JPH05231525A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH05231525A
JPH05231525A JP4061356A JP6135692A JPH05231525A JP H05231525 A JPH05231525 A JP H05231525A JP 4061356 A JP4061356 A JP 4061356A JP 6135692 A JP6135692 A JP 6135692A JP H05231525 A JPH05231525 A JP H05231525A
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engine
throttle valve
hydraulic
throttle
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Yasunori Nakawaki
康則 中脇
Yoshio Shindo
義雄 新藤
Yasuhiko Higashiyama
康彦 東山
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンブレーキ時のダウンシフトが変速シ
ョックを生じることなく速やかに行われるようにする。 【構成】 アクセルOFFのエンジンブレーキ時にダウ
ンシフトする際に、S11においてスロットル弁開度θ
が(THa+ΔTH)となるようにスロットル開き制御
を行うとともに、通常はエンジン出力に応じた伝達トル
クが得られるようにS17においてスロットル弁開度θ
に応じてデューティ制御されるライン油圧を、上記スロ
ットル開き制御に拘らずS12においてスロットル全閉
時(θ=0)の油圧となるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に係り、特に、エンジンブレーキ時にダウンシフトす
る際の油圧制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係
合させられることによって複数の変速段が成立させられ
る自動変速機と、前記油圧式摩擦係合装置に選択的に係
合油圧を作用させる油圧制御回路を切り換えて前記自動
変速機の変速段を変更する変速制御手段とを有するオー
トマチック車両が多用されているが、かかる変速制御手
段は一般に、アクセル操作量若しくはスロットル弁開度
と車速とに基づいて変速段を変更するようになってい
る。図8は、4つの変速段を有する自動変速機の変速マ
ップの一例で、アクセル操作量および車速に基づいて変
速段が切り換えられる場合である。このような変速マッ
プは通常、アクセル操作量が零すなわちOFF状態の場
合でも車速に応じてアップシフトするようになっている
ため、下り坂でアクセルペダルを放した場合でも、充分
なエンジンブレーキ力が得られずに車速が増加すると、
アップシフトしてエンジンブレーキ力が更に低下すると
いう問題があった。この対策として、アクセルOFF状
態で車両の加速度が負以外であったり車速が一定時間増
加し続けたりした場合には、自動変速機の変速比を大き
くするようにダウンシフトさせてエンジンブレーキ力を
増大させることが、例えば特開昭62−246650号
公報や特開昭61−103044号公報等に開示されて
いる。
【0003】ところで、このようにアクセルOFF状態
時にエンジンブレーキ力を増大させるためにダウンシフ
トする場合、その変速段の切換えに要する変速時間が比
較的長いとともに、その間は充分なエンジンブレーキ力
が得られないため、変速中における車速の上昇幅が大き
いという問題があった。すなわち、ダウンシフトでは自
動変速機の変速比が大きくなるため、それだけエンジン
の回転速度を上昇させる必要があるが、エンジンブレー
キ時にダウンシフトする場合、スロットル弁は通常閉じ
ているため、ダウンシフト後の変速段を達成するための
油圧式摩擦係合装置、例えばクラッチやブレーキの伝達
トルクによってアウトプット側のトルクがエンジン側へ
伝達されることにより、エンジンの回転速度が上昇させ
られ、自動変速機のアウトプット側とインプット側の回
転速度がダウンシフト後の変速比に応じて同期した時に
クラッチやブレーキが完全係合させられてダウンシフト
が達成される。したがって、アクセルが踏込み操作され
たパワーオン時のダウンシフトに比較してエンジン回転
速度の上昇が遅く、変速時間が長くなってしまうのであ
る。
【0004】これに対し、本願出願人は、先に出願した
特願平3−357758号において、エンジンブレーキ
時にダウンシフトする際には一時的にスロットル弁を開
いてエンジン出力を上昇させ、エンジン回転速度を高め
てダウンシフトに要する変速時間を短縮することを提案
した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにダウンシフト時にエンジン出力を上昇させると、変
速時間が短縮される反面、制動トルクが急増して変速シ
ョックが発生し、乗り心地が悪化するという問題があっ
た。すなわち、複数の変速段を成立させる前記油圧式摩
擦係合装置の係合油圧は、一般に伝達トルクに応じて必
要な係合摩擦力が得られるように、エンジン出力が大き
くなる程高くなるようにスロットル弁開度等に応じて制
御されるため、エンジン回転速度が吹き上がって自動変
速機のアウトプット側とインプット側の回転速度が同期
する前に摩擦係合装置の伝達トルクが上昇すると、制動
トルクが急増して変速ショックを生じるのである。
【0006】なお、このような問題は、エンジンブレー
キ力を増大するために自動でダウンシフトする変速制御
装置に限らず、下り坂等で運転者がオーバードライブス
イッチをOFF操作したり、シフトレバーをDレンジか
