JP2002280019A - 燃料電池用イオン伝導性高分子膜およびそれを用いた燃料電池 - Google Patents

燃料電池用イオン伝導性高分子膜およびそれを用いた燃料電池

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JP2002280019A
JP2002280019A JP2001077307A JP2001077307A JP2002280019A JP 2002280019 A JP2002280019 A JP 2002280019A JP 2001077307 A JP2001077307 A JP 2001077307A JP 2001077307 A JP2001077307 A JP 2001077307A JP 2002280019 A JP2002280019 A JP 2002280019A
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Japan
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group
acid group
fuel cell
conductive polymer
polymer membrane
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Application number
JP2001077307A
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English (en)
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Satoko Fujiyama
聡子 藤山
Takashi Kuroki
貴志 黒木
Takehiko Onomi
毅彦 尾身
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた膜形成能と実用性のあるイオン
伝導性を有し、耐熱性にすぐれた燃料電池用高分子膜を
提供すること、およびこの高分子膜を使用した燃料電池
を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)で表わされる繰り返し
単位を含むプロトン酸基を含有したポリアミドよりなる
燃料電池用イオン伝導性高分子膜、およびこれを使用し
た燃料電池。 【化1】 (AおよびBは芳香族環から成る基、XおよびYは、ス
ルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、スルホンイミド
基から選ばれるプロトン酸基、aおよびbは0以上の整
数で、a+bは1以上。式中の水素はアルキル基、ハロ
ゲン化炭化水素基あるいはハロゲンで置換されていても
よい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池用イオン伝
導性高分子膜に関する。さらに詳しくはプロトン酸基を
持ったポリアミドからなる燃料電池用イオン伝導性高分
子膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題の点から新エネルギー蓄
電あるいは発電素子が社会で強く求められてきている。
燃料電池もその1つとして注目されており、低公害、高
効率という特徴から最も期待される発電素子である。燃
料電池とは、水素やメタノール等の燃料を酸素または空
気を用いて電気化学的に酸化することにより、燃料の化
学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すもの
である。
【0003】このような燃料電池は、用いる電解質の種
類によってりん酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型およ
び高分子電解質型に分類される。りん酸型燃料電池は、
すでに電力用に実用化されている。しかし、りん酸型燃
料電池は高温(200℃前後)で作用させる必要があ
り、そのため起動時間が長い、システムの小型化が困難
であること、またりん酸のプロトン伝導度が低いために
大きな電流を取り出せないという欠点を有していた。
【0004】これに対して、高分子型燃料電池は操作温
度が最高で約80〜100℃程度である。また、用いる
電解質膜を薄くすることによって燃料電池内の内部抵抗
を低減できるため高電流で操作でき、そのため小型化が
可能である。このような利点から高分子型燃料電池の研
究が盛んになってきている。
【0005】この高分子型燃料電池に用いる高分子電解
質膜には、燃料電池の電極反応に関与するプロトンにつ
いて高いイオン伝導性が要求される。このようなイオン
伝導性高分子電解質膜材料としては、超強酸基含有フッ
素系高分子が知られている。
【0006】しかし、これらの高分子電解質材料はフッ
素系の高分子であるために、非常に高価であるという問
題を抱えている。また、これらの高分子の持つガラス転
移温度が低いために、操作温度である100℃前後での
水分保持が十分でないために高いイオン伝導度を生かし
きれず、イオン伝導度が急激に低下し電池として作用で
きなくなるという問題があった。
【0007】イオン伝導性を持たせるためにポリマーに
カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などのイオンに
解離し得る基を持たせることは、特表平8―50429
3に記載されているが、ポリマー骨格やイオン伝導度に
ついては記載されていない。
【0008】また、スルホン酸基を含有するポリアミド
は、Ajit K. Chaudhuri(J.Polym.Sci)、 E. J. Vadenbe
rg(J.Polym.Sci)、J. C. Salamone(Polym.Prepr)、Y.
