JP2010275115A - 炭素材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1は、炭素材料の原料となる有機物として熱硬化性樹脂類を用いて、貴金属以外の遷移金属及び窒素が添加された炭素材料を調製し、この炭素材料を用いた燃料電池用電極触媒及びその製造方法が開示されている。この電極触媒は、従来のものに比べて優れた性能を示してはいるが、白金を使用した電極触媒にはまだ及ばず、より優れた活性を有する電極触媒、及びその材料が求められている。
下記一般式(1)
で表される繰り返し単位からなる全芳香族ポリアミド100質量部と、
下記一般式(2)
で表される金属フタロシアニン1〜150質量部と
からなる全芳香族ポリアミド組成物を、不活性ガス雰囲気下、500〜1,500℃において焼成して得られる炭素材料によって達成される。
本発明の上記目的及び利点は、第二に、
上記の炭素材料を製造するための方法であって、
上記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる全芳香族ポリアミド100質量部と、
上記一般式(2)で表される金属フタロシアニン1〜150質量部と
からなる全芳香族ポリアミド組成物を、不活性ガス雰囲気下、500〜1,500℃において焼成する炭素材料の製造方法によって達成される。
<全芳香族ポリアミド>
本発明において使用される全芳香族ポリアミドは、上記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる全芳香族ポリアミドである。
上記一般式(1)におけるAr1及びAr2は、それぞれ同一であっても互いに異なっていてもよい。さらに、全芳香族ポリアミド中に存在する複数個のAr1はそれぞれ同一であっても互いに異なっていてもよく、複数個のAr2はそれぞれ同一であっても互いに異なっていてもよい。Ar1及びAr2は、それぞれ、
上記一般式(1)におけるAr1としては、
上記Ar1及びAr2において、その芳香環上の水素原子のうちの1つ又は複数が、それぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基;フェニル基等の炭素数6〜10の芳香族基で置換されていてもよい。
本発明において使用される全芳香族ポリアミドは、その特有粘度が好ましくは0.1〜20であり、より好ましくは0.5〜10である。この特有粘度は、濃硫酸溶媒に、全芳香族ポリアミドを濃度0.5g/dLにて溶解した試料を用い、30℃において測定した相対粘度(ηrel)から、下記数式(i)
ηinh=(lnηrel)/C (i)
(上記数式(i)中、ηrelは相対粘度であり、Cは溶液中の全芳香族ポリアミド濃度0.5g/dLである。)
により求めた値である。
上記の如き芳香族ポリアミドは、例えば次の方法によって良好な生産性で工業的に製造することができる。
本発明において使用される芳香族ポリアミドは、例えば下記一般式(3)
XOC―Ar1―COX (3)
(上記一般式(3)において、Ar1は上記一般式(1)におけるのと同義であり、Xはハロゲン原子である。)
で表される芳香族ジカルボン酸ジハライドと、下記一般式(4)
H2N―Ar2―NH2 (4)
(上記一般式(4)において、Ar2は上記一般式(1)におけるのと同義である。)
で表される芳香族ジアミンとを、好ましくは適当な溶媒中において所定の割合で反応させることにより、合成することができる。
上記式(3)におけるXのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を挙げることができ、この中でも反応性、安定性及びコストの点で塩素が好ましい。
上記一般式(3)で表される芳香族ジカルボン酸ジハライドと、上記一般式(4)で表される芳香族ジアミンとを反応させる際の両者の使用割合としては、芳香族ジカルボン酸ジハライドの使用モル数(a)と芳香族ジアミンの使用モル数(b)とが、下記数式(ii)を満足する割合であることが好ましい。
0.8≦a/b≦1.2 (ii)
ここで、上記a/bが0.8より小さい場合や1.2より大きい場合には、重合度の十分なポリマーを得ることが困難となることがある。a/bの好ましい下限は0.9以上であり、より好ましくは0.93以上、さらに好ましくは0.95以上である。また、a/bの好ましい上限は1.1以下であり、より好ましくは1.07以下、さらに好ましくは1.05以下である。従って、本発明におけるa/bの最適範囲は0.95≦a/b≦1.05である。
これらの中でも好ましい溶媒はN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である。
これらの溶媒は、使用前に公知の方法により脱水して用いることが好ましい。
反応温度は80℃以下であることが好ましく、−20〜60℃であることがより好ましい。反応時間は、好ましくは0.1〜24時間であり、より好ましくは1〜10時間である。
なお、上記の如き溶媒中で芳香族ジカルボン酸ジハライドと芳香族ジアミンとを反応させるに際し、全芳香族ポリアミドの溶解性を挙げるために重合前、途中又は終了時に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム等を挙げることができる。また、芳香族ジカルボン酸ジハライドと芳香族ジアミンとを反応させるに際し、トリアルキルシリルクロライドを得られるポリマーをより高重合度化する目的で使用することも可能である。
本発明において用いられる金属フタロシアニンは、上記一般式(2)で表されるものである。
上記一般式(2)におけるMは、Fe2+であることが好ましい。
