JP2007198409A - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者が自動変速力の介入自体を嫌う傾向にある状況においては、自動減速力の介入をなるべく避けることが可能となる車両用駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段(S50)と、運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段(S60)と、運転者の運転指向を検出する手段(S30)とを備え、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合(S30−N)と、前記スポーツ走行指向ではない場合(S30−Y)とでは、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が異なるものに設定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用駆動力制御装置に関し、特に、車両の走行環境パラメータ(車両前方のコーナー、登降坂、前方の車両との車間距離を含む)に基づいて、車両の駆動力を制御する車両用駆動力制御装置に関する。
車両の走行環境パラメータに基づいて、自動減速力を付与して車両の駆動力を制御する車両用駆動力制御装置が知られている。この装置において、自動減速力の目標値(目標減速度)に運転者の運転指向を反映させることが知られている。例えば、特開2001−235026号公報(特許文献1)には、コーナー走行時にスポーツモードでは低速段側の変速段を選択することが開示されている。
特開2001−235026号公報 特開平9−303544号公報 特開2000−145937号公報 特開平10−269499号公報
運転指向を含む運転者の状態や走行環境によっては、運転者は車両用駆動力制御装置によって自動減速力が付与されること自体を嫌う傾向も少なくない。このような場合には、自動減速力の介入をなるべく避けることが望まれる。
ここで、上記のような場合には、自動減速力の介入(付与)を全く排除する、即ち、減速は運転者のブレーキ操作に全て任せることも考えられる。しかしながら、その後、車両を加速させるときに、変速段が高速段であって運転者のブレーキ操作による減速によって車速が低い場合には、エンジン回転数が低くなり、アクセルの踏込みに対して応答性の良い力強い加速ができない。
また、運転者がブレーキを操作したときに、運転者自身のブレーキ操作量に対応して発生する減速力以外の減速力及びその変動が生じることを嫌う傾向も少なくない。
本発明の目的は、運転者が自動変速力の介入自体を嫌う傾向にある状況においては、自動減速力の介入をなるべく避けることが可能となる車両用駆動力制御装置を提供することである。
本発明の他の目的は、車両を加速させるときにアクセルの踏込みに対して応答性の良い加速を得ることが可能な車両用駆動力制御装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、運転者がブレーキを操作したときに、運転者自身のブレーキ操作量に対応して発生する減速力以外の減速力及びその変動が生じることを嫌う傾向にある状況においては、運転者自身のブレーキ操作量に対応して発生する減速力以外の減速力及びその変動が生じることを抑制することが可能な車両用駆動力制御装置を提供することである。
本発明の車両用駆動力制御装置は、車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段と、運転者の運転指向を検出する手段とを備え、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合と、前記スポーツ走行指向ではない場合とでは、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が異なるものに設定される。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合には、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が、運転者によるブレーキ操作に切り替えられる。
本発明の車両用駆動力制御装置において、更に、前記低速段側の変速段への変速が実行されているときに、通常の変速に比べて変速時間を短くする、又はドライブシャフトのトルク変動を小さくする制御手段を備えている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記制御手段は、変速段を形成するための摩擦係合装置の油圧を通常時に比べて低い値に設定することと、エンジントルクを上昇させることの少なくともいずれか一方を実行する。
本発明の車両用駆動力制御装置は、車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段と、運転者の運転指向を検出する手段とを備え、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合と、前記スポーツ走行指向ではない場合とでは、前記低速段側の変速段を異なるパラメータに基づいて設定することを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向ではない場合の前記パラメータは、車両が前記走行環境パラメータを走行する上で必要とされる必要減速度であり、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合の前記パラメータは、車速であることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置は、車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段とを備え、前記トリガー条件は、複数種類用意されており、運転者の状況、走行環境及び運転者のマニュアル操作の少なくともいずれか一方に基づいて、前記トリガー条件を切り替える。
本発明の車両用駆動力制御装置は、車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段と、運転者の運転指向を検出する手段と、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合には、前記スポーツ走行指向ではない場合に比べて、前記低速段側の変速段への変速が実行されているときに、通常の変速に比べて変速時間を短くする、又はドライブシャフトのトルク変動を小さくする制御手段とを備えている。
本発明の車両用駆動力制御装置によれば、運転者が自動変速力の介入自体を嫌う傾向にある状況においては、自動減速力の介入をなるべく避けることが可能となる。
以下、本発明の車両用駆動力制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図9を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、運転者の減速意図が検出されたときに車両の走行環境パラメータに基づいて、減速装置により自動減速力を発生させる車両用駆動力制御装置に関する。本実施形態において、車両の走行環境パラメータは、車両の前方のコーナーであり、減速装置は、変速機である。
