JP2007204299A - グラファイトフィルムおよびグラファイトフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 高分子フィルムおよび/または炭化フィルムからなる原料フィルムを2000℃以上の温度で熱処理し、該熱処理中に金属を含む物質と接触させる工程を含むグラファイトフィルムの製造方法であって、前記工程中において原料フィルムの少なくとも片面が、圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シートと接触していることを特徴とする、グラファイトフィルムの製造方法、によって、解決する。
【選択図】 なし
Description
1.CPUと冷却ファンやヒートシンクの間に挟む放熱スペーサや
2.DVD光ピックアップ部分や筐体部分に貼り熱を拡散させる放熱スプレッダ
等が挙げられる。
<1>発熱部品からの熱を速やかに移動させることができる十分な熱伝導性と、
<2>グラファイトの取り付け時や取り扱い時に表面に傷が入らない程度に十分な表面硬度と、
<3>表面からの黒鉛はがれにより電子機器内を汚染しないほどに十分な外観と、
<4>全体の熱輸送量が増加し、放熱特性を改善できる十分な厚さと、
<5>グラファイトと発熱部材の密着性を高めるために十分の表面の平滑性と、
を有するグラファイトフィルムを
<6>多数枚
提供することを課題・目的としている。
「高分子フィルムおよび/または炭化フィルムからなる原料フィルムを2000℃以上の温度で熱処理し、該熱処理中に金属原子を含む物質と接触させる工程を含むグラファイトフィルムの製造方法であって、
前記工程中において前記原料フィルムの少なくとも片面が、圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シートと接触していることを特徴とする、グラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記炭素質シートの
JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8μm以下であることを特徴とする、(1)に記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記炭素質シートの厚みが300μm以下であることを特徴とする、(1)〜(2)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
前記炭素質シートの厚みが240μm以下であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記炭素質シートの引張強度が5MPa以上であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記炭素質シートの灰分が0.5%以下であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記炭素質シートが、1000℃以上で熱処理されてえられうる炭素質シートであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記熱処理工程中においてさらに、
引張強度7MPa以上、厚み3mm以下の2枚以上の黒鉛板で、
前記の少なくとも片面が前記の炭素質シートと接触している原料フィルムを複数枚挟んでいる状態
を含むことを特徴とする製造方法であって、
該原料フィルム5枚以上が、2枚の黒鉛板に挟まれている状態
を含むことを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記高分子フィルムが、ポリイミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、およびポリベンゾビスイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも一種類以上の高分子からなることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記ポリイミドの複屈折率が0.08以上であることを特徴とする、(9)に記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記ポリイミドの複屈折率が0.12以上であることを特徴とする、(9)に記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記ポリイミドが、前駆体であるポリアミド酸を脱水剤とイミド化促進剤とを用いてイミド化して作製されうるポリイミドフィルムであることを特徴とする、(9)〜(11)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記のポリイミドフィルムは、ジアミンと酸二無水物を用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマに前記と異なるジアミンを反応させて前記ポリアミド酸を合成し、前記ポリアミド酸をイミド化して作製されうることを特徴とする、(9)〜(12)