K. Dai(J.Polym.Sci)、Evan Y. Chu(J.Polym.Sci)、R.
Tirasirichai(Polym.Prepr)、巴川製紙所(JP274
5381)によって知られているが、これらには自立膜
形成能があることやイオン伝導性を示すことは示唆され
ていない。
【0009】本発明者らは、燃料電池用に適した高分子
膜として、すぐれたイオン伝導性および耐熱性を有する
高分子膜の開発を進めたところ本発明に到達した。本発
明者らは特定の構造を有する高分子膜が、すぐれた膜形
成能を有し、実用性のあるイオン伝導性と高い耐熱性を
有する燃料電池用高分子膜となることを見出したのであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、すぐ
れた膜形成能と実用性のあるイオン伝導性を有し、耐熱
性にすぐれた燃料電池用高分子膜を提供することにあ
る。また、本発明は、この高分子膜を使用した燃料電池
を提供することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表わされる繰り返し単位を含むプロトン酸基を
含有したポリアミドよりなる燃料電池用イオン伝導性高
分子膜を提供する。
【化8】 (式中AおよびBは芳香族環から成る基であり、Xおよ
びYは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、スルホ
ン酸基、カルボン酸基、リン酸基、スルホンイミド基か
ら選ばれるプロトン酸基を表し、aおよびbは0以上の
整数であり、a+bは1以上である。式中の水素はアル
キル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハロゲンで置換
されていてもよい。)
【0012】前記式(I)で表されるプロトン酸基を含
有したポリアミドが、下式(II)、(III)または(I
V)から選ばれた少なくとも一つの繰り返し単位を含む
ポリアミドであるイオン伝導性高分子膜は本発明の好ま
しい態様である。
【化9】 (XおよびYは、それぞれ同じでも異なっていてもよ
く、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、スルホン
イミド基から選ばれるプロトン酸基を表し、a’および
b’は1〜4の整数で、かつ1≦x+y≦8。また、式
中の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいは
ハロゲンで置換されていてもよい。)
【化10】 (XおよびYは上記と同じ、a’およびb’は1〜4の
整数で、かつ1≦a’+b’≦8。また、式中の水素は
アルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハロゲンで
置換されていてもよい。)
【化11】 (XおよびYは上記と同じ、a'、a''およびb’は1
〜4の整数で、かつ1≦a'+a''+b’≦12。式中
の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハ
ロゲンで置換されていてもよい。)
【0013】前記式(I)で表されるプロトン酸基を含
有したポリアミドが、下式(1)〜(3)から選ばれた
少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリアミドである
イオン伝導性高分子膜は、本発明の好ましい態様であ
る。
【0014】前記プロトン酸基を含有したポリアミド
が、前記した繰り返し単位を2種以上含む共重合体ある
いは複合体であるイオン伝導性高分子膜は、本発明の好
ましい態様である。
【0015】また、本発明は、前記したイオン伝導性高
分子体膜を用いた燃料電池を提供する。
【0016】
【発明実施の具体的形態】以下、本発明に係るイオン伝
導性高分子膜およびそれを用いた燃料電池について具体
的に説明する。本発明のイオン導電性高分子膜は、実用
性のある高いイオン伝導性を維持してかつ耐熱性に優れ
ている。本発明のイオン導電性高分子膜を用いて燃料電
池を形成すると、耐久性に優れた、低抵抗で高電流操作
可能な燃料電池を得ることができる。
【0017】本発明のイオン導電性高分子膜は、式
(I)で表わされるプロトン酸基を含有するポリアミド
である。
【化12】
【0018】前記式(I)中AおよびBは芳香族環から
成る基である。Aはフェニル基またはビフェニル基であ
ることが好ましい。Bはフェニル基であることが好まし
い。また、AおよびBのフェニル基およびビフェニル基
の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハ
ロゲンで置換されていてもよい。
【0019】XおよびYは、それぞれ同じでも異なって