本発明において用いられる金属フタロシアニンとしては、上記一般式(2)におけるh、i、j及びkがいずれも0であるか、あるいはこれらのうちの少なくとも1つが0ではなく且つX1、X2、X3及びX4が塩素原子及び炭素数1〜8のアルキル基よりなる群から選ばれる1種類以上の同一又は異なる基であることがより好ましく、下記一般式(5)
で表されるものがさらに好ましく、中でも下記一般式(5)においてMがFe2+であるものが特に好ましい。
本発明における全芳香族ポリアミド組成物は、上記の如き全芳香族ポリアミド100質量部と金属フタロシアニン1〜150質量部とからなる。金属フタロシアニンの割合としては、全芳香族ポリアミド100質量部に対して、5〜100質量部であることがより好ましく、8〜50質量部であることがさらに好ましい。
本発明における全芳香族ポリアミド組成物を製造するには、溶媒中において、全芳香族ポリアミドと金属フタロシアニンとを混合する方法によることが好ましい。ここで使用する溶媒としては、上記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる全芳香族ポリアミドを合成する際の溶媒として前記したものでよい。
全芳香族ポリアミドと金属フタロシアニンとの混合方法としては、全芳香族ポリアミドが溶解した溶液中に金属フタロシアニンを加える方法、全芳香族ポリアミドが溶解した溶液中に金属フタロシアニンを分散させた分散液を加える方法、全芳香族ポリアミドと金属フタロシアニンを同時に溶媒に加える方法等が好ましく用いられるが、この限りではない。
両者を混合するに際しては、例えばメカニカルスターラー、遊星攪拌機、1軸ルーダー及び2軸ルーダーなど公知の混錬装置を用いることができるほか、超音波分散によってもよい。
両者を混合後、全芳香族ポリアミドと金属フタロシアニンとを含有する液から溶媒を除去することにより、全芳香族ポリアミド組成物を得ることができる。溶媒の除去方法としては、乾式、湿式等従来公知の方法やそれらを組み合わせた方法を用いることができる。また全芳香族ポリアミド組成物の溶液をそのまま用いて繊維状、フィルム状等に成型して溶液を除去することにより組成物の成型体を得、該成型体を次工程の焼成工程に付してもよい。
上記のようにして調製した全芳香族ポリアミド組成物を焼成して炭素化することにより、本発明の炭素材料(炭素化物)を得ることができる。この焼成の際の加熱温度としては500〜1,500℃の温度が採用され、好ましくは600〜1,200℃であり、より好ましくは650〜1,000℃である。焼成時間は、1〜300分であることが好ましく、10〜180分であることがより好ましく、さらに30〜100分であることが好ましい。
焼成は、不活性ガス雰囲気下において行われる。ここで、好ましい不活性ガスとして窒素、アルゴン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記不活性ガスは、その酸素濃度が体積基準で100ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であるとより好ましく、10ppm以下であると更に好ましい。
本発明の炭素材料は、その酸素還元開始電位が0.7V以上、更には0.8〜1.0Vと高いものである。そのため、本発明の炭素材料は、燃料電池用電極触媒として好適に使用することができるほか、各種化学反応、例えば酸化物の還元反応等の触媒として好適に用いることができる。
以下において、全芳香族ポリアミドの特有粘度(ηinh)、酸素還元活性及び炭素化収率は、それぞれ、下記のようにして求めた。
(1)全芳香族ポリアミドの特有粘度(ηinh)
濃硫酸溶媒に、全芳香族ポリアミドを濃度0.5g/dLにて溶解した試料を用い、30℃において測定した相対粘度(ηrel)から上記数式(i)により求めた。
(2)酸素還元活性
酸素還元活性は、回転電極法によりリニアスイープボルタンメトリーを行って測定した酸素還元開始電位として求めた。ここで、電圧値及び酸素還元開始電位は、それぞれ、銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極を用いて測定した値を標準水素電極(NHE)基準値に換算して示した。
なお、リニアスイープボルタンメトリーの手順は以下A〜Dに示した。
A.プラスチックバイアルに、焼成により得られた炭素材料5mgをとり、ガラスビーズをスパチュラ一杯、ナフィオン50μL並びに蒸留水及びエタノールをそれぞれ150μLずつ加え、20分間超音波をあててスラリーとした。
B.上記スラリーを4μLとり、回転電極のガラス状炭素上に塗付し、飽和水蒸気雰囲気下で乾燥した。
C.乾燥後の回転電極を作用極とし、Ag/AgCl電極を参照極とし、白金線を対極とした。電解液である0.5M硫酸に酸素を30分バブリングした後、自然電位を測定した。
D.次いで、600s初期電位を印加した後に、掃引速度1mV/s、回転速度1,500rpmで、0.8V vs.Ag/AgClから−0.2V vs.Ag/AgClまで測定を行った。
E.上記測定で、−10μA・cm−2(−0.01mA・cm−2)における電圧値を酸素還元開始電位として算出した。
(3)炭素化収率
炭素化収率は、焼成後の炭化物の重量及び焼成前の全芳香族ポリアミド組成物の重量から、下記数式(iii)により求めた。
炭素化収率(%)=(焼成後の炭化物の重量)/(焼成前の全芳香族ポリアミド組成物の重量)×100 (iii)
塩化カルシウム19.21質量部を、窒素気流下、フラスコ内で250℃にて1時間乾燥した。フラスコ内の温度を室温に戻した後、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)365質量部を加えた。次いで、ここに4,4’−ジアミノ−3,3’−ビフェニルジオール12質量部を加えて溶解した。この溶液を氷浴により0℃に保ちつつ、テレフタル酸クロリド11.26質量部添加して0℃において1時間、続いて50℃において2時間反応を行うことにより、下記式(I)
