JP3959016B2 - 圧縮比可変エンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮比可変エンジンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クランクシャフトに連結されるサブロッドおよびピストンがコンロッドを介して連結され、エンジン本体に回動可能に支承される支軸の偏心位置に設けられる偏心軸および前記サブロッドがコントロールロッドを介して連結され、支軸の回動位置を変化させることにより、エンジンの圧縮比を変化させるようにした圧縮比可変エンジンが、たとえば特許文献1等で既に知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−228858号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものでは、支軸を電動モータやシリンダ等のアクチュエータで回動駆動することで支軸の回動位置を変化させて圧縮比を変化させるようにしているが、エンジンの爆発および慣性によってコントロールロッドに引張り荷重および圧縮荷重が作用しているので、前記電動モータやシリンダ等のアクチュエータには衝撃荷重が作用することになり、そのような衝撃を緩和するための手段をアクチュエータおよび支軸間に設けなければならず、構成が複雑となる。
【0005】
ところで、支軸の回動方向を一方向に規制しておけば、エンジンの爆発および慣性によってコントロールロッドに作用する引張り荷重および圧縮荷重を利用すして支軸を回動することができるものであり、そのような構成とすれば、支軸を回動駆動するためのアクチュエータは不要となる。但し、支軸の回動位置を複数箇所で規制する規制手段が必要であり、支軸の回動位置規制時にそのような規制手段および支軸の接触部に衝撃が作用することになるので、そのような衝撃を緩和する必要がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、エンジンの爆発および慣性を利用して支軸を回動するようにした上で、支軸の回動位置規制時に生じる衝撃を簡単な構成で緩和し得るようにした圧縮比可変エンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、一端がピストンピンを介してピストンに連結されるコンロッドと、クランクシャフトにクランクピンを介して連結されるとともに前記コンロッドの他端に連結されるサブロッドと、前記コンロッドの連結位置からずれた位置で前記サブロッドに一端が連結されるコントロールロッドと、エンジン本体に回動可能に支承される支軸の偏心位置に設けられて前記コントロールロッドの他端に連結される偏心軸とを備える圧縮比可変エンジンにおいて、前記支軸およびエンジン本体間に該支軸の回動方向を規制する一方向クラッチが設けられ、前記支軸の軸方向に離隔した複数箇所には、該支軸の周方向に沿う位置を相互にずらせた規制当接部が設けられ、それらの規制当接部に択一的に当接して前記支軸の回動位置を規制するようにして前記支軸と直交する軸線まわりの回動を可能としてエンジン本体に支承される規制部材に、該規制部材を回動駆動するためのアクチュエータが連結され、択一的に選択された前記規制当接部の前記規制部材への当接時の軸方向に沿う衝撃を緩和するためのスラスト緩衝手段が、前記規制部材およびエンジン本体間に介装されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、エンジンの爆発および慣性によってコントロールロッドに引張り荷重および圧縮荷重が作用することによって、圧縮比の切換時に支軸および偏心軸には一方向クラッチで規制される方向に回動することになるが、アクチュエータにより規制部材を回動することで、支軸に設けられた複数の規制当接部の1つに規制部材を当接させるようにして支軸の回動位置を規制し、それにより圧縮比を変化させることができる。この際、規制当接部の1つと規制部材が接触することにより、規制部材には支軸の軸線と直交する方向に沿う衝撃が作用することになるが、規制部材およびエンジン本体間にスラスト緩衝手段が介装される簡単な構成でその衝撃を緩和することができる。これにより規制部材を駆動するアクチュエータへの前記衝撃の作用を回避することができるとともに、支軸および規制部材等の各部材の強度増大化を図ることに肥大化を回避しつつ耐久信頼性を向上することができ、しかも規制当接部の1つと規制部材が接触する際に生じる音も小さく抑えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図14は本発明の一実施例を示すものであり、図1はエンジンの正面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図の4−4線断面図、図5は図2の5−5線拡大断面図、図6は軽負荷状態での図1の6−6線に沿う一部切欠き平面図、図7は高負荷状態での図6に対応した図、図8は図2における支軸の一端部付近を拡大して示す断面図、図9は図8の9−9線断面図、図10は図2における支軸の他端側および緩衝・蓄力手段付近を拡大して示す図、図11は図10の11−11線断面図、図12は図10のトルク伝達手段付近を拡大して示す図、図13は図12の13−13線断面図、図14は図2の14−14線に沿う断面図である。
【0011】