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記の金属を含む物質が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ホウ素、シリコン、およびゲルマニウムからなる群から選ばれる1以上の金属原子を含む物質であることを特徴とする、(1)〜(13)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「前記の金属を含む物質が、チタン、バナジウム、鉄、コバルト、およびニッケルからなる群から選ばれる1以上の金属原子を含む物質であることを特徴とする、(1)〜(13)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「通電可能な容器内に、該原料フィルムを保持し、該容器に電圧を印加し通電しながらグラファイト化する工程を含むことを特徴とする、(1)〜(15)のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法」、
である。
「JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)が32%以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム」、
である。
「JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)が45%以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム。」、
である。
「JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)が50%以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム」、
である。
「JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8μm以下であり、
光交流法による熱拡散率が7×10-4m2/s以上であり、
表面硬度の指標として、JIS K5400に基づいて測定される鉛筆硬度が2B以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム」、
である。
(21)本発明の第21は、
「JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8μm以下であり、
光交流法による熱拡散率が7×10-4m2/s以上であり、
表面硬度の指標として、JIS K5400に基づいて測定される鉛筆硬度が2B以上であることを特徴とする、請求項17〜19のいずれかに記載のグラファイトフィルム」、
である。
「請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法で製造されうることを特徴とする、
請求項21に記載のグラファイトフィルム」、
である。
(1)熱処理中に金属を含む物質と接触させる
(2)原料フィルムの少なくとも片面が、圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シートと接触している
ことにより、
<1>発熱部品からの熱を速やかに移動させることができる十分な熱伝導性と、
<2>グラファイトの取り付け時や取り扱い時に表面に傷が入らない程度に十分な表面硬度と、
<3>表面からの黒鉛はがれにより電子機器内を汚染しないほどに十分な外観と、
<4>全体の熱輸送量が増加し、放熱特性を改善できる十分な厚さと、
<5>グラファイトと発熱部材の密着性を高めるために十分な表面の平滑性と、
を有するグラファイトフィルムを
<6>多数枚
得ることができる。
高分子フィルムの厚み/容器の有効容積の深さ×100
容器の有効容積の深さは、図4の23に示す。
本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムは、熱伝導性が高いために、例えば、サーバー、サーバー用コンピュータ、デスクトップパソコン、DVD、プラズマテレビ、液晶プロジェクタ、インクジェットプリンタ、電子写真装置等の電子機器や、ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器や、半導体製造装置、液晶製造装置等の産業機器の放熱材料として好適である。
本発明で用いることができる高分子フィルムは、特に限定はされないが、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリオキサジアゾール(POD)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾビスオキサザール(PBBO)、ポリチアゾール(PT)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンゾビスチアゾール(PBBT)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリベンゾビスイミダゾール(PBBI)が挙げられ、これらのうちから選ばれる少なくとも1種を含む耐熱芳香族性高分子フィルムであることが、最終的に得られるグラファイトの熱伝導性が大きくなることから好ましい。これらのフィルムは、公知の製造方法で製造すればよい。この中でもポリイミドは、原料モノマーを種々選択することによって様々な構造および特性を有するものを得ることができるために好ましい。また、ポリイミドフィルムは、他の有機材料を原料とする高分子フィルムよりもフィルムの炭化、黒鉛化が進行しやすいため、結晶性、熱伝導性に優れたグラファイトとなりやすい。
