JP2008081517A - Uv硬化型インクジェット用インク組成物 - Google Patents

Uv硬化型インクジェット用インク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】顔料の分散安定性に優れ、インクジェットノズルの詰まりを抑制しうる白色のUV硬化型インクジェット用インク組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも、水溶性高分子で被覆された白色顔料、及び、重合性化合物を含有することを特徴とするUV硬化型インクジェット用インク組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、UV硬化型インクジェット用インク組成物に関し、さらに詳しくは、白色のUV硬化型インクジェット記録用インク組成物における顔料の沈降が抑制され、インクジェットノズルの詰まりが発生せず、硬化性が高く、硬化後における被膜の被記録媒体に対する密着性に優れたUV硬化型インクジェット用インク組成物に関する。
印刷等の分野において白色インクが使用される。白色インクの性能としては、高い隠蔽性と着色力が必須である。例えば、有色媒体への印刷では、隠蔽性が低いと印刷媒体の色が透け、色再現性が劣る結果となるため、まず白色インクが塗布され、その上に他色インクが塗布される。よって、白色インクの使用量は他色に比べて多く、確実に需要が増加している。白色インクの塗布方法としては、スクリーン印刷がよく用いられているが、スクリーン印刷には、平面印刷に限られること、微細な描写が困難であることなどの問題点があった。
一方、インクジェット記録用インクは、従来の印刷方式に比べて簡便かつコンパクトであること、また、非接触型印刷であり、立体的な媒体への印刷が可能であることから、利用が拡大している。
インクジェット記録方式による白色インク組成物の描画により、従来のスクリーン印刷による問題点は解決され、立体媒体への印刷や、微細な描写が可能となっている。このような、インクジェット記録方式に適用される白色のインクジェット記録用インク組成物としては、例えば、下記特許文献1及び2に記載のものがある。
インクジェット記録方式に適用されるインク組成物には、インクジェット記録装置におけるノズルの詰まりを防止する観点から、インク粘度が低いこと、インクに含有される顔料の分散安定性が高いこと、等が要求される。しかし、上記のごとき、白色のインクジェット記録用インク組成物は、分散安定性に劣り、顔料が沈降しやすいという問題があった。沈降した顔料が凝固すると、インクジェットノズルに詰まりが発生し、印刷画像が不鮮明となったり、あるいは、印刷ぬけが生じることがある。このため、低粘度でありながらも、顔料の分散安定性に優れた白色のインクジェット記録用インク組成物が待ち望まれているが、未だ提供されていないのが現状である。
特開昭62−64874号公報 特開2000−336295公報
本発明は、顔料の分散安定性に優れ、インクジェットノズルの詰まりを抑制しうる白色のUV硬化型インクジェット用インク組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、水溶性高分子で被覆された白色顔料を含有するUV硬化型インクジェット用インク組成物により、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のUV硬化型インクジェット用インク組成物は、少なくとも、水溶性高分子で被覆された白色顔料、及び、重合性化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る水溶性高分子は、インク組成物を調製するために実施される複数の分散工程に用いられる分散媒のうち、少なくとも1次分散工程に用いる分散媒に溶解しうることが好ましい。
本発明によれば、顔料の分散安定性に優れ、インクジェットノズルの詰まりを抑制しうる白色のUV硬化型インクジェット用インク組成物を提供することができる。
[UV硬化型インクジェット用インク組成物]
以下、本発明のUV硬化型インクジェット用インク組成物(以下、単に、「インク組成物」と称する場合がある。)の詳細について説明する。
本発明のインク組成物は、少なくとも、水溶性高分子で被覆された白色顔料、及び、重合性化合物を含有してなり、必要に応じて、重合開始剤、高分子分散剤、等の他の成分を含有してもよい。以下、本発明における各構成要素について順次説明する。
〔水溶性高分子に被覆された白色顔料〕
本発明のインク組成物は、水溶性高分子で被覆された白色顔料(以下、適宜、「特定白色顔料」と称する。)を含有する。
(白色顔料)
特定白色顔料において、水溶性高分子により被覆される白色顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されている総ての無機白色顔料及び有機白色顔料を用いることができる。
また、白色顔料の形状についても特に限定されず、いわゆる中空粒子のごとく、粒子内に空隙が存在する粒子であってもよい。
本発明に適用しうる無機白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)、などが挙げられる。
上記した無機白色顔料の中でも、酸化チタンは他の無機白色顔料と比べると比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。また、酸化チタンは親水性粒子であり水溶性高分子との高い親和性を発揮しうる。
したがって、本発明に用いうる無機白色顔料としては酸化チタンであることが特に好ましい。
酸化チタンは、一般に未処理で使用されることは少なく、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。
本発明においては、被覆する水溶性高分子との相互作用性を確保する観点から、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理された酸化チタンが好ましい。混合処理が行われた酸化チタンに関しては、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物による処理量が50%以上であることが好ましい。
有機白色顔料は、無機白色顔料に比べて比重が小さいため、粘度の低い分散物中で安定に存在することができる。有機白色顔料としては、市販品を用いることができ、具体例としては、ハッコーケミカル社製のシゲノックスシリーズなどが挙げられる。
また、本発明に適用しうる白色顔料は、中空粒子であってもよい。
