を切り出すのは難しい。ダイシングで無理に四角形以外の多角形に切断すると無駄な部分が大量に生ずる。四角形以外の多角形チップの切りだしをダイシングで行うとウエハ−からは数多くのチップを取り出せない。ダイシング以外の手段で素子分離できれば異形のデバイスを作ることもできる。
(5) 低欠陥単結晶領域ZとC面成長領域Yの合計は、特許文献3の場合2mm以下(10μm〜2000μm)でなければならないと述べている。単結晶領域の幅が2mm以下であるため、低転位かつ大面積が必要なデバイスには使用できない。ストライプの長辺を長く取り、大面積にすることが考えられようが、電流の広がりから考えると円形に近い方が望ましい。チップ一辺が2mm以下であると、大面積の素子(高輝度発光デバイス、パワーデバイスなど)用としては使用できない。
本発明の目的はこれらの問題を解決することである。ファセット成長法であって、より転位密度を下げることができ、発光素子(LED)をその上に形成した場合より発光効率が高く、チップ分離にダイシング以外の手法を使う事ができより大型のチップを取り出すことを可能にする窒化物半導体基板を提供することが本発明の目的である。
本発明は、下地基板Sの上に有限の幅Tをもち閉曲線をなす被覆部Υを形成しその上から窒化物半導体の結晶をファセット成長させる。露出部Πの上には結晶が先に成長する。マスク被覆部Υの上には結晶成長が遅れる。被覆部Υで低く、露呈部Πが高くなるような凸型のファセット丘Σができる。凸型ファセット丘Σの傾斜面(ファセットΦ)にあった転位Dは成長とともに傾斜面(ファセットΦ)を滑り落ち被覆部Υ上の部分に集まる。被覆部Υ直上部分は欠陥の集合した欠陥集合領域Hとなる。ファセットは法線方向に成長するから、成長とともに、露呈部Πの上のファセット部分にあった転位DはファセットΦを滑りおち、被覆部Υ上の欠陥集合領域Hに陥り欠陥集合領域Hに捕獲され拘束される。
閉曲線被覆部Υの上に形成された閉曲線欠陥集合領域Hは転位の集結捕獲場所となる。一旦捕獲された転位は二度と欠陥集合領域Hを離れることができない。だから被覆部Υの上に成長した欠陥集合領域Hに隣接する部分は低転位の単結晶部分となる。露呈部Π上にファセット成長した部分は低欠陥単結晶領域Zとよぶ。ファセット成長した低欠陥単結晶領域Zが欠陥集合領域Hによって囲まれているので転位の減少が著しいのである。
閉曲線の大きさや成長条件によっては、低欠陥単結晶領域Zのまん中にC面成長した領域Yが発生することもある。これをC面成長領域Yとよぶ。C面成長領域Yも単結晶で低転位であり、低欠陥単結晶領域Zと同じ方位の単結晶である。しかしC面成長領域Yは電気抵抗が高くてn型基板を作りたいという場合は好ましくないことがある。マスク被覆部Υ(閉曲線)の大きさや条件によってC面成長領域Yを減らすことができるし、完全に消失させることもできる。
本発明では、欠陥集合領域Hが閉曲線をなすように設けられそれが低欠陥単結晶領域Zの全周を包囲し全周から転位Dを引き出すようにしているから低欠陥単結晶領域Zの転位Dを有効に欠陥集合領域Hへ引き取り捕獲し集積することができる。全周面から転位を引き出すので閉曲線で囲まれた低欠陥単結晶領域Zはより一層低転位となる。
欠陥集合領域Hは転位が集結した領域であるが、好ましい条件の場合は、他の部分(ZやY)と方位が反対向きの単結晶となる。つまり結晶反転単結晶部分となる。その場合、隣接する低欠陥単結晶領域Zとの間には方位反転による結晶粒界ができる。方位反転結晶粒界は転位を欠陥集合領域H内に強く拘束して再び解き放つ事がない。
条件が整わない場合、欠陥集合領域Hは多結晶となる。多結晶の場合でも隣接する低欠陥単結晶領域Zとの間には結晶粒界ができる。これは反転による結晶粒界でないが、一旦欠陥集合領域Hに集積した転位を外側へ解き放つことがない。つまり欠陥集合領域Hと隣接する低欠陥単結晶領域Zの間には明確な境界Kが生ずる。それは結晶粒界である。結晶粒界のために、一旦欠陥集合領域Hに入った転位は再び低欠陥単結晶領域Zへ出て行かない。
欠陥集合領域Hが有限の幅T‘をもち欠陥集合領域Hの両側が境界K、Kであるということが本発明の一つの特徴である。平行な境界K、Kの間隔が欠陥集合領域Hの幅T’である。欠陥集合領域Hに有限の幅T’を与えるためには、初めに下地基板に描くマスク被覆部Υ(閉曲線)に有限の幅Tを与えればよい。欠陥集合領域Hの幅T’<Tである。厚みにもよるが、T’はTに対し8割とか9割というような比例関係にある。だからマスク被覆部Υの幅Tによってその上にできる欠陥集合領域Hの幅T’をある程度決めることができるのである。
欠陥集合領域H、境界Kは閉曲線を描くようにするというのが本発明の主張である。同じ単位が繰り返し現れるようにするとデバイス作製のときに便利である。同じ単位が繰り返し現れるということであれば基本円を外接させるような繰り返しパターンでもよい。また基本楕円を外接させるような繰り返しパターンも可能である。欠陥集合領域Hの形状としては円、楕円の繰り返しであってもよい。それらが外接するように繰り返し並べられたパターンでもよいのである。
しかし円や楕円の同じ形状の繰り返しの場合は欠陥集合領域Hの幅T’が一定にならない。幅T’が一定でなくても良いのであれば、欠陥集合領域H、境界Kとして円や楕円を採用できる。
同じ単位が平面を隈なく敷き詰めるということになるとそれは多角形を単位としなければならない。同じ形状の多角形で平面を覆うとなるとそれは、正三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形、120度の六角形に限られる。本発明では欠陥集合領域Hや境界Kの形状を正三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、六角形、台形のいずれにしてもよい。図1〜図6は下地基板の上に予め形成する網目状マスクMの例である。ここでもマスク被覆部はΥで表現し、露呈部はΠで表現する。
図1は下地基板Sの上に正六角形を繰り返す網目状マスクパターンを設けている。マスクMの単位形状は正六角形で、幅W、長さH、被覆部の幅Tなどの定義を示す。
図2は下地基板Sの上に正三角形を繰り返す網目状マスクパターンを設けている。マスクの単位形状は正三角形で内角が60度なので隙間なくならべ同じ形状を繰り返すことができる。幅W、長さH、被覆部の幅Tなどの定義を示す。
図3は下地基板Sの上に長方形を繰り返す網目状マスクパターンを設けている。マスクMの単位形状は長方形で、幅W、長さH、被覆部の幅Tなどの定義を示す。
図4は下地基板Sの上に長六角形を繰り返す網目状マスクパターンを設けている。マスクMの単位形状は長六角形で、幅W、長さH、被覆部の幅Tなどの定義を示す。内角が120度で2つの長辺と4つの短辺をもつ長六角形なので同じ単位を繰り返すことができる。
図5は下地基板Sの上に平行四辺形を繰り返す網目状マスクパターンを設けている。マスクMの単位形状は平行四辺形で、幅W、長さH、被覆部の幅Tなどの定義を示す。平行四辺形の場合は角度がどのようなものでも同じ単位を繰り返すことができる。
図6は下地基板Sの上に台形を繰り返す網目状マスクパターンを設けている。マスクMの単位形状は台形で、幅W、長さH、被覆部の幅Tなどの定義を示す。等脚台形であれば繰り返しパターンが可能である。不等脚台形でも表裏相反する2種の台形を組み合わせれば繰り返しパターンが可能である。
窒化物半導体は六方晶系をとるので、C面を表面とする単結晶の場合、表面には代表的な<10−10>方向(等価な方向が120度をなして3つある)と<11−20>方向(等価な方向が120度をなして3つある)とがある。劈開面は{10−10}である。{khmn}は面の集合表現、(khmn)は面の個別表現である。{khmn}はその結晶の対称操作によって到達できる全ての個別面を含む。窒化物半導体は反転対称性がないから{khmn}と{−k−h−m−n}面は異なる面である。<khmn>は方向の集合表現、[khmn]は方向の個別表現である。[khmn]は(khmn)面の外向き法線であり長さは面間隔の逆数で与える。だから、<11−20>方向に平行に劈開しやすい。
多角形の辺の一つを<11−20>、<10−10>方向に平行に取るということもできるし、それらからある角度をなすように取ることもできる。多角形マスク方位を劈開面に一致させると多角形の辺にそって劈開することが可能となる。しかし後に述べるように本発明の基板は不均一性があって欠陥集合領域Hにそって加熱KOH、NaOHで湿式エッチングして容易に分離できるので必ずしも劈開面を辺に一致させる必要はない。
図7の平面図、図8の縦断面図によって、正六角形網目状マスクMを設けた例について本発明のファセット成長法を説明する。網目マスクを使うので、これまでのランダム型、ドット型、ストライプ型と区別するため、ネット型と呼ぶことにしよう。本発明のネット型ファセット成長法は図1〜6のどのマスクでも適用できるがここでは図1の正六角形マスクから出発したとして述べる。図1のマスク形成の段階の縦断面図が図8の(1)に当たる。下地基板Sの上に正六角形ネットマスクを設ける。下地基板Sの上面は露呈部Πと被覆部Υに分かれる。
窒化物半導体(GaN、InGaN、InN、AlN、AlGaN)を気相成長させると、下地基板S上の露呈部Πに結晶核が生成されてここから成長が始まる。被覆部Υには結晶ができない。露呈部Πに六角台形の結晶ができる。六角台形は盛り上がって丘のようである。被覆部Υに接触する部分は傾斜したファセットΦとなっている。側面にファセットをもつ丘であるから露呈部Πの盛り上がりファセット丘Σと呼ぶ。図
7(1)と図8(2)はその状態を示す。ファセット丘Σのなかで、転位Dが上向きに延びている。
さらに成長が進むと露呈部Πでファセット丘Σの高さが増える。側面のファセットΦが広くなり頂部平坦(C面)が狭くなる。図7(2)では頂部の僅かなC面が残っているファセット丘Σを図示している。被覆部Υには結晶がいまだできない。C面が残ることもあるがC面が完全に消滅する場合もある。C面がないほうが望ましい。図8(3)ではC面が完全に消失したファセット丘Σを示す。これが理想的な場合である。6つのファセットΦが頂部で合一した正六角錐のファセット丘Σとなる。転位Dは上向きに延びている。転位Dの上端はファセットΦに斜交する。ファセットΦの傾斜角は50゜〜60゜程度で決まっているから露呈部Π内だけではこれ以上大きくなれない。
だからさらに結晶成長が進行すると被覆部Υの上にも結晶が乗り上がる。ファセットΦの成長は最早上向きでなく傾斜面の法線方向となる。転位Dは法線方向へ方向転換して伸びる。転位Dは外向きに伸び始める。図7(3)と図8(4)に示す。斜め外向きに連続する糸状の転位Dがのびるからやがて被覆部Υの上に追い出される。被覆部Υにも結晶が堆積されるが次々に側方から転位Dが入ってくるのでここで転位Dの束ができる。転位Dは容易な事では消えないので連続して存在する。図8の(4)に示すように、上向きの転位となって被覆部Υの上に集結する。ここに転位が集合した欠陥集合領域Hが生成される。転位は消滅しにくいし新たに発生しにくい。欠陥集合領域Hに移動した分だけ、露呈部Πの上でファセットΦの下にあった部分の転位Dが減少する。だから露呈部Π上ファセットΦ下の領域が低転位となる。露呈部Π上ファセットΦ下の領域は、単結晶であり低転位だから低欠陥単結晶領域Zと呼ぶ。
転位はいろいろな不規則性から生ずるものであるが全体としてc軸方向に成長させているから、3族と窒素原子が反対の関係になっている転位も多い。そのような転位が欠陥集合領域Hに集まるのであるから、欠陥集合領域Hは下向きにc軸をもつような単結晶となることが多い。だから欠陥集合領域Hは方位が他の部分と反対の反転層となることが多い。それが最も望ましいのである。そのような場合結晶方位が反転したところに結晶粒界ができる。一旦欠陥集合領域Hに入った転位Dが再び広がるのを結晶粒界が防ぐ。転位は強く欠陥集合領域Hに閉じ込められる。
条件が整わない場合欠陥集合領域Hが多結晶となる場合がある。その場合でも低欠陥単結晶領域Zと欠陥集合領域Hは結晶の様態が違うから境界に結晶粒界ができる。結晶粒界が低欠陥単結晶領域Zと欠陥集合領域Hの間に存在する。明確な境界K(結晶粒界)を持ちそれによって両側が仕切られる明確な欠陥集合領域Hができる。境界K、Kがあるので、欠陥集合領域Hは転位Dを捕獲拘束して二度と解き放つ事がないのである。
結晶成長が終わったとき表面はファセット丘Σがたくさん存在し凹凸の多いぼこぼこの結晶となる。図9はその一部縦断斜視図である。表面にファセット丘Σがあって側面はファセットΦに、底はネット状になっている。ファセット丘Σの頂上に平坦部が残っている。結晶内部にはファセットΦに続く低欠陥単結晶領域Z、ネット底に続く欠陥集合領域H、平坦部に続くC面成長領域Yがある。試料によってはC面成長領域Yのないものもある。
そのような凹凸に富んだインゴットを横切断(スライス)するとアズカットウエハ−となる。それを研磨するとミラーウエハ−となる。図10はミラーウエハ−の構造を示す。GaNの場合全体が透明でガラスのようであり区別はない。
肉眼では構造が見えないがカソードルミネッセンス(CL)によると、構造物が見える。ネット状で表裏に伸びる欠陥集合領域Hと、正六角形柱状で表裏に伸びる低欠陥単結晶領域Zとがある。欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域Zの間は境界Kとなっている。これはC面成長領域Yのない試料である。
欠陥集合領域Hのもとになる閉曲線マスク被覆部Υの幅Tは0.05mm〜0.3mm程度とする。被覆部Υの上に欠陥集合領域Hができるがその幅T’は、被覆部Υ幅より少し狭くなる(T>T’)。マスク被覆部Υ幅が0.05mm〜0.3mmの範囲にあるとき、その上にできる欠陥集合領域Hの幅T’は0.03mm〜0.2mm程度になる。Tが0.05mmより小さいと、その上に欠陥集合領域Hがうまく成長しないで不安定になり時には欠陥集合領域Hが消えてしまう。0.3mm以上の欠陥集合領域Hだと低欠陥単結晶領域Zの転位低減効果はあるのであるが、欠陥集合領域H自体はデバイスを作るためには役に立たないからあまり大きな比率を占めるのは好ましくない。それで上限を0.3mm程度にする。
更に好ましくはマスク幅Tは0.05mm〜0.2mmとする。その上に発生する欠陥集合領域Hの幅T’は0.03mm〜0.1mm程度になる。それはデバイス面積に入らない欠陥集合領域Hを減らしコスト高を防ぐうえに有効である。
欠陥集合領域H、境界Kは閉曲線であるが、それに囲まれる低欠陥単結晶領域Zの重心から閉曲線にいたる最長距離L2と、最短距離L1の比率L2/L1が5以下であるようにする。
欠陥集合領域H、境界Kを長方形とした場合は、長辺/短辺の比率が5以下ということである。
欠陥集合領域H、境界Kを60度、120度の内角をもつ菱形とした場合はL2/L1=2であるから上の条件を満たす。
欠陥集合領域H、境界Kを60度、120度の内角をもつ平行四辺形とすると、長辺と短辺の比の値が4.68以下だということである。
欠陥集合領域H、境界Kが正三角形の場合、L2/L1=2であるから、5以下であるとする上の条件を満足する。
欠陥集合領域H、境界Kが正四角形の場合、L2/L1=1.4であるから、5以下であるとする上の条件を満足する。
欠陥集合領域H、境界Kが正六角形の場合、L2/L1=1.16であるから、5以下であるとする上の条件を満足する。
欠陥集合領域Hの閉曲線境界Kの最大直径は0.1mm〜20mmである。最大直径というのは境界K上の2点間距離の最大値である。境界Kは表面において二次元の閉曲線であるから2点間距離の最大値が必ず存在する。それを最大直径と定義する。それは低欠陥単結晶領域Zの最大直径だということもできる。0.1mm以下でももちろん低転位化できるが、欠陥集合領域Hの幅T‘(0.03mm〜0.2mm)によってかなりの面積を占有されるので、低欠陥単結晶領域Z直径が0.1mm以下であると経済的な損失が大きい。また最大直径が20mmを越えると最小辺を小さくしても、欠陥集合領域Hによって囲まれる領域が広すぎて全部を低転位化することができない場合がある。それはストライプ型に近づきその欠点が現れる
また欠陥集合領域Hと境界Kを正多角形とする場合、閉曲線境界Kの最大直径が0.1mm〜5.0mmとする。
ランダム型ファセット成長(特許文献1)、ドット型ファセット成長(特許文献2)の場合はファセット面はピット(凹部、穴)を形成した。平坦なC面のところどころにできたピット(穴)がファセットの集合であり、ファセットの傾斜が転位をピット底へ取り込み捕獲するように働いた。
ところが本発明は凹凸の関係が反対である。成長面に平坦なC面がはじめから存在するのではなくて、はじめから存在するのは閉曲線である欠陥集合領域Hである。欠陥集合領域Hが高さの基準となり、ファセットが形成するのは欠陥集合領域Hから上に盛り上がった凸型のファセット丘Σである。ファセット丘Σの最大高さは閉曲線の広さに依存する。だから欠陥集合領域Hの閉曲線を広げるとファセット丘Σの最大高さを大きくできる。ファセットが維持されている限り転位をファセット丘Σの高い部分から低い部分へ移動させる作用がある。
だから成長とともに輪郭線内部の方の転位も欠陥集合領域Hへと引き寄せられて減少してしまう。それが、特許文献1、2の凹型(ピット、穴)の場合と違う。凸型ファセット丘Σが平面の上に突出しそれが高く延びるのであるから転位低減効果は低欠陥単結晶領域Zの深奥部にまで及ぶのである。
特許文献3のストライプ型は特許文献1、2の凹型ファセットピットと本発明の凸型ファセット丘Σの中間的なものである。ストライプの場合は平行に延びる多数のV溝、Λ棟があり凹型とも凸型ともいえず中間的である。ストライプ型の場合、ファセット面がV溝の両側に一つずつあり、それに含まれる転位がV溝の底へ引き込まれることによって転位が減少する。ストライプの延長方向に欠陥集合領域Hが存在しないから転位を引き寄せる力、転位を閉じ込める力が弱い。
そのように本発明はファセット成長法のカテゴリーに含まれるが凸型のファセット丘Σを形成し成長とともに転位をファセット丘Σからふるい落とすことによってファセット成長する部分の転位を周囲閉曲線をなす欠陥集合領域Hに集め捕獲し拘束する。それによってファセット成長部分の転位を1×10cm−2程度にまで下げることができる。
本発明は低欠陥単結晶領域Zの転位を減らすことができるということの他に、ウエットエッチングやドライエッチングにより欠陥集合領域Hに沿って素子分離できるという優れた特長がある。刃物を使わないでウエハ−からチップ分離を行うことができる。六角形や三角形のチップ形状の場合刃物でチップを切り出すのは難しいがエッチングで分離できるのでどのような形状でも容易に素子分離できる。これも本発明の顕著な利点である。
閉曲線被覆部Υを有するマスクを下地基板に設けてから窒化物半導体を気相成長させるので、被覆部Υ上に閉曲線をなすように欠陥集合領域Hが発生し、それが露呈部Π上に成長した低欠陥単結晶領域Zを取り囲むようになる。低欠陥単結晶領域Zのどの場所にあっても近くに欠陥集合領域Hが存在する。露呈部Π上に成長した低欠陥単結晶領域Zの転位線は成長とともに最も近い欠陥集合領域Hの方へ曲がりその欠陥集合領域Hへ引き寄せられやがて吸収される。低欠陥単結晶領域Zが閉曲線欠陥集合領域Hで包囲されるのでストライプ型ファセット成長に比べて転位の低減効果が大きい。
欠陥集合領域Hの部分は機械的化学的物理的に他の部分よりも弱い。それは欠陥集合領域Hが包囲の逆転した単結晶であるか多結晶であるからである。いずれにしても表面にN(窒素)面が露呈している。GaNや窒化物半導体において、Ga面、InGa面、Al面などは堅牢であるが、窒素面(N面)は化学的物理的に弱い。低欠陥単結晶領域ZやC面成長領域Yは表面がGa面、InGa面など3族元素の並ぶ面であるが、欠陥集合領域Hは窒素面(N面)である。そのような不均一性がある。
それは均一であるべき半導体デバイスの基板としては欠点のようにも思えるが同時に長所でもある。それはチップ分離を欠陥集合領域Hに沿って容易に行えるからである。
欠陥集合領域Hは窒素面(N)が露呈した反転単結晶であるか多結晶であるので、化学的に脆弱でありウエットエッチングによってその部分だけをきれいに除去することができる。だから欠陥集合領域Hにそってウエハ−を切断しチップ分離できる。これは本発明の大きい特長である。
機械的にダイシングしなくても適当なエッチング液(例えば加熱したKOHなど)に浸すことによって欠陥集合領域Hに沿ってチップ分離することができる。化学的にチップ分離するというような技術はこれまでの半導体技術にはないことである。刃物を使う機械的な切断であると直線運動だけで切り出せる矩形(正方形、長方形)のチップ以外はうまく切り出せない。だからこれまでの全ての半導体チップの形状は矩形であった。欠陥集合領域Hに沿ってウエットエッチングによってチップ分離することができるので、本発明の基板は三角形であろうが、六角形であろうが90゜以外の内角をもつチップを簡単にウエハ−から分離することができる。
ダイシングによるチップ分離は時間もかかるし歩留まりは低いし、砥粒が端面を傷つけそれが欠陥を増殖することもあり不都合である。しかし本発明はダイシングでなく液体に付けることによって素子分離できるから、切り屑もでないし端面劣化の恐れもない。有効なチップ分離の手法である。
発光ダイオード(LED)の場合端面が多いほど光の取り出し量を増やす事ができる場合もある。三角形チップは四角チップより端面面積が広い。六角形チップが良いということもある。本発明の基板は欠陥集合領域Hを液体によってエッチングすることができるので、三角形、六角形のチップを切り屑や損失なく切り出す事ができる。高輝度高効率の発光ダイオードを作製することができる。有用な発明である。
ストライプ型ファセットの場合はH、Z、Yの構造のピッチを2mm(2000μm)以上に大きくする事ができない。それはV溝の両側にファセットが2面しかなく転位を引き込む力が弱いからである。本発明の場合は両側だけでなく前後にも欠陥集合領域Hがあるので転位を引き込む作用が増強される。そのために最大直径が3mm〜5mmの多角形でも転位減少効果がある。最大直径が20mmの六角形の場合でも転位低減の効果がある。だから大型の発光素子や大型のパワーデバイスの基板として有用である。
ストライプ型ファセットの場合は平行な構造をもつから平行な欠陥集合領域Hで割れ易くてウエハ−プロセスにおいてハンドリングが難しいという欠点もあった。本発明の場合は入り組んだ多角形の欠陥集合領域Hとなるから様々の方向の応力に強く簡単には割れない。
[窒化物半導体基板製造方法]
下地基板を準備する。GaAs(111)A面基板、SiC単結晶基板、スピネル単結晶基板、Si単結晶基板、サファイヤ単結晶基板などを下地基板とすることができる。