複屈折が高くなるほど、フィルムの炭化(炭素化)、黒鉛化が進行しやすくなる。その結果、グラファイトの結晶配向性がよくなり、熱伝導性が顕著に改善される。特に、高分子フィルムの面配向性が高いと、金属との接触によることにより、高い熱伝導性を保持しながら、表面の黒鉛剥がれを抑制できた表面硬度、密度、表面の密着性に優れたグラファイトが得られる。また、炭化が進行しやすいため、炭化中の昇温速度を速く、熱処理時間を短くしても、品質の優れたグラファイトとなる。また、黒鉛化が進行しやすいため、最高温度を下げて熱処理時間を短くしても品質の優れたグラファイトとなる。
ここでいう複屈折とは、フィルム面内の任意方向の屈折率と厚み方向の屈折率との差を意味し、フィルム面内の任意方向Xの複屈折Δnxは次式(数式1)で与えられる。
また、本発明に用いられるグラファイトの原料となるポリイミドフィルムは、100〜200℃の範囲において2.5×10-5/℃未満の平均線膨張係数を有しているとよい。線膨張係数が2.5×10-5/℃未満であれば、熱処理中の伸びが小さく、スムースに黒鉛化が進行し、脆くなく、種々の特性に優れたグラファイトを得ることができる。 このようなポリイミドフィルムを原料に用いることで、グラファイトへの転化が2400℃から始まり、2700℃で十分結晶性の高いグラファイトに転化が生じ得る。なお、その線膨張係数は、2.0×10-5/℃以下であることがより好ましい。
<ポリイミドフィルムの作製方法>
本発明で用いられるポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の有機溶液をイミド化促進剤と混合した後、エンドレスベルトまたはステンレスドラムなどの支持体上に流延し、それを乾燥および焼成してイミド化させることにより製造され得る。
本発明の高分子フィルムのグラファイト化は、2000℃以上の温度で熱処理し、熱処理中に金属を含む物質と接触させて行う。
本発明の熱処理では、容器に高分子フィルムを固定して行われてもよい。本発明のような2000℃の温度領域まで加熱されるような用途では、取り扱いの容易さや、工業的な入手の容易さ等を勘案すると、黒鉛製の容器が、特に好ましい。ここでいう黒鉛とは、上記の温度領域まで加熱することができる限りにおいて、黒鉛を主に含むような材料までを含む広い概念であるが、例えば、等方性黒鉛、押出製黒鉛、が挙げられ、電気伝導性、熱伝導性に優れ、均質性にも優れる等方性黒鉛が、繰り返し用いる場合には好ましい。容器の形状は、特に制約を受けず、単純な平板などの形状でよい。また容器は円筒状で、高分子フィルムを容器に巻きつける方法でも良い。容器の形状は、高分子フィルムを接触させることができる限りにおいて、特に制約を受けない。
熱処理中に金属を含む物質と接触させる方法としては、熱処理中に(I)固体状、(Ii)液体状、(III)気体状の金属を含む物質と接触させることが挙げられる。
(3)高分子フィルムまたは炭素化した高分子フィルムを、金属を含む容器に入れる方法。
金属を含む物質としては、金属単体、の化合物(酸化物、窒化物、ハロゲン化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられるが、これに限定されるものではない)、金属塩等が挙げられる。原料フィルムに直接接触させる場合には、金属を含む物質が溶媒に溶けるとよい。というのは、塗布という簡単な方法で、原料フィルムの表面に均一に金属を含む物質を接触させることが出来るからである。金属の種類としては、IUPAC(国際純正・応用化学連合)無機化学命名法改訂版(1989年)による族番号4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、セレン、錫、鉛、ビスマス、が挙げられる。中でも、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ホウ素、シリコン、ゲルマニウムが良く、さらに好ましくは、チタン、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケルである。特に好ましくは、鉄、コバルトである。これらは、熱拡散率、表面硬度、表面の接着性、外観に優れるために好ましい。
高分子フィルムのグラファイト化機構について説明する。