本実施形態は、車両の走行環境パラメータ(例えばコーナー)に基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段(後述する図1のステップS50)と、運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段(ステップS60)と、運転者の運転指向を検出する手段(ステップS30)とを備え、前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合(ステップS30−N)と、前記スポーツ走行指向ではない場合(ステップS30−Y)とでは、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が異なるものに設定される。
前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合(ステップS30−N)には、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が、運転者によるブレーキ操作(ステップS45)に切り替えられる。
本実施形態では、更に、前記低速段側の変速段への変速(ステップS60)が実行されているときに、通常の変速に比べて変速時間を短くする(ステップS100)、又はドライブシャフトのトルク変動を小さくする(ステップS75)制御手段を備えている。前記制御手段は、変速段を形成するための摩擦係合装置の油圧を通常時に比べて低い値に設定すること(ステップS75)と、エンジントルクを上昇させること(ステップS100)の少なくともいずれか一方を実行する。
本実施形態の構成としては、以下に詳述するように、車両前方の道路形状情報(コーナーR、自車からコーナーまでの距離)を検出する手段と、自車の減速度を制御可能な自動変速機などの減速装置と、運転者が運転に対して集中状態(又は覚醒状態、以下同じ)にあるか否かを検出する手段と、運転者の運転指向を検出又は推定する手段と、エンジントルクを上昇させる手段とを備えている。
図2において、符号10は有段の自動変速機、40はエンジン、200はブレーキ装置である。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。カメラ113は、車両内の運転者を撮像する。
ナビゲーションシステム装置95は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、ナビゲーションシステム装置95からの信号を入力し、カメラ113による撮像結果を示す信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、ナビゲーションシステム装置95からの信号、カメラ113からの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138c、及びブレーキ制御回路230へのブレーキ制動力信号線L1が接続されている。ブレーキ制動力信号線L1では、ブレーキ制動力信号SG1が伝達される。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。ここで、道路勾配計測・推定部118による道路勾配の計測・推定の具体的方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。例えば、道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。さらに、道路勾配計測・推定部118は、上記ナビ情報から道路勾配の情報を入手するものであることができる。
運転指向推定部115は、CPU131の一部として設けられることができる。運転指向推定部115は、運転者の運転状態及び車両の走行状態に基づいて、運転者の運転指向(スポーツ走行指向か通常走行指向)を推定する。運転指向推定部115の詳細については更に後述する。なお、運転指向推定部115の構成については、後述する内容に限定されず、運転者の運転指向を推定するものであれば、公知の様々な構成のものを広く含む。ここで、スポーツ走行指向とは、動力性能を重視した指向、加速指向ないしは運転者の操作に対する車両の反応が迅速なスポーツ走行を好むことを意味する。
集中度検出部119は、CPU131の一部として設けられることができる。集中度検出部119は、運転者が運転に対して集中状態にあるか否かを検出する。集中度検出部119は、例えば、カメラ113により撮像された運転者の画像に基づいて、運転者が脇見をしていないときに運転者は運転に対して集中している状態であると判断することができる。なお、運転者が運転に対して集中状態にあるか否かの検出・推定方法については、上記方法に限定されず、公知の各種方法を採用することが可能である。
ROM133には、予め図1のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が記述されたプログラム及び各種マップが格納されているとともに、変速制御の動作(図示せず)が格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
次に、運転指向推定部115の詳細について説明する。
運転指向推定部115は、複数種類の運転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力に基づいて車両の運転指向を推定する。
例えば図7に示すように、運転指向推定部115は、信号読込手段96と、前処理手段98と、運転指向推定手段100とを備えている。信号読込手段96は、前記各センサ・検出部90、111、112、113、114、116、122、123などからの検出信号を比較的短い所定の周期で読み込む。信号読込手段96により読み込まれた検出信号は、前処理手段98に出力される。
前処理手段98は、信号読込手段96により逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変数、すなわち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル操作量)すなわち車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時の出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST、車速一定走行時間TVCONST、所定区間内において各センサから入力された信号の区間最大値、運転開始以後における最大車速Vmax、車両の加速度項(加速度入力項)、車両の減速度項(減速度入力項)などをそれぞれ算出する運転操作関連変数算出手段である。運転指向推定手段100は、前処理手段98により運転操作関連変数が算出される毎にその運転操作関連変数が許可されて運転指向推定演算を行うニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力である運転指向推定値を出力する。
図7の前処理手段98には、車両発進時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAXを算出する加速操作時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算出手段98c、車両の惰行走行時間TCOASTを算出する惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間TVCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、例えば3秒程度の所定区間内における各センサからの入力信号のうちの最大値を周期的に算出する入力信号区間最大値算出手段98f、運転開始以後における最大車速Vmaxを算出する最大車速算出手段98g、車両の加速度項を算出する加速度入力項算出手段98h、車両の減速度項を算出する減速度入力項算出手段98iなどがそれぞれ備えられている。