先ず図1〜図3において、このエンジンは、たとえば作業機等に用いられる空冷の単気筒エンジンであり、エンジン本体21は、クランクケース22と、該クランクケース22の一側面からやや上向きに傾斜して突出するシリンダブロック23と、該シリンダブロック23の頭部に接合されるシリンダヘッド24とで構成され、シリンダブロック23およびシリンダヘッド24の外側面には多数の空冷用フィン23a…,24a…が設けられている。またクランクケース22は、該クランクケース22の下面の据え付け面22aで各種作業機のエンジンベッドに据え付けられる。
【0012】
クランクケース22は、シリンダブロック23と一体に鋳造成形されるケース本体25と、そのケース本体25の開放端に結合されるサイドカバー26とから成るものである。クランクシャフト27の一端部27aはサイドカバー2から突出され、クランクシャフト27の一端部27aおよびサイドカバー2間にボールベアリング28およびオイルシール30が介装される。またクランクシャフト27の他端部27bはケース本体25から突出され、クランクシャフト27の他端部27bおよびケース本体25間にボールベアリング29およびオイルシール31が介装される。
【0013】
ケース本体25の外方でクランクシャフト27の他端部27bにはフライホイール32が固着されており、このフライホイール32には、エンジン本体21の各部に冷却風を供給するための冷却ファン33が固着され、冷却ファン33の外側にリコイルスタータ34が配設される。
【0014】
シリンダブロック23には、ピストン38を摺動自在に嵌合せしめるシリンダボア39が形成されており、ピストン38の頂部を臨ませる燃焼室40がシリンダブロック23およびシリンダヘッド24間に形成される。
【0015】
シリンダヘッド24には、燃焼室40に通じ得る吸気ポート41および排気ポート42が形成されるとともに、吸気ポート41および燃焼室40間を開閉する吸気弁43、ならびに排気ポート42および燃焼室40間を開閉する排気弁44が開閉作動可能に配設される。また燃焼室40に電極を臨ませる点火プラグ45がシリンダヘッド24に螺着される。
【0016】
シリンダヘッド24の上部には気化器35が接続されており、該気化器35が備える吸気路46の下流端が吸気ポート41に連通される。また吸気路46の上流端に連なる吸気管47が気化器35に接続され、該吸気管47は図示しないエアクリーナに接続される。シリンダヘッド24の上部には排気ポート42に通じる排気管48が接続されており、この排気管48は排気マフラー49に接続される。さらにクランクケース22の上方には、該クランクケース22で支持されるようにして燃料タンク51が配置される。
【0017】
クランクケース22におけるサイドカバー26寄りの部分でクランクシャフト27には駆動ギヤ52が一体に形成されており、この駆動ギヤ52に噛合する被動ギヤ53が、クランクシャフト27と平行な軸線を有してクランクケース22に回転自在に支承されるカムシャフト54に固着される。而してカムシャフト54には、相互に噛合した駆動ギヤ52および被動ギヤ53により1/2の減速比でクランクシャフト27からの回転動力が伝達される。
【0018】
カムシャフト54には、吸気弁43および排気弁44にそれぞれ対応した吸気カム55および排気カム56が設けられており、吸気カム55にはシリンダブロック23で作動可能に支承された従動駒57が摺接される。一方、シリンダブロック23およびシリンダヘッド24には、従動駒57の上部を下部に突出させた作動室58が形成されており、該作動室58内に配置されるプッシュロッド59の下端が前記従動駒57に当接される。一方、シリンダヘッド24には、閉弁方向にばね付勢された吸気弁43の上端に一端を当接させたロッカアーム60が揺動可能に支承されており、このロッカアーム60の他端に前記プッシュロッド59の上端が当接される。而して吸気カム55の回転に応じてプッシュロッド59が軸方向に作動し、それに応じたロッカアーム60の揺動によって吸気弁43が開閉作動することになる。
【0019】
排気カム56および排気弁44間にも、上記吸気カム55および吸気弁43間と同様の機構が介装されており、排気カム56の回転に応じて排気弁44が開閉作動する。
【0020】
図4を併せて参照して、ピストン38と、クランクシャフト27と、シリンダ軸線Cを通りクランクシャフト27の軸線に直交する平面内で変位することを可能としてエンジン本体21のクランクケース22に支承される偏心軸61とが、リンク機構62を介して連結される。
【0021】
このリンク機構62は、一端がピストンピン63を介してピストン38に連結されるコンロッド64と、クランクシャフト27にクランクピン65を介して連結されるとともに前記コンロッド64の他端に回動可能に連結されるサブロッド68と、前記コンロッド64の連結位置からずれた位置でサブロッド68に一端が回動可能に連結されるとともに他端が前記偏心軸61に回動可能に連結されるコントロールロッド69とから成る。
【0022】
サブロッド68は、クランクピン65の半周に摺接する半円状の第1軸受部70を中間部に有するものであり、このサブロッド68の両端部には、コンロッド64の他端部およびコントロールロッド69の一端部をそれぞれ相互間に挟む一対の二股部71,72が一体に設けられる。またクランクピン65における残余の半周には、クランクキャップ73が備える半円状の第2軸受部74が摺接するものであり、このクランクキャップ73はサブロッド68に締結される。