いてもよく、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、
スルホンイミド基から選ばれるプロトン酸基を表し、中
でも好ましいのはスルホン酸基である。
【0020】aおよびbは0以上の整数であり、a+b
は1以上である。式中の水素はアルキル基、ハロゲン化
炭化水素基あるいはハロゲンで置換されていてもよい。
【0021】本発明の式(I)で表されるプロトン酸基
を含有するポリアミドの好ましいものとして、下式(I
I)、(III)または(IV)から選ばれた少なくとも一
つの繰り返し単位を含むポリアミドを挙げることができ
る。
【化13】 (XおよびYは、それぞれ同じでも異なっていてもよ
く、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、スルホン
イミド基から選ばれるプロトン酸基を表し、a’および
b’は1〜4の整数で、かつ1≦x+y≦8。また、式
中の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいは
ハロゲンで置換されていてもよい。)
【化14】 (XおよびYは上記と同じ、a’およびb’は1〜4の
整数で、かつ1≦a’+b’≦8。また、式中の水素は
アルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハロゲンで
置換されていてもよい。)
【化15】 (XおよびYは上記と同じ、a'、a''およびb’は1
〜4の整数で、かつ1≦a'+a''+b’≦12。式中
の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハ
ロゲンで置換されていてもよい。)
【0022】式(II)および(III)において、a'が
1である場合、特に好ましい化合物が提供される。ま
た、式(IV)で表わされる繰り返し単位において、
a'および/またはa''が1である場合、特に好ましい
化合物が提供される。
【0023】上記式(II)で表されるポリアミドとし
ては、例えば好ましい代表例として、Xがスルホン酸基
で、a'=1、b’=0である下記式(i)の化合物を
挙げることができる。だだし、上記式(II)で表され
るポリアミドはこれに限定されるものではない。
【0024】
【化16】
【0025】また、上記式(III)で表されるポリアミ
ドとしては、例えば好ましい代表例として、Xがスルホ
ン酸基で、a'=1、b’=0である下記式(ii)の化
合物を挙げることができる。だだし、上記式(III)で
表されるポリアミドはこれに限定されるものではない。
【0026】
【化17】
【0027】また、上記式(IV)で表されるポリアミ
ドとしては、例えば好ましい代表例として、Xがスルホ
ン酸基で、a'=1、a''=1、b’=0である下記式
(iii)の化合物を挙げることができる。だだし、上記
式(IV)で表されるポリアミドはこれに限定されるも
のではない。
【0028】
【化18】
【0029】本発明のプロトン酸基含有ポリアミドの具
体例としては、下式(1)〜(22)などが挙げられ
る。
【0030】
【化19】
【0031】
【化20】
【0032】
【化21】
【0033】本発明では上記化合物中、(1)、
(4)、(7)、(8)、(10)、(11)、(1
3)、(15)、(16)、(17)の化合物が好まし
く、(1)、(4)、(8)、(10)、(13)、
(16)がより好ましい。
【0034】本発明では、上記式(I)〜(IV)で表
されるポリアミドの分子量は、重量平均分子量で1,0
00〜100万が好ましく、特には1万〜50万が好ま
しい。
【0035】本発明のプロトン酸基含有ポリアミドは、
前記(I)〜(IV)または(i)〜(iii)に示した
繰り返し単位を2種以上含む共重合体あるいは複合体で
あってもよい。その場合、これら繰り返し単位が30モ
ル%以上、好ましくは50モル%以上含むポリアミドで
あることが望ましい。
【0036】本発明のプロトン酸基含有ポリアミドは、
以下のようにして合成できるが、これらの方法や条件に
限定されるものではない。
【0037】ジアミン化合物とクロロホルミル化合物と
を重縮合する方法として窒素雰囲気下のフラスコにプロ
トン酸基を含有したジアミン化合物、塩化リチウム、例
えばジメチルアセトアミドなどの溶媒を入れ、100℃
程度に加熱してジアミン化合物および塩化リチウムを溶
解させる。その後フラスコを冷却し、攪拌しながらジク
ロロホルミル化合物の溶媒溶液を滴下し加え室温で1晩
反応させる。反応液をメタノールあるいは水などに排出
し、ろ過、乾燥を行い、目的物であるポリアミドを得る
(E. J. Vandenbergらの文献、Journal of Polymer Sci
ence: Part A:Polymer Chemistry, Vol. 27, 1989, J.
