JP2006044591A - 車両の減速制御装置 - Google Patents

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Kunihiro Iwatsuki
邦裕 岩月
Kazuyuki Shiiba
一之 椎葉
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Abstract

【課題】前方車両をロストした場合であっても、前方車両との位置関係を適正にするための車両の減速制御が必要とされる状況下では、減速制御が行われることが可能な車両の減速制御装置を提供する。
【解決手段】車両X1と前記車両の前方の前方車両X2との位置関係を適正にするために減速度を発生させる車両の減速制御装置であって、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったか否かを検出又は推定し、前記前方車両を見失ったと検出又は推定されたときに、前記車両に減速度を発生させる。前記道路形状に加え、前記前方車両を見失う前の前記車両及び前記前方車両の少なくともいずれか一方の走行状態に基づいて、前記前方車両を見失ったか否かを検出又は推定することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の減速制御装置に関し、特に、前方車両との位置関係を適正にするために、車両の減速制御を行う車両の減速制御装置に関する。
前方車両との位置関係を適正にするために、ブレーキの作動又は変速機のダウンシフトが行われて車両に減速度が付与される技術が知られている。
特開平11−39600号公報(特許文献1)には、レーダークルーズシステムにおいて、突然見失った等の先行車の消失状況が異常である場合に、先行車の消失直前にシフトダウン要求等が送出されて減速制御されていたときには、シフトダウン要求等が保持されることによって、減速度が確保される旨が記載されている。
特開平11−39600号公報
例えば、先方にコーナがある場合や、道路勾配の変化がある場合のように、道路形状に基づいて、前方車両を見失う(ロストする)可能性がある。
前方車両との位置関係を適正にするための車両の減速制御(追従制御や車間距離制御が含まれる)において、何らかの理由により、前方車両をロストしたときには、その前方車両との位置関係を適正にするための減速制御が行われないとすると、上記のように、道路形状に基づいてロストした前方車両に対して、自車が接近することとなり、その結果、自車の運転者は、違和感を感じる場合がある。
道路形状に基づいて前方車両をロストした場合であっても、前方車両との位置関係を適正にするための車両の減速制御が必要とされる(必要と推定される場合を含む)状況下では、減速制御が行われることが望まれている。
ここで、上記特許文献1には、前方車両をロストした時に事前に自車がシフトダウン等によって減速していた場合に、所定時間シフトダウン等による減速制御を継続するということが記載されているに過ぎない。即ち、上記特許文献1では、前方車両のロスト時に自車がシフトダウン制御されていないときの減速度の発生(減速制御の開始、減速制御の要否判断)については言及されていない。
本発明の目的は、前方車両をロストした場合であっても、前方車両との位置関係を適正にするための車両の減速制御が必要とされる状況下では、減速制御が行われることが可能な車両の減速制御装置を提供することである。
本発明の車両の減速制御装置は、車両と前記車両の前方の前方車両との位置関係を適正にするために減速度を発生させる車両の減速制御装置であって、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったか否かを検出又は推定し、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったと検出又は推定されたときに、前記車両に減速度を発生させることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記道路形状に加え、前記前方車両を見失う前の前記車両及び前記前方車両の少なくともいずれか一方の走行状態に基づいて、前記前方車両を見失ったか否かを検出又は推定することを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記車両及び前記前方車両の少なくともいずれか一方の走行状態には、前記前方車両との車間距離、前記前方車両との相対車速、前記前方車両の加速度、及び前記前方車両との相対加速度の少なくともいずれか一つが含まれることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置は、車両と前記車両の前方の前方車両との位置関係を適正にするために減速度を発生させる車両の減速制御装置であって、前記前方車両が検出されないときに、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記車両に対する減速制御の要否を判定し、前記減速制御が必要と判定されたときに、前記車両に減速度を発生させることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置において、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったと検出又は推定されたとき、又は、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記減速制御が必要と判定されたときであって、運転者の減速意図が検出されたときに、前記車両に減速度を発生させることを特徴としている。
本発明の車両の減速制御装置によれば、道路形状に基づいて、前方車両をロストした場合であっても、前方車両との位置関係を適正にするための車両の減速制御が必要とされる状況下では、減速制御が行われることが可能である。
以下、本発明の車両の減速制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図11を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ブレーキ(制動装置)と自動変速機とを用いて、前方車両との位置関係を適正にするための減速制御(追従制御や車間距離制御が含まれる)を行う車両の減速制御装置に関する。