らSレンジ、Lレンジへ切り換えたりしてダウンシフト
する場合にも、その変速時間を短縮するためにエンジン
出力を一時的に上昇させるようにした変速制御装置にお
いては同様に生じることである。
【0007】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、エンジンブレーキ時
のダウンシフトが変速ショックを生じることなく速やか
に行われるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めには、エンジンブレーキ時のダウンシフトの際にはエ
ンジン出力が上昇しても摩擦係合装置の係合油圧を上昇
させないようにすれば良く、本発明は、図1のクレーム
対応図に示されているように、(a)複数の油圧式摩擦
係合装置が選択的に係合させられることによって複数の
変速段が成立させられる自動変速機と、(b)前記油圧
式摩擦係合装置に選択的に係合油圧を作用させる油圧制
御回路を切り換えて前記自動変速機の変速段を変更する
変速制御手段と、(c)前記係合油圧をエンジン出力が
大きい程高くなるように制御する油圧制御手段と、
(d)エンジンブレーキ時に前記自動変速機をダウンシ
フトする際にエンジン出力を増大させるエンジン出力制
御手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、
(e)前記エンジンブレーキ時に前記自動変速機をダウ
ンシフトする際には、少なくともそのダウンシフト時に
係合制御される油圧式摩擦係合装置の係合油圧を前記油
圧制御手段によりエンジン出力に応じて制御される油圧
よりも低くする油圧制限手段を設けたことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】このような自動変速機の変速制御装置において
は、エンジンブレーキ時にダウンシフトが行われる際
に、エンジン出力制御手段によってエンジン出力が増大
させられるため、エンジン回転速度が速やかに高められ
て変速時間が短縮される一方、通常はエンジン出力に応
じた伝達トルクが得られるように油圧制御手段によって
制御される油圧制御回路の係合油圧が、エンジンブレー
キ時のダウンシフトの際には、油圧制限手段によってエ
ンジン出力に対応する油圧よりも低い油圧に制限され
る。このため、上記エンジン出力制御手段によるエンジ
ン出力の増大に拘らず係合油圧が低く維持され、ダウン
シフトによって係合制御される低速段側の摩擦係合装置
の伝達トルクが緩やかに上昇させられるとともに、その
摩擦係合装置はエンジン出力の増大に伴うエンジン回転
速度の上昇によって完全係合させられるようになり、伝
達トルクの急増に起因して発生する変速ショックが軽減
される。
【0010】
【発明の効果】このように、本発明の変速制御装置によ
れば、エンジンブレーキ時におけるダウンシフトが変速
ショックを抑制しつつ短時間で行われるようになるので
あり、これにより、乗り心地を損なうことなく変速中の
車速の増加が小さくされる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0012】図2において、ガソリンエンジン10の燃
焼室12内には、エアクリーナ14,エアフローメータ
16,吸気通路18,スロットル弁20,バイパス通路
22,サージタンク24,インテークマニホルド26,
および吸気弁28を介して空気が吸入されるとともに、
その空気には、インテークマニホルド26に設けられた
燃料噴射弁30から噴射される燃料ガスが混合されるよ
うになっている。エアフローメータ16は吸入空気量を
測定するもので、その吸入空気量を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。スロットル弁20
はエンジン10に吸入される空気量を連続的に変化させ
るもので、スロットル制御用コンピュータ35から供給
されるスロットル制御信号DTHに従ってスロットル弁
開度θが制御されるようになっているとともに、そのス
ロットル弁20にはスロットルポジションセンサ36が
設けられて、スロットル弁開度θを表すスロットル弁開
度信号Sθをエンジン制御用コンピュータ32、トラン
スミッション制御用コンピュータ34、およびスロット
ル制御用コンピュータ35に出力する。バイパス通路2
2はスロットル弁20と並列に配設されているととも
に、そのバイパス通路22にはアイドル回転数制御弁3
8が設けられており、エンジン制御用コンピュータ32
によってアイドル回転数制御弁38の開度が制御される
ことにより、スロットル弁20をバイパスして流れる空
気量が調整されてアイドル時のエンジン回転数が制御さ
れる。燃料噴射弁30も、エンジン制御用コンピュータ
32によってその噴射タイミングや噴射量が制御され
る。なお、上記エアフローメータ16の上流側には吸入
空気の温度を測定する吸気温センサ40が設けられ、そ
の吸気温を表す信号をエンジン制御用コンピュータ32
に出力する。
【0013】エンジン10は、吸気弁28,排気弁4
2,ピストン44,および点火プラグ46を備えて構成
されており、点火プラグ46は、エンジン制御用コンピ
ュータ32によって制御されるイグナイタ48からディ
ストリビュータ50を介して供給される高電圧によって
点火火花を発生し、燃焼室12内の混合ガスを爆発させ
てピストン44を上下動させることによりクランク軸を
回転させる。吸気弁28および排気弁42は、クランク
軸の回転に同期して回転駆動されるカムシャフトにより
開閉されるようになっているとともに、エンジン制御用
コンピュータ32によって制御される図示しない可変バ
ルブタイミング機構により、カムシャフトとクランク軸
との回転位相が変更されて開閉タイミングが調整される
ようになっている。そして、燃焼室12内で燃焼した排
気ガスは、排気弁42からエキゾーストマニホルド5
