JP2007139148A - 作業機の油圧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 作業装置を操作目標位置に停止衝撃が発生しにくい状態で下降操作することができるようにする。
【解決手段】 油圧シリンダ30の給排油路40を、シリンダ側開閉弁42とタンク側開閉弁47とによって排油状態、給油状態、給排停止状態に切り換え操作する。シリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47に接続された操作油路50に昇降バルブ60を設けてある。昇降バルブ60は、操作油路50を操作してシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を操作することにより、給排油路40を切り換え操作して油圧シリンダ30を操作する。昇降バルブ60の下降状態と停止状態の間に減速操作状態を設けてある。昇降バルブ60の減速操作状態は、スプール65の傾斜外周部65dによってチェック弁70を操作して操作油路50を絞り操作し、シリンダ側開閉弁42が給排油路40を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するようにする。
【選択図】 図7
【解決手段】 油圧シリンダ30の給排油路40を、シリンダ側開閉弁42とタンク側開閉弁47とによって排油状態、給油状態、給排停止状態に切り換え操作する。シリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47に接続された操作油路50に昇降バルブ60を設けてある。昇降バルブ60は、操作油路50を操作してシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を操作することにより、給排油路40を切り換え操作して油圧シリンダ30を操作する。昇降バルブ60の下降状態と停止状態の間に減速操作状態を設けてある。昇降バルブ60の減速操作状態は、スプール65の傾斜外周部65dによってチェック弁70を操作して操作油路50を絞り操作し、シリンダ側開閉弁42が給排油路40を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するようにする。
【選択図】 図7
Description
本発明は、連結された作業装置を昇降操作する単動式の油圧シリンダを備えた作業機の油圧装置に関する。
上記した油圧装置は、油圧シリンダに圧油を供給し、油圧シリンダを圧油によって駆動して作業装置を上昇操作し、油圧シリンダから圧油を排出し、油圧シリンダを作業装置の荷重によって作動させて作業装置を下降操作するものである。
この種の油圧装置として、従来、たとえば特許文献1に示されるように、リフトシリダ6(油圧シリンダに相当)によってリフトアーム11を有したリンク機構7を介して作業装置を昇降操作するように構成し、リフトシリダ6の給排油路22に接続されるとともに絞り弁43を有した排油路44、前記給排油路22に接続されるとともに逆止弁45を有した給油路46を備え、リフトシリンダ6が排出する油に絞り弁43によって流動抵抗を与えてリフトアーム11の下降速度を調節するものがあった。
この種の油圧装置において、上記した従来の技術を採用することにより、下降操作された作業装置を停止衝撃が発生しにくい状態で停止させることができるようにすると、作業装置が下降を開始してから停止するまで、停止衝撃の発生を抑制するためのものとして設定した大きな流動抵抗が絞り弁によって付与され、下降操作された作業装置が操作目標の下降位置に到達するまでに掛かる時間が長くなっていた。
本発明の目的は、作業装置を操作目標の下降位置に停止衝撃が発生しにくいように停止させることのみならず、迅速に下降させることもでき、さらには構造簡単に得ることができる作業装置の油圧装置を提供することにある。
本第1発明にあっては、連結された作業装置を昇降操作する単動式の油圧シリンダを備えた作業機の油圧装置において、
前記油圧シリンダの給排油路を油圧シリンダに圧油供給する給油状態と、油圧シリンダから圧油排出する排油状態と、油圧シリンダの給排油を停止する給排停止状態とに切り換える切り換え弁機構を備え、
前記切り換え弁機構の背圧を操作して切り換え弁機構を切り換え操作することによって前記油圧シリンダを操作する昇降バルブを有した操作油路を備え、
前記昇降バルブの作業装置下降状態と作業装置停止状態の間に、前記切り換え弁機構が前記給排油路を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するように前記操作油路を絞り操作する減速操作状態を設けてある。