下地基板の上に幅Tをもつ閉曲線被覆をもつ網目状のマスクを形成する。網目状だから被覆部Υは連続しており一体である。しかも被覆部Υ面積S1が露呈部Π面積S2より小さい。S1<S2である。この関係はファセット成長法ではかならず成り立つ関係である。ELOはS1>S2であり関係が反対である。
マスク材料はSiO、SiN、Pt、W、Tiなどであるが、最も良いのはSiOである。マスクをSiOとすると被覆部Υ上に成長した欠陥集合領域Hが反転単結晶(ZやYと方位が逆転した単結晶)となることが多い。Pt,Wなど金属のマスクでも被覆部Υ上に欠陥集合領域Hを作ることができるが多結晶となることが多い。多結晶の欠陥集合領域Hでも結晶粒界の境界Kができるが転位を減少させ捕獲する作用は、反転単結晶の欠陥集合領域Hが最も大きいようである。だからSiOが最も良いようである。SiNは欠陥集合領域Hが消失したりしてあまり良いマスクではない。それでも低欠陥単結晶領域Zの転位を減らす効果はある。
だからマスクとしての適性は、SiO>W>Pt>SiNという順である。マスクはスパッタリング、蒸着などで膜形成されフォトリソグラフィ、エッチングによって所望のパターンにする。
マスク厚みは20nm〜500nm程度である。特に良いのは50nm〜100nm程度である。マスク厚みの大小はあまり結晶品質に影響しない。
被覆部Υは閉曲線でなければならない。連続すると網目状となる。被覆部Υの形状を網目状として、同じパターンを繰り返す網目構造だとすると、正三角形、正方形、長方形、120゜内角の六角形に限られる。被覆部Υ幅Tは0.03mm〜0.2mmである。更に好ましくは幅Tは0.05mm〜0.2mmとする。
窒化物半導体の成長は、低温バッファ層の形成と高温厚膜層の形成の2段階になる。下地基板との不整合を緩和するため低温で薄いバッファ層をまず作る。それは薄いもので50nm〜150nm程度である。そのあと1mm〜5mmといった厚い窒化物半導体膜を気相成長させる。
気相成長法は、HVPE法、MOCVD法、MOC法、昇華法等を用いることができる。GaNの場合について説明する。InGaN、AlGaN、などの場合は原料が少し違うがほぼ同じ手法で成長させることができる。
[HVPE法(ハイドライド気相成長法)]
Ga原料として金属Gaを用いる。窒素原料はアンモニアである。ホットウオール型の反応炉の下方にサセプタがある。サセプタの上に下地基板を置き加熱する。反応炉の上方にGaボート(Ga溜)があり加熱し融液としておく。上方から水素ガス+HClガスをGa融液に吹き付けてGaClを生成する。これが水素ガスとともに下方へながれ加熱された下地基板の近くでアンモニアと反応しGaNを生成しそれが下地基板の上に堆積する。これは成長速度が速いという長所があり厚膜形成に適した方法である。また炭素が混入しにくいという利点もある。
[MOCVD法(有機金属CVD法)]
GaN薄膜成長法として最も普通に用いられている方法である。コールドウオール型の反応炉において、TMG(トリメチルガリウム)、TEG(トリエチルガリウム)などGa有機金属と、アンモニアガスを水素をキャリヤガスとして、加熱された下地基板へ吹き付ける。GaNが反応生成物として下地基板の上に堆積する。これは成長速度が遅く膜厚制御が容易で薄膜形成に向いた方法である。InやAlを含む窒化物半導体の場合は、TMI(トリメチルインジウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)などを原料として用いる。
[MOC法(有機金属塩化物気相成長法)]
Ga原料としてTMGなど有機金属を用いる。窒素原料としてアンモニアを用いる。そこはMOCVD法と同じであるが、直接にTMGとアンモニアを反応させない。ホットウオール型反応炉で、まずTMGとHClを反応させてGaClを生成する。GaClとアンモニアを反応させてGaNとしそれを下地基板の上に堆積する。
[昇華法]
これは多結晶のGaNを原料とする。反応炉の中に原料の多結晶GaNと下地基板を別異の場所において多結晶GaNを加熱し多結晶と下地基板の間に温度勾配を形成する。多結晶が気化して移動し下地基板の上にGaN薄膜が堆積する。
そのような方法のいずれによっても本発明を行うことができる。
露呈部Π(S2)で孤立した結晶核が形成され露呈部Πで結晶成長が先に始まる。結晶核が互いに接触し結合され膜となる。転位をたくさん含む膜となる。転位は成長とともに成長方向に糸のように伸び簡単には消滅しない。ELOに比べ露呈部Πが広いので、露呈部Π(S2)を埋め尽くすのに時間が掛かる。被覆部Υでは結晶成長がなかなか始まらない。だから露呈部Πに結晶の丘ができる。
結晶丘の側面は低面指数のファセットである。だからこの結晶丘をファセット丘Σと呼ぶ。下地基板が3回対称性のある単結晶の場合、GaNなどはc軸方向に成長を始める。平坦であれば表面がC面となるが全部が平坦でなく側面にファセットができるのである。
c軸方向の成長の場合よく出現するファセットは{10−11}、{10−12}、{11−22}、{11−21}などである。ファセットが広がり角錐台形のファセット丘Σであったものが次第に角錐に近づく。ファセットの直下に続いて成長する部分は単結晶になり次第に低転位になる。はじめから低転位でなく成長とともに転位が減少する。だから低欠陥単結晶領域Zと呼ぶのである。
ファセット丘Σが完全に角錐になればいいのであるが、必ずしもならないこともある。中心に残った台地はC面を維持して成長する。その部分をC面成長領域Yという。露呈部Πで結晶成長が行われ十分な高さに達すると、マスク被覆部Υの上でも結晶成長が始まる。それは反転層(結晶方位が他の部分と反対である単結晶)であることもあり、多結晶であることもある。マスク材料や成長条件による。
そのあとも結晶成長が持続するが露呈部Π上のファセット丘Σが高く、被覆部Υ上が低いというようになる。網目状の低地と網目内の高地がほぼ同じ速度で厚みを増やしてゆく。だからファセット丘Σの形状が維持されながら成長が続いて行くのである。a軸長さをa、c軸長さをcとすると、{11−22}ファセットの水平面(C面)に対する傾斜角はcot−1(a/c)である。{1−101}ファセットのC面に対する傾斜角はcot−1(31/2a/2c)である。これらはかなり大きい角度で50゜〜60゜程度であるから、かなり急傾斜のファセット丘Σを形成する。
貫通転位は消滅することはなく成長とともに成長方向に延びる。本発明の場合凸型ファセット丘Σができる。凸型の傾斜の成長は傾斜面の法線の方向であるから転位も法線の方向へ延びる。凸型ファセット丘Σであるから法線は外側に向かう。転位も外側に向かって伸長する。成長とともに転位が外側へ掃き出される。やがてファセット丘Σの裾まで滑りおちる。そして輪郭線をなす欠陥集合域Hの中へ吸い込まれる。欠陥集合領域Hは結晶粒界を境界Kとして有するので一旦吸い込まれた転位は再び出て行かない。ファセット丘Σにあった貫通転位は端のものから順にファセットを滑りおちて輪郭線である欠陥集合領域Hに集結してゆく。
どうして欠陥集合領域Hに転位が矛盾なく入って行くのか?多少の疑問が起こるであろう。転位には色々のものがあるが原子配列が周囲と逆転しているという転位が多くそれが欠陥集合領域Hに至りそのまま集合すると反転層になるからもともと反転層であった欠陥集合領域Hに矛盾なく吸収されるのである。
ファセット面によって転位が周辺部へ掃き寄せられるという作用は露出部での結晶が薄膜になり角錐台になってファセットが形成されると同時に始まる。だから露出部でのどの部位でも転位の減少は同じように思えるがそうではない。露出の中央部では転位の増殖がなく左右へ移動するだけである。だから転位は減るだけのことである。露出部の中間部ではファセット面を滑り落ちて欠陥集合領域Hへ行くので転位は減るが上から新しい転位が滑り落ちてきて補填されるのであまり減らない。だから欠陥集合領域Hから遠いにも拘らず露出部の中央が最も転位が低いということになる。中間部、周辺部は、転位の吸い込みである欠陥集合領域Hに近いのであるが、上から次々と新しい転位がやってくるのでなかなか低転位にならない。そういうわけで露出部の転位は中央部でより低く、中間部、周辺部でより高くなる。
また成長厚みによっても転位密度が変化する。成長とともに欠陥集合領域Hが変質するからである。マスクの幅、マスク材質によって、成長が進むとともに欠陥集合領域Hが反転層から多結晶層に変化することがある。また欠陥集合領域H自体が消失することもある。網目状輪郭線をなしていた欠陥集合領域Hが消失するとそれ以後は転位を吸収捕獲する力を失う。欠陥集合領域Hが消滅するとこの部分の高さが高くなりファセットの角度が低減しファセットが消えることもある。欠陥集合領域Hの転位の捕獲拘束作用がなくなる。そのため以後は露出部上の結晶の転位が減少せずかえって増加するということになる。
そうしてできた結晶はファセット丘Σが網目の中に存在する凹凸のあるものである。図16にその概略の斜視図を示す。ファセット丘Σの斜面が低欠陥単結晶領域Zである。頂部がC面成長領域Yである。低地のネットが欠陥集合領域Hである。
凹凸があっては基板にならない。適当な厚みに切断(スライス)してアズカットウエハ−としてさらに研磨してミラーウエハ−とする。
ミラーウエハ−はガラスのように透明であり肉眼では、網目構造は見えない。しかしカソードルミネッセンス(CL)法で見ると網目構造が見える。それを図17に示す。正六角形ネット状に欠陥集合領域Hがあるそれに囲まれて低欠陥単結晶領域Zがある。低欠陥単結晶領域Zの中心にC面成長領域Yがある。C面成長領域Yがない場合もある。
転位密度の測定方法は次のようである。燐酸(HP0)と硫酸(HSO)の混合溶液を240℃〜280℃に加熱し、GaN/下地基板の試料を浸す。試料表面の欠陥部分にエッチピットが発生する。ノマルスキ微分干渉顕微鏡を用いて一定面積内のエッチピットを数えてエッチピット密度を求める。
[チップ分離]
そのように製造した半導体ウエハー上に、MOCVD法で通常のAlGaInN系のLED構造を作製し、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:1規定以上の濃度)に浸すと、欠陥集合領域Hのみがエッチングされて、低欠陥単結晶領域Z+C面成長領域Y(ともに低欠陥領域)のみが分離できる。しかもMOCVD法で作製した活性層に欠陥が増殖されていないことをカソードルミネッセンス(CL)評価で確認した。
同様に、水酸化カリウム水溶液(KOH:1規定以上の濃度)でも分離できることを確認した。特に、水溶液の温度を50℃以上にすると、エッチング速度が速くなるようである。
ウエットエッチングだけでなく、ドライエッチングでも分離できるということを確認した。準備したウエハ−を再度HVPE炉にセットし、塩化水素ガスによって処理すると、欠陥集合領域Hのみが選択的にエッチングできる条件があることが分かった。好適温度条件は、温度700℃から900℃であった。それは1050℃の成長温度より低温である。それは好都合なことである。
ドライエッチングにおいて、通常はマスクを付け他の部分を保護してからマスク露出部をエッチングするのであるが、このウエハ−では素地自体が選択性を持っているのでマスク被覆したりマスク除去したりする必要がない。欠陥集合領域Hだけがエッチングされるからエッチング部分にそって、チップ分離が容易に行える。
[低欠陥が可能な理由]
特許文献3と本発明の相違点は、この欠陥集合領域Hを1次元の直線状でなく、2次元の多角形状に配置することである。このように欠陥集合領域Hを配置することによって、C面成長領域Yが少なくなり、ストライプ状に配置した場合に比べて格段に欠陥を少なくすることが可能である。その理由は次に示すとおりである。
C面成長領域Yというのは、(0001)面(C面)を表面に持って成長して来た面であるため、ファセット面を出現させて成長する際、欠陥(転位)が曲がるという効果は殆ど働かない。特許文献3のストライプファセット成長法では、成長の条件を調整して(0001)面を極力少なくするとようにしても、必ずC面成長領域Yは出現する。
何故なら、表面がファセット面によって囲まれた状態では、先端が鋭く尖った状態になりエネルギー的に不安定だからである。だからどんなに成長条件をコントロールしても、(0001)面だけを上面にもって成長する領域が存在する。C面成長部分の欠陥は、低欠陥単結晶領域Zへ移動することになる。だから特許文献3のように直線状一次元欠陥集合領域Hを設けたパターンでは、C面成長領域Yが直線状に存在し、低欠陥単結晶領域Zの欠陥の減少は限界があり、1×10cm−2程度以下にはなかなかならない。
ところが本発明のように、欠陥集合領域Hを閉曲線をなすよう(好ましくは多角形状に)二次元的に配置すると、欠陥集合領域Hを直線状に配置する場合に比べて、C面成長領域Yが減少する。そのため多角形状に配置された欠陥集合領域Hに囲まれた低欠陥単結晶領域Zでの欠陥密度は、欠陥集合領域Hを直線状に配置させた場合より、1/10程度に減少させることが可能になる。低欠陥単結晶領域Zの欠陥密度は1×10cm−2に下がる。もっと条件の良いときには、更に1×10cm−2程度に下がることもある。
なお閉曲線の形状は、円形より、直線を組み合わせた形状(多角形)の場合、特に下地結晶の対称性を考慮した直線を組み合わせた形状の場合(六方晶の(0001)面なら三角形、菱形、台形、六角形など)にきれいなファセット面が出現し、欠陥低減の効果が高い。
[大面積が可能な理由]
成長は、気相(ガス)反応を用いているため、ガスが入り込めない領域で成長は起こらない。成長中に出現するファセット面は、約45゜と決まっているため、欠陥集合領域Hが直線状に配置された構造(特許文献3:ストライプ型)では、表面の凹凸(溝深さ)は、パターンのピッチサイズによって決定される。例えば最大2mmのピッチでは、ファセットの角度を45゜と仮定すると、最表面から谷底までの深さは約1mm近くになる。谷はウエハ−に一方向に出現するため、ウエハ−中央部では原料ガスが入り込めない、ガスが抜けないなど均一な結晶成長にとり悪条件となる。
しかし本発明のように欠陥集合領域Hを多角形状に配置すると、最大の高さは直線状配置の場合と同一になるが、ガスの抜ける方向があらゆる方向に存在するために、高低差が1mm以上であっても、問題なく結晶が成長する。実際に幅5mm、高低差が約2.5mmあるサンプルでも面内にほぼ均一に成長することを確認した。
[応用例]
このように大面積(最大で20cm)で低欠陥(最小で1×10cm−2以下)を持つ、窒化物半導体ウエハ−を製造すると、次のような用途で、より高品質な素子が作製可能となる。
発光素子(発光ダイオード、半導体レーザ)、電子素子(整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、HEMT)、半導体センサ−(温度センサ−、圧力センサ−、放射センサ−、可視−紫外光検出器)、SAWデバイス、加速度センサ−、MEMS部品、圧電振動子、共振器、圧電アクチュエータ
中でも発光素子では、高電流密度注入時(1×10〜1×10A/cm)に、欠陥密度1×10cm−2の場合と比べて、本発明の基板から作製したデバイスは数十〜数百倍の寿命があることを確認した。窒化物系発光素子での劣化原因としては
(1)活性層中の欠陥の増殖
(2)欠陥を通しての不純物元素の拡散など
が指摘されている。本発明は、もともと欠陥が少ないウエハ−を用いることによって活性層に貫通する欠陥を大幅に抑制する事ができ、それによって長寿命化が達成できたものと思われる。
電子素子は、特に、高電圧、大電流で効果を確認した。このデバイスも欠陥がおそらく電流のリークパスとなるため、欠陥密度が1×10cm−2の場合に比べて耐圧特性が向上したものと考えられる。
リークパスの存在はセンサーにも重大な影響(ノイズとなる部分)を与えるため、高感度のセンサーの作製が本発明によって可能となる。
[実施例1(サファイヤテンプレート下地基板:パターン・試料A〜J:図11〜15)]
下地基板として、MOCVD法によって2〜5μm程度のGaN薄膜を堆積させた2インチ径のサファイヤ基板を用いた。これをサファイヤテンプレートと呼ぶ。サファイヤテンプレートの上にスパッタリングによって100nm厚みのSiO膜を堆積させた。通常のフォトリソグラフィとエッチングによってSiOのマスクパターンを作製した。だからここでの層構造は下から順にSiO/GaN/サファイヤとなる。パターンの一つの単位を図11〜図15に示す。それらは一つの単位しか描いていないが実際には縦横の同じ寸法形状のものがくまなく繰り返しているのである。
[1.パターンA〜E (正三角形の繰り返しパターン;図11)]
図11は正三角形のマスクパターンである。これは一つしか示していないが実際には同じ正三角形が隙間なく縦横に並ぶ繰り返しパターンである。一辺が<10−10>方向に平行になるようにしている。GaNは三回対称性のある六方晶系の結晶であるから等価な方向が120゜の方向に存在する。だから正三角形の辺は全て<10−10>に平行なのである。方向の個別表現は鍵括弧[…]で、集合表現は角括弧<…>で示す。だから上の3辺はそれぞれ異なる[10−10]、[01−10]、[−1100]方向に平行であるわけである。集合表現の<10−10>、<01−10>、<−1100>方向はすべて上の3つの方向を含み同じものを表しているのである。
サファイヤC面の上にGaNを成長させるとやはりC面を表面にするように結晶ができるが結晶主軸が90゜回転する。サファイヤの[11−20]方向に平行なGaN方向は[10−10]である。図11〜15ではそのような事を含んでGaNの結晶方位で表現している。
パターンの正三角形の一辺の長さをHとし高さをWとする。被覆部Υの幅をTとする。T幅の部分がSiOの被覆部Υである。内側の正三角形部分は下地基板(GaN/サファイヤ)が露呈した露出部である。正三角形であるが寸法を変えて6種類のマスクパターンを作製した。それぞれをパターンA、B、C、D、Eとする。
W(辺) H(高さ) T(幅)
パターンA 0.35mm 0.4mm 0.002mm
パターンB 0.35mm 0.4mm 0.05mm
パターンC 0.9mm 1mm 0.1mm
パターンD 4.4mm 5mm 0.1mm
パターンE 4.4mm 5mm 0.3mm
これはSiO被覆部Υの寸法である。パターンA〜Eの上にGaN結晶を成長させたものを試料A〜Eとする。被覆部Υの上には欠陥集合領域Hができる。露出部の上には主に低欠陥単結晶領域Zが成長する。中央部に僅かなC面成長領域Yができることもある。欠陥集合領域Hが反転層か、多結晶か、消失するかということ、及び露呈部Π結晶の端と中央での転位密度を検査した。その結果は表1に上げている。それは結晶成長方法や転位密度測定方法を述べたのちに試料ごとに説明する。
[2.パターンF (正四角形の繰り返しパターン;図12)]
図12のように正方形被覆部Υを繰り返し設けたパターンをFとする。一辺Hを<10−10>方向の長さとする。他の一辺Wは<11−20>方向に平行である。パターンFの寸法は以下のようである。
W H T
パターンF 1mm 1mm 0.05mm
これが被覆部Υの寸法で被覆部Υの上に欠陥集合領域Hができる。被覆部Υで囲まれた内部の0.9mm×0.9mmの正方形が露出部である。露出部の上に低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yができることもある。
[3.パターンG (菱形(正四角形)の繰り返しパターン;図13)]
図13のように菱形被覆部Υを繰り返し設けたパターンをGとする。角度が90゜の菱形であるから正方形なのであるが、<10−10>方向にも<>方向にも平行でなく45゜の角度をなすようなパターンとしている。だから菱形と言える。この場合寸法の定義が先ほどとすこし違う。<11−20>方向の対角線長をWとする。<10−10>方向の対角線長をHとする。だから1辺はそれにcos45゜を掛けたものである。パターンGの寸法は以下のようである。

W H T
パターンG 1mm 1mm 0.05mm
これが被覆部Υの寸法で被覆部Υの上に欠陥集合領域Hができる。被覆部Υの外側の大きさは0.707mm×0.707mmである。被覆部Υで囲まれた内部の0.697mm×0.697mmの正方形が露出部である。露出部の上に低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yができることもある。
[4.パターンH,I (正六角形の繰り返しパターン;図14)]
図14のように正六角形被覆部Υを繰り返し設けたパターンをH,Iとする。正六角形だから辺の長さで寸法を表現することもできるがここでは直径(対角線)の長さをHとしており、平行対辺の距離をWとしている。幅がTであるのはこれまでと同じである。パターンH,Iの寸法は以下のようである。
W H T
パターンH 0.1mm 0.09mm 0.05mm
パターンI 2mm 2.3mm 0.05mm
これが被覆部Υの寸法で被覆部Υの上に欠陥集合領域Hができる。被覆部Υで囲まれた内部の正六角形が露出部である。露出部の上に低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yができることもある。パターンH、Iはともに正六角形が繰り返すパターンであるが、パターンIの方が20倍大きいものになっている。
[5.パターンJ (不等六角形の繰り返しパターン;図15)]
図15のように不等六角形被覆部Υを繰り返し設けたパターンをJとする。120゜の内角をもち4辺は短く平行2辺が長くなっている。長辺は<10−10>方向に平行である。長い方の直径をHとして、短い方の直径をWとしている。パターンJの寸法は以下のようである。
W H T
パターンJ 0.4mm 20mm 0.05mm
これが被覆部Υの寸法で被覆部Υの上に欠陥集合領域Hができる。被覆部Υで囲まれた内部の不等六角形が露出部である。露出部の上に低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yができることもある。
GaN結晶の成長はMOCVD法またはHVPE法による。ここでは主にHVPE法によって行った。縦長のホットウオール型炉の中央部に抵抗加熱サセプタを、上方にGa溜めを設ける、上方からHCl+水素、水素+アンモニアガスを導入するようになっている。サセプタの上に先ほどのマスクを形成した下地基板(SiO/GaN/サファイヤ)を置き1000℃以上に加熱しておく。Ga溜めの金属Gaを800℃以上に加熱してGa融液としておきそこへ水素+HClガスを吹き込みGaClを生成する。GaClガスが下方へ流れサセプタ上の下地基板に接触するアンモニアガス(H+NH)がここへ吹き込まれるのでGaClとアンモニアが反応してGaNができそれが下地基板の上に堆積する。
パターンAの成長条件
MOCVD法
基板温度=1030℃
NH/Ga=2000
成長時間=30時間