【0023】
コンロッド64の他端部は、円筒状のコンロッドピン75を介してサブロッド68の一端部に回動可能に連結されるものであり、コンロッド64の他端部に圧入されたコンロッドピン75の両端部がサブロッド68の一端側の二股部71に回動可能に嵌合される。
【0024】
またコントロールロッド69の一端は円筒状のサブロッドピン76を介してサブロッド68の他端部に回動可能に連結されるものであり、サブロッド68の他端側の二股部72に挿入されたコントロールロッド69の一端部を相対回動可能に貫通するサブロッドピン76の両端部が、前記他端側の二股部72に隙間ばめにて嵌合される。しかも前記他端側の二股部72にはサブロッドピン76の両端に当接して該サブロッドピン76の二股部72からの離脱を阻止するための一対のクリップ77,77が装着される。
【0025】
さらに各二股部71,72には、クランクシャフト27の両側に一対ずつ配置されるボルト78,78…によってクランクキャップ73が締結されるものであり、コンロッドピン75およびサブロッドピン76は、それらのボルト78,78…の軸線延長上に配置される。
【0026】
円筒状である偏心軸61は、クランクシャフト27と平行な軸線を有してエンジン本体21のクランクケース22に回動可能に支承される支軸81の偏心位置に一体に設けられる。支軸81の一端部は、クランクケース22におけるサイドカバー26に設けられた有底円筒状の軸受ハウジング82にボールベアリング83を介して回動可能に支承され、また支軸81の他端部はクランクケース22におけるケース本体25を回動可能に貫通するものであり、ケース本体25および支軸81間にはボールベアリング84が介装される。
【0027】
また前記ボールベアリング83の外方で前記軸受ハウジング82および支軸81間には、一方向クラッチ85が設けられ、前記ボールベアリング84の外方でケース本体25および支軸81間には環状のシール部材86が介装される。
【0028】
ところで、偏心軸61に他端部が連結されたコントロールロッド69には、エンジンの運転サイクルに応じてコントロールロッド69を圧縮する方向の荷重ならびにコントロールロッド69を引っ張る方向の荷重が交互に作用するものであり、支軸81の偏心位置に偏心軸61が設けられているので、支軸81にも前記コントロールロッド69から一側に向けての回転力ならびに他側に向けての回転力が交互に作用する。しかるに支軸81と、クランクケース22におけるサイドカバー26の軸受ハウジング82との間に一方向クラッチ85が介装されていることにより、支軸81は図4の矢印80で示す一方向にのみ回動可能である。
【0029】
図5を併せて参照して、前記偏心軸61から軸方向に離隔した位置で支軸81には、環状凹部81bを外周に形成するようにして小径軸部81aが同軸に設けられており、軸方向に離隔した複数箇所たとえば2箇所で前記小径軸部81aには、支軸81の周方向に沿う位置を相互にずらせた規制当接部87,88が一体に突設される。
【0030】
前記支軸81の回動位置は、回動位置規制手段89によって複数箇所たとえば2箇所に規制されるものであり、該回動位置規制手段89は、前記支軸81の軸線と直交する軸線を有してクランクケース22に回動可能に支承される回動軸90と、該回動軸90に固定される規制部材91とで構成され、回動軸90が回動することにより前記規制部材91は前記規制当接部87,88に択一的に当接可能である。
【0031】
クランクケース22のケース本体25には、有底円筒状の軸支持部92と、円筒状の軸支持部93とが、支軸81の軸線と直交する同一軸線上で相互に間隔をあけて対向するように一体に設けられており、一端を軸支持部92側に配置した回動軸90が両軸支持部92,93で回動可能に支承され、回動軸90の他端部は軸支持部93から外方に突出される。
【0032】
規制部材91は、前記両軸支持部92,93間で回動軸90にピン94で固定されており、環状凹部81b内に突入して前記規制当接部87,88に択一的に当接し得る突部91aが規制部材91に一体に設けられる。
【0033】
ところで、規制部材91の突部91aを前記両規制当接部87,88の一方に当接させる状態と、前記突部91aを前記両規制当接部87,88の他方に当接させる状態との切換時に、支軸81の偏心位置に設けられる偏心軸61に連結されるコントロールロッド69への荷重の作用によって、支軸81は回動するのであるが、その回動によって両規制当接部87,88の一方が規制部材91の突部91aに衝撃的に当接することは回避する必要がある。そこで、択一的に選択された規制当接部87,88の規制部材91への当接時の軸方向に沿う衝撃を緩和するためのスラスト緩衝手段97が、クランクケース22における軸支持部93と規制部材91との間に介装される。
【0034】
このスラスト緩衝手段97は、回動軸90を貫通せしめる一対のワッシャ98,98間に、リング状のラバー99が挟まれて成る。ラバー99は、耐油性および耐熱性を有する高硬度のものであり、しかもワッシャ98,98に焼き付けられる。
【0035】
