JP2007225119A - Vベルト式無段変速機 - Google Patents
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Abstract
不能、かつ軸線まわりの相対回転を可能として連結され、軸方向位置および軸線まわりの
位置を一定とした円筒状のねじ軸の外周にスライドギヤの内周が螺合されるVベルト式無
段変速機において、比較的小さなカバーを用いることで変速機ケースの大型化を回避しつ
つ、カバーの内周およびスライドギヤの外周間のシール部材のシール機能が急激な増圧に
よって損なわれないようにする。
【解決手段】ねじ軸115に固定される端壁116aを有して有底円筒状に形成されると
ともにスライドギヤ114およびねじ軸115の螺合部を覆うカバー116の内周と、ス
ライドギヤ114の外周との間に環状のシール部材124が介装され、スライドギヤ11
4の端部を臨ませてカバー116内に形成される環状室123を外部に通じさせる連通孔
126がねじ軸115に設けられる。
【選択図】 図3
Description
プーリ半体が、出力軸に装着されるドリブンプーリ側に動力を伝達する無端状のVベルト
を巻き掛けるようにして前記固定プーリ半体との間に形成するベルト溝の幅を変化させる
べく軸方向に相対移動することを可能として前記入力軸に相対回転不能に結合され、前記
入力軸の軸線方向にスライド可能なスライドギヤの一端部が軸方向相対移動を不能とする
とともに軸線まわりの相対回転を可能として前記可動プーリ半体に連結され、軸方向位置
および軸線まわりの位置を一定として前記入力軸と同軸に配置される円筒状のねじ軸の外
周に前記スライドギヤの内周が螺合されるVベルト式無段変速機に関する。
ヤおよびねじ軸の螺合部にダストが侵入して作動が不円滑となることを避ける必要があり
、上記特許文献1で開示されたものでは、スライドギヤ全体ならびにスライドギヤおよび
ねじ軸の螺合部を比較的大きなカバーで覆うように構成されている。しかるに、そのよう
な比較的大きなカバーを変速機ケース内に収容すると、変速機ケースの大型化を招いてし
まう。
とで阻止することが可能であり、比較的小さなカバーでスライドギヤおよびボスの螺合部
だけを覆い、カバーの内周およびスライドギヤの外周間に環状のシール部材を介装するよ
うにすれば、変速機ケースの大型化を回避することが可能であろう。しかるに、変速段を
TOPからLOW側に急速に変化させるべく、ドライブプーリの可動プーリ半体をベルト
溝の幅を大きくする側に急速に移動させると、可動プーリ半体とは反対側のスライドギヤ
の端部を臨ませるようにしてカバー内に形成される環状室の容積が急激に収縮することに
なり、環状室内が急激に増圧されることでカバーの内周およびスライドギヤの外周間のシ
ール部材のシール機能が損なわれる可能性がある。
で変速機ケースの大型化を回避しつつ、カバーの内周およびスライドギヤの外周間のシー
ル部材のシール機能が急激な増圧によって損なわれることがないようにしたVベルト式無
段変速機を提供することを目的とする。
体とともにドライブプーリを構成する可動プーリ半体が、出力軸に装着されるドリブンプ
ーリ側に動力を伝達する無端状のVベルトを巻き掛けるようにして前記固定プーリ半体と
の間に形成するベルト溝の幅を変化させるべく軸方向に相対移動することを可能として前
記入力軸に相対回転不能に結合され、前記入力軸の軸線方向にスライド可能なスライドギ
ヤの一端部が軸方向相対移動を不能とするとともに軸線まわりの相対回転を可能として前
記可動プーリ半体に連結され、軸方向位置および軸線まわりの位置を一定として前記入力
軸と同軸に配置される円筒状のねじ軸の外周に前記スライドギヤの内周が螺合されるVベ
ルト式無段変速機において、前記ねじ軸に固定される端壁を有して有底円筒状に形成され
るとともに前記スライドギヤおよび前記ねじ軸の螺合部を覆うカバーの内周と、前記スラ
イドギヤの外周との間に環状のシール部材が介装され、前記スライドギヤの他端部を臨ま
せて前記カバー内に形成される環状室を外部に通じさせる連通孔が、前記ねじ軸または前
記カバーに設けられることを特徴とする。
軸方向位置を一定に定めて該入力軸を同軸に囲繞する前記ねじ軸が、その軸線まわりの回
転方向に対しては防振部材を変速機ケースとの間に介在して位置決めされることを特徴と
する。
バーの内周およびスライドギヤの外周間に環状のシール部材を介装することにより、比較
的小さなカバーを用いることで、ダストの侵入によって作動が不円滑となることを防止す
