JP4939481B2 - 遠心クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、入力部材とともに回転するドライブプレートと、出力部材とともに回転するようにして前記ドライブプレートを同軸に覆うクラッチハウジングと、前記入力部材の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記クラッチハウジングの内周に摩擦係合することを可能として前記ドライブプレートの周方向複数個所に支軸を介して回動可能に軸支される複数のクラッチウエイトとを備え、複数の前記クラッチウエイトが、前記支軸を介して前記ドライブプレートに一端部が回動可能に軸支されるウエイト部と、前記支軸に関して前記ウエイト部と反対側に延びるようにして該ウエイト部の一端部に一体に連設されるアーム部とを有するように形成され、前記各クラッチウエイトの前記ウエイト部の他端部と、それらのクラッチウエイトに前記ドライブプレートの周方向で隣接するクラッチウエイトの前記アーム部との間にダンパーラバーがそれぞれ介装される遠心クラッチに関する。
このような遠心クラッチでは、クラッチウエイトがクラッチハウジングの内周に摩擦係合し始めるとき(以下、この状況をクラッチインと呼ぶ。)に、入力部材の回転軸線と直交する平面内でのジャダーと呼ばれる振動がクラッチウエイトに発生することがある。そこで、特許文献1および特許文献2で開示された遠心クラッチでは、前記平面内での振動を抑えるためのダンパーラバーが用いられている。
特開2007−120601号公報 実公昭56−48993号公報
ところが、上記特許文献1で開示された遠心クラッチでは、複数のクラッチウエイトにそれぞれ弾発接触する円筒状のダンパーラバーが、ドライブプレートに植設された支持ピンで支持されているため、ダンパーラバーの変形の自由度が小さく、各クラッチウエイト毎に振動を収束せしめる構成となっているので、更なる振動低減が難しく、しかも各ダンパーラバー毎に支持ピンが必要であるので部品点数が多くなってしまう。
また特許文献2で開示された遠心クラッチでは、相互に隣接するクラッチウエイトの一方の基端部および他方のクラッチウエイトの先端部を軸方向で重ね合わせ、前記基端部および前記先端部の一方に突設された摺動ピンに装着されたダンパーラバーを、前記基端部および前記先端部の他方に設けられた摺動溝に摺動自在に圧嵌せしめることで、複数のクラッチウエイトのクラッチインのタイミングを同期させるようにしているが、ダンパーラバーは前記摺動ピンに装着されるものであるので、ダンパーラバーの形状変形の自由度が小さい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を低減した簡単な構造とするとともに、ダンパーラバーの変形の自由度を高めてクラッチウエイトの振動低減効果を高くした遠心クラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、入力部材とともに回転するドライブプレートと、出力部材とともに回転するようにして前記ドライブプレートを同軸に覆うクラッチハウジングと、前記入力部材の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記クラッチハウジングの内周に摩擦係合することを可能として前記ドライブプレートの周方向複数個所に支軸を介して回動可能に軸支される複数のクラッチウエイトとを備え、複数の前記クラッチウエイトが、前記支軸を介して前記ドライブプレートに一端部が回動可能に軸支されるウエイト部と、前記支軸に関して前記ウエイト部と反対側に延びるようにして該ウエイト部の一端部に一体に連設されるアーム部とを有するように形成され、前記各クラッチウエイトの前記ウエイト部の他端部と、それらのクラッチウエイトに前記ドライブプレートの周方向で隣接するクラッチウエイトの前記アーム部との間にダンパーラバーがそれぞれ介装される遠心クラッチにおいて、前記アーム部に、前記ダンパーラバーの一部を嵌合するための第1凹部が設けられ、前記ウエイト部の他端部に、前記ダンパーラバーを係合させる第2凹部が設けられ、前記ダンパーラバーが前記第1凹部および前記第2凹部に相対移動可能に保持されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記ダンパーラバーのうち第1凹部に嵌合される部分の体積が第2凹部に係合される部分の体積よりも大きくなるように第1および第2凹部が形成され、前記ドライブプレートの静止状態での前記ダンパーラバーの第2凹部側での締め代が第1凹部側での締め代よりも大きく設定されることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記各支軸の軸線に直交する平面への投影図上で、前記各ウエイト部の回動方向に沿う円弧状にして前記ダンパーラバーの中心を通る曲線が、前記各支軸の軸線よりも前記クラッチハウジングの中心寄りを通るように、第1および第2凹部が配置されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、クラッチウエイトのクラッチイン時にクラッチハウジングから加わる反力に対して、アーム部でダンパーラバーを保持したクラッチウエイトの振動は、ダンパーラバーが発揮する弾発力によってダンピングされることになり、振動が収束される。しかもダンパーラバーはクラッチウエイトのアーム部に設けられた第1凹部と、ウエイト部の他端部に設けられた第2凹部とに相対移動可能に保持されるものであり、ダンパーラバーを支持する支持ピンが不要であり、ダンパーラバー支持のための部品を不要として部品点数を低減することができ、またダンパーラバーの形状変形の自由度が大きくなり、ダンパーラバーのつぶれ代が大きくなるので、より効果的に振動を低減することができる。
また請求項2記載の発明によれば、ダンパーラバーのうち第1凹部に嵌合される部分の体積が第2凹部に係合される部分の体積よりも大きいので、ダンパーラバーを第1凹部に確実に保持することができ、ドライブプレートの静止状態でのダンパーラバーの第2凹部側での締め代が第1凹部側での締め代よりも大きいので、クラッチウエイトがクラッチハウジングの内周に摩擦係合する位置に回動したときに、ウエイト部の他端部およびダンパーラバー間のクリアランスを小さくしたり、第2凹部側でのダンパーラバーの締め代を依然として残すようにして、ダンパーラバーが発揮する弾発力によって振動を収束し易くすることができる。
さらに請求項3記載の発明によれば、各支軸の軸線に直交する平面への投影図上で、各ウエイト部の回動方向に沿う円弧状にしてダンパーラバーの中心を通る曲線が、各支軸の軸線よりもクラッチハウジングの中心寄りを通るので、ウエイト部がクラッチハウジングから反力を受けてクラッチハウジングとの摩擦係合を解除する側に回動すると、アーム部はダンパーラバーを介して隣接クラッチウエイトのウエイト部にクラッチハウジングに摩擦係合する側に押しつける力を及ぼすことになり、それぞれのクラッチウエイトが協調して振動を減衰し合い、振動をより収束し易くすることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1〜図11は本発明の一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車に搭載されるパワーユニットおよび後輪の側面図、図2は図1の2−2線断面図、図3はクラッチハウジングを省略した状態での遠心クラッチの縦断面図、図4は図3の4矢視図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図3の7矢視図、図8は図5の8−8線拡大断面図、図9は図5の9−9線拡大断面図、図10は図8の10−10線に沿う拡大断面をドライブプレートの静止状態(a)およびクラッチイン状態(b)で対比させて示す図、図11は図8の11−11線に沿う拡大断面をドライブプレートの静止状態(a)およびクラッチイン状態(b)で対比させて示す図である。
先ず図1および図2において、後輪WRの前方に配置されるエンジンEと、該エンジンEおよび前記後輪WR間に設けられるVベルト式無段変速機Mとで構成されるパワーユニットPは、スクータ型である自動二輪車の車体フレーム(図示せず)に搭載されるものであり、パワーユニットPの後部右側に配置される後輪WRがパワーユニットPの後部に軸支される。
エンジンEのエンジン本体11は、後輪WRの回転軸線と平行な回転軸線を有するクランクシャフト16を回転自在に支承するクランクケース12と、クランクケース12に結合されるシリンダブロック13と、クランクケース12と反対側でシリンダブロック13に結合されるシリンダヘッド14と、シリンダブロック13と反対側でシリンダヘッド14に結合されるヘッドカバー15とを備える。
シリンダブロック13は、該シリンダブロック13に設けられるシリンダボア17の軸線が自動二輪車の前後方向に沿ってわずかに前上がりとして略水平となるように配置される。またクランクケース12は、前記シリンダ軸線を含むとともにクランクシャフト16の軸線に直交する平面で結合される一対のケース半体12a,12bから成り、両ケース半体12a,12bのうち一方のケース半体12aおよびクランクシャフト16間にボールベアリング18が介装され、他方のケース半体12bおよびクランクシャフト16間には、ローラベアリング19と、該ローラベアリング19よりも外方に配置される環状のシール部材20とが介装される。