4,排気通路56,触媒装置58を経て大気に排出され
る。エンジン10にはエンジン冷却水温を測定する水温
センサ60が設けられており、そのエンジン冷却水温を
表す信号をエンジン制御用コンピュータ32に出力する
ようになっているとともに、エキゾーストマニホルド5
4には排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ62
が設けられており、その酸素濃度を表す信号をエンジン
制御用コンピュータ32に出力する。また、ディストリ
ビュータ50にはクランク軸の回転に同期してパルスを
発生する回転角センサが設けられており、そのパルス信
号すなわちエンジン回転速度NEを表すエンジン回転速
度信号SNEをエンジン制御用コンピュータ32および
トランスミッション制御用コンピュータ34に出力す
る。
【0014】上記エンジン制御用コンピュータ32,ト
ランスミッション制御用コンピュータ34,スロットル
制御用コンピュータ35は、何れもCPU,RAM,R
OM,入出力インタフェース回路,A/Dコンバータ等
を備えて構成されており、RAMの一時記憶機能を利用
しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号
処理を行うもので、トランスミッション制御用コンピュ
ータ34には、上記各信号の他、パターンセレクトスイ
ッチ70から選択パターンを表すパターン信号SP、ブ
レーキランプスイッチ72からブレーキが踏込み操作さ
れたことを表すブレーキ信号SB、オーバードライブス
イッチ74からO/D変速段までの変速許可を表すO/
D信号SO、アクセル操作量センサ76からアクセルペ
ダルの操作量Acを表すアクセル操作量信号SAcがそ
れぞれ供給されるようになっている。アクセル操作量信
号SAcはエンジン制御用コンピュータ32およびスロ
ットル制御用コンピュータ35にも供給される。上記パ
ターンセレクトスイッチ70は、動力性能を重視した変
速マップによって自動変速機78の変速制御を行うパワ
ーパターン、燃費を重視した変速マップによって変速制
御を行うエコノミーパターンなど、予め定められた複数
の走行パターンの中から運転者が好みの走行パターンを
選択操作するものである。
【0015】自動変速機78は、例えば図3に示すよう
にトルクコンバータ110,第1変速機112,および
第2変速機114を備えて構成されている。トルクコン
バータ110のポンプ翼車は前記エンジン10のクラン
ク軸118に連結されており、タービン翼車は入力軸1
20を介して第1変速機112のキャリヤ122に連結
されている。第1変速機112は、サンギヤ124,リ
ングギヤ126,およびキャリヤ122に回転可能に配
設されてサンギヤ124,リングギヤ126と噛み合わ
されているプラネタリギヤ128から成る遊星歯車装置
を含んで構成されており、サンギヤ124とキャリヤ1
22との間にはクラッチC0 および一方向クラッチF0
が並列に設けられ、サンギヤ124とハウジング130
との間にはブレーキB0 が設けられている。
【0016】第2変速機114は、サンギヤ132,一
対のリングギヤ134,136,キャリヤ138に回転
可能に配設されてサンギヤ132,リングギヤ134と
噛み合わされているプラネタリギヤ140,およびキャ
リヤ142に回転可能に配設されてサンギヤ132,リ
ングギヤ136と噛み合わされているプラネタリギヤ1
44とから成る複合型の遊星歯車装置を含んで構成され
ており、リングギヤ136と前記第1変速機112のリ
ングギヤ126との間にはクラッチC1 が設けられ、サ
ンギヤ132とリングギヤ126との間にはクラッチC
2 が設けられ、サンギヤ132とハウジング130との
間にはブレーキB1 と、直列に配設された一方向クラッ
チF1 およびブレーキB2 とが並列に設けられ、キャリ
ヤ138とハウジング130との間にはブレーキB3
よび一方向クラッチF2 が並列に設けられている。ま
た、リングギヤ134およびキャリヤ142は出力軸1
46に一体的に連結されており、その出力軸146は差
動歯車装置等を介して駆動輪に連結されている。
【0017】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路150から作動油が供給されるように
なっている。油圧制御回路150は多数の切換バルブ等
を備えており、トランスミッション制御用コンピュータ
34からの信号に従ってソレノイドS1,S2,および
S3の励磁,非励磁がそれぞれ切り換えられることによ
り、油圧回路が切り換えられて上記クラッチCおよびブ
レーキBが選択的に係合制御され、図4に示されている
ように前進4段のうちの何れかの変速段が成立させられ
る。かかる図4におけるソレノイドの欄の「○」印は励
磁を意味し、クラッチおよびブレーキの欄の「○」印は
係合を意味する。シフトポジションの「D」,「S」,
「L」は運転席のシフトレバーの操作レンジであり、
「D」レンジでは1stからO/Dまでの4段で変速制
御が行われ、「S」レンジでは1stから3rdまでの
3段で変速制御が行われ、「L」レンジでは1stおよ
び2ndの2段で変速制御が行われる。変速比(入力軸
120の回転速度/出力軸146の回転速度)は、1s
tで最も大きく、2nd,3rd,O/Dとなるに従っ
て小さくなり、3rdの変速比は1.0である。また、
「D」レンジでは、3rdおよびO/Dでエンジンブレ
ーキが作用し、1stおよび2ndでは一方向クラッチ
2 ,F1の作用によりエンジンブレーキが効かない
が、括弧書きで示されている(1st),(2nd)で
は、それぞれソレノイドS3が励磁されることによりブ
レーキB3 ,B1 が係合させられてエンジンブレーキが
作用するようになる。「S」レンジの2ndおよび