本実施形態では、前方車両(前車)をロストした場合に、道路形状と、ロストする直前の車両走行状態を示すデータに基づいて、その前方車両との位置関係を適正にするための車両の減速制御の要否が判断され、その判断の結果、減速制御が必要と判断された場合には、運転者の減速意図に応答して、その前方車両との位置関係を適正にするための減速制御が行われる。
本実施形態の構成としては、以下に詳述するように、自車と前車との車間距離を計測又は推定する手段と、先方の道路形状を検出又は推定する手段と、運転者の減速意思を検出する手段と、前車のロスト時(追従走行中ではない時)に減速制御の要否を判断する手段と、車両に減速度を付与する減速度付与手段(本実施形態では、ブレーキと自動変速機)と、減速度付与手段を制御する手段とが前提となる。
図7において、符号10は自動変速機、40はエンジン、200はブレーキ装置である。自動変速機10は、電磁弁121a、121b、121cへの通電/非通電により油圧が制御されて5段変速が可能である。図7では、3つの電磁弁121a、121b、121cが図示されるが、電磁弁の数は3に限定されない。電磁弁121a、121b、121cは、制御回路130からの信号によって駆動される。
スロットル開度センサ114は、エンジン40の吸気通路41内に配置されたスロットルバルブ43の開度を検出する。エンジン回転数センサ116は、エンジン40の回転数を検出する。車速センサ122は、車速に比例する自動変速機10の出力軸120cの回転数を検出する。シフトポジションセンサ123は、シフトポジションを検出する。パターンセレクトスイッチ117は、変速パターンを指示する際に使用される。加速度センサ90は、車両の減速度(減速加速度)を検出する。相対車速検出・推定部95は、自車と前方の車両との相対車速を検出又は推定する。車間距離計測部100は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサやカメラを有し、先行車両との車間距離を計測する。
道路勾配計測・推定部118は、CPU131の一部として設けられることができる。道路勾配計測・推定部118は、加速度センサ90により検出された加速度に基づいて、道路勾配を計測又は推定するものであることができる。また、道路勾配計測・推定部118は、平坦路での加速度を予めROM133に記憶させておき、実際に加速度センサ90により検出した加速度と比較して道路勾配を求めるものであることができる。
ナビゲーションシステム装置113は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。
制御回路130は、スロットル開度センサ114、エンジン回転数センサ116、車速センサ122、シフトポジションセンサ123、加速度センサ90の各検出結果を示す信号を入力し、また、パターンセレクトスイッチ117のスイッチング状態を示す信号を入力し、また、相対車速検出・推定部95による検出又は推定の結果を示す信号を入力し、また、車間距離計測部100による計測結果を示す信号を入力し、また、ナビゲーションシステム装置113からの信号を入力する。
制御回路130は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU131、RAM132、ROM133、入力ポート134、出力ポート135、及びコモンバス136を備えている。入力ポート134には、上述の各センサ114、116、122、123、90からの信号、上述のスイッチ117からの信号、相対車速検出・推定部95、ナビゲーションシステム装置113及び車間距離計測部100のそれぞれからの信号が入力される。出力ポート135には、電磁弁駆動部138a、138b、138c、及びブレーキ制御回路230へのブレーキ制動力信号線L1が接続されている。ブレーキ制動力信号線L1では、ブレーキ制動力信号SG1が伝達される。
ROM133には、予め図1のフローチャートに示す動作(制御ステップ)が記述されたプログラムが格納されているとともに、自動変速機10のギヤ段を変速するための変速マップ及び変速制御の動作(図示せず)が格納されている。制御回路130は、入力した各種制御条件に基づいて、自動変速機10の変速を行う。
ブレーキ装置200は、制御回路130からブレーキ制動力信号SG1を入力するブレーキ制御回路230によって制御されて、車両を制動する。ブレーキ装置200は、油圧制御回路220と、車両の車輪204、205、206、207に各々設けられる制動装置208、209、210、211とを備えている。各制動装置208、209、210、211は、油圧制御回路220によって制動油圧が制御されることにより、対応する車輪204、205、206、207の制動力を制御する。油圧制御回路220は、ブレーキ制御回路230により、制御される。
油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、各制動装置208、209、210、211に供給する制動油圧を制御することで、ブレーキ制御を行う。ブレーキ制御信号SG2は、ブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御回路230により生成される。ブレーキ制動力信号SG1は、自動変速機10の制御回路130から出力され、ブレーキ制御回路230に入力される。ブレーキ制御の際に車両に与えられるブレーキ力は、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいてブレーキ制御回路230により生成される、ブレーキ制御信号SG2によって定められる。
ブレーキ制御回路230は、周知のマイクロコンピュータによって構成され、CPU231、RAM232、ROM233、入力ポート234、出力ポート235、及びコモンバス236を備えている。出力ポート235には、油圧制御回路220が接続されている。ROM233には、ブレーキ制動力信号SG1に含まれる各種データに基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成する際の動作が格納されている。ブレーキ制御回路230は、入力した各制御条件に基づいて、ブレーキ装置200の制御(ブレーキ制御)を行う。
