JP2007123637A - スピン注入磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

スピン注入磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Abstract

【課題】スピン注入磁化反転を低電流で行う。
【解決手段】本発明の例に関わるスピン注入磁気ランダムアクセスメモリは、スピン注入電流Isにより発生させたスピン偏極電子を用いて磁気抵抗効果素子MTJに対する書き込みを実行し、書き込み時に、磁気抵抗効果素子MTJに対して、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向の磁場を印加する手段AL,D1,S1を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピン偏極電子(Spin-polarized electrons)を用いて磁化反転(magnetization reversal)を行うスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ(spin-injection magnetic random access memory)に関する。
近年、トンネル磁気抵抗(TMR: tunneling magneto resistance)効果を利用した磁気抵抗効果素子(magneto resistive element)を磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM: magnetic random access memory)に応用する試みが盛んである。
最近では、磁気抵抗変化率を表すMR比(magneto resistive ratio)が230%以上の磁気抵抗効果素子も得られ、また、MR比の電圧依存性が抑えられるようになったため、磁気ランダムアクセスメモリの実用化への可能性が高まった。
磁気抵抗効果素子を磁気ランダムアクセスメモリのメモリ素子として用いた場合、トンネルバリア層を挟む2つの強磁性層のうちの一方を磁化方向が固着される磁気固着層(pinned layer)とし、他方を磁化方向が変化する磁気記録層(free layer)とする。
このような強磁性1重トンネル接合又は強磁性2重トンネル接合を用いたメモリ素子は、データを不揮発に記憶できると共に、書き込み/読み出し時間が10 ns以下と速く、書き換え回数も1015回以上という特徴を有する。
しかし、メモリセルが1個のトランジスタと1個の磁気抵抗効果素子とからなるアーキテクチャを採用する場合には、セルサイズをダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM: dynamic random access memory)のそれ以下に小さくできないという問題が生じる。
これを解決するために、ビット線とワード線との間に磁気抵抗効果素子とダイオードとを直列接続するダイオード型アーキテクチャや、ビット線とワード線との間に磁気抵抗効果素子のみを配置する単純マトリックス型アーキテクチャなどが提案されている。
しかし、いずれの場合も、磁気記録層に対する書き込み(磁化反転)は、電流パルスにより発生する磁場(電流磁場)のみを使用するため、書き込み時の消費電力が大きくなる、配線の許容電流密度の限界によりメモリ容量を大容量化できない、電流パルスを発生させるドライバ/シンカーの面積が大きくなるなどの新たな問題が生じる。
このようなことから、電流パルスの経路となる書き込み線の周囲に高透磁率磁性材料(yoke material)からなる薄膜を付加する構造が提案されている。
この構造によれば、高透磁率磁性材料により、磁界が効率よく磁気抵抗効果素子に印加されるため、書き込みに必要とされる電流値を低くできる。それでも、書き込み電流の値は、1mA以下に抑えることはできない。
これら課題を一気に解決する技術として、スピン注入磁化反転法による書き込み方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このスピン注入磁化反転法は、スピン偏極電子(スピン注入電流)をメモリ素子の磁気記録層に注入することによって磁気記録層の磁化を反転する。書き込みに必要とされるスピン注入電流の電流値は、磁気記録層の微細化に伴って減少するため、磁気ランダムアクセスメモリの書き込み方法として大いに期待されている。
しかし、この方法では、書き込み(磁化反転)を行うためには、スピン注入電流の電流密度として、約8×106 A/cm2の値を必要とするため、磁気抵抗効果素子の微細化に伴ってトンネルバリア層が薄膜化されてくると、その破壊が問題になる(例えば、非特許文献1,2を参照)。
従って、このような破壊を起こさずに安定な書き込み動作を実現するには、スピン注入電流の低減が必要である。
また、スピン注入磁化反転法においてスピン注入電流の低減が実現されれば、磁気ランダムアクセスメモリの低消費電力化に貢献できるため、スピン注入電流の低減は必要不可欠である。
米国特許第6,256,223号明細書 Yiming Huai et. al., Appl. Phys. Lett. 84 (2004)3118. 49th MMM conference ES-08, HA-05, HA-12
本発明の例では、スピン注入電流の低減を実現するための新たなアーキテクチャと書き込み方法を提案する。
本発明の例に関わるスピン注入磁気ランダムアクセスメモリは、スピン注入電流により発生させたスピン偏極電子を用いて磁気抵抗効果素子に対する書き込みを実行し、前記書き込み時に、前記磁気抵抗効果素子に対して、前記磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向の磁場を印加する手段を備える。
本発明の例に関わる書き込み方法では、スピン注入電流を磁気抵抗効果素子に流し、前記磁気抵抗効果素子に対する書き込みを実行している間、前記磁気抵抗効果素子に対して、前記磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向の磁場を印加する。
本発明の例によれば、新たなアーキテクチャと書き込み方法によりスピン注入電流の低減を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
本発明の例では、スピン注入磁化反転法による書き込み時に、磁気抵抗効果素子にスピン注入電流を流すと共に、磁気記録層の磁化反転をアシストするアシスト磁場を発生させ、これにより、小さなスピン注入電流で磁気記録層の磁化反転を行えるようにする。