上記入力信号区間最大値算出手段98fにおいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値としては、スロットル弁開度TAmaxt、車速Vmaxt、エンジン回転速度NEmaxtが用いられる。
図7の運転指向推定手段100に備えられたニューラルネットワークNNは、コンピュータプログラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化して構成され得るものであり、例えば図7の運転指向推定手段100のブロック内に例示されるように構成される。
図7において、ニューラルネットワークNNは、r個の神経細胞要素(ニューロン)Xi(X1〜Xr)から構成された入力層と、s個の神経細胞要素Yj(Y1〜Ys)から構成された中間層と、t個の神経細胞要素Zk(Z1〜Zt)から構成された出力層とから構成された3層構造の階層型である。そして、上記入力層から出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達するために、結合係数(重み)WXijを有して上記r個の神経細胞要素Xiとs個の神経細胞要素Yjとをそれぞれ結合する伝達要素DXijと、結合係数(重み)WYjkを有してs個の神経細胞要素Yjとt個の神経細胞要素Zkとをそれぞれ結合する伝達要素DYjkが設けられている。
上記ニューラルネットワークNNは、その結合係数(重み)WXij、結合係数(重み)WYjkを所謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられたパターン連想型のシステムである。その学習は、前記運転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験によって予め完了させられているので、車両組み立て時では、上記結合係数(重み)WXij、結合係数(重み)WYjkは固定値が与えられている。
上記の学習に際しては、複数の運転者についてそれぞれスポーツ走行指向、通常走行(ノーマル)指向の運転が例えば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から1までの値に数値化し、例えば通常走行指向を0、スポーツ走行指向を1とする。また、上記入力信号は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値に正規化して用いられる(本実施形態では、0から1までの間の値に正規化して用いられるとする)。
ブレーキ装置200は、制御回路130からブレーキ制動力信号SG1を入力するブレーキ制御回路230によって制御されて、車両を制動する。ブレーキ装置200は、油圧制御回路220と、車両の車輪204、205、206、207に各々設けられる制動装置208、209、210、211とを備えている。各制動装置208、209、210、211は、油圧制御回路220によって制動油圧が制御されることにより、対応する車輪204、205、206、207の制動力を制御する。油圧制御回路220は、ブレーキ制御回路230により、制御される。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、各制動装置208、209、210、211に供給する制動油圧を制御することで、ブレーキ制御を行う。ブレーキ制御信号SG2は、ブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御回路230により生成される。ブレーキ制動力信号SG1は、自動変速機10の制御回路130から出力され、ブレーキ制御回路230に入力される。ブレーキ制御の際に車両に与えられるブレーキ力は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいてブレーキ制御回路230により生成される、ブレーキ制御信号SG2によって定められる。
ブレーキ制御回路230は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU231、RAM232、ROM233、入力ポート234、出力ポート235、及びコモンバス236を備えている。出力ポート235には、油圧制御回路220が接続されている。ROM233には、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成する際の動作が格納されている。ブレーキ制御回路230は、入力した各制御条件に基づいて、ブレーキ装置200の制御(ブレーキ制御)を行う。
次に、図1を参照して、第1実施形態の動作について説明する。
[ステップS10]
ステップS10では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態(全閉)か否かが判定される。ステップS10の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップS20に進む。アクセルが全閉である場合(ステップS10−Y)に、運転者に減速の意図があると判断されて、本実施形態の減速制御が行われる。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、ステップS170に進む。本例では、図示はしないが、図9の符号Aよりも前の時点にてアクセル開度がゼロ(全閉)とされている。
[ステップS20]
ステップS20では、制御回路130により、フラグFがチェックされる。その結果、フラグFが0であればステップS30に進み、フラグFが1であればステップS130に進み、フラグFが2であればステップS75に進む。本制御フローが実行されたときに、最初は、フラグFが0であるので、ステップS30に進む。
[ステップS30]
ステップS30では、制御回路130の運転指向推定部115により、運転者の運転指向が推定される。その結果、通常走行(ノーマル)指向であると判定された場合にはステップS50に進み、そうでない場合、即ちスポーツ走行指向である場合にはステップS40に進む。なお、本実施形態では、運転者の運転指向は、運転指向推定部115(ニューラルネットワークNN)により推定されたが、これに代えて、運転者が自ら操作するスイッチ(図示せず)等の操作手段を介して自分の運転指向を制御回路130に入力してもよい。
[ステップS40]
ステップS40では、制御回路130の集中度検出部119により、運転者が運転に対して集中状態にあるか否かが検出される。その結果、運転者が運転に対して集中状態にあると判断された場合には、ステップS45に進み、そうでない場合にはステップS50に進み、従来と同様の制御が行われる。
[ステップS45]
ステップS45では、制御回路130により、フットブレーキスイッチがONであるか否かが判断される。即ち、運転者がフットブレーキを踏んでいる場合か否かが判定される。その結果、フットブレーキスイッチがONである場合には、ステップS50に進み、そうでない場合には本制御フローはリターンされる。即ち、運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合(ステップS30−N)には、アクセルオフ(ステップS10−Y)かつブレーキオン(ステップS45−Y)でないと自動減速力を付与する制御(ステップS60)を行わない。
本例では、図9の符号501に示すように、Aの時点にてフットブレーキスイッチがONとされている。これにより、A時点からブレーキ制動力502が上昇し始める。
[ステップS50]