前記シリンダボア17にはピストン21が摺動自在に嵌合されており、クランクシャフト16は、クランクピン37およびコネクティングロッド38を介してピストン21に連結される。またシリンダヘッド14および前記ピストン21間には燃焼室23が形成され、この燃焼室23への吸気を制御する吸気弁24ならびに前記燃焼室23からの排気を制御する排気弁25は、クランクシャフト16の回転軸線に直交する平面への投影図上で略V字状に並ぶようにしてシリンダヘッド14に配設される。さらに燃焼室23に臨む点火プラグ26が、自動二輪車の進行方向前方を向いた状態でシリンダヘッド14の左側側面に取付けられる。
シリンダヘッド14およびヘッドカバー15間には、クランクシャフト16の軸線と平行な軸線を有してシリンダヘッド14に回転自在に支承されるとともに吸気用および排気用カム28,29を有するカムシャフト27を含む動弁機構30が前記吸気弁24および排気弁25を開閉駆動するようにして収容される。
カムシャフト27の一端部には被動スプロケット31が固定される。一方、クランクシャフト16においてボールベアリング18よりも外方側で前記被動スプロケット31に対応する位置には第1駆動スプロケット32が固定されており、第1駆動スプロケット32および被動スプロケット31には、無端状のカムチェーン33が巻掛けられ、カムチェーン33は、シリンダブロック13、シリンダヘッド14およびヘッドカバー15にわたって形成されたチェーン室34内に走行可能に収納される。このような第1駆動スプロケット32、被動スプロケット31およびカムチェーン33により、クランクシャフト16の回転数の1/2の回転数でカムシャフト27が回転駆動される。
第1駆動スプロケット31よりも外方側でクランクシャフト16には第2駆動スプロケット40が固定される。一方、クランクケース12内の下部からオイルを汲み上げるオイルポンプ41(図1参照)と、シリンダブロック13およびシリンダヘッド14に設けられる冷却ジャケット43に冷却水を循環せしめるための冷却水ポンプ42(図1参照)とが同軸に連なってクランクケース12の下部に設けられており、第2駆動スプロケット40からチェーン(図示せず)を介して前記オイルポンプ41および前記冷却水ポンプ42に回転動力が伝達される。
第2駆動スプロケット40よりも外方には、クランクケース12の右側面に取付けられる右カバー45に固定されるステータ47と、該ステータ47を囲繞するようにしてクランクシャフト16の一端部に固定されるアウターロータ48とを備える発電機46が配置されている。
第2駆動スプロケット40および前記アウターロータ48間には、クランクシャフト16を同軸に囲繞して該クランクシャフト16で相対回転可能に支承される被動ギヤ49が配置されており、この被動ギヤ49は、前記アウターロータ48に一方向クラッチ50を介して連結される。而して前記被動ギヤ49には図示しないスタータモータからの回転動力を入力可能であり、エンジンEの始動時にはスタータモータからの駆動力がクランクシャフト16に伝達され、エンジンEの始動後には一方向クラッチ50の働きによりクランクシャフト16からの動力がスタータモータ側に伝達されることはない。
Vベルト式無段変速機Mは、エンジン本体11の一部を側方から覆ってエンジン本体11に連設されるとともに後輪WRの左側まで延設される変速機ケース51内の収容室56に収容されるものであり、変速機ケース51は、クランクケース12を構成する一対のケース半体12a,12bのうちケース半体12bに一体に連なる内側ケース52と、該内側ケース52を外側から覆う外側ケース53と、外側ケース53内で内側ケース52の後部に締結される蓋板54と、内側ケース51および外側ケース52の前部間に挟まれる減速歯車ケース55とから成り、内側ケース52および蓋板54間には、収容室56とは隔絶されたギヤ室57が形成される。
Vベルト式無段変速機Mは、クランクケース12から収容室56内に突入するクランクシャフト16の他端部に装着されるドライブプーリ58と、クランクシャフト16と平行な軸線を有して内側ケース52および蓋板54で回転自在に支承される出力軸61に装着されるドリブンプーリ59と、ドライブプーリ58からドリブンプーリ59に動力を伝達する無端状のVベルト60とで構成される。