中空粒子は、粒子内の空隙部の光散乱により高い隠蔽性を発揮するとともに、無機白色顔料に比べて比重が小さく、粘度の低い分散物中で安定に存在することができる。中空粒子としては、無機中空粒子、有機中空粒子、無機有機混合中空粒子の利用が可能である。
中空粒子の具体例としては、日産化学工業社製 オプトビーズシリーズ、JSR社製SXシリーズ、松本油脂製薬製マイクロスフェアーMFLシリーズなどが利用可能である。
(水溶性高分子)
本発明において水溶性高分子とは、20℃の水に50質量%以上溶解しうる有機系の高分子化合物を意味する。
本発明に適用しうる水溶性高分子としては、天然高分子、半合成高分子、及び合成高分子のいずれであってもよい。
水溶性高分子として、具体的には、ペクチン、トウモロコシデンプン、ゼラチン、カゼイン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロース、硫酸化セルロース第4級アンモニウム塩、リン酸化デンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、カチオン化グアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリイソプレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、ポリエチレンイミンザンテートカリウム塩、ポリ(α−ヒドロキシカルボン酸ナトリウム)、ポリ(3−ヒドロキシメチルーヘキサメチレン−1,3,5−トリカルボン酸ナトリウム)、ポリ(4−メトキシ−テトラーメチレン−1,2−ジカルボン酸ナトリウム)、ポリ(テトラメチレン−1,2−ジカルボン酸ナトリウム)、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸アミドとアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレンイミン、エピクロルヒドリンとジメチルアミン縮合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩、またはその共重合体、ジメチル時アリルアンモニウムクロライド、またはその共重合体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩とアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、ポリエチレングリコール、などが挙げられる。
本発明に適用しうる水溶性高分子は上記に限られるものではないが、分散安定性の観点からは、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びポリエチレングリコールが好ましい。
本発明における水溶性高分子の分子量としては、白色顔料の被覆性および分散安定性の観点から、好ましくは、1,000〜1,000,000、より好ましくは2,000〜500,000、更に好ましくは5,000〜300,000の範囲である。
上記のごとき水溶性高分子は容易に合成することができる。
水溶性高分子の合成に用いられるモノマーとしては、水酸基、酸基(カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸)、塩基性基を有するモノマーを用いることができる。
また、水溶性高分子は、水溶性モノマーとして一般によく知られているモノマーを共重合することで、容易に入手することが可能である。
水溶性高分子の合成におけるモノマーとして具体的には、下記の(a)アニオン性モノマー、(b)非イオン性モノマー、及び(c)カチオン性モノマーを用いることができる。
(a)アニオン性モノマーとは、アニオン性の重合性を有する単量体で、例えばアニオン性ビニルモノマー、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類やマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸類、アクリル酸メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の有機スルホン酸類、又はこれらのナトリウム及びカリウム等の金属イオン塩等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(b)非イオン性モノマーとしては、非イオン性の重合性を有する単量体であり、例えば非イオン性ビニルモノマー、具体的にはアクリルアミドやメタアクリルアミド、前記(b)アニオン性モノマーのアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜8)、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(c)カチオン性モノマーとしては、カチオン性の重合性を有する単量体であり、例えばカチオン性ビニルモノマー、具体的にはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド)、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリルオキシエトルトリメチルアンモニウム等のアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム等のジアリルアミン、トリアリルアミン等の第3級アミノ基を有するビニルモノマー又はそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第3級アミノ基含有ビニルモノマーとメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロロヒドリンなどの4級化剤との反応によって得られる第4級アンモニウム塩を含有するビニルモノマーなどが挙げられる。尚、これらモノマーの持つ特性を有効に利用するため、官能基の異なったモノマーを2種以上使用し重合することも可能である。
−特定白色顔料の製造方法−
本発明の特定白色顔料は白色顔料及び水溶性高分子を混練することにより、作製することができる。
具体的には、白色顔料及び水溶性高分子と、必要に応じて分散剤、溶媒を用いて混練し、特定白色顔料を得ることができる。混練する際には、30〜150℃の温度で、加熱しつつ、混練することが好ましく、40℃〜120℃の温度がより好ましい。
ここで、混練する際に用いられる装置としては、例えば、ニーダー、ディゾルバー、ミキサー、高速ディスパーザー、サンドミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ビーズミル等が挙げられる。
