JP2007211176A - インクジェット用インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】白色顔料、重合性化合物、及び重合開始剤を主成分とするインクジェット用インク組成物であって、前記白色顔料が、無機又は無機有機混合型中空粒子であることを特徴とするインクジェット用インク組成物。
【選択図】なし
Description
また、白色顔料として比重の重い酸化チタンを利用し、分散剤を開発することで分散安定性を付与する方法も提案されているが(例えば、特許文献2参照)、顔料の沈降を抑制というインクジェット記録用白色インクが有する問題の本質的な解決には至っていない。
また、本発明においては、前記中空粒子の空隙部内径/粒子外径の比が0.4〜0.95であるが好ましい。
本発明のインク組成物は、白色顔料として無機又は無機有機混合型中空粒子を含有することにより顔料の分散安定性に優れ、インク組成物中における顔料の沈降が効果的に抑制される。このため、本発明のインクジェット用インク組成物は、インクジェット装置に適用した場合に、インクジェットノズルの詰まりを発生させることがない。また、無機又は無機有機混合型中空粒子を含有することで、インク組成物の硬化後の被膜の耐候性及び耐熱性にも優れる。
本発明のインクジェット用インク組成物(以下、「本発明のインク組成物」という場合がある。)は、(a)白色顔料、(b)重合性化合物、及び(c)重合開始剤を主成分とするインクジェット用インク組成物であって、前記白色顔料が、無機又は無機有機混合型中空粒子であることを特徴とする。
本発明における白色顔料について述べる。
本発明のインク組成物は白色顔料を含有する。本発明における白色顔料は、無機又は無機有機混合型中空粒子(以下、適宜、「特定中空粒子」と称する。)である。
特定中空粒子の体積平均粒径(粒子径を横軸、粒子の頻度(全体に対する体積)の累積値を縦軸にプロットした積分分布曲線において、50%積算値径を表す。以下、単に「平均粒径」と称する。)は、0.01〜1.0μmであることが好ましく、0.05〜0.7μmがより好ましく、0.1〜0.5μmが特に好ましい。
また、特定中空粒子の最大粒径(粒子径を横軸、粒子の頻度(全体に対する体積)の累積値を縦軸にプロットした積分分布曲線において、90%積算値径を表す。)は、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。また粒子の空隙率を表す空隙部内径/粒子外径の比は0.4〜0.95であることが好ましく、0.5〜0.93であることがより好ましく、0.6〜0.90であることが特に好ましい。ここで空隙部内径とは粒子中の全空隙部の平均内径であり、粒子外径は粒子の平均外径を表す。
粒径の制御は、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件の設定により行うことができる。
特定粒子の粒径が上記範囲であると、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、硬化感度を維持することができる。
無機中空粒子としては、例えば、酸化チタン粒子、酸化ケイ素、酸化亜鉛などが利用できる。
隠蔽性の点から、酸化チタン粒子が好ましいが、中空粒子では、粒子表面の散乱に加えて、粒子のシェル殻とコア殻の間の光散乱が加わるため、酸化ケイ素、酸化亜鉛でも利用が可能である。
(A)有機ビーズテンプレート法
一例として、酸化チタン粒子より成る中空粒子の場合であれば、金属アルコキシドの加水分解反応を利用して、有機ポリマー粒子上に酸化チタン層を形成後、高温焼成して、無機中空粒子を得ることができる。酸化した表面が光触媒活性を示す場合には、硬化膜の分解を防止する点から、Al又はSi、Zi−Alなどで表面処理することが好ましい。
また、一般的に記載される別の例としては、表面電荷を用いたコア粒子表面への選択的な析出により、有機ビーズの周りにシェルとなる素材をコーティングすることで中空粒子が得られる。コーティングされた粒子は、ろ過・乾燥後、有機コアを除去(熱分解法と化学分解法がある)され無機中空粒子となる。シリカ、チタニア、硫化亜鉛、硫化カドミニウムなどを用いることができる。
(B)エマルジョンテンプレート法
エマルジョン液滴の界面上に付着させるコロイド粒子を含んだオイル相に水相を加える。次にトータルの面積を減らすことを原動力とした自己組織化が起こり、油相中の粒子はエマルジョン液滴の界面上に付着し、液滴の界面が粒子によって完全に覆われる。炭酸カルシウム、シリカを用いることができる。
(C)噴射熱分解法
前駆体溶液を周波数の制御された超音波噴霧器に注入し、得られたエアロゾルを不活性、還元、または酸化雰囲気下、2つの加熱体を据えた反応炉に移動させる。加熱条件における小滴の速い乾燥速度による表面固化により中空粒子を形成することができる。
(D)静電噴霧法
静電噴霧器によって、アルコール槽に落ちた液滴の表面が脱水、固化されることにより中空粒子ができる。
酸化した表面が光触媒活性を示す場合には、硬化膜の分解を防止する点から、Al又はSi、Zi-Alなどで表面処理することが好ましい。
このように、本発明のインク組成物は、顔料の分散安定性、及び、インク組成物が硬化した後の被膜(インク画像)の耐候性及び耐熱性が優れることから、インク組成物中における顔料の沈降が効果的に抑制され、インクジェット装置に適用した際にインクジェットノズルの詰まりを発生させることがなく、また、屋外展示用印刷物、陶磁器などへの印刷適性にも優れたものとなる。