ることが可能であり、変速機ケースの大型化を回避することが可能となる。しかもカバー
内の環状室が連通孔を介して外部に通じているので、環状室が急激に増圧されることを回
避し、カバーの内周およびスライドギヤの外周間のシール部材のシール機能が急激な増圧
によって損なわれることがない。
に沿う方向の負荷が防振部材に作用しないようにして、ねじ軸の回転方向の負荷だけを防
振部材に作用させるようにしたので、防振部材の寿命を延ばしつつ、ねじ軸の防振支持構
造を小型化することができる。
。
の側面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2のドライブプーリ付近をLOW状態
で示す拡大図、図4はねじ軸および支持板を可動プーリ側から見た側面図、図5はTOP
状態での図3に対応した断面図、図6は歯車減速機構の一部を拡大して示す断面図、図7
は図6の7−7線断面図、図8はカバー部材を図7と同一方向から見た図、図9はカバー
部材を図8とは反対側から見た図である。
、該エンジンEおよび前記後輪WR間に設けられるVベルト式無段変速機Mとで構成され
るパワーユニットPは、スクータ型自動二輪車の車体フレーム(図示せず)に搭載される
ものであり、パワーユニットPの後部右側に配置される後輪WRがパワーユニットPの後
部に軸支される。
ンクシャフト16を回転自在に支承するクランクケース12と、クランクケース12に結
合されるシリンダブロック13と、クランクケース12と反対側でシリンダブロック13
に結合されるシリンダヘッド14と、シリンダブロック13と反対側でシリンダヘッド1
4に結合されるヘッドカバー15とを備える。
線が自動二輪車の前後方向に沿ってわずかに前上がりとして略水平となるように配置され
る。またクランクケース12は、前記シリンダ軸線を含むとともにクランクシャフト16
の軸線に直交する平面で結合される一対のケース半体12a,12bから成り、両ケース
半体12a,12bのうち一方のケース半体12aおよびクランクシャフト16間にボー
ルベアリング18が介装され、他方のケース半体12bおよびクランクシャフト16間に
は、ローラベアリング19と、該ローラベアリング19よりも外方に配置される環状のシ
ール部材20とが介装される。
ト16は、クランクピン37およびコネクティングロッド38を介してピストン21に連
結される。またシリンダヘッド14および前記ピストン21間には燃焼室23が形成され
、この燃焼室23への吸気を制御する吸気弁24ならびに前記燃焼室23からの排気を制
御する排気弁25は、クランクシャフト16の回転軸線に直交する平面への投影図上で略
V字状に並ぶようにしてシリンダヘッド14に配設される。さらに燃焼室23に臨む点火
プラグ26が、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態でシリンダヘッド14の左側側面
に取付けられる。
行な軸線を有してシリンダヘッド14に回転自在に支承されるとともに吸気用および排気
用カム28,29を有するカムシャフト27を含む動弁機構30が前記吸気弁24および
排気弁25を開閉駆動するようにして収容される。
ャフト16においてボールベアリング18よりも外方側で前記被動スプロケット31に対
応する位置には第1駆動スプロケット32が固定されており、第1駆動スプロケット32
および被動スプロケット31には、無端状のカムチェーン33が巻掛けられ、カムチェー
ン33は、シリンダブロック13、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15にわたっ
て形成されたチェーン室34内に走行可能に収納される。このような第1駆動スプロケッ
ト32、被動スプロケット31およびカムチェーン33により、クランクシャフト16の
回転数の1/2の回転数でカムシャフト27が回転駆動される。
ット40が固定される。一方、クランクケース12内の下部からオイルを汲み上げるオイ
ルポンプ41(図1参照)と、シリンダブロック13およびシリンダヘッド14に設けら
れる冷却ジャケット43に冷却水を循環せしめるための冷却水ポンプ42(図1参照)と
が同軸に連なってクランクケース12の下部に設けられており、第2駆動スプロケット4
0からチェーン(図示せず)を介して前記オイルポンプ41および前記冷却水ポンプ42
に回転動力が伝達される。
る右カバー45に固定されるステータ47と、該ステータ47を囲繞するようにしてクラ
ンクシャフト16に固定されるアウターロータ48とを備える発電機46が配置されてい
る。
