JP4517710B2 - 変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機の制御装置に関し、特に、複数の走行パラメータに基づく変速点制御の条件が比較的短い時間の範囲内でそれぞれ成立した場合であっても、走行フィーリングの低下を抑制可能な変速機の制御装置に関する。
特開平10−132072号公報(特許文献1)には、現在位置と、前方のカーブ(コーナ)を検出し、前方のカーブを通過する際に円滑に通過し得る推奨車速を検索し、カーブへの進入の際に、推奨車速まで減速し得るようにアクセルオフが検出されたときに変速段をダウンシフトして減速を行う旨が記載されている。
また、上記のコーナ制御以外の変速点制御として、交差点近くにおいて変速段を制御すること(交差点制御)や、先行車との車間距離・相対車速に基づいて変速段を制御すること(追従制御)や、道路勾配に基づいて変速段を制御すること(降坂制御)が知られている。
特開平10−132072号公報
上記において、各種走行パラメータ(コーナの大きさ、交差点までの距離、先行車との車間距離、道路勾配など)に基づく複数の変速点制御の制御条件(許可条件、前提条件)が、比較的短い時間の範囲内で同時期に成立した場合、変速が頻繁に行われることになり(ビジーシフト)、走行フィーリングの低下を招くことがある。
特に、第1走行パラメータに基づく第1変速点制御のトリガ条件(開始条件)が例えばアクセルOFFであり、第2走行パラメータに基づく第2変速点制御のトリガ条件が例えばブレーキONである場合に、第1及び第2変速点制御の制御条件が同時期に成立した場合には、次のような問題が発生する。通常、運転者は、アクセルからブレーキに踏み変えるので、アクセルOFFのトリガ条件が時間的に先に成立し、ブレーキONのトリガ条件がその後に成立する。このような場合、アクセルOFFをトリガ条件とする第1変速点制御の変速が実行された後に、ブレーキONをトリガ条件とする第2変速点制御の変速が実行されることになるため、運転者は変速点制御による変速をビジーに感じてしまう。
本発明の目的は、複数の走行パラメータに基づく変速点制御の条件が比較的短い時間の範囲内でそれぞれ成立した場合であっても、走行フィーリングの低下を抑制可能な変速機の制御装置を提供することである。
本発明の変速機の制御装置は、第1走行パラメータに関する第1制御許可条件と、第1トリガ条件とに基づいて、変速段又は変速比を制御する第1変速制御手段と、第2走行パラメータに関する第2制御許可条件と、第2トリガ条件とに基づいて、変速段又は変速比を制御する第2変速制御手段とを備え、前記第1トリガ条件は、前記第1制御許可条件が成立したときに、前記第1変速制御手段による制御が開始されるための条件であり、前記第2トリガ条件は、前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第2変速制御手段による制御が開始されるための条件であり、前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときに、前記変速段又は変速比の制御が開始されるための条件は、前記第2トリガ条件に代えて前記第1トリガ条件に変更されることを特徴としている。
上記本発明では、前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときには、前記第1トリガ条件の成立により、1回の変速が行われるのみであるので、頻繁な変速が抑制される。上記本発明では、前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第2変速制御手段による制御が開始されるための条件が、前記第2トリガ条件に代えて前記第1トリガ条件に変更されることができる。
本発明の変速機の制御装置において、前記第1トリガ条件は、前記第2トリガ条件に比べて時間的に先に成立する内容であることを特徴としている。
上記本発明において、前記第1トリガ条件及び前記第2トリガ条件は、運転者による操作に関するものであることができる。
本発明の変速機の制御装置において、前記第1トリガ条件は、アクセルOFFであり、
前記第2トリガ条件は、ブレーキONであることを特徴としている。
本発明の変速機の制御装置において、前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第1トリガ条件が成立した場合には、前記第1走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比及び前記第2走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比のうち、相対的に低速用の変速段又は変速比に変速されることを特徴としている。