特定白色顔料において、白色顔料に対する水溶性高分子の被覆量は、1%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以上50%以下である。
特定白色顔料の体積平均粒径は、0.05〜1.0μmであることが好ましく、最大粒径は5μm以下、好ましくは1μm以下である。特定白色顔料の体積平均粒径がこの範囲であると、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、及び硬化感度の維持をより向上させることができる。
特定白色顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
本発明における水溶性高分子は、分散安定性および分散時間の短縮の観点から、インク組成物を調製するために実施される複数の分散工程に用いられる分散媒のうち、少なくとも1次分散工程に用いる分散媒に溶解しうることが好ましい。
ここで、本発明において1次分散工程とは、白色顔料に水溶性高分子を混練吸着させた後、分散剤を添加して混練する工程をいう。
なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、特定白色顔料以外の白色顔料を含有してもよい。
本発明によるインク組成物中における特定白色顔料の含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%程度である。
〔分散媒〕
本発明においては、特定白色顔料などの諸成分の分散媒として、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である後述する重合性化合物を分散媒として用いてもよい。本発明のインク組成物は、UV硬化型インク組成物であることから、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低い重合性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
〔高分子分散剤〕
本発明のインク組成物は、高分子分散剤を含有することが好ましい。
非水分散系のインク組成物では、立体反発による分散安定化が有効であり、高分子化合物を分散剤として用いることで、高い分散安定性が得られる。
しかしながら、高分子分散剤は、インク組成物の粘度を上昇させる懸念があるため、顔料に効率よく吸着するととともに、吸着力が強い等の特性を有することが望まれる。かかる特性に劣った高分子分散剤は、顔料に対する吸着効率が悪く、吸着力も弱いため、使用量が多くなり、インク組成物の高粘度化などの弊害をもたらすからである。
本発明に使用しうる高分子分散剤には、白色顔料を被覆する水溶性高分子との高い親和性、及び、重合性化合物との親和性の両立が必要である。
また、親水性の高い極性基を含有する高分子分散剤を用いると、水溶性高分子の白色顔料への吸着を阻害すると考えられる。
従って、高分子分散剤としては、白色顔料の被覆に適用される水溶性高分子よりも、顔料への吸着力が低いことが必要であり、その選択が重要である。
高分子分散剤としては、公知の分散剤を使用することができ、白色顔料表面のチャージ特性、白色顔料を被覆する水溶性高分子の種類など、高分子分散剤に要求される特性を考慮して適宜選択される。
正電荷をもつ高分子分散剤としては、官能基として、1級、2級、又は3級アミノ基、ピリジン、ピリミジン、ピラジン等の含窒素へテロ環等を挙げることができる。
負電荷をもつ高分子分散剤としては、官能基として、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸をあげることができる。
高分子分散剤としては、市販品を用いることもでき、具体的には、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーシリーズ、アビシア(株)製のソルスパーズシリーズ、BYK−Chemie社製のディスパービックシリーズ、楠本化成(株)製のディスパロンシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
また、非イオン系分散剤の利用も可能である。
本発明おいて使用しうる高分子分散剤の添加量としては、特定白色顔料に対して1〜10質量%の範囲が好ましく、1〜4質量%の範囲がより好ましい。
高分子分散剤の添加量が、特定白色顔料に対して1〜10質量%の範囲であると、顔料への吸着性及び分散性がより向上し、かつ、高分子化合物のためのインク組成物が高粘度化も起らず、界面活性剤作用でインク組成物の表面張力が低下し、インクジェットによる塗出不良が起ることもない。
さらに、本発明おいて使用しうる高分子分散剤は、重合性化合物などの分散媒に溶解して用いる。高分子分散剤が不溶の状態で使用すると、顔料への吸着が不充分となり、分散性不良となる場合がある。
〔重合性化合物〕
本発明のインク組成物は、重合性化合物を含有する。
本発明における重合性化合物としては、一般に知られている重合性基を有する化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができる。
重合性化合物としては、特に限定されるものではなく、公知の重合性化合物であれば問題なく使用することができる。また、重合性化合物は反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種又は複数種を混合して用いることができる。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物を用いることができる。
<ラジカル重合性化合物>
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。このようなラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
本発明のインク組成物においては、ラジカル重合性化合物として、(メタ)アクリレートを好適に用いることができる。(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記の化合物を挙げることができる。
なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの両方の構造をとり得ることを表す。以下同様である。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