6を同軸に囲繞して該クランクシャフト16で相対回転可能に支承される被動ギヤ49が
配置されており、この被動ギヤ49は、前記アウターロータ48に一方向クラッチ50を
介して連結される。而して前記被動ギヤ49には図示しないスタータモータからの回転動
力を入力可能であり、エンジンEの始動時にはスタータモータからの駆動力がクランクシ
ャフト16に伝達され、エンジンEの始動後には一方向クラッチ50の働きによりクラン
クシャフト16からの動力がスタータモータ側に伝達されることはない。
1に連設されるとともに後輪WRの左側まで延設される変速機ケース51内の収容室56
に収容されるものであり、変速機ケース51は、クランクケース12を構成する一対のケ
ース半体12a,12bのうちケース半体12bに一体に連なる内側ケース52と、該内
側ケース52を外側から覆う外側ケース53と、外側ケース53内で内側ケース52の後
部に締結される蓋板54と、内側ケース51および外側ケース52の前部間に挟まれる減
速歯車ケース55とから成り、内側ケース52および蓋板54間には、収容室56とは隔
絶されたギヤ室57が形成される。
してのクランクシャフト16の他端部に装着されるドライブプーリ58と、クランクシャ
フト16と平行な軸線を有して内側ケース52および蓋板54で回転自在に支承される出
力軸61に装着されるドリブンプーリ59と、ドライブプーリ58からドリブンプーリ5
9に動力を伝達する無端状のVベルト60とで構成される。
定プーリ半体62に対して接近・離間可能な可動プーリ半体63とを備え、Vベルト80
を巻きかけるようにして固定プーリ半体62および可動プーリ半体63間に形成されるベ
ルト溝64の幅を変化せるべく前記可動プーリ半体63を軸方向に駆動させる動力が、変
速機ケース51に取付けられる電動モータ65から歯車減速機構66を介して前記可動プ
ーリ半体63に伝達される。
0と、軸線まわりの相対回動ならびに軸線方向の相対移動を可能として内筒70を摺動可
能に嵌合せしめる外筒71と、内筒70に固定される固定プーリ半体72と、該固定プー
リ半体72に対向して外筒71に固定される可動プーリ半体73と、該可動プーリ半体7
3および固定プーリ半体72間の相対回転位相差に応じて両プーリ半体72,73間に軸
方向の分力を作用せしめるようにして内筒70および外筒71間に設けられるトルクカム
機構74と、可動プーリ半体73を固定プーリ半体72との間に挟む位置で内筒70に固
定されるばね受け部材75と、外筒71を囲繞して可動プーリ半体73およびばね受け部
材75間に縮設されるコイルスプリング76と、エンジン回転数が設定回転数を超えるの
に伴って動力伝達状態となるようにして内筒70および出力軸61間に設けられる遠心ク
ラッチ77とを備え、ドライブプーリ58における固定プーリ半体72および可動プーリ
半体73間に形成されるベルト溝78にVベルト60が巻き掛けられる。
間隔は、前記トルクカム機構74によって生じる軸方向の力と、コイルスプリング76に
よって生じる軸方向の弾性力と、固定プーリ半体72および可動プーリ半体73間の間隔
をあける方向に作用するVベルト60からの力とのバランスにより決定され、ドライブプ
ーリ58において可動プーリ半体63を固定プーリ半体62に近接させることによりVベ
ルト60のドライブプーリ58への巻き掛け半径が大きくなると、Vベルト60のドリブ
ンプーリ59への巻き掛け半径が小さくなる。
おり、変速機ケース51から突出した車軸79の端部は、エンジン本体11に結合されて
後輪WRの右側に配置されるアーム80に回転自在に支承される。
れ、この減速ギヤ列81は、出力軸61に設けられる第1ギヤ82と、出力軸61および
車軸79と平行にして内側ケース52および蓋板54に回転自在に支承される中間軸83
に設けられて第1ギヤ82に噛合する第2ギヤ84と、中間軸83に設けられる第3ギヤ
85と、第3ギヤ85に噛合して車軸79に設けられる第4ギヤ86とから成る。
側壁には、収容室56内に冷却空気を取り入れるための外気取り入れ口88が設けられて
おり、前記ドライブプーリ58における固定プーリ半体62の外周には、外気取り入れ口
88から取り入れた冷却空気を収容室56内に分散させるための冷却ファン89が一体に
設けられる。
であり、ケースカバー90は、前記外気取り入れ口88が配置される部分を含んで変速機
ケース51の前半部外側面を覆うようにして複数箇所で変速機ケース51における外側ケ
ース53に締結され、防音カバー91は、ドリブンプーリ59に対応する側で変速機ケー