本発明の変速機の制御装置において、前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第1走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比に比べて、前記第2走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比が相対的に低速用の変速段又は変速比であるときに、前記変速段又は変速比の制御が開始されるための条件が、前記第2トリガ条件に代えて前記第1トリガ条件に変更されることを特徴としている。
本発明の変速機の制御装置において、前記第1走行パラメータは、前方車両との車間距離に関するものであり、前記第2走行パラメータは、車両前方のカーブに関するもの、道路勾配に関するもの、又は、車両前方の交差点に関するものであることを特徴としている。
本発明の変速機の制御装置において、前記第1走行パラメータは、車両前方のカーブに関するものであり、前記第2走行パラメータは、道路勾配に関するもの、又は、車両前方の交差点に関するものであることを特徴としている。
本発明の変速機の制御装置によれば、複数の走行パラメータに基づく変速点制御の条件が比較的短い時間の範囲内でそれぞれ成立した場合であっても、走行フィーリングの低下を抑制可能である。
以下、本発明の変速機の制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1から図4を参照して、一実施形態について説明する。
本実施形態は、複数の変速点制御が同時期に作動する可能性があり、ダウンシフト開始条件として、アクセルOFFをトリガとする変速点制御と、ブレーキONをトリガとする変速点制御が混在する場合に、ブレーキONのトリガ条件をアクセルOFFのトリガ条件に読み替え、アクセルOFFのみで最終目標変速段となるようにするものである。
本実施形態の構成としては、以下に詳述するように、変速段ないしは変速比を変更可能な変速機と、自車の前方の所定距離内のコーナR、コーナまでの距離、及び車速を含む走行パラメータに基づいて、変速段ないしは変速比を制御する第1変速制御手段と、先行車両と自車との車間距離・相対速度を含む走行パラメータに基づいて変速段ないしは変速比を制御する第2変速制御手段とを備え、第1変速制御手段及び第2変速制御手段は、アクセルOFFとブレーキONのように異なる操作をそれぞれダウンシフト開始条件(トリガ条件)としていることが前提となる。
図2において、符号10は有段の自動変速機、40はエンジンである。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図2では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。相対車速検出・推定部115は、自車と前方の車両との相対車速を検出又は推定する。車間距離計測部100は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、先行車両との車間距離を計測する。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。
ナビゲーションシステム装置95は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、ナビゲーションシステム装置95からの信号を入力し、また、相対車速検出・推定部115による検出又は推定の結果を示す信号を入力し、また、車間距離計測部100による計測結果を示す信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、ナビゲーションシステム装置95からの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138cが接続されている。
ROM133には、予め図1のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が格納されているとともに、自動変速機10の変速段を変速するための変速線図、変速制御の動作(図示せず)が格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
図1及び図2を参照して、本実施形態の動作を説明する。
本実施形態では、第1変速制御手段がコーナ制御を行う際のトリガ条件は、アクセルOFFとし、第2変速制御手段が追従制御を行う際のトリガ条件は、ブレーキONとする。
[ステップS1]
まず、ステップS1に示すように、制御回路130では、車間距離計測部100から入力した車間距離を示す信号に基づいて、自車が前方の車両に接近中であるか否かを判定する。即ち、自車がこのまま走行すると、前方車両と衝突する、又は非常に接近し過ぎる場合に備えてダウンシフトが必要であるか否かが判定される。ステップS1の結果、自車が前方車両に接近中であると判定されれば、ステップS2に進む。一方、自車が前方車両に接近中であると判定されなければ、本制御フローは終了する。
制御回路130では、車間距離に基づいて、自車が前方車両に接近中であるか否かを直接的に判定する代わりに、例えば衝突時間(車間距離/相対車速)、車間時間(車間距離/自車速)、それらの組み合わせなどにより、間接的に自車が前方車両に接近中であるか否かを判定してもよい。