パターンB〜Jの成長条件
HVPE法
Ga溜め温度=800℃、
基板温度=1050℃
NH分圧2.5×10−2atm(2.5kPa)
HCl分圧0.02atm
5mmの厚みまでGaNを成長させた試料をスライスし研磨してウエハ−に加工した。パターンA〜Jのマスクの上にGaN薄膜を形成した試料をサンプルA〜Jということにする。つまりパターン名とサンプル名を一致させる。ウエハ−の表面を顕微鏡観察してエッチピットの数を数えた。研磨面のままではエッチピットが現れない。
燐酸と硫酸の混合溶液を240℃〜280℃に加熱し、GaN/下地基板の試料を浸す。すると表面の欠陥部分にエッチピットが発生する。一定面積内のエッチピットを数えてエッチピット密度を求めることができる。ノマルスキ微分干渉顕微鏡を用いて0.1mm×0.1mmの範囲のピット数を数えた。計数可能なピット数の下限は10000個/cmである。上限は10cm−2程度である。表1に試料記号A〜Wとそのマスク形状、寸法、成長厚み(0.1mm、0.5mm、1mm、2mm、5mm)毎の露呈部Πでの端と中央部での転位密度(EPD)を示した。
Figure 2007254258
[試料A(W=0.35mm、H=0.4mm、T=0.002mm;正三角形)] 正三角形マスクパターンAの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた場合、結晶欠陥集合領域Hの発生を確認できなかった。パターンAは被覆部Υ幅がT=0.002mmで狭すぎるからであろう。HVPE法は成長が速いのが特長である。しかし速すぎて、小さい被覆部ΥがすぐにGaN結晶で埋められてしまうようである。そのため、2μm程度の幅Tの領域に欠陥集合領域Hを発生させることができないようである。狭い幅Tの被覆部Υの上に欠陥集合領域Hが発生するにはある程度成長速度が遅くないといけないということである。そこでパターンAに関しては成長速度の遅いMOCVD法を使って成長させ、欠陥集合領域Hの発生が可能かどうか調べた。その結果、表1試料A欄に示すように、パターンAのように細かい被覆部Υ幅のパターンでも成長速度を遅くすることによって欠陥集合領域Hを発生させることができるということがわかった。
結晶厚みが0.1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層(他の部分Z、Yと結晶方位が反対である単結晶)であり、露出部(Z、Y)の中央での転位密度が1×10cm−2、端での転位密度が1×10cm−2であった。反転層である欠陥集合領域Hの転位密度低減効果が大きい。
結晶厚みが0.5mmのとき、露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。端では先ほどよりも転位が増えている。一旦集束した転位がばらけ、拡散したのである。その原因は欠陥集合領域Hが消失したことにある。もともと被覆部Υ幅Tが0.002mmと狭いから、欠陥集合領域H幅T’は狭く、成長とともに痩せてきてついに消滅したのである。
[試料B(W=0.35mm、H=0.4mm、T=0.05mm;正三角形)] 正三角形マスクパターンBの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hが発生した。試料Aより被覆部Υが広い(0.05mm)からである。HVPEは成長速度が速いので厚みが0.1mmでは転位密度(EPD)を調べない。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層であり、露出部(Z、Y)の中央での転位密度が1×10cm−2、端での転位密度が3×10cm−2であった。反転層である欠陥集合領域Hの転位密度低減効果が中央での転位密度に大きく現れている。
結晶厚みが1mmのとき、露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。中央での1×10cm−2というのはすばらしい転位低減の効果を示す。そのような低転位は本発明によって初めて実現される。欠陥集合領域Hは反転層でその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hが消失した。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりも転位が増えている。欠陥集合領域Hが消えたので露出部での転位が増加した。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hはすでにない。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が増えている。欠陥集合領域Hが消えたので露出部での転位がさらに増加したのである。
[試料C(W=0.9mm、H=1mm、T=0.1mm;正三角形)]
正三角形マスクパターンCの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hが発生し転位低減効果は膜厚が2mmまで持続した。それは、試料Bより被覆部Υが広い(0.1mm)からである。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層であり、露出部中央での転位密度が1×10cm−2、端での転位密度が3×10cm−2であった。
結晶厚みが1mmのとき、露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hは反転層でその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは依然として反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりも転位が減っている。特に中央部での1×10cm−2というのは本発明には顕著な低減効果があることを示す。このような低転位はこれまでの手法では到達不可能であった。欠陥集合領域Hが生きているので転位がさらに減少したのである。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは一部反転層で一部消失しかけであった。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりも転位が増えている。欠陥集合領域Hが消えかけているので露出部での転位がさらに増加したのである。
[試料D(W=4.4mm、H=5mm、T=0.1mm;正三角形)]
正三角形マスクパターンDの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hが発生し転位低減効果は膜厚が5mmまで持続した。それは、試料B、Cより露出部が広い(H=5mm)からである。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層であり、露出部中央での転位密度が5×10cm−2、端での転位密度が3×10cm−2であった。
結晶厚みが1mmのとき、露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が6×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hは反転層でその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは依然として反転層である。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりも転位が減っている。欠陥集合領域Hが生きているので転位がさらに減少したのである。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは一部反転層で一部消失しかけであった。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が5×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hの効果が持続している。
試料Cと試料Dを比較すると、マスク被覆部Υ網目パターンが大きいほど転位低減効果の発生は遅れるが膜厚が増えても低減効果は長く持続するということがわかる。網目パターンが大きいと露出部(Z、Y)と輪郭線の距離が増え転位の掃き出しが遅れるので転位低減効果が遅れるのだと考えられる。しかしパターンが大きいと膜厚が増えてもマスク被覆部Υの上の欠陥集合領域Hが消失しにくいので転位低減効果は長く持続するのである。膜厚の大きい結晶で低転位のものが欲しいという場合は網目パターンを大きくすれば良いのである。
[試料E(W=4.4mm、H=5mm、T=0.3mm;正三角形)]
正三角形マスクパターンEの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hが発生し転位低減効果は膜厚が5mmまで持続した。しかし欠陥集合領域Hは反転層でなく多結晶であった。試料Dと比べて欠陥集合領域Hが多結晶になったのは被覆部Υ幅Tが大きい(0.3mm)からだと思われる。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶層であり、露出部中央での転位密度が5×10cm−2、端での転位密度が3×10cm−2であった。欠陥集合領域Hが多結晶であっても反転層であっても低減効果はあまり変わらない。
結晶厚みが1mmのとき、露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hは多結晶であり、その転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりも転位が減っている。多結晶の欠陥集合領域Hが生きているので転位がさらに減少したのである。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が4×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hの効果が持続している。試料C、D、Eをみれば、露出部上(Z、Y)の転位密度が10cm−2以下になっていることが多い。とくに中央部では10cm−2以下に下がり10〜10cm−2となる場合もある。
[試料F(W=1mm、H=1mm、T=0.05mm:四角形)]
<10−10>、<11−20>に平行辺をもつ四角形マスクパターンFの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。膜厚が1mmまで、欠陥集合領域Hは一部反転層で一部は消失した。膜厚が2mm以上で欠陥集合領域Hは消失した。それとともに転位低減効果もなくなり膜厚とともに転位は増加した。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは<10−10>に平行な部分は反転層となり、<11−20>に平行な部分は消失した。露出部中央での転位密度が2×10cm−2、端での転位密度が3×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hが一部にあるので転位低減効果がある。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは<10−10>に平行な部分は反転層となり、<11−20>に平行な部分は消失した。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hが一部残っており、その転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは消失した。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。転位が少し増えている。欠陥集合領域Hが消失したからである。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が8×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が増えている。欠陥集合領域Hがなく転位は増える。
試料C、D、E、Fを比較してみれば、露呈部Πの多角形としては正方形より正三角形が適しているようである。正四角形網目マスクでも、露出部上(Z、Y)中央部の転位密度を10cm−2以下にすることができる。
[試料G(W=1mm、H=1mm、T=0.05mm:四角形)]
<10−10>、<11−20>に45゜の角度をなす辺をもつ四角形マスクパターンFの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。膜厚が1mmまで、欠陥集合領域Hは反転層で転位低減効果がある。膜厚が2mm以上で欠陥集合領域Hは消失し、転位低減効果もなくなり膜厚とともに転位は増加した。
結晶厚みが0.5mmのとき、<10−10>、<11−20>に45゜の角度をなす欠陥集合領域Hは反転層となった。露出部中央での転位密度が2×10cm−2、端での転位密度が4×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがあるので転位低減効果がある。
結晶厚みが1mmのとき、<10−10>、<11−20>に45゜の角度をなす欠陥集合領域Hは反転層となった。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hが反転層として存在しており、その転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hが消失した。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。転位が少し増えている。欠陥集合領域Hが消失したからである。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部の中央での転位密度が8×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が増えている。欠陥集合領域Hがなく転位は増える。
試料F、Gを比較してみれば、露呈部Πの多角形としては正方形を選んだ場合、四辺が<10−10>、<11−20>に平行であるより、非平行であるほうが転位減少効果、欠陥集合領域存続効果ともに優れるようである。特に<11−20>方向に平行な被覆部Υが消滅しやすいということがわかる。その原因はわからない。
[試料H(W=0.1mm、H=0.09mm、T=0.05mm:正六角形)]
正六角形マスクパターンHの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。膜厚が1mmまで、欠陥集合領域Hは反転層として存在し転位低減効果があった。2mmで欠陥集合領域Hが消失し転位は増加に転ずる。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層となる。露出部中央での転位密度が8×10cm−2で,0.5mm程度の膜厚でこれほどの低転位はなかなか得られないものである。端での転位密度が3×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがあるので転位低減効果がある。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で抜きんでて低転位である。端での転位密度が5×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hがありその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは消失した。露出部の中央での転位密度が8×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。膜厚が0.5mmの場合と同じぐらいに転位が増えている。欠陥集合領域Hが消失したからである。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が増えている。欠陥集合領域Hがなく転位が増える。
試料C、D、E、F、G、Hを比較してみれば、露呈部Πの多角形としては正方形より正三角形が、正三角形よりは正六角形が適しているようである。正六角形網目マスクの場合は1×10cm−2まで転位を減少させることができる。
[試料I(W=2mm、H=2.3mm、T=0.05mm:正六角形)]
正六角形マスクパターンIの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。膜厚が1mmまで、欠陥集合領域Hは反転層として存在し転位低減効果があった。2mmで欠陥集合領域Hが消失し転位は増加に転じた。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層となる。露出部中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が4×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがあるので転位低減効果がある。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が6×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hがありその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは消失した。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hが消失しても中央部の転位密度は減少している。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が増えている。欠陥集合領域Hがなく転位が増える。
[試料J(W=0.4mm、H=20mm、T=0.05mm:長六角形)]
長六角形マスクパターンJの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。細長比は50倍である。膜厚が5mmまで、欠陥集合領域Hは反転層として存在し転位低減効果があった。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層となる。露出部中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがあるので転位低減効果がある。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が5×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hがありその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が8×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。欠陥集合領域Hの作用で転位密度は減少している。
結晶厚みが5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が7×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。先ほどよりも僅かに転位が減っている。欠陥集合領域Hの効果が持続している。
試料H、I、Jを比較すると、マスクパターンが大きいほど膜厚がかなり大きくなるまで欠陥集合領域Hが存続し転位減少効果が持続するようである。
マスク被覆幅Tが狭いほど、成長後に欠陥集合領域Hが狭くなり、成長厚みが増加するに従い、欠陥集合領域Hが狭くなるようである。そして更に膜厚が増えると欠陥集合領域Hが消える。
「消失」と記載している部分は、面欠陥としての欠陥集合領域Hが存在しなくなる領域である。しかしその(被覆部Υ上)部分でも欠陥を集合させているということには変わりない。しかし面欠陥でないと欠陥の閉じ込め効果が低いようである。だから面欠陥である欠陥集合領域Hを形成するほうが欠陥を減らす上で有効である。
マスク被覆部Υを、GaNの<10−10>方向に平行にするとうまく、面欠陥を含む欠陥集合領域Hを発生させることができるようである。それは四辺型のパターンF、Gによって確認した。
ぴったり<10−10>に平行でなく、この方向から±15゜の範囲の角度であれば欠陥集合領域Hがうまく発生するようである。それは4角形の90゜パターンで確認した。
六角形の場合、正六角形のパターンでは面欠陥を含む欠陥集合領域Hの成長厚み依存性が大きい。しかし正六角形から離れると、欠陥集合領域Hの成長厚み依存性は小さくなるようである。
[実施例2(GaAs、Si、サファイヤ、SiC下地基板:試料K〜N)]
下地基板をサファイヤテンプレートでなく、GaAs(111)A(試料K)、Si(試料L)、SiC(試料M)、サファイヤ(試料N)下地基板などにした。下地基板の上にマスクを付け、GaNを成長させて欠陥集合領域Hの発生の様子を調べた。
これら下地基板に、スパッタリングで100nm厚みのSiO膜を堆積し、通常フォトリソグラフィとエッチングによってSiOマスクパターンK、L、M、Nを作製した。マスクパターンはいずれも正六角形で同じであるが下地基板が異なる。
W H T
パターンK(GaAs下地基板) 1 1.2 0.05
パターンL(Si下地基板) 1 1.2 0.05
パターンM(6h−SiC) 1 1.2 0.05
パターンN(サファイヤ) 1 1.2
0.05
それぞれの下地基板の上にHVPE法によって低温堆積層(バッファ層)と高温堆積層(エピタキシャル層)よりなるGaN薄膜を成長させた。
(A.GaN低温堆積層の形成)
低温HVPE法 Ga温度 800℃
下地基板温度 490℃
NH分圧 0.2atm(20kPa)
HCl分圧 2.0×10−3atm(200Pa)
成長時間 15分
GaN膜厚 50nm
(B.GaN高温堆積層の形成)
高温HVPE法 Ga温度 800℃
下地基板温度 1010℃
NH分圧 0.2atm(20kPa)
HCl分圧 2.5×10−2atm(2.5kPa)
成長時間 11時間
いずれの下地基板を用いても、欠陥集合領域は生ずるようである。GaAs(111)A、サファイヤ、SiC下地基板ではいずれも面欠陥を含む欠陥集合領域Hをマスク被覆部Υの上に形成することができた。
しかしSi下地基板の場合は面欠陥を含む欠陥集合領域Hを発生させることができなかった。それはSiとGaが反応して成長界面の制御が狙い通り進まなかったからである。