図6を併せて参照して、回動位置規制手段89の回動軸90にはダイヤフラム式のアクチュエータ101が連結される。このアクチュエータ101は、クランクケース22におけるケース本体25の上部に締結された支持板102に取付けられるケーシング103と、該ケーシング103内を負圧室104および大気圧室105に仕切るようにしてケーシング103に支持されるダイヤフラム106と、負圧室104の容積を増大する方向でばね力を発揮してケーシング103およびダイヤフラム106間に縮設されるばね107と、ダイヤフラム106の中央部に連結される作動ロッド108とを備える。
【0036】
ケーシング103は、支持板102に取付けられる椀状の第1ケース半体109と、該ケース半体109にかしめ結合される椀状の第2ケース半体110とから成り、ダイヤフラム106の周縁部は両ケース半体109,110の開口端部間に挟持される。また負圧室104はダイヤフラム106および第2ケース半体110間に形成され、この負圧室104にばね107が収容される。
【0037】
大気圧室105は、ダイヤフラム106および第1ケース半体109間に形成されるものであり、第1ケース半体109の中央部に設けられた透孔111を貫通して大気圧室105に突入される作動ロッド108の一端部がダイヤフラム106の中央部に連結され、透孔111の内周および作動ロッド108の外周間の間隙を介して大気圧室105が外部に連通する。
【0038】
ケーシング103における第2ケース半体110には負圧室104に通じる導管112が接続され、この導管112は気化器35の吸気路46の下流端に接続される。すなわちアクチュエータ101の負圧室104には吸気路46の吸気負圧が導入されることになる。
【0039】
アクチュエータ101が備える作動ロッド108の他端は、回動軸90と平行な軸線まわりに回動可能として支持板102に支承される駆動アーム113に連結される。またクランクケース22から突出した回動軸90の他端には被動アーム114が固定されており、駆動アーム113および被動アーム114が連結ロッド115を介して連結される。また被動アーム114および支持板102間には、被動アーム114を図6の時計方向に回動付勢するばね116が設けられる。
【0040】
ところで、エンジンが軽負荷運転状態であって負圧室104の負圧が高い状態では、図6で示すように、ダイヤフラム106は戻しばね107およびばね116のばね力に抗して負圧室104の容積を減少させるように撓んでおり、作動ロッド108が収縮作動している。この状態で回動位置規制手段89における回動軸90および規制部材91の回動位置は、支軸81の両規制当接部87,88のうち87に規制部材91の突部91aを当接、係合させる位置にある。
【0041】
一方、エンジンが高負荷運転状態となって負圧室104の負圧が低くなると、、図7で示すように、ダイヤフラム106は戻しばね107およびばね117のばね力によって負圧室104の容積を増大させるように撓み、作動ロッド108は伸張作動する。これにより回動位置規制手段89における回動軸90および規制部材91は、支軸81の両規制当接部87,88のうち88に規制部材91の突部91aを当接、係合させる位置に回動することになる。
【0042】
このように規制部材91を回動することで、エンジンの運転中には一方向への回動力が作用している支軸81は、規制部材91の突部91aに規制当接部87,88のいずれかを係合させた位置で回動を規制されることになり、支軸81がたとえば167度位相が異なる2つの位置で回動を停止することにより、支軸81の軸線から偏心した位置にある偏心軸61すなわちコントロールロッド69の他端部が、クランクシャフト27の軸線に直交する平面内で2つの位置間を変位することになり、それによりエンジンの圧縮比が変化することになる。
【0043】
図8および図9において、圧縮比の切換時に支軸81の回動によって両規制当接部87,88が択一的に規制部材91の突部91aに衝撃的に当接することを回避するために、コントロールロッド69から支軸81に作用するラジアル方向の荷重を緩和するラジアル緩衝手段120が、支軸81の一端部と、エンジン本体21におけるクランクケース22の軸受ハウジング82との間に設けられる。
【0044】
ラジアル緩衝手段120は、前記小径軸部81aにボールベアリング83側で隣接するようにして支軸81に一体に設けられる偏心カム121と、支軸81の軸線まわりに回転することを阻止されるようにして前記軸受ハウジング82に係合されて前記偏心カム121を囲繞するばねホルダ122と、前記偏心カム121に摩擦接触するようにして前記ばねホルダ122に保持される圧縮ばね123とを備える。
【0045】
支軸81には、前記偏心カム121を囲繞する円筒部124が同軸に設けられており、円筒状に形成されるばねホルダ122は該円筒部124に摺動可能に嵌合される。またばねホルダ122には、ボールベアリング83および軸受ハウジング82に対向するリング板状の支持板部125が一体に連設されており、この支持板部125の外端には、前記円筒部124の先端部を挿入する環状溝をばねホルダ122との間に形成するようにして環状突部126が一体に突設されるとともに、周方向1箇所で半径方向外方に突出する係合板部127が一体に突設される。
【0046】
前記係合板部127は、軸受ハウジング82の先端面に突設された一対の係止板部128,128間に挟まれるものであり、それによりばねホルダ122が支軸81の軸線まわりに回転することが阻止される。しかも前記支持板部125には、ボールベアリング83のアウターレース83aに当接支持される環状当接部129が一体に突設される。
【0047】