得られた溶液の一部を大量のイオン交換水中に投入して全芳香族ポリアミド(I)を析出させた。この析出物を濾取し、水で2回及びメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(I)を単離した。この単離した全芳香族ポリアミド(I)の特有粘度(ηinh)を測定したところ、5.73であった。
<全芳香族ポリアミド(I)及び9.5質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(I−1)の調製、該全芳香族ポリアミド組成物(I−1)を用いた炭素材料(I−1)の調製及び炭素材料(I−1)の酸素還元活性の測定>
上記調製例1で得た全芳香族ポリアミド(I)のNMP溶液40質量部に、鉄フタロシアニン0.2質量部をNMP80質量部に超音波にて分散させた分散液を加え、70℃にて150分攪拌した。得られた混合液を大量のイオン交換水中に投入して組成物を析出させた。析出物を濾取し、水で2回及びメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(I)及び9.5質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(I−1)を得た。
上記で得た全芳香族ポリアミド組成物(I−1)につき、窒素雰囲気下、900℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(I−1)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(I−1)の酸素還元活性の測定結果を表1及び図1に示した。
<全芳香族ポリアミド(I)及び24質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(I−2)の調製、該全芳香族ポリアミド組成物(I−2)を用いた炭素材料(I−2)の調製及び炭素材料(I−2)の酸素還元活性の測定>
上記調製例1で得た全芳香族ポリアミド(I)のNMP溶液40質量部に、鉄フタロシアニン0.6質量部をNMP80質量部に超音波にて分散させた分散液を加え、70℃にて150分攪拌した。得られた混合液を大量のイオン交換水中に投入して組成物を析出させた。析出物を濾取し、水で2回及びメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(I)及び24質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(I−2)を得た。
上記で得た全芳香族ポリアミド組成物(I−2)につき、窒素雰囲気下、900℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(I−2)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(I−2)の酸素還元活性の測定結果を表1及び図1に示した。
塩化カルシウム15.8質量部を、窒素気流下、フラスコ内で250℃にて1時間乾燥した。フラスコ内の温度を室温に戻した後、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)300質量部を加えた。次いで、ここに5(6)−アミノー2−(4−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(cas. reg No. 7621−86−5)10質量部を加え溶解した。この溶液を氷浴により0℃に保ちつつ、テレフタル酸クロリド9.05質量部添加して0℃において3時間、続いて50℃において3時間反応を行うことにより、下記式(II)
得られた溶液の一部を大量のイオン交換水中に投入して全芳香族ポリアミド(II)を析出させた。この析出物を濾取し、水で2回及びメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(II)を単離した。この単離した全芳香族ポリアミド(II)の特有粘度(ηinh)を測定したところ、4.3であった。
<全芳香族ポリアミド(II)及び24質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(II)の調製、該全芳香族ポリアミド組成物(II)を用いた炭素材料(II)の調製及び炭素材料(II)の酸素還元活性の測定>
上記調製例2で得た全芳香族ポリアミド(II)のNMP溶液20質量部に、鉄フタロシアニン0.3質量部をNMP40質量部に超音波にて分散させた分散液を加え、70℃にて150分攪拌した。得られた混合液を大量のイオン交換水中に投入して組成物を析出させた。析出物を濾取し、水で2回及びメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(II)及び24質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(II)を得た。
上記で得た全芳香族ポリアミド組成物(II)につき、窒素雰囲気下、900℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(II−1)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(II−1)の酸素還元活性の測定結果を表1及び図1に示した。