図16にGaAs(111)面を下地基板として作製した窒化ガリウム結晶の成長直後の模式的な斜視図を示す。正六角形のマスク被覆部Υに対応した正六角形部分が欠陥集合領域Hになりそれによって囲まれる部分から六角錐形状のGaNが成長している。GaNの六角錐の頂面に水平部分が少し存在する。六角錐の傾斜面がファセット面である。ファセット面のある部分が低欠陥単結晶領域Zである。水平に成長した頂点部分がC面成長領域Yである。そのような実際に凹凸のある結晶となる。傾斜面の角度は決まっている。マスク露呈部Πと同じ寸法をもつ六角錐ができるのであるから、上頂部はかなりの高さになる訳である。かなりの高さになるが平面から突出した部分は基板として使えない。そのような凹凸のある厚い結晶を横方向にスライスしてアズカットウエハ−とし研磨して平滑な面を形成した。
研磨したウエハ−の斜視図を図17に示す。表面に正六角形の低欠陥単結晶領域Zができる。その部分は転位密度が低く良質の単結晶である。正六角形の辺にそった部分が欠陥集合領域Hである。欠陥集合領域Hはマスク被覆部Υの幅Tよりすこし狭いようである。低欠陥単結晶領域Zの正六角形の中心にはC面成長領域Yが存在する。これは大体六角形であるが形状や寸法はまちまちである。実際にそのような区別が見える訳ではない。GaNウエハ−は、肉眼でみた場合一様なガラスのような感じである。カソードルミネッセンス(CL)によってそのような区別がはじめてあらわれる。
[試料K(GaAs:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料K〜Nは下地基板をGaAs、Si、SiC、サファイヤというように異ならせている。試料KではGaAs下地基板上の正六角形マスクパターンKの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。膜厚が1mmまで、欠陥集合領域Hは反転層として存在し転位低減効果があった。膜厚が増えて欠陥集合領域Hが消えても中央部では転位が減少した。周辺部で転位が増加に転じても遅延効果があり中央部での低減傾向はしばらく続くのである。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがあるので転位低減効果がある。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。先ほどよりもさらに転位が減っている。欠陥集合領域Hがありその転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは消失した。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2であり低減効果が暫く中央部では持続するのでそのような低転位となった。端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hの作用で転位密度は減少している。
厚み2mmで欠陥集合領域Hが消えたのでそこで成長を中止した。試料Kと試料Iを比較すると、下地基板としては、GaN/サファイヤよりGaAsの方が転位密度を減らすためにはより有効なようである。
[試料L(Si:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料LではSi下地基板上の正六角形マスクパターンLの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。被覆部Υ上の閉じられた欠陥集合領域Hははじめから存在しないが被覆部Υによる転位減効果はあった。Siは欠陥集合領域Hを作る事ができず下地基板としてはあまり良くないということである。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。境界Kをもつ反転層、多結晶層である領域がない。被覆部Υ上は周囲と同じ方位の単結晶に近いものである。しかしファセットは存在するから被覆部Υへ転位を掃き出す効果はある。露出部中央での転位密度が3×10cm−2で、端での転位密度が4×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがないが被覆部Υによる転位低減効果はある。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部の中央での転位密度が3×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。被覆部Υによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が3×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。欠陥集合領域Hがなくファセットの掃き出し作用だけがあるので露呈部Πの中央で転位が減り端では減らない。
[試料M(6h−SiC:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料Mでは6h−SiC下地基板上の正六角形マスクパターンMの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。「6h−」というのは六方晶ということである。欠陥集合領域Hは反転層として1mm膜厚まで存在したが、2mmで消失した。露呈部Π中央は遅延効果があるので膜厚2mmまで転位密度が減少し続けた。6h−SiCは下地基板として欠陥集合領域Hを作ることができる。下地基板としての適性は、GaAsとSiの中間程度である。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が4×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。欠陥集合領域Hによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hがなくファセットの掃き出し作用だけがあるので露呈部Πの中央で転位が減るが端では減らない。
[試料N(サファイヤ:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料Nではサファイヤ下地基板上の正六角形マスクパターンNの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。試料A〜Jも下地基板はサファイヤを含むが、サファイヤの上に2μm厚みのGaN薄膜を成長させたテンプレート基板である。試料Nの下地基板はGaN薄膜のないサファイヤ下地基板の上にマスクをつけGaNを成長させたものである。欠陥集合領域Hは反転層として1mm膜厚まで存在したが、2mmで消失した。露呈部Π中央は遅延効果があるので膜厚2mmまで転位密度が減少し続けた。サファイヤは下地基板として欠陥集合領域Hを作ることができる。下地基板としての適性は、GaAs、SiC、Siよりすぐれているようである。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hがなくファセットの掃き出し作用だけがあるので露呈部Πの中央で転位が減るが端では減らない。
試料K〜Nを比較すると転位を減らすという観点から、下地基板としては、サファイヤ(α−Al)、GaAs、SiC、Siの順に優れているらしいということがわかる。
ウエハ−(試料K)の結晶性を、X線回折によって評価した。X線源には、Cu−Kα1(λ=0.154056nm)を使用した。X線回折装置としては、スペクトリスX’pert−MRDを使用した。結晶に照射されるX線の面積を0.25mm以下となるようにスリットなどで調整した。回折強度は(004)回折で測定した。
(004)というのは3指数法の表現であり四指数法だと(0004)である。回折強度グラフを図18に示す。横軸は角度(秒)であり、縦軸はカウント数である。半値幅FWHMは30秒以下であった。それは良好な結晶性をもっているということがわかる。それはGaAsを下地基板とするものであるが、SiCやサファイヤを下地基板とするものでも同様に優れた結晶性であることがわかった。
上記ウエハ−(GaAs下地基板から成長させスライスし研磨したもの)をMOCVD法装置にセットし、有機金属原料とアンモニアなどを材料として、発光ダイオード(LED)を作製した。
層構造を図19に示す。GaN基板の上に、5μmのn−GaNバッファ層、150nmのn−Al0.15Ga0.85N層、50nmのn−In0.06Ga0.94N層、150nmのp−Al0.15Ga0.85N層、500nmのp−GaN層を有する構造である。表面にNi/Au電極(p電極)を、裏面にTi/Al電極(n電極)を作製した。電極形成後、裏面をワックスで保護し、KOH溶液(1規定:100℃)に4時間浸して欠陥集合領域Hだけを選択的にエッチングした。それによって6角形のLEDチップができた。これをLED1とする。
欠陥密度が1×10cm−2のGaNウエハ−を用いて図19の構造をもち同じ発光面積をもつLED2を作製した。
LED1とLED2に同じ条件で通電して発光させた。20mAの電流で駆動したときにLED1は、LED2に比較して約1.2倍の発光強度が得られた。
100mA通電して寿命試験を行った。LED1は、LED2の10倍以上の長い寿命があるということを確認した。
それは本発明の実施例2にかかるGaNウエハ−の転位密度が少なく良質の基板であるということによる効果である。
[実施例3(SiO、SiN、Pt、Wマスク:試料O〜R)]
パターンはいずれも同じであるが、マスクの材質だけを変えた。SiOマスク(試料O)、Siマスク(試料P)、Ptマスク(試料Q)、Wマスク(試料R)の材料を用いた。マスク厚みはいずれも100nmである。
W H T
パターンO(SiO) 1mm 1.2mm 0.05mm
パターンP(Si)1mm 1.2mm 0.05mm
パターンQ(Pt) 1mm 1.2mm 0.05mm
パターンR(W) 1mm 1,2mm 0.05mm
その上に低温で薄いGaNバッファ層を形成し、高温で厚いGaNエピ層を形成した。その条件は以下の用である。
(A.GaN低温堆積層の形成)
低温HVPE法 Ga温度 800℃
下地基板温度 490℃
NH分圧 0.2atm(20kPa)
HCl分圧 2.0×10−3atm(200Pa)
成長時間 15分
GaN膜厚 50nm
(B.GaN高温堆積層の形成)
高温HVPE法 Ga温度 800℃
下地基板温度 1010℃
NH分圧 0.2atm(20kPa)
HCl分圧 2.5×10−2atm(2.5kPa)
成長時間 11時間
マスクをSiOとした場合は、その上に面欠陥を含む欠陥集合領域Hを形成することができた。しかしSiをマスクとした場合は、面欠陥を発生させることができなかった。だから表1には「消失」と書いている。
Ptマスク、Wマスクの上にGaNを成長させた場合、マスクの上に欠陥集合領域Hはできるがそれは単結晶でなく多結晶となるようである。
欠陥集合領域Hが明確にできてそれが他の部分の単結晶と方位が反転する反転層となるためにはSiOマスクがこのなかでは最も適していると言える。
[試料O(SiO:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
実施例3の試料O〜Rでは下地基板はGaAs(111)A面単結晶であるが、マスクの材料がSiO、Si、Pt、Wとしている。
試料OではGaAs下地基板上の正六角形SiOマスクパターンOの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。 欠陥集合領域Hは反転層として1mm膜厚まで存在したが、2mmで消失した。露呈部Π中央は遅延効果があるので膜厚2mmまで転位密度が減少し続けた。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hがなくファセットの掃き出し作用だけがあるので露呈部Πの中央で転位が減るが端では減らない。SiOはマスク材料として好適であることがわかる。
[試料P(Si:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料PではGaAs下地基板上の正六角形SiマスクパターンPの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hははじめから発生しなかった。しかしファセット丘Σは形成され被覆部Υへ転位を運び込む作用はあるので転位をある程度減らすことができる。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2であった。ファセット丘Σと被覆部Υによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。ファセット丘Σと被覆部Υによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が6×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hがなくファセットの掃き出し作用だけがあるので露呈部Πの中央で転位が減るが端では増える。欠陥集合領域Hを作らないのでSiはマスク材料としてあまり好適でないことがわかる。
[試料Q(Pt:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料QではGaAs下地基板上の正六角形PtマスクパターンQの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hは多結晶層として2mm膜厚まで存在した。多結晶欠陥集合領域Hの作用で露呈部Π中央、端ともに結晶成長とともに(膜厚が増えるに従って)転位が減少した。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が5×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が5×10cm−2である。欠陥集合領域Hによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。欠陥集合領域Hが存在するので転位は露呈部Π中央でも端でも減少する。
Ptマスクは転位密度を2×10cm−2以下にできないが多結晶の欠陥集合領域Hを維持するのでマスク材料として有効である。
[試料R(W:W=1mm、H=1.2mm、T=0.05mm:正六角形)]
試料RではGaAs下地基板上の正六角形WマスクパターンRの上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。欠陥集合領域Hは多結晶層として2mm膜厚まで存在した。多結晶欠陥集合領域Hの作用で露呈部Π中央、端ともに結晶成長とともに(膜厚が増えるに従って)転位が減少した。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部中央での転位密度が3×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2であった。多結晶欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が3×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。欠陥集合領域Hによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。欠陥集合領域Hが存在するので転位は露呈部Π中央でも端でも減少する。
Wマスクは転位密度を2×10cm−2以下にできないが多結晶の欠陥集合領域Hを維持するのでマスク材料として有効である。PtやWなど金属マスクは多結晶の欠陥集合領域Hを作り出す傾向があるようである。転位密度低減効果はSiOより低いが膜厚が増えても低減効果が長続きするという利点があるようである。PtマスクよりWマスクの方が転位減少効果で勝っているようである。
[実施例4(AlN、InN基板)試料S〜W)]
これまでは全て窒化ガリウム(GaN)の基板を作ることを目的としてきた。窒化ガリウム以外にAlを含む窒化物基板(試料T)、Inを含む窒化物基板(試料U)をこの方法を利用して作製することを試みた。
窒化アルミニウム(AlN)は、Siの酸化膜(SiO)や窒化膜(Si)に対して選択性が得られないので、SiOやSiNパターンのうえにAl窒化物を成長させてもGaNのようなファセット成長を期待できない。そこで一旦マスクを形成しGaN成長させて欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域Zを有するGaNをつくりそれを下地基板とすることを考えた。
用いた下地基板は、GaAs(111)A面表面にSiOマスクを形成しその上にHVPE法でGaNバッファ層、厚膜層を形成してスライスした実施例2(試料K)によって製造したGaNウエハ−である。
だから図17に示すように正六角形の辺に沿って欠陥集合領域Hがあり、正六角形内部には低欠陥単結晶領域Zがあり、正六角形の中心部にはC面成長領域YがあるようなGaN下地基板である。試料S、T、Uは正六角形マスクを使って実施例2で作製しスライス研磨したGaN(試料K)のH+Z+Yの正六角形構造をもつウエハ−である。
W H T
試料S(GaN下地基板K) 1mm 1.2mm 0.05mm
試料T(GaN下地基板K) 1mm 1.2mm 0.05mm
試料U(GaN下地基板K) 1mm 1.2mm 0.05mm
試料S、T、Uは、HVPEでそれぞれGaN、AlGaN、InGaNを成長させる。試料S、T、Uの生成はHVPE法で共通するところも多い。
つまり実施例4の試料S〜Wは、実施例2の方法で作製した試料KのGaN結晶をスライス、研磨したウエハ−を下地基板とし、マスクは付けていない。試料SはGaN下地基板にGaNを成長させ、試料TはGaN下地基板の上にAlGaNを成長させ、試料UはGaN下地基板の上にInGaNを成長させたものである。
試料Sの場合について述べる。サセプタには上記の(実施例2で作製された)GaN基板が置いてある。加熱温度は1050℃である。800℃に加熱されたGa溜めへ塩化水素ガスを吹き込み塩化ガリウムを生成し、塩化ガリウム(GaCl)を反応部(サセプタの近傍)へ送りこむ。反応部の1050℃に加熱されたサセプタ付近にはアンモニア(+水素)を吹き込んでいるのでGaClとアンモニアの反応でGaNが合成され、GaNがGaN下地基板の上に成長する。
(試料S;GaN高温堆積層の形成)
高温HVPE法 Ga温度
800℃
GaCl (←Ga+HCl)
下地基板温度 1050℃
NH分圧 2.5×10−2atm(2.5kPa)
HCl分圧 0.02atm(2kPa)
成長時間 30時間
新しく成長したGaNは、もとのGaNと同じ欠陥集合領域Hをもって成長しているということがわかった。つまり下地基板の欠陥集合領域Hの部分には、欠陥集合領域Hがあらたに成長し、低欠陥単結晶領域Zの上には低欠陥単結晶領域Zが成長する。だから正六角形の欠陥集合領域Hができる。
試料Tの場合について述べる。サセプタには上記のGaN基板が置いてある。加熱温度は1050℃である。金属Alを500℃〜600℃に加熱し、塩化水素ガス(水素ガスで希釈された)を反応させ、反応部へ送り込む。塩化アルミニウム(AlCl)ができて高温の反応部へ送給されるのである。同時にGa溜め(800℃)へ塩化水素ガスを吹き込み塩化ガリウムを生成し、塩化ガリウム(GaCl)も反応部へ送りこむ。反応部の1050℃に加熱されたサセプタ付近にはアンモニア(+水素)を吹き込んでいるのでAlとGaを含む窒化物(AlGaN)が合成される。AlGaNがGaN下地基板の上に成長する。
(試料T;AlGaN高温堆積層の形成)
高温HVPE法 Ga温度
800℃
GaCl (←Ga+HCl)
AlCl (←Al+HCl)
下地基板温度 1050℃
NH分圧 2.5×10−2atm(2.5kPa)
HCl分圧 0.02atm(2kPa)
成長時間 30時間
この場合ももとのGaNの欠陥集合領域Hと同じ位置に新たなAlGaN結晶の欠陥集合領域Hができ、もとの低欠陥単結晶領域Zのうえには新しいAlGaN結晶の低欠陥単結晶領域Zができる。つまり結晶組成が変わっているのに欠陥集合領域Hは受け継がれるということがわかった。
試料Uの場合について述べる。サセプタの上に実施例2で作ったGaNをスライス研磨したGaN下地基板を載せて1050℃に加熱する。金属Inを100℃〜120℃に加熱し、塩化水素ガスを反応させてInClとして反応部へ送り込む。同時に塩化ガリウムGaClの反応部へ送り込む。サセプタの上のウエハ−は1050℃に加熱されておりアンモニアとGaCl、InClが反応してInGaNが生成するそれがウエハ−の上に堆積する。
(試料U;InGaN高温堆積層の形成)
高温HVPE法 Ga温度 800℃
GaCl (←Ga+HCl)
InCl (←In+HCl)
下地基板温度 1050℃
NH分圧 2.5×10−2atm(2.5kPa)
HCl分圧 0.02atm(2kPa)
成長時間 30時間
この場合ももとのGaNの欠陥集合領域Hと同じ位置に新たなInGaN結晶の欠陥集合領域Hができ、もとの低欠陥単結晶領域Zのうえには新しいInGaN結晶の低欠陥単結晶領域Zができる。つまり結晶組成が変わっているのに欠陥集合領域Hは受け継がれるということがわかった。
実施例2で作製したGaN結晶を基板として、(10−10)面(試料V)、(11−22)面で切断し(試料W)て、スライス・研磨して作ったGaNウエハ−をさらにHVPE法でGaNを成長させた。
(10−10)面で切断したGaNウエハ−の上にGaNを再成長させた試料Vでは、欠陥集合領域Hが完全に消失してしまった。であるからこの面方位で、本発明の手法によって欠陥を減少させることはできないようである。
(11−22)面で切断した(試料W)GaNウエハ−の上にGaNを再成長させたものは、欠陥集合領域Hが存在し、本発明の手法でさらに欠陥を低減する事ができる。ただし欠陥集合領域Hは反転層でなく多結晶となっている。(11−22)面はC面に直交する面でなくファセット面の一つである。
[試料S(GaN(W=1、H=1.2、T=0.05:試料Kの下地基板上にGaN))