[ステップS2]
ステップS2では、制御回路130により、現時点でアクセルOFFがされた場合の追従制御の目標変速段が求められる。予めROM133に、追従制御用変速段決定マップ(図3)が登録されている。ステップS2では、図3の追従制御用変速段決定マップが参照されて、目標変速段が求められる。
図3に示すように、目標変速段は、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。例えば、現時点の相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]である場合には、4速が追従制御による目標変速段として求められる。図3から明らかなように、相対車速が大きく急激に接近する場合、車間時間が短い場合、あるいは車間距離が短い場合は、早期に車間距離を適正な状態にする必要があり、減速度をより大きくする必要があることから、より低速段が選択されることになる。ステップS2の次に、ステップS3が行われる。
[ステップS3]
ステップS3では、制御回路130により、自車の先方の所定距離内に所定の半径(又は曲率)R以下のコーナがあるか否かが判定される。その判定の結果、所定距離内に所定のR以下のコーナがあると判定されれば、ステップS4に進み、そうでない場合には、本制御フローはリターンされる。制御回路130は、ナビゲーションシステム装置95から入力した、現在位置情報と、地図情報から、上記ステップS3の判定を行う。
[ステップS4]
ステップS4では、制御回路130により、現時点でブレーキONがされた場合のコーナ制御による目標変速段が求められる。予めROM133に、コーナ制御用変速段決定マップ(図4)が登録されている。ステップS4では、図4のコーナ制御用変速段決定マップが参照されて、目標変速段が求められる。図4には、コーナの半径(又は曲率)Rと、自車の走行路の道路勾配に基づいて、コーナ制御におけるダウンシフト先の変速段が定められている。
図4のコーナ制御用変速段決定マップでは、車両の前方の曲がり道路の曲率半径Rを表す横軸と走行路面の勾配 を表す縦軸との二次元座標内において、ダウンシフト先の変速段が記述されている。コーナ制御用変速段決定マップでは、コーナの半径Rの大きさが4つに分類され(ヘアピン、中コーナ、緩コーナ、直線)、また、道路勾配が5つに分類されている(急登坂路、登坂路、平坦路、降坂路、急降坂路)。コーナ制御用変速段決定マップでは、登坂駆動力或いは降坂時のエンジンブレーキ力が、通常一般時の変速制御に使用される変速線図(図示せず)を用いた自動変速制御による場合に比較して一層得られるように設定されている。
制御回路130は、道路勾配計測・推定部118により、自車の走行路の道路勾配を計測又は推定し、ナビゲーションシステム装置95から入力した地図情報により、前方コーナの半径Rを求める。例えば、現時点において、自車の前方のコーナが中程度の中コーナであり、自車の走行路が降坂路であるとする。この場合には、図4のコーナ制御用変速段決定マップを参照して、3速がコーナ制御による目標変速段として求められる。ステップS4の次に、ステップS5が行われる。
[ステップS5]
ステップS5では、制御回路130により、上記ステップS2で求めた追従制御による目標変速段と、上記ステップS4で求めたコーナ制御による目標変速段が比較される。その比較の結果、ブレーキONをトリガ条件とする変速点制御(本例ではコーナ制御)の目標変速段の方が低速段であれば、ステップS6に進み、そうでない場合には、本制御はリターンされる。上記例では、追従制御による目標変速段が4速で、コーナ制御による目標変速段が3速であるため、ステップS6に進む。
[ステップS6]
ステップS6では、制御回路130により、コーナ制御のトリガ条件が、ブレーキONからアクセルOFFに変更される。これにより、コーナ制御と追従制御のトリガ条件がアクセルOFFに一本化(一元化)される。
元々のコーナ制御と追従制御では、それらのトリガ条件は、共に運転者の減速意図を表すものではあるが、アクセルOFFとブレーキONのように、時間的に異なるタイミングに実行されるものとされており、これがビジーシフトを招く原因となっていた。即ち、従来は、上記例を用いて説明すると、例えば、5速で走行中に、追従制御の目標変速段として4速が選択され、かつ、コーナ制御の目標変速段として3速が選択された場合には、アクセルOFFをトリガ条件とする追従制御により先に5速から4速への変速が行われた後に、ブレーキONをトリガ条件とするコーナ制御により4速から3速への変速が行われることになり、運転者のビジーシフト感を発生させていた。
これに対して、本実施形態では、コーナ制御と追従制御のトリガ条件を、アクセルOFFに一本化することにより、ビジーシフトが生じないようにしている。この場合、トリガ条件を一本化するに際しては、相対的に早期に実行されるアクセルOFFに一本化しているため、運転者が違和感を感じることが抑制される。ステップS6の次に、ステップS7が行われる。
