JP4786587B2 - Iii族窒化物半導体およびその製造方法、iii族窒化物半導体製造用基板 - Google Patents

Iii族窒化物半導体およびその製造方法、iii族窒化物半導体製造用基板 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物半導体のごときIII族窒化物半導体およびその製造方法に関し、更に、金属窒化物層の製造方法、III族窒化物半導体製造用基板に関する。
化学式InxGayAlzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表されるIII族窒化物半導体が、発光素子用材料として広く利用されている。特に近年、発光ダイオード(LED)やレーザ等の材料として、GaN(窒化ガリウム)半導体が注目を集めている。しかし一方で、このGaN半導体は格子整合する基板が実在せず、転位密度の低いGaN半導体を製造することが困難である。そのため従来から、サファイア基板などを用いて転位密度の低いGaN半導体を製造する方法に関し、種々の検討がなされている。例えば特許文献1には、サファイア基板上にCr金属層を作成し、そのCr金属層を窒化してCrNとした後、そのCrN上にGaN層を成長させる方法が開示されている。また、特許文献2には、サファイア基板上にGaN層を形成し、その上に金属(Ti)層を作成し、その金属層を窒化して網目構造とした後、網目の開口部よりGaN層を成長させることで、自立基板を製造する方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1のようにサファイア基板を用いてGaN層を成長させた場合、GaN層の下に電極を設けるためには、絶縁体であるサファイア基板を除去することが必要になる。この作業は容易ではない。また、下のサファイア基板を避けて、例えばGaN層の表面に陰極と陽極を設けることも可能であるが、その場合、発光面積が小さくなってしまう。また、GaN層の表面に陰極と陽極を設けた場合、GaN層内での電流分布が均一にならず、発光が不均一になるといった問題がある。
また、上記特許文献2では、金属層を窒化する工程でサファイア基板上のGaN下地層との界面に形成させた微細な孔を利用し、機械的な力を加えることでサファイア基板(下地基板)を剥離することが行われる。しかしながら、この剥離の際に、GaN層を破損しやすいという問題があった。
加えて、サファイア基板は、GaN半導体との格子定数の相違が小さくなく、サファイア基板上にGaN層を成長させた場合、結晶中の転位密度を低くするのが困難であった。結晶中の転位密度が高いと、優れた発光特性をもった半導体デバイスが得られない。
一方、SiC基板は、サファイア基板に比べてGaN半導体との格子定数の相違が小さく、転位密度の低いGaN層を成長させることができるといった利点がある。しかし一方で、SiC基板はGaNのGaと反応して成長界面の結晶品質が悪くなる為、GaNを成長する前にSiCと反応しないAlNのバッファ層を挿入する事が一般的に行われている(非特許文献3)。
また、SiC表面を高温のアンモニアガス雰囲気に露呈する時間が長いと、窒化SiNとなるが、SiN上にはGaN層は成長しにくい性質がある為、成長開始前の温度、アンモニアガスの露呈開始時期など最小限の窒化に留める様、適正化する必要がある。
また、窒化物成長層の転位密度を低減する方法として、SiC基板上にAlNバッファ層、引き続きGaN層を形成させた後、SiOやSiNxなどの絶縁膜をその上に成膜し、フォトリソグラフで絶縁膜に開口部とマスク部を形成し、開口部に露呈したGaNを種層として横方向成長を用いた、ELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法(非特許文献4)や、PENDEO法(非特許文献5)が報告されている。
前者はマスク上を横方向成長する場合には、基板界面からの貫通転位が生じない。後者は前述の開口部をさらにSiC基板までドライエッチングして凹凸基板加工を行い、窒化物種層の側面から横方向成長させるもので、成長層が中空で成長する為、SiC基板と接触しない為、その部分の貫通転位密度は非常に少ないものとなる。なお、成長膜厚等にもよるが、前者の場合平均転位密度で107/cm2程度、後者では最良部で104/cm2台の転位密度が確認されている。
しかしながら、ELO法では一旦AlNバッファ層とGaN種層のエピタキシャル成長工程が必要であると伴に、その上にSiOやSiNxなどの絶縁膜形成工程、さらにはフォトリソグラフィーによるレジストパターン形成、SiO2、SiNxの窓部エッチング工程が必要である。PENDEO法ではそれに加え、開口部の窒化物層およびSiC基板のドライエッチング工程も必要であり、工程数が多く生産性を低下させると共に最終的に得られる良品率も低いと言う大きな課題がある。
また、デバイス特性向上の為にエピタキシャル成長層と基板を分離したい場合、サファイア基板上の窒化物層に対しては、サファイア基板の裏面側から基板界面近傍の窒化物層で光吸収が生じるレーザーを照射し、その部分のみを熱分解させて両者を分離するレーザーリフトオフ法が通常用いられている。サファイア基板のバンドギャップは約6eVと吸収端の波長として約200nmであり、用いるレーザー光に対し透明であるが、SiCの場合4Hタイプで3.0eV、6Hタイプで2.9eVとGaNの3.4eVに比べバンドギャップが小さく、レーザー光がSiC基板で吸収されてしまい、レーザーリフトオフ法の適用は難しい。その為、非常に硬く研削・研磨が困難なSiC基板を機械的に加工する、もしくはドライエッチングでエッチングする必要があり、生産性が著しく低下すると言う課題もある。
WO/2006/126330号公報 特開2005−119921号公報 T.Warren Weeksら、Applied PhySiCs Letters、67(1995) p.401. A.Usuiら、Jap.J.Appl.Phys. 36(1997)L899. K.Linthicumら、Appl.Phys.Lett.75(1999)P.196.