アシスト磁場は、磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向に印加する。磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向にアシスト磁場を印加するのは次の理由による。
図1及び図2は、磁気抵抗効果素子MTJに磁化容易軸方向の磁場Hxと磁化困難軸方法の磁場Hyを与えたときの磁気記録層の磁化反転に要するエネルギーを示している。
これによれば、磁化困難軸方向の磁場Hyが0のときにそのエネルギーが最も高く、磁化困難軸方向の磁場Hyの値を大きくしていくに従いそのエネルギーが次第に小さくなっていくのが分かる。
従って、スピン注入磁化反転法においても、磁気記録層の磁化方向を反転させることに変わりはないので、書き込み時に、スピン注入電流を流すと共に、磁化困難軸方向の磁場Hyを発生させることで、従来よりも小さなスピン注入電流で磁化反転が行えるようになる。
このように、本発明の例では、スピン注入磁化反転法による書き込み時に、磁気記録層の磁化困難軸方向のアシスト磁場を発生させることにより、スピン注入電流の低減を図ることができる。
2. 実施の形態
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
(1) 第1実施の形態
第1実施の形態は、スピン注入電流の経路とアシスト電流の経路とが完全に分離される場合の例である。
A. 回路図
図3は、第1実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示す回路図である。
磁気抵抗効果素子MTJは、メモリセルアレイ10の一部を構成する。
磁気抵抗効果素子MTJの一端には、上部ビット線BLuが接続され、その他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrを経由して下部ビット線BLdが接続される。上部ビット線BLu及び下部ビット線BLdは、同じ方向、本例では、共に、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向(カラム方向)に延びる。
上部ビット線BLuの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS1が接続される。ドライバ/シンカーDS1は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN1とから構成される。
上部ビット線BLuの他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタCSWを経由してセンスアンプS/Aが接続される。
下部ビット線BLdの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS2が接続される。ドライバ/シンカーDS2は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN2とから構成される。
NチャネルMOSトランジスタTrのゲートには、ワード線WLが接続される。ワード線WLは、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向(ロウ方向)に延び、その一端には、ワード線ドライバWDが接続される。
また、磁気抵抗効果素子MTJの近傍には、磁化容易軸方向に延びる書き込みアシスト線ALが配置される。
書き込みアシスト線ALの一端には、PチャネルMOSトランジスタP3から構成されるドライバD1が接続され、その他端には、NチャネルMOSトランジスタN3から構成されるシンカーS1が接続される。
B. 動作
図3の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込み動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H(high)”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。
磁気抵抗効果素子MTJに“1”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“L(low)”にし、制御信号C,Dのレベルを“H”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN2がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS1からドライバ/シンカーDS2に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これと並行して、制御信号Eのレベルを“L”にし、制御信号Fのレベルを“H”にして、書き込みアシスト線ALにドライバD1からシンカーS1に向かうアシスト電流Iaを流す。このアシスト電流Iaにより、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
磁気抵抗効果素子MTJに“0”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“H”にし、制御信号C,Dのレベルを“L”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN1がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS2からドライバ/シンカーDS1に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これと並行して、制御信号Eのレベルを“L”にし、制御信号Fのレベルを“H”にして、書き込みアシスト線ALにドライバD1からシンカーS1に向かうアシスト電流Iaを流す。このアシスト電流Iaにより、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
ここで、本例では、アシスト磁場の向きは、書き込みデータの値に応じて変える必要がないため、アシスト電流Iaの向きも一定であればよく、その結果として、ドライバD1及びシンカーS1に要する面積を小さくできる。
尚、スピン注入電流Isを流して書き込みを行う前に、制御信号A,B,C,Dを“L”にして、予め、上部ビット線BLuと下部ビット線BLdのプリチャージを行ってもよい。
同様に、アシスト電流Iaを流す前に、制御信号E,Fを“L”にして、予め、書き込みアシスト線ALのプリチャージを行ってもよい。
また、スピン注入電流Isを遮断して書き込みを終了した後には、制御信号A,B,C,Dを“H”にして、上部ビット線BLuと下部ビット線BLdを接地電位Vssに固定しておくのがよい。