前記圧縮ばね123は周方向1箇所に割り溝130を有してほぼ無端状に形成されるものであり、支軸81の一直径線上でばねホルダ122に設けられた一対の係合孔131,131に係合するようにして半径方向外方に向けて台形状に隆起した係合部123a,123bと、偏心カム121に弾発的に摺接することを可能として半径方向内方に撓んだ一対の可撓当接部123c,123dとが圧縮ばね123に形成され、両可撓当接部123c,123dは、係合部123a,123bを結ぶ直線に対して直交する直線上の2箇所に配置される。
【0048】
このようなラジアル緩衝手段120によれば、支軸81の回動時に偏心カム121が可撓当接部123c,123dの一方を撓ませつつ回動することになり、圧縮比の切換時にコントロールロッド69から支軸81に作用するラジアル方向の荷重を緩和することができる。しかも低圧縮比から高圧縮比への切換時にはエンジンの爆発を利用するものであり、より大きな衝撃が支軸81に作用する可能性があるので、前記両可撓当接部123c,123dのうち低圧縮比から高圧縮比への切換時に偏心カム121に接触する可撓当接部123cの初期変形量を可撓当接部123dの初期変形量よりも大きく設定しておく。そうすると、低圧縮比から高圧縮比への切換時において支軸81に作用する衝撃をより有効に緩和することができ、また高圧縮比から低圧縮比への切換時において支軸81に不必要な回動抵抗トルクが作用することを回避することができる。
【0049】
再び図2において、リコイルスタータ34のケース134は、フライホイール32を囲繞して筒状に形成されるとともにクランクケース22のケース本体25に締結されるケース部材135と、該ケース部材135の開口端を閉じるようにしてケース部材135に締結されるカップ状のケース部材136とで構成されており、クランクシャフト27と同軸にしてケース部材136に設けられた軸137でリール138が回転自在に支承され、軸137およびリール13間にゼンマイばね139が設けられる。
【0050】
リール138には、リール138に巻き付けられるロープ140の一端が固結されており、ロープ140の他端は、ケース部材136に設けられた開口部141から外部に引き出される。
【0051】
前記リール138の一部は、クランクシャフト27の一端に固着されたカップ状のスタータプーリ142で覆われており、該スタータプーリ142の内周に設けられた係止凹部143に係合可能なラチエット144がリール138に支承される。
【0052】
而して前記ゼンマイばね139のばね力に抗してロープ140を牽引した後に牽引力を解放したときに、リール138がゼンマイばね139のばね力によって回転し、そのリール138の回転によってラチェット144がスタータプーリ142の係止凹部143に係合することで、リール138からクランクシャフト27に始動用回転動力が伝達されることになる。
【0053】
図10および図11において、クランクケース22のケース本体25およびフライホイール32間には、リコイルスタータ34と同一方向の回転力をフライホイール32に伝達することを可能とした緩衝・蓄力手段145が配設される。
【0054】
この緩衝・蓄力手段145は、クランクシャフト27と同軸に配置される出力部材146および入力部材147間にゼンマイばね148が設けられて成るものであり、クランクシャフト27を同軸に囲むリング板状に形成される出力部材146および入力部材147は、出力部材146をクランクケース22に近い位置としてクランクケース27の軸線方向に間隔をあけて配置される。
【0055】
出力部材146には、入力部材147の外周に対応する部分でクランクシャフト27と同軸に延びる略円筒状の外筒149の一端が固着され、入力部材147には、前記外筒149の内方でクランクシャフト27と同軸に配置される内筒150が一体に形成される。而してゼンマイばね148は、出力部材136、外筒149、入力部材147および内筒150で規定される空間に収容されるものであり、ゼンマイばね148の両端は外筒149および内筒150に係合、連結される。
【0056】
このような緩衝・蓄力手段145では、出力部材146を拘束してその回転を阻止している状態で入力部材147を回転することによりゼンマイばね148を巻き上げて蓄力することができ、次いで入力部材147の回転を阻止しつつ出力部材146の拘束を解除すると、蓄えられたゼンマイばね148のばね力で出力部材146が回転することになる。
【0057】
このような出力部材146の回転動力をフライホイール32に伝達するために、フライホイール32の内周の周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば2箇所には、半径方向内方に突出した台形状の係止突部151,151が一体に突設される。一方、出力部材146に固着された外筒149には、その周方向に等間隔をあけた複数箇所たとえば2箇所で半径方向内方に凹んだ凹部152,152が設けられており、前記係止突部151,151に係合するようにして前記凹部152,152から外方に突出した位置と、前記凹部152,152に収容される位置との間で回動可能なラチェット153,153が出力部材146に支承される。すなわちラチェット153,153はクランクシャフト27と平行な軸154,154を一体に備えており、それらの軸154,154が出力部材146に回動可能に支承される。
【0058】