併用可能な他の無機白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)、などが挙げられる。
本発明のインク組成物は、重合性化合物を含む。
本発明に用いられる重合性化合物としては、一般に知られている重合性基を有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず、公知の重合性化合物であれば問題なく使用することができる。また、重合性化合物は、反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種又は複数種を混合して用いることができる。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物を用いることが好ましい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。このようなラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
カチオン重合性化合物は、重合性の程度やインク組成物の物性等の調整を考慮して任意に選択可能である。中でも、重合速度や汎用性の観点から、オキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類、またはスチレン類などが好ましい。これらは単独で用いることもでき、2種以上併用してもよい。以下にそれらの例を示す。
オキシラン化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシドなどが挙げられる。芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのオキシラン化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
またオキシラン化合物のうち官能基数が少ないものは、上述したように溶解性及び粘度の調整作用も同時に兼ね備えることができるため、好ましい。
本発明に用いうるオキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載されるような、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましく、上述したように、なかでもインク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
前記ビニルエーテル類としては、単官能ビニルエーテルの例として、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
前記スチレン類の具体的な例として、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
本発明のインク組成物は重合開始剤を含む。重合開始剤としては、重合性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤を用いることができ、前記重合性化合物との関係を考慮して適宜選択することができる。
本発明のインク組成物は、重合開始剤として、光酸発生剤を含むことが好ましい。この光酸発生剤とは、活性光線又は活性放射線の照射により酸を発生してカチオン重合を開始する化合物をいい、公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
光酸発生剤は、以下に挙げるものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(l)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(l)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。本発明におけるラジカル重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
本発明のインク組成物には、(c)重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために(d)増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類及びチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
本発明においては、顔料などの諸成分の分散媒として、溶剤を添加してもよく、溶媒がない系では、低分子量成分である前記重合性化合物を分散媒として用いてもよい。
このような観点から、分散媒としては、重合性化合物を用い、なかでも、最も粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
本発明のインク組成物は、高分子分散剤を含むことが好ましい。非水分散系では、立体反発による分散安定化が有効であり、高分子化合物を分散剤(高分子分散剤)として用いることで、高い分散安定性が得られる。しかしながら、高分子分散剤は、インク組成物粘度を上昇させる懸念があるため、顔料に効率よく吸着して、吸着力が強いことが望まれる。しかし、一般的に、高分子分散剤は、吸着効率が悪く、吸着力も弱いため、使用量が多くなり、高粘度化などの弊害をもたらす場合がある。
正電荷をもつ分散剤としては、官能基として、1級、2級、または3級アミノ基、ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素へテロ環等をあげることができる。