前記油圧シリンダの給排油路を油圧シリンダに圧油供給する給油状態と、油圧シリンダから圧油排出する排油状態と、油圧シリンダの給排油を停止する給排停止状態とに切り換える切り換え弁機構を備え、
前記切り換え弁機構の背圧を操作して切り換え弁機構を切り換え操作することによって前記油圧シリンダを操作する昇降バルブを有した操作油路を備え、
前記昇降バルブの作業装置下降状態と作業装置停止状態の間に、前記切り換え弁機構が前記給排油路を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するように前記操作油路を絞り操作する減速操作状態を設けてある。
すなわち、作業装置を下降させるに当たり、昇降バルブを作業装置下降状態に切り換え操作すると、昇降バルブが操作油路を操作して切り換え弁機構の背圧を操作し、これによって切り換え弁機構が給排油路を排油状態に切り換え操作して油圧シリンダが作業装置の荷重のために排油して作業装置を下降操作する。作業装置が所定ストロークを下降した適切な操作タイミングになると、昇降バルブを作業装置停止状態に人為的に切り換え操作したり、自動的に切り換え操作させたりする。このとき、昇降バルブは減速操作状態を経て作業装置停止状態に切り換わるが、昇降バルブが適切な切り換え速度で切り換わるように操作したり操作させたりすると、昇降バルブの減速操作状態が有効に作用して、切り換え弁機構が給排油路を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作する。これにより、油圧シリンダは、作業装置を操作目標の停止位置の手前まで下降させてから減速を開始し、この後、作業装置を徐々に下降させて操作目標の下降位置に到達させる。
昇降バルブは、切り換え弁機構の背圧を操作して切り換え弁機構を切り換え操作するものだから、特別なパイロットポンプを不要にしながら、切り換え弁機構が給排油路を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するように切り換え弁機構を操作させることができる。
従って、本第1発明によると、昇降バルブを適切なタイミングや切り換え速度で切り換え操作したり切り換え操作させたりすることにより、作業装置が操作目標位置の手前までは減速しないで下降して操作目標位置に迅速に到達するように、かつ作業装置が操作目標位置の手前から減速して操作目標位置に停止衝撃が発生しにくい状態で停止するように作業装置を下降操作することができ、作業装置を操作目標位置に精度よく位置合わせした仕上がりの良い作業を能率よく行うことができる。
さらに、特別なパイロットポンプなどが不要な構造簡単なものにして、安価に得ることができる。
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記操作油路に、絞り状態に操作自在なチェック弁を設け、前記昇降バルブの前記減速操作状態は、前記チェック弁を絞り状態に操作することによって前記操作油路を絞り操作するように構成してある。
すなわち、昇降バルブの減速操作状態は、操作油路のチェック弁を絞り状態に操作することによって操作油路を絞り操作するものだから、昇降バルブに絞り機能を備えさせずに操作油路が絞り操作されるようにすることができる。
従って、本第2発明によると、切り換え弁機構が給排油路を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するように操作油路を絞り操作するものでありながら、昇降バルブに絞り機能を備えない構造簡単なものにして、安価に得ることができる。
本第3発明にあっては、本第1又は第2発明の構成において、前記作業装置の昇降ストロークを前記昇降バルブにフィードバックして昇降バルブを作業装置停止状態に自動的に切り換え操作するフィードバック機構を備えてある。
すなわち、昇降バルブが切り換え操作されて作業装置が下降操作され、作業装置の下降ストロークが所定ストロークになるに伴い、フィードバック機構によって昇降バルブが作業装置停止状態に自動的に切り換え操作されるものであるから、昇降バルブの減速操作状態が有効に作用するように昇降バルブを適切なタイミングや切り換え速度で操作させることができる。
従って、本第3発明によると、作業装置を下降操作する際、昇降バルブがフィードバック機構によって適切なタイミングや切り換え速度で操作され、作業装置を操作目標位置の手前まで減速しないで下降して操作目標位置に迅速に到達するように、かつ、操作目標位置に徐々に下降して停止衝撃が発生しにくい状態で停止するように確実に操作することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1,2,3に示すように、左右一対の前車輪1を操向操作及び遊転自在に備え、かつ、左右一対の後車輪2を駆動自在に備えた自走車体の車体フレーム3の前部に、エンジン4を備えた原動部を設けるとともに、前記エンジン4の出力軸からの駆動力を伝動ベルト5を利用した伝動機構を介し、車体フレーム3の後部を形成しているミッションケース6に伝達してこのミッションケース6から左右後輪2に伝達するように構成し、前記車体フレーム3の原動部よりも後側に、運転座席7及びステアリングハンドル8を備えた運転部を設け、前記車体フレーム3の後部に、左右一対のリフトアーム11などを備えたリンク機構10、前記ミッションケース6の後壁部から突出する動力取り出し軸9を設けて、トラクタを構成してある。