図1及び図7を参照して、本実施形態の動作を説明する。
[ステップS1]
まず、ステップS1では、制御回路130により、追従走行中であるか否かが判定される。ここで、追従走行には、追従制御の他、何らかの理由により前方車両との車間距離が所定値以下になっている場合を含む。即ち、ここでの追従走行には、衝突防止制御が行われる程度に、一時的に前方車両との車間距離が小さくなった場合が含まれる。具体的には、ステップS1において、制御回路130では、車間距離計測部100から入力した車間距離を示す信号に基づいて、自車と前方の車両との車間距離が所定値以下であるか否かを判定する。ステップS1の結果、車間距離が所定値以下であると判定されれば、ステップS2に進む。
一方、ステップS1の結果、車間距離が所定値以下であると判定されなければ(ステップS1−N)、本実施形態によるブレーキ制御(後述するステップS7)が終了する(ステップS18)。この場合、ブレーキ制御(ステップS7)が実行されていない場合には、そのままとされる。次いで、フラグFが0にクリアされた後(ステップS19)、前車のロストに対応した自車の減速制御の要否判断の動作(ステップS20〜)に進む。この前車のロストに対応した自車の減速制御の要否判断の動作(ステップS20〜)については、後述する。
上記のように、ステップS1では、レーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサやカメラを有する車間距離計測部100により計測された車間距離によって、追従走行中であるか否かを判定するため、例えば追従制御中であっても前車がコーナリングをしたり道路勾配の変化により、前車を見失った(ロストした)場合(上記所定値以下の車間距離の先行車は無いと判定される場合)には、追従走行中ではないと判定され(ステップS1−N)、ブレーキ制御が終了されることになる(ステップS18)。即ち、追従走行中ではないと判定された場合(ステップS1−N)には、道路形状に基づいて、前車をロストした場合が含まれる。
ステップS1の追従走行中か否かの判定においては、制御回路130では、車間距離が予め設定された所定値以下であるか否かを直接的に判定する代わりに、車間距離が所定値以下に詰まったことが判るパラメータ、例えば衝突時間(車間距離/相対車速)、車間時間(車間距離/自車速)、それらの組み合わせなどにより、間接的に車間距離が所定値以下であるか否かを判定してもよい。
なお、ステップS1で追従制御中と判定されなかった場合(ステップS1−N)に、直ちに、ブレーキ制御が終了する(ステップS18)というフローに代えて、追従制御中と判定されない状態が継続して所定時間続いた場合に初めて、ブレーキ制御が終了する動作にすることが可能である(図示せず)。
[ステップS2]
ステップS2では、制御回路130により、スロットル開度センサ114からの信号に基づいて、アクセルがOFF(全閉)の状態か否かが判定される。運転者の減速意思が判定され、運転者の減速意思が検出されたことが、本減速制御の開始条件(トリガ条件)とされる(後述するステップS20でも同様)。ステップS2の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されれば(ステップS2−Y)、ステップS3に進む。
一方、ステップS2の結果、アクセルがOFFの状態であると判定されなければ(ステップS2−N)、本実施形態によるブレーキ制御(ステップS7)が終了し(ステップS15)、ダウンシフト制御(ステップS22)が行われたときに設定されるアップシフト規制に対する規制解除(変速段の復帰許可)が出されて、通常時に使用される変速マップに従った動作に戻り(ステップS16)、その後、フラグFが0にクリアされて(ステップS17)、本制御フローがリセットされる。
なお、本制御によるブレーキ制御(ステップS7)やダウンシフト制御(ステップS22)が実行されていない場合には、そのままとされる。また、ステップS16では、上記動作に代えて、コーナリング中であるか否かが判定され、コーナリング中ではないと判定された場合に限って変速段の復帰許可がなされるという動作が行われることができる。
[ステップS3]
ステップS3では、制御回路130により、フラグFがチェックされる。本制御フローが開始された最初の段階では、フラグFは0であるので、ステップS4に進む。なお、後述するように、フラグFが1である場合には、ステップS8に進み、フラグFが2である場合には、ステップS10に進む。
[ステップS4]
ステップS4では、制御回路130により、車間距離及び相対車速が取り込まれ、又は求められる。ここで、制御回路130は、車間距離計測部100、相対車速検出・推定部95からそれらの情報を取り込むことが可能である。ステップS4の次に、ステップS5が行われる。
[ステップS5]
ステップS5では、制御回路130により、追従制御の前提条件が成立したか否かが判定される。ここでは、例えば、上記ステップS4で取り込んだ車間距離に基づいて得られた車間時間が予め設定された設定値以下である場合に、追従制御の前提条件が成立したと判定されることができる。ステップS5の判定の結果、追従制御の前提条件が成立したと判定される場合(ステップS5−Y)には、ステップS6に進み、そうでない場合には、本制御フローはリセットされる。
上記ステップS5において、追従制御の前提条件は、上記のように、車間時間が予め設定された設定値以下であることに代えて、例えば、車間距離や車間時間や衝突時間が予め設定された設定値以下であることであることができる。
[ステップS6]
ステップS6では、制御回路130により、目標減速度及びその勾配が確定される。
まず、目標減速度の決定方法について説明する。
目標減速度は、自車に対してその目標減速度に基づく減速制御(後述)が行われたときに、前方車両との関係が目標の車間距離や相対車速になるような値(減速加速度)として求められる。目標減速度を示す信号は、ブレーキ制動力信号SG1として、制御回路130からブレーキ制動力信号線L1を介してブレーキ制御回路230に出力される。