本発明の目的は、SiC基板上に形成した金属窒化層を利用して転位密度の低いGaN半導体などのIII族窒化物半導体を製造することを目的としている。また、金属窒化物層の製造方法とIII族窒化物半導体製造用基板を併せて提供する。また、III族窒化物成長層とSiC基板とを分離したい場合に成長界面近傍層のみを化学エッチングにより容易に実施すると伴に、高価なSiC基板の再利用を行うことを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によれば、SiC基板の(0001)Si面上にCr層である厚さ15nm〜35nmの金属層を設け、前記金属層を窒化することにより、金属窒化物層を形成し、前記金属窒化物層にIII族窒化物半導体を形成させることを特徴とする、III族窒化物半導体の製造方法が提供される。例えば、前記III族窒化物半導体をエピタキシャル成長によって形成させる。なお、SiC(0001)Si面上に、選択的に金属層を成膜し、前記金属層ならびに露呈するSiC(0001)Si面を同時に窒化処理を行い、前者はIII族窒化物層成長のバッファー層兼種層とし、後者はSiC表面をSiNx化させELO成長、もしはPENDEO成長用のマスクとして用い、更なる低転位密度化を図る。窒化物成長層とSiC基板との分離を実施する場合には、基板と窒化物成長層との界面近傍の金属窒化物層及び/又はSiNx層の選択化学エッチングで容易に成長層およびSiC基板を分離回収することができる。
また、前記III族窒化物半導体は例えばAlN、AlGaN、AlInGaN、InGaN、InNまたはGaNの1種以上である。
またSiC基板の(0001)Si面上に、(111)CrN層を有する基板を用いれば、優れたIII族窒化物半導体を得ることができる。
本発明によれば、SiC基板上に金属窒化物層を得ることが可能となり、該金属窒化物層を用いれば、優れた半導体層または半導体構造体を得ることでき、さらに化学処理などにより金属層を溶解できることから、SiC基板から分離した多様な半導体構造体を得ることができる。それら半導体は、転位密度の低い、優れた発光特性をもったIII族窒化物半導体となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照にして説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、III族窒化物とは、主に周期表(短周期型)で第III族に属する元素であるAl、Ga、Inなどと窒素(N)との化合物を言う。さらに、B、TlなどもIII族に属する元素である。
本発明では、III族窒化物半導体の製造の一例として、SiC基板(単結晶)上に、Cr層を設け、Cr層を窒化することにより、CrN層を形成し、CrN層上にIII族窒化物(例えばGaN層)を積層する場合を説明する。金属窒化物層上に積層する化合物は、III族窒化物に限るものではない。なお、上記各層の形成は、MOCVD、MBE、MO−MBE、HVPE、またはMO−HVPE装置または方法を用いれば良い。
それを図1(a)、(b)に示す。図1(a)は、SiC基板(炭化珪素基板)の(0001)面のSi面上であるSiC基板(0001)Si面上に窒化された窒化金属層を形成し、図1(b)は、その上にGaN単結晶層を形成した構造を示している。
本発明は、SiC基板(単結晶)を用いるが、SiC基板の(0001)面には、Siの分子がより表面側に結晶配置してなるSi面(珪素面)と炭素が表面側に結晶配置してなるC面(炭素面)がある。金属窒化物層を形成するには、上記のSi面を用いるのが好ましい。Si面を用いると、該Si面上に積層された金属層が良好な配向状態となる。また金属層の金属成分が均質に保持でき、金属層形成後の窒化処理において窒化反応が安定するからである。一方、C面(炭素面)では、該C面上に金属層を積層した際に炭素と金属が反応し、炭化物等の化合物を形成する。化合物は、窒化処理において成分のばらつきが大きく、単一の窒化物層とならないからである。なお、SiC基板は4H−SiCもしくは6H−SiC基板が好ましい。
SiC単結晶からなるSiC基板において、上記のSiC(0001)面のSi面は、SiC単結晶を切断する際に、単結晶の配向方向を勘案し切断、研磨することによっても得られる。または、Si単結晶基板表面を炭化しても得られる場合がある。市販もされている。