ステップS50では、制御回路130により、車両前方のコーナーに対応した減速制御(コーナー制御)の要否が判定される。その判定の結果、コーナー制御が必要と判定された場合(ステップS50−Y)には、ステップS55に進み、一方、コーナー制御が必要と判定されない場合(ステップS50−N)には、本制御フローはリターンされる。このステップS50については、図3から図6を参照して、説明する。
図3には、制御実施境界線Lc、必要減速度401、目標旋回車速Vreq、道路形状上面視、アクセルがOFF(アクセル開度が全閉)とされた地点P1〜P3、旋回判定が行われた地点が示されている。
図3において、縦軸は車速、横軸は距離を示しており、車両の先方のコーナー402は、地点bから地点dに存在している。従来は、例えば制御実施境界線Lcに基づいて、コーナー制御の要否が判定されていた。その判定では、図3において、現在の車速とコーナー402の入口bまでの距離との関係で、運転者の減速意図が検出された地点が、制御実施境界線Lcよりも上方に位置すれば、コーナー制御が必要と判定され、制御実施境界線Lcよりも下方に位置すれば、コーナー制御は不要と判定される。
コーナー402を予め設定された目標横G(目標横加速度)で旋回するために、コーナー402の入口bから所定量手前にオフセットされた地点aにおいて、コーナー402の半径(又は曲率)R405に対応した、目標旋回車速Vreqにまで減速されている必要がある。上記において、目標横Gとは、車両がコーナー402を旋回するに当たってどの位の横Gで旋回すべきかを示す目標値であって、予め設定された0.3〜0.4Gの値である。
目標旋回車速Vreq[m/s]は下記式1により求められる。
Figure 2007198409
符号401−1は、図3において、車速及びコーナー402までの距離が符号P1の位置にあるときの必要減速度を示し、符号401−2は、車速及びコーナー402までの距離が符号P2の位置にあるときの必要減速度を示している。必要減速度401は、現在の車速がVである車両がコーナー402の入口bの手前の地点a(地点aよりもコーナー402側で運転者の減速意図が検出された場合には入口b、以下同様)において目標旋回車速Vreqになるために必要な減速度(必要減速度:コーナー制御において車両に作用させるべき目標減速度)を示している。
必要減速度401をGreqxとすると、下記式2により求められる。
Figure 2007198409
制御実施境界線Lcは、現在の車速とコーナー402の入口bの手前の地点a(又は入口b)までの距離との関係で、必要減速度401が、予め設定された通常制動による減速度を超える値となる範囲に対応した線である。換言すれば、制御実施境界線Lcは、必要減速度401として、予め設定された通常制動による減速度を超えた減速度が車両に作用しない限り、コーナー402の入口bの手前の地点a(又は入口b)において目標旋回車速Vreqに到達できない(コーナー402を目標横Gで旋回できない)範囲に対応した線である。即ち、制御実施境界線Lcよりも上方に位置する場合には、コーナー402の入口bの手前の地点a(又は入口b)において目標旋回車速Vreqに到達するためには、予め設定された通常制動による減速度を超えた減速度が車両に作用することが必要である。
そこで、運転者の減速意図が検出された地点が、制御実施境界線Lcよりも上方に位置する場合には、コーナー制御が実行されて、減速度の増大によって、運転者によるブレーキの操作量がなくても、ないしは操作量が相対的に小さくても(フットブレーキを少ししか踏まなくても)、コーナー402の入口bの手前の地点a(又は入口b)において目標旋回車速Vreqに到達できるようにしている。
図4は、車両の現在位置からコーナー402の入口bの手前の地点a(又は入口b)までの距離Lと、上記数2に従って求めた必要減速度Greqxとの関係を示している。上記数2によれば、距離Lの項が分母にあることから、たとえ現在の車速Vが目標旋回車速Vreqを僅かにオーバーしているに過ぎない場合であっても、図4に示すように、距離Lが小さいと、必要減速度Greqxは無限大に近づく。そのため、距離Lが小さい領域では、必要減速度Greqxは、必ず、予め設定された通常制動による減速度を超える値となるため、制御実施境界線Lcよりも上方に位置することになる。
このように、必要減速度Greqxが上記傾向を持つことから、距離Lが小さい領域では、運転者の減速意図が検出された地点の車速が、目標旋回車速Vreqを僅かに上回るに過ぎない場合であっても、必ず、制御実施境界線Lcよりも上方に位置することになり、コーナー制御が実施される。しかし、実際には、車速が目標旋回車速Vreqを僅かに上回るに過ぎない場合には、コーナー制御は不要であり、コーナー制御が行なわれると、運転者に違和感を与える。
上記のように、距離Lが小さい領域では、車速が目標旋回車速Vreqを僅かに上回るに過ぎない(従って、減速をそれほど必要としない)場合(例えば図3の符号P3の点)であっても、運転者がアクセルを戻せば(運転者の減速意図が検出されて)、コーナー制御が行われると不都合が生じる場合がある。この場合、特に、コーナー制御が変速機のダウンシフトにより行なわれる場合には、運転者のアクセルOFFによりダウンシフト指令が出力された時点から、実際に変速が開始されるまで応答遅れがあることから、コーナー402に進入してから(地点bを過ぎて旋回が始まってから)、変速が開始される可能性が高い。これは、摩擦係数μが低い路面等での車両安定性の面で好ましくない。
図4に示すように、距離Lが相対的に大きい領域では、必要減速度Greqxは本来必要とされる値に対して過大とならないため、その必要減速度Greqxに対応して設定された制御実施境界線Lcに基づいて、コーナー制御の要否が判定されることに問題がないのに対して、距離Lが小さい領域では、必要減速度Greqxは本来必要とされる値よりも過大な値となるため、その必要減速度Greqxに対応して設定された制御実施境界線Lcに基づいて、コーナー制御の要否が判定されることは好ましくないことがわかる。
即ち、常に上記数2に従って求めた必要減速度Greqxのみに対応して設定された制御実施境界線Lcに基づいて、コーナー制御の要否が判定されることは適当ではなく、距離Lが相対的に小さい領域では、制御実施境界線Lcが補正される必要がある。また、従来は、コーナー制御の要否を決める基準として、上記数2に従って求められる必要減速度Greqxに対応して設定された制御実施境界線Lc以外のものが使用されることもあったが、その基準においても、上記制御実施境界線Lc(必要減速度Greqx)と同様に、距離Lが小さい領域では、本来コーナー制御が不要であるにもかかわらず、コーナー制御が必要であるとの判定がなされ易いものであった。
図5は、第1実施形態の作用を説明するための図である。
図5において、上記図3と共通する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態では、上記の制御実施境界線Lcに加えて、付加制御実施境界線Ldが追加されている。付加制御実施境界線Ldは、目標旋回車速Vreqよりも高く、コーナー402からの距離Lに概ね依存しないように設定される。即ち、付加制御実施境界線Ldは、コーナー402からの距離Lの変化とは関係無く、概ね一定の値であるように設定される。この場合、付加制御実施境界線Ldは、コーナー402からの距離Lの変化に応じて小さな勾配を有するものであってもよい。
付加制御実施境界線Ldが設けられた目的は、上述したように、距離Lが小さい領域では、必要減速度Greqxが無限大に近い値として算出されることに起因して、必要減速度Greqxに対応して設けられた制御実施境界線Lcに基づいてコーナー制御の要否を判定すると、本来コーナー制御が必要とされない程度に車速と目標旋回車速Vreqとの差が小さいにもかかわらず、コーナー制御が必要と判定(誤判定)されるという問題を低減させることにある。