ス51の後半部外側面を覆うようにして複数箇所で変速機ケース51における外側ケース
53に締結される。
バー90および防音カバー91が変速機ケース51に取付けられており、防音カバー91
の前部に設けられた2つのボス部91a…をケースカバー90の後部と変速機ケース51
との間に挟むようにして、ケースカバー90の後部および防音カバー91の前部がねじ部
材92…により変速機ケース51に共締めされる。しかもケースカバー90の後縁部およ
び防音カバー91の前縁部間には、後方側に開いた吸入口93が形成されるものであり、
ケースカバー90および変速機ケース51間には、吸入口93に通じる空気導入室94が
形成される。
ケース51の外側面に取付けられており、吸入口93から空気導入室94に導入された外
気は、フィルタ95を通過することによって浄化されて収容室56に吸入されることにな
る。
1間の空間を複数たとえば3つの閉空間96,97,98に区画するようにして、たとえ
ば4個の防音材99,100,101,102が配設される。
るものであり、これらの防音材99〜102の一面が、接着剤により変速機ケース51お
よび防音カバー91のいずれか、この実施例では防音カバー91の内面に接着される。
よって複数の閉空間96〜98に区画されることにより、変速機ケース51から放出され
る騒音は、変速機ケース51および防音カバー91間に配置されている防音材99〜10
2で吸収されることによって抑えられるとともに、変速機ケース51および防音カバー9
1間に形成される複数の閉空間96〜98で音の共鳴が生じることを防止することによっ
て抑えられることになり、簡単な構造で充分な騒音防止効果を得ることができる。
は、外方に臨む環状段部16aが設けられており、該クランクシャフト16との軸線まわ
りの回転を不能としてクランクシャフト16を同軸に囲繞する円筒状のスリーブ104の
内端および前記環状肩部16a間にシール付きボールベアリング105の内輪が挟まれる
。またクランクシャフト16の外端部にはナット106が螺合されており、ドライブプー
リ58の固定プーリ半体62は、クランクシャフト16に相対回転不能に装着されるとと
もに、ナット106に当接するワッシャ107およびスリーブ104の外端間に挟まれて
おり、ナット106を締めつけることにより固定プーリ半体62がクランクシャフト16
に固定される。
筒部63aを一体に有しており、軸方向に延びて円筒部63aの周方向1箇所に設けられ
るガイド孔108に、前記スリーブ104に係合するキー109が嵌合される。これによ
り、可動プーリ半体63は、スリーブ104すなわちクランクシャフト16に、軸線まわ
りの回転を不能とするとともに軸線方向の相対移動を可能として装着されることになる。
しかもガイド孔108が円筒部63aの周方向1箇所に設けられるので、キー109およ
びキー溝間のクリアランスを小さく設定し、がたによってキー109にかかる負荷を軽減
することができる。また前記円筒部63aの内端部およびスリーブ104間には環状のシ
ール部材110が介装される。
軸線方向の相対移動を不能するが相対回転を可能として装着されており、前記ガイド孔1
08を軸方向両側から挟む2箇所で、円筒部63aおよび支持筒111間には環状のシー
ル部材112,112が装着される。
動を不能として装着されており、このボールベアリング113の外輪は、減速歯車機構6
6の被動ギヤであるスライドギヤ114の一端部内周に軸方向相対移動を不能として保持
される。すなわちクランクシャフト16の軸線方向に移動可能なスライドギヤ114の一
端部が、前記シール付きボールベアリング113を介在させることにより、軸方向相対移
動を不能とするとともに軸線まわりの相対回転を可能として前記可動プーリ半体63に連
結されることになる。
する円筒条のねじ軸115の内周に軸方向相対移動不能に保持される。すなわちねじ軸1
15は、軸方向位置を一定に位置決めされるようにしてクランクシャフト16を同軸に囲
繞するものであり、このねじ軸115の外周には、たとえば3条のねじ溝117…が刻設
され、前記スライドギヤ114の他端部内周が前記ねじ軸115の外周に螺合される。
ランクシャフト16の軸線からオフセットした位置で前記支持板118には、クランクシ
ャフト16と平行な軸線を有する円筒状の取付け筒119が固着される。
けられた円筒状のカラー121が挿入されるものであり、このカラー121に挿通される
ボルト122を変速機ケース51の内側ケース52に螺合して締めつけることにより、支
持板118すなわちねじ軸115が、ねじ軸115の軸線まわりの回転方向に対しては前