(1)基板の表面処理工程
SiC基板の表面は、清浄であることが望まれるため、表面において清浄処理を行う。例えば、有機洗浄により脱脂を実施した後、表面金属汚染・パーティクル洗浄のため、Si基板で通常用いられているRCA洗浄法などの酸アルカリ洗浄を実施する。また自然酸化膜を除去するために、希釈フッ酸エッチ、純水リンス洗浄、乾燥を行う。或いは基板を還元ガス等により、表面にある不純物、不要な元素を除去する。
(2)基板上の金属層の形成工程
本工程は、金属層を形成するために、スパッタリング法、真空蒸着法等により金属を基板表面に直接付着させてよい。または金属元素の供給源として有機金属あるいは金属化合物を用いて、MOCVD等のCVD法などの装置および方法にて反応室内部で、ガス状で反応させて、金属層を形成する。形成時の温度は、方法によって適宜、室温から300℃でもよい。温度は高い方が均質な層を得るため望ましいが、生産性が落ちる。もっとも、蒸着法においては、基板の温度を加熱手段によって加熱しなくとも、蒸着熱により基板が昇温されるため、特別な加熱手段は必要とされない。
金属層の層厚(高さ距離)は、10〜50nmが好ましく、さらに15〜35nmがさらに好ましい。薄すぎると窒化の際に基板に窒素が到達し反応してしまい、目的とする位置以外にSiNx層が形成されCrN種層の核の位置が不均一となってしまう。厚すぎると窒化に時間が費やされてしまう、もしくはSiC基板側からの方位情報を反映した固相エピタキシャル成長以外にランダムな方位を有する金属窒化粒子が混在してしまい、窒化物層の成長方位に乱れが生じ、モザイク状ないし多結晶化してしまうためである。層厚は、設けられた金属の結晶性、窒化処理の際の影響を勘案して、窒化に適した単結晶の金属層となるように設定する。金属層は、例えばCrなどの成分が一定であり、一定の層厚を基板の直上に接合するように形成されるのが好ましい。成分、層厚が一定となることで金属層を窒化処理する際の結晶化してなる金属窒化物の結晶性、物性が安定するからである。さらには熱応力など基板への悪影響も緩和される。
また、金属層で使う金属物質としては、窒化合物を形成するCr(クロミュウム、以下クロムとも言う)、Cu(銅)などのような金属である。金属の品位は、いずれも3N(99.9質量%)以上のものであれば良い。極微量の不純物があっても結晶成長が可能だからである。
本実施例では、Crターゲットによるスパッタリング法を用いた。CVD法を用いる場合ではCrの有機金属原料として(CHCr、それ以外にも(CCrと(CCrなどの有機金属原料と、Cr(C、Cr(C1119、Cr(CHF等の金属化合物原料も使用可能である。
銅(Cu)の場合も、スパッタリング法が好ましい。CVD法を用いる場合は、有機金属と金属化合物原料としてのCu(C、Cu(C1119、Cu(CHF、Cu(CHCOO)、(C)Cu:P(C、(C)Cu:P(C、(CHF)Cu:CHC≡CCH、(CHF)Cu:C12、(CHF)Cu:P(C、(CH)Cu:P(C等とを用いることができる。
SiC基板のSi面の露出表面のほぼ全面に金属層を形成する場合は、上記の方法が合理的である。一方、SiC基板上において、金属層を編み目状、格子状、ストライプ状、または回路状など、所望のパターンを全面または部分的にパターン形成できる。パターン形成する場合、金属層を基板表面のほぼ全面に積層し、フォトリソグラフィーにより可能である。パターン形成法はリフトオフ法またはエッチング法のいずれでもよい。これによりSiC基板上には、SiC基板の表面が露出されている個所と、金属層の部分との2つの物性の異なる領域が存在する。パターンまたは部分的に金属層を形成すれば、後の窒化工程により、金属層は窒化され、表面が露出しているSiC基板表面は窒化され、窒化珪素となり、SiC基板上に、金属窒化物層と窒化珪素層が同一表面に存在することになる。金属窒化物層と窒化珪素層では、その上に積層するIII族窒化物が、金属窒化物層と、窒化珪素層では、結晶成長が異なる。金属窒化物層は、III族窒化物は結晶成長の核と成り得るが、窒化珪素層では成長の核と成りにくい。このため、金属窒化物層でIII族窒化物の結晶成長が進み、成長に寄与しない窒化珪素層上を渡って横方向成長する。