そのため、付加制御実施境界線Ldは、制御実施境界線Lcによれば距離Lが小さいことのみを理由にコーナー制御が必要と誤判定されていたケースであって、本来コーナー制御が不要である程度に車速と目標旋回車速Vreqとの差が小さいケース(の少なくとも一部)が排除されるように設定されていればよい。このことから、付加制御実施境界線Ldは、距離Lが小さい範囲であって、本来コーナー制御が不要な程度に車速と目標旋回車速Vreqとの差が小さい範囲に対応するように設定される。
この趣旨に基づいて、付加制御実施境界線Ldは、結果として、制御実施境界線Lcに比べて、距離Lに対する依存性が小さくなるように設定されるが、上記目的を達成可能な程度に距離Lに対する小さな依存性を持ってもよい。例えば、距離Lが小さく付加制御実施境界線Ldが設定される範囲内においても、本来、距離Lが大きくなるほど、車速と目標旋回車速Vreqとの差が大きくてもコーナー制御は不要であることから、付加制御実施境界線Ldは、図5において、右下がりの勾配を持つように設定されていることができる。但し、上記目的が達成できる限り、付加制御実施境界線Ldが右上りの勾配を持つように設定されていることも可能である。
図1の上記ステップS50は、図6のステップSA21及びステップSA22として行われる。
[ステップSA21]
図6のステップSA21では、制御回路130により、従来の制御実施境界線Lcと、付加制御実施境界線LdとのMAXセレクト線(AND条件を満たした線)が特定制御実施境界線Leとして設定される。ステップSA21の次に、ステップSA22に進む。
[ステップSA22]
ステップSA22では、制御回路130により、上記ステップSA21において設定された特定制御実施境界線Leに基づいて、コーナー制御の要否判定が行われる。図5において、コーナー402までの距離Lと車速との関係で、特定制御実施境界線Leよりも上方に位置すれば、コーナー制御が必要であると判定され、特定制御実施境界線Leよりも下方に位置すれば、コーナー制御は不要と判定される。
本例では、特定制御実施境界線Leよりも下方の符号P3の位置にてアクセル開度がゼロとされているため、コーナー制御は不要と判定される。一方、例えば、特定制御実施境界線Leよりも上方の符号P4の位置にてアクセル開度がゼロとされると、コーナー制御は必要と判定される。コーナー制御が必要と判定された場合には、ステップS55に進み、そうでない場合には、本制御フローはリセットされる。
[ステップS55]
ステップS55では、制御回路130により、必要減速度Greqx(401)に基づいて、ダウンシフト先の変速段が決定される。必要減速度Greqx(401)は、上記数式2に基づいて算出される。予めROM133に、図8に示すようなアクセルOFF時の各ギヤ段の車速毎の減速度を示す車両特性のデータが登録されている。
ここで、必要減速度Greqxが、−0.12Gであり、自動変速機10の出力軸120cの出力回転数が1000[rpm]である場合を想定すると、図8において、出力回転数が1000[rpm]のときの車速に対応し、かつ必要減速度Greqxの−0.12Gに最も近い減速度となる変速段は、4速であることが判る。これにより、ステップS55では、ダウンシフト先の変速段は、4速であると決定される。
なお、ここでは、必要減速度Greqxに最も近い減速度となる変速段をダウンシフト先の変速段として選択したが、ダウンシフト先の変速段は、必要減速度Greqx以下(又は以上)の減速度であって必要減速度Greqxに最も近い減速度となる変速段を選択してもよい。ステップS55の次に、ステップS60が行なわれる。
[ステップS60]
ステップS60では、上記ステップS55にて決定されたダウンシフト先の変速段への変速指令が出力される。本例では、4速への変速指令が出力される。図9の符号503に示すように、変速指令は、ブレーキがONにされた時点(図9のA時点、図1のステップS45−Y)と略同時に出力される。ステップS60の次に、ステップS70が行なわれる。
[ステップS70]
ステップS70では、上記ステップS30にて推定された運転指向が通常走行指向であるか又は上記ステップS40で判断された運転者が運転に対して集中状態にないかが判定される。その判定の結果、肯定的に判定された場合にはステップS130に進み、そうではない場合、即ち運転指向がスポーツ走行指向でありかつ運転者が運転に対して集中状態にある場合にはステップS75に進む。
[ステップS75]
ステップS75では、制御回路130の電磁弁駆動部138aにより自動変速機10の低速段クラッチの油圧が通常時に比べて低く設定される。図9において、符号504は変速時における従来一般の低速段クラッチの油圧である。これに対して、ステップS75では、符号505に示すように、低速段クラッチの油圧レベルが従来一般に比べて低く設定されている。なお、符号506は高速段クラッチ油圧である。ステップS75の次にステップS80が行われる。
[ステップS80]
ステップS80では、制御回路130により、変速のイナーシャ相である(メンバーの回転速度変化が生じた)か否かが判定される。その判定の結果、イナーシャ相ではない場合には、ステップS90においてフラグFが2にセットされた後、本制御フローがリターンされる。次のサイクルではステップS10及びステップS20を経由してステップS80の判定が成立するまで繰り返される。ステップS80の判定が肯定的に判定された場合には、ステップS100に進む。図9の例では、符号Cの時点から変速のイナーシャ相が開始されている。
[ステップS100]
ステップS100では、制御回路130により、エンジン40のトルクのアップ指令が出力される。これにより、図9の符号511に示すように、C時点からエンジントルクが上昇させられる。ステップS100の次には、ステップS110に進む。
[ステップS110]
ステップS110では、制御回路130により、変速のイナーシャ相が終了したか否かが判定される。その判定の結果、変速のイナーシャ相が終了している場合にはステップS120に進み、そうでない場合には本制御フローはリターンされ、次のサイクルのステップS10、S20、S80、S100経由でステップS110の成立を待つ。図9の例では、符号Dの時点において変速のイナーシャ相が終了している。
[ステップS120]
ステップS120では、制御回路130により、エンジン40のトルクの復帰指令が出力される。これにより、図9に示すように、D時点からエンジントルク511が上昇前の値に復帰する。ステップS120の次には、ステップS130に進む。
[ステップS130]
ステップS130では、制御回路130により、車両がコーナー402を脱出したか否かが判定される。制御回路130は、舵角値や車両に作用する横Gに基づいて、車両がコーナー402を脱出したか否かを判定する。又は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、車両の現在位置とコーナー402の出口dの位置を示すデータに基づいて、ステップS130の判定を行う。ステップS130の判定の結果、コーナー402を脱出した後であれば、ステップS150に進み、そうでない場合には、ステップS140にてフラグFが1にセットされ、次のサイクルではステップS10、S20を経由してステップS130の成立を待つ。
[ステップS150]
ステップS150では、制御回路130により、シフト規制が解除される。これにより、上記ステップS60にて行われた変速の変速先の変速段からのアップシフトの規制が解除される。ステップS150の次には、ステップS160が行われる。
[ステップS160]