目標減速度は、予めROM133に記憶された目標減速度マップ(図8)を参照して求められる。図8に示すように、目標減速度は、自車と前方車両との相対車速[km/h]と車間時間[sec]に基づいて求められる。なお、ここで、車間時間は、上記の通り、車間距離/自車速である。
図8において、例えば、相対車速が−20[km/h]であって、車間時間が1.0[sec]であるときの目標減速度は−0.20(G)である。自車と前方車両との関係が安全な相対車速や車間距離に近づく程、目標減速度は、小さな値として(減速しないように)設定される。即ち、目標減速度は、自車と前方車両との距離が十分に確保される程、図8の目標減速度マップの右上側の小さな値として求められ、自車と前方車両とが接近している程、同目標減速度マップの左下側の大きな値として求められる。
このステップS6で求められる目標減速度は、減速制御の開始条件(ステップS2及びS5)が成立した後、ブレーキ制御(ステップS7)が実際に実行される前の時点(減速制御開始時点)での目標減速度として、特に、最大目標減速度と称される。即ち、目標減速度は、後述するように、減速制御の途中段階においてもリアルタイムに求められるため(ステップS9)、ブレーキ制御が実際に実行された後(実行継続中)に求められる目標減速度と区別する意味で、ステップS6で求められる目標減速度は、特に、最大目標減速度と称される。
次に、目標減速度の勾配の決定方法について説明する。
目標減速度は、現在(本制御の開始時)の減速度(現状のギヤ段により発生する減速度)から所定の勾配で最大目標減速度に至るように設定される。その所定の勾配は、路面の摩擦係数μや本制御の開始時のアクセルの戻し速度、アクセルを戻す前の開度に基づいて変更される。例えば、路面の摩擦係数μが低い場合には勾配(傾斜)は小さくされ、アクセル戻し速度又はアクセルを戻す前の開度が大きい場合には勾配を大きくされる。
ステップS6にて設定された目標減速度を示す信号は、ブレーキ制動力信号SG1として、制御回路130からブレーキ制動力信号線L1を介してブレーキ制御回路230に出力される。ここで設定された目標減速度は、ブレーキ装置200により発生する目標減速度である。ステップS6の次に、ステップS7が行われる。
[ステップS7]
ステップS7では、ブレーキ制御回路230により、ブレーキ制御(フィードバック制御)が開始される。即ち、現在の減速度が目標減速度となるように、現在の減速度と目標減速度との偏差に基づいて、車両に与えるブレーキ力のフィードバック制御が行われる。上記ステップS6で決定した目標減速度の勾配に従って、ブレーキ力を増加させる。ブレーキ力が所定の勾配で増加し、それに伴い、現在の減速度は増加し、現在の減速度が最大目標減速度に達するまでブレーキ力は増加し続ける(ステップS8)。
ここで、ステップS7における「目標減速度」には、ステップS6で求められた最大目標減速度と、後述するステップS9で再度求められる目標減速度の両方が含まれ、ステップS7のブレーキ制御は、ステップS11、ステップS15、又はステップS18にてブレーキ制御が終了するまで継続して実行される。
ステップS7において、ブレーキ制御回路230は、制御回路130から入力したブレーキ制動力信号SG1に基づいて、ブレーキ制御信号SG2を生成し、そのブレーキ制御信号SG2を油圧制御回路220に出力する。上述の通り、油圧制御回路220は、ブレーキ制御信号SG2に基づいて、制動装置208、209、210、211に供給する油圧を制御することで、ブレーキ制御信号SG2に含まれる指示通りのブレーキ力を発生させる。ステップS7の次には、ステップS8が実行される。
[ステップS8]
ステップS8では、制御回路130により、現在の減速度が最大目標減速度以上であるか否かが判定される。その判定の結果、現在の減速度が最大目標減速度以上であると判定されれば、ステップS9に進む。一方、現在の減速度が最大目標減速度以上であると判定されなければ、フラグFが1にセットされて(ステップS13)、現在の減速度が最大目標減速度以上になるまで待機される(ステップS13→ステップS1−Y→ステップS2−Y→ステップS3→ステップS8)。
[ステップS9]
ステップS9では、目標減速度が再度求められる。制御回路130は、ステップS6と同様に、上記目標減速度マップ(図8)を参照して、目標減速度を求める。目標減速度は、上述した通り、相対車速や車間距離に基づいて設定されており、減速制御(ブレーキ制御)が始まると、相対車速や車間距離も変化するので、その変化に応じた目標減速度がリアルタイムで求められる。
ステップS9にてリアルタイムに目標減速度が求められると、ステップS7にて開始されて継続中のブレーキ制御により、現在の減速度が目標減速度になるようなフィードバック制御によりブレーキ力が与えられる(ステップS7)。
ステップS9の目標減速度を求める動作は、ステップS11、ステップS15、又はステップS18にて、ブレーキ制御が終了するまで継続して行われる。後述するように、ブレーキ制御は、ブレーキ力が予め設定された所定の減速度に一致するまで、継続される(ステップS10、S14)。
ステップS9の時点では、既に減速制御が行われている分だけ、減速制御開始前のステップS6の時点よりも自車の車速が低下している。このことから、ステップS9において、目標の車間距離や相対車速にするために求められる目標減速度は、通常、ステップS6で求めた最大目標減速度に比べて小さな値となる。
[ステップS10]及び[ステップS11]
ステップS10では、制御回路130により、必要とされるブレーキ力が予め設定された所定値以下であるか否かが判定される。その判定の結果、必要とされるブレーキ力が予め設定された所定値以下であると判定されれば、ブレーキ制御は終了する(ステップS11)。ブレーキ制御の終了は、ブレーキ制動力信号SG1によってブレーキ制御回路230に伝達される。ブレーキ制御が終了されると、ステップS12に進む。
一方、必要とされるブレーキ力が予め設定された所定値以下でなければ(ステップS10−N)、ブレーキ制御は終了せずに、フラグFが2にセットされ(ステップS14)、必要とされるブレーキ力が予め設定された所定値以下になるまで待機される(ステップS14→ステップS1−Y→ステップS2−Y→ステップS3→ステップS10)。