負電荷をもつ分散剤としては、官能基として、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸をあげることができる。
具体的には、味の素ファインテクノ製アジスパーシリーズ、アビシア製のソルスパーズシリーズ、BYK−Chemie製のディスパービックシリーズ、楠本化成のディスパロンシリーズが挙げられるが、これらに限定されることはない。
さらに、本発明において使用する高分子分散剤は、重合性化合物などの分散媒に溶解しなければならない。高分子分散剤が不溶の状態で使用すると、顔料への吸着が不充分となり、分散性不良となる場合がある。
本発明のインク組成物には、所望により、以下に挙げる種々の添加剤を含有することができる。
る。
本発明においては、光酸発生剤による重合を効果的に進行させるために、カチオン性重合以外の重合の進行を禁止する重合禁止剤を併用することが好ましい。適当な重合禁止剤としてはフェノール系水酸基含有化合物およびキノン類、N−オキシド化合物類、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル化合物類、ピロリジン 1−オキシル フリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、及びカチオン染料類からなる群より選択される化合物である。好ましい重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、レゾルシノール、カテコール、t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール) 、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびその誘導体、ジ−t−ブチルニトロキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシドおよびその誘導体等、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル フリーラジカル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、エチルバイオレット及びビクトリアピュアブルーBOH等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、インク組成物の全質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、得られる被膜(インク画像)の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.01〜10質量%程度である。
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
酸化防止剤添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜1質量%程度である。
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、スチレン系重合体、アクリル系重合体、環状エーテル重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、スチレン系モノマー、アクリル系のモノマー、環状エーテルの共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、「環状エーテル基含有モノマー」、「ビニルエーテル基含有モノマー」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.01〜10.0質量%程度である。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜5.0質量%程度である。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物は、上記の中でも、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット用インクとして好適である。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることが更に好ましい。
あることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cm2であり、更に好ま
しくは、20〜1,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、50〜800mJ/c
m2である。
更に、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であること
が好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、特に好ましくは
50〜800mW/cm2である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
また、本発明のインク組成物は、硬化時の熱収縮が少なく、基材(被記録媒体)との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
(無機中空粒子の合成と表面処理)
(1)ポリスチレンラテックスの作製
500cm3セパラフラスコに蒸留水373g、ドデシル硫酸ナトリウム0.195g、過硫酸カリウム0.65g、スチレン65gを加え、80℃で乳化重合を行い、ポリスチレンラテックスを得た。重合転化率99%以上、粒子径0.42μm。