本発明においては、上記の重合性化合物として、(a)少なくとも1種の三官能以上の(メタ)アクリレートと、(b)単官能(メタ)アクリレート及び二官能(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種とを含むように構成することが、粘度調整や架橋密度の調整、硬化後の物性制御(強度、接着性など)の点で好ましい。この場合(a):(b)の混合比(モル比)は15:85〜40:60が好ましく、20:80〜50:50がさらに好ましい。
また、列挙した前記化合物以外のラジカル重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。具体的には、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアセトンアクリルアミド等のアクリル酸誘導体、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三編、1981年大成社)、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(加藤清視編、高分子刊行会(1985年))、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(ラドテック研究会編、79頁(1989年)、シーエムシー)、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社(1988年))等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
ラジカル重合性化合物のインク組成物中の含有量としては、インク組成物の総質量に対して5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%が更に好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
<カチオン重合性化合物>
カチオン重合性化合物は、重合性の程度やインク組成物の物性等を調整する目的で任意に選択可能である。中でも、重合速度や汎用性の観点から、オキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類、及びスチレン類などが好ましい。これらは単独で用いることもでき、2種以上併用してもよい。以下にそれらの例を示す。
−オキシラン化合物−
オキシラン化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシドなどが挙げられる。芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのオキシラン化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
またオキシラン化合物のうち官能基数が少ないものは、上述したように溶解性及び粘度の調整作用も同時に兼ね備えることができるため、好ましい。
本発明で用いられる単官能エポキシドの例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
多官能エポキシドの例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
−オキセタン化合物−
本発明に用いうるオキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載されるような、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内
にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましく、上述したように、なかでもインク組
成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ま
しい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好
な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性
を得ることができる。
本発明で用いうるオキセタン化合物には、単官能オキセタンの例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
また、多官能オキセタンとしては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
−ビニルエーテル類−
前記ビニルエーテル類としては、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
−スチレン類
前記スチレン類の具体的な例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
本発明においては、カチオン重合性化合物として、オキシラン化合物と、オキセタン化合物から選択される少なくとも1種とを含むように構成することが、硬化速度の点で好ましい。この場合オキシラン化合物:オキセタン化合物の混合比(モル比)は90:10〜10:90が好ましく、70:30〜30:70がさらに好ましい。また。オキセタン化合物とスチレン類を90:10〜50:50の混合比で用いることも好ましい。
カチオン重合性化合物のインク組成物中の含有量は、インク組成物の総質量に対して5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がさらに好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
〔重合開始剤〕
本発明のインク組成物は重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤としては、重合性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤を用いることができ、前記重合性化合物との関係を考慮して適宜選択することができる。
<光酸発生剤>
本発明のインク組成物は、重合開始剤として、光酸発生剤を含むことが好ましい。この光酸発生剤とは、活性光線又は活性放射線の照射により酸を発生してカチオン重合を開始する化合物をいい、公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。。
光酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの光酸発生剤、又は、それと同等の作用を有する基若しくは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤のインク組成物中の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましい。光酸発生剤の含有量が上記範囲において、優れた硬化性が得られ、且つ、得られた硬化インク画像の脆化や残存開始剤による酸の発生などの問題が生じない。
<ラジカル重合開始剤>
本発明で使用され得る好ましいラジカル重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明におけるラジカル重合開始剤は、重合性化合物の総量に対して、0.01〜35質量%の範囲が好ましく、0.1〜30質量%の範囲がより好ましく、0.5〜30質量%の範囲が更に好ましい。
〔その他の成分〕
本発明のインク組成物には、必要に応じて、以下に挙げる種々の添加剤を含有することができる。
(重合禁止剤)
本発明においては、光カチオン重合開始剤による重合を効果的に進行させるために、カチオン性重合以外の重合の進行を禁止する重合禁止剤を併用することが好ましい。
適当な重合禁止剤としてはフェノール系水酸基含有化合物およびキノン類、N−オキシド化合物類、ピペリジン−1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン−1−オキシ フリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、及びカチオン染料類からなる群より選択される化合物である。好ましい重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、レゾルシノール、カテコール、t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン及びその誘導体、ジ−t−ブチルニトロキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシド及びその誘導体等、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル フリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシルフリーラジカル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、エチルバイオレット及びビクトリアピュアブルーBOH等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、インク組成物の全質量に対して0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のインク組成物には、得られる被膜(画像)の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
紫外線吸収剤の添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の全質量に対して0.01〜10質量%程度である。
(酸化防止剤)
本発明のインク組成物には、インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、欧州特許出願公開第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ特許出願公開第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜1質量%程度である。
(溶剤)
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
溶剤を添加する場合には、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
(高分子化合物)
インク組成物には、膜物性を調整するため、前記した高分子分散剤等の高分子化合物以外に、各種の他の高分子化合物を添加することができる。他の高分子化合物としては、スチレン系重合体、アクリル系重合体、環状エーテル重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、スチレン系モノマー、アクリル系のモノマー、環状エーテルの共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、「環状エーテル基含有モノマー」、「ビニルエーテル基含有モノマー」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.01〜10.0質量%程度である。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜5.0質量%程度である。
上記の他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物は、インクジェット装置からの射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が50mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは30mPa・s以下であり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25℃でのインク粘度は、10〜300mPa・s、好ましくは10〜100mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合であっても、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25℃におけるインク粘度が10mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる場合がある。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、更に好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では30mN/m以下が好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物である。インクジェット記録方式には特に制限はなく、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響型インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、発生した圧力を利用するサーマル型インクジェット方式、等のいずれであってもよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式、が含まれる。