記防振ラバー120を介して変速機ケース51に位置決めされることになる。
を不要としたねじ軸115に螺合したスライドギヤ114が、電動モータ65から減速歯
車機構66を介して伝達される動力によって回転することにより、可動プーリ半体63は
、図3で示すLOW位置と、図5で示すTOP位置との間で軸方向に移動することになり
、前記支持板118には、LOW位置でスライドギヤ114に係合することで可動プーリ
半体63のLOW位置側への移動端を規制するストッパ118aが一体に設けられ、また
TOP位置でスライドギヤ114に係合することで可動プーリ半体63のTOP位置側へ
の移動端を規制するストッパ128が変速機ケース51の内側ケース52に固着されてい
る。
る端壁116aを有して有底円筒状に形成されるカバー116で覆われるものであり、こ
のカバー116の内周と、スライドギヤ114の外周との間に環状のシール部材124が
介装される。
3が形成されるものであり、この環状室123の容積は、可動プーリ半体63およびスラ
イドギヤ114が、前記LOW位置および前記TOP位置間で軸方向に移動することに応
じて変化する。而して変速段をTOPからLOW側に急速に変化させるべく、可動プーリ
半体63をベルト溝64の幅を大きくする側に急速に移動させると、環状室123の容積
が急激に収縮することになり、環状室123内が急激に増圧されることでカバー116の
内周およびスライドギヤ114の外周間のシール部材124のシール機能が損なわれる可
能性がある。
ギヤ114の内周、可動プーリ半体63における円筒部63aの内端部および支持筒11
1の外周で規定される空室125側に通じさせるべく、一端を前記環状室123に通じさ
せる連通孔126がねじ軸115の側壁に設けられるとともに、その連通孔126の他端
を前記空室125に通じさせる凹部127がねじ軸115の内周に設けられる。
前記LOW位置および前記TOP位置間で軸方向に移動することに応じて変化するのであ
るが、変速段をTOPからLOW側に変化させたときの前記空室125の容積変化割合は
前記環状室123の容積変化割合よりも小さいものであり、変速段をTOPからLOW側
に変化させたときに環状室123の圧力増圧程度は、環状室123が空室125に通じて
いることで比較的小さく抑えられる。
130と、該駆動歯車130に噛合する大歯車131および小歯車132がアイドル回転
軸133に一体に設けられて成るアイドル歯車134とを少なくとも備えるものであり、
この実施例において前記歯車減速機構66は、前記小歯車132および前記スライドギヤ
114間に設けられる第2のアイドル歯車135をさらに備え、その第2のアイドル歯車
135は、前記小歯車132に噛合する大歯車136と、大歯車136と一体に形成され
てスライドギヤ114に噛合する小歯車137とで構成される。
一部が外側ケース53よりもシリンダヘッド14すなわち前方側に突出するように形成さ
れており、減速歯車ケース55の周壁部55aのうち外側ケース53よりも前方に突出し
た部分でほぼ半周を規定するようにした貫通孔138が減速歯車55に設けられる。一方
、減速歯車ケース55の外面には、前記貫通孔138に気密に嵌入される円筒部139a
を有する取付け板139が複数のボルト140…で締結されており、クランクシャフト1
6と平行な軸線の回転軸141を有する電動モータ65が取付け板139に固定され、前
記回転軸141は前記円筒部139aを貫通して変速機ケース51内に突入される。しか
も駆動歯車130は回転軸141に一体に形成される。
回転軸133の両端部を回転自在に支承するための円筒状の軸受ハウジング142,14
3が同軸にかつ相互に対向するようにして一体に突設されており、前記アイドル回転軸1
33の両端部はボールベアリング144,145を介して前記両軸受ハウジング142,
143に回転自在に支承される。
ドル歯車134の一部を構成して駆動歯車130に噛合する大歯車131と、減速歯車5
5の周壁部55aの一部と協働して囲む壁部55bが一体に突設される。
ース51内の収容室56から区画して収納する減速歯車室146を前記減速歯車ケース5
5との間に形成するカバー部材147が取付けられる。
壁部55bの端部を覆うとともに前記周壁部55aの内周に対向するように形成されてお
り、このカバー部材147の周縁部には、前記壁部55bの端部に当接するとともに前記
周壁部55の内面に接触するシールゴム148が焼き付けられる。
付け部149,150が設けられており、カバー部材147には、前記取付け部149に