また、金属層を形成後にマスクパターンを形成し、ドライエッチングなどのエッチング方法により金属層と共にSiC基板まで部分除去した後に窒化処理を行えば、凹凸SiC基板の凹部は結晶成長しにくい窒化珪素となり、凸部は結晶成長の核となる金属窒化物層が同時に得られる。このようにして得られた凹凸SiC基板を用いてIII族窒化物の結晶成長を行えば、横方向成長により凹部に空洞が形成される。得られた空洞は、金属酸化物をエッチングする際にはエッチング液の浸透に有効である他、縦型発光ダイオードとした場合には光の屈折率差による全反射部として取り出し効率の向上に寄与できる。さらには、金属層形成前に基板が加工されていてもよい。
実施例として、スパッタリング法により、SiC基板の(0001)面のSi面にCr層をほぼ全面に形成させた。スパッタ用ガスとしてはArまたはNを用いた。基板上に積層されたCr層の平均層厚は、20nmであった。
XRDにより基板上Cr層の評価を行った結果、c軸方向で(110)に配向された金属Cr層であった。単結晶の金属Cr層であることが確認された。下地基板の(0001)面とCr層の(110)面とが平行になるように配向している。Cr層は、体心立方構造の金属である。
(3)金属層の窒化処理工程
窒化処理工程は、形成された金属層を窒化し、金属窒化物層形成とする。窒化処理前、Cr金属層はSiC基板の(0001)面とCr(110)面が平行なBCC(Body Center Cubic)構造であるが窒化処理後Cr金属層は、岩塩(Rock
Salt)構造の(111)CrN層へ相変化が起こる。この場合、窒素元素と反応していない金属バッファー層の一部は、色々な相の純粋金属層で残っている。窒化工程によって、各金属バッファー層は金属窒化物層、すなわち、CrxNx層を形成する。窒化処理後、窒素と反応してない残留金属バッファー層と窒素と反応された金属窒化物層は、化学的にエッチング可能な物質で構成されていることになる。
窒化処理工程では、Cr層が形成された下地基板を、III族窒化物の結晶を成長させるための装置へ移送する。そして、Cr層が形成された基板を、窒素を含有した還元性ガス雰囲気で加熱窒化処理を行う。この窒素を含有した還元性ガスは、好ましくはアンモニアもしくはヒドラジンなどである。その際、加熱温度は、600℃以上(873K以上)であることが好ましく、1000℃以上であることがさらに好ましく、1060℃以上であることがさらに好ましい。加熱温度600℃以上で窒化することにより、Cr層20がほぼ全部窒化して、三角錐形状の複数の凸部31を表面に有するクロム窒化物層30が形成される。ここで、クロム窒化物層30の組成は、CrNであることが好ましい。
また、三角錐形状の凸部の底辺の1辺の長さは、窒化処理前のCr膜の層厚や加熱温度条件により変化するが、10nmから300nmの範囲である。また、底辺は(111)面であり、SiC基板の(0001)面と並行であると伴に、三角錐の3つの底辺はSiC基板の〔11−20〕、〔−2110〕、〔1−210〕と平行となる。
加熱温度1040℃以上で窒化することにより、その上に成長させる後述のGaNの結晶層50の表面50aのピット密度が10〜10/cmレベルまで低減する。加熱温度1060℃以上で窒化することにより、後述のGaNの結晶層50の表面50aのピット密度が数/cmレベルまで低減する。加熱温度が高いほど、三角錐形状の不定形性が解消されるためと考えられる。
ただし、過度に高温とするのは、熱負荷増大による装置の部材劣化の問題が生じるとともに、形成されたクロム窒化物膜と下地基板との相互熱拡散や、Crの表面横方向マイグレーションで所望の位置に選択的に窒化クロム層とSiNxを形成出来なくなるなどの問題が生じるので、加熱温度は1300℃以下が好ましい。
基板上に所望のパターンまたは部分に金属層を積層せしめたパターン基板の場合では、窒化処理により、前述のように金属層を積層した部分が金属窒化物層となり、かつSiC(0001)Si面が露呈している部分は窒化珪素層となりの2種類の物性の異なる層が同一基板面上にセルフアラインメントで自動的に形成され、通常のELO法で必要な絶縁膜形成とパターン加工が省略できる。