ドライブプーリ58は、クランクシャフト16に固定された固定プーリ半体62と、固定プーリ半体62に対して接近・離間可能な可動プーリ半体63とを備え、Vベルト60を巻きかけるようにして固定プーリ半体62および可動プーリ半体63間に形成されるベルト溝64の幅を変化せるべく前記可動プーリ半体63を軸方向に駆動させる動力が、変速機ケース51に取付けられる電動モータ65から歯車減速機構66を介して前記可動プーリ半体63に伝達される。而して前記歯車減速機構66は減速歯車ケース55内に収容される。
またドリブンプーリ59は、相対回転を可能として出力軸61を同軸に囲繞する内筒70と、軸線まわりの相対回動ならびに軸線方向の相対移動を可能として内筒70を摺動可能に嵌合せしめる外筒71と、内筒70に固定される固定プーリ半体72と、該固定プーリ半体72に対向して外筒71に固定される可動プーリ半体73と、該可動プーリ半体73および固定プーリ半体72間の相対回転位相差に応じて両プーリ半体72,73間に軸方向の分力を作用せしめるようにして内筒70および外筒71間に設けられるトルクカム機構74と、可動プーリ半体73を固定プーリ半体72側に向けて弾発付勢するコイルスプリング76とを備え、固定プーリ半体72および可動プーリ半体73間に形成されるベルト溝78にVベルト60が巻き掛けられる。
ドリブンプーリ59の内筒70および出力軸61間には、エンジン回転数が設定回転数を超えるのに伴って動力伝達状態となる遠心クラッチ77が設けられ、この遠心クラッチ77の一部を構成して前記内筒70に同軸にかつ相対回転不能に結合されるドライブプレート75と、前記可動プーリ半体73との間に、前記外筒71を囲繞するコイルスプリング76が縮設される。
而してドリブンプーリ59における固定プーリ半体72および可動プーリ半体73間の間隔は、前記トルクカム機構74によって生じる軸方向の力と、コイルスプリング76によって生じる軸方向の弾性力と、固定プーリ半体72および可動プーリ半体73間の間隔をあける方向に作用するVベルト60からの力とのバランスにより決定され、ドライブプーリ58において可動プーリ半体63を固定プーリ半体62に近接させることによりVベルト60のドライブプーリ58への巻き掛け半径が大きくなると、Vベルト60のドリブンプーリ59への巻き掛け半径が小さくなる。
前記蓋板54および内側ケース52には、後輪WRの車軸79が回転自在に支承されており、変速機ケース51から突出した車軸79の端部は、エンジン本体11に結合されて後輪WRの右側に配置されるアーム80に回転自在に支承される。
ギヤ室57内には、出力軸61および車軸79間に設けられる減速ギヤ列81が収容され、この減速ギヤ列81は、出力軸61に設けられる第1ギヤ82と、出力軸61および車軸79と平行にして内側ケース52および蓋板54に回転自在に支承される中間軸83に設けられて第1ギヤ82に噛合する第2ギヤ84と、中間軸83に設けられる第3ギヤ85と、第3ギヤ85に噛合して車軸79に設けられる第4ギヤ86とから成る。
変速機ケース51における外側ケース53の前記ドライブプーリ58に対向する部分の側壁には、収容室56内に冷却空気を取り入れるための外気取り入れ口88が設けられており、前記ドライブプーリ58における固定プーリ半体62の外周には、外気取り入れ口88から取り入れた冷却空気を収容室56内に分散させるための冷却ファン89が一体に設けられる。
変速機ケース51の外側面は、ケースカバー90および防音カバー91で覆われるものであり、ケースカバー90は、前記外気取り入れ口88が配置される部分を含んで変速機ケース51の前半部外側面を覆うようにして複数箇所で変速機ケース51における外側ケース53に締結され、防音カバー91は、ドリブンプーリ59に対応する側で変速機ケース51の後半部外側面を覆うようにして複数箇所で変速機ケース51における外側ケース53に締結される。
しかもケースカバー90の後縁部で防音カバー91の前縁部を覆うようにしてケースカバー90および防音カバー91が変速機ケース51に取付けられており、防音カバー91の前部に設けられた2つのボス部91a…をケースカバー90の後部と変速機ケース51との間に挟むようにして、ケースカバー90の後部および防音カバー91の前部がねじ部材92…により変速機ケース51に共締めされる。しかもケースカバー90の後縁部および防音カバー91の前縁部間には、後方側に開いた吸入口93が形成されるものであり、ケースカバー90および変速機ケース51間には、吸入口93に通じる空気導入室94が形成される。
前記外気取り入れ口88を空気導入室94側から塞ぐようにしてフィルタ95が変速機ケース51の外側面に取付けられており、吸入口93から空気導入室94に導入された外気は、フィルタ95を通過することによって浄化されて収容室56に吸入されることになる。