[ステップS12]
ステップS12では、制御回路130により、フラグFが0にセットされる。ステップS12の次には、本制御フローはリセットされる。
次に、上記ステップS1において、追従走行中ではないと判定された場合(ステップS1−N)に行われる、前車のロストに対応した減速制御の要否判断の動作(ステップS20〜ステップS22)について説明する。
[ステップS20]
ステップS20では、制御回路130により、アクセルが全閉であるか否かが判定される。上記ステップS2と同様に、運転者の減速意思が検出されたこと(ステップS20−Y)が前車のロストに対応した減速制御(ステップS22)の開始条件とされる。ステップS20の判定の結果、アクセルが全閉であると判定された場合(ステップS20−Y)には、ステップS21に進む。一方、ステップS20の判定の結果、アクセルが全閉ではないと判定された場合(ステップS20−N)には、前車のロストに対応した減速制御が行われる必要が無いため、変速段の復帰許可がなされた後に(ステップS23)、本制御フローはリセットされる。
[ステップS21]
ステップS21では、制御回路130により、前車のロストに対応した減速制御としてのダウンシフトの要否が判定される。そのダウンシフトの要否判定の動作については、図2を参照して説明する。ステップS21では、まず、図2のステップS24が行われる。
[ステップS24]
まず、図2のステップS24では、制御回路130により、自車の先方に道路勾配の変化があるか否かが判定される。ここで、道路勾配の変化とは、自車の現地点の道路勾配に対して、先方の道路勾配が所定値以上変化していることである。上記所定値は、予めROM133に登録されている。
図6は、道路勾配の変化の例(道路の側面視形状)を示している。図6において、符号X1は自車を示し、X2は前車を示し、Pは、自車X1の現在の道路と先方の道路とで道路勾配が変化する地点を示し、αは、自車X1の現在の道路と先方の道路の道路勾配の差を示し、L1は、自車X1が前車X2をロストする直前の車間距離を示している。
ステップS24では、α≧上記所定値であるときに、道路勾配の変化が有ると判定され、ステップS27に進む。一方、ステップS24の判定の結果、α<上記所定値であるときには、道路勾配の変化が無いと判定され、ステップS25に進む。
ステップS24において、制御回路130は、ナビゲーションシステム装置113から、道路勾配の情報が取り込まれることができる。ここで、道路勾配の情報としては、道路勾配計測・推定部118により求められる自車X1の現地点の道路勾配の情報の他に、現地点から所定距離先の道路勾配の情報が必要とされる。
現地点から所定距離先の道路勾配の情報は、予めナビゲーションシステム装置113に地図情報として記録されていることができる。または、現地点から所定距離先の道路勾配の情報は、過去に自車X1が通った道路について、自車X1が道路勾配計測・推定部118によりその道路勾配を求めてナビゲーションシステム装置113に記録したものであることができる。または、他の車両が、通った道路の道路勾配を計測または推定し、その計測または推定の結果を通信手段によりセンタに送信したものを、センタから自車X1が受信することにより、現地点から所定距離先の道路勾配の情報を得ることができる。さらに、自車X1のカメラにより、道路上の車線を撮像し、その撮像画像における車線の角度や長さ等に基づいて、現地点から所定距離先の道路勾配の情報を得ることができる。
[ステップS25]
ステップS25では、制御回路130により、先方にコーナがあるか否かが判定される。制御回路130は、ナビゲーションシステム装置113から入力した、先方の道路形状に関する情報(先方コーナの半径R、及び現地点からコーナまでの距離の情報)に基づいて、ステップS25の判定を行う。ステップS25の判定の結果、先方にコーナがあると判定された場合には、ステップS27に進み、そうでない場合には、ステップS26に進む。
[ステップS26]
ステップS26では、制御回路130により、ダウンシフトは不要と判定される。ステップS26の次に、図1のステップS22に進む。ダウンシフトは不要と判定(ステップS26)された後に行われる、図1のステップS22では、ダウンシフトは実行されない。
[ステップS27]
ステップS27では、制御回路130により、ダウンシフトの要否判定が行われる。ステップS27では、道路勾配の変化やコーナRのような道路形状に基づいて、前車をロストしたことが予想されるか否かが判定される。言い換えれば、ステップS27では、ステップS24又はステップS25で得られた道路勾配の変化や先方のコーナなどの道路形状に基づいて、追従走行中ではないと判定(ステップS1−N)された原因が、道路勾配の変化や先方のコーナなどの道路形状に基づいて前車をロストしたことにある可能性が高いか否か(又はその可能性が有るか否か)が判定される。
その判定の結果、追従走行中ではないと判定(ステップS1−N)された原因が、道路形状に起因する前車のロストにある可能性が高い(又はその可能性が有る)と判定された場合(ステップS27−肯定)には、ステップS28に進み、ダウンシフトが必要であると判定される(ステップS28)。その理由は、以下の通りである。
即ち、自車及び前車がそれぞれ走行しているとき、時間の経過と共に自車及び前車がそれぞれ走行する道路(道路上の位置)は変わり、自車又は前車が走行する道路の道路形状が変われば、それまでロストしていた前車を自車が再検出(ステップS1−Y)する可能性が高い。この場合、前車が再検出されるまで、追従走行中ではないと判定された(ステップS1−N)という理由から、自車に減速制御がなされていないとすると、前車を再検出したときには、前車に接近した位置にいる場合があり、運転者に違和感を与えることがあるからである。言い換えれば、前車をロストした後、前車が再検出されるまで自車に減速制御がなされておらず、前車を再検出した時点で自車の減速制御が開始(再開)されたとすると、既に、自車は前車に対して接近した位置にいることから、制御の開始遅れ感が生じてしまう。以上のことから、追従走行中ではないと判定(ステップS1−N)された原因が、道路形状に起因する前車のロストにある可能性が高いと判定された場合(ステップS27−肯定)には、ダウンシフトが必要と判断される(ステップS28)。