同様に、アシスト電流Iaを遮断した後には、制御信号E,Fを“H”にして、書き込みアシスト線ALを接地電位Vssに固定しておくのがよい。
スピン注入電流Isの供給/遮断タイミングとアシスト電流Iaの供給/遮断タイミングとの関係については、磁化反転プロセスの項目において説明する。
読み出し動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。また、選択信号CSLjを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタCSWをオンにする。
制御信号A,C,Dのレベルを“H”にし、制御信号Bのレベルを“L”にして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJを経由して接地点Vssまでの電流経路を作る。
そして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJに読み出し電流Ireadを供給すると、例えば、磁気抵抗効果素子MTJに記憶されたデータ(抵抗値)に応じてセンスアンプS/Aの入力電位Vinが変化するため、これを参照電位Vrefと比較することによりデータ値をセンスする。
尚、読み出し電流Ireadの値は、読み出し時におけるディスターブを回避するために、スピン注入電流Isの値よりも小さくする。
C. デバイス構造
メモリセルのデバイス構造の例について説明する。
図4は、デバイス構造の第1例を示している。
この構造は、メモリセルが1つのトランジスタと1つの磁気抵抗効果素子とからなる1Tr−1MTJ構造である。
半導体基板11の表面領域には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrが配置される。NチャネルMOSトランジスタTrは、ソース・ドレイン拡散層12と、これらの間のチャネルの上部に配置されるゲート電極(ワード線)WLとから構成される。
ソース・ドレイン拡散層12のうちの1つは、中間層13を経由して、下部ビット線BLdに接続される。また、ソース・ドレイン拡散層12のうちの他の1つは、中間層14を経由して、下部電極15に接続される。
下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが配置される。
磁気抵抗効果素子MTJの形状や構造などについては、特に限定されることはないが、磁気抵抗効果素子MTJの磁気固着層としては、一方向異方性を有し、磁気記録層としては、一軸異方性を有することが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJの全体の厚さについては、0.1nmから100nmの範囲内の値にすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJを構成する強磁性層(磁気固着層、磁気記録層など)については、超常磁性体にならないことが必要であり、そのためには、その厚さを0.4nm以上の値にすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJの下部には、書き込みアシスト線ALが配置される。書き込みアシスト線ALには、アシスト電流Iaが、例えば、紙面の裏側から表側に向かう方向に流れる。これにより、紙面左向きのアシスト磁場Haが磁気抵抗効果素子MTJに印加される。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を経由して、上部ビット線BLuが配置される。磁気抵抗効果素子MTJには、下部ビット線BLdから上部ビット線BLuに向かう方向、又は、上部ビット線BLuから下部ビット線BLdに向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
このような構造において、磁気抵抗効果素子MTJとコンタクト層16との間、又は、磁気抵抗素子MTJと下部電極15との間に、アモルファス金属、微結晶金属などからなる中間層を配置すると、スイッチング磁界(反転磁場)の値をさらに小さくできる。
図5は、デバイス構造の第2例を示している。
第2例の特徴は、第1例と比べると、書き込みアシスト線ALがいわゆるヨーク構造(yoke structure)を有している点にある。その他の点については、第1例と同じである。
書き込みアシスト線ALは、例えば、金属、合金などの導電材料からなる本体17aと、本体17aの下面及び側面に付加される高透磁率磁性材料(yoke material)17bとから構成される。高透磁率磁性材料17bは、本体17aの上面よりも上方へ突出する角出しタイプであってもよい。
第1例及び第2例では、メモリセルが1つのトランジスタと1つの磁気抵抗効果素子とからなる1Tr−1MTJ構造を説明したが、本発明の例は、その他の構造、例えば、磁気抵抗効果素子MTJをスタックする3次元構造などにも適用できる。
D. まとめ
第1実施の形態によれば、スピン注入磁化反転法による書き込み時に、磁化困難軸方向のアシスト磁場を用いて磁化反転をアシストすることにより、スピン注入電流の低減を実現できる。
(2) 第2実施の形態
第2実施の形態は、スピン注入電流の経路とアシスト電流の経路とが部分的に一致する場合の例である。
A. 回路図
図6は、第2実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部の第1例を示す回路図である。
磁気抵抗効果素子MTJは、メモリセルアレイ10の一部を構成する。
磁気抵抗効果素子MTJの一端には、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが接続され、その他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrを経由して下部ビット線BLdが接続される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線AL及び下部ビット線BLdは、同じ方向、本例では、共に、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向(カラム方向)に延びる。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS1,DS3が接続される。