[ステップS7]
ステップS7では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFFの状態(全閉)か否かが判定される。ステップS7の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば、ステップS8に進む。アクセルが全閉である場合(ステップS7−Y)に、本実施形態の減速制御(追従制御及びコーナ制御)が行われる。一方、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ、ステップS1に戻る。
[ステップS8]
ステップS8では、制御回路130により、上記のステップS2で求めた追従制御の目標変速段と、ステップS4で求めたコーナ制御の目標変速段のうち、より低速用(ロー側、ギヤ比が大きい側)であるコーナ制御の変速段が選択され、その変速段への変速指令が出力される。上記の例では、ステップS2の追従制御の目標変速段としては、4速が選択され、ステップS4のコーナ制御の目標変速段としては、3速が選択されているため、ステップS8では、より低速用のコーナ制御の3速が選択される。
この場合、アクセルOFFが検出された時点において、3速へのダウンシフト指令が出力され、5速から3速への変速が行われる。即ち、従来と異なり、一回の変速動作で、5速から3速に変速が行われるため、運転者にとってビジー感が無い。
ステップS8では、上記のように、制御回路130により、選択されるべき変速段(本例では、3速)が決定されると、変速指令(ダウンシフト指令)が出力される。即ち、制御回路130のCPU131から電磁弁駆動部138a〜138cにダウンシフト指令が出力される。ダウンシフト指令に応答して、電磁弁駆動部138a〜138cは、電磁弁121a〜121cを通電又は非通電にする。これにより、自動変速機10では、ダウンシフト指令に指示される変速が実行される。ステップS8の次に、本制御フローはリターンされる。
なお、上記ステップS5において、ブレーキONをトリガ条件とする変速点制御(本例ではコーナ制御)の目標変速段の方が低速段であるとは判定されず(ステップS5−N)、本制御フローがリターンされた場合には、従来の通常一般通りに、コーナ制御と追従制御がそれぞれ実行される。即ち、ブレーキONをトリガ条件とする変速点制御(本例ではコーナ制御)の目標変速段の方が低速段であるとは判定されない場合には、先にアクセルOFFにより追従制御の目標変速段に変速される(変速指令が出力される)と、その後のブレーキONによりコーナ制御が開始されても、既に追従制御として変速指令が出力された変速段よりも、コーナ制御の変速段は低速用の変速段ではないため、改めてコーナ制御の変速段への変速が行われることは無い。この場合には、変速動作は、追従制御による変速の1回のみとなり、ビジーシフトとはならない。
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態によれば、複数の変速点制御が同時期に作動する可能性があり、ダウンシフト開始条件(トリガ条件)として、アクセルOFFトリガとブレーキONトリガが混在する場合、ブレーキONトリガをアクセルOFFトリガと読み替えるため、アクセルOFFの動作のみで最終目標変速段への変速が行われる。これにより、運転者のビジーシフト感の発生が抑制される。
上記においては、有段の変速機10を例に説明したが、有段の変速機10に代えて、無段変速機が用いられることも可能である。また、本実施形態が適用可能な変速機としては、HV用変速機、自動変速モード付き手動変速機も含まれる。
なお、上記実施形態では、ブレーキONをトリガ条件としてコーナ制御を行う第1変速制御手段と、アクセルOFFをトリガ条件として追従制御を行う第2変速制御手段の組み合わせについて説明したが、本発明は、これらの組み合わせに限定されるものではない。走行パラメータと、運転者の減速意図に基づいて、変速が制御される変速点制御としては、例えば、図5に示すようなものが考えられる。図5には、主な変速点制御の種類と、各変速点制御で採るべきトリガ条件が示されている。以下に説明する。
(1)降坂制御
降坂制御のトリガ条件としては、ブレーキONが適当である。
(2)コーナ制御
コーナ制御のトリガ条件としては、ブレーキON、アクセルOFFのいずか一方を採ることができる。
(3)交差点制御
交差点制御のトリガ条件としては、ブレーキONが適当である。
(4)追従制御
追従制御のトリガ条件としては、アクセルOFFが適当である。
図6は、第1変速制御手段と第2変速制御手段の組み合わせの例を示したものである。図6において、第1変速制御手段は、アクセルOFFをトリガ条件とするものであり、第2変速制御手段は、元々はブレーキONをトリガ条件とするものであって図1のステップS6によりアクセルOFFトリガに変更されるものである。