ここで、道路形状に基づいて、前車をロストしたことが予想されるか否か、即ち、上記追従走行中ではないと判定された原因が、道路形状に起因した前車のロストにある可能性の高さ(有無)について説明する。ここでは、自車の先方にコーナがある場合のケースについて説明する。
図3に示すように、自車X1は、現時点でA点におり、そのA点から車間距離L1だけ先に前車X2がいるとする。自車X1がC点(コーナの入口)に到達したときの前車X2との車間距離をLb(図示せず)とする。自車X1の前方に設けられたセンサの視角(照射角)が図3に示すように一定の範囲α1に限定されているとすると、自車X1が前車X2をロストするか否か(ロストする可能性)は、コーナの入口(C点)での車間距離Lbとコーナの半径Rによって決定される。即ち、コーナRが小さいほどロストし易く、また、コーナの入口(C点)での車間距離Lbが大きいほどロストし易い。
ステップS27は、自車X1が前車X2をロストした後(追従走行中ではないと判定された場合(ステップS1−N))に行われるため、ステップS27の減速制御の要否判定が行われる時点において、自車X1がC点(コーナの入口)に到達したときの、前車X2との車間距離Lbを求めることはできない。そのため、上記追従走行中ではないと判定(ステップS1−N)された原因が、道路形状に起因する前車のロストにある可能性の高さ(有無)の判定(ステップS27の減速制御の要否判定)に際しては、上記車間距離Lbに代えて、自車X1が前車X2をロストする直前(追従走行中ではない(ステップS1−N)と判定される直前)の車間距離が用いられる。
図4に示すようなロスト有無の判定マップは、自車X1のセンサの視角α1に応じて、予めROM133に登録されている。制御回路130は、図4のロスト有無の判定マップを参照し、コーナの半径Rと、ロストする直前の車間距離とに基づいて、道路形状(コーナ)に基づいて、前車がロストした可能性があるか否かを判定する。
その判定の結果、道路形状(コーナ)に基づいて、前車がロストした可能性があると判定された場合には、上記追従走行中ではないと判定(ステップS1−N)された原因が、道路形状に起因する前車のロストにある可能性が高い(有り)と判定する。即ち、ステップS27では、図4のマップにおいて、コーナRと、ロストする直前の車間距離に基づいて、前車ロストの可能性有りと判定された場合には、前車のロストに対応した減速制御が必要と判定されて、ステップS28に進み、前車ロストの可能性有りと判定されない場合には、前車のロストに対応した減速制御が不要と判定されて、ステップS26に進む。
ステップS27の判定に際しては、図4のマップに加えて、図5−1及び図5-2に示されるマップが使用されることができる。図5−1に示すように、前車をロストする直前での相対車速(=自車速−前車車速)が大きいほど、前車に接近する可能性が大きい。但し、前車が加速していれば、自車がアクセルオフ(ステップS20−Y)の状態である限り、前車に対して接近し過ぎる可能性は小さいため、図5−2に示すように、前車が加速している場合には、ロストする直前の相対車速や、ロストする直前の車間距離に依らずに、ダウンシフト(前車のロストに対応した減速制御)が不要と判定される。
図4のマップによる判定(第1判定)に加えて、図5−1及び図5−2のマップによる判定(第2判定)が行われる場合には、第1判定及び第2判定がAND条件となり、第1判定及び第2判定の結果、両方の判定結果が共に前車のロストに対応した減速制御が必要と判定された場合にのみ、ステップS27の判定において、前車のロストに対応した減速制御が必要と判定されることができる。または、第1判定及び第2判定がOR条件となり、第1判定及び第2判定の結果、少なくともいずれか一方の判定結果が前車のロストに対応した減速制御が必要と判定された場合に、ステップS27の判定において、前車のロストに対応した減速制御が必要と判定されることができる。なお、上記第2判定(図5−1及び図5−2のマップ)における前車加速度のパラメータは、より厳密に、相対加速度が用いられることができる。また、図5−1のマップにおいて、前車に接近する可能性が大きいほど(図5−1の右下方向に位置するほど)、ダウンシフト量が大きくなるようにされることができる。
上記においては、上記ステップS27において、コーナRに基づいて、前車をロストしたことが予想されるか否かについて説明した。道路勾配の変化に基づいて、前車をロストしたことが予想されるか否かについても、同様に幾何学的な関係から、ダウンシフトの要否が判定されることができる。道路勾配の変化に基づく前車のロストの可能性の判定に際しても、上記コーナRの場合と同様に、上記第2判定が適用されることができる。
[ステップS22]
上記図2のステップS26又はステップ28の次には、図1のステップS22に進む。上記のように、ステップS22は、上記ステップS26の次に行われる場合には、ダウンシフトは実行されず、上記ステップS28の次に行われる場合には、ダウンシフトが実行される。
ステップS22において、ダウンシフトが実行される場合には、前車をロストした直前の車間距離及び相対車速に基づいて、ダウンシフト量が決定されることができる。これは、前車をロストしていないとき(追従走行中であるとき:ステップS1−Y)に、車間距離及び相対車速に基づいて設定された目標減速度に基づく減速制御が行われること(ステップS4、ステップS6)と対応している。
上記において、ブレーキのフィードバック制御が開始された後であって(ステップS7)、車両の実減速度が目標減速度よりも小さいとき(ステップS8−N、ステップS13)に、追従走行中ではないと判定され(ステップS1−N)、前車のロストに対応した減速制御が必要と判定された場合(ステップS21−Y、ステップS27−肯定、ステップS28)には、ロスト直前の車間距離及び相対車速に基づく減速度(目標減速度)に対応したダウンシフトが実行される(ステップS22)。即ち、前車をロストする前には、車両の実減速度が目標減速度よりも小さいときであっても、道路形状に基づいて前車をロストしたと予想される場合(ステップS21−Y、ステップS27−肯定、ステップS28)には、ロスト直前の車間距離及び相対車速に基づく目標減速度に対応した減速度が付与される(付与する減速度は、ショックが出ないように漸増とする)。これにより、前車を再検出したときに、前車が自車に接近し過ぎているおそれが小さくなる。ステップS22の次に、本制御フローはリセットされる。