しかも前記出力部材146からクランクケース22のケース本体25側に突出した部分で前記軸154,154の一端にはローラ155,155が同軸に固着されており、前記ケース本体25には、ローラ155,155を転動させる円筒状のガイド筒156が一体に突設される。
【0059】
而して出力部材146が、図11の矢印157で示す方向に回転すると、前記各ローラ155,155がガイド筒156の内面に沿って転動することにより、軸154,154はラチェット153,153を凹部152,152から突出させる方向に回動し、凹部152,152から突出したラチェット153,153が係止突部151,151にそれぞれ係合し、出力部材146の回転動力がフライホイール32に伝達されることになる。
【0060】
ところで入力部材147の内周部には、前記内筒150よりも内方でクランクケース27と同軸に配置される伝動筒18が複数のリベット19…によって固定されており、この伝動筒18は、ボールベアリング10を介してクランクケース22のケース本体25に回転自在に支承される。また出力部材146の内周には、前記伝動筒18の外周に摺接する円筒状の支持筒11が一体に形成される。
【0061】
前記緩衝・蓄力手段145の入力部材147には、ゼンマイばね148を巻き上げる方向への回転トルクが支軸81からトルク伝達手段162および伝動筒158を介して伝達される。
【0062】
図12および図13において、トルク伝達手段162は、前記ゼンマイばね148の巻き上げ完了までは該ゼンマイばね148を巻き上げる方向への回転トルクを支軸81から入力部材147に伝達するもののゼンマイばね148の巻き上げ完了後には支軸81が空転することを可能として構成されるものであり、クランクケース22のケース本体25から突出した部分で支軸81を囲繞するリング部材163と、支軸81およびリング部材163にともに係合する状態ならびにリング部材163との係合を解除して支軸81に保持される状態を切換可能とした一対のボール164,164と、両ボール164,164を支軸81およびリング部材163にともに係合させる側に付勢するばね力を発揮して両ボール164,164間に設けられるばね165と、前記リング部材163の外周に一体に設けられる駆動ギヤ166と、該駆動ギヤ166に噛合するようにして伝動筒158に一体に設けられる被動ギヤ167とを備える。
【0063】
リング部材163は、軸方向位置を一定に定めて支軸81を囲繞するものであり、このリング部材163に対応する位置で支軸81には一直径線に沿って延びる貫通孔168が設けられる。一方、リング部材163の内周には、環状溝169と、リング部材163の一直径線上で前記環状溝169から外方側に凹むように形成される一対の係止凹部170,170とが設けられる。
【0064】
貫通孔169の両端には両ボール164,164の一部が挿入されており、ばね165は両ボール164,164間に介在するようにして貫通孔169に収容される。また環状溝169は、半分以上を貫通孔169の両端部に収容せしめた両ボール164,164を転動させる深さに形成されており、前記両係止凹部170,170は、略半分を貫通孔169の両端部に収容せしめた両ボール164,164を係合させるようにして半円状に形成される。
【0065】
このようなトルク伝達手段162では、両ボール164,164が係止凹部170,170に係合している状態、すなわち両ボール164,164が支軸81およびリング部材163にともに係合している状態で支軸81が回動することにより、支軸81の回動トルクがリング部材163、駆動ギヤ166、被動ギヤ167および伝動筒158を介して緩衝・蓄力手段145の入力部材147に伝達される。したがって出力部材146の回転が阻止されている状態にある緩衝・蓄力手段145ではゼンマイばね148が巻き上げられることになる。
【0066】
しかもゼンマイばね148のばね力が抵抗となり、圧縮比の切換時にコントロールロッド69から支軸81に作用するラジアル方向の荷重を緩和することができるので、トルク伝達手段162はラジアル緩衝手段としても機能することになる。
【0067】
またゼンマイばね148の巻き上げが完了した後には、圧縮比の切換時に支軸81が回動すると、支軸81は、両ボール164,164が両係止凹部170,170に係合する状態ならびに環状溝169内を転動する状態を繰り返すようにして空転することになる。而して両ボール164,164が、ばね165のばね力に抗して両係止凹部170,170から環状溝169側に乗り越える際の抵抗力が、圧縮比の切換時にコントロールロッド69から支軸81に作用するラジアル方向の荷重を緩和することができるので、この際にもトルク伝達手段162はラジアル緩衝手段としても機能することになる。
【0068】
なおこの実施例では、前記トルク伝達手段162に対応する部分でガイド筒156には、トルク伝達手段162との干渉を回避するための切欠き156aが設けられる。
【0069】
前記緩衝・蓄力手段145の出力部材146の回転は、蓄力解放規制手段171で規制されるものであり、この蓄力解放規制手段171は、リコイルスタータ34の非操作時には出力部材146の回転を阻止するが、リコイルスタータ34の始動操作時には前記出力部材146の回転を許容する。
【0070】