図1,2,3に示すように、左右一対の前車輪1を操向操作及び遊転自在に備え、かつ、左右一対の後車輪2を駆動自在に備えた自走車体の車体フレーム3の前部に、エンジン4を備えた原動部を設けるとともに、前記エンジン4の出力軸からの駆動力を伝動ベルト5を利用した伝動機構を介し、車体フレーム3の後部を形成しているミッションケース6に伝達してこのミッションケース6から左右後輪2に伝達するように構成し、前記車体フレーム3の原動部よりも後側に、運転座席7及びステアリングハンドル8を備えた運転部を設け、前記車体フレーム3の後部に、左右一対のリフトアーム11などを備えたリンク機構10、前記ミッションケース6の後壁部から突出する動力取り出し軸9を設けて、トラクタを構成してある。
このトラクタは、図4に示す如く車体フレーム3の後部に前記リンク機構10を介して耕耘装置20を連結して、乗用型耕耘機を構成するなど、車体フレーム3の後部にリンク機構10を介して各種の作業装置を連結して各種の乗用型作業機を構成するものである。
乗用型耕耘機を構成した場合、図3などに示す如くリンク機構10のリフトアーム11に連動された昇降シリンダ30を操作すると、この昇降シリンダ30がリンク機構10を車体フレーム3に対して上下に揺動操作することにより、耕耘装置20をこれの複数枚の耕耘ディスク21が接地した下降作業状態と、耕耘ディスク21が地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。耕耘装置20を下降作業状態にして自走車体を走行させることにより、耕耘装置20が前記耕耘ディスク21によって圃場を耕起していく。
乗用型耕耘機を構成した場合、図3などに示す如くリンク機構10のリフトアーム11に連動された昇降シリンダ30を操作すると、この昇降シリンダ30がリンク機構10を車体フレーム3に対して上下に揺動操作することにより、耕耘装置20をこれの複数枚の耕耘ディスク21が接地した下降作業状態と、耕耘ディスク21が地面から上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。耕耘装置20を下降作業状態にして自走車体を走行させることにより、耕耘装置20が前記耕耘ディスク21によって圃場を耕起していく。
リンク機構10によって連結された耕耘装置20(以下、作業装置20と呼称する。)を昇降操作する構造について、次に詳述する。
図2,3,11などに示すように、リンク機構10は、前記ミッションケース6の上部に設けた左右一対の支持フレーム12に回転支軸13を介して上下揺動自在に支持された前記左右一対のリフトアーム11、前記ミッションケース6の下部の両横側に上下揺動自在に支持されたロワーリンク14、前記左側のリフトアーム11とロワーリンク14を連結する昇降ロッド15、前記右側のリフトアーム11とロワーリンク14を連結する昇降ロッド15、車体フレーム3の後端部に上下揺動自在に支持されたトップリンク16を備えて構成してある。
図4に示すように、前記左右のロワーリンク14及び前記トップリンク16の遊端側は、作業装置20のフレーム22に回動自在に連結するようになっている。
図4に示すように、前記左右のロワーリンク14及び前記トップリンク16の遊端側は、作業装置20のフレーム22に回動自在に連結するようになっている。
図9,11に示すように、前記左右一対のリフトアーム11のそれぞれに、リフトアーム11の基部から一体揺動自在に延出した操作アーム部11aを備えさせ、各リフトアーム11の前記操作アーム部11aを、一本の連結軸31を介して前記昇降シリンダ30のピストンロッドに連結してある。昇降シリンダ30のシリンダチューブの基部は、連結軸32を介して前記左右一対の支持フレーム12に回動自在に支持されている。
昇降シリンダ30は、単動式の油圧シリンダによって構成し、この昇降シリンダ30を操作する油圧装置は、図3に示す如く前記原動部のエンジン4の後方側に設けた油圧ポンプ33、図11,12に示す如く前記一方の支持フレーム12に支持された油圧ブロック34などを備えさせて構成してある。図3に示すように、油圧ポンプ33は、エンジン4の出力軸の駆動力が伝動ベルト35によって伝達されることによって駆動される。