試料Sでは試料Kでつくられ網目状欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域ZをもつGaAs下地基板の上にHVPE法でGaN薄膜を成長させた。マスクは存在しない。それでも欠陥集合領域Hが下地基板の欠陥集合領域Hの上に生成し、低欠陥単結晶領域Zが下地基板の低欠陥単結晶領域Zの上に生成した。つまり下地基板のGaN基板を転写したようなGaN結晶ができた。欠陥集合領域Hは反転層として1mm膜厚まで存在し2mmでは消失した。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hによる転位減少効果である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは消失した。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。欠陥集合領域Hが消滅したので周辺部では転位密度が増えるが、中央部では遅延効果のため転位密度が減る。
試料Sは本発明の基板を実際にデバイスの基板として用いる時の参考にもなる。表面にマスクはないが、内部には欠陥集合領域H、低欠陥単結晶領域Zの構造を持っているからその上にGaNを形成すると、下地基板の構造をそのまま転写するのである。欠陥集合領域Hの上には欠陥集合領域Hが、低欠陥単結晶領域Zの上には低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yがあるときはその上にC面成長領域Yができる。そのように上部構造を規定する作用が本発明の基板にはあるのでデバイス作製のときは異方性、周期性を十分に考慮すべきである。
[試料T((試料Kの)GaN下地基板上にAlGaN)]
試料Tでは試料Kでつくられ網目状欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域ZをもつGaAs下地基板の上にHVPE法でAlGaN混晶薄膜を成長させた。マスクは存在しない。それでもAlGaNの欠陥集合領域Hが、GaN下地基板の欠陥集合領域Hの上に生成し、AlGaN低欠陥単結晶領域Zが、GaN下地基板の低欠陥単結晶領域Zの上に生成した。つまり下地基板のGaN基板を転写したようなAlGaN混晶結晶ができた。欠陥集合領域Hは反転層として0.5mm膜厚まで存在し1mmでは消失した。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央でのAlGaN転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは消滅した。露出部の中央での転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2である。欠陥集合領域Hが消滅したので周辺部、中央部ででは転位密度が増える。
試料Tは本発明の基板を実際にデバイスの基板として用いる時の参考にもなる。 表面にマスクはないが、内部には欠陥集合領域H、低欠陥単結晶領域Zの構造を持っているからその上にAlGaNを形成すると、下地基板の構造をそのまま転写する。欠陥集合領域Hの上には欠陥集合領域Hが、低欠陥単結晶領域Zの上には低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yがあるときはその上にC面成長領域Yができる。そのように組成(AlGaN)が多少違っても上部構造を規定する作用が本発明の基板にはあるのでデバイス作製のときは異方性、周期性を十分に考慮すべきである。
[試料U((試料Kの)GaN下地基板上にInGaN)]
試料Uでは試料Kでつくられ網目状欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域ZをもつGaAs下地基板の上にHVPE法でInGaN混晶薄膜を成長させた。マスクは存在しない。それでもInGaNの欠陥集合領域Hが、GaN下地基板の欠陥集合領域Hの上に生成し、InGaN低欠陥単結晶領域Zが、GaN下地基板の低欠陥単結晶領域Zの上に生成した。つまり下地基板のGaN基板を転写したようなInGaN混晶結晶ができた。欠陥集合領域Hは反転層として1mm膜厚まで存在し2mmでは消失した。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部中央でのInGaN転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hによる転位低減効果である。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは反転層である。露出部の中央でのInGaN転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が3×10cm−2である。
試料Uは本発明の基板を実際にデバイスの基板として用いる時の参考にもなる。 表面にマスクはないが、内部には欠陥集合領域H、低欠陥単結晶領域Zの構造を持っているからその上にInGaNを形成すると、下地基板の構造をそのまま転写する。欠陥集合領域Hの上には欠陥集合領域Hが、低欠陥単結晶領域Zの上には低欠陥単結晶領域Zができる。C面成長領域Yがあるときはその上にC面成長領域Yができる。そのように組成(InGaN)が多少違っても上部構造を規定する作用が本発明の基板にはあるのでデバイス作製のときは異方性、周期性を十分に考慮すべきである。
[試料V((試料Kの)GaN基板を(10−10)面で切断した下地基板上にGaN)]
試料Vでは試料Kでつくられ網目状欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域ZをもつGaAs結晶を(10−10)面で切断したものを下地基板としてGaNを再び成長させたものである。この面の上にGaNを成長させると欠陥集合領域Hが消滅してしまう。この面方位では本発明の転位減少機構は働かないようである。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部中央でのGaN転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2であった。反転層欠陥集合領域Hがないので転位低減効果がない。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは存在しない。露出部の中央でのGaN転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hはない。露出部の中央での転位密度が8×10cm−2で、端での転位密度が8×10cm−2である。もともと下地基板は実施例2で作られたもので低転位であるからその上に成長したものはそれなりに転位が少ないが、欠陥集合領域Hがないのでそれによる追加的な転位減少効果はない。
[試料W((試料Kの)GaN基板を(11−22)面で切断した下地基板上にGaN)]
試料Wでは試料Kでつくられ網目状欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域ZをもつGaAs結晶を(11−22)面で切断したものを下地基板としてGaNを再び成長させたものである。この面の上にGaNを成長させると欠陥集合領域Hが多結晶として出現する。多結晶欠陥集合領域Hのために、転位減少効果がある。
結晶厚みが0.5mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部中央でのGaN転位密度が2×10cm−2で、端での転位密度が2×10cm−2であった。
結晶厚みが1mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央でのGaN転位密度が1×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。
結晶厚みが2mmのとき、欠陥集合領域Hは多結晶である。露出部の中央での転位密度が5×10cm−2で、端での転位密度が1×10cm−2である。もともと下地基板は実施例2で作られたもので低転位であるからその上に成長したものはそれなりに転位が少ないが、欠陥集合領域Hによって追加的な転位減少効果がある。
[実施例5(図30、31、サファイヤ基板、正三角形マスク、テンプレート)]
同一の多角形が繰り返すマスクを下地基板の上に形成してその上にGaN結晶を成長させ、マスクの上に転位を集中させ欠陥集合領域Hを形成し、マスク以外の部分に低欠陥の領域を作るというのが本発明の本質である。そのままのGaN結晶を使うとどこかに欠陥集合領域Hが存在することになる。これまで述べたものはそのような例である。
しかし欠陥集合領域Hと、低欠陥の領域(低欠陥単結晶領域ZとC面成長領域Y)のある場所が分かっているのだから、広いマスクパターン(最大直径が5mm〜100mm)の大きい結晶を成長させてその一部を切り抜く事によって欠陥集合領域Hの全くない結晶を得る事ができる。
マスク(50μm〜3mm幅)の上が欠陥集合領域Hになることが分かっているので、多角形の中心を中心軸として多角形マスク辺に内接する内接円を想定する。その内接円より内部であってある程度の高さにある部分は欠陥集合領域Hを全く含まない。つまりZ+Yだけ或いはZだけの高品質のGaN単結晶となるのである。その内接円を「極低欠陥単結晶内接円」と呼ぶ。極低欠陥単結晶内接円の発見が本発明のもう一つの要点である。マスクにかからないように結晶を縦曲面に沿って切断すればそれは極低欠陥単結晶である。円で切り取るという必然性はないのであるが、半導体ウエハ−はハンドリングの便のため多くは円形ウエハ−とするのでここでも円で切り取っている。それは円形ウエハ−にするためである。
「或る程度の高さ」と上に述べた。どのような高さであろうか?図35によって簡単に説明する。これは図34の正六角形結晶の縦断面図であるが、それ以外の多角形マスクの場合でも同様である。図35において下地基板の上にマスク(Ti)があり、その間にGaN結晶がファセット成長している。ファセットの辺と直交する方向の広がりをそのファセットの半径rとする。rはファセットの半径であって、2rがマスク間距離になるとは限らない。
ファセットの半径r内で結晶が縦に成長する。転位も半径r内で縦にのびる。破線で転位を示す。転位も上向きに延びる。マスクに結晶端が乗り上げることなく、あるファセットを形成するまで露呈部での結晶成長が続く。ファセットが完成する。露呈部でファセット面を持つ山形の結晶(山形実線で示す)ができる。このファセットの水平となす角度をΘとする。
ファセットは埋め込まないで成長させる。すると山形結晶ができた以後はファセット面の法線方向に結晶成長するようになる。法線というのは面に直交する直線のことである。転位もファセット法線の方向に延びる。斜め破線は転位の延びる有り様を示す。転位はマスク上に延びた結晶部分に合流する。反対側からも同じ角度で結晶が延びている。マスク上方で両側からの結晶と転位が合流する。だからマスク上方は転位が集結した欠陥集合領域Hとなる。
マスク端から距離xの点から延びた転位を考える。縦方向にxtanΘだけ延びる。ここで実線で示したファセットに至る。ここで法線方向に転向する。曲がり角はΘである。転位と欠陥集合領域Hとの交差角もΘである。斜め転位の長さはxcosecΘである。cosecΘというのはsinΘの逆数である。cosecΘ=1/sinΘ。斜め転位の縦方向の高さは長さにcosΘを掛けて、xcosecΘcosΘとなる。
転位が欠陥集合領域Hに吸収される最大高さをQcとする。それはx=rでの転位が到達する高さである。Qc=rtanΘ+rcosecΘcosΘ=2r/sin2Θ=2rcosec2Θ。つまりマスク間直径2rにcosec2Θを掛けたものが最大高さQcである。cosec2Θを掛けるということは、sin2Θで割るということである。
Θ=45゜でQc=2r。つまり臨界高さQcが露呈部の直径に等しくなる。Θが45゜から離れると、Qcは直径より大きくなる。
ファセットが複数種類ある場合は、最も傾斜角Θの低いファセットの半径rが最も大きくなる(rmax)ので、それの傾斜角Θから計算した2rmax/sin2Θを最大臨界高さQcmaxとして採用する。
結晶内での高さhがh>Qcmaxであればそれは極低欠陥単結晶領域である。
実際には、転位は真っ直ぐ上に延びるだけでなく曲がることもあり、途中で発生することもある。だからh>Qcmaxでも完全に無転位とはならないが、図35のように下地基板面から延びた転位は全部排除できている。
理想的な単結晶は無欠陥であるが上のような事情で転位が少しはある。だから一歩譲って「極低欠陥単結晶領域」ということができる。それはZとYだけであり、Hは存在しない。ZとYといっても、これまで述べてきたZとYとは意味が違うことに注意すべきである。理想的には無転位の領域である。
そこでh>Qcmaxとなる極低欠陥単結晶領域でウエハ−Wを切りとる。そのウエハ−Wは極低欠陥単結晶内接円の内部であり、しかも臨界高さQcより上にあるから極低欠陥となる。結晶成長方向と直角に切ると (0001)面の極低欠陥ウエハ−となる。
しかし図35のように極低欠陥単結晶領域は高さがあるので、斜め方向にウエハ−を切りとることもできる。そうすると任意の面方位を持つような低転位窒化物半導体ウエハ−を作ることが可能になる。
そうすると低欠陥領域の方位(Θに関係)と広さ(2rを決める)を明確にする必要がある。
下地基板がGaAs(111)基板、サファイヤ基板、GaN基板の時に、マスク方位とその上にできるGaN結晶の方位の関係が異なる。
本発明者の数多くの実験によって次の事が分かった。
マスク辺をサファイヤ下地基板の<11−20>方向に平行にした場合、多角形のマスク辺に接触する部分には{11−2n}ファセットが出現することが分かってきた。nは正整数である。n=2、3、4が多いようである。それより内側には{10−1n’}ファセットが現れることもある(n’は正整数)し現れない事もある。多角形の画数が少ない時、対称性が良いときは{10−1n’}ファセットは出現しない。マスクに接触する部分に{10−1n’}ファセットは現れないようである。うまくファセット成長させているからであるが、これはどうも例外がないようである。
マスク辺をサファイヤ下地基板の<10−10>方向に平行にした場合、多角形のマスク辺に接触する部分には{10−1n}ファセットが出現することが分かってきた。nは正整数である。n=2、3、4が多いようである。それより内側には{11−2n’}ファセットが現れることもある(n’は正整数)し現れない事もある。多角形の画数が少ない時、対称性が良いときは{11−2n’}ファセットは出現しない。マスクに接触する部分に{11−2n’}ファセットは現れないようである。
<hkmn>は方位包括表現、[hkmn]は方位個別表現、{hkmn}は面包括表現、(hkmn)は面個別表現である。括弧で囲まれた4つの整数h、k、m、nを面指数という。数字の間にカンマをつけない。負数は数字に上線を付けるのが鉱物学の習わしである。明細書では上線を付けることができない。負数には前にマイナス符号を付ける。前3つの面指数の間にはh+k+m=0という制約がある。六方晶の軸をa軸、b軸、d軸、c軸として、面(hkmn)はa軸をa/hで切り、b軸をb/kで切り、d軸をd/mで切り、c軸をc/nで切る平行な面の集合を表す。包括面{hkmn}は対称操作で面(hkmn)に重ねることができる面の全てを意味する。方位というのは面に直交する方向をいう。厳密に使用すべきである。混同してはならない。{0001}と{000−1}は等価でない。だから{0001}面は(0001)面しか含まない。
サファイヤは三方晶系であり対称性がGaNとは違う。しかし方位面の表現はGaNと同じように4指数で表現できる。面と方位は直交するのだから、サファイヤの<11−20>方向に平行にGaNの{11−2n}ファセットができるということはサファイヤに対しGaNの結晶軸がc軸まわりに90゜ねじれているということである。「90゜捻れ」というような性質が分かってみると、マスク方位を決める事によって、サファイヤ基板の上に所望の方位のファセット群を作りだすことができる。
サファイヤの<11−20>方向に平行な辺を持つ多角形マスクを付けたとき、マスク直近には{11−22}或いは{11−23}GaNファセットができる事が多い。それだけの場合もあるが、{11−24}、{10−12}、{10−13}ファセットなどが内部にできることもある。
マスク直近の{11−22}又は{11−23}ファセットと、その内側の{10−12}、{10−13}、…ファセットなどとの継ぎ目は明確に決まる。
{11−2n}、{10−1n’}ファセット群の内側には(0001)面つまりC面が存在することもあり、存在しない事もある。{11−2n}ファセット面の下も、{10−1n’}ファセットの下も転位密度の低い低欠陥単結晶領域Zとなる。
C面つまり(0001)面の下はC面成長領域Yとなる。C面成長領域Yがあると結晶の中心に平坦な頂面ができる。C面成長領域Yがないと結晶の中心軸のあたりは尖った頂点となる。
C面が残るかどうかということはファセットの出来具合による。どのようなファセットができるかは、成長条件によるのであろうが、どのような条件だとどのようなファセットができ、C面が残って、どのような条件だとC面が消滅するのか今のところは良く分からない。だからC面の広さがどうなるのかということは予め分らない。しかしできるファセットが決まるとC面の大きさも大体決まってくる。これについては後に述べる。
C面成長領域Yも低欠陥単結晶領域Zも低転位だということでは共通する。しかしC面成長領域Yは電気抵抗が高く、低欠陥単結晶領域Zは電気抵抗が低いという違いがある。デバイスを作製する基板にする場合、電気抵抗が低いということが望まれる場合もある。その場合は、低欠陥単結晶領域Zだけの方が良い。
[実施例5の結晶製造方法]
2インチ径のC面(0001)サファイヤ基板の上にMOCVD法によって2μm程度の厚みのGaN層を成長させた。これをテンプレートと呼ぶ。下地基板が炭化珪素(SiC:(0001)面)の場合には、MOCVD法によってAlNを薄く(20nm程度)成長させてから、GaN層を1μm程度の厚さで成長させることによってテンプレートとすることができる。シリコン(111)面の下地基板の場合も、AlNを20nm程度成長させてからGaN層を1μm程度の厚さに成長させてテンプレートとすることができる。
テンプレートの表面にスパッタ法でSiOを100nmの厚さで堆積させた。 通常のフォトリソグラフィとエッチング加工技術によって、線幅100μm、一辺5mmの正三角形パターンを作製した。正三角形の辺は下地のGaNテンプレート結晶の<1−100>方向と平行になるようにした。
そのようにして準備したウエハ−をHVPE反応炉に入れ、1000℃で大気圧、水素雰囲気中で、HCl+HガスとNHガスを導入しGaN結晶を成長させた。Ga融液とHClが反応してGaClが合成される。GaCl=2kPa、NH=10kPaの分圧で原料ガスを導入した。
その状態で300時間結晶成長を続けた。その後反応炉から試料を取り出した。SiOの正三角形の辺にあたる部分は欠陥集合領域Hが生成されていた。辺で囲まれた内側の部分は{11−22}ファセットで覆われ、その内部は{11−25}ファセット(n=5である理由は後で述べる)と(0001)面で覆われていた。図30はその平面図を、図31は図30において31−31断面図を示す。
{11−2n}のC面とのなす角度をΘとすると、tanΘ=2c/naである。cはc軸の長さでc=0.51850nmである。aはa軸の長さでa=0.31892nmである。tanΘ=3.251/nである。
n=1でΘ=72.9゜
n=2でΘ=58.4゜
n=3でΘ=47.3゜
n=4でΘ=39.1゜
n=5でΘ=33.0゜
3つの辺に接触する沿辺ファセットをT2、T4、T6とする。沿辺ファセットで挟まれる中間ファセットをS1、S2、S3とする。以下に面指数とC面に対する傾斜角を示す。
(中間ファセットが生成する場合:図30、31)
S1=(11−25) 33.0゜
T2=(−12−12) 58.4゜
S3=(−2115) 33.0゜
T4=(−1−122) 58.4゜
S5=(1−215) 33.0゜
T6=(2−1−12) 58.4゜
というようになっている。
中央部にC面(0001)が残っている。
沿辺ファセットT2、T4、T6の水平(C面)に対する傾斜角は58゜であったので{−1−122}(n=2)ファセットだということが分る。中間ファセットS1、S3、S5の傾斜角は33゜であったので、{1−215}(n=5)ファセットだということが分かる。
もしも中間ファセットS1、S3、S5が{1−213}(n=3)、或いは{1−214}(n=4)だとすると、中央に三角形のC面は残らない。だから中間ファセットはn=3でもn=4でもない。
中間ファセットS1、S3、S5が{1−215}(n=5)であるので傾斜角は33.0゜である。沿辺ファセットの傾斜角が58.4゜であるから、中央に残るC面の正三角形を計算できる。C面正三角形の一辺はマスク辺の0.125倍であることが分る。つまり中央C面三角形の1辺は5mm×0.125=0.63mmである。また中央C面三角形のH上面からの高さは1辺の0.3514倍である。だからC面のH上面からの高さは5mm×0.3514=1.757mmである。
また中間ファセットS1と隣接する沿辺ファセットT2の法線のなす角度は47.8゜である。つまり面継ぎ目での内角は132.2゜である。
沿辺ファセットT2、T4、T6の辺から内部の端までの水平距離が前記(図35)の半径にあたる。r=1.08mmである。臨界高さQc=1.08×2/sin116.8=2.4mmである。
中間ファセットS1、S3、S5の角から内部の端(C面まで)までの水平距離が半径である。r=2.70mmである。臨界高さQc=2.70×2/sin66゜=5.92mmである。中間ファセットの臨界高さのほうが高いので、この結晶の最大臨界高さはQcmax=5.92mmということになる。
一般に、nの大きい、傾斜角Θの小さいファセットの方が半径rが大きいので臨界高さは大きい。だから中間ファセットによって最大臨界高さQcmaxが決まる。
その結晶を正三角形の中心軸を中心として内接円(直径2.9mm)内部で円筒形(直径2.5mm)に切り抜いた。さらに臨界高さQc(5.92mm)より上部の一部を薄片に切った。薄い円盤状の結晶がえられた。円盤状結晶の表面と裏面を研磨した。250℃に加熱した燐酸と硫酸の混合溶液にGaN結晶を漬けてエッチピットを生成した。顕微鏡を用いてエッチピットを数えた。EPDは8×10cm−2以下であった。優れて低転位であることが分かる。
これは中間ファセットS1、S2、S3ができた場合であるが、中間ファセットができず、沿辺ファセットだけの場合は、尖った三角錘を形成する可能性がある。その場合はC面を完全に消滅させることが可能である。
沿辺ファセットだけでファセット面群を形成する場合、上のT1〜T3のように、n=2では傾斜角が大きくなり過ぎ自由エネルギーを下げる必要から中間ファセットS1〜S3ができるのであろう。沿辺ファセットだけで正三角形を覆い尽くして三角錘とするには、傾斜角がもっと低いファセットであれば良い。n=3或いは4として、