図14を併せて参照して、蓄力解放規制手段171は、図11の矢印157で示した回転方向下流側に臨んで出力部材146の外周に設けられた規制段部172と、クランクケース22のケース本体25に設けられた係合孔174に一端を係合した状態で前記規制段部172に係合することで出力部材146の回転を阻止するようにしてクランクシャフト27と並行に延びる規制ロッド173と、リコイルスタータ34のケース134におけるケース部材135に固定された支持部材176で揺動可能に支承されるとともに前記規制ロッド173の他端が一端側に係合される揺動アーム175と、前記係合孔174に規制ロッド173の一端を係合させる方向に付勢するばね力を発揮して前記ケース部材135および前記揺動アーム175間に設けられる戻しばね177とを備える。
【0071】
支持部材176は、リコイルスタータ32のロープ140を挿通させる挿通孔178を有して、開口部141の近傍でケース部材135の内面に固着されており、該支持部材176を両側から挟むように形成される揺動アーム175の中間部が規制ロッド173と直交する軸179を介して支持部材176に揺動可能に支承される。また戻しばね177は捩じりばねであり、軸179を囲繞するようにして前記ケース部材135および前記揺動アーム175間に設けられる。
【0072】
リコイルスタータ34の非操作状態では、戻しばね177のばね力によって揺動アーム175がその他端および支持部材176間にロープ140を挟む位置に回動しており、この状態では、一端を係合孔174に係合させた位置にある規制ロッド173が規制段部172に係合することで、緩衝・蓄力手段145における出力部材176の回転は阻止されている。
【0073】
そのような状態で、リコイルスタータ34のロープ140を引いてエンジンの始動操作を行なうと、ロープ140が緊張することによって揺動アーム175の他端にロープ140から押圧力が作用し、揺動アーム175は、戻しばね177のばね力に抗して規制ロッド173を係合孔174から離脱させるように回動する。これにより規制ロッド173の一端側が自由状態となり、規制ロッド173はその他端側が揺動アーム175に揺動可能に支持された状態となる。したがって出力部材16の回転が許容された状態となり、ゼンマイばね148が蓄力された状態にあるときには、出力部材146が回転することになる。
【0074】
次にこの実施例の作用について説明すると、コントロールロッド69が連結される偏心軸61を偏心位置に有する支軸81の回動方向は、エンジン本体21におけるクランクケース2のサイドカバー26および支軸81間に設けられる一方向クラッチ85によって一方向に規制されており、エンジンの爆発および慣性によってコントロールロッド69に引張り荷重および圧縮荷重が作用するので、圧縮比の切換時に支軸81および偏心軸61は一方向クラッチ85で規制される方向に回動することになる。
【0075】
また支軸81の回動位置は複数箇所たとえば2箇所で回動位置規制手段89によって選択的に規制されるものであり、そのような支軸81の回動位置変更によってエンジンの圧縮比が変化することになる。
【0076】
しかもクランクシャフト27に固着されるフライホイール32には、エンジン始動操作に応じてリコイルスタータ34から回転力が伝達されるのであるが、フライホイール32には、前記クランクシャフト27と同軸に配置される出力部材146および入力部材147間にゼンマイばね148が設けられて成る緩衝・蓄力手段145からもリコイルスタータ34と同一方向の回転トルクを伝達可能であり、支軸81および前記入力部材146間には、ゼンマイばね148の巻き上げ完了までは該ゼンマイばね148を巻き上げる方向への回転トルクを支軸81から入力部材146に伝達するもののゼンマイばね148の巻き上げ完了後には支軸81が空転すること可能としたトルク伝達手段162が設けられており、緩衝・蓄力手段145の出力部材146の回転は、リコイルスタータ34の非操作時には蓄力解放規制手段171で阻止され、蓄力解放規制手段171は、リコイルスタータ34の始動操作に応じて前記出力部材146の回転を許容する。
【0077】
したがって圧縮比の切換時に支軸81の回動トルクはトルク伝達手段162を介して緩衝・蓄力手段145の入力部材147に伝達され、ゼンマイばね148が巻き上げられることでゼンマイばね148に蓄力されることになるとともに支軸81に作用する荷重をゼンマイばね148で吸収することによって衝撃緩和にも寄与することができる。すなわち圧縮比の切換時に回動位置規制手段89で次の回動規制位置まで支軸81が回動する間に、支軸81に作用する回動トルクを緩衝・蓄力手段145のゼンマイばね148に蓄力することが可能であり、またゼンマイばね148への蓄力時に出力部材146の回転は蓄力解放規制手段171によって阻止されており、次のエンジン始動時にリコイルスタータ34を始動操作すると、前記蓄力解放規制手段171が出力部材146の回転を許容するので、ゼンマイばね148で蓄えられたばね力が出力部材146からフライホイール32に伝達されることになり、リコイルスタータ34の引き荷重を軽減してもエンジンを充分に始動することができる。
【0078】
ところで前記回動規制手段89は、周方向に沿う位置を相互にずらせて支軸81に設けられた前記規制当接部87,88に択一的に当接して支軸81の回動位置を規制するものであり、支軸81と直交する軸線まわりの回動を可能としてエンジン本体21のクランクケース22におけるケース本体25に支承される規制部材91を備え、その規制部材91を回動駆動するためのアクチュエータ101が規制部材91に連結されるのであるが、択一的に選択された前記規制当接部87,88の規制部材91への当接時の軸方向に沿う衝撃を緩和するためのスラスト緩衝手段97が、規制部材91および前記ケース本体25の軸支持部93間に介装されている。