「L」レンジの1stおよび2ndでもエンジンブレー
キが作用するようになっている。なお、図示は省略する
が、シフトレバーが「R」レンジへ操作されると、油圧
制御回路150のマニュアルシフトバルブが切り換えら
れて後進変速段が成立させられる。
【0018】また、かかる油圧制御回路150は、上記
油圧アクチュエータに供給する作動油の元圧、すなわち
ライン油圧PLを調圧するための回路を備えている。図
5は、その調圧回路の一例であり、モジュレータ弁16
0は、ライン油圧PLが供給される入力ポート162と
モジュレータ油圧PMを出力する出力ポート164との
間を開閉するスプール弁子166と、スプール弁子16
6を開弁方向へ付勢するスプリング168と、スプール
弁子166を閉弁方向へ付勢するためにモジュレータ油
圧PMが導かれる油室170とを備え、ライン油圧PL
の変動に拘らず一定のモジュレータ油圧PMをリニアソ
レノイド弁172へ出力する。リニアソレノイド弁17
2は、モジュレータ油圧PMが供給される入力ポート1
74と信号油圧PSを出力する出力ポート176との間
を開閉するスプール弁子178と、スプール弁子178
を閉弁方向へ付勢するスプリング180と、スプール弁
子178を開弁方向へ付勢するリニアソレノイドS4
と、スプール弁子178を閉弁方向へ付勢するために信
号油圧PSが導かれる油室182とを備え、リニアソレ
ノイドS4に供給される励磁電流SA(図3参照)に従
って連続的に変化する信号油圧PSをライン油圧調圧弁
184へ出力する。ライン油圧調圧弁184は、エンジ
ン10によって回転駆動される油圧ポンプ186から作
動油が供給されるライン油圧ポート188とライン油圧
PLよりも低圧の第2ライン油圧PL2に調圧される第
2ライン油圧ポート190および戻り油路に接続される
戻り油ポート192との間を開閉するスプール弁子19
4と、そのスプール弁子194を閉弁方向へ付勢するス
プリング196と、スプール弁子194を閉弁方向へ付
勢するために信号油圧PSが導かれる油室198と、ス
プール弁子194を開弁方向へ付勢するためにライン油
圧PLが導かれるフィードバック油室200とを備え、
信号油圧PSに応じて高くなるようにライン油圧PLを
調圧する。上記励磁電流SAは前記トランスミッション
制御用コンピュータ34によってデューティ制御される
ようになっており、その励磁電流SAが大きくなるに従
って信号油圧PSは上昇させられ、それに伴ってライン
油圧PLも上昇させられる。
【0019】前記自動変速機78には、一対の回転速度
センサ80および82が配設されている。回転速度セン
サ80は第1変速機112のサンギヤ124の回転速
度、すなわちクラッチC0 のハウジングの回転速度NC0
を検出するもので、回転速度センサ82は出力軸146
の回転速度NO を検出するものであり、それぞれその回
転速度NC0,NO を表す回転速度信号SNC0,SNO
トランスミッション制御用コンピュータ34に出力す
る。また、油圧制御回路150にはニュートラルスター
トスイッチ84が配設されており、シフトレバー操作に
よって切り換えられるマニュアルシフトバルブの位置か
ら前記「D」,「S」,「L」,「R」等のシフトレン
ジを検出して、そのシフトレンジを表すシフトレンジ信
号SRをトランスミッション制御用コンピュータ34に
出力する。油圧制御回路150にはまた、作動油の油温
O を検出する油温センサ86が設けられ、その油温T
O を表す油温信号STO をトランスミッション制御用コ
ンピュータ34に出力するようになっている。
【0020】なお、各制御用コンピュータ32,34,
35間では必要な情報が授受されるようになっており、
前記スロットル弁開度信号Sθやエンジン回転速度信号
SNE,アクセル操作量信号SAcは、少なくとも何れ
かの制御用コンピュータ32,34,または35に供給
されるようになっておれば良い。また、例えばステアリ
ングホイールの操舵角、路面の勾配、排気温度など、自
動車の運転状態を表す他の種々の信号を取り込んで、エ
ンジン制御や自動変速機78の変速制御,スロットル制
御に利用することも可能である。
【0021】そして、上記エンジン制御用コンピュータ
32は、前記吸入空気量やスロットル弁開度θ,エンジ
ン回転速度NE,エンジン10の冷却水温度,吸入空気
温度,排気通路56内の酸素濃度,アクセル操作量Ac
などに応じて、例えば必要なエンジン出力を確保しつつ
燃費や有害排出ガスを低減するように予め定められたデ
ータマップや演算式などに基づいて、前記燃料噴射弁3
0による燃料ガスの噴射量や噴射タイミング、イグナイ
タ48による点火時期、アイドル回転数制御弁38によ
るアイドル回転数、および可変バルブタイミング機構に
よる吸排気弁28,42の開閉タイミングなどを制御す
る。トランスミッション制御用コンピュータ34は、ス
ロットル弁開度θ,エンジン回転速度NE,パターン信
号SPが表す選択パターン,ブレーキ信号SBが表すブ
レーキ操作の有無,O/D信号SOが表すO/D変速段
への変速の可否,アクセル操作量Ac,自動変速機78
の出力軸回転速度NO などに基づいて、ソレノイドS
1,S2,およびS3の励磁,非励磁をそれぞれ切り換
えることにより自動変速機78の変速段を切換制御す
る。トランスミッション制御用コンピュータ34はま
た、エンジン10の出力に対応するスロットル弁開度θ
に応じてリニアソレノイドS4の励磁電流SAを制御
し、リニアソレノイド弁172による信号油圧PSを変
化させてライン油圧PLを調圧することにより、前記ク
ラッチCやブレーキBの係合摩擦力をエンジン出力の増
加に伴って増大させる。更に、トルクコンバータ110
のロックアップクラッチについても、油圧制御回路15
0に設けられた図示しないソレノイドをデューティ制御
することにより、完全係合かスリップ状態か解放かを切