先ほどの実施例(スパッタリング法により、SiC基板の(0001)面のSi面にCr層をほぼ全面に形成させた例)で得た基板に積層された金属層に窒化処理を行い、金属窒化層基板を得た。窒素を含有した還元性ガスは、アンモニアガスとし、その流量は1000sccmである。加熱温度は、1080℃とした。この窒化処理により、SiC基板上にクロム窒化物層が形成された。クロム窒化物層は主として三角錐形状であった。
このようにして得られた金属窒化物層は、半導体となる化合物を積層し、半導体素子を得るための基層となる。化合物は例えば、III―V族化合物以外にもII−VI族化合物を積層できる、例えば、GaN、AlN、InN、さらにこれらの混晶であるAlGaN、AlGaInN、InGaN、やZnOなどがある。格子常数の整合から、GaNやAlN、AlGaN、AlInGaN、InGaN、ZnOが好ましい。化合物の積層は、前述と同様な方法または装置を用いれば可能である。実施例以外においても温度、ガスの成分、流量、方向などは、適宜設定すればよい。
前記金属窒化層基板にIII属窒化物を積層した。基板の基板温度を900℃まで下げ、HVPE法でIII族窒化物(例えば、GaN)のバッファ層を成膜した。バッファ層の層厚は、約3μmとした。次いで、基板温度を1050℃まで昇温しGaNの本成長層を成膜した。成長厚みは約17μmである。Ga塩化物原料の供給を停止して、成長を終了したならば冷却を開始するが、基板温度が600℃まで冷却されるまではアンモニアガス雰囲気とし、その後キャリアガス中のアンモニアガスの供給を停止して、室温まで冷却した。
SiC基板から、III族窒化物(例えば、GaN)のバッファ層、またはバッファ層上に積層された半導体素子を分離する場合は、エッチャント(化学溶液)により金属窒化物層をエッチングすることにより、基板とバッファ層を分離できる。選択エッチャントは、例えば過塩素酸(HClO)と硝酸2セリウムアンモニウムとの混合水溶液などがある。SiNxの選択エッチャントはフッ酸系(希釈フッ酸・バッファードフッ酸)などがある。これらはSiC基板が溶解されないので、基板の表面をさらに洗浄もしくは、必要に応じて簡単な鏡面研磨を追加すれば再度使用可能である。
SiC基板のSi面に金属層を形成し、金属層を窒化処理することで金属窒化物層とすれば、半導体化合物を積層するに優れた層を得られる。特にIII族系窒化物の半導体層を積層し、素子構造とすれば、優れた半導体素子が得られる。また、半導体素子とSiC基板のとの分離も化学溶液によって簡易であるため、様々の形態の半導体素子を生産することが可能となった。
さらに、導電性SiC基板を用いれば、CrNは導電性であることから、縦型の発光ダイオードが容易に作製できる。またCrNが三角錐形状であることから、発光層からの光がCrN界面で多方向に反射し、取り出し効率の向上がなされ、高出力の発光ダイオードを作製することが可能である。さらに、Crに任意のパターン形成を行い、CrNとSiN絶縁膜のパターンと、発光ダイオードの電極や狭窄層やチップ分離溝の配置を組み合わせることにより、電流の拡散または集中によるさらなる高効率化や、製造方法の簡素化が図られる。
本発明は、III族窒化物半導体の製造に適用できる。
(a)は、SiC基板(0001)Si面上に窒化された窒化金属層を形成した状態の説明図である。(b)は、窒化金属層の上にGaN単結晶層を形成した状態の説明図である。

Claims (4)

  1. SiC基板の(0001)Si面上にCr層である厚さ15nm〜35nmの金属層を設け、
    前記金属層を窒化することにより、金属窒化物層を形成し、
    前記金属窒化物層にIII族窒化物半導体を形成させることを特徴とする、III族窒化物半導体の製造方法。
  2. 前記III族窒化物半導体がAlN、AlGaN、AlInGaN、InGaN、InNまたはGaNの1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  3. 請求項1または2の方法により製造されたIII族窒化物半導体。
  4. SiC基板の(0001)Si面上に、Cr層である厚さ15nm〜35nmの金属層を窒化した(111)CrN層を有することを特徴とする、III族窒化物半導体製造用基板。
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