ドライバ/シンカーDS1は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN1とから構成され、ドライバ/シンカーDS3は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP4とNチャネルMOSトランジスタN4とから構成される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの他端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS4が接続される。ドライバ/シンカーDS4は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP5とNチャネルMOSトランジスタN5とから構成される。
また、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタCSWを経由してセンスアンプS/Aが接続される。
下部ビット線BLdの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS2が接続される。ドライバ/シンカーDS2は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN2とから構成される。
NチャネルMOSトランジスタTrのゲートには、ワード線WLが接続される。ワード線WLは、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向(ロウ方向)に延び、その一端には、ワード線ドライバWDが接続される。
図7は、第2実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部の第2例を示す回路図である。
磁気抵抗効果素子MTJは、メモリセルアレイ10の一部を構成する。
磁気抵抗効果素子MTJの一端には、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが接続され、その他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrを経由して下部ビット線BLdが接続される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線AL及び下部ビット線BLdは、同じ方向、本例では、共に、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向(カラム方向)に延びる。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの一端には、ドライバD2が接続される。ドライバD2は、電源端子Vddと上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALとの間に並列接続されるPチャネルMOSトランジスタP6,P7から構成される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの他端には、シンカーS2が接続される。シンカーS2は、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと電源端子Vssとの間に並列接続されるNチャネルMOSトランジスタN6,N7から構成される。
また、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタCSWを経由してセンスアンプS/Aが接続される。
下部ビット線BLdの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS2が接続される。ドライバ/シンカーDS2は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN2とから構成される。
NチャネルMOSトランジスタTrのゲートには、ワード線WLが接続される。ワード線WLは、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向(ロウ方向)に延び、その一端には、ワード線ドライバWDが接続される。
第2実施の形態では、上部ビット線BLuが書き込みアシスト線ALとしても機能するため、第1実施の形態と比べると、書き込みアシスト線ALの分だけ導電線の数を減らすことができる。
B. 動作
図6の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込み動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。
磁気抵抗効果素子MTJに“1”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“L”にし、制御信号C,Dのレベルを“H”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN2がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS1からドライバ/シンカーDS2に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これと並行して、制御信号G,Hのレベルを“L”にし、制御信号I,Jのレベルを“H”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALにドライバ/シンカーDS3からドライバ/シンカーDS4に向かうアシスト電流Iaを流す。このアシスト電流Iaにより、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
磁気抵抗効果素子MTJに“0”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“H”にし、制御信号C,Dのレベルを“L”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN1がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS2からドライバ/シンカーDS1に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これと並行して、制御信号G,Hのレベルを“H”にし、制御信号I,Jのレベルを“L”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALにドライバ/シンカーDS4からドライバ/シンカーDS3に向かうアシスト電流Iaを流す。このアシスト電流Iaにより、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