り換えるとともに、スロットル弁20のスロットル弁開
度θをアクセル操作量Acに応じて制御するため、スロ
ットル制御用コンピュータ35にスロットル指令信号S
Qを出力する。スロットル制御用コンピュータ35は、
基本的に上記スロットル指令信号SQに従ってスロット
ル弁開度θを制御するためのスロットル制御信号DTH
をスロットル弁20に出力するようになっている。
【0022】上記トランスミッション制御用コンピュー
タ34はまた、下り坂などでアクセル操作量Acが略零
とされたエンジンブレーキ時にダウンシフトを行う際
に、変速ショックを抑制しつつ変速時間を短縮するた
め、前記スロットル弁開度θやライン油圧PLに関して
上記とは異なる制御を行うようになっている。以下、こ
のエンジンブレーキ時のダウンシフトについて、通常の
変速制御と共に図6のフローチャートや図7のタイムチ
ャートを参照しつつ具体的に説明する。なお、かかる変
速制御は8〜32msec程度のサイクルタイムで繰り
返し実行される。
【0023】図6のステップS1では、アクセルがOF
Fすなわちアクセル操作量信号SAcが表すアクセル操
作量Acが略零か否か、具体的には検出誤差などを考慮
して5%程度以下か否かを判断し、アクセルOFFでな
い場合にはステップS13でフラグFを「0」とした
後、ステップS14以下の通常の変速制御を行う。すな
わち、ステップS14では基本的に、アクセル操作量信
号SAcが表すアクセル操作量Ac(%)、および回転
速度信号SNO が表す回転速度NO に対応する車速V
(km/h)に基づいて、図8に示す変速マップに従っ
て自動変速機78の変速段を切り換えるか否かを判断
し、変速すべき判断が為された場合にはステップS15
において、前記ソレノイドS1,S2,S3の励磁,非
励磁を切り換えることにより変速を実行する。上記ステ
ップS14では、前記シフトレンジ信号SRが表すシフ
トレンジが「D」で且つO/D信号SOがONの場合に
はO/D変速段を含めて変速判断を行うが、O/D信号
SOがOFFの場合やシフトレンジが「S」の場合には
3rdまでで変速判断を行い、シフトレンジが「L」の
場合には2ndまでで変速判断を行う。また、上記変速
マップは、パターンセレクトスイッチ70によって選択
できる複数の走行パターンに応じて複数種類のものが予
め記憶されている。
【0024】続くステップS16では、アクセル操作量
信号SAcが表すアクセル操作量Acに基づいて、予め
定められたマップや演算式等からスロットル弁開度TH
(Ac)を求め、そのスロットル弁開度TH(Ac)を
目標スロットル弁開度THに設定するとともに、その目
標スロットル弁開度THを表すスロットル指令信号SQ
をスロットル制御用コンピュータ35に出力する。スロ
ットル弁開度TH(Ac)を求めるためのマップや演算
式等は、アクセル操作量Acが大きくなるに従ってスロ
ットル弁開度TH(Ac)も大きくなるように予め定め
られている。スロットル制御用コンピュータ35は、フ
ィードバック制御等によりスロットル弁20の実際のス
ロットル弁開度θを上記スロットル指令信号SQが表す
目標スロットル弁開度THと一致させるように、スロッ
トル制御信号DTHをスロットル弁20に出力する。
【0025】また、ステップS17では、スロットル弁
開度信号Sθが表す実際のスロットル弁開度θに基づい
て、予め定められたマップや演算式等からデューティ比
DUTYを求め、そのデューティ比に従って前記リニア
ソレノイドS4の励磁電流SAをデューティ制御する。
デューティ比DUTYを求めるためのマップや演算式等
は、スロットル弁開度θが大きくなるに従ってデューテ
ィ比も大きくなるように予め定められており、それに従
って励磁電流SAが大きくされることにより、前記リニ
アソレノイド弁172から出力される信号油圧PSが高
められるとともにライン油圧調圧弁184から出力され
るライン油圧PLが上昇させられる。言い換えれば、ス
ロットル弁開度θが大きくなってエンジン出力が上昇す
るに従ってライン油圧PLを上昇させるのであり、これ
により、自動変速機78のクラッチCやブレーキBの係
合油圧すなわち伝達トルクがエンジン出力に応じて高め
られる。
【0026】一方、前記ステップS1の判断がYES、
すなわちアクセル操作量Acが略零の場合には、ステッ
プS2以下のエンジンブレーキ時の変速制御を実行す
る。ステップS2ではフラグFが「0」か否かを判断
し、フラグF=0の場合には、ステップS3においてエ
ンジンブレーキが作用する次の低速段、すなわちDレン
ジにおける1st,2ndについては図4において括弧
付きで示されている(1st),(2nd)へダウンシ
フトするか否かを判断する。かかるステップS3の変速
判断は、基本的にはアクセル操作量信号SAcが表すア
クセル操作量Ac(%)、および回転速度信号SNO
表す回転速度NO に対応する車速V(km/h)に基づ
いて、図8において破線で示されているダウンシフト用
の変速マップに従って行うが、前記オーバードライブス
イッチ74のOFF操作によりO/D信号SOがOFF
へ切り替わった場合や、シフトレバー操作によりシフト
レンジ信号SRが表すシフトレンジが「D」レンジから
「S」レンジまたは「L」レンジへ切り替わった場合、
「S」レンジから「L」レンジへ切り替わった場合に
は、その切替え後の変速段範囲に基づいてダウンシフト
を行うか否かを判断する。
【0027】上記ステップS3においてダウンシフトす
べき旨の変速判断が為されなかった場合には、前記ステ
ップS13以下の通常の制御を実行するが、ダウンシフ
トすべき旨の判断が為された場合には、ステップS4に
おいてタイマTをリセットするとともに、次のステップ
S5でソレノイドS1,S2,S3の励磁、非励磁を切
り換えることにより変速を実行する。図7のタイムチャ