当接する平坦な取付け腕部147aならびに前記取付け部150に当接するように屈曲し
た取付け腕部147bが一体に設けられ、それらの取付け腕部147a,147bにそれ
ぞれ設けられる挿通孔151…に挿通されるボルト152…を前記取付け部149,15
0に螺合して締めつけることにより、カバー部材147が減速歯車ケース55に取付けら
れる。
口部153を形成する円筒部147cが減速歯車室146内に突入するようにして一体に
突設されており、この円筒部147cの先端部が、前記アイドル歯車134における大歯
車131に設けられる環状溝131aに挿入されることにより、カバー部材147および
前記大歯車131間にラビリンス通路154が形成されることになる。
る内側ケース52および減速歯車ケース55に両端部が回転自在に支承される金属製の回
転軸156にピン157および止め輪158で軸方向移動を規制されるようにして装着さ
れるものである。
ており、前記減速歯車ケース55で回転自在に支承されるストロークセンサ軸166に設
けられるウォーム167が前記ギヤ165に噛合される。ストロークセンサ軸166は、
図示しないストロークセンサに連なるものであり、ドライブプーリ58における可動プー
リ半体63のストロークを、減速歯車機構66の一部を構成する第2のアイドル歯車13
5の回転部分で検出するようにしているので、ドライブプーリ58のメンテナンス性を高
めつつストローク検出精度を高めることができる。
イドル歯車135およびスライドギヤ114のうち、第2のアイドル歯車135は、自己
潤滑性樹脂により形成されるものであり、駆動歯車130、アイドル歯車134およびス
ライドギヤ114は金属製である。
可動プーリ半体63には、クランクシャフト16の軸線方向にスライド可能なスライドギ
ヤ114の一端部が軸方向相対移動を不能とするとともに軸線まわりの相対回転を可能と
して連結され、軸方向位置および軸線まわりの位置を一定としてクランクシャフト16と
同軸に配置される円筒状のねじ軸115の外周にスライドギヤ114の内周が螺合される
のであるが、ねじ軸115に固定される端壁116aを有して有底円筒状に形成されると
ともにスライドギヤ114およびねじ軸115の螺合部を覆うカバー116の内周と、ス
ライドギヤ114の外周との間に環状のシール部材124が介装される。
ヤ114およびねじ軸115の螺合部の作動が不円滑となることを防止することが可能で
あり、変速機ケース51の大型化を回避することが可能となる。
3を外部である空室125に通じさせる連通孔126がねじ軸115に設けられるので、
環状室123が急激に増圧されることを回避し、カバー116の内周およびスライドギヤ
114の外周間のシール部材124のシール機能が急激な増圧によって損なわれることが
ないようにすることができる。
を同軸に囲繞する前記ねじ軸115が、その軸線まわりの回転方向に対しては防振ラバー
120を変速機ケース51の内側ケース52との間に介在して位置決めされるので、スラ
イドギヤ114から受ける負荷のうちねじ軸115の軸方向に沿う方向の負荷が防振ラバ
ー120に作用しないようにし、ねじ軸115の回転方向の負荷だけを防振ラバー120
に作用させることになり、防振ラバー120の寿命を延ばしつつ、ねじ軸115の防振支
持構造を小型化することができる。
変速機ケース51に収容される減速歯車機構66は、電動モータ65に同軸に連なる駆動
歯車130と、該駆動歯車130に噛合する大歯車131および小歯車132がアイドル
回転軸133に一体に設けられて成るアイドル歯車134とを少なくとも備えるものであ
り、駆動歯車130および大歯車131を変速機ケース51内の収容室56から区画して
収納する減速歯車室146を変速機ケース51の減速歯車ケース55との間に形成するカ
バー部材147が、大歯車131との間にラビリンス通路154を形成するとともに小歯
車132を貫通させる開口部153を形成して変速機ケース51の減速歯車ケース55に
取付けられるので、減速歯車機構66において特に噛み合い回数の多い駆動歯車130お
よびアイドル歯車134の噛合部にダストが侵入することを比較的小さなカバー部材14
7によって防止することができ、変速機ケース51の大型化を回避しつつ、減速歯車機構
66の寿命向上を図ることができる。
の一端部を回転自在に支承する軸受ハウジング142が設けられるとともに、カバー部材
147の取付け部149,150が設けられているので、ラビリンス通路154をより小
さく形成し得るようにしてシール性能の向上を図ることができる。また、この実施例のよ