変速機ケース51および防音カバー91間には、変速機ケース51および防音カバー91間の空間を複数たとえば3つの閉空間96,97,98に区画するようにして、たとえば4個の防音材99,100,101,102が配設される。
図3〜図7において、遠心クラッチ77は本発明に従って構成されるものであり、入力部材である内筒70に同軸にかつ相対回転不能に結合される円盤状のドライブプレート75と、出力部材である出力軸61に同軸にかつ相対回転不能に結合されて前記ドライブプレート75を同軸に覆う椀状のクラッチハウジング105と、前記内筒70の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記クラッチハウジング105の内周の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば3箇所に摩擦係合し得るようにしてドライブプレート75に回動可能に軸支されるクラッチウエイト106,106,106と、これらのクラッチウエイト106…を前記ドライブプレート75との間に挟むリング状のサイドプレート107と、前記クラッチハウジング105の内周との摩擦係合を解除する側に前記クラッチウエイト106…を付勢するばね力を発揮するようにしてクラッチハウジング105の周方向に隣接するクラッチウエイト106,106…間にそれぞれ設けられるクラッチばね108,108,108とを備える。
クラッチウエイト106…は、一端部が支軸111…を介してドライブプレート75に回動可能に軸支されるようにして靴状に形成されるウエイト部106a…と、支軸111…に関して前記ウエイト部106a…と反対側に延びるようにして該ウエイト部106a…の一端部に一体に連設されるアーム部106b…とを一体に有して、金属材料により形成され、前記ウエイト部106a…に、クラッチハウジング105の内周に摩擦係合し得る摩擦材110…が貼着される。
前記支軸111…はドライブプレート75に植設されており、前記ウエイト部106a…の一端部と、該ウエイト部106a…にドライブプレート75とは反対側から当接する前記サイドプレート107とに、前記支軸111…が挿通される。また支軸111…の基部に設けられた支持鍔部111a…と、前記サイドプレート107との間に前記クラッチウエイト106…におけるウエイト部106a…の一端部が挟まれており、サイドプレート107から突出した支軸111…の先端部に、サイドプレート107に当接、係合する止め輪112…が装着される。
前記ウエイト部106aの他端側には、クラッチウエイト106およびサイドプレート107間に配置されるクラッチばね108を収容するための収容凹部113が設けられる。またウエイト部106aの中間部にはクラッチばね108の一端部を係合させるための係合孔114が設けられ、前記アーム部106bには前記クラッチばね108の他端部を係合させる係合孔115が設けられる。
すなわちドライブプレート75およびサイドプレート107間に配置されるクラッチウエイト106…は、支軸111の軸線まわりに回動可能であり、ドライブプレート75の回転に応じて各クラッチウエイト106…に作用する遠心力が、各クラッチウエイト106…に作用しているクラッチばね108…のばね力を上回ったときに、各クラッチウエイト106…は摩擦材110…をクラッチハウジング106の内面に摺接させるべく開き方向に回動することになる。
図8および図9を併せて参照して、前記アーム部106b…は、各ウエイト部106a…の肉厚の略反部の肉厚を有してウエイト部106a…の一端部のドライブプレート75側に一体に連設されており、前記ウエイト部106a…の他端部には、前記ドライブプレート75の軸線に沿う方向で前記アーム部106b…の一部に重なるようにして肉厚を略半分とした対向板部106c…が形成される。而して各クラッチウエイト106…の前記ウエイト部106a…の他端部に形成された対向板部106c…と、それらのクラッチウエイト106…に前記ドライブプレート75の周方向で隣接するクラッチウエイト106…の前記アーム部106b…との間に、各アーム部106b…に保持されるダンパーラバー116…が介装される。
前記アーム部106b…には、図10で示すように、ダンパーラバー116…の一部を嵌合、保持するための第1凹部117…が設けられる。また前記ウエイト部106a…の他端部の対向板部106c…には、図11で示すように、前記ダンパーラバー116…を係合させる第2凹部118…が第1凹部117…に対向するように設けられる。