本制御フローがリセットされた後に、前車が再検出された場合には、追従走行中であると判定され(ステップS1−Y)、その再検出された後の状況に対応した車間距離、相対車速に基づいて目標減速度が設定され(ステップS4)、その目標減速度に基づく減速制御が行われる(ステップS6、ステップS7)。
本実施形態では、以下のような場合にも減速制御が行われることがある。
通常一般のコーナ制御では、先方のコーナの半径Rが所定値以下であって、運転者が減速意思を示した場合(アクセルオフ)に減速制御(ダウンシフト)が行われる一方、その半径Rが上記所定値を超えるコーナでは、不要な減速制御を抑制するために、減速制御が行われないとか、運転者の減速意思(減速制御の開始条件)がアクセルオフからブレーキオンに変更されることが行われる。これに対して、本実施形態では、図4に示すように、半径Rが上記所定値を超えるコーナであっても、前車をロストする直前の車間距離が大きい場合には、減速制御の開始条件をアクセルオフのまま変えることなく、減速制御が行われる場合がある。
上記のコーナ制御において、例えば、追従走行中である場合には、図9−1に示すようなコーナRに基づいて変速段が選択されるマップが使用される(追従制御において選択された変速段(図示せず)と、図9−1のマップに基づいてコーナ制御において選択された変速段のうち、より低速用の変速段に変速される)場合において、追従走行中ではない場合には、以下のような制御が行われる。
即ち、図9−2に示すようなコーナRとロストする直前の車間距離に基づいて、変速段が選択される。図9−1及び図9−2に示すように、追従走行中ではない場合(図9−2)であって、ロストする直前の車間距離が大きい場合には、前車をロストしたことが予想され、前車のロストに対応した減速制御が必要と判定されるため、同じコーナRであっても、追従走行中の場合(図9−1)と比べて、より低速用の変速段が選択される。そして、追従走行中の場合と同様に、追従制御において選択された変速段(図示せず)と、図9−2のマップに基づいてコーナ制御において選択された変速段のうち、より低速用の変速段に変速されることになる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
まず、本実施形態の効果の理解をし易くするため、従来の問題点について簡単に説明する。従来、前車との位置関係を適正にするための車両の減速制御において、何らかの理由により、前車をロストしたときには、その前車との位置関係を適正にするための減速制御が行われないようになっていると、道路形状に基づいてロストした前車に対して、自車が接近することとなり、その結果、自車の運転者は、違和感を感じる場合があった。
ここで、上記特許文献1には、前車をロストした時に事前に自車がシフトダウン等によって減速していた場合に、所定時間シフトダウン等による減速制御を継続するということが記載されているが、前車のロスト時に自車がシフトダウン制御されていないときの減速制御の実行については言及されていなかった。
上記のことから、上記従来技術及び上記特許文献1の技術では、例えば、図3において、符号Cの地点で、初めてアクセルオフがなされた(減速制御の開始条件の成立)ときには、前車X2をロストしているため、減速制御がなされなかった。その結果、自車X1が、前車X2に接近し、自車X1の運転者に違和感を与えることがあった。
これに対して、本実施形態では、例えば、図3において、符号Cの地点において、初めてアクセルオフがなされた場合であっても、図1の制御フローにおいて(ステップS1−N)→(ステップS20−Y)→(ステップS21−Y)→(ステップS22)という制御動作が行われて、減速制御される。これにより、自車X1が、前車X2に接近し過ぎることが抑制される。
即ち、通常、前車をロストした場合には、追従走行中ではないと判定され、追従制御又は車間距離制御の減速制御(ブレーキ制御)が終了してしまう。本実施形態では、追従走行中ではないと判定されるときには、先方にあるコーナや道路勾配のような前車をロストする状況を生じる可能性のある道路状況に関する情報に基づいて、前車のロストが予想される可能性を判定する。その判定の結果、前車のロストが予想される可能性が有る場合には、前車のロストに対応した減速制御が行われる。
なお、図1の制御フローでは、追従走行中(追従制御又は車間距離制御中)に車両に減速度を付与する手段は、ブレーキであり、前車のロストに対応した減速制御として車両に減速度を付与する手段は、自動変速機である。但し、追従走行中に車両に減速度を付与する手段は、ブレーキに限定されずに、自動変速機又はブレーキと自動変速機の協調制御によるものであってもよく、また、前車のロストに対応した減速制御として車両に減速度を付与する手段は、自動変速機に限定されずにブレーキ又はブレーキと自動変速機の協調制御によるものであってもよく、さらに、追従走行中に車両に減速度を付与する手段と、前車のロストに対応した減速制御として車両に減速度を付与する手段が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
このように、車両に減速度を付与する手段が具体的に特定されない制御フローは、図10のように示されることができる。
図10では、具体的な減速手段が特定されずに、単に、“追従制御(車間距離制御が含まれる)としての減速制御”と、“ロスト中の減速制御”として示されている。図10の例では、例えば、“追従制御としての減速制御”がブレーキと自動変速機の協調制御により行われ、“ロスト中の減速制御”が自動変速機により行われる場合における、以下のような制御が含まれることができる。
即ち、追従走行中ではないと判定された時点(ステップSA1−N)で、追従走行としての減速制御(ブレーキと自動変速機の協調制御)のうちのブレーキによる制御が終了し(ステップSA11)、ロスト中の減速制御(前車のロストに対応した減速制御)が必要であると判定された場合(ステップSA14−Y)には、自動変速機による減速制御が行われるが、その自動変速機による減速制御(ロスト中の減速制御)は、上記追従走行としての減速制御(ブレーキと自動変速機の協調制御)のうちの自動変速機による減速制御が保持されたもの(上記協調制御のうちのブレーキ制御のみが終了したもの)となるように制御されることができる。