(中間ファセットがない場合)
T’2=(−12−13) 47.3゜
T’4=(−1−123) 47.3゜
T’6=(2−1ー13) 47.3゜
又は
T’2=(−12−14) 39.1゜
T’4=(−1−124) 39.1゜
T’6=(2−1−14) 39.1゜
という3つだけのファセットが成長し正三角形を覆い尽くす可能性がある。その場合は頂点にC面ができない。C面成長領域Yを排除できる。
中間ファセットができないと臨界高さQcも減るという利点がある。
沿辺ファセットT2、T4、T6の辺から正三角形重心までの水平距離が(図35の)半径にあたる。r=1.44mmである。n=3、Θ=47.3゜で、臨界高さQc=1.44×2/sin94.6=2.89mmである。n=4、Θ=47.3゜で、臨界高さQc=1.44×2/sin78.2=2.94mmである。先ほどの中間ファセットのある場合の値5.92mmより低い。
[実施例6(図32、33、GaAs基板、菱形マスク、)
GaAs基板(111)A面を下地基板として用いた。A面というのはGa面ということである。正確にはGa面は(111)でAs面は(−1−1−1)である。ところが混用されてAs面を(111)B面と書く事もある。Ga面だと言う事を明らかにするため(111)A面という。
マスク辺を(111)GaAs下地基板の<11−2>方向に平行にした場合、多角形のマスク辺に接触する部分には{11−2n}ファセットが出現することが分かってきた。nは正整数であるが、n=2、3、4が多い。多角形の画数が多いとか対称性が低いとそれより内側には{10−1n’}ファセットが現れることもある(n’は正整数)。
マスク辺を(111)GaAs下地基板の<1−10>方向に平行)にした場合、多角形のマスク辺に接触する部分には{1−10n}ファセットが出現することが分かってきた。nは正整数であるが、n=2、3、4が多い。多角形の画数が多いとか対称性が低いとそれより内側には{11−2n’}ファセットが現れることもある(n’は正整数)。
GaAsは立方晶だから面指数は3つである。つまりサファイヤの前の3指数と(111)GaAs基板の指数を同じとみればその上に成長するGaN結晶の方位は同じになる。サファイヤ基板の場合は90゜捻り則があった。(111)GaAsも90゜捻り則があると思えば覚え易い。
そのような規則性がわかれば、(111)GaAs基板A面にどのようにマスクを作製すると、どのような方位寸法のファセット丘ができるか予め分かる。(111)GaAs基板は反転対称性がないので(111)GaAs基板B面の場合は、−90゜捻り則となる。180゜違うので同じ事になる。しかしB面を使うことはあまりない。
[実施例6の結晶製造方法]
2インチ径(50mm直径)のGaAs(111)A面基板上に通常のフォトリソグラフィ技術で幅300μm、一辺20mmのSiOによる菱形マスクのパターンを作製した。ここで菱形の辺がGaAs基板の<1−10>方向と垂直になるように菱形の方向を決めた。その上に、真空蒸着法でニッケル(Ni)を100nm堆積させ、リフトオフ法でGaAs基板上にパターンを転写した。
そのように準備したGaAsウエハ−を反応炉内に入れた。500℃、大気圧、水素雰囲気中で、GaCl分圧が0.1kPa、NH分圧が10kPaになるよう原料ガスを供給してGaN膜(低温堆積層)の成長を2時間行なった。
その後反応炉の温度を1000℃まで上げた。GaCl分圧を2kPaに、NH分圧が20kPaであるような原料ガスを反応炉に導入してGaN膜の成長を1200時間行った。
1200時間の成長を経て、炉からGaAs基板を取り出した。GaAs基板の上に凹凸のあるGaN結晶が生成されていた。基板上のニッケルの菱形辺の部分に結晶欠陥集合領域Hが生成されていた。菱形辺で囲まれた内部は{11−22}ファセット面と、{11−25}、{10−15}ファセット面と、(0001)面で成長していた。図32はその結晶の平面図である。図33は図32における33−33断面図である。
極低欠陥単結晶内接円直径は17.3mmである。その凹凸の多い結晶を、菱形の中心を軸としてφ16の円筒状に切り抜いた。それをさらに高さが56.9mm以上の部位で(Qc=56.9mmは後述)基板面に平行に切断して円形の結晶を得た。円形結晶の表面と裏面を研磨し平滑面とした。欠陥密度を調べるため、250℃に加熱した燐酸と硫酸の混合溶液に結晶を1時間浸漬した。表面、裏面にエッチピットが現れた。表面のエッチピット密度を数えたところ3×10cm−2であった。
図32において沿辺ファセットT1、T3、T4、T6と中間ファセットS2、S5が出現する。T4、S5、T6の部分は前例の正三角形の場合と同じである。その他に別の群に属する異種中間ファセットF7、F10が発生する。
(中間ファセットが生成する場合:図32、33)
T1=(11−22)
S2=(−12−15)
T3=(−2112)
F10=(−101n’)
T4=(−1−122)
S5=(1−215)
T6=(2−1−12)
F7=(10−1n’)
というようになる。
F10、F7は異種のファセットである。n’が未定である。これらについても傾斜角Θを計算できる。だからn’を確定できる。
{10−1n’}のC面とのなす角度をΘとすると、tanΘ=2c/31/2n’aである。cはc軸の長さでc=0.51850nmである。aはa軸の長さでa=0.31892nmである。tanΘ=1.877/n’である。
n’=1でΘ=62.0゜
n’=2でΘ=43.1゜
n’=3でΘ=32.0゜
n’=4でΘ=25.1゜
n’=5でΘ=20.6゜
となる。図30に於いて中央C面の正三角形の辺は、全体の正三角形の辺の0.125倍であった。図32の菱形においてC面の短辺の長さがそれに等しいから、全体のひし形辺の0.125倍である。だからF7、F10のC面までの水平距離は、菱形辺の0.937倍である。ここで高さが辺長の0.3514倍であるのであるから、F7、F10の傾斜角はtanΘ=0.3514/0.937=0.3748となる。ということはΘ=20.6゜だということである。傾斜角が20.6゜なので、F7、F10はn’=5だということが分かる。面方位とC面に対する傾斜角を以下に書く。
(中間ファセットが生ずる場合)
T1=(11−22) 58.4゜
S2=(−12−15) 33.0゜
T3=(−2112) 58.4゜
F10=(−1015) 20.6゜
T4=(−1−122) 58.4゜
S5=(1−215) 33.0゜
T6=(2−1−12) 58.4゜
F7=(10−15) 20.6゜
というようになる。
臨界高さは、前回(図30、31)とは異なって中間ファセットF10、F7で決まる。F10、F7のC面までの水平距離は、菱形辺の0.937倍であるから、半径r=20mm×0.937=18.74mmである。傾斜角が20.6゜であるから、臨界高さはQc=2×18.74/sin41.2゜=56.9mmである。
中央のC面は、帯状であるが、短辺が辺長の0.1258倍、長辺が辺長の0.5144倍である。20mmを掛けて、C面の寸法は2.5mm×10.2mmである。
菱形マスクでもC面ができないこともある。その場合は沿辺ファセットT1、T3、T4、T6だけで菱形を覆うようにする。n=2では面指数が低過ぎ急峻になるから中間ファセットができてしまう。n=3、4ぐらいであれば中間ファセットが発生しないかもしれない。
(中間ファセットが生じない場合)
T1’=(11−23) 47.3゜
T3’=(−2113) 47.3゜
T4’=(−1−123) 47.3゜
T6’=(2−1−13) 47.3゜
又は
(中間ファセットが生じない場合)
T1’=(11−24) 39.1゜
T3’=(−2114) 39.1゜
T4’=(−1−124) 39.1゜
T6’=(2−1−14) 39.1゜
これはNH分圧、HCl分圧を下げるか温度を下げるかによって実現できる。
その場合、ファセットの半径はr=8.66mmとなるので、上のn=3の場合は臨界高さがQc=2×8.66/sin94.6゜=17.4mmとなる。下のn=4の場合は、臨界高さがQc=2×8.66/sin78.2゜=17.7mmとなる。中間ファセットが生じたときよりずっと臨界高さが低くなる。
[実施例7:図34、35、36、37; GaN基板、正六角形の場合]
GaN基板(0001)面を下地基板として用いた。(0001)面というのはGa面である。N面は(000−1)面である。(000−1)面は(0001)N面と表現することもある。ここではGa面を使う。念を入れてGaN(0001)A面ということもできる。
マスク辺を(0001)GaN下地基板の<10−10>方向に平行にした場合、多角形のマスク辺に接触する部分には{11−2n}ファセットが出現することが分かってきた。つまりマスク方向と面接線方向は一致する。これはエピタキシャル成長だから捻れがないのである。nは正整数であるが、n=2、3、4が多い。多角形の画数が多いとか対称性が低いとそれより内側には異なるファセット群の{10−1n’}ファセットが現れることもある(n’は正整数)。
マスク辺を(0001)GaN下地基板の<11−20>方向に平行にした場合、多角形のマスク辺に接触する部分には{1−10n}ファセットが出現することが分かってきた。つまり基板と薄膜の方位の間に捻じれがないのである。nは正整数であるが、n=2、3、4が多い。多角形の画数が多いとか対称性が低いとそれより内側には異なるファセット群の{11−2n’}ファセットが現れることもある(n’は正整数)。
下地基板と薄膜結晶の間に捻じれがないという規則性が分れば、(0001)GaN基板にどのようにマスクを作製すると、どのような方位寸法のファセット丘ができるか予め分かる。
[実施例7の結晶製造方法]
4インチ径(100mm直径)の(0001)面GaN基板上に通常のフォトリソグラフィ技術によって、幅1mm、一辺50mmの正六角形マスクパターンを形成した。正六角形の一辺が<1−100>方向と平行になるように方位を決めた。マスクパターンとGaN基板面にEB蒸着法でTi層を100nmの厚みで堆積させ、リフトオフ法でGaN基板上へパターンを転写した。
そのようにして準備したGaN下地基板を炉内に入れた。950℃で、大気圧、水素雰囲気で、GaCl分圧が2kPa、NH分圧が10kPaであるように原料ガスを導入して5時間、GaN膜を成長させた。
5時間成長の後、炉の温度を1050℃まで上げた。GaCl分圧が4kPa、NH分圧が15kPaである原料ガスを炉内に導入してGaNを3000時間成長させた。反応炉から試料を取り出した。GaN結晶はTiの正六角形マスクパターンの上に欠陥集合領域Hが生成されていた。正六角形の内部の領域は{11−22}ファセット面と、{10−15}ファセット面と、(0001)面で覆われていた。
極低欠陥単結晶内接円の直径は87mmである。その結晶を(0001)方向にスライスした。さらに欠陥集合領域Hで囲まれた内部を80φの大きさで円柱状に切り抜いて円柱状の結晶を作った。151mm以上の高さで、円筒状結晶を(0001)方向に薄くスライスして、円盤状のウエハ−を得た。欠陥密度を調べるために250℃に加熱した燐酸と硫酸の混合溶液に1時間浸した。エッチピットが表面に現れたのでそれを数えた。エッチピット密度(EPD)は5×10cm−2であった。優れて低転位である。
図36の一点鎖線で示すように、(10−10)面に平行にスライスし、(10−10)面を持つ薄片とした。表面と裏面を研磨し、(10−10)GaNウエハ−を作製した。欠陥密度を調べるためにカソードルミネッセンスによって、非発光の暗点を数えた。非発光暗点数は3×10cm−2であった。これも低転位であって優れたGaN基板結晶である。
図36の二点鎖線で示すように、(1−210)面に平行にスライスし、(1−210)面を持つウエハ−(薄片)とした。表面と裏面を研磨し、(1−210)GaNウエハ−を作製した。欠陥密度を調べるためにカソードルミネッセンスによって、非発光の暗点を数えた。非発光暗点数は3×10cm−2であった。これも低転位であって優れたGaN基板結晶である。
図37の一点鎖線で示すように、(1−212)面に平行にスライスし、(1−212)面を持つ薄片とした。表面と裏面を研磨し、(1−212)GaNウエハ−を作製した。欠陥密度を調べるためにカソードルミネッセンスによって、非発光の暗点を数えた。非発光暗点数は4×10cm−2であった。低転位結晶である。
図37の二点鎖線で示すように、(10−12)面に平行にスライスし、(10−12)面を持つ薄片とした。表面と裏面を研磨し、(10−12)GaNウエハ−を作製した。欠陥密度を調べるためにカソードルミネッセンスによって、非発光の暗点を数えた。非発光暗点数は2×10cm−2であった。優れて低転位の結晶である事が分かる。
図34に示すように、正六角形の辺に沿って、沿辺ファセットT1、T2、T3,T4、T5、T6が発生し、その内部に異種群の中間ファセットF7、F8、F9、F10、F11、F12が生ずる。同種の中間ファセットS1、S2…などは生じない。
(中間ファセットが生ずる場合)
T1=(11−22) 58.4゜
F8=(01−15) 20.6゜
T2=(−12−12) 58.4゜
F9=(−1105) 20.6゜
T3=(−2112) 58.4゜
F10=(−1015) 20.6゜
T4=(−1−122) 58.4゜
F11=(0−115) 20.6゜
T5=(1−212) 58.4゜
F12=(1−105) 20.6゜
T6=(2−1−12) 58.4゜
F7=(10−15) 20.6゜
というようになる。
沿辺ファセットは縁だけに存在する。この中間ファセットF7〜F12は同種のファセットであるので中心に向かって延びることができる。中央にC面が残っているように図34、35では描いているが、このC面は無くすことができる。つまり、図30、32のように中央のC面が幾何学的な制約で残るというのとは事情が異なる。
理想的にC面が消失したときを考える。その場合中間ファセットF7〜F12の水平距離つまり半径はr=50mmである。臨界高さはQc=2×50/sin41.2゜=151mmである。そのように臨界高さが高くなるのは中間ファセットF7〜F12の傾斜角が20.6゜で小さいからである。
正六角形の場合も中間ファセットが発生しない場合もある。n=3、4、5程度であればそれが可能である。それはNH分圧、HCl分圧、温度を下げることによって実現できる。
(中間ファセットが生じない場合:n=3)
T1’=(11−23) 47.3゜
T2’=(−12−13) 47.3゜
T3’=(−2113) 47.3゜
T4’=(−1−123) 47.3゜
T5’=(1−213) 47.3゜
T6’=(2−1−13) 47.3゜
又は
(中間ファセットが生じない場合:n=4)
T1’=(11−24) 39.1゜
T2’=(−12−14) 39.1゜
T3’=(−2114) 39.1゜
T4’=(−1−124) 39.1゜
T5’=(1−214) 39.1゜
T6’=(2−1−14) 39.1゜
である。
n=3の場合の臨界高さは、r=50mmであるから、Qc=2×50/sin94.6゜=100.3mmである。
n=4の場合の臨界高さは、r=50mmであるから、Qc=2×50/sin78.2゜=102.2mmである。この場合も中間ファセットの存在しない簡単なファセット構造の方が臨界高さQcは低くなる。
本発明の基板は、広く3族窒化物半導体デバイスの基板として用いることができる。例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、SBD(Schottoky Barrier Diode)、縦型MISパワートランジスタなどを本発明の基板の上に製造することができる。
本発明の基板を使って窒化物薄膜をエピタキシャル成長させると、専ら低欠陥単結晶領域ZやC面成長領域Yの上だけに窒化物薄膜が成長する。結晶欠陥集合領域Hの上には殆ど薄膜が生成しない。しかも基板中の欠陥集合領域Hの部分は化学的に弱くて加熱したNaOHやKOHで溶ける。だからそのようなウエハの上に窒化物薄膜や電極を付けて同等の多角形デバイスを多数作製した場合、加熱したNaOHやKOHに漬けることによって、外殻部をなす欠陥集合領域Hとその上の薄膜部分を特異的に溶かすことができる。欠陥集合領域Hの特異溶解によってチップ分離を簡単に行うことができる。
通常のけがき(スクライブ)と劈開によるチップ分割分離は格子状のチップでないと切り出せないが、本発明の場合は結晶欠陥集合領域Hを特異的に溶解するので任意の閉曲線形状の素子単位を容易に切り抜く事ができる。そのようなことは本発明の結晶欠陥集合領域Hの特異な性質を巧みに利用したことによる。本発明の基板は閉曲線で囲まれる低欠陥単結晶領域Zの最大直径が0.1mm〜20mmであるようにしているので、最大直径が0.1mm〜20mmであるデバイスチップを作り出すことができる。
[実施例8(LED;図38)]
図38は、本発明の基板の上に3族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることによってLEDを作製したもののチップ構造をしめす。本発明の方法で作った多角形(ZH、ZHY)構造をもつn型GaN基板60の上に、AlGaN層62、多重量子井戸MQW63、p型AlGaN層64、p型GaN層65をエピタキシャル成長させ、p型GaN層65にp型電極66を形成し、n型GaN基板60の裏面にn電極67を作製したものである。
n電極67は、Ti/Al/Ti/Auよりなる。p電極66はNiである。MQW63は(GaN/InGaN)が2回繰り返す(GaN/InGaN)構造である。このLEDは上面から光が出る。通常の4角形のチップより本発明の6角形のチップの方がより強い発光強度を得ることができる。
[実施例9(HEMT;図39)]
図39は、本発明の基板の上に3族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることによってHEMT(High Electron Mobility Transistor)を作製したもののチップ構造を示す。本発明の方法で作った多角形(ZH、YZH)構造をもつn型GaN基板70の上に、i−GaN層72、i−AlGaN73をエピタキシャル成長させ、i−AlGaN層73にソース電極74、ドレイン電極75、ゲート電極76を形成したものである。ソース、ドレイン電極はTi/Al/Ti/Auよりなる。ゲート電極76はAuよりなる。平面形状は正六角形、正三角形、菱形などである。
[実施例10(SBD;図40)]
図40は、本発明の基板の上に3族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることによってSBD(Schottky Barrier Diode)を作製したもののチップ構造をしめす。本発明の方法で作った多角形(ZH、YZH)構造をもつn−GaN基板80の上に、n−GaN層82をエピタキシャル成長させ、n−GaN層82にショットキー電極83を、n−GaN基板80の裏面にオーミック電極84を形成したものである。裏面のオーミック電極84はTi/Al/Ti/Auよりなる。ショットキー電極83はAuよりなる。平面形状は正六角形、正三角形、菱形などである。
[実施例11(縦型MISトランジスタ;図41)]
図41は、本発明の基板の上に3族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることによって縦型MISトランジスタ(Metal Insulator Transistor)を作製したもののチップ構造を示す。本発明の方法で作った多角形(ZH、YZH)構造をもつn−GaN基板90の上に、n−GaN層92をエピタキシャル成長させ、n−GaN層92の両側にp型ドーパントを拡散してp領域93を作っている。p領域93の上からn−領域95を拡散によって設けている。n−GaN92とp−領域93を覆うように絶縁層98が設けてある。絶縁層98を介しn−GaN92の直上にはゲート電極99を形成してある。n−領域95にはソース電極97を形成している。n−GaN基板90の裏面にドレイン電極94を形成したものである。裏面のドレイン電極94、表面のソース電極97はTi/Al/Ti/Auよりなる。ゲート電極99はAuよりなる。平面形状は正六角形、正三角形、菱形などである。とくに対称性のたかい正六角形のチップであると大電流を制御する事ができ極めて有用である。
[実施例12(面発光レーザ;図42、43、44)]
図42は、本発明の基板の上に3族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることによって作製した面発光型レーザダイオード一チップの斜視図をしめす。図43は一チップの縦断面図をしめす。図44はレーザダイオードチップ一部に内蔵される2次元回折格子の平面図である。本発明の方法で作った正六角形角形(ZH、YZH)構造をもつn−GaN基板40の上に、n型クラッド層42、活性層43、p型クラッド層44をこの順にエピタキシャル成長してある。p型クラッド層44の上には正三角形を敷き詰めた頂点の位置に低屈折率材料(SiOなど)ドット50を持つ。それらを囲むようにp型クラッド層45がある。その上にさらにp型GaNクラッド層46、p型コンタクト層47をエピタキシャル成長してある。p型コンタクト層47の上にp電極48が設けられる。n型GaN基板40の裏面にはn型電極49が形成される。
図44はp型クラッド層45とその中に形成された低屈折率材料ドット50の配置を示す平面図である。正三角形が縦横方向に連続して並列する6回対称性のある配置となっている。これは一次元格子が120゜の角度をなして並んでいるものと考えられる。p電極からn電極へ電流を流すと活性層43において注入電流が電子正孔対を作り出し、これが再結合して光を発生する。媒質中での波長が格子間隔のsin60゜になるようにしている。光は3種類の回折格子で60゜の回折を受け正六角形の経路を描いて元の位置に戻ってくる。リングレーザのように回帰光が重ね合わされるので位相が揃えられレーザと同じ増幅作用を持ち発振する。それが回折格子で上方向にも回折されるので上面発光型のレーザとなる。光は電極48の周囲から上向きに出る。
この半導体レーザチップの平面形状は正六角形である。正六角形は正方形より円に近い。上面方向に光が出るので通常の正方形のチップよりも光量が増強される。本発明の正六角形のZH、ZHY構造を持つ基板は、そのような面発光レーザの基板として最適である。