図5を参照して上述した内容からすると、図6に示すように、アクセルOFFをトリガ条件とする第1変速制御手段としては、追従制御(図6の符号1〜3)と、コーナ制御(図6の符号4,5)が考えられる。ここで、アクセルOFFをトリガ条件とする第1変速制御手段が追従制御である場合には、第2変速制御手段としては、コーナ制御(図6の符号1)、降坂制御(図6の符号2)、又は交差点制御(図6の符号3)が考えられる。図6の符号1の組み合わせは、図1を参照して説明した組み合わせに対応している。一方、アクセルOFFをトリガ条件とする第1変速制御手段がコーナ制御である場合には、第2変速制御手段としては、降坂制御(図6の符号4)、又は交差点制御(図6の符号5)が考えられる。
本発明の変速機の制御装置の一実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の変速機の制御装置の一実施形態の概略構成図である。 本発明の変速機の制御装置の一実施形態の追従制御用変速段決定マップである。 本発明の変速機の制御装置の一実施形態のコーナ制御用変速段決定マップである。 本発明の変速機の制御装置の一実施形態が適用可能な変速点制御とトリガ条件を示した図である。 本発明の変速機の制御装置の一実施形態が適用可能な第1変速制御手段と第2変速制御手段の組み合わせを示す図である。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
95 ナビゲーションシステム装置
100 車間距離計測部
114 スロットル開度センサ
115 相対車速検出・推定部
116 エンジン回転数センサ
118 道路勾配計測・推定部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM

Claims (6)

  1. 第1走行パラメータに関する第1制御許可条件と、第1トリガ条件とに基づいて、変速段又は変速比を制御する第1変速制御手段と、
    第2走行パラメータに関する第2制御許可条件と、第2トリガ条件とに基づいて、変速段又は変速比を制御する第2変速制御手段とを備え、
    前記第1トリガ条件は、前記第1制御許可条件が成立したときに、前記第1変速制御手段による制御が開始されるための条件であり、
    前記第2トリガ条件は、前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第2変速制御手段による制御が開始されるための条件であり、
    前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第1走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比に比べて、前記第2走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比が相対的に低速用の変速段又は変速比であるときに、前記変速段又は変速比の制御が開始されるための条件は、前記第2トリガ条件に代えて前記第1トリガ条件に変更される
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の変速機の制御装置において、
    前記第1トリガ条件は、前記第2トリガ条件に比べて時間的に先に成立する内容である
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の変速機の制御装置において、
    前記第1トリガ条件は、アクセルOFFであり、
    前記第2トリガ条件は、ブレーキONである
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の変速機の制御装置において、
    前記第1制御許可条件及び前記第2制御許可条件が成立したときに、前記第1トリガ条件が成立した場合には、前記第1走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比及び前記第2走行パラメータに基づいて選択された変速段又は変速比のうち、相対的に低速用の変速段又は変速比に変速される
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の変速機の制御装置において、
    前記第1走行パラメータは、前方車両との車間距離に関するものであり、
    前記第2走行パラメータは、車両前方のカーブに関するもの、道路勾配に関するもの、又は、車両前方の交差点に関するものである
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の変速機の制御装置において、
    前記第1走行パラメータは、車両前方のカーブに関するものであり、
    前記第2走行パラメータは、道路勾配に関するもの、又は、車両前方の交差点に関するものである
    ことを特徴とする変速機の制御装置。
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