ここで、本例では、アシスト磁場の向きは、書き込みデータの値に応じて変えるため、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの両端に、アシスト電流Iaを発生させるためのドライバ/シンカーDS3,DS4が配置される。
アシスト電流Iaの値は、スピン注入電流Isの値と同じであっても、又は、異なっていてもよい。
尚、スピン注入電流Isを流して書き込みを行う前に、制御信号A,B,C,D,E,F,G,Hを“L”にして、予め、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと下部ビット線BLdのプリチャージを行ってもよい。
また、スピン注入電流Isを遮断して書き込みを終了した後には、制御信号A,B,C,D,E,F,G,Hを“H”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと下部ビット線BLdとを接地電位Vssに固定しておくのがよい。
スピン注入電流Isの供給/遮断タイミングとアシスト電流Iaの供給/遮断タイミングとの関係については、磁化反転プロセスの項目において説明する。
読み出し動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。また、選択信号CSLjを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタCSWをオンにする。
制御信号A,C,D,G,Iのレベルを“H”にし、制御信号B,H,Jのレベルを“L”にして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJを経由して接地点Vssまでの電流経路を作る。
そして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJに読み出し電流Ireadを供給すると、例えば、磁気抵抗効果素子MTJに記憶されたデータ(抵抗値)に応じてセンスアンプS/Aの入力電位Vinが変化するため、これを参照電位Vrefと比較することによりデータ値をセンスする。
図7の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込み動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。
磁気抵抗効果素子MTJに“1”を書き込むときは、制御信号K,Mのレベルを“L”にし、制御信号C,Dのレベルを“H”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP6とNチャネルMOSトランジスタN2がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバD2からドライバ/シンカーDS2に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これと並行して、制御信号Lのレベルを“L”にし、制御信号Nのレベルを“H”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALにドライバD2からシンカーS2に向かうアシスト電流Iaを流す。このアシスト電流Iaにより、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
磁気抵抗効果素子MTJに“0”を書き込むときは、制御信号K,Mのレベルを“H”にし、制御信号C,Dのレベルを“L”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN6がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS2からシンカーS2に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これと並行して、制御信号Lのレベルを“L”にし、制御信号Nのレベルを“H”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALにドライバD2からシンカーS2に向かうアシスト電流Iaを流す。このアシスト電流Iaにより、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
ここで、本例では、アシスト磁場の向きは、書き込みデータの値に応じて変える必要がないため、アシスト電流Iaの向きも一定であればよく、その結果として、ドライバD2及びシンカーS2に要する面積を小さくできる。
アシスト電流Iaの値は、スピン注入電流Isの値と同じであっても、又は、異なっていてもよい。
尚、スピン注入電流Isを流して書き込みを行う前に、制御信号C,D,K,L,M,Nを“L”にして、予め、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと下部ビット線BLdのプリチャージを行ってもよい。
また、スピン注入電流Isを遮断して書き込みを終了した後には、制御信号C,D,K,L,M,Nを“H”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと下部ビット線BLdとを接地電位Vssに固定しておくのがよい。
スピン注入電流Isの供給/遮断タイミングとアシスト電流Iaの供給/遮断タイミングとの関係については、磁化反転プロセスの項目において説明する。
読み出し動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。また、選択信号CSLjを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタCSWをオンにする。
制御信号C,D,K,Lのレベルを“H”にし、制御信号M,Nのレベルを“L”にして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJを経由して接地点Vssまでの電流経路を作る。
そして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJに読み出し電流Ireadを供給すると、例えば、磁気抵抗効果素子MTJに記憶されたデータ(抵抗値)に応じてセンスアンプS/Aの入力電位Vinが変化するため、これを参照電位Vrefと比較することによりデータ値をセンスする。
尚、読み出し電流Ireadの値は、読み出し時におけるディスターブを回避するために、スピン注入電流Isの値よりも小さくする。
C. デバイス構造
メモリセルのデバイス構造の例について説明する。
図8は、デバイス構造の第1例を示している。
この構造は、メモリセルが1つのトランジスタと1つの磁気抵抗効果素子とからなる1Tr−1MTJ構造である。