C. Salamoneらの文献、Polym. Prepr.,30(1), 1989な
ど)。
【0038】ここで用いる溶媒は特に限定されないが、
スルホン酸基を含有するジアミン化合物が溶解する溶媒
が好ましく、ジメチルアセトアミドやジメチルスルホキ
シドが一般に用いられる。また、反応溶液の濃度、反応
時間などは使用する原料によって異なるが、一般的には
5wt%〜80wt%濃度で、30分〜50時間反応さ
せれば十分である。また、ピリジンなどを加えジアミン
化合物のプロトン酸基と塩を形成させておくと重合度が
向上することが知られている(E. J. Vandenbergらの文
献、Journal of Polymer Science: Part A:Polymer Che
mistry, Vol. 27, 1989)が、γ―ピコリンなどのピリ
ジン誘導体やその他のプロトン酸と塩を形成する化合物
を使用することもできる。
【0039】また、特許第2745381号(巴川製紙
所)記載のような以下の方法でも合成することができ
る。すなわち、亜りん酸エステルとピリジンまたはその
誘導体の存在下においてジアミン化合物とジスルホン酸
化合物を重縮合させる方法で、このときジアミン化合物
あるいはジスルホン酸化合物のいずれかにプロトン酸基
が含まれている。
【0040】前記のようなプロトン酸基を持つ化合物か
ら合成する方法の他に、ポリアミドを合成した後に例え
ば発煙硫酸などでスルホン酸基を導入しても良い。
【0041】本発明のプロトン酸基含有のポリアミド
は、一種で使用しても、複数種を共重合して使用しても
良い。また、他のポリマーとの共重合体として使用する
ことも可能である。共重合するポリマーは特に限定され
ないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリト
リフルオロエチレん、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなどが挙げられる。
これらのポリマーがプロトン酸基を有していることがよ
り好ましい。これらのポリマーと共重合させるさい、本
発明のプロトン酸含有のポリアミドは30%モル以上含
まれることが好ましく、50%モル以上がより好まし
い。本発明のプロトン酸含有ポリアミドが少な過ぎると
イオン伝導度を十分に発揮できない。また、本発明のプ
ロトン酸含有ポリアミドは親水性が高いため、他のポリ
マーと共重合させると高温での耐水性が高くなる傾向に
ある。
【0042】さらに本発明のプロトン酸基含有のポリア
ミドは、合成した後に複数種を混合して複合体として用
いることもできる。また、他のポリマーとの複合も可能
である。この場合、本発明のプロトン酸含有のポリアミ
ドは30モル%以上含まれることが好ましく、50モル
%以上がより好ましい。
【0043】このようなプロトン酸基含有ポリアミド
は、耐熱性に優れ、かつ化学的に安定で通常の保存状態
で劣化することもない。さらにこのようなプロトン酸基
含有ポリアミドは物理的にも強度が高いという特性を有
している。
【0044】そのため、本発明のポリアミドはイオン伝
導性高分子膜として十分な膜強度と優れた性能を示す。
ここでいう十分な膜強度とは支持体なしで自立膜を形成
できることであり、イオン伝導とは、電場下で電荷が移
動して電流が流れる現象(「化学大辞典」東京化学同人
社刊)であり、イオン伝導性高分子膜とはそのような性
質を示す高分子膜のことを意味している。
【0045】本発明のポリアミドを膜状の電解質として
用いる場合、膜の製造方法としてはポリアミドを有機溶
剤に溶解させた後、ガラスプレート上に塗布して、脱溶
媒して膜を得る方法、あるいは直接加熱・加圧すること
により膜を得る方法などが挙げられる。ここで用いられ
る有機溶剤は特に限定されるものではない。
【0046】また、本発明のポリアミド膜は電極との一
体膜として作製することも出来る。例えば本発明のポリ
アミドから得られた膜と本発明のポリアミド溶液と電極
剤を混合した溶液から得られる電極膜の間に少量の本発
明のポリアミド溶液を薄く塗り張り合わせ、溶媒を蒸発
させることで接着して得ることが出来る。このような電
極と一体化した膜は、電極と電解質であるイオン伝導度
膜間の界面抵抗を小さくできるため、燃料電池に用いた
場合に低抵抗な電池を提供しうる。このとき用いられる
溶媒としては、本発明のプロトン酸基を含有するポリア
ミドが溶解するものならば特に制限はなく、好ましいも
のとしてジメチルアセトアミドやジメチルスルホキシド
などが挙げられる。
【0047】本発明に係る燃料電池は、プロトン酸基を
含有するポリアミドを電解質や電極の結着剤に使用して
いるため、耐久性に優れた、低抵抗で高電流操作可能な
燃料電池を得ることができる。
【0048】次に燃料電池について具体的に説明する。
本発明に係る燃料電池は、イオン伝導性を有する高分子
膜として、前記した本発明のプロトン酸含有ポリアミド
が用いられたものである。
【0049】燃料電池はイオン伝導性を有する高分子膜
とこの両側に接触して配置される正極および負極から構
成される。燃料の水素は負極において電気化学的に酸化
されて、プロトンと電子を生成する。このプロトンは高
分子電解質膜内を酸素が供給される正極に移動する。一