而してダンパーラバー116…は、外力を加えない自然な状態では円柱状となるものであり、第1凹部117…は、ダンパーラバー116…の横断面の半分以上を嵌合せしめるようにして第2凹部118…側に開いた略U字状に形成され、第2凹部118…は、ダンパーラバー116…の横断面の半分未満を係合させるようにして第1凹部117…側に開いた略U字状に形成される。すなわち第1および第2凹部117…,118…は、ダンパーラバー116…のうち第1凹部117…に嵌合される部分の体積が第2凹部118…に係合される部分の体積よりも大きくなるように形成されている。
ところでダンパーラバー116は、外力を加えない自然な状態では図10および図11において二点鎖線で示すようにクラッチウエイト106の回動軸線すなわち支軸111の軸線と平行な軸線を有する円形の外周面を有するものであるが、第1凹部117に圧縮状態で嵌合されるとともに第2凹部118に圧縮状態で係合され、ダンパーラバー116は第1凹部117および第2凹部118に相対移動可能に保持されることになる。
而して第1凹部117は、自然な状態にあるダンパーラバー116を半径方向内方にわずかに圧縮して嵌合することを可能とするように形成されるものであり、遠心クラッチ77の非作動状態すなわちドライブプレート75の静止状態でのダンパーラバー116…の第1凹部117…への締め代は、図10(a)で示すように比較的小さな値となるのに対し、遠心クラッチ77の非作動状態すなわちドライブプレート75の静止状態でのダンパーラバー116…の第2凹部117…への締め代は、図11(a)で示すように比較的大きな値となるものであり、ドライブプレート75の静止状態でのダンパーラバー116…の第2凹部118…側での締め代は第1凹部117…側での締め代よりも大きく設定されている。
また遠心クラッチ77が作動してクラッチイン状態となったときのダンパーラバー116…の第1凹部117…への締め代は、図10(b)で示すように、ドライブプレート75の静止状態での締め代と殆ど変化せずに比較的小さな値のままであるのに対し、クラッチイン状態でのダンパーラバー116…の第2凹部118…への締め代は、図11(b)で示すように殆ど無くなる。
しかも前記各支軸111…の軸線に直交する平面への投影図上では、図5および図6で示すように、各ウエイト部106a…の回動方向に沿う円弧状にしてダンパーラバー116…の中心を通る曲線CL…が、各支軸111…の軸線CC…よりもクラッチハウジング105の中心寄りを通るように、第1凹部117…および第2凹部118…が配置されている。
次にこの実施例の作用について説明すると、遠心クラッチ77において、複数のクラッチウエイト106…は、一端部が支軸111…を介してドライブプレート75に回動可能に軸支されるウエイト部106a…と、支軸11…に関してウエイト部106a…と反対側に延びるようにして該ウエイト部106aの一端部に一体に連設されるアーム部106b…とを有するように形成されており、各クラッチウエイト106…ウエイト部106a…の他端部に形成された対向板部106c…と、それらのクラッチウエイト106…にドライブプレート75の周方向で隣接するクラッチウエイト106…のアーム部106b…との間に、各アーム部106b…に保持されるダンパーラバー116…がそれぞれ介装される。
したがってクラッチウエイト106…のクラッチイン時にクラッチハウジング105から加わる反力に対して、アーム部106b…でダンパーラバー116…を保持したクラッチウエイト106…の振動は、ダンパーラバー116…が発揮する弾発力によってダンピングされることになり、振動が収束される。
しかもダンパーラバー116…はクラッチウエイト106…のアーム部106b…に設けられた第1凹部117…と、ウエイト部106a…の他端部に設けられた第2凹部118…とに相対移動可能に保持されるものであり、ダンパーラバー116…を支持する支持ピンが不要であり、ダンパーラバー116…を支持するのための部品を不要として部品点数を低減することができ、またダンパーラバー116…の形状変形の自由度が大きくなり、ダンパーラバー116…のつぶれ代が大きくなるので、より効果的に振動を低減することができる。
またダンパーラバー116…のうち第1凹部117…に嵌合される部分の体積が第2凹部118…に係合される部分の体積よりも大きくなるように第1および第2凹部117…,118…が形成されるので、ダンパーラバー116…を第1凹部117…に確実に保持することができる。
またドライブプレート75の静止状態でのダンパーラバー116…の第2凹部118…側での締め代が第1凹部117…側での締め代よりも大きく設定されるので、クラッチウエイト106…がクラッチハウジング105の内周に摩擦係合する位置に回動したときに、ウエイト部106a…の他端部およびダンパーラバー116…間のクリアランスを小さくしたり、第2凹部118…側でのダンパーラバー116…の締め代を依然として残すようにして、ダンパーラバー116…が発揮する弾発力によって振動を収束し易くすることができる。
