JP4715594B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の減速制御装置に関し、特に、運転指向がスポーツ走行指向であると推定され、急減速時制御のような運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御が許可される場合に、運転者の違和感を抑制することが可能な車両用駆動力制御装置に関する。
運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御が知られている。その一例として、車両の制動時の減速度に応じてダウンシフトさせる急減速時制御が知られている。急減速時制御においてダウンシフトが行われることにより、車両の制動後に加速するときの加速性能が向上する。
特開平6−257663号公報
例えば、運転指向がスポーツ走行指向であると推定された場合に、急減速時制御のような運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御を許可することが考えられる。この場合、運転指向がスポーツ走行指向であると推定され、上記減速度アシスト制御が許可されて上記減速度アシスト制御が行なわれると、運転者に違和感を与える場合があることが考えられる。
本発明の目的は、運転指向の推定結果に基づいて、急減速時制御のような運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御が許可される場合に、運転者の違和感を抑制することが可能な車両用駆動力制御装置を提供することである。
本発明の車両用駆動力制御装置は、運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御を行なう車両用駆動力制御装置において、前記減速度アシスト制御の許否は、運転指向の推定結果に基づいて決定され、運転者の車両の操作状態及び前記車両の走行環境の少なくともいずれか一方が、予め前記減速度アシスト制御が行なわれたときには運転者に違和感を与える可能性があるとして設定された設定状況に該当する場合には、前記減速度アシスト制御は許可されないことを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記設定状況とは、前記制動操作に対応する圧力が減少している状況であることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記制動操作に対応する圧力は、前記制動操作のブレーキ踏力、又はブレーキマスタシリンダ圧であることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記設定状況とは、前記車両の舵角及び前記舵角の変化率の少なくともいずれか一方が予め設定された所定値以上である状況であることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記設定状況とは、車両と前記車両の前方の障害物との位置関係の変化率が予め設定された所定値以上である状況であることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記減速度アシスト制御は、車両の急制動時にダウンシフトを実行する急減速時制御であることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置によれば、運転指向の推定結果に基づいて、急減速時制御のような運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御が許可される場合に、運転者の違和感を抑制することが可能となる。
以下、本発明の車両用駆動力制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図4を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、運転指向がスポーツ走行指向であると推定された場合に、運転者の車両の制動操作に基づく減速度アシスト制御(例えば急減速時制御としてのダウンシフト制御)が許可される車両用駆動力制御装置において、上記制動操作のブレーキ踏力(ブレーキマスタシリンダ圧)が減少しているときには、上記制動操作に基づく減速度アシスト制御が許可されないものである。
ここで、急減速時制御とは、制動時の減速度に応じてダウンシフトする制御をいう。以下では、運転者の制動操作に基づく減速度アシスト制御の一例として、急減速時制御を中心に説明するが、これに限定されるものではなく、運転者の制動操作状態に応じて、車両の状態に基づいて、減速度が付与されるものであれば適用可能である。
図2は、本実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車両のエンジン10の吸気配管には、アクセル操作量センサ52により検出されたアクセルペダル50の操作量に基づいてスロットルアクチュエータ54により駆動されるスロットル弁56が設けられている。