ートは、O/D変速段から3rd変速段へダウンシフト
する場合のもので、時間t1は、かかるステップS5に
おいて変速出力が為された時間である。また、続くステ
ップS6においてフラグFを「1」とし、ステップS7
においてスロットル弁開度(THa+ΔTH)を設定す
るとともに、ステップS8においてスロットル開きタイ
ミング時間Taを設定する。ステップS6でフラグFが
「1」とされることにより、以後のサイクルでは前記ス
テップS2に続いてステップS5以下、実質的にはステ
ップS9以下が直ちに実行されるようになる。
【0028】上記ステップS7で設定されるスロットル
弁開度(THa+ΔTH)は、アクセルOFF状態時の
ダウンシフトにおいてエンジン回転速度NEを速やかに
高め、変速時間を短くするためのものである。図7のタ
イムチャートを参照しつつ具体的に説明すると、変速出
力によってソレノイドS2がON(励磁)され、油圧制
御回路150のバルブが切り換えられることによりブレ
ーキB0 の係合油圧PB0が低下し、そのブレーキB0
滑り始めると(時間t2)、スロットル弁20がアクセ
ル操作量Acに対応して全閉状態の場合にはエンジン回
転速度NEは実線で示されているように低下し、3rd
変速段を成立させるためのクラッチC0の伝達トルクの
みに基づいてエンジン回転速度NEは上昇させられるこ
ととなり、変速終了(時間t5)までに比較的長い時間
を必要とする。これに対し、この変速時にスロットル弁
20を一時的に開き、エンジン出力を増大させてエンジ
ン回転速度NEを高めてやれば、回転速度NEおよびN
C0は一点鎖線で示されているように速やかに変化し、変
速終了(時間t3)までの時間を短くできるのである。
【0029】上記スロットル弁開度(THa+ΔTH)
のうち、THaは、平坦地走行であれば変速後も現在の
車速Vを維持できるスロットル弁開度、すなわち走行抵
抗を見込んだ駆動力が略零となるスロットル弁開度
(%)であり、変速後の変速段および車速Vに基づい
て、例えば図9に示されているような予め記憶されたデ
ータマップからマップ補間により算出する。図9のデー
タマップは、予め実験またはシミュレーションによって
求められた図10に示すようなデータに基づいて、駆動
力が走行抵抗と一致するスロットル弁開度を変速段およ
び車速毎に求めたものであり、例えば車速が80km/
hの場合のスロットル弁開度THa(%)は、平坦地に
おける走行抵抗と一致する点Aのスロットル弁開度(角
度)が約7.4゜であるから、これを全開の80゜に対
して%に換算すると、(7.4/80)×100=9.
3となる。すなわち、図9のデータマップにおいて、O
/D変速段で車速80km/hの場合のスロットル弁開
度TH45は、具体的には9.3%であり、このようにし
てO/D変速段における各車速のスロットル弁開度TH
41〜TH47は求められている。3rd変速段およびエン
ジンブレーキが作用する2nd変速段,1st変速段に
ついても、上記O/D変速段の場合と同様にしてスロッ
トル弁開度TH31〜TH37,TH21〜TH27,TH11
TH17が求められている。このスロットル弁開度THa
は、図10から明らかなように車速が大きい程大きくな
り、同じ車速であれば変速比が大きい低速の変速段程大
きくなる。また、ΔTHは、クランク軸118やトルク
コンバータ110等のイナーシャ分を考慮して予め設定
された一定値であるが、演算式やマップにより車速V等
に応じて設定されるようにすることもできる。このΔT
Hを含んでTHaを設定しておいても差支えない。な
お、図9のデータマップにはO/D変速段が含まれてい
るが、スロットル弁開度THaはダウンシフト後の変速
段で現在の車速Vを維持できるスロットル弁開度である
ため、ステップS7においてO/D変速段のデータが使
われることはない。
【0030】また、ステップS8で設定されるスロット
ル開きタイミング時間Taは、ステップS5の変速出力
時からスロットル弁20を上記スロットル弁開度(TH
a+ΔTH)だけ開くまでの遅れ時間で、ダウンシフト
によって解放制御される高速段側の摩擦係合装置に滑り
が生じ始めてから、そのダウンシフトによって係合制御
される低速段側の摩擦係合装置が係合して変速が終了す
る前までにエンジン回転が吹き上がるように、O/D→
3rd変速,O/D→2nd変速等の変速の種類や車速
V、油圧制御回路150の油温TO 等をパラメータとし
て予め実験やシミュレーション等によって定められたマ
ップ等から算出される。図7を参照しつつ具体的に説明
すると、O/D→3rdダウンシフト時に解放制御され
るブレーキBO が滑り始める時間t2から、そのダウン
シフト時に係合制御されるクラッチC0 がスロットル開
き制御を行わない場合に完全に係合する時間t5までの
間にエンジン回転が吹き上がるように設定されるのであ
り、本実施例では時間t2の直後に吹き上がるように定
められている。
【0031】ステップS9では、前記ステップS4でリ
セットされたタイマTの時間がステップS8で設定され
たスロットル開きタイミング時間Taに達したか否かを
判断し、タイミング時間Taに達するまでは前記ステッ
プS16以下を実行するが、タイミング時間Taに達す
るとステップS10を実行する。ステップS10では、
回転速度NC0,NO ,および切換え後の変速段における
変速比iL に基づいて、次式(1)を満足するか否かに
より変速段の切り換えが終了したか否かを判断する。
(1)式のN1 は測定誤差等を考慮して予め定められた
正の一定値で、変速段の切換えが完全に終了するとNC0
=NO ×iL となってステップS10の判断はYESと
なる。
【0032】
【数1】NC0≧NO ×iL −N1 ・・・(1)
【0033】変速段の切換えが終了すると前記ステップ
S13以下を実行するが、タイマTがタイミング時間T