図45は正六角形の欠陥集合領域Hで囲まれた部分(ZYエリア:低欠陥単結晶領域Z+C面成長領域Y;Yはないときもある)全部を1チップとした物を示す。正六角形チップの一辺の長さをg、電極直をeとする。たとえばg=0.1mm、e=0.05mm、H=0.2mmである。これは1ZYエリア(Πに等しい)=1チップの例である。
本発明の基板は、結晶欠陥集合領域Hが多角形の構造を持ち、その上に作れられる素子の同じ多角形の構造を持つので、同等の素子を複数個並べたアレイとする場合の基板として好適である。つまり1ZYエリア=m素子とし、m個の素子単位を並べたアレイとする。正多角形の形状によって最適のmが限られる場合もある。1ZYエリア(Πに等しい)が正三角形(図2)の場合、素子単位も正三角形とするとm=4、9、16、…、uである(uは整数)。なお、個々の素子配置はm個の全ての分割部に必ずしもすべて配置する必要もない。また、アレイは1ZYエリアを数個含んでもよい。
1ZYエリア(Πに等しい)が正方形の場合、素子単位も正方形とするとm=4、9、16…uである(uは整数、先述のuと異なる、以下同じ)。1ZYエリア(Πに等しい)が長方形の場合、素子単位も相似の長方形(図3)とするとm=4、9、16…uである(uは整数)。素子単位を正方形とすると、m=uu’である(u、u’は整数)。
1ZYエリアが長六角形の場合(図4)、素子単位を正三角形とすると、m=6、10、14、…、2+4u(uは整数)である。それよりもっと大きくもできる。1ZYエリア(Π)が平行四辺形の場合(図5)、素子単位を正三角形とすると、m=2、4、6、8…、2uである(uは整数)である。1ZYエリアが等脚台形の場合(図6)、素子単位を正三角形とすると、m=3、5、7、8、9、11、13、15、17、…である。1ZYエリア(Π)が正六角形の場合(図1)、素子単位を正三角形とすると、m=6、24、54、…、6u(uは整数)となる。1ZYエリアが正六角形で、素子単位が平行四辺形の場合、m=3、12、27、…3u、である(uは整数)。
[実施例13(1ZYエリアが正六角形で、素子単位が平行四辺形の場合;図46)]]
図46に1ZYエリアが正六角形で素子単位が平行四辺形の場合の、アレイをしめす。m=3のアレイである。正六角形の1辺の長さをgとし電極の直径をeとする。たとえばg=0.3mm、e=0.1mm、H=0.6mmである。
面発光レーザだけでなく、多くの種類のデバイスをアレイにすることができる。
例えば発光ダイオード(LED)アレイ、レーザダイオード(LD)アレイ、整流器アレイ、バイポーラトランジスタアレイ、電界効果トランジスタアレイ、高電子移動度トランジスタ(HEMT)アレイ、温度センサアレイ、圧力センサアレイ、加速度センサアレイ、放射センサアレイ等を作製することができる。
[実施例14(1ZYエリアが正六角形で、素子単位が正三角形の場合;図47)]]
図47に1ZYエリアが正六角形で素子単位が正三角形の場合の、アレイをしめす。m=6である。正六角形の1辺の長さをgとし電極の直径をeとする。たとえばg=0.5mm、e=0.2mm、H=1.0mmである。
これも例えば発光ダイオード(LED)アレイ、レーザダイオード(LD)アレイ、整流器アレイ、バイポーラトランジスタアレイ、電界効果トランジスタアレイ、高電子移動度トランジスタ(HEMT)アレイ、温度センサアレイ、圧力センサアレイ、加速度センサアレイ、放射センサアレイ等を作製することができる。
[実施例15(1ZYエリアが正六角形で、素子単位が正三角形の場合;図48)]]
図48に1ZYエリアが正六角形で素子単位が正三角形の場合の、アレイをしめす。中心部に余分の素子分を設けている。だからm=7である。正六角形の1辺の長さをgとし電極の直径をeとする。たとえばg=0.5mm、e=0.2mm、H=1.0mmである。
これも例えば発光ダイオード(LED)アレイ、レーザダイオード(LD)アレイ、整流器アレイ、バイポーラトランジスタアレイ、電界効果トランジスタアレイ、高電子移動度トランジスタ(HEMT)アレイ、温度センサアレイ、圧力センサアレイ、加速度センサアレイ、放射センサアレイ等を作製することができる。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため下地基板の上に正六角形網目状のマスクを設けた状態の下地基板の一部の平面図。Sは下地基板、Mはマスク、Πは露呈部、Υは被覆部、Hは正六角形マスクパターン高さ、Wは正六角形マスクパターン長さ、Tはマスク幅。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため下地基板の上に正三角形網目状のマスクを設けた状態の下地基板の一部の平面図。Sは下地基板、Mはマスク、Πは露呈部、Υは被覆部、Hは正三角形マスクパターン高さ、Wは正三角形マスクパターン長さ、Tはマスク幅。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため下地基板の上に長方形網目状のマスクを設けた状態の下地基板の一部の平面図。Sは下地基板、Mはマスク、Πは露呈部、Υは被覆部。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため下地基板の上に長六角形網目状のマスクを設けた状態の下地基板の一部の平面図。Sは下地基板、Mはマスク、Πは露呈部、Υは被覆部。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため下地基板の上に平行四辺形網目状のマスクを設けた状態の下地基板の一部の平面図。Sは下地基板、Mはマスク、Πは露呈部、Υは被覆部。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため下地基板の上に台形網目状のマスクを設けた状態の下地基板の一部の平面図。Sは下地基板、Mはマスク、Πは露呈部、Υは被覆部。
下地基板の上に正六角形網目状マスクを形成しその上に窒化物半導体結晶を気相成長させた場合の表面の結晶成長の状態を示す平面図。図7(1)は被覆部Υには結晶成長がおこらず、下地基板Sが露呈した露呈部ΠにファセットΦで囲まれた凸結晶であるファセット丘Σができた状態を示す。図7(2)はファセットΦで囲まれたファセット丘Σがさらに高くなり台形状になった状態を示す。図7(3)はファセット丘Σが高くなり平坦部が消失し正六角錐となってさらに結晶成長が持続して被覆部Υにも結晶成長が始まった状態を示す平面図である。
下地基板の上に網目状マスクを形成しその上に窒化物半導体結晶を気相成長させた場合の表面の結晶成長の状態を示す縦断面図。図8(1)は下地基板Sの上に網目状マスクMを設けた縦断面図。Υは被覆部、Πは露呈部。図8(2)は窒化物半導体気相成長の初期で、被覆部Υには窒化物半導体結晶成長が起こらず、下地基板Sが露呈した露呈部ΠにファセットΦで囲まれた凸結晶であるファセット丘Σができ始めた状態を示す。図8(3)はファセットΦで囲まれたファセット丘Σがさらに高くなり平坦部がなくなり角錐台のファセット丘Σになった状態を示す。図8(4)はファセット丘Σが高くなりさらに結晶成長が持続して被覆部Υにも結晶成長が始まりさらに被覆部Υには転位が集結した欠陥集合領域Hができファセット丘Σの部分は低欠陥単結晶領域Zが生じた状態を示す縦断面図である。この例ではC面成長領域Yがないが、ファセット丘のまん中にC面成長領域Yが生ずることもある。
本発明の方法にしたがって、下地基板Sの上に正六角形マスクMを形成しその上に窒化物半導体を気相成長させ、マスク被覆部Υには転位が集合した欠陥集合領域Hが、露呈部ΠにはファセットΦによって囲まれた角錐台のファセット丘ΣができファセットΦの下には低欠陥単結晶領域Zが生じた状態を示す斜視断面図。欠陥集合領域Hと低欠陥単結晶領域Zの境界Kは結晶粒界である。この例ではファセット丘Σの頂上に平坦なC面が存在しその下にはC面成長領域Yが発生している。C面成長領域Yが発生しない場合もある。
本発明の方法にしたがって、下地基板Sの上に正六角形マスクMをつけ窒化物半導体を成長させ、被覆部Υには転位が集結した欠陥集合領域Hを、露呈部Πには低欠陥単結晶領域Zを発生させ凹凸ある結晶を製造したあとスライスし研磨して基板とした状態のCTで見た一部構造を示す斜視図。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため正三角形マスク(パターンA〜E)を下地基板へ形成した状態を示す平面図。一つしか正三角形を書いていないが実際には連続して多数同等の網目状マスクを設ける。マスクパターンの幅W、長さH、マスク被覆部幅Tの定義を示す。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため辺が<10−10>、<11−20>方向に平行になるよう正四角形マスク(パターンF)を下地基板へ形成した状態を示す平面図。一つしか正四角形を書いていないが実際には連続して多数同等の網目状マスクを設ける。マスクパターンの幅W、長さH、マスク被覆部幅Tの定義を示す。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため辺が<10−10>、<11−20>方向に対し45度をなすよう正四角形マスク(パターンG)を下地基板へ形成した状態を示す平面図。一つしか正四角形を書いていないが実際には連続して多数同等の網目状マスクを設ける。マスクパターンの幅W、長さH、マスク被覆部幅Tの定義を示す。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため正六角形マスク(パターンH,I)を下地基板へ形成した状態を示す平面図。一つしか正六角形を書いていないが実際には連続して多数同等の網目状マスクを設ける。マスクパターンの幅W、長さH、マスク被覆部幅Tの定義を示す。
本発明の窒化物半導体成長方法を実行するため長六角形マスク(パターンJ)を下地基板へ形成した状態を示す平面図。一つしか長六角形を書いていないが実際には連続して多数同等の網目状マスクを設ける。マスクパターンの幅W、長さH、マスク被覆部幅Tの定義を示す。
下地基板の上に正六角形網目状のマスクを形成した上から窒化物半導体を結晶成長させ、露呈部ΠにファセットΦからなる凸型のファセット丘を形成し凹凸のある結晶を成長させた状態の斜視図。露呈部Πの上ファセットΦの下には低欠陥単結晶領域Zが、露呈部Πの上平坦なC面の下にはC面成長領域Yが、被覆部Υの上には欠陥集合領域Hが発生する。
本発明の方法で下地基板の上に正六角形マスクを形成してから結晶成長させ露呈部Πに六角形の低欠陥単結晶領域Zを発生成長させ、被覆部Υには欠陥集合領域Hを発生成長させ凹凸のある結晶としたのち結晶をスライスして研磨して平坦な基板としたものをCLで観察して構造を表した斜視図。
本発明のファセット成長方法で製造した窒化物半導体の低欠陥単結晶領域ZにおけるX線回折線の(0004)方向の回折強度を示すグラフ。横軸は角度(秒)で縦軸はX線回折強度である。本発明の手法で作製した窒化ガリウム結晶の(0004)方向回折線強度のFWHMは30秒以下であることがわかった。
本発明のファセット成長法で製造したn型GaN基板の上に、n−GaN、n−Al0.15Ga0.85N、n−In0.06Ga0.94N、p−Al0.15Ga0.85N、p−GaNをエピタキシャル成長し、n型GaN基板にはTi/Al電極を、p−GaN薄膜にはNi/Au電極を形成した発光ダイオード(LED)の縦断面図。
GaN薄膜の場合によく用いられるELO法を行うため下地基板の上にマスクを形成した状態の一部斜視図。マスクMには被覆部Υが広く連続し、小さい孤立露呈部Πが多数存在する。
GaN薄膜の場合によく用いられるELO法を行うため下地基板の上にマスクを形成しさらにその上にGaNを気相成長させた状態の一部斜視図。狭い露呈部ΠからでたGaN結晶は横方向にマスク被覆部Υの上を広がり合体し後は平坦なC面成長を全面において行う。ELO結晶面は平坦でありファセットは存在しない。被覆部面積の方が露呈部Π面積より広い。
本出願人が初めに創案したランダムファセット成長法のためのマスクのない下地基板Sの一部斜視図。
本出願人が初めに創案したランダムファセット成長法によって窒化物半導体を成長させると、ランダム位置に様々の寸法のファセットピットができる事を示すための斜視図。
本出願人が二番目に考案したドット型ファセット成長法において下地基板Sの上に孤立マスクMを点在させたものの斜視図。被覆部Υ面積より露呈部Π面積がずっと広い。
本出願人が二番目に考案したドット型ファセット成長法において下地基板Sの上に孤立マスクMを点在させ、結晶成長させると孤立マスクの上にファセットを面にもつ角錐凹部(ファセットピット)ができファセットΦの下の部分は低欠陥単結晶領域Zになり、被覆部Υの部分は転位が集まった欠陥集合領域Hとなりその他の部分はC面成長部となることを示す結晶/下地基板の斜視図。
本出願人が二番目に考案したドット型ファセット成長法によって成長させたGaN結晶をスライスし研磨した基板のCLによってあきらかになるH、Z、Yが同心に存在する基板の構造を示す平面図。
本出願人が三番目に考案したストライプ型ファセット成長法において下地基板Sの上に直線状マスクMを平行に設けたものの斜視図。被覆部Υ面積より露呈部Π面積がずっと広い。
本出願人が三番目に考案したストライプ型ファセット成長法において下地基板Sの上に直線状マスクMを平行に設け、結晶成長させると直線状平行マスクMの上にファセットを面にもつプリズム型V溝ができファセットΦの下の部分は低欠陥単結晶領域Zになり、C面成長した部分はC面成長領域Yとなり、V溝の底で被覆部Υの上の部分は転位が集まった欠陥集合領域Hとなることを示す結晶/下地基板の斜視図。
本出願人が三番目に考案したストライプ型ファセット成長法によって成長させたGaN結晶をスライスし研磨した基板のCLによって明らかになるH、Z、Yが直線平行に存在する基板の構造を示す平面図。
サファイヤ(0001)基板の上にGaNテンプレート層を薄く積み、GaNに対して<10−10>方向に平行辺をもつ(サファイヤの<−12−10>方向に平行)正三角形のマスクを作りその上にGaNを厚くファセット成長させて、マスクの上に欠陥集合領域Hを、マスク内部には沿片ファセットT2、T4、T6と、中間ファセットS1、S3、S5と、C面とで囲まれる正三角形凸状のGaN単結晶を作製した実施例5の結晶の平面図。
図30に於ける31−31断面図。
GaAs(111)A面基板の上に、GaAsに対して<−12−1>方向に平行な辺を持つ菱形のマスクを作りその上にGaNを厚くファセット成長させて、マスクの上に欠陥集合領域Hを、マスク内部には沿片ファセットT1、T3、T4、T6と、中間ファセットS2、F10、S5、F7と、C面とで囲まれる菱形凸状のGaN単結晶を作製した実施例6の結晶の平面図。
図32に於ける33−33断面図。
GaN(0001)A面基板の上に、GaNに対して<1−100>方向に平行な辺をもつ正六角形のマスクを作りその上にGaNを厚くファセット成長させて、マスクの上に欠陥集合領域Hを、マスク内部には沿片ファセットT1、T2、T3、T4、T5、T6と、中間ファセットF7、F8、F9、F10、F11、F12と、C面とで囲まれる正六角形凸状のGaN単結晶を作製した実施例7の結晶の平面図。
図34に於ける35−35断面図。ファセット毎に臨界高さQcがあり臨界高さQcがどのように計算されるのかを説明する。
(0001)面GaN基板の上に閉曲線マスクをつけその上に厚くGaN結晶を成長させて(10―10)面のウエハを丸く切り取った様子と、(1−210)面のウエハを丸く切り取る様子を示す説明図。
(0001)面GaN基板の上に閉曲線マスクをつけ、その上に厚くGaN結晶を成長させ、結晶を斜めに切って(10−12)面ウエハを丸く切り取った様子と、(1−212)面ウエハを丸く切り取った様子を示す説明図。
閉曲線の欠陥集合領域Hを有する本発明のGaN基板の上に窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ電極をつけてLEDを製作しチップ分離したあとのLEDチップの縦断面図。
閉曲線の欠陥集合領域Hを有する本発明のGaN基板の上に窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ電極をつけてHEMTを製作しチップ分離したあとのHEMTチップの縦断面図。
閉曲線の欠陥集合領域Hを有する本発明のGaN基板の上に窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ電極をつけてショットキーダイオードを製作しチップ分離したあとのショットキーダイオードチップの縦断面図。
閉曲線の欠陥集合領域Hを有する本発明のGaN基板の上に窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ電極をつけて縦型MISトランジスタを製作しチップ分離したあとの縦型MISトランジスタチップの縦断面図。
閉曲線の欠陥集合領域Hを有する本発明のGaN基板の上に窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ電極をつけて面発光型レ−ザダイオードを製作しチップ分離したあとの正六角形の面発光型レ−ザダイオードチップの縦断面図。
閉曲線の欠陥集合領域Hを有する本発明のGaN基板の上に窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ電極をつけて面発光型レ−ザダイオードを製作しチップ分離したあとの面発光型レ−ザダイオードチップの斜視図。
図42,43に示す面発光型レ−ザダイオードの中間に挟まれた回折格子の部分の平面図。
正六角形の欠陥集合領域Hを網目状に設けた本発明の窒化物半導体基板の上に、一つの正六角形で囲まれた部分に一つのデバイスチップを作成したチップと上部電極とを示す平面図。
正六角形の欠陥集合領域Hを網目状に設けた本発明の窒化物半導体基板の上に、一つの正六角形で囲まれた部分に平行四辺形のデバイス単位を3つずつ作成し3個の単位素子からなるデバイスアレイを示す平面図。
正六角形の欠陥集合領域Hを網目状に設けた本発明の窒化物半導体基板の上に、一つの正六角形で囲まれた部分に正六角形のデバイス単位を6つずつ作成し6個の単位素子からなるデバイスアレイを示す平面図。
正六角形の欠陥集合領域Hを網目状に設けた本発明の窒化物半導体基板の上に、一つの正六角形で囲まれた部分に正六角形のデバイス単位を7つずつ作成し7個の単位素子からなるデバイスアレイを示す平面図。
符号の説明
H 欠陥集合領域
Z 低欠陥単結晶領域
Y C面成長領域
K 境界
D 転位
M マスク
Υ マスク被覆部
Π 露呈部
W マスク単位パターン長さ
H マスク単位パターン高さ
T マスクパターン幅
S 下地基板
ELO エピタキシャルラテラルオーバーグロース法
Φ ファセット
Σ ファセット丘
C面 (0001)面
T1(11−22)
T2(−12−12)
T3(−2112)
T4(−1−122)
T5(1−212)
T6(2−1−12)
F7(10−15)
F8(01−15)
F9(−1105)
F10(−1015)
F11(0−115)
F12(1−105)
Qc臨界高さ(2r/sin2Θ)
S1=(11−25)
S2=(−12−15)
S3=(−2115)
S4=(−1−125)
S5=(1−215)
S6=(2−1−15)
60 n型GaN基板
62 AlGaN層
63 MQW
64 p型AlGaN層
65 p型GaN層
66 p電極
70 GaN基板
72 i−GaN
73 i−AlGaN
74、97 ソース電極
76、99 ゲート電極
80、90 n−GaN基板
82、92 n−GaN
83 ショットキー電極
90 n−GaN基板
94 ドレイン電極

Claims (62)

  1. 表面と裏面を有し、幅T´の網目状に繰り返し連続して設けられ横方向に閉曲線である境界K、Kで仕切られ表面から裏面に貫通する欠陥の集合した欠陥集合領域Hと、閉曲線をなす欠陥集合領域Hの境界Kによって包囲され低欠陥で単結晶であり表面から裏面に至る低欠陥単結晶領域Zとを含むことを特徴とする窒化物半導体基板。
  2. 表面と裏面を有し、幅T´の網目状に繰り返し連続して設けられ横方向に閉曲線である境界K、Kで仕切られ表面から裏面に貫通する欠陥の集合した欠陥集合領域Hと、閉曲線をなす欠陥集合領域Hの境界Kによって包囲され低欠陥で単結晶であり表面から裏面に至る低欠陥単結晶領域Zと、低欠陥単結晶領域Zの中央部にあり低欠陥単結晶領域Zと同じ方位の単結晶で低欠陥であるC面成長したC面成長領域Yとを含むことを特徴とする窒化物半導体基板。
  3. 低欠陥単結晶領域Zの最大直径が0.1mm〜20mmであり、欠陥集合領域Hの幅T´が0.03mm〜0.2mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体基板。
  4. 閉曲線である境界Kで囲まれた低欠陥単結晶領域Zが多角形であり、欠陥集合領域Hが連続する多角形の網目状輪郭線であって、欠陥集合領域Hによって分離された複数の低欠陥単結晶領域Zが繰り返し存在することを特徴とする請求項1または3に記載の窒化物半導体基板。
  5. 閉曲線である境界Kで囲まれた低欠陥単結晶領域Zが多角形であり、欠陥集合領域Hが連続する多角形の網目状輪郭線であって、欠陥集合領域Hによって分離された複数の低欠陥単結晶領域ZおよびC面成長領域Yが繰り返し存在することを特徴とする請求項2または3に記載の窒化物半導体基板。