高分子フィルムのグラファイト化は上述の通り、炭素化と黒鉛化の2段階を経由しておこり、熱処理により炭素化した後、さらに高温で熱処理することでグラファイト構造に転化させられる。この過程では炭素−炭素結合の開裂と再結合が起きなければならない。グラファイト化をできる限り起こしやすくするためには、その開裂と再結合が最小のエネルギーで起こるようにする必要がある。出発高分子フィルム(例えば、上記に列記した高分子フィルム、特にポリイミドフィルム)の分子配向は炭素化フィルム中の炭素原子の配列に影響を与え、その分子配向はグラファイト化の際に結合の開裂と再結合化のエネルギーを少なくする効果を生じ得る。したがって、高度な分子配向が生じやすくなるように分子設計を行うことによって、グラファイト化の促進が可能になる。この分子配向の効果は、フィルム面に平行な二次元的分子配向とすることによって一層顕著になる。但し、出発原料である高分子フィルムに金属を含む物質を接触させると、熱処理中に相互作用を起し、従来の炭素−炭素結合の開裂と再結合や炭素化中の炭素原子の配列に悪影響を与える場合もある。従って、炭化したフィルムを出発原料とすることが好ましい。
従来の原料フィルムの熱処理によるグラファイト化では、熱処理により熱伝導性に優れたグラファイトを得ることは可能であるものの、表面硬度、表面の接着性、外観においてはまだ改善の余地が有る、グラファイトフィルムになる。特に原料フィルムの厚みが厚くなるほど、この傾向は顕著になると考えられる。この理由について説明する。
しかし、本発明では、金属を含む物質と接触させてグラファイト化する場合では、従来困難であった表面硬度、表面の密着性、外観を兼ね備えた熱伝導性の高いグラファイトを得ることができた。次に、金属を含む物質と接触させてグラファイト化させる場合の、金属の影響について説明する。
圧縮率が5%未満であると、原料フィルムと炭素質シートを重ねた場合、原料フィルムと炭素質シートとの密着性・追随性が悪く、熱処理中の原料フィルムの変形で表面に皺が入りやすくなるのに対し、圧縮率が5%以上であると、原料フィルムと炭素質シートとの密着性・追随性がよくなり、平滑性に優れたグラファイトフィルムが得られる。圧縮率が60%以上であると、原料フィルムと炭素質シートを重ねてセットした場合、熱処理過程で炭素質シートの変形やうねりが大きくなるために、原料フィルムにも悪影響を及ぼし、皺の入った平滑性に劣るグラファイトフィルムが得られる。特に、フィルムを多数枚積層して熱処理する場合、圧縮率が高すぎると、熱処理中に原料フィルムの変形がより大きくなる。一方、圧縮率が60%以下であると、原料フィルムと炭素質シートを重ねてセットした場合、炭素質シートの変形量が少ないため、炭素質シートの熱処理過程での変形やうねりを抑えることができ、平滑性に優れたグラファイトフィルムが得られる。また、フィルムを多数枚積層して熱処理する場合、その改善効果は顕著である。
炭素質シートとは、炭素を主成分とするシートである。例を挙げると、膨張黒鉛シート、グラファイトシートなどの可とう性を有するもの、等方性黒鉛シート、押出成形黒鉛シート、C/Cコンポジットシートなど剛直なものがある。中でも、膨張黒鉛シートは可とう性を有し、シート面に垂直な方向への圧縮率、復元率も大きいため、緩和材として使用されている。緩和材の用途の一例としては、例えば、ガスケット等の用途が、その一態様である。
緩和材として使用されることを考慮すると、圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シートとは、圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シート、すなわち5%以上60%以下「圧縮が可能な」炭素質シートのことを意味する。
圧縮率とは、前記炭素質シートを加圧圧縮してその圧縮率を測定すれば評価できる物性である。圧縮率とは、短時間の圧縮によって生じた変形量のもとの厚さに対する割合である。ここでは、炭素質シートの厚み方向に17MPaの荷重を加え、変形量のもとの厚さに対する割合で定義した。
黒鉛の結晶は、炭素原子が共有結合で固く結ばれた六角網平面層が形成され、この平面層が積み重なって比較的弱いファン・デル・ワールス力で結合した構造を有している。そしてその構造上、平面層は非常に安定しているが、平面層間は原子や分子、イオン等の侵入を容易に許して層間化合物が形成される。膨張黒鉛の製造にはこの性質が利用されており、一般的には、黒鉛の層間に硫酸、硝酸等を酸化剤(過酸化水素、過塩素酸等)の存在下或いは電解処理下にて挿入し、形成された層間化合物を900〜1200℃程度の高温で急激に加熱することで分解ガス化し、このときのガス圧によって黒鉛の層間を拡げて黒鉛を膨張させるという方法により行われている。以上のようにして得られた膨張黒鉛を圧縮予備成形し、その後ロールで圧延する事によりシート状の成形品が得られる。主な用途として、電極材、耐食材、型材、原子炉用材料などに用いられている。また、圧縮還元性にすぐれているため、シール材などに使用されている。
本発明で用いられる炭素質シートの表面の平滑性は、JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8以下、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。炭素質シートの表面粗さRa0.8μm以下であると、該熱処理中において、原料フィルムと炭素質シートとの密着性が優れ、表面平滑性に優れるグラファイトフィルムが得られる。