半導体基板11の表面領域には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrが配置される。NチャネルMOSトランジスタTrは、ソース・ドレイン拡散層12と、これらの間のチャネルの上部に配置されるゲート電極(ワード線)WLとから構成される。
ソース・ドレイン拡散層12のうちの1つは、中間層13を経由して、下部ビット線BLdに接続される。また、ソース・ドレイン拡散層12のうちの他の1つは、中間層14を経由して、下部電極15に接続される。
下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが配置される。
磁気抵抗効果素子MTJの形状や構造などについては、特に限定されることはないが、磁気抵抗効果素子MTJの磁気固着層としては、一方向異方性を有し、磁気記録層としては、一軸異方性を有することが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJの全体の厚さについては、0.1nmから100nmの範囲内の値にすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJを構成する強磁性層(磁気固着層、磁気記録層など)については、超常磁性体にならないことが必要であり、そのためには、その厚さを0.4nm以上の値にすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を経由して、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが配置される。磁気抵抗効果素子MTJには、下部ビット線BLdから上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALに向かう方向、又は、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALから下部ビット線BLdに向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
また、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALには、アシスト電流Iaが、例えば、紙面左向き又は紙面右向きに流れる。これにより、磁気抵抗効果素子MTJには、紙面を垂直に横切る方向にアシスト磁場Haが印加される。
このような構造において、磁気抵抗効果素子MTJとコンタクト層16との間、又は、磁気抵抗素子MTJと下部電極15との間に、アモルファス金属、微結晶金属などからなる中間層を配置すると、スイッチング磁界(反転磁場)の値をさらに小さくできる。
図9は、デバイス構造の第2例を示している。
第2例の特徴は、第1例と比べると、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALがいわゆるヨーク構造(yoke structure)を有している点にある。その他の点については、第1例と同じである。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、例えば、金属、合金などの導電材料からなる本体18aと、本体18aの上面及び側面に付加される高透磁率磁性材料(yoke material)18bとから構成される。高透磁率磁性材料18bは、本体18aの下面よりも下方へ突出する角出しタイプであってもよい。
第1例及び第2例では、メモリセルが1つのトランジスタと1つの磁気抵抗効果素子とからなる1Tr−1MTJ構造を説明したが、本発明の例は、その他の構造、例えば、磁気抵抗効果素子MTJをスタックする3次元構造などにも適用できる。
D. まとめ
第2実施の形態によれば、第1実施の形態と同様に、スピン注入電流の低減という効果を実現できることに加えて、上部ビット線BLuは、書き込みアシスト線ALとしても機能するため、メモリセルアレイ内の導電線の数を減らすことができ、コストの削減を達成できる。
(3) 第3実施の形態
第3実施の形態は、スピン注入電流の経路とアシスト電流の経路とが完全に一致する場合の例である。
第3実施の形態では、スピン注入電流そのものがアシスト電流となる場合と、スピン注入電流とアシスト電流とを動作上区別する場合との2通りが考えられるが、以下では、前者のスピン注入電流によりアシスト磁場を発生させる場合について説明する。
A. 回路図
図10は、第3実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部を示す回路図である。
磁気抵抗効果素子MTJは、メモリセルアレイ10の一部を構成する。
磁気抵抗効果素子MTJの一端には、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが接続され、その他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrを経由して下部ビット線BLdが接続される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線AL及び下部ビット線BLdは、同じ方向、本例では、共に、磁気抵抗効果素子MTJの磁化容易軸方向(カラム方向)に延びる。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS1が接続される。
ドライバ/シンカーDS1は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN1とから構成される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの他端には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタCSWを経由してセンスアンプS/Aが接続される。
下部ビット線BLdの一端には、CMOSタイプドライバ/シンカーDS2が接続される。ドライバ/シンカーDS2は、電源端子Vddと電源端子Vssとの間に直列接続されるPチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN2とから構成される。
NチャネルMOSトランジスタTrのゲートには、ワード線WLが接続される。ワード線WLは、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向(ロウ方向)に延び、その一端には、ワード線ドライバWDが接続される。
第3実施の形態では、第2実施の形態と同様に、上部ビット線BLuが書き込みアシスト線ALとしても機能するため、書き込みアシスト線ALの分だけメモリセルアレイ内の導電線の数を減らすことができる。