図5などに示すように、前記油圧ブロック34には、前記油圧ポンプ33の吐出部に油圧ホース(図示せず)を介して接続されたポンプポートP、前記昇降シリンダ30に油圧ホース(図示せず)を介して接続されたシリンダポートC、作動油タンクに兼用の前記ミッションケース6に油圧ホース(図示せず)を介して接続されたタンクポートT、前記シリンダポートCに一端側が接続された給排油路40、この給排油路40に備えさせたリリーフバルブ41、前記給排油路40のシリンダポートCに連通している端部に設けたシリンダ側開閉弁42に接続された操作油路50を設けてある。
前記給排油路40は、シリンダポートCをポンプポートP及びタンクポートTに接続することにより、昇降シリンダ30を油圧ポンプ33及びミッションケース6に接続している。この給排油路40は、シリンダポートCを構成する部材に設けたチェック弁43を備えた給油路44、シリンダポートCを構成する部材に設けた絞り部45を備えた排油路46を介して昇降シリンダ30に接続されている。前記給油路44は、チェック弁43の作用により、給排油路40から昇降シリンダ30に圧油が流入することを許容し、昇降シリンダ30から給排油路40に圧油が流出することを阻止する。前記排油路46は、昇降シリンダ30から給排油路40に圧油が流出することを許容し、かつ、昇降シリンダ30が流出する圧油に絞り部45によって流動抵抗を付与し、作業装置20の荷重にかかわらず、リフトアーム11が比較的低速でかつ安定した下降速度で下降するように昇降シリンダ30下降作動速度を調整する。
前記給排油路40のシリンダポートCに連通している端部に設けた前記シリンダ側開閉弁42と、前記給排油路40のタンクポートTに連通している端部に設けたタンク側開閉弁47とにより、切り換え弁機構48を構成してある。
シリンダ側開閉弁42は、給排油路40のシリンダポートCに連通しているシリンダ側部分をポンプポートP及びタンクポートTに連通しているポンプタンク側部分に連通させる開き状態と、前記シリンダ側部分と前記ポンプタンク側部分の連通を絶つ閉じ状態とに切り換え自在に構成し、かつ、スプリング42aによって閉じ状態に切り換え付勢されるように構成してある。タンク側開閉弁47は、給排油路40のシリンダポートC及びポンプポートPに連通しているシリンダポンプ側部分をタンクポートTに連通しているタンク側部分に連通させる開き状態と、前記シリンダポンプ側部分とタンク側部分の連通を絶つ閉じ状態とに切り換え自在に構成し、かつ、スプリング47aによって閉じ状態に切り換え付勢されるように構成してある。これにより、切り換え弁機構48は、シリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47が開閉操作されることにより、給排油路40を昇降シリンダ30に圧油供給する給油状態と、昇降シリンダ30から圧油排出する排油状態と、油圧シリンダ30の給排油を停止する給排停止状態とに切り換え操作する。
すなわち、図5(イ,ロ)に示すように、シリンダ側開閉弁42が開き状態に切り換え操作され、タンク側開閉弁47が閉じ状態に切り換え操作されることにより、給排油路40は、油圧ポンプ33からポンプポートPに供給された圧油をシリンダポートCに流動させて昇降シリンダ30に供給するように給油状態になる。図6(イ,ロ)に示すように、シリンダ側開閉弁42もタンク側開閉弁47も開き状態に切り換え操作されることにより、給排油路40は、昇降シリンダ30の圧油をシリンダポートCからタンクポートTに流動させてミッションケース6に排出するように排油状態になる。このとき、油圧ポンプ33からの圧油をポンプポートPからシリンダポートCに流動させてミッションケース6に戻す。図7(イ,ロ)に示すように、シリンダ側開閉弁42が閉じ状態に切り換え操作されることにより、給排油路40は、昇降シリンダ30の圧油をシリンダポートCからタンクポートTに流動させないように、かつ、油圧ポンプ33からポンプポートPに供給された圧油をシリンダポートCに流動させないように給排停止状態になる。
図5などに示すように、前記操作油路50は、前記切り換え弁機構48における前記シリンダ側開閉弁42の背後側に接続されたシリンダ側操作油路51、前記タンクポートTに前記給排油路40の一部及び前記タンク側開閉弁47を介して接続された排油路52、前記切り換え弁機構48における前記タンク側開閉弁47の背後側に接続されたタンク側操作油路53を備えて構成してある。この操作油路50には、前記シリンダ側操作油路51と前記排油路52及び前記タンク側操作油路53との間に介装された昇降バルブ60、及び、前記シリンダ側操作油路51の前記昇降バルブ60と前記シリンダ側開閉弁42との間に介装されたチェック弁70を備えてある。
図8に明示するように、前記チェック弁70は、弁座71、球形の弁体72、この弁体72を弁座71に押圧付勢するスプリング73、弁体72をスプリング73に抗して押圧操作する操作体74を備えて構成してある。