  6. 欠陥集合領域Hが、周囲の低欠陥単結晶領域Zの結晶方位と反対の方位を持つ単結晶であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  7. 欠陥集合領域Hが、多結晶であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  8. 多角形である低欠陥単結晶領域Zの重心から低欠陥単結晶領域Zを囲む閉曲線までの最短距離L1と最長距離L2の比率L2/L1が5以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  9. 欠陥集合領域Hおよび境界Kが正多角形状であり、正多角形境界Kの最大直径が0.1mm〜5mmであり、欠陥集合領域Hの幅Tが0.01mm〜0.1mmであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  10. 欠陥集合領域Hおよび境界Kが120゜の内角をもつ六角形状であり、六角形の辺が<10−10>方向に平行であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  11. 欠陥集合領域Hおよび境界Kが120゜の内角をもつ六角形状であり、六角形の辺が<11−20>方向に平行であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  12. 欠陥集合領域Hおよび境界Kが90゜の内角をもつ四角形状であり、四角形の辺が<10−10>方向に平行或いは垂直であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  13. 欠陥集合領域Hおよび境界Kが90゜の内角をもつ四角形状であり、四角形の辺が<10−10>方向に対し45゜をなすものであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  14. 欠陥集合領域Hおよび境界Kが正三角形状であり、正三角形の辺が<10−10>方向に平行であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  15. 窒化物半導体はAlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  16. 低欠陥単結晶領域ZのX線回折による(0004)面のピーク半値幅が30秒以下であることを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  17. 低欠陥単結晶領域Zにおいて、転位密度が1×10cm−2以下であることを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の窒化物半導体基板。
  18. 単結晶下地基板の上に0.05mm〜0.3mm幅の被覆部を持ち最大直径が0.1mm〜20mmの閉曲線網目状マスクを形成し、窒化物半導体結晶を気相成長させ、マスクで覆われない下地基板露呈部に閉曲線で包囲されたファセット面よりなる凸型のファセット丘を形成し、結晶成長しにくい被覆部は閉曲線に沿う凹部とし、ファセットを埋め込まないで結晶成長させ、露呈部上の結晶に含まれる転位を成長の進行と共にファセット傾斜に沿って追い出し外側のマスク被覆部の上へ転位を集結させ、マスク被覆部の上には両側に境界K、Kをもち転位が集合した欠陥集合領域Hを形成し、マスク露呈部上のファセット丘の部分は転位の低い単結晶である低欠陥単結晶領域Zとし、欠陥集合領域Hは低欠陥単結晶領域Zとは方位が反転した単結晶あるいは多結晶とし、マスク露呈部の上のファセット丘とマスク被覆部の上の凹部を維持しながら結晶を成長させ、マスク露呈部上のファセット丘の低欠陥単結晶領域Zを低転位化し、網目状の欠陥集合領域Hと欠陥集合領域Hに包囲された低欠陥単結晶領域Zを含む、凹凸ある窒化物半導体結晶を成長させ、窒化物半導体結晶をスライスして、研磨することを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  19. 低欠陥単結晶領域Zの内部にC面成長する結晶部分であるC面成長領域Yが存在しないことを特徴とする請求項18に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  20. 低欠陥単結晶領域Zの中心にC面成長する結晶部分であるC面成長領域Yがさらに存在することを特徴とする請求項18に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  21. マスク材料がSiO、SiN、Pt、W、Tiの何れかであることを特徴とする請求項18または19に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  22. 下地基板が、GaAs(111)単結晶基板、6h−SiC単結晶基板、Si(111)単結晶基板の何れかであることを特徴とする請求項18または19に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  23. 網目状被覆部の形状を決める閉曲線が正三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、120度内角の六角形のいずれかの多角形であることを特徴とする請求項18〜22の何れかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  24. 網目状被覆部の形状を決める閉曲線が正三角形、正方形、正六角形のいずれかであって、最大直径が0.4mm〜2.3mmであることを特徴とする請求項18〜22の何れかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  25. マスク露呈部上に生ずるファセット丘のファセットが{11−22}、{10−11}、{−1−122}、{−1011}、{11−21}、{10−12}、{−1−121}、{−1012}のいずれかであることを特徴とする請求項18〜23の何れかに記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  26. 下地基板の上に50μm〜3mmの幅の被覆部を持ち最大直径が5mm〜100mmの正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形のいずれかの閉曲線よりなる網目状のマスクを一つ或いは複数個形成し、窒化物半導体結晶を気相成長させ、マスクで覆われない下地基板露呈部に閉曲線で包囲されたファセット面よりなる凸型のファセット丘を形成し、結晶成長しにくい被覆部は閉曲線に沿う凹部として、ファセットを埋め込まないで結晶成長させ、露呈部上の結晶に含まれる転位を成長の進行とともにファセット傾斜に沿って追い出し外側のマスク被覆部に転位を集結させ、マスク被覆部の上には両側に境界K、Kを持ち転位が集合した欠陥集合領域Hを形成し、マスク露呈部の上のファセット丘の部分は転位の低い単結晶である低欠陥単結晶領域Zとし、欠陥集合領域Hは低欠陥単結晶領域Zとは方位が反転した単結晶或いは多結晶とし、マスク露呈部の上のファセット丘とマスク被覆部の上の凹部を維持しながら結晶を成長させ、マスク露呈部のファセット丘の低欠陥単結晶領域Zを低転位化し、欠陥集合領域Hよりなる閉曲線で囲まれたマスク露呈部の上に低欠陥単結晶領域Zを含む凹凸ある窒化物半導体結晶を成長させ、マスク露呈部多角形閉曲線に内接する極低欠陥単結晶内接円を想定し、極低欠陥単結晶内接円の内部の結晶だけを切り取り、欠陥集合領域Hを含まない、柱状の凹凸ある結晶とし、マスク露呈部多角形が含むファセットの半径をrとし、ファセット面のC面に対する傾斜角をΘとして、Qc=2rcosec2Θによってすべてのファセットの臨界高さをもとめその最大臨界高さQcmaxを求め、下地基板と窒化物半導体結晶の境界から最大臨界高さQcmaxより以上の高さh(h>Qcmax)で柱状の凹凸ある結晶を平行2面で切って薄片の結晶にし欠陥集合領域Hを含まない基板とすることを特徴とする窒化物半導体基板の製造方法。
  27. 下地基板が(111)面AのGaAs単結晶であり、<11−2>方向に平行辺を持つような正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形の閉曲線よりなる網目状のマスクを形成し、多角形の辺に沿って、{11−2n}のファセット(nは正整数)を生成する事を特徴とする請求項26に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  28. 下地基板が(111)A面のGaAs単結晶であり、<10−1>方向に平行辺を持つような正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形の閉曲線よりなる網目状のマスクを形成し、多角形の辺に沿って、{10−1n}のファセット(nは正整数)を生成する事を特徴とする請求項26に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  29. 下地基板が(0001)面のGaN単結晶であり、<1−100>方向に平行辺を持つような正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形の閉曲線よりなる網目状のマスクを形成し、多角形の辺に沿って、{11−2n}のファセット(nは正整数)を生成する事を特徴とする請求項26に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  30. 下地基板が(0001)面のGaN単結晶であり、<11−20>方向に平行辺を持つような正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形の閉曲線よりなる網目状のマスクを形成し、多角形の辺に沿って、{10−1n}のファセット(nは正整数)を生成する事を特徴とする請求項26に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  31. 下地基板が(0001)面のサファイヤ単結晶であり、<11−20>方向に平行辺を持つような正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形の閉曲線よりなる網目状のマスクを形成し、多角形の辺に沿って、{11−2n}のファセット(nは正整数)を生成する事を特徴とする請求項26に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  32. 下地基板が(0001)面のサファイヤ単結晶であり、<10−10>方向に平行辺を持つような正三角形、菱形、平行四辺形、等角六角形の閉曲線よりなる網目状のマスクを形成し、多角形の辺に沿って、{10−1n}のファセット(nは正整数)を生成する事を特徴とする請求項26に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  33. マスクの閉曲線形状が正三角形であって、{11−2n}(nは正整数)の等価な3面だけのファセット(11−2n)、(−211n)、(1−21n)の組だけ、あるいは(−1−12n)、(2−1−1n)、(−12−1n)がマスク辺に沿って出現し、C面が消滅するようにしたことを特徴とする請求項27、29或いは31に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  34. マスクの閉曲線形状が正三角形であって、{1−10n}(nは正整数)の等価な3面だけのファセット(1−10n)、(01−1n)、(−101n)の組だけ、あるいは(−110n)、(0−11n)、(10−1n)がマスク辺に沿って出現し、C面が消滅するようにしたことを特徴とする請求項28、30或いは32に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  35. マスクの閉曲線形状が正三角形であって、{11−2n}(nは正整数)の等価な3面のファセット(11−2n)、(−211n)、(1−21n)の組がマスク辺に出現し、等価な別の3面のファセット(11−2n’)、(−211n’)、(1−21n’)が多角形の角或いは前記ファセットの稜線の途中から発生し(n’>n)、C面が残存するようにしたことを特徴とする請求項27、29或いは31に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  36. マスクの閉曲線形状が正三角形であって、{1−10n}(nは正整数)の等価な3面のファセット(1−10n)、(01−1n)、(−101n)の組がマスク辺に出現し、等価な別の3面のファセット(−110n)、(0−11n)、(10−1n)が多角形の角あるいは前記ファセットの稜線の途中から発生し(n’>n)、C面が残存するようにしたことを特徴とする請求項28、30或いは32に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  37. マスクの閉曲線形状が平行四辺形あるいは菱形であって、{11−2n}(nは正整数)の等価な2面のファセット(11−2n)、(−211n)と別の等価な2面のファセット(−1−12n)、(2−1−1n)の合計4面だけがマスク辺に沿って出現し、C面が消滅するようにしたことを特徴とする請求項27、29或いは31に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  38. マスクの閉曲線形状が平行四辺形あるいは菱形であって、{1−10n}(nは正整数)の等価な2面のファセット(1−10n)、(01−1n)と別の等価な2面のファセット(−110n)、(0−11n)の合計4面だけがマスク辺に沿って出現し、C面が消滅するようにしたことを特徴とする請求項28、30或いは32に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  39. マスクの閉曲線形状が平行四辺形あるいは菱形であって、{11−2n}(nは正整数)の等価な2面のファセット(11−2n)、(−211n)と別の等価な2面だけのファセット(−1−12n)、(2−1−1n)がマスク辺に沿って出現し、多角形の角或いは前記ファセットの稜線の途中から別のファセット(−101n’)、(10−1n’)とが発生し(n’>n)、C面が残存するようにしたことを特徴とする請求項27、29或いは31に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  40. マスクの閉曲線形状が平行四辺形或いは菱形であって、{1−10n}(nは正整数)の等価な2面のファセット(1−10n)、(01−1n)と別の等価な2面だけのファセット(−110n)、(0−11n)がマスク辺に沿って出現し、多角形の角或いは前記ファセットの稜線の途中から別のファセット(−12−1n’)、(1−21n’)が発生し(n’>n)、C面が残存するようにしたことを特徴とする請求項28、30或いは32に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  41. マスクの閉曲線形状が正六角形であって、{11−2n}(nは正整数)の等価な3面のファセット(11−2n)、(−211n)、(1−21n)と別の等価な3面のファセット(−1−12n)、(2−1−1n)、(−12−1n)の合計6面だけがマスク辺に沿って出現し、C面が消滅するようにしたことを特徴とする請求項27、29或いは31に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  42. マスクの閉曲線形状が正六角形であって、{1−10n}(nは正整数)の等価な3面のファセット(1−10n)、(01−1n)、(−101n)と別の等価な3面のファセット(−110n)、(0−11n)、(10−1n)の合計6面だけがマスク辺に沿って出現し、C面が消滅するようにしたことを特徴とする請求項28、30或いは32に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  43. マスクの閉曲線形状が等角六角形であって、{11−2n}(nは正整数)の等価な3面のファセット(11−2n)、(−211n)、(1−21n)と別の等価な3面のファセット(−1−12n)、(2−1−1n)、(−12−1n)がマスク辺に沿って出現し、多角形の角或いは前記ファセットの稜線の途中から別のファセット(−101n’)、(1−10n’)、(01−1n’)、(10−1n’)、(−110n’)、(0−11n’)とが発生し(n’>n)、C面が残存するようにしたことを特徴とする請求項27、29或いは31に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  44. マスクの閉曲線形状が等角六角形であって、{1−10n}(nは正整数)の等価な3面のファセット(1−10n)、(01−1n)、(−101n)と別の等価な3面のファセット(−110n)、(0−11n)、(10−1n)がマスク辺に沿って出現し、多角形の角或いは前記ファセットの稜線の途中から別のファセット(−12−1n’)、(−1−12n’)、(2−1−1n’)、(1−21n’)、(11−2n’)、(−211n’)が発生し(n’>n)、C面が残存するようにしたことを特徴とする請求項28、30或いは32に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  45. 前記請求項1〜17のいずれかに記載の窒化物半導体基板上に半導体窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ、電極を形成して、閉曲線で囲まれた部分にひとつの半導体デバイスを作製したことを特徴とする窒化物半導体デバイスの製造方法。
  46. 前記請求項1〜17のいずれかに記載の窒化物半導体基板上に半導体窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ、電極を形成して、閉曲線で囲まれた部分に複数単位の半導体デバイスを作製したことを特徴とする窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  47. 前記請求項18〜44のいずれかに記載の方法により製造された窒化物半導体基板上に半導体窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ、電極を形成して、閉曲線で囲まれた部分にひとつの半導体デバイスを作製したことを特徴とする窒化物半導体デバイスの製造方法。
  48. 前記請求項18〜44のいずれかに記載の方法により製造された窒化物半導体基板上に半導体窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ、電極を形成して、閉曲線で囲まれた部分に複数単位の半導体デバイスを作製したことを特徴とする窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  49. 前記請求項1〜17のいずれかに記載の窒化物半導体基板上に半導体窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ、電極を形成して、閉曲線で囲まれた部分に半導体デバイス単数もしくは複数単位を作製し、複数の閉曲線で囲まれた領域で1つのアレイを構成することを特徴とする窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  50. 前記請求項18〜44のいずれかに記載の方法により製造された窒化物半導体基板上に半導体窒化物薄膜をエピタキシャル成長させ、電極を形成して、閉曲線で囲まれた部分に複数単位の半導体デバイスを作製し、複数の閉曲線で囲まれた領域で1つのアレイを構成することを特徴とする窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  51. 閉曲線で囲まれた領域が正六角形であり、その中に素子単位が3、6或いは7個含まれることを特徴とする請求項45または請求項47に記載の半導体デバイスの製造方法。
  52. 閉曲線で囲まれた領域が正六角形であり、その中に素子単位が3、6或いは7個含まれることを特徴とする請求項46,48、49、50のいずれかに記載の半導体デバイスアレイの製造方法。
  53. 前記請求項45、47、51のいずれかに記載の方法で製作された窒化物半導体デバイスを加熱したNaOH或いはKOHに浸漬し、閉曲線である結晶欠陥集合領域Hを選択的に溶解し、閉曲線の輪郭を持つ半導体デバイスチップに分離し、基板部分が結晶欠陥集合領域Hを含まないことを特徴とする窒化物半導体デバイスの製造方法。
  54. 前記請求項46、48、49、50、52のいずれかに記載の方法で製作された窒化物半導体デバイスアレイを加熱したNaOH或いはKOHに浸漬し、閉曲線である結晶欠陥集合領域Hを選択的に溶解し、閉曲線の輪郭を持つ半導体デバイスチップに分離し、基板部分が結晶欠陥集合領域Hを含まないことを特徴とする窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  55. 半導体デバイスが、発光ダイオード(LED)あるいはレーザダイオード(LD)であることを特徴とする請求項45、47、51,53のいずれかに記載の窒化物半導体デバイスの製造方法。
  56. 半導体デバイスアレイが、発光ダイオード(LED)あるいはレーザダイオード(LD)であることを特徴とする請求項46、48、49、50、52、54のいずれかに記載の窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  57. 半導体デバイスが、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、高電子移動度トランジスタ(HEMT)の何れかであることを特徴とする請求項45,47、51、53のいずれかに記載の窒化物半導体デバイスの製造方法。
  58. 半導体デバイスアレイが、整流器、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、高電子移動度トランジスタ(HEMT)の何れかであることを特徴とする請求項46,48、49、50、52、54のいずれかに記載の窒化物半導体デバイスアレイの製造方法。
  59. 半導体デバイスが、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、放射センサ、可視-紫外検出器の何れかであることを特徴とする請求項45,47、51、53のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
  60. 半導体デバイスアレイが、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、放射センサ、可視-紫外検出器の何れかであることを特徴とする請求項46,48、49、50、52、54のいずれかに記載の半導体デバイスアレイの製造方法。
  61. 半導体デバイスが圧電振動子、圧電アクチュエータ、表面弾性波素子(SAW)の何れかであることを特徴とする請求項45,47、51、53のいずれかに記載の窒化物半導体デバイス。
  62. 半導体デバイスアレイが圧電振動子、圧電アクチュエータ、表面弾性波素子(SAW)の何れかであることを特徴とする請求項46,48、49、50、52、54のいずれかに記載の半導体デバイスアレイの製造方法
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