ステップS160では、制御回路130により、フラグFが0にセットされる。ステップS160の次には、本制御フローはリセットされる。
[ステップS170]〜[ステップS210]
アクセルが非全閉の場合(ステップS10−N)、エンジントルクの復帰が行われる(ステップS170)。ステップS100において、エンジントルクを上昇させていなければ、そのままである。次に、ステップS180においてフラグFがチェックされ、フラグFが0であれば本制御フローがリターンされ、フラグFが1又は2であればコーナーを脱出したか否かが判定され(ステップS190)、コーナーを脱出している場合にはシフト規制が解除され(ステップS200)、そうでない場合には本制御フローがリターンされる。ステップS200の次には、フラグFがクリアされてリセットされる(ステップS210)。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)本実施形態では、運転指向がスポーツ走行指向であり(ステップS30−N)、かつ運転者が運転に対して集中状態にあるとき(ステップS40−Y)には、自動減速力を付与する制御(ステップS60)のトリガ条件をアクセルオフ(ステップS10)からブレーキオン(ステップS45)に切り替える。スポ−ツ走行指向であり、かつ運転に集中状態である時には、運転者が自動変速力の介入自体を嫌う傾向にあるため、トリガ条件をアクセルオフからブレーキオンに切り替えることにより、自動減速力の介入をなるべく避けることが可能となる。
(2)本実施形態では、ブレーキオンをトリガとして、ダウンシフト制御(ステップS60)されるため、自動減速力の介入をなるべく避けることを可能としつつ、コーナーからの立ち上がり時には、ダウンシフトにより変速段が低速段になっており、かつエンジン回転数が上昇しているので、アクセルの踏込みに対して加速応答性が良く、また、意のままの加速が可能になる(アクセルの踏込みに対して相対的に高トルクが発生する)。
(3)自動減速力を付与する制御のトリガ条件をブレーキオンに切り替えることに伴い、以下のような不都合が発生する。図9に示すように、A時点でブレーキオンされることにより(符号501)、変速指令が出力される(符号503)。この場合、従来は、変速を実行するために低速段クラッチ圧を符号504に示すように上昇させており、これにより、符号507に示すように、変速中に大きくドライブシャフトトルクが変動する。その結果、トータルの車両制動力は、ブレーキ制動力502とドライブシャフトトルク507の合計に対応する符号509に示すようになり、フットブレーキ中にフットブレーキ操作量とは無関係に制動力509が増減する。運転者、特にスポーツ走行指向の運転者は、自分のブレーキ操作量に関係なく制動力が作用するのを嫌がる傾向にある。
そこで、本実施形態では、更に、制御のトリガ条件をブレーキオンに切り替えることに伴う上記不都合を以下のように改善している。まず、トリガ条件をブレーキオンに切り替えた場合には(ステップS30−N、ステップS40−Y、ステップS70−N)には、変速時の低速段クラッチ油圧505を、通常時(トリガ条件をブレーキオンに切り替えない場合)のレベル504よりも低いレベルに設定する(ステップS75)。変速中のATの出力軸トルクは、クラッチトルクレベルに概ね比例するので、トリガ条件をブレーキオンに切り替えた場合には、ドライブシャフトトルク508が、通常時(トリガ条件をブレーキオンに切り替えない場合)のレベル507よりも小さい値に抑えられ、変速中のトルク変動を小さくすることができる。
これにより、トリガ条件をブレーキオンに切り替えた場合には、トータルの制動力510は、通常時(トリガ条件をブレーキオンに切り替えない場合)のレベル509よりも小さい値となる。このことから、運転者のフットブレーキング中にダウンシフトに伴う制動力変化(フットブレーキング力と無関係に制動トルクが変化する感覚)を小さくすることができる。換言すれば、トータルの制動力510が、運転者のブレーキ操作量に概ね対応するようになる。よって、運転者は、自分のフットブレーキ操作で車速をコントロールしている感覚を得るようになり、従来の上記不都合が改善される。
上記において、低速段クラッチ油圧505を低い値に抑えることにより(ステップS75)、変速時間が延びるという欠点が生じる。そこで、変速のイナーシャ相のときに、図9の符号511に示すように、エンジントルクを上昇させることにより(ステップS100)、変速時間が延長することを抑制し、D時点で変速を終了させている。
なお、トリガ条件をブレーキオンに切り替えたときに、エンジントルクを上昇させることにより変速時間を短縮させることは、低速段クラッチ油圧505を低い値に抑えることが行われない場合であっても、単独で行われることができる。スポーツ走行指向の場合で運転に対して集中状態にあるときには、変速時間を短縮することにより、運転者の感覚に合致させることができる。
(第1実施形態の第1変形例)
上記第1実施形態では、エンジントルクを変速のイナーシャ相の間(図9のC時点からD時点の間)だけ上昇させた。この場合、第1変形例では、所定のタイミング(C時点)でエンジントルクを急峻な立ち上がりで上昇させるとともに、所定のタイミング(D時点)で応答性良くエンジントルクを下げるために、電子スロットルの制御とエンジンの遅角制御の併用制御を用いることができる。
即ち、C時点の以前から電子スロットルを開いておき、その電子スロットルを開いた分のエンジントルクを遅角制御によってダウンさせることにより、全体としてはエンジントルクの上昇量がゼロとなるようにし、C時点から遅角制御を停止させる。これにより、急峻な立ち上がりでエンジントルクを上昇させることが可能となる。D時点では電子スロットルを閉じるとともに遅角制御を開始する。D時点の直後、電子スロットルが閉じきっておらす、開いたままの分に相当するトルクアップ分を遅角制御によりダウンさせる。これによりD時点から、応答性良くエンジントルクを下げることが可能となる。電子スロットルが完全に閉じたら遅角制御を停止する。
(第1実施形態の第2変形例)
図10を参照して、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。
上記第1実施形態では、車両の走行環境パラメータは、車両の前方のコーナーであったが、それに限定されない。例えば、自車両の前方の車両との相対的位置関係(車間距離など)や、路面勾配(降坂勾配)であることができる。また、上記第1実施形態では、運転者によるブレーキ操作とは無関係のトルクが発生することを抑制するために、変速制御(低速段クラッチ油圧の低下とエンジントルクの上昇を含む)を行ったが、この変速制御は、必要に応じて省略することが可能である。即ち、変速制御を行うことなく、トリガー条件の変更(運転指向がスポーツ走行指向でありかつ運転者が運転状態に集中している場合には、自動減速力を付与する制御のトリガーをアクセルオフからブレーキオンに切り替える)を行うだけでも、運転者が自動変速力の介入自体を嫌う傾向にある状況においては、自動減速力の介入をなるべく避けることが可能となるという効果を奏する。
図10は、第2変形例の動作を示すフローチャートである。アクセルが全閉であって(ステップS110−Y)、運転指向がスポーツ走行指向であり(ステップS120−N)、運転者が運転に対して集中状態にあるときには(ステップS130−Y)、ブレーキオンに制御のトリガー条件が切り替えられる(ステップS145、S150、S160)。路面勾配又は前方の車両との車間距離に基づいて、降坂制御又は追従制御の制御を行う必要性があると判定された場合には(ステップS150−Y)、その制御を実行する(ステップS160)。
(第1実施形態の第3変形例)