十分に乾燥した攪拌装置付きの三口フラスコに、脱水精製したNMP250質量部及びm−フェニレンジアミン22質量部を常温下で仕込んで窒素中で溶解した後、これを氷冷して攪拌しながらイソフタル酸ジクロリド41.302質量部を添加した。その後徐々に昇温して最終的に60℃とし、120分反応させたところで水酸化カルシウム15.07質量部を添加して中和反応を行い、下記式(III)
得られた溶液の一部を大量のイオン交換水中に投入して全芳香族ポリアミド(III)を析出させた。この析出物を濾取し、水で2回及びメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(III)を単離した。この単離した全芳香族ポリアミド(III)の特有粘度(ηinh)を測定したところ、1.36であった。
<全芳香族ポリアミド(III)及び24質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(III)の調製、該全芳香族ポリアミド組成物(III)を用いた炭素材料(III−1)の調製及び炭素材料(III−1)の酸素還元活性の測定>
上記調製例4で得た全芳香族ポリアミド(III)のNMP溶液20質量部にNMP30質量部を加え希釈し、鉄フタロシアニン0.93質量部をNMP200質量部に超音波にて分散させた分散液を加え、60℃にて180分攪拌した。得られた混合液を大量のイオン交換水中に投入して組成物を析出させた。析出物を濾取し、水で2回およびメタノールで1回、順次に洗浄後、真空乾燥することにより、全芳香族ポリアミド(III)及び24質量%の鉄フタロシアニンからなる全芳香族ポリアミド組成物(III)を得た。
上記で得た全芳香族ポリアミド組成物(III)につき、窒素雰囲気下、900℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(III−1)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(III−1)の酸素還元活性の測定結果を表1に示した。
<全芳香族ポリアミド(I)を用いた炭素材料(I−3)の調製及び炭素材料(I−3)の酸素還元活性の測定>
上記調製例1で得た全芳香族ポリアミド(I)(単離したもの)を窒素雰囲気下、900℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(I−3)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(I−3)の酸素還元活性の測定結果を表1及び図1に示した。
比較例2
<全芳香族ポリアミド(II)を用いた炭素材料(II−2)の調製及び炭素材料(II−2)の酸素還元活性の測定>
上記調製例1で得た全芳香族ポリアミド(II)(単離したもの)を窒素雰囲気下、900℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(II−2)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(II−2)の酸素還元活性の測定結果を表1及び図1に示した。
<フェノール樹脂及び23.3質量%の鉄フタロシアニンからなるフェノール樹脂組成物(IV)の調製、該組成物(IV)を用いた炭素材料(IV)の調製及び炭素材料(IV)の酸素還元活性の測定>
フェノール樹脂3.3質量部をアセトン237質量部に溶解し、ここに1.0質量部の鉄フタロシアニンを加えた後にアセトンを減圧留去することにより、フェノール樹脂及び23.3質量%の鉄フタロシアニンからなるフェノール樹脂組成物を得た。
上記で得たフェノール樹脂組成物につき、窒素雰囲気下、800℃において60分焼成して炭素化処理した後、ボールミルを用いて粉砕することにより、炭素材料(IV)を得た。
上記炭素化処理の炭素化収率及び炭素材料(IV)の酸素還元活性の測定結果を表1に示した。
EX.1−2:実施例1−2にて得られた炭素材料(I−2)の電位(Potential)と電流密度(Current density)との関係を示すプロットである。
EX.2:実施例2にて得られた炭素材料(II−1)の電位(Potential)と電流密度(Current density)との関係を示すプロットである。
CE−1:比較例1にて得られた炭素材料(I−3)の電位(Potential)と電流密度(Current density)との関係を示すプロットである。
CE−2:比較例2にて得られた炭素材料(II−2)の電位(Potential)と電流密度(Current density)との関係を示すプロットである。
Claims (4)
- 下記一般式(1)
で表される繰り返し単位からなる全芳香族ポリアミド100質量部と、
下記一般式(2)
で表される金属フタロシアニン1〜150質量部と
からなる全芳香族ポリアミド組成物を、不活性ガス雰囲気下、500℃〜1,500℃において焼成して得られることを特徴とする炭素材料。 - 上記一般式(2)におけるMがFe2+である、請求項1又は2に記載の炭素材料。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の炭素材料を製造するための方法であって、
上記一般式(1)で表される繰り返し単位からなる全芳香族ポリアミド100質量部と、
上記一般式(2)で表される金属フタロシアニン1〜150質量部と
からなる全芳香族ポリアミド組成物を、不活性ガス雰囲気下、500℃〜1,500℃において焼成することを特徴とする、炭素材料の製造方法。
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