うに、減速歯車ケース55および内側ケース52に、アイドル歯車134におけるアイド
ル回転軸133の両端部が回転自在に支承されるときには、Vベルト式無段変速機Mの組
立時にカバー部材174でアイドル歯車134を減速歯車ケース55側に抜け止め保持さ
せておくことにより、組立性を高めることができる。
ドギヤ114間に介装されて自己潤滑性樹脂により形成される第2のアイドル歯車135
を含むものであり、減速歯車機構66において減速歯車室146外の歯車噛合部では樹脂
潤滑を可能として潤滑構造を簡素化することができ、また樹脂製の第2のアイドル歯車1
35を変速機ケース51内において減速歯車室146外の比較的広い空間に配置し、冷却
性を高めることができる。
置決めされるとともに軸線まわりに回転することを不要としたねじ軸115およびスライ
ドギヤ114の螺合部は、ねじ軸115に固定される端壁116aを有して有底円筒状に
形成されるカバー116で覆われるものであり、このカバー116の内周と、スライドギ
ヤ114の外周との間に環状のシール部材124が介装される。
変速機ケース51内の収容室56に通じさせるべく、一端を前記環状室123の上部に通
じさせる連通孔159が、カバー116の端壁116aおよび支持板118に設けられ、
支持板118の外面には前記連通孔159の他端を覆うとともに上方に向けて開口した連
通孔カバー160が固着される。
動プーリ半体63をベルト溝64の幅を大きくする側に急速に移動させることで環状室1
23の容積が急激に収縮しても、環状室123の増圧を抑えることができ、カバー116
の内周およびスライドギヤ114の外周間のシール部材124のシール機能が急激な増圧
によって損なわれることがないようにすることができる。
特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能
である。
51・・・変速機ケース
58・・・ドライブプーリ
59・・・ドリブンプーリ
61・・・出力軸
62・・・固定プーリ半体
63・・・可動プーリ半体
64・・・ベルト溝
114・・・スライドギヤ
115・・・ねじ軸
116・・・カバー
116a・・・端壁
120・・・防振部材としての防振ラバー
123・・・環状室
124・・・シール部材
126,159・・・連通孔
M・・・Vベルト式無段変速機
Claims (2)
- 入力軸(16)に固定される固定プーリ半体(62)とともにドライブプーリ(58)
を構成する可動プーリ半体(63)が、出力軸(61)に装着されるドリブンプーリ(5
9)側に動力を伝達する無端状のVベルト(60)を巻き掛けるようにして前記固定プー
リ半体(62)との間に形成するベルト溝(64)の幅を変化させるべく軸方向に相対移
動することを可能として前記入力軸(16)に相対回転不能に結合され、前記入力軸(1
6)の軸線方向にスライド可能なスライドギヤ(114)の一端部が軸方向相対移動を不
能とするとともに軸線まわりの相対回転を可能として前記可動プーリ半体(63)に連結
され、軸方向位置および軸線まわりの位置を一定として前記入力軸(16)と同軸に配置
される円筒状のねじ軸(115)の外周に前記スライドギヤ(114)の内周が螺合され
るVベルト式無段変速機において、前記ねじ軸(115)に固定される端壁(116a)
を有して有底円筒状に形成されるとともに前記スライドギヤ(114)および前記ねじ軸
(115)の螺合部を覆うカバー(116)の内周と、前記スライドギヤ(114)の外
周との間に環状のシール部材(124)が介装され、前記スライドギヤ(114)の他端
部を臨ませて前記カバー(116)内に形成される環状室(123)を外部に通じさせる
連通孔(126,159)が、前記ねじ軸(115)または前記カバー(116)に設け
られることを特徴とするVベルト式無段変速機。 - 前記入力軸(16)に対する軸方向位置を一定に定めて該入力軸(16)を同軸に囲繞
する前記ねじ軸(115)が、その軸線まわりの回転方向に対しては防振部材(120)
を変速機ケース(51)との間に介在して位置決めされることを特徴とする請求項1記載
のVベルト式無段変速機。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-06-12 JP JP2007155290A patent/JP4490992B2/ja active Active
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