また、エンジン10の回転速度NE を検出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸入空気量Q/Nを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出する吸入空気温度センサ62、上記スロットル弁56の開度θTHを検出するスロットルセンサ64、出力軸の回転速度NOUT すなわち車速Vを検出する車速センサ66、エンジン10の冷却水温度TW を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ70、シフトレバー72の操作位置PSHを検出する操作位置センサ74、入力軸すなわちクラッチC0の回転速度NC0を検出するクラッチC0回転センサ75、油圧制御回路84の作動油温度TOIL を検出する油温センサ77などが設けられており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE 、吸入空気量Q/N、吸入空気温度TA 、スロットル弁の開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSH、クラッチC0の回転速度NC0、作動油温度TOIL を表す信号がエンジン用電子制御装置76或いは変速用電子制御装置78に供給されるようになっている。
ナビゲーションシステム装置113は、自車両を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、演算処理装置と、車両の走行に必要な情報(地図、直線路、カーブ、登降坂、高速道路など)が記憶された情報記憶媒体と、自立航法により自車両の現在位置や道路状況を検出し、地磁気センサやジャイロコンパス、ステアリングセンサを含む第1情報検出装置と、電波航法により自車両の現在位置、道路状況などを検出するためのもので、GPSアンテナやGPS受信機などを含む第2情報検出装置等を備えている。ナビゲーションシステム装置113から出力される信号は、変速用電子制御装置78に供給されるようになっている。
レーダー114は、車両前部に搭載されたレーザーレーダーセンサ又はミリ波レーダーセンサなどのセンサであり、前方の車両との車間距離を計測する。カメラ116は、車両前部に搭載され、撮像した画像に基づいて、車両の前方に障害が発生していることを検出又は推定するために用いられる。レーダー114及びカメラ116のそれぞれから出力される信号は、変速用電子制御装置78に供給される。
エンジン用電子制御装置76は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁79を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ80を制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイパス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットルアクチュエータ54によりスロットル弁56を制御する。エンジン用電子制御装置76は、運転指向推定部115を備えている。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制御装置78およびVSC用電子制御装置82と相互に通信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方から適宜送信されるようになっている。
図2に示すように、変速用電子制御装置78も、上記と同様のマイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電磁弁或いはリニアソレノイド弁を駆動する。たとえば、変速用電子制御装置78は、スロットル弁56の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるためにリニアソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制御してクラッチツークラッチのシフトを制御するためにリニアソレノイド弁SL1 を、ロックアップクラッチ24の係合、解放、スリップ量を制御するためにリニアソレノイド弁SLU を、ブレーキB2を直接制御してクラッチツークラッチのシフトを制御するためにリニアソレノイド弁SL2 をそれぞれ制御する。また、変速用電子制御装置78は、予め記憶された変速線図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決定し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られるように電磁弁S1、S2、S3、S4を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁SRを駆動する。変速用電子制御装置78には、ノーマルパターンと、パワーパターンと、スポーツパターンの3種類の変速線図のデータが格納されている。