aに達した当初は未だ変速は終了していないため、続い
てステップS11を実行する。ステップS11では、前
記スロットル弁開度(THa+ΔTH)を目標スロット
ル弁開度THに設定し、その目標スロットル弁開度TH
を表すスロットル指令信号SQをスロットル制御用コン
ピュータ35に出力することにより、スロットル弁20
の実際のスロットル弁開度θがスロットル弁開度(TH
a+ΔTH)となるように制御する。そして、次のステ
ップS12において、スロットル弁開度θが全閉の場合
のデューティ比DUTYを前記ステップS17と同様に
してマップや演算式等から求め、そのデューティ比に従
って前記リニアソレノイドS4の励磁電流SAをデュー
ティ制御する。すなわち、変速出力からタイミング時間
Taが経過すると、高速段側の摩擦係合装置に滑りが生
じ始めた後にエンジン回転が吹き上がるようにステップ
S11においてスロットル弁20が開かれるが、ライン
油圧PLについては、そのスロットル弁20の開きすな
わちエンジン出力の上昇に拘らず、スロットル弁20の
全閉時と同じ低い油圧に制御するのである。タイミング
時間Taが経過した後は、変速が終了してステップS1
0の判断がYESとなるまでステップS16,S17は
実行されないため、スロットル弁開度θは上記スロット
ル弁開度(THa+ΔTH)に維持され、ライン油圧P
Lはスロットル全閉時の低油圧に維持される。
【0034】ここで、ライン油圧PLをスロットル全閉
時の低油圧に制御するのは、ダウンシフト時に係合制御
される低速段側の摩擦係合装置の係合油圧が急増して変
速ショックが生じることを防止するためである。すなわ
ち、スロットル弁開度θに応じてライン油圧PLが上昇
させられると、それに伴って低速段側の摩擦係合装置、
O/D→3rd変速ではクラッチC0 の係合油圧PC0
図7において一点鎖線で示されるように急増するため、
そのクラッチC0 の伝達トルク増大によりエンジン10
が強制回転させられ、制動トルクが一時的に増大してシ
ョックを生じるのである。一点鎖線で示されている回転
速度NE,NC0や駆動トルクのグラフは、このようにラ
イン油圧PLがスロットル弁開度θに応じて上昇させら
れる場合である。これに対し、本実施例のようにライン
油圧PLをスロットル全閉時の油圧に維持した場合に
は、クラッチC0 の係合油圧PC0が実線で示されている
ように緩やかに変化させられるため、回転速度NE,N
C0は、スロットル弁20の開きに伴うエンジン出力の増
加に伴って破線で示されているように滑らかに上昇させ
られ、トルク変動に伴うショックが軽減されるのであ
る。図7の時間t4は、本実施例における変速終了時間
であり、スロットル弁20の開き制御のみを行う場合
(時間t3)に比較して変速時間は長くなるが、スロッ
トル弁20の開き制御を行わない場合(時間t5)より
も短縮される。なお、クラッチC0 の係合油圧PC0の過
渡特性は、油圧回路に設けられたオリフィスやアキュム
レータなどの作用によるものである。また、スロットル
弁開度(THa+ΔTH)は、平坦地であれば車速Vを
維持できる程度にエンジン回転を吹き上げるように定め
られているため、この場合のクラッチC0 の係合油圧P
C0をそれ程大きくする必要はなく、スロットル全閉時の
ライン油圧PLで何等差支えないのである。
【0035】このように本実施例では、アクセルOFF
のエンジンブレーキ時にダウンシフトを行う際に、スロ
ットル弁20のスロットル弁開度θを(THa+ΔT
H)となるようにスロットル制御するとともに、そのダ
ウンシフト時にはスロットル弁20の開きに拘らずライ
ン油圧PLをスロットル全閉時の油圧に制御しているた
め、変速ショックを抑制しつつ変速時間を短縮でき、下
り坂での変速中の車速増加を小さくできるのである。
【0036】本実施例では、トランスミッション制御用
コンピュータ34による一連の信号処理のうちステップ
S3,S5,S14,およびS15を実行する部分が変
速制御手段に相当し、ステップS12を実行する部分は
油圧制限手段に相当する。また、ステップS7およびS
11を実行する部分はスロットル弁20およびスロット
ル制御用コンピュータ35と共にエンジン出力制御手段
を構成しており、ステップS17を実行する部分はリニ
アソレノイド弁172,ライン油圧調圧弁184と共に
油圧制御手段を構成している。
【0037】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0038】例えば、前記実施例ではオーバードライブ
スイッチ74やシフトレバーのマニュアル操作、或いは
車速Vの低下によってダウンシフトを行う場合について
説明したが、アクセルOFF時の車速Vを超えないよう
にダウンシフトする自動エンジンブレーキ制御等にも本
発明は同様に適用され得る。
【0039】また、前記実施例ではスロットル弁開度θ
を制御してエンジン出力を増大させていたが、アイドル
回転数制御弁38を開いたりオルタネータなどのエンジ
ン補器を利用したりしてエンジン出力を増大させること
もできる。スロットル弁開度θの開き量についても、予
め一定値を設定したり、エンジン回転が吹き上がるまで
は一時的に大きく開くようにしたりするなど適宜変更さ
れ得る。
【0040】また、前記実施例ではエンジン出力の代用
値としてスロットル弁開度θを用いてライン油圧PLを
調圧していたが、エアフローメータ16によって検出し
た実際の吸入空気量や吸気管圧力などを用いてライン油
圧PLを調圧するようにしても差支えない。
【0041】また、前記実施例のステップS12ではラ
イン油圧PLを制御してクラッチCやブレーキBの係合
油圧が低くなるようにしていたが、スロットル弁開度θ
に応じてライン油圧PLを制御するスロットル油圧を調
圧したり、ライン油圧PLはそのままで変速過渡時の係
合油圧を制御するアキュムレータ背圧などを調圧したり