図11を参照して、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。
上記第1実施形態では、トリガー条件の変更と変速制御の両方を行ったが、第3変形例では、それらのうちの変速制御のみを実行することができる。即ち、第3変形例では、トリガー条件は常にブレーキオンであり(ステップS330)、運転指向がスポーツ走行指向でありかつ運転者が運転状態に集中している場合(ステップS370−N)には、変速制御(ステップS375、S380、S400、S410、S420)を行う。
運転指向が通常走行指向の場合に比べて、スポーツ走行指向でありかつ運転者が運転状態に集中している場合(ステップS370−N)には、ブレーキ操作量に対してより忠実な制動力を発生させた方が運転者のドライバビリティに合致するためである。運転指向が通常走行指向の場合である場合又は運転者が運転状態に集中状態ではない場合には、制御を簡単にするため、変速制御(ステップS375、S380、S400、S410、S420)を行わない。
(第1実施形態の第4変形例)
上記第1実施形態では、ダウンシフト先の変速段(規制変速段)は、図1のステップS55において、運転者の運転指向及び運転に対する集中度に関わらず、必要減速度Greqx(401)に基づいて決定された。第4変形例では、運転者の運転指向が通常走行指向であるとき又は運転に対して集中状態にないときと、スポーツ走行指向でありかつ運転に対して集中状態にあるときとでは、ダウンシフト先の変速段を異なる方法により求める。
本実施形態では、スポーツ走行指向でありかつ運転に対して集中状態にあるときには、車両の減速時に、自分のブレーキ操作量によって車両の減速度を制御する考え方を採用している。このことは、自動減速力の介入をなるべく避けるために、トリガー条件をアクセルオフからブレーキオンに切り替えたことに関連している(減速時にはブレーキペダルに足を踏み変えさせていることから、減速時には、そのブレーキ操作量を調整することにより所望の減速度を発生させればよい)。よって、ダウンシフト先の変速段を必要減速度Greqx(401)に見合った変速段とする必要はなく、エンジン回転数の低下による立ち上がり加速時のアクセル操作に対する応答遅れを生じない程度の比較的高速段側の変速段とすることが可能である。
トリガー条件がアクセルオフである場合には、ダウシフト先の変速段により、減速度を得ると共に、その後の立ち上がり加速時のアクセル操作に対する応答遅れを抑制する。即ち、トリガー条件がアクセルオフである場合には、自動減速力を付与する制御時(図1のステップS60)には、減速時と加速時とで調停された(両立し得る)変速段にしかダウンシフトすることができない。このため、トリガー条件がアクセルオフである場合には、図12に示すように、ダウンシフト先の変速段は、上記のように、必要減速度Greqx(401)に見合った変速段とされる。
一方、トリガー条件がブレーキオンである場合には、減速度はブレーキ操作により出せばよいため、ダウンシフト制御時(図1のステップS60)には、専ら加速時に都合の良い変速段に変速することが可能となる。必要減速度Greqx(401)に見合った変速段に変速したとすると、加速時には、エンジン回転数が高くなり過ぎてトルクダウンし、加速がもたつく場合がある。そこで、減速時のことを考えずに加速時のみのことを考えれば、エンジン回転数が高くなり過ぎない(加速がもたつかない)程度の変速段の方が都合が良い。このため、トリガー条件がブレーキオンである場合には、立ち上がり時に加速がもたつかないように車速に基づいて、ダウンシフト先の変速段が決定される。
変速中・変速前後のトルク変動は変速段が低速段であるほど大きくなる。そのため、トリガー条件がブレーキオンである場合には、ダウンシフト先の変速段が、立ち上がり加速時の応答遅れを生じない程度の比較的高速段側の変速段となることにより、変速中・変速前後のトルク変動を抑制することが可能となる。
更に、変速中・変速前後のトルク変動が抑制されることから、エンジントルクを上昇させる制御(図1のステップS100)を省略することが可能となる(必要に応じてエンジントルクを上昇させれば済むようになる)。このことから、制御が簡単になるという効果が得られる。
(第1実施形態の第5変形例)
上記第1実施形態では、減速装置として自動変速機10を単独で制御したが、第5変形例では、自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御(特開2005−162175
号公報)により減速度を付与することができる。第5変形例では、運転者の運転指向がスポーツ走行指向でありかつ運転に対して集中状態にあるときには、トリガー条件をアクセルオフからブレーキオンに切り替える。
自動変速機10とブレーキ装置200の協調制御の場合には、加速時に加速がもたつかない程度の相対的に高速段側の変速段にまで変速段を落とし、残りはブレーキ制御により減速度を出してダウンシフトとブレーキ制御の合計により、減速時に必要な減速度を発生させる。これにより、減速時には必要な減速度の全てを出すことができると共に、加速時には加速がもたつかない程度の変速段とすることができる。
(第1実施形態の第6変形例)
上記第1実施形態及び上記第1〜第5変形例では、トリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを運転指向及び運転者の集中度の2つの条件に基づいて行っていた。これに対して、第6変形例では、運転者の集中度の条件を用いることなく、トリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを運転指向の条件に基づいて行う。第6変形例においても上記第1実施形態及び上記第1〜第5変形例と同様の効果を奏することができる。
(第1実施形態の第7変形例)
第7変形例では、上記第6変形例とは逆に、運転指向の条件を用いることなく、トリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを運転者の集中度の条件に基づいて行う。第7変形例においても上記第1実施形態及び上記第1〜第5変形例と同様の効果を奏することができる。即ち、運転者が運転に対して集中している場合には、スポーツ走行指向である場合と同様に、自動減速力の介入を嫌う傾向にあり、自分のブレーキ操作量に無関係なトルク変動を嫌う傾向にある。
(第1実施形態の第8変形例)
第8変形例では、上記第7変形例の考え方をさらに応用して、以下のような場合には、自動減速力の介入や自分のブレーキ操作量に無関係なトルク変動を嫌う傾向にあるとして、トリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを行う。
(1)運転者の運転技量に応じて、トリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを行う。運転技量が高い場合には、スポーツ走行指向にある場合又は集中度が高い場合と同様の取り扱いとする。
(2)運転者の運転に対する疲労度が少ないとき(例えば連続運転時間が閾値以下であるとき)には、スポーツ走行指向にある場合又は集中度が高い場合と同様の取り扱いとする。
(3)運転者にとって初めて通る道ではないときには、スポーツ走行指向にある場合又は集中度が高い場合と同様の取り扱いとする。
(4)運転が夜間以外であるときには、スポーツ走行指向にある場合又は集中度が高い場合と同様の取り扱いとする。
スポーツ走行指向にある場合又は集中度が高い場合と、上記(1)及び(2)は、運転者の状況に関するものであり、上記(3)及び(4)は、走行環境に関するものである。
(第1実施形態の第9変形例)