弁体72がスプリング73によって弁座71に押圧操作されて弁座71の油路孔75を閉じることにより、チェック弁70は、シリンダ側開閉弁42からの油が昇降バルブ60に流動することを阻止するように閉じ状態に切り換わる。弁体72が操作体74の先端部74aによって押圧操作されて弁座71の油路孔75を開くことにより、チェック弁70は、シリンダ側開閉弁42からの油が昇降バルブ60に流動することを許容するように開き状態に切り換わる。チェック弁70が前記開き状態に切り換え操作された状態において、操作体74の押し操作ストロークが変更されると、弁体72の弁座71からの離間距離が変化して弁座71の油路孔75の開口量が変化し、チェック弁70は、シリンダ側開閉弁42から昇降バルブ60に流動する油の量を増減調節するようにシリンダ側操作油路51を弁体72によって絞り操作するとともにその絞り度合いを変更する。
弁体72がスプリング73によって弁座71に押圧操作されて弁座71の油路孔75を閉じることにより、チェック弁70は、シリンダ側開閉弁42からの油が昇降バルブ60に流動することを阻止するように閉じ状態に切り換わる。弁体72が操作体74の先端部74aによって押圧操作されて弁座71の油路孔75を開くことにより、チェック弁70は、シリンダ側開閉弁42からの油が昇降バルブ60に流動することを許容するように開き状態に切り換わる。チェック弁70が前記開き状態に切り換え操作された状態において、操作体74の押し操作ストロークが変更されると、弁体72の弁座71からの離間距離が変化して弁座71の油路孔75の開口量が変化し、チェック弁70は、シリンダ側開閉弁42から昇降バルブ60に流動する油の量を増減調節するようにシリンダ側操作油路51を弁体72によって絞り操作するとともにその絞り度合いを変更する。
図5などに示すように、昇降バルブ60は、前記シリンダ側操作油路51に連通したシリンダバルブポート61、前記排油路52に連通したタンクポート62、前記タンク側操作油路53に連通したタンクバルブポート63を備えたバルブケース64、このバルブケース64のスプール孔に摺動自在に組み付けられたスプール65を備えて構成してある。スプール65は、バルブケース64に対して摺動操作されることにより、図7(イ)に示す停止位置Nと、図5(イ)に示す上昇位置Uと、図6(イ)に示す下降位置Dとに切り換わるにように構成してある。
すなわち、図5(イ,ロ)に示すように、スプール65が上昇位置Uに操作されると、スプール65の大径部65aがバルブケース64のタンクバルブポート63に対向してこのタンクバルブポート63を閉じ、スプール65の小径端部65bがチェック弁70の操作体74に対向してチェック弁70をスプリング73によって全閉状態に閉じ操作する。すると、シリンダ側開閉弁42の周壁の油路孔42bからシリンダ側開閉弁42の内部に入った圧油によってシリンダ側開閉弁42に背圧が掛かるが、シリンダ側開閉弁42がポンプポートPからの圧油によってスプリング42aに抗して開き状態に切り換え操作されるように、操作油路50のシリンダ側操作油路51がシリンダ側開閉弁42の背圧を調整操作する。タンク側開閉弁47の端部壁の油路孔47bからタンク側開閉弁47の内部に入った圧油によってタンク側開閉弁47に背圧が掛かるが、タンク側開閉弁47がスプリング47aによって閉じ状態に切り換え操作されるように、操作油路50のタンク側操作油路53がタンク側開閉弁47の背圧を調整操作する。これにより、昇降バルブ60は、操作油路50によってシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を操作して切り換え弁機構48を操作し、切り換え弁機構48によって給排油路40を給油状態に切り換え操作することにより、昇降シリンダ30をリフトアーム上昇状態に操作するように作業装置上昇状態になる。
図6(イ,ロ)に示すように、スプール65が下降位置Dに操作されると、スプール65の小径部65cがバルブケース64のシリンダバルブポート61、タンクポート62、タンクバルブポート63に対向してシリンダバルブポート61及びタンクバルブポート63をタンクポート62に連通させ、スプール65の傾斜外周部65dにおける大径側部分がチェック弁70の操作体74に押圧操作してチェック弁70を開き操作する。すると、操作油路50のシリンダ側操作油路51が排油路52を介してタンクポートTに連通され、シリンダ側開閉弁42がポンプポートPからの圧油によってスプリング42aに抗して開き状態に切り換え操作されるように、操作油路50のシリンダ側操作油路51及び排油路52がシリンダ側開閉弁42の背圧を減圧操作する。操作油路50のタンク側操作油路53が排油路52に連通され、タンク側開閉弁47がポンプポートPからの圧油によって開き状態に操作されるように、操作油路50のタンク側操作油路53及び排油路52がタンク側開閉弁47の背圧を減圧操作する。これにより、昇降バルブ60は、操作油路50によってシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を操作して切り換え弁機構48を操作し、切り換え弁機構48によって給排油路40を排油状態に切り換え操作することにより、昇降シリンダ30をリフトアーム下降状態に操作するように作業装置下降状態になる。