方、負極で生成した電子は電池に接続された負荷を通
り、正極に流れ、正極においてプロトンと酸素と電子が
反応して水を生成する。
【0050】前記燃料電池を構成する電極は、導電材、
結着剤および触媒から成っている。導電材としては、電
気伝導性物質であればいずれのものでもよく、各種金属
や炭素材料などが挙げられる。例えばアセチレンブラッ
ク等のカーボンブラック、活性炭および黒鉛等が挙げら
れ、これらが単独あるいは混合して使用される。
【0051】結着剤としては、本発明のプロトン酸含有
ポリアミドを用いるのが好ましいが、他の各種樹脂を用
いることもできる。その場合、各種樹脂は撥水性を有す
るフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂の中でも融点が4
00℃以下のものがより好ましく、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン、テロラフルオロエチレンーパーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げられる。
【0052】触媒金属としては、水素の酸化反応および
酸素の還元反応を促進する金属であれば特には限定され
ないが、例えば鉛、鉄、マンガン、コバルト、クロム、
ガリウム、バナジウム、タングステン、ルテニウム、イ
リジウム、パラジウム、白金、ロジウムまたはそれらの
合金が挙げられる。
【0053】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によ
り何等限定されるものではない。なお、物性測定の条件
は次の通りである。
【0054】イオン伝導度:直径5mmの対抗する一対
の白金電極にはさんで、交流インピーダンス法で測定し
た。装置はLCRメーター(HewlettPacka
rd社製4285A)を使用した。測定は、温度30
℃、蒸留水の蒸気による過湿条件下で行った。
【0055】ガラス転移温度(Tg):示差走査熱量測
定(DSC、PerkinElmer社製Pyris1
DSC)により、昇温速度10℃/minで30〜40
0℃の温度範囲でおよび熱機械測定(TMA、MacS
cience社製TMA4000S)により昇温速度5
℃/minで30〜500℃の温度範囲で測定した。
【0056】(実施例1)フラスコに2、5―ジアミノ
ベンゼンスルホン酸(2、5―DABSA)10g
(0.053mol)、ジメチルアセトアミド180m
l、塩化リチウム4.7g(0.11mol)、ピリジ
ン12.6g(0.159mol)を混合し、窒素雰囲
気下で100℃に加熱し溶解させた。その後約―5℃に
冷却し、テレフタル酸クロライド(TPC)10.8g
(0.053mol)を60mlのジメチルアセトアミ
ドに溶解した溶液を少量ずつ加え、室温で一晩反応させ
た。反応終了後、メタノールに排出し、ろ過後、真空乾
燥し、本発明のプロトン酸基含有のポリアミドを得た。
得られた粉末ポリマーをジメチルアセトアミドに溶解さ
せ、ガラス基板上にキャストし、230℃で乾燥させポ
リアミド膜を得た。得られた膜は可とう性に富み、強靭
であった。この膜について、前記記載の方法でイオン伝
導度およびTgを測定した。結果を表1に示す。
【0057】(実施例2)2、5―ジアミノベンゼンス
ルホン酸のかわりに2、4―ジアミノベンゼンスルホン
酸(2、4―DABSA)を用いた他は実施例1と同様
にしてポリアミドを合成し、膜を得た。得られた膜は可
とう性に富み、強靭であった。得られた膜を使用して実
施例1と同様にしてイオン伝導度およびTgを測定し
た。結果を表1に示す。
【0058】(実施例3)テレフタル酸クロライドのか
わりにイソフタル酸クロライド(IPC)を用いた他は
実施例2と同様にしてポリアミドを合成し、膜を得た。
得られた膜は可とう性に富み、強靭であった。得られた
膜について実施例1と同様にしてイオン伝導度およびT
gを測定した。結果を表1に示す。
【0059】(実施例4)フラスコに2、2‘−ベンジ
ジンジスルホン酸(DBSA)10g(0.053mo
l)、ジメチルアセトアミド180ml、塩化リチウム
9.4g(0.22mol)、ピリジン25.2g
(0.318mol)を混合し、窒素雰囲気下で100
℃に加熱し溶解させた。その後約―5℃に冷却し、テレ
フタル酸クロライド(TPC)10.8g(0.053
mol)を60mlのジメチルアセトアミドに溶解した
溶液を少量ずつ加え、室温で一晩反応させた。反応終了
後、実施例1と同様にしてポリアミド膜を得た。得られ
た膜は可撓性に富み、強靭であった。得られた膜につい
て同様にしてイオン伝導度およびTgを測定した。結果
を表1に示す。
【0060】(比較例1)超強酸基含有フッ素系高分子
膜(NafionTM117)を用いて、実施例1と同
様にしてイオン伝導度およびTgを測定した。結果を表
1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1において、実施例1〜4は比較例1に
比べてイオン伝導度が同等あるいはやや低いが、実用上
性のある高い値を示しており、かつTgが高いことから
耐熱性は大きく向上していることが分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明により、実用性のある高いイオン