しても良い。また、クラッチCやブレーキBの係合油圧
を直接制御する電磁弁などを有する場合には、その係合
油圧を直接調圧するようにしても良い。このステップS
12では、少なくともダウンシフトによって係合制御さ
れる摩擦係合装置、前記実施例のO/D→3rd変速で
はクラッチC0 の係合油圧を低くするようになっておれ
ば良い。
【0042】また、上記ステップS12ではスロットル
全閉時のライン油圧PLに制御していたが、少なくとも
スロットル弁開度(THa+ΔTH)に対応するライン
油圧PLよりも低い油圧、具体的には図7に示されてい
る係合油圧PC0が一点鎖線よりも小さくなるように制御
すれば良い。なお、図6のフローチャートでは、ステッ
プS9の判断がYESとなった後は変速が終了するまで
ステップS17が実行されないので、ステップS12を
設けなくてもライン油圧PLはスロットル全閉時の油圧
に制御されることとなり、ステップS12を省略するこ
とも可能である。また、このステップS12の油圧制限
は、ステップS11のスロットル制御と同期して行う必
要はなく、ステップS5の変速出力から変速が終了する
まで行われるようになっていても良い。
【0043】また、前記実施例ではアクセルOFF状態
時にステップS2以下を実行するようになっていたが、
アクセルが完全にOFF状態でなくても駆動トルクが負
のエンジンブレーキ時には、ステップS2以下が実行さ
れるようにしても良い。駆動トルクが負か否かは、例え
ばエンジン回転速度NEとトルクコンバータ110のタ
ービン回転速度すなわち入力軸120の回転速度とを比
較すること等によって検出できる。
【0044】また、前記実施例ではスロットル開きタイ
ミング時間TaがステップS5の変速出力時を起点とし
て設定されていたが、例えば高速段側の摩擦係合装置に
滑りが生じ始めた時を起点としてタイミング時間Taを
設定することも可能である。高速段側の摩擦係合装置が
滑り始めたか否かは、入力軸120の回転速度、出力軸
回転速度NO 、変速前の変速段における変速比に基づい
て検出できる。
【0045】また、前記実施例ではスロットル弁開度θ
がスロットル制御用コンピュータ35によって制御され
る車両について説明したが、スロットル弁20がアクセ
ルペダルに機械的に連結されて開閉される車両にも本発
明は適用可能である。自動変速機78の構成や変速段の
数についても適宜変更できる。
【0046】また、前記実施例ではエンジン制御用コン
ピュータ32,トランスミッション制御用コンピュータ
34,およびスロットル制御用コンピュータ35が別体
に構成されていたが、それ等を単一のコンピュータにて
構成することも可能である。前記ステップS7〜S1
1,S16のスロットル制御をエンジン制御用コンピュ
ータ32によって行わせるようにしても良い。
【0047】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の一実施例である変速制御装置を備えた
自動変速機およびエンジン等の構成を説明する図であ
る。
【図3】図2の自動変速機の構成を説明する図である。
【図4】図3の自動変速機の変速段とそれを成立させる
ためのソレノイドの励磁、クラッチおよびブレーキの係
合作動を示す図である。
【図5】図3の油圧制御回路においてライン油圧を調圧
する部分を示す回路図である。
【図6】図2の変速制御装置の作動を説明するフローチ
ャートである。
【図7】図2の自動変速機をO/D変速段から3rd変
速段へダウンシフトする際の油圧や回転速度変化等を示
すタイムチャートである。
【図8】図2の自動変速機の変速段を切り換える変速マ
ップの一例である。
【図9】図6のステップS7において変速段および車速
から走行抵抗を見込んだ駆動力が略零となるスロットル
弁開度THaを求めるために用いられるデータマップの
一例である。
【図10】図9のデータマップを作成するための基本デ
ータである。
【符号の説明】
10:エンジン 20:スロットル弁 34:トランスミッション制御用コンピュータ 35:スロットル制御用コンピュータ 78:自動変速機 150:油圧制御回路 172:リニアソレノイド弁 184:ライン油圧調圧弁 C0 ,C1 ,C2 :クラッチ(油圧式摩擦係合装置) B0 ,B1 ,B2 ,B3 :ブレーキ(油圧式摩擦係合装
置) ステップS3,S5,S14,S15:変速制御手段 ステップS7,S11:エンジン出力制御手段 ステップS12:油圧制限手段 ステップS17:油圧制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係
    合させられることによって複数の変速段が成立させられ
    る自動変速機と、前記油圧式摩擦係合装置に選択的に係
    合油圧を作用させる油圧制御回路を切り換えて前記自動
    変速機の変速段を変更する変速制御手段と、前記係合油
    圧をエンジン出力が大きい程高くなるように制御する油
    圧制御手段と、エンジンブレーキ時に前記自動変速機を
    ダウンシフトする際にエンジン出力を増大させるエンジ
    ン出力制御手段とを備えた自動変速機の変速制御装置に
    おいて、 前記エンジンブレーキ時に前記自動変速機をダウンシフ
    トする際には、少なくとも該ダウンシフト時に係合制御
    される油圧式摩擦係合装置の係合油圧を前記油圧制御手
    段によりエンジン出力に応じて制御される油圧よりも低
    くする油圧制限手段を設けたことを特徴とする自動変速
    機の変速制御装置。
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Cited By (4)

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