図7(イ,ロ)に示すように、スプール65が停止位置Nに操作されると、スプール65の小径部65cがバルブケース64のシリンダバルブポート61、タンクポート62、タンクバルブポート63に対向してシリンダバルブポート61及びタンクバルブポート63をタンクポート62に連通させ、スプール65の前記傾斜外周部65dにおける小径側部分がチェック弁70の操作体74に対向してチェック弁70をスプリング73によって閉じ状態に操作する。すると、シリンダ側操作経路51がチェック弁70によって閉じられ、シリンダ側開閉弁42がスプリング42aによって閉じ状態に切り換え操作されるように、操作経路50のシリンダ側操作経路51がシリンダ側開閉弁42の背圧を増圧操作する。操作油路50のタンク側操作油路53が排油路52に連通され、タンク側開閉弁47がポンプポートPからの圧油によって開き状態に操作されるように、操作油路50のタンク側操作油路53及び排油路52がタンク側開閉弁47の背圧を減圧操作する。これにより、昇降バルブ60は、操作油路50によってシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を操作して切り換え弁機構48を操作し、切り換え弁機構48によって給排油路40を給排停止状態に切り換え操作することにより、昇降シリンダ30をリフトアーム停止状態に操作するように作業装置停止状態になる。
前記スプール65の前記傾斜外周部65dは、スプール65が下降位置Dから停止位置Nに摺動操作されていくに伴い、傾斜外周部65dがチェック弁70の操作体74に摺接しながら押圧操作していくことにより、かつ、傾斜外周部65dの外径が次第に小さくなっていくことにより、チェック弁70を開き側から閉じ側に徐々に変化して絞り状態に切り換わるように、さらに、絞り作用が漸次に増加していくようにチェック弁70を切り換え操作し、これにより、スプール65が下降位置Dから停止位置Nに切り換えられていくに伴い、シリンダ側開閉弁42からシリンダ側操作油路51に流出して排油路52からタンクポートTに流動する圧油が徐々に少なくなってシリンダ側開閉弁42が漸次に閉じられていき、スプール65が停止位置Nになることによってシリンダ側開閉弁42が閉じ状態になるように構成してある。
これにより、昇降バルブ60は、作業装置下降状態と作業装置停止状態の間において減速操作状態になり、この減速操作状態において、作業装置停止状態に向けて切り換えられていくに伴い、スプール65の傾斜外周部65dによってチェック弁70を徐々に閉じていく絞り状態に操作し、これによって切り換え弁機構48が給排油路40を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するように操作油路50のシリンダ側操作油路51を絞り操作するとともに絞り操作後に閉じ操作する。
図2に示すように、前記昇降バルブ60に連動された昇降レバー80を運転部の運転座席7の横側方に設けてある。図9,11などに示すように、この昇降レバー80の基部80aは、前記一方の支持フレーム12がブラケット81を介して支持するレバー支軸82に回動自在に支持されており、昇降レバー80は、レバー支軸82の車体横向きの軸芯82aまわりで車体前後方向に揺動する。図11,13などに示すように、この昇降レバー80の前記基部80aと、昇降バルブ60の前記スプール65の端部に連結ピン83を介して中間部が回動自在に連結された天秤リンク84の一端側とを球面継ぎ手85を介して連結することにより、昇降レバー80と昇降バルブ60とを連動させてある。
図9,12,13などに示すように、前記天秤リンク84、この天秤リンク84の前記昇降レバー80が連結している側とは反対側の端部に球面継ぎ手86を介して一端側が連結された揺動リンク87、この揺動リンク87の他端側に前端側が連結された連動ロッド88、この連動ロッド88の後端側が連結された検出部材89により、フィードバック機構90を構成してある。
前記検出部材89は、リフトアーム11の前記回転支軸13の端部に一体回転自在に連結されている。前記揺動リンク87の中間部は、前記ブラケット81が支持体91を介して支持する支軸92に回動自在に支持されており、揺動リンク87は、前記支軸92の車体横向きの軸芯92a(図13参照)まわりで揺動する。