炭素質シートの厚みが厚いと、黒鉛化処理中に、炭素質シートの変形が大きく、グラファイトフィルムにシワが転写され易いため、300μm以下の炭素質シートの使用が望まれる。また、炭素質シートの厚みが300μm以下であると、高分子フィルムおよび/または炭化フィルムの容器に対する充填率を増加することが出来る(多数枚同時の熱処理が可能となり、大量のグラファイトフィルムが得られる)。240μm以下であると、さらに多数枚同時の熱処理が可能となる。
炭素質シートの引張強度が5MPa以上であると、熱処理中の原料フィルムの変形を抑えることが出来、平滑性に優れるグラファイトフィルムが得られる。特に、炭素質シートの厚みが薄い場合には、炭素質シートのコシが弱くなり、熱処理中の原料フィルムの変形を抑えることが難しくなるため、引張強度が高いことが好ましい。
炭素質シートの灰分が0.5%以下であると、炭素質分が多く、熱処理中に不純な分解ガスが発生せず、熱処理中の原料フィルムの変形を抑えることが出来、平滑性に優れたグラファイトフィルムを得ることができる。また不純物が少なく、純度に優れるため、熱伝導性にも優れ、熱処理中の温度が均一に原料フィルムに伝わり、熱伝導性に優れたグラファイトフィルムが得られるために好ましい。特に、炭素質シートの厚みが薄い場合には、炭素質シートのコシが弱くなり、熱処理中の原料フィルム、炭素質シートの変形を抑えることが難しくなるため、灰分が少ないことが好ましい。また灰分の少ない炭素質シートは熱伝導性に優れている。そのため、熱処理中、熱が均一に原料フィルムに伝わり、熱伝導性に優れたグラファイトフィルムが得られやすい。
1000℃以上で熱処理された炭素質シートは、炭素質シートの強度が高く、灰分も小さく、熱伝導性にも優れている。熱処理工程において、前記熱処理炭素質シートを使用することで、各特性に優れたグラファイトフィルムが得られやすくなる。特に、炭素質シートの厚みが薄い場合には、効果が顕著である。
シール性に優れており、気体、液体ともに優れたシール性を示めす。 耐薬品性に優れており、ほとんどの酸、アルカリ、有機溶剤に対して安定である。 また、耐熱性に優れており、空気中では300℃、非酸化雰囲気では3000℃まで安定しているため、黒鉛化処理温度に対しても耐えうる。また、熱伝導性に優れており、熱を素早く拡散するため、均一な温度上昇が可能となる。さらに、層面間が滑り自己潤滑性が高いため、グラファイト化に伴う、高分子フィルムおよび/または炭化フィルムの膨張を阻害し、シワを発生させる要因となる摩擦力を低減できる。
原料フィルムと炭素質シートを各20枚以上用いて、熱処理する場合においては、引張強度7MPa以上・厚み3mm以下の黒鉛板2枚で、原料フィルム5枚以上をはさむ事により、炭素質シートの熱処理過程での変形やうねりを抑えることができ、平滑性に優れたグラファイトフィルムが得られる。
本発明の一態様であるグラファイトフィルムの光交流法による熱拡散率あるいは、
本発明の方法で製造されうるグラファイトフィルムの光交流法による熱拡散率は、
7.0×10-4m2/s以上、好ましくは8.0×10-4m2/s以上、さらに好ましくは8.5×10-4m2/s以上であると良い。7.0×10-4m2/s以上になると、熱伝導性が高いために、発熱機器から熱を逃がしやすくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることが可能となる。一方、7.0×10-4m2/s未満になると、熱伝導性が悪いために、発熱機器から熱を逃がすことができなくなり、発熱機器の温度上昇を抑えることができなくなる。
本発明の製造方法で作製されうるグラファイトフィルムの表面硬度の指標として、JIS K5400に基づいて測定される鉛筆硬度の値で2B以上、好ましくはB以上、さらに好ましくはHB以上である。鉛筆硬度が2B以上では、グラファイトの取り付け時や取り扱い時に傷が入らない程度に十分な表面硬度となる。
あるいは、
本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムの、表面の外観の具体的レベル
は、JIS K5400に基づいて測定されるXカットテープ法に基づいて測定される評価が6以上、好ましくは8以上である。外観が6以上では、グラファイトと発熱部品を接着剤や粘着剤を用いて取り付けた場合に、剥がれることなく、また、取り付け時の接触や装置に組み込んだ後にファンの風によって表面から黒鉛が剥がれ落ちることがなくなり、電子機器内を汚染しなくなる。
あるいは、
本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムの厚みの具体的レベル
は、50μm以上、好ましくは70μm以上、さらに好ましくは90μm以上である。また用いる原料高分子フィルムの厚みは、70μm以上、好ましくは120μm以上、さらに好ましくは150μm以上である。グラファイトフィルムの厚みが50μm以上、原料フィルムの厚みが70μm以上であれば、熱輸送量が向上し、従来よりも優れた放熱性を発現することが可能となる。
あるいは、
本発明の製造方法で作製されうるグラファイトフィルムの表面平滑性の具体的レベル
は、JIS B0652に基づいて測定される光波干渉式表面粗さ測定法に基づいて測定される表面粗さRaが0.8以下、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。表面粗さRaが0.8以下では、グラファイトと発熱部品を接着剤や粘着剤を用いて取り付けた場合に、グラファイト、発熱部品、接着剤または粘着剤との密着性がよく、グラファイトが本来有する放熱特性を発揮することが出来る。