また、車両には、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ83、加速度センサ87、舵角センサ85、車輪回転速度センサ86が設けられており、それらのセンサから、車体の鉛直軸まわりの回転角速度(ヨーレート)ωY 、車体の前後方向の加速度G、ステアリングホイールの舵角θW 、4つの車輪の回転速度NW1〜NW4を表す信号がVSC用電子制御装置82に供給されるようになっている。
運転指向推定部115は、変速用電子制御装置78の一部として設けられることができる。運転指向推定部115は、運転者の運転状態及び車両の走行状態に基づいて、運転者の運転指向(スポーツ走行指向かノーマル走行指向)を推定する。運転指向推定部115の詳細については更に後述する。なお、運転指向推定部115の構成については、本実施形態において説明する内容に限定されず、運転者の運転指向を推定するものであれば、公知の様々な構成のものを広く含む。ここで、スポーツ走行指向とは、動力性能を重視した指向、加速指向ないしは運転者の操作に対する車両の反応が迅速なスポーツ走行を好むことを意味する。
次に、運転指向推定部115の詳細について説明する。
運転指向推定部115は、複数種類の運転操作関連変数のいずれかの算出毎にその運転操作関連変数が入力されて推定演算が起動されるニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力に基づいて車両(運転者)の運転指向を推定する。ニューラルネットワークNNの出力は、運転指向推定値(図4の符号404参照)として出力される。運転指向推定値が予め設定された所定以上となると、運転者の運転指向がスポーツ走行指向であると推定される。運転指向推定部115により、スポーツ走行指向であると推定された場合には、スポーツパターン判定(図4の符号405参照)がなされる。スポーツ走行指向であると推定された場合には、変速線がスポーツパターンに切り換えられるとともに、各種制御が切り換えられる。
例えば図3に示すように、運転指向推定部115は、信号読込手段96と、前処理手段98と、運転指向推定手段100とを備えている。信号読込手段96は、前記スロットル弁開度64、車速66、エンジン回転速度58、車両加速度G87などの信号を比較的短い所定の周期で読み込む。信号読込手段96により読み込まれた検出信号は、前処理手段98に出力される。
前処理手段98は、信号読込手段96により逐次読み込まれた信号から、運転指向を反映する運転操作に密接に関連する複数種類の運転操作関連変数、すなわち車両発進時の出力操作量(アクセルペダル操作量)すなわち車両発進時のスロットル弁開度TAST、加速操作時の出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAX、車両の制動操作時の最大減速度GNMAX、車両の惰行走行時間TCOAST、車速一定走行時間TVCONST、所定区間内において各センサから入力された信号の区間最大値、運転開始以後における最大車速Vmax、などをそれぞれ算出する運転操作関連変数算出手段である。運転指向推定手段100は、前処理手段98により運転操作関連変数が算出される毎にその運転操作関連変数が許可されて運転指向推定演算を行うニューラルネットワークNNを備え、そのニューラルネットワークNNの出力である運転指向推定値を出力する。本実施形態では、例えば、ノーマル走行指向の場合の運転指向推定値を0、スポーツ走行指向の場合の運転指向推定値を1とする。
図3の前処理手段98には、車両発進時の出力操作量すなわち車両発進時のスロットル弁開度TASTを算出する発進時出力操作量算出手段98a、加速操作時における出力操作量の最大変化率すなわちスロットル弁開度の最大変化率ACCMAXを算出する加速操作時出力操作量最大変化率算出手段98b、車両の制動操作時の最大減速度GNMAXを算出する制動時最大減速度算出手段98c、車両の惰行走行時間TCOASTを算出する惰行走行時間算出手段98d、車速一定走行時間TVCONSTを算出する車速一定走行時間算出手段98e、例えば3秒程度の所定区間内における各センサからの入力信号のうちの最大値を周期的に算出する入力信号区間最大値算出手段98f、運転開始以後における最大車速Vmaxを算出する最大車速算出手段98gなどがそれぞれ備えられている。
上記入力信号区間最大値算出手段98fにおいて算出される所定区間内の入力信号のうちの最大値としては、スロットル弁開度TAmaxt(64)、車速Vmaxt(66)、エンジン回転速度NEmaxt(58)が用いられる。
図3の運転指向推定手段100に備えられたニューラルネットワークNNは、コンピュータプログラムによるソフトウエアにより、或いは電子的素子の結合から成るハードウエアにより生体の神経細胞群をモデル化して構成され得るものであり、例えば図3の運転指向推定手段100のブロック内に例示されるように構成される。