図9に示す如く昇降レバー80が軸芯82aまわりで下降側「Down」(車体前方側)に揺動操作されると、天秤リンク84が天秤リンク84と揺動リンク87を連結している球面継ぎ手86の回動中心を揺動支点にしてレバー基部80aによって車体後方側に揺動操作されて昇降バルブ60のスプール65を停止位置Nから下降位置Dに押し操作する。これによって昇降バルブ60が作業装置下降状態になってリフトアーム11が下降操作されると、これに伴って連動ロッド88が検出部材89によって車体後方側に引き操作されて揺動リンク87を軸芯92aまわりで、揺動リンク87の下端側が車体前方側に揺動する方向に揺動操作し、揺動リンク87が天秤リンク84を天秤リンク84と昇降レバー80を連結している球面継ぎ手85の回動中心を揺動支点にして車体前方側に揺動操作し、天秤リンク84が昇降バルブ60のスプール65を引き操作していき、リフトアーム11の下降角度が昇降レバー80の操作ストロークに対応した角度に達すると、天秤リンク84が昇降バルブ60のスプール65を停止位置Nに戻し操作する。
図10に示す如く昇降レバー80が軸芯82aまわりで上昇側「Up」(車体後方側)に揺動操作されると、天秤リンク84が天秤リンク84と揺動リンク87を連結している球面継ぎ手86の回動中心を揺動支点にしてレバー基部80aによって車体前方側に揺動操作されて昇降バルブ60のスプール65を停止位置Nから上昇位置Uに引き操作する。これによって昇降バルブ60が作業装置上昇状態になってリフトアーム11が上昇操作されると、これに伴って連動ロッド88が検出部材89によって車体前方側に押し操作されて揺動リンク87を軸芯92aまわりで、揺動リンク87の下端側が車体後方側に揺動する方向に揺動操作し、揺動リンク87が天秤リンク84を天秤リンク84と昇降レバー80を連結している球面継ぎ手85の回動中心を揺動支点にして車体後方側に揺動操作し、天秤リンク84が昇降バルブ60のスプール65を押し操作していき、リフトアーム11の上昇角度が昇降レバー80の操作ストロークに対応した角度に達すると、天秤リンク84が昇降バルブ60のスプール65を停止位置Nに戻し操作する。
これにより、フィードバック機構90は、作業装置20が昇降操作されると、リフトアーム11の支持フレーム12に対する揺動方向及び揺動角を作業装置20の昇降及び昇降ストロークとして検出してこの検出結果を昇降バルブ60にフィードバックし、作業装置20が昇降レバー80の操作ストロークに対応したストロークだけ上昇や下降して昇降レバー80の操作位置に対応した連結高さになると、昇降バルブ60を作業装置停止状態に自動的に切り換え操作する。フィードバック機構90は、作業装置20が下降操作された際、昇降バルブ60を、減速操作状態を経て作業装置停止状態に切り換え操作する。
尚、図5などに示すスプリング66は、昇降バルブ60を作業下降状態に付勢するものであるが、昇降バルブ60は、昇降レバー80やフィードバック機構90によって作業装置上昇状態や作業装置停止状態に切り換え操作された際、昇降レバー80の操作抵抗やリフトアーム11によってスプリング66に抗して作業装置上昇状態や作業装置停止状態に保持される。
つまり、昇降レバー80を前記軸芯82aまわりで車体前後方向に揺動操作すると、作業装置20が昇降レバー80の操作方向に対応した方向に昇降して昇降レバー80の操作位置に対応した連結高さ(以下、操作目標位置と称する。)になる。作業装置20が下降する際、操作目標位置に停止衝撃が発生しにくいように静かに停止する。
すなわち、昇降レバー80を軸芯82aまわりで上昇側「Up」に揺動操作する。すると、天秤リンク84が球面継ぎ手86の回動中心を支点にして車体前方側に揺動操作されて昇降バルブ60のスプール65を停止位置Nから上昇位置Uに切り換え操作する。これにより、昇降バルブ60が作業装置停止状態から作業装置上昇状態に切り換え操作され、操作油路50を操作して切り換え弁機構48のシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を調整操作する。すると、切り換え弁機構48が給排油路40を給油状態に切り換え操作して油圧ポンプ33からの圧油が昇降シリンダ30に供給され、昇降シリンダ30が圧油によって伸長側に駆動されて左右一対のリフトアーム11を上昇側に揺動操作することにより、リンク機構10を上昇操作して作業装置20を上昇操作する。作業装置20の上昇ストロークが昇降レバー80の操作ストロークに対応したストロークに達すると、フィードバック機構90が昇降バルブ60を作業装置停止状態に自動的に切り換え操作し、昇降バルブ60が操作油路50を操作して切り換え弁機構48のシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を調整操作し、切り換え弁機構48が給排油路40を給排停止状態に切り換え操作する。これにより、昇降シリンダ30が停止操作されて左右一対のリフトアーム11を停止操作するとともにその操作位置に保持することにより、リンク機構10を停止操作するとともにその操作位置に保持して作業装置20を操作目標位置に保持する。