【0079】
ところで、規制当接部87,88の1つと規制部材91が接触する際に、支軸81の軸線と直交する方向に沿う方向で規制部材91に作用する衝撃が作用するのであるが、規制部材91および前記ケース本体25の軸支持部93間にスラスト緩衝手段97が介装される簡単な構成で、前記衝撃を緩和することができる。これにより規制部材91を駆動するアクチュエータ101への前記衝撃の作用を回避することができるとともに、支軸81および規制部材91等の各部材の強度増大化を図ることによる肥大化を回避しつつ耐久信頼性を向上することができ、しかも規制当接部87,88の1つと規制部材91が接触する際に生じる音も小さく抑えることができる。
【0080】
たエンジン本体21のクランクケース22におけるサイドカバー26および支軸81間には、コントロールロッド69から支軸81に作用するラジアル方向の荷重を緩和するラジアル緩衝手段120が設けられ、緩衝蓄力手段145および支軸81間には、ラジアル緩衝手段としても機能するトルク伝達手段162が設けられている。
【0081】
したがって圧縮比の切換時には支軸81および回動位置規制手段89に大きな荷重が作用しても、支軸81に作用するラジアル方向の荷重はラジアル緩衝手段120およびトルク伝達手段162で緩和されることになり、支軸81および回動位置規手段89の各部材の強度増大化を図ることによる肥大化を回避しつつ耐久信頼性を向上することができ、しかも回動位置規制手段89による回動位置規制時に生じる音も小さく抑えることができる。
【0082】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エンジンの爆発および慣性を利用して支軸を回動するようにした上で、支軸の回動位置規制時に生じる衝撃を、規制部材およびエンジン本体間にスラスト緩衝手段が介装される簡単な構成で緩和することができ、各部材の強度増大化を図ることに肥大化を回避しつつ耐久信頼性を向上することができるとともに衝撃に伴って生じる音も小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの正面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】図の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線拡大断面図である。
【図6】軽負荷状態での図1の6−6線に沿う一部切欠き平面図である。
【図7】高負荷状態での図6に対応した図である。
【図8】図2における支軸の一端部付近を拡大して示す断面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】図2における支軸の他端側および緩衝・蓄力手段付近を拡大して示す図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】図10のトルク伝達手段付近を拡大して示す図である。
【図13】図12の13−13線断面図である。
【図14】図2の14−14線に沿う断面図である。
【符号の説明】
21・・・エンジン本体
27・・・クランクシャフト
38・・・ピストン
61・・・偏心軸
63・・・ピストンピン
64・・・コンロッド
65・・・クランクピン
68・・・サブロッド
69・・・コントロールロッド
81・・・支軸
85・・・一方向クラッチ
87,88・・・規制当接部
91・・・規制部材
97・・・スラスト緩衝手段
101・・・アクチュエータ

Claims (1)

  1. 一端がピストンピン(63)を介してピストン(38)に連結されるコンロッド(64)と、クランクシャフト(27)にクランクピン(65)を介して連結されるとともに前記コンロッド(64)の他端に連結されるサブロッド(68)と、前記コンロッド(64)の連結位置からずれた位置で前記サブロッド(68)に一端が連結されるコントロールロッド(69)と、エンジン本体(21)に回動可能に支承される支軸(81)の偏心位置に設けられて前記コントロールロッド(69)の他端に連結される偏心軸(61)とを備える圧縮比可変エンジンにおいて、前記支軸(81)およびエンジン本体(21)間に該支軸(81)の回動方向を規制する一方向クラッチ(85)が設けられ、前記支軸(81)の軸方向に離隔した複数箇所には、該支軸(81)の周方向に沿う位置を相互にずらせた規制当接部(87,88)が設けられ、それらの規制当接部(87,88)に択一的に当接して前記支軸(81)の回動位置を規制するようにして前記支軸(81)と直交する軸線まわりの回動を可能としてエンジン本体(21)に支承される規制部材(91)に、該規制部材(91)を回動駆動するためのアクチュエータ(101)が連結され、択一的に選択された前記規制当接部(87,88)の前記規制部材(91)への当接時の軸方向に沿う衝撃を緩和するためのスラスト緩衝手段(97)が、前記規制部材(91)およびエンジン本体(21)間に介装されることを特徴とする圧縮比可変エンジン。
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