また、上述したように、追従走行中に車両に減速度を付与する手段と、前車のロストに対応した減速制御として車両に減速度を付与する手段が同じである場合には、例えば、制御フローを図11のように示すことができる。
図11では、追従走行中ではないと判定された場合(ステップSB1−N)であっても、前車のロストに対応した減速制御が必要であると判定された場合(ステップSB14−Y)には、一度も減速制御が終了することなく、追従走行中の減速制御と前車のロストに対応した減速制御(ステップSB15)が継続して行われることができる。
なお、上記においては、有段の自動変速機10を例にとり説明したが、CVTに適用することも可能である。その場合、上記の「ギヤ段」や「変速段」は「変速比」に置き換え、「ダウンシフト」は「CVT変速比の調整」に置き換えればよい。また、上記のブレーキ制御は、上記ブレーキに代えて、回生ブレーキなどの他の、車両に制動力を生じさせる制動装置を用いても可能である。更に、上記においては、車両が減速すべき量を示す減速度は、減速加速度(G)を用いて説明したが、減速トルクをベースに制御を行うことも可能である。
本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作の他の一部を示すフローチャートである。 コーナRと車間距離によって、前車をロストする状態を説明するための図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における前車ロストの可能性の有無の判定マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における前車ロストの可能性の有無の他の判定マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における前車ロストの可能性の有無の更に他の判定マップを示す図である。 道路勾配によって、前車をロストする状態を説明するための図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における目標減速度マップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における追従走行中のコーナ制御用のマップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態における追従走行中ではないときのコーナ制御用のマップを示す図である。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作の一部を示す他のフローチャートである。 本発明の車両の減速制御装置の第1実施形態の動作の一部を示す更に他のフローチャートである。
符号の説明
10 自動変速機
40 エンジン
90 加速度センサ
95 相対車速検出・推定部
100 車間距離計測部
113 ナビゲーションシステム装置
114 スロットル開度センサ
116 エンジン回転数センサ
117 パターンセレクトスイッチ
118 道路勾配計測・推定部
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
200 ブレーキ装置
230 ブレーキ制御回路
L1 ブレーキ制動力信号線
SG1 ブレーキ制動力信号
SG2 ブレーキ制御信号
X1 自車
X2 前車

Claims (5)

  1. 車両と前記車両の前方の前方車両との位置関係を適正にするために減速度を発生させる車両の減速制御装置であって、
    前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったか否かを検出又は推定し、
    前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったと検出又は推定されたときに、前記車両に減速度を発生させる
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の減速制御装置において、
    前記道路形状に加え、前記前方車両を見失う前の前記車両及び前記前方車両の少なくともいずれか一方の走行状態に基づいて、前記前方車両を見失ったか否かを検出又は推定する
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  3. 請求項2記載の車両の減速制御装置において、
    前記車両及び前記前方車両の少なくともいずれか一方の走行状態には、前記前方車両との車間距離、前記前方車両との相対車速、前記前方車両の加速度、及び前記前方車両との相対加速度の少なくともいずれか一つが含まれる
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  4. 車両と前記車両の前方の前方車両との位置関係を適正にするために減速度を発生させる車両の減速制御装置であって、
    前記前方車両が検出されないときに、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記車両に対する減速制御の要否を判定し、
    前記減速制御が必要と判定されたときに、前記車両に減速度を発生させる
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両の減速制御装置において、
    前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記前方車両を見失ったと検出又は推定されたとき、又は、前記車両の前方の道路形状に基づいて、前記減速制御が必要と判定されたときであって、運転者の減速意図が検出されたときに、前記車両に減速度を発生させる
    ことを特徴とする車両の減速制御装置。
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