本発明の一態様であるグラファイトフィルムの、表面の平滑性は、JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8以下、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。表面粗さが0.8以下では、グラファイトと発熱部品を接着剤や粘着剤を用いて取り付けた場合に、グラファイト、発熱部品、接着剤または粘着剤との密着性がよく、グラファイトが本来有する放熱特性を発揮することが出来る。
本発明のグラファイトフィルムの光沢度は、JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)で表される。
As/Aos×Gos(60°)で表される指標である。
Gos(60°):使用した標準面の光沢度
As:規定された入射角θに対する試料面からの鏡面反射光束
Aos:規定された入射角θに対する標準面からの鏡面反射光束
屈折率が可視波長範囲全域にわたって、一定値1.567であるガラス表面において規定された入射角θでの鏡面光沢度を基準とし、この値を100%として表す。
従来技術では、
<1>発熱部品からの熱を速やかに移動させることができる十分な熱伝導性と、
<2>グラファイトの取り付け時や取り扱い時に表面に傷が入らない程度に十分な表面硬度と、
<3>表面からの黒鉛はがれにより電子機器内を汚染しないほどに十分な外観と、
<4>全体の熱輸送量が増加し、放熱特性を改善できる十分な厚さと、
<5>グラファイトと発熱部材の密着性を高めるために十分の表面の平滑性と、
を有するグラファイトフィルムを
<6>多数枚
提供することに関する課題が有った。
その内、光沢度Gs(60°)の違いによって、解決できる課題が異なっているようである。
この範囲であると、従来技術の課題<5>が解決されるだけでなく、本発明のグラファイトフィルムは、また、表1に記載のとおり、従来の技術<1>、<2>、<3>、<4>、<6>をも解決されるため、好ましい。
本発明の製造方法で作製されるグラファイトフィルムは、熱伝導性、電気伝導性が高いために、例えば、サーバー、サーバー用パソコン、デスクトップパソコン等の電子機器、ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器、液晶ディスプレイ(特にバックライト付近)、プラズマディスプレイ、LED、有機EL、無機EL、液晶プロジェクタ、時計等の表示機器、インクジェットプリンタ(インクヘッド)、電子写真装置(現像装置、定着装置、ヒートローラ、ヒートベルト)等の画像形成装置、半導体素子、半導体パッケージ、半導体封止ケース、半導体ダイボンディング、CPU、メモリ、パワートランジスタ、パワートランジスタケース等の半導体関連部品、リジッド配線板、フレキシブル配線板、セラミック配線板、ビルドアップ配線板、多層基板等の配線基板(以上左記の配線板とは、プリント配線板なども含む)、真空処理装置、半導体製造装置、表示機器製造装置等の製造装置、断熱材、真空断熱材、輻射断熱材等の断熱装置、DVD(光ピックアップ、レーザー発生装置、レーザー受光装置)、ハードディスクドライブ等のデータ記録機器、カメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、顕微鏡、CCD等の画像記録装置、充電装置、リチウムイオン電池、燃料電池等のバッテリー機器等の放熱材料、放熱部品、冷却部品、温度調節部品、電磁シールド部品として好適である。
また、使用において、発熱体、ヒートシンク、ヒートパイプ、水冷冷却装置、ペルチェ素子、筐体、ヒンジとの固定、熱拡散性、放熱性、取り扱い性を改善するために、片面および/または両面に樹脂層、セラミック層、金属層、絶縁層、導電層を形成しても良い。
4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ビロメリット酸二無水物の1当量を溶解してポリアミド酸溶液(18.5wt%)を得た。
ポリアミド酸に4,4’−オキシジアニリンの3当量を溶解したDMF溶液にピロメリット酸二無水物の4当量を溶解して、両末端に酸無水物を有するプレポリマが合成された後、そのプレポリマを含む溶液にp−フェニレンジアミンの1当量を溶解することによって得られたポリアミド酸を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ75μm、125μm、175μm、225μmのポリイミドフィルム(ポリイミドフィルムB:弾性率4.1GPa、吸水率2.1%、複屈折0.14、線膨張係数1.6×10-5/℃)が製造された。
酸化剤(過酸化水素、過塩素酸等)の存在下、天然鱗状黒鉛の層間に硫酸、硝酸等を挿入し、形成された層間化合物を900〜1200℃程度の高温で急激に加熱することで分解ガス化し、このときのガス圧によって黒鉛の層間を拡げて黒鉛を膨張させた。以上のようにして得られた膨張黒鉛を圧縮予備成形し、その後ロールで圧延する事により、厚み240μm、40%の圧縮率(緩和材として使用可能な、40%の圧縮可能率)を示す炭素質シートを得た。