伝導性を有し、耐熱性にすぐれた高分子電解質膜が提供
される。本発明によれば、またこのすぐれた高分子電解
質膜を使用することにより、耐久性に優れた、低抵抗で
高電流操作可能な燃料電池が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B01J 39/18 B01J 39/18 47/12 47/12 C C08L 77:10 C08L 77:10 (72)発明者 尾身 毅彦 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 玉井 正司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA56 AH12 FA05 FA06 FA07 FB01 FC01 FD02 4J001 DA01 DB01 DD07 DD18 DD20 EB36 EB37 EC25 EC33 EC37 EC45 EC46 EC54 EE06F EE53F FA01 FB03 FC03 FD01 GA13 JA07 5H026 AA06 CX05 HH00 HH05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる繰り返し単
    位を含むプロトン酸基を含有したポリアミドよりなる燃
    料電池用イオン伝導性高分子膜。 【化1】 (式中AおよびBは芳香族環から成る基であり、Xおよ
    びYは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、スルホ
    ン酸基、カルボン酸基、リン酸基、スルホンイミド基か
    ら選ばれるプロトン酸基を表し、aおよびbは0以上の
    整数であり、a+bは1以上である。式中の水素はアル
    キル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハロゲンで置換
    されていてもよい。)
  2. 【請求項2】前記プロトン酸基を含有したポリアミド
    が、下式(II)、(III)または(IV)から選ばれた
    少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリアミドである
    ことを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性高分子
    膜。 【化2】 (XおよびYは、それぞれ同じでも異なっていてもよ
    く、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、スルホン
    イミド基から選ばれるプロトン酸基を表し、a’および
    b’は1〜4の整数で、かつ1≦x+y≦8。また、式
    中の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいは
    ハロゲンで置換されていてもよい。) 【化3】 (XおよびYは上記と同じ、a’およびb’は1〜4の
    整数で、かつ1≦a’+b’≦8。また、式中の水素は
    アルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハロゲンで
    置換されていてもよい。) 【化4】 (XおよびYは上記と同じ、a'、a''およびb’は1
    〜4の整数で、かつ1≦a'+a''+b’≦12。式中
    の水素はアルキル基、ハロゲン化炭化水素基あるいはハ
    ロゲンで置換されていてもよい。)
  3. 【請求項3】前記式(I)〜(IV)で表される繰り返
    し単位中、X、YおよびZがスルホン酸基であることを
    特徴とする請求項1または2記載のイオン伝導性高分子
    膜。
  4. 【請求項4】前記式(I)〜(IV)で表わされる繰り
    返し単位中、a'および/またはa''が1であることを
    特徴とする請求項1〜3記載のイオン伝導性高分子膜。
  5. 【請求項5】前記式(I)で表されるプロトン酸基を含
    有したポリアミドが、下式(i)〜(iii)から選ばれ
    た少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリアミドであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性高分
    子膜。 【化5】 【化6】 【化7】
  6. 【請求項6】前記プロトン酸基を含有したポリアミド
    が、請求項1〜5に記載した繰り返し単位を2種以上含
    む共重合体あるいは複合体であることを特徴とする請求
    項1〜5記載のイオン伝導性高分子膜。
  7. 【請求項7】前記プロトン酸基を含有したポリアミド
    が、請求項1〜5に記載の繰り返し単位を50モル%以
    上含むポリアミドであることを特徴とする請求項1〜6
    記載のイオン伝導性高分子膜。
  8. 【請求項8】請求項1〜7に記載のいずれかに記載のイ
    オン伝導性高分子体膜を用いた燃料電池。
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