(2)コーティング粒子の作製
テフロン(登録商標)コートされた栓付試験管中に、上記で得たポリスチレンラテックス 1.5gdm-3、チタニウムテトラブトキシド 1.8moldm-3、ポリビニルピロリドン10gdm-3、水1.6moldm-3を含むエタノール分散物を100℃に加熱した強制送風式オーブンの中に1.5時間放置した。得られた反応混合物を3500rpmで25分間、遠心分離し、その上澄みを除去して蒸留水を加え、超音波で再分散させた。この洗浄操作を4回繰り返した後、メンブランフィルターで濾過し、デシケータ中で乾燥し、コーティング樹脂を得た。
(3)酸化チタン中空粒子の作製*
上記で得たコーティング粒子をセラミックボートに乗せて焼却炉中にセットし、空気中、10℃/分の昇温速度で600℃まで加熱し、3時間熟成させた。体積平均粒径は0.47μm、最大粒径は0.6μm、空隙部内径/粒子外径の比は0.90であった。
(4)白色顔料1の作製(表面処理)
イソプロピルアルコール1000mlにアルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリブチレート3.5gを溶解した。この溶解液に上記で得た酸化チタン中空粒子100gを投入し、溶液全体に分散するように攪拌しつつ、スラリー状にした。スラリー状溶液へ水5gを加え、攪拌し、30℃で60分間熟成し加水分解反応を行った。なお「水」は「純水」を使用した。最後に、酸化アルミニウムで被覆された粒子を数10mLのアセトンにより洗浄し、乾燥し、酸化チタン中空粒子を酸化アルミニウムで被覆してなる白色顔料1(特定中空粒子)を得た。
下記の配合比で、顔料、重合開始剤、増感色素、重合性化合物3種と、分散剤を分散機で分散し、実施例1のインク組成物を作製した。
・白色顔料1 15質量%
・重合開始剤:
トリフェニルスルフォニウム塩(UVI−6992、ダウケミカル社製)15質量%
・増感色素:9,10−ジブトキシアントラセン 1質量%
・重合性化合物:
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
(セロキサイド2021A:ダイセルユーシービー社製) 45質量%
・重合性化合物:
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン
(OXT−2 21:東亞合成(株)製)) 20質量%
・重合性化合物:
トリエチレングリコールジビニルエーテル 2質量%
・Disperbyk−111(BYK−Chemie社製) 2質量%
実施例1において、白色顔料1を15質量%用いる代わりに、下記のように作製したシリカ中空粒子を15質量%用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインク組成物を作製した。なお、酸化アルミニウムによる表面処理は実施例1と同じ被覆方法で行った。
(シリカ中空粒子の作製方法)
エタノール中で、ヘキサデシルホスホコリンを融解することでオイル相を調整し、その後80℃で4時間保持後、40℃に保持。30分後、低HLB界面活性剤をオイル相に添加する。PEGと低HLB界面活性剤を水相に溶解させた20分後、攪拌下、触媒としてNH4OHを水相に添加する。水相をオイル相に添加する。TEOSをW/Oエマルジョン中に添加し加水分解する。遠心分離(2500rpm、15分間)後、エタノール洗浄し、40℃で1日乾燥させ、最後に600℃で6時間焼成する。体積平均粒径は0.90μm、最大粒径は1.5μm、空隙部内径/粒子外径の比は0.80である。
実施例1において、白色顔料1を15質量%用いる代わりに、下記のように作製した酸化亜鉛中空粒子を15質量%用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインク組成物を作製した。なお、酸化アルミニウムによる表面処理は実施例1と同じ被覆方法で行った。
(酸化亜鉛中空粒子の作製方法)
Zn(NO3)2・6H2O水溶液中で48時間以上PSビーズを攪拌。カチオン性ポリスチレン樹脂表面にZn2+が吸着。この操作後PSビーズ1gに1.Omol/dem3の尿素が加えられた,混合液のpHは5.5に調整し,N2霜囲気下で3時間以上90℃に加熱。ろ過によって回収、蒸留水で洗瀞し,室温にて乾燥した。中空酸化亜鉛粒子は樹脂で被膜されたZn5(OH)6・(CO3)2を乾燥し、空気中で3時間550℃で焼成することによって得た。体積平均粒径は0.95μm、最大粒径は3.0μm、空隙部内径/粒子外径の比は0.85である。
実施例1において、白色顔料1を15質量%用いる代わりに、有機中空粒子〔SX866(A)(JSR(株)製、体積平均粒径は0.30μm、最大粒径は0.50μm、空隙部内径/粒子外径の比は0.70)を酸化アルミニウム表面処理品した無機有機混合型中空粒子〕〕〕〕を15質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインク組成物を作製した。なお、酸化アルミニウムによる表面処理は実施例1と同じ被覆方法で行った。
実施例1において、白色顔料1を15質量%用いる代わりに、白色顔料1と酸化チタン〔タイペークCR(石原産業製)のアルミナ表面処理品;中空粒子ではない〕〕とを1:1の比率でその総量が15質量%なるように用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインク組成物を作製した。