上記炭素質シートAと同様にして、厚み220μm、40%の圧縮率(緩和材として使用可能な、40%の圧縮可能率)を示す炭素質シートBを得た。
上記炭素質シートBを、容器(A)に積層させ、1000℃まで熱処理(昇温速度:2.5℃/min)することにより、10%の圧縮率(緩和材として使用可能な、10%の圧縮可能率)を示す炭素質シートCを得た。
原料フィルムに厚み75、125、175、225μmのポリイミドフィルムAから得られた炭素化フィルムAに硝酸鉄の10wt%メタノール溶液を塗布した後、図4に示すように、炭素質シートAで1枚ずつ交互に挟み、炭素質シートAと接触している炭素化フィルム3枚を引張強度7MPa以上厚み3mmの黒鉛押出板2枚で挟み、容器(A)内に、接触して保持した。該容器(A)がいっぱいになるまで繰り返しセットした。該容器(A)は、図5に模式的に示すように原料フィルムの面方向が直接通電可能な円筒容器(B)(さらに詳細に説明すると具体的には、図5に模式的に示すような、直接通電可能な、蓋付きの円筒容器(B))の円筒の高さ方向と平行になるように保持し、該容器(A)の外部周辺を、コークス粉末で覆い(容器(A)と容器(B)の間にコークス粉末を充填し)、また図7に示すように該容器(A)を該容器(B)と接触しないように、保持した。図7に示すように該容器(B)の外部周辺を、コークス粉末で覆った状態で、電圧を該容器(B)の円筒の直径方向(原料フィルムの面方向と平行)に印加し、通電することで、3000℃まで加熱し、グラファイトフィルムが作製された。原料フィルムへの通電方向を示す直線と、原料フィルムの面方向に対する法線との、成す角度は、90度である。
原料フィルムに厚み75、125、175、225μmのポリイミドフィルムBから得られた炭素化フィルムBを用いた以外は、実施例1と同様にしてグラファイトフィルムが作製された。
原料フィルムに厚み175μmのポリイミドフィルムAから得られた炭素化フィルムAを用い、炭素質シートBを用いた以外は、実施例1と同様にしてグラファイトフィルムが作製された。
原料フィルムに厚み175μmのポリイミドフィルムAから得られた炭素化フィルムAを、炭素質シートCで1枚ずつ交互に挟み、炭素質シートAと接触している炭素化フィルム10枚を引張強度7.4MPa厚み3mmの黒鉛押出板2枚で挟む以外は、実施例1と同様にしてグラファイトフィルムが作製された。
原料フィルムに厚み175μmのポリイミドフィルムAから得られた炭素化フィルムA2枚につき、炭素質シートC1枚を交互に積層し、炭素質シートAと接触している炭素化フィルム20枚を引張強度7.4MPa厚み3mmの黒鉛押出板2枚で挟む以外は、実施例1と同様にしてグラファイトフィルムが作製された。
厚み75μm、125μm、175μm、225μmのポリイミドフィルムから得られた炭素化フィルムA、Bを黒鉛板に挟み、容器(A)内に、接触して保持した。黒鉛化炉を用いて2100℃以下では減圧下、2100℃以上ではアルゴン雰囲気下で3000℃まで昇温された後、3000℃で1時間熱処理して黒鉛化処理がおこなわれ、グラファイトフィルムが作製された。
比較例1〜2に記載のグラファイトフィルムの製造方法と、
実施例に記載のグラファイトフィルムの製造方法と
の主な相違点は、比較例では
圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シートと接触していないことである。
松下電器産業(株)製のグラファイトフィルム(PGS EYGS182310)を使用して、諸特性を評価した結果を、表に示す。なお、松下電器産業(株)のグラファイトフィルム(PGS)の、JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)の値29.8%は、4サンプルの測定を行い、平均をとった値(4サンプルのそれぞれの具体的な測定値は29.0%、28.8%、31.0%、30.3%であった。この平均値が、29.8%)である。)である。
この値が大きいほど、多数枚の原料フィルムを処理でき、多数枚のグラファイトフィルムが得られる。
2 くさび形シート
3 くさび形シートの塙
4 ナトリウム光
5 干渉縞
11 容器(A)
12 原料フィルムを接触して保持するための、平滑な通電可能な平板
21 炭素質シート
22 炭素化フィルム
23 容器の有効容積の深さ
31 円筒の容器(B)
41 円筒の容器(B)の蓋
51 容器(A)と容器(B)の間に充填された、カーボン粉末
52 容器(B)の外部周辺に充填された、カーボン粉末
61 不定形形状の模様
Claims (22)
- 高分子フィルムおよび/または炭化フィルムからなる原料フィルムを2000℃以上の温度で熱処理し、該熱処理中に金属原子を含む物質と接触させる工程を含むグラファイトフィルムの製造方法であって、
前記工程中において前記原料フィルムの少なくとも片面が、圧縮率5%以上60%以下の物性を示す炭素質シートと接触していることを特徴とする、グラファイトフィルムの製造方法。 - 前記炭素質シートの
JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のグラファイトフィルムの製造方法。 - 前記炭素質シートの厚みが300μm以下であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記炭素質シートの厚みが240μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記炭素質シートの引張強度が5MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記炭素質シートの灰分が0.5%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記炭素質シートが、1000℃以上で熱処理されてえられうる炭素質シートであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記熱処理工程中においてさらに、
引張強度7MPa以上、厚み3mm以下の2枚以上の黒鉛板で、
前記の少なくとも片面が前記の炭素質シートと接触している原料フィルムを複数枚挟んでいる状態
を含むことを特徴とする製造方法であって、
該原料フィルム5枚以上が、2枚の黒鉛板に挟まれている状態
を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。 - 前記高分子フィルムが、ポリイミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、およびポリベンゾビスイミダゾールからなる群から選ばれる少なくとも一種類以上の高分子からなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記ポリイミドの複屈折率が0.08以上であることを特徴とする、請求項9に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記ポリイミドの複屈折率が0.12以上であることを特徴とする、請求項9に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記ポリイミドが、前駆体であるポリアミド酸を脱水剤とイミド化促進剤とを用いてイミド化して作製されうるポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記のポリイミドフィルムは、ジアミンと酸二無水物を用いて前記酸二無水物を両末端に有するプレポリマを合成し、前記プレポリマに前記と異なるジアミンを反応させて前記ポリアミド酸を合成し、前記ポリアミド酸をイミド化して作製されうることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記の金属を含む物質が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ホウ素、シリコン、およびゲルマニウムからなる群から選ばれる1以上の金属原子を含む物質であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記の金属を含む物質が、チタン、バナジウム、鉄、コバルト、およびニッケルからなる群から選ばれる1以上の金属原子を含む物質であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 通電可能な容器内に、該原料フィルムを保持し、該容器に電圧を印加し通電しながらグラファイト化する工程を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)が32%以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム。
- JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)が45%以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム。
- JIS Z8741に記載の光沢測定法で得られる光沢度Gs(60°)が50%以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム。
- JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8μm以下であり、光交流法による熱拡散率が7×10-4m2/s以上であり、表面硬度の指標として、JIS K5400に基づいて測定される鉛筆硬度が2B以上であることを特徴とする、グラファイトフィルム。
- JIS B0652に記載の光波干渉式表面粗さ測定法で得られる表面粗さRaが0.8μm以下であり、光交流法による熱拡散率が7×10-4m2/s以上であり、表面硬度の指標として、JIS K5400に基づいて測定される鉛筆硬度が2B以上であることを特徴とする、請求項17〜19のいずれかに記載のグラファイトフィルム。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法で製造されうることを特徴とする、
請求項21に記載のグラファイトフィルム。
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