第9変形例では、運転者は、自分で車両のスイッチ(図示せず)を操作することにより
、トリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを行うことができる。運転者が自動減速力の介入や自分のブレーキ操作量に無関係なトルク変動を嫌う場合には、マニュアル操作でトリガー条件及び/又は変速制御の切り替えを行うことができる。
以上のことから、本実施形態(変形例を含む)では、トリガー条件及び/又は変速制御の態様が複数種類用意されており、運転者の状況、走行環境及び運転者のマニュアル操作の少なくともいずれか一方に基づいて、トリガー条件及び/又は変速制御の態様を切り替えることができる。
本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 従来の車両用駆動力制御装置の動作を説明するための図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態において、必要減速度とコーナーまでの距離との関係を示すグラフである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の他の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の構成の一部を示すブロック図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態における各変速段の車速毎の減速度を示す図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の他の変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の更に他の変形例において用いられる変速段を決定するためのグラフである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の更に他の変形例において用いられる変速段を決定するための他のグラフである。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
95 ナビゲーションシステム装置
113 カメラ
114 スロットル開度センサ
116 エンジン回転数センサ
115 運転指向推定部
118 道路勾配計測・推定部
119 集中度検出部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
200 ブレーキ装置
230 ブレーキ制御回路
401 必要減速度
402 コーナー
405 コーナーR
Greqx 必要減速度
Vreq 目標旋回車速
L コーナーまでの距離
Lc 制御実施境界線
Ld 付加制御実施境界線
Le 特定制御実施境界線
L1 ブレーキ制動力信号線
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号

Claims (8)

  1. 車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、
    運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段と、
    運転者の運転指向を検出する手段とを備え、
    前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合と、前記スポーツ走行指向ではない場合とでは、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が異なるものに設定される
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用駆動力制御装置において、
    前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合には、前記トリガー条件である前記運転者の減速意図が、運転者によるブレーキ操作に切り替えられる
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  3. 請求項2記載の車両用駆動力制御装置において、
    更に、
    前記低速段側の変速段への変速が実行されているときに、通常の変速に比べて変速時間を短くする、又はドライブシャフトのトルク変動を小さくする制御手段を備えた
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  4. 請求項3記載の車両用駆動力制御装置において、
    前記制御手段は、変速段を形成するための摩擦係合装置の油圧を通常時に比べて低い値に設定することと、エンジントルクを上昇させることの少なくともいずれか一方を実行する
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  5. 車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、
    運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段と、
    運転者の運転指向を検出する手段とを備え、
    前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合と、前記スポーツ走行指向ではない場合とでは、前記低速段側の変速段を異なるパラメータに基づいて設定する
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  6. 請求項5記載の車両用駆動力制御装置において、
    前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向ではない場合の前記パラメータは、車両が前記走行環境パラメータを走行する上で必要とされる必要減速度であり、
    前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合の前記パラメータは、車速である
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  7. 車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、
    運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段とを備え、
    前記トリガー条件は、複数種類用意されており、
    運転者の状況、走行環境及び運転者のマニュアル操作の少なくともいずれか一方に基づいて、前記トリガー条件を切り替える
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  8. 車両の走行環境パラメータに基づいて現在の変速段よりも低速段側の変速段への変速を実行すべきか否かを判断する手段と、
    運転者の減速意図が検出されたことをトリガー条件として前記低速段側の変速段への変速を実行する手段と、
    運転者の運転指向を検出する手段と、
    前記運転者の運転指向がスポーツ走行指向である場合には、前記スポーツ走行指向ではない場合に比べて、前記低速段側の変速段への変速が実行されているときに、通常の変速に比べて変速時間を短くする、又はドライブシャフトのトルク変動を小さくする制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
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