昇降レバー80を軸芯82aまわりで下降側「Down」に揺動操作する。すると、天秤リンク84が球面継ぎ手86の回動中心を支点にして車体後方側に揺動操作されて昇降バルブ60のスプール65を停止位置Nから下降位置Dに切り換え操作する。これにより、昇降バルブ60が作業装置停止状態から作業装置下降状態に切り換え操作され、操作油路50を操作して切り換え弁機構48のシリンダ側開閉弁42及びタンク側開閉弁47の背圧を調整操作する。すると、切り換え弁機構48が給排油路40を排油状態に切り換え操作し、昇降シリンダ30が作業装置20の荷重のために排油して短縮側に作動して左右一対のリフトアーム11を下降側に揺動操作することにより、リンク機構10を下降操作して作業装置20を下降操作する。このとき、フィードバック機構90が作業装置20の下降を昇降バルブ60にフィードバックしてスプール65を操作しており、作業装置20が操作目標位置の少し手前の連結高さに下降すると、フィードバック機構90が昇降バルブ60を減速操作状態に操作し、この後、作業装置20が操作目標位置に到達するに伴って、フィードバック機構90が昇降バルブ60を作業装置停止状態に戻し操作する。これにより、作業装置20が操作目標位置の少し手前に達してから操作目標位置に到達するまでの間、切り換え弁機構48が給排油路40を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作していき、昇降シリンダ30が排油を徐々に少なくしていく状態で短縮側に作動して左右一対のリフトアーム11を下降側に揺動操作して作業装置20をそれまでの下降速度(絞り部45によって調整される下降速度)よりも減速し、かつ、操作目標位置に近づくほど減速していく下降速度で下降操作する。作業装置20が操作目標位置に下降すると、昇降バルブ60による操作油路50の操作によって切り換え弁機構48が給排油路40を給排停止状態に切り換え操作し、昇降シリンダ30が停止操作されて左右一対のリフトアーム11を停止操作するとともにその操作位置に保持することにより、リンク機構10を停止操作するとともにその操作位置に保持して作業装置20を操作目標位置に操作するとともに保持する。
〔別実施例〕
本発明は、トラクタに装備される油圧装置のみならず、コンバインに刈取り前処理部を昇降操作するように装備される油圧装置や、草刈機に草刈り装置を昇降操作するように装備される油圧装置などにも適用できる。従って、トラクタ、コンバイン、草刈機などの各種の作業車両を総称して作業機と呼称する。
本発明は、トラクタに装備される油圧装置のみならず、コンバインに刈取り前処理部を昇降操作するように装備される油圧装置や、草刈機に草刈り装置を昇降操作するように装備される油圧装置などにも適用できる。従って、トラクタ、コンバイン、草刈機などの各種の作業車両を総称して作業機と呼称する。
20 作業装置
30 油圧シリンダ
40 給排油路
48 切り換え弁機構
60 昇降バルブ
70 チェック弁
90 フィードバック機構
30 油圧シリンダ
40 給排油路
48 切り換え弁機構
60 昇降バルブ
70 チェック弁
90 フィードバック機構
Claims (3)
- 連結された作業装置を昇降操作する単動式の油圧シリンダを備えた作業機の油圧装置であって、
前記油圧シリンダの給排油路を油圧シリンダに圧油供給する給油状態と、油圧シリンダから圧油排出する排油状態と、油圧シリンダの給排油を停止する給排停止状態とに切り換える切り換え弁機構を備え、
前記切り換え弁機構の背圧を操作して切り換え弁機構を切り換え操作することによって前記油圧シリンダを操作する昇降バルブを有した操作油路を備え、
前記昇降バルブの作業装置下降状態と作業装置停止状態の間に、前記切り換え弁機構が前記給排油路を排油状態から給排停止状態に漸次に切り換え操作するように前記操作油路を絞り操作する減速操作状態を設けてある作業機の油圧装置。 - 前記操作油路に、絞り状態に操作自在なチェック弁を設け、前記昇降バルブの前記減速操作状態は、前記チェック弁を絞り状態に操作することによって前記操作油路を絞り操作するように構成してある請求項1記載の作業機の油圧装置。
- 前記作業装置の昇降ストロークを前記昇降バルブにフィードバックして昇降バルブを作業装置停止状態に自動的に切り換え操作するフィードバック機構を備えてある請求項1又は2記載の作業機の油圧装置。
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