図3において、ニューラルネットワークNNは、r個の神経細胞要素(ニューロン)Xi(X1〜Xr)から構成された入力層と、s個の神経細胞要素Yj(Y1〜Ys)から構成された中間層と、t個の神経細胞要素Zk(Z1〜Zt)から構成された出力層とから構成された3層構造の階層型である。そして、上記入力層から出力層へ向かって神経細胞要素の状態を伝達するために、結合係数(重み)WXijを有して上記r個の神経細胞要素Xiとs個の神経細胞要素Yjとをそれぞれ結合する伝達要素DXijと、結合係数(重み)WYjkを有してs個の神経細胞要素Yjとt個の神経細胞要素Zkとをそれぞれ結合する伝達要素DYjkが設けられている。
上記ニューラルネットワークNNは、その結合係数(重み)WXij、結合係数(重み)WYjkを所謂誤差逆伝搬学習アルゴリズムによって学習させられたパターン連想型のシステムである。その学習は、前記運転操作関連変数の値と運転指向とを対応させる走行実験によって予め完了させられているので、車両組み立て時では、上記結合係数(重み)WXij、結合係数(重み)WYjkは固定値が与えられている。
上記の学習に際しては、複数の運転者についてそれぞれスポーツ走行指向、通常走行(ノーマル)指向の運転が例えば高速道路、郊外道路、山岳道路、市街道路などの種々の道路において実施され、そのときの運転指向を教師信号とし、教師信号とセンサ信号を前処理したn個の指標(入力信号)とがニューラルネットワークNNに入力させられる。なお、上記教師信号は運転指向を0から1までの値に数値化し、例えばノーマル走行指向を0、スポーツ走行指向を1とする。また、上記入力信号は−1から+1までの間あるいは0から1までの間の値に正規化して用いられる(本実施形態では、0から1までの間の値に正規化して用いられるとする)。
このVSC用電子制御装置82も、上記と同様のマイクロコンピュータであって、VSC制御のために、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、スロットルアクチュエータ54を介してスロットル弁56を駆動するとともに、ハイドロブースタアクチュエータ88に備えられた図示しない電磁弁を駆動して4つの車輪のブレーキ油圧をそれぞれ制御する。このハイドロブースタアクチュエータ88は図示しない制動用油圧回路に組入れられており、必要に応じて4つの車輪の制動力が独立に制御されるようになっている。上記VSC用電子制御装置82も、エンジン用電子制御装置76および変速用電子制御装置78と相互に通信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方から適宜送信されるようになっている。
図1から図3を参照して、本実施形態の動作を説明する。
図1は、急減速時制御(急減速時ダウンシフト制御)の開始判定の動作を示すフローチャートである。
[ステップS−1]
図1のステップS−1において、変速用電子制御装置78は、変速パターン(変速線)がノーマルパターンであるか否かを判定する。ノーマルパターンであると判定された場合には、本制御フローはリターンされ、ノーマルパターンではないと判定された場合には、ステップS−2に進む。本実施形態でにおいて、ノーマルパターンではない場合とは、パワーパターンであるか、スポーツパターンである場合である。
運転者は、スイッチ(図示せず)を切り換えることにより、ノーマルパターンと、パワーパターンを切り換えることができる。ノーマルパターンは、通常時の変速線である。パワーパターンは、ノーマルパターンよりも車両の駆動力を増加させる変速線である。スポーツパターンとは、上記のように、運転指向がスポーツ走行指向であると推定された場合に選択され、ノーマルパターンよりも車両の駆動力を増加させる変速線である。なお、パワーパターンとノーマルパターンとは、異なる変速線である。
上記スイッチでノーマルパターンが選択されており、かつ運転指向がノーマル走行指向である(スポーツ走行指向ではない)と推定されている場合には、ステップS−1は否定的に判定され、急減速制御(ステップS−8)は実行されない。ノーマルパターンのときに、車両の前方に他の車両などの障害物が急に飛び出してきた時のように、運転者がスポーツ走行指向の意思を有しているわけではなく他の要因で急ブレーキをかけた場合に、急減速時制御が行なわれるのは運転者の感覚に合わないためである。また、急減速時制御は、減速度を発生させるという意味のみならず、再加速性を向上させるという意味がある。急減速時制御後に再加速を行なう場合には、急減速時制御後の低速段が用いられるため、ショックが発生し、また、車両の飛び出し感が出る。そこで、急減速時制御は、運転者が自らスイッチでパワーパターンを選択した場合か、運転指向がスポーツ走行指向であると推定された場合(ステップS−1−N)に限定している。
[ステップS−2]
ステップS−2では、アイドルオンか否かが判定される。即ち、アクセル操作量センサ52により検出されたアクセルペダル50の開度が全閉であるか否かが判定される。アクセルが全閉である場合(ステップS−2−Y)にはステップS−3に進み、そうでない場合(ステップS−2−N)には本制御はリターンされる。急減速時制御が行なわれるには、アクセルが全閉であることが条件とされる。
[ステップS−3]