実施例1において、白色顔料1を15質量%用いる代わりに、酸化チタン〔タイペーク(石原産業製)のアルミナ表面処理品)を15質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインク組成物を作製した。
実施例1において、白色顔料1を15質量%用いる代わりに、有機白色顔料(Shigenox OWP、ハッコーケミカル製)を15質量%用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインク組成物を作製した。
実施例1〜3、比較例1、2で得られたインク組成物について、粘度、分散性、顔料沈降性、再分散性、及び吐出安定性について下記の方法により評価した。また、各インク組成物により画像形成を行い、硬化被膜(インク画像)について、硬化性、隠蔽性、耐候性、耐熱性を下記の方法により評価した。
(1.粘度)
各インク組成物の40℃における粘度をE型粘度計(東機産業製)を用いて測定し、下記基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:30mPas未満
B:30mPas以上、100mPas未満
C:100mPas以上(吐出上問題のあるレベル)
50mlガラス容器中に、インク組成物を室温で1ヶ月放置後、顔料の沈降状態(分散安定性の保持状態)を目視により評価した。沈降量の少ない順に、3、2、1とする3段階評価を行った。その結果を表1に示す。
遠心分離機(回転数5000rpm、30分)にて強制沈降を行った後、一定攪拌を行い、再分散性を評価した。再分散性の良好な順に、3、2、1とする3段階評価を行った。その結果を表1に示す。
各インクを用いて、インクジェットプリンタ(製品名:UJF−605C、Mimaki製)で60分連続印字した後、問題なく吐出できるものをA、一部サテライトを生じる場合をB、ノズル欠が生じる場合をCとして評価した。その結果を表1に示す。
得られた各インク組成物をインクジェットプリンタ(製品名:UJF−605C、Mimaki製、印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)でアート紙上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で15mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。印字後10分経ったサンプルを、下記評価項目について評価した。
印字面をタックフリーテストにて評価した。硬化被膜を指で触れて、べたつきが無い場合をA、僅かにべたつきがある場合をB、著しくべたつく場合をCとして評価した。その結果を表2に示す。評価ができなかったものについては「−」で示す。
インク組成物を、黒紙にバーコーターで塗布し、硬化後被膜の隠蔽性を目視により評価した。隠蔽性の良好な順に、3、2、1とする3段階評価を行った。その結果を表2に示す。
得られたインク組成物を用いて画像を形成した写真用紙に、ウエザーメーター(アトラスC.165)を用いて、キセノン光(100000lx)を3日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、反射濃度は1.0に固定し測定した。色素残存率が80%以上の場合をA、80%未満をB、70%未満をCとして3段階で評価した。評価ができなかったものについては「−」で示す。その結果を表2に示す。
得られたインク組成物をインクジェットプリンタ(製品名:UJF−605C、Mimaki製、印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)で陶磁器に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で15mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。
印字後10分経ったサンプルを用いて、1000度で焼いた後、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は1.0に固定し測定した。色素残存率が80%以上の場合をA、60−80%をB、40−60%をC、20−40%未満をD、色素が確認できないレベルをEとして5段階で評価した。評価ができなかったものについては「−」で示す。その結果を表2に示す
また、表2に示されるように、実施例の各インク組成物は、硬化性に優れ、形成された画像(被膜)の隠蔽性、耐光性、及び耐熱性にも優れていることが分かる。
これに対して、白色顔料として酸化チタンを用いた比較例1のインク組成物は、顔料の沈降、吐出安定性に劣るインク組成物であることが分かる。また、比較例1のインク組成物は、インクジェットプリンタによる画像記録ができず、硬化性、隠蔽性、耐熱性の評価ができなかった。
さらに、有機白色微粒子を用いた比較例2のインク組成物では、画像形成後の耐候性、耐熱性が劣っていることが分かる。このようなインク組成物は利用範囲が限られたものになる。
Claims (2)
- (a)白色顔料、(b)重合性化合物、及び(c)重合開始剤を含有するインクジェット用インク組成物であって、前記白色顔料が、無機又は無機有機混合型中空粒子であることを特徴とするインクジェット用インク組成物。
- 前記中空粒子の空隙部内径/粒子外径の比が0.4〜0.95であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
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