前記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット記録用インクとして好適である。
[インクジェット記録方法]
本発明のインク組成物を適用したインクジェット記録方法としては、本発明のインク組成物を被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法が挙げられる。このように、本発明のインク組成物が外部エネルギーとして活性放射線を用いることにより画像を形成しうる、放射線硬化型のインク組成物である場合、以下に示すインクジェット記録方法が好ましく適用される。
即ち、(i)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(ii)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法に適用することができる。
このインクジェット記録方法は、上記の2つの工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
上記(i)工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
〔インクジェット記録装置〕
上記(i)工程に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。即ち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、(i)工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜100pl、好ましくは、8〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜1600×1600dpi、より好ましくは、720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のような硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、本発明のインク組成物を吐出する場合は、インク組成物を、好ましくは40〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは7〜30mPa・s、より好ましくは7〜25mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sであるものを用いると、大きな効果を得ることができるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような硬化型インクは、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、設定温度の±5℃、好ましくは設定温度の±2℃、より好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(ii)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、該インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出された本発明のインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる(d)重合開始剤が外部エネルギーの付与(ここでは、活性放射線の照射)により分解して、ラジカル、酸、塩基などの開始種を発生し、その開始種の機能により(c)重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において(d)重合開始剤と共に(e)増感色素が存在すると、系中の(e)増感色素が活性放射線を吸収して励起状態となり、(d)重合開始剤と接触することによって(d)重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物の重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。従って、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜2,000mJ/cmであり、更に好ましくは、20〜1,000mJ/cmであり、特に好ましくは、50〜800mJ/cmである。
更に、活性放射線は、露光面照度が、例えば、10〜2,000mW/cm、好ましくは、20〜1,000mW/cmで照射されることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、本発明のインク組成物が紫外線光硬化型のインク組成物であれば、使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は10〜2,000mW/cmであることが好ましく、20〜1,000mW/cmであることがより好ましく、特に好ましくは50〜800mW/cmである。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、例えば、0.01〜120秒、好ましくは、0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、所謂シャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク着弾後、一定時間(例えば、0.01〜0.5秒、好ましくは、0.01〜0.3秒、より好ましくは、0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。WO99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインク組成物を用いたインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明インク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
〔被記録媒体〕
本発明のインク組成物が適用される被記録媒体としては、特に限定されず、寸度的に安定な支持体であれば、目的に応じていずれも使用することができる。また、必ずしも平面状のものではなく、曲面を有する媒体にも記録可能である。