ステップS−3では、ブレーキスイッチ70に基づいて、ブレーキがオンされているか否かを判定する。ブレーキがオンである場合(ステップS−3−Y)にはステップS−4に進み、そうでない場合(ステップS−3−N)には本制御はリターンされる。急減速時制御が行なわれるには、ブレーキがオンであることが条件とされる。
[ステップS−4]
ステップS−4では、変速出力(現在の変速段)がn速以上であるか否かが判定される。変速出力がn速以上である場合(ステップS−4−Y)にはステップS−5に進み、そうでない場合(ステップS−4−N)には本制御はリターンされる。急減速時制御が行なわれるには、変速出力がn速以上であることが条件とされる。
[ステップS−5]
ステップS−5では、車速センサ66に基づいて、車速は、予め設定された所定範囲内であるか否かが判定される。車速が所定範囲内である場合(ステップS−5−Y)にはステップS−6に進み、そうでない場合(ステップS−5−N)には本制御はリターンされる。急減速時制御が行なわれるには、車速が所定範囲内であることが条件とされる。その所定範囲は、変速段ごとに変更される。
[ステップS−6]
ステップS−6では、加速度センサ87に基づいて、前後加速度が予め設定された閾値(n速禁止判定値)KG以下であるか否かが判定される。閾値KGは、負の値であり、変速段ごとに変更される。前後加速度が閾値KG以下である場合(ステップS−6−Y)には、ステップS−7に進み、そうでない場合(ステップS−6−N)には本制御はリターンされる。急減速時制御が行なわれるには、前後加速度が閾値KG以下であることが条件とされる。
[ステップS−7]
ステップS−7では、ブレーキスイッチ70に基づいて、ブレーキ踏力(ブレーキマスタシリンダー圧)の変化量が≧0であるか否かが判定される。即ち、ブレーキを戻しているか否かが判定される。ブレーキを戻していない場合、即ち、ブレーキを踏込んでいる場合、又は、ブレーキをそのままの状態で保持している場合(ステップS−7−Y)には、ステップS−8に進み、そうでない場合(ステップS−7−N)には本制御はリターンされる。急減速時制御が行なわれるには、ブレーキを戻していないことが条件とされる。運転者がブレーキを戻しているときに、急減速時制御によるダウンシフトが実行されると、運転者は違和感を感じる場合があるためである。
[ステップS−8]
ステップS−8では、変速用電子制御装置78によって、急減速時制御が実行される。即ち、n速を禁止することにより、ダウンシフト制御が行われる。ステップS−8の次には、本制御フローがリターンされる。
図4を参照して、第1実施形態の作用効果について説明する。
上記のように、本実施形態では、急減速時制御は、運転者がブレーキをオンしている場合(ステップS−3−Y)であって、車両の前後加速度が予め設定された閾値KG以下となったとき(ステップS−6−Y)に行なわれるが、急減速時制御は、運転指向がスポーツ走行指向であると推定された場合(ステップS−1−N)に許可される。
図4では、T0の時点で、運転者がブレーキをオンにしており(ブレーキスイッチ401がオン)、前後加速度403が閾値KG以下となっているが、運転指向推定値404が十分に上昇しておらず、スポーツ走行指向であるとの推定がなされていない(スポーツパターン判定405がオンになっていない)ため、急減速時制御は許可されない。
ブレーキ操作による減速度の増大により、運転指向推定値404が上昇し、T1の時点でスポーツ走行指向であるとの推定がなされる(スポーツパターン判定405がオンになる)。この場合、仮に、そのT1の時点で、急減速時制御が許可されるとすると、T1の時点では、前後加速度403が閾値KG以下であるため、ブレーキ踏力(又はブレーキマスタシリンダ圧)402が減少状態にある(運転者はブレーキを戻している)にもかかわらず、急減速時制御によるダウンシフト(n−1速への変速出力406がオン)が実行されてしまい、運転者に違和感を与える場合がある。
そこで、本実施形態では、ブレーキ踏力(又はブレーキマスタシリンダ圧)402が減少状態ではない(運転者はブレーキを戻していない)とき(ブレーキを踏んでいる場合を含む)に、急減速時制御を許可するようにしている(ステップS−7−Y)。
本実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
各種運転者の操作量や車両の状態量に基づいて運転指向を推定し、その推定された運転指向に基づいて、変速線や各種制御を切り換えるとともに、パワーパターンやスポーツパターン時には、急減速時制御を実行する車両用駆動力制御装置では、ブレーキの減速度の増大により運転指向の推定結果がスポーツ走行指向となり、スポーツパターンに切り換わると、急減速時制御が許可される。そのため、運転者がブレーキ踏力を抜き側で急減速時制御によるダウンシフトが実行されることがあり、運転者に違和感を与える場合があった。これに対して、本実施形態では、急減速時制御は、ブレーキ踏力(ブレーキマスターシリンダ圧)が減少していない状態の時のみ許可される。これにより、運転者の違和感が抑制される。
(第2実施形態)