さらに前記各支軸111…の軸線CC…に直交する平面への投影図上で、各ウエイト部106a…の回動方向に沿う円弧状にしてダンパーラバー116…の中心を通る曲線CL…が、各支軸111…の軸線CC…よりもクラッチアウタ105の中心寄りを通るように、第1凹部117…および第2凹部118…が配置されるので、クラッチイン時に、ウエイト部106a…がクラッチハウジング105から反力を受けてクラッチハウジング105との摩擦係合を解除する側に回動すると、アーム部106b…はダンパーラバー116…を介して隣接クラッチウエイト106…のウエイト部106a…にクラッチハウジング105に摩擦係合する側に押しつける力を及ぼすことになり、それぞれのクラッチウエイト106…が協調して振動を減衰し合い、振動をより収束し易くすることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
自動二輪車に搭載されるパワーユニットおよび後輪の側面図である。 図1の2−2線断面図である。 クラッチハウジングを省略した状態での遠心クラッチの縦断面図である。 図3の4矢視図である。 図3の5−5線断面図である。 図3の6−6線断面図である。 図3の7矢視図である。 図5の8−8線拡大断面図である。 図5の9−9線拡大断面図である。 図8の10−10線に沿う拡大断面をドライブプレートの静止状態(a)およびクラッチイン状態(b)で対比させて示す図である。 図8の11−11線に沿う拡大断面をドライブプレートの静止状態(a)およびクラッチイン状態(b)で対比させて示す図である。
符号の説明
61・・・出力部材である出力軸
70・・・入力部材である内筒
75・・・ドライブプレート
77・・・遠心クラッチ
105・・・クラッチハウジング
106・・・クラッチウエイト
106a・・・ウエイト部
106b・・・アーム部
111・・・支軸
116・・・ダンパーラバー
117・・・第1凹部
118・・・第2凹部

Claims (3)

  1. 入力部材(71)とともに回転するドライブプレート(75)と、出力部材(61)とともに回転するようにして前記ドライブプレート(75)を同軸に覆うクラッチハウジング(105)と、前記入力部材(71)の回転に伴う遠心力の作用に応じて前記クラッチハウジング(105)の内周に摩擦係合することを可能として前記ドライブプレート(75)の周方向複数個所に支軸(111)を介して回動可能に軸支される複数のクラッチウエイト(106)とを備え、複数の前記クラッチウエイト(106)が、前記支軸(111)を介して前記ドライブプレート(75)に一端部が回動可能に軸支されるウエイト部(106a)と、前記支軸(111)に関して前記ウエイト部(106a)と反対側に延びるようにして該ウエイト部(106a)の一端部に一体に連設されるアーム部(106b)とを有するように形成され、前記各クラッチウエイト(106)の前記ウエイト部(106a)の他端部と、それらのクラッチウエイト(106)に前記ドライブプレート(75)の周方向で隣接するクラッチウエイト(106)の前記アーム部(106b)との間にダンパーラバー(116)がそれぞれ介装される遠心クラッチにおいて、前記アーム部(106b)に、前記ダンパーラバー(116)の一部を嵌合するための第1凹部(117)が設けられ、前記ウエイト部(106a)の他端部に、前記ダンパーラバー(116)を係合させる第2凹部(118)が設けられ、前記ダンパーラバー(116)が前記第1凹部(117)および前記第2凹部(118)に相対移動可能に保持されることを特徴とする遠心クラッチ。
  2. 前記ダンパーラバー(116)のうち第1凹部(117)に嵌合される部分の体積が第2凹部(118)に係合される部分の体積よりも大きくなるように第1および第2凹部(117,118)が形成され、前記ドライブプレート(75)の静止状態での前記ダンパーラバー(116)の第2凹部(118)側での締め代が第1凹部(117)側での締め代よりも大きく設定されることを特徴とする請求項1記載の遠心クラッチ。
  3. 前記各支軸(111)の軸線に直交する平面への投影図上で、前記各ウエイト部(106a)の回動方向に沿う円弧状にして前記ダンパーラバー(116)の中心を通る曲線(CL)が、前記各支軸(111)の軸線よりも前記クラッチハウジング(105)の中心寄りを通るように、第1および第2凹部(117,118)が配置されることを特徴とする請求項1または2記載の遠心クラッチ。
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