被記録媒体に用いる材料としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<インク組成物(1)の調製>
卓上型ニーダー(PBV−0.1、(株)入江商会製)を用いて、プロピレンカーボネート(極性溶媒)中、ポリビニルピロリドン(Mw200000)を酸化チタンに混錬吸着させた後、分散剤を添加し混錬して顔料ペーストを得た(1次分散工程)。次に、ビーズミル分散機を用いて、得られた顔料ペーストに下記光硬化性モノマーI及びII(重合性化合物)を少量ずつ添加し混合した(温度制御40℃以下)。
上記の調製に用いた各成分及びその使用量は以下の通りである。
・プロピレンカーボネート 7.5質量%
・ポリビニルピロリドン 4質量%
・酸化チタン:アルミナ処理酸化チタン 15質量%
・分散剤:Disperbyk−103(BYK−Chmie社製) 1質量%
・光硬化性モノマーI:
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
(セロキサイド2021A:ダイセルユーシービー社製) 45質量%
・光硬化性モノマーII:
3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン
(OXT−221:東亞合成(株)製) 20質量%
その後、光開始剤(トリフェニルスルフォニウム塩(UVI−6992、ダウケミカル社製))7.5質量%を攪拌下に添加し、インク組成物(1)を得た。
〔実施例2〕
<インク組成物(2)の調製>
実施例1おいて、ポリビニルピロリドン(Mw200000)4質量%に代えて、ポリビニルアルコール(Mw=130000)4質量%を用いた以外は、実施例1と同様にしてインク組成物(2)を得た。
〔実施例3〕
<インク組成物(3)の調製>
実施例1おいて、ポリビニルピロリドン(Mw200000)4質量%に代えて、メトローズSM−100(信越化学工業(株)製のセルロース誘導体)3質量%を用いた以外は、実施例1と同様にしてインク組成物(3)を得た。
〔比較例1〕
<インク組成物(4)の調製>
実施例1おいて、ポリビニルピロリドン(Mw200000)4質量%に代えて、ポリスチレン(Mw=100000)4質量%を用いた以外は、実施例1と同様にしてインク組成物(4)を得た。
〔比較例2〕
<インク組成物(5)の調製>
実施例1おいて、ポリビニルピロリドン(Mw200000)4質量%に代えて、ポリ塩化ビニル(Mw=85000)4質量%を用いた以外は、実施例1と同様にしてインク組成物(5)を得た。
実施例1〜3のインク組成物(1)〜(3)、比較例1及び2のインク組成物(4)及び(5)を用いて、インクの安定性に関する評価(粘度、分散性、沈降性、再分散性、隠蔽性、吐出安定性)、硬化被膜に関する評価(硬化性、密着性)を下記の方法により行った。評価結果を表1に示す。
<1.インクの安定性に関する評価>
1−1.粘度
インク組成物の粘度は、各インク組成物の40℃における粘度をE型粘度計(東機産業(株)製)を用いて測定し、以下の評価基準により評価した。
−評価基準−
A:30mPas未満
B:30mPas以上、100mPas未満
C:100mPas以上(吐出上問題のあるレベル)
1−2.分散性
光学顕微鏡(ECLIPSE ME600L、(株)ニコン製)を用いて、分散性を評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
A:1μm以上の粒子なし。
B:1μm以上の粒子あり。
1−3.沈降性
50mlガラス容器中、室温で1ヶ月放置後の顔料の沈降状態を目視により評価した。評価基準としては、沈降量の少ない順に、3、2、1の3段階評価とした。
1−4.再分散性
遠心分離機(小型高速冷却遠心機SRX−201、(株)トミー精工製、回転数5000rpm、30分)にて強制沈降を行った後、一定攪拌を行い、再分散性を評価した。評価基準としては、再分散性の良好な順に、3、2、1の3段階評価とした。
1−5.吐出安定性
各インク組成物を、インクジェットプリンタ(UJF−605C、(株)ミマキエンジニアリング製)で60分連続印字した後、問題なく吐出できるものをA、一部サテライトを生じる場合をB、ノズル欠が生じる場合をCとして評価した。
<2.硬化被膜に関する評価>
得られた各インク組成物を、ピエゾ型インクジェットヘッド(CA3ヘッド、東芝テック(株)製、印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)でアート紙上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で15mJ/cmのエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。
印字後10分経ったサンプルを、下記評価項目2−1及び2−2について評価した。
2−1.硬化性
印字面をタックフリーテストにて評価した。硬化皮膜を指で触れて、べたつきが無い場合をA、僅かにべたつきがある場合をB、著しくべたつく場合をCとして評価した。
2−2.密着性
硬化被膜に、碁盤目状にカッターで切れ目をいれた後、その表面に粘着テープを貼り付け、ついで、粘着テープを剥離した際の基材(被記録媒体)上の硬化被膜の残存状態を目視観察した。剥離が見られない場合をA、一部剥離が見られた場合をB、著しく剥離がみられた場合をC、硬化が不充分で評価できないものをDとして評価した。
Figure 2008081517
表1に示されるように、特定白色顔料を用いた実施例のインク組成物(1)〜(3)は、低粘度、分散性良好、顔料の沈降抑制、再分散性が良好であり、インクジェット装置における吐出安定性にも優れたインク組成物であった。さらに、実施例のインク組成物は、硬化後の被膜の硬化性、被記録媒体との密着性に関しても良好であった。
これに対して、比較例のインク組成物(4)及び(5)は、インクの安定性(分散性、沈降性、再分散性)に劣り、インクジェット記録装置に適用した際において、吐出安定性に劣るものであった。

Claims (2)

  1. 少なくとも、水溶性高分子で被覆された白色顔料、及び、重合性化合物を含有することを特徴とするUV硬化型インクジェット用インク組成物。
  2. 前記水溶性高分子は、インク組成物を調製するために実施される複数の分散工程に用いられる分散媒のうち、少なくとも1次分散工程に用いる分散媒に溶解しうることを特徴とする請求項1に記載のUV硬化型インクジェット用インク組成物。
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