次に、図5を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、ブレーキ踏力の抜き側で急減速時制御が実行されることによる運転者の違和感を抑制していた。これに対して、第2実施形態では、運転者がステアリングを切っている状態で急減速時制御が実行されることによる運転者の違和感を抑制する。
図5のステップSA−7では、舵角センサ85により検出されたステアリングの舵角が予め設定された所定値以上である場合(例えば車両の旋回判定が成立する場合)又は、舵角の変化率が予め設定された所定値以上である場合(例えば車両の旋回判定が成立する前のステアリングの切り始めの状態)には、急減速時制御が許可されないように構成されている。
(第3実施形態)
次に、図6を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、ブレーキ踏力の抜き側で急減速時制御が実行されることによる運転者の違和感を抑制していた。自車両の前に他の車両などの障害物が急に割り込んできた(飛び出してきた)場合に、運転者が危険回避のためにブレーキを強く踏むことにより運転指向推定結果がスポーツ走行指向になった場合に、急減速時制御が許可・実行されると、運転者は違和感を感じる場合がある。運転者の意図はスポーツ走行指向ではないにも関わらず、スポーツ走行指向であると誤った推定がなされ、それにより、急減速時制御の許可・実行がなされるためである。
そこで、第3実施形態では、図6のステップSB−7において、前方障害物と自車両との位置関係の変化率が予め設定された所定値以上である場合(急に前方障害物が自車両の前に割り込んできた場合に相当)には、急減速時制御が許可されないように構成されている。
本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の概略構成図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の他の概略構成図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の作用効果を説明するためのタイムチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第2実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エンジン
14 自動変速機
20 入力軸
42 出力軸
54 スロットルアクチュエータ
56 スロットル弁
58 エンジン回転速度センサ
60 吸入空気量センサ
62 吸入空気温度センサ
64 スロットルセンサ(スロットル弁開度)
66 車速センサ
68 冷却水温センサ
70 ブレーキスイッチ
72 シフトレバー
74 操作位置センサ
75 クラッチC0回転センサ
76 エンジン用電子制御装置
77 油温センサ
78 変速用電子制御装置
79 燃料噴射弁
80 イグナイタ
82 VSC用電子制御装置
83 ヨーレートセンサ
84 油圧制御回路
85 舵角センサ
86 車輪回転速度センサ
87 加速度センサ(車両加速度G)
88 ハイドロブースタアクチュエータ
96 信号読込手段
98 前処理手段
98a 発進時出力操作量算出手段
98b 加速操作時出力操作量最大変化率算出手段
98c 制動時最大減速度算出手段
98d 惰行走行時間算出手段
98e 車速一定走行時間算出手段
98f 入力信号区間最大値算出手段
98g 最大車速算出手段
100 運転指向推定手段
113 ナビゲーションシステム装置
114 レーダー
115 運転指向推定部
116 カメラ
NN ニューラルネットワーク
S1〜S4 電磁弁
SL1、SL2、SLU リニアソレノイド弁

Claims (3)

  1. 運転者の車両の制動操作に基づいて減速度をアシストする減速度アシスト制御を行なう車両用駆動力制御装置において、
    前記減速度アシスト制御の許否は、運転指向の推定結果に基づいて決定され、
    運転者の車両の操作状態及び前記車両の走行環境の少なくともいずれか一方が、予め前記減速度アシスト制御が行なわれたときには運転者に違和感を与える可能性があるとして設定された設定状況に該当する場合には、前記減速度アシスト制御は許可されず、
    前記設定状況とは、前記制動操作に対応する圧力の変化量が0よりも小さい状況である
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 請求項記載の車両用駆動力制御装置において、
    前記制動操作に対応する圧力は、前記制動操作のブレーキ踏力、又はブレーキマスタシリンダ圧である
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用駆動力制御装置において、
    前記減速度アシスト制御は、車両の急制動時にダウンシフトを実行する急減速時制御である
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
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