また、スピン注入電流Isにより発生する磁場をアシスト磁場として使用すれば、アシスト電流Iaを発生させるためのドライバ/シンカーが必要ないため、メモリセルアレイの周辺回路の面積を小さくできる。
尚、スピン注入電流とアシスト電流とを動作上区別する場合には、ドライバ/シンカーDS1と同じ構成を持つドライバ/シンカーを上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALに接続し、ドライバ/シンカーDS2と同じ構成を持つドライバ/シンカーを下部ビット線BLdに接続し、これらドライバ/シンカーによりアシスト電流の供給/遮断を制御すればよい。
B. 動作
図10の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込み動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。
磁気抵抗効果素子MTJに“1”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“L”にし、制御信号C,Dのレベルを“H”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN2がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS1からドライバ/シンカーDS2に向かう方向にスピン注入電流Is/アシスト電流Iaが流れる。
このスピン注入電流Is/アシスト電流Iaにより、スピン偏極電子が磁気抵抗効果素子MTJに注入されると同時に、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
磁気抵抗効果素子MTJに“0”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“H”にし、制御信号C,Dのレベルを“L”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN1がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS2からドライバ/シンカーDS1に向かう方向にスピン注入電流Is/アシスト電流Iaが流れる。
このスピン注入電流Is/アシスト電流Iaにより、スピン偏極電子が磁気抵抗効果素子MTJに注入されると同時に、磁気抵抗効果素子MTJの磁化困難軸方向のアシスト磁場が発生する。
尚、スピン注入電流Is/アシスト電流Iaを流して書き込みを行う前に、制御信号A,B,C,Dを“L”にして、予め、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと下部ビット線BLdのプリチャージを行ってもよい。
また、スピン注入電流Is/アシスト電流Iaを遮断して書き込みを終了した後には、制御信号A,B,C,Dを“H”にして、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALと下部ビット線BLdとを接地電位Vssに固定しておくのがよい。
読み出し動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。また、選択信号CSLjを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタCSWをオンにする。
制御信号A,C,Dのレベルを“H”にし、制御信号Bのレベルを“L”にして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJを経由して接地点Vssまでの電流経路を作る。
そして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJに読み出し電流Ireadを供給すると、例えば、磁気抵抗効果素子MTJに記憶されたデータ(抵抗値)に応じてセンスアンプS/Aの入力電位Vinが変化するため、これを参照電位Vrefと比較することによりデータ値をセンスする。
尚、読み出し電流Ireadの値は、読み出し時におけるディスターブを回避するために、スピン注入電流Is/アシスト電流Iaの値よりも小さくする。
C. デバイス構造
メモリセルのデバイス構造の例について説明する。
図11は、デバイス構造の第1例を示している。
この構造は、メモリセルが1つのトランジスタと1つの磁気抵抗効果素子とからなる1Tr−1MTJ構造である。
半導体基板11の表面領域には、選択スイッチとしてのNチャネルMOSトランジスタTrが配置される。NチャネルMOSトランジスタTrは、ソース・ドレイン拡散層12と、これらの間のチャネルの上部に配置されるゲート電極(ワード線)WLとから構成される。
ソース・ドレイン拡散層12のうちの1つは、中間層13を経由して、下部ビット線BLdに接続される。また、ソース・ドレイン拡散層12のうちの他の1つは、中間層14を経由して、下部電極15に接続される。
下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが配置される。
磁気抵抗効果素子MTJの形状や構造などについては、特に限定されることはないが、磁気抵抗効果素子MTJの磁気固着層としては、一方向異方性を有し、磁気記録層としては、一軸異方性を有することが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJの全体の厚さについては、0.1nmから100nmの範囲内の値にすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJを構成する強磁性層(磁気固着層、磁気記録層など)については、超常磁性体にならないことが必要であり、そのためには、その厚さを0.4nm以上の値にすることが好ましい。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を経由して、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが配置される。
磁気抵抗効果素子MTJには、下部ビット線BLdから上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALに向かう方向、又は、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALから下部ビット線BLdに向かう方向にスピン注入電流Is/アシスト電流Iaが流れる。
これにより、磁気抵抗効果素子MTJには、紙面を垂直に横切る方向にアシスト磁場Haが印加される。
このような構造において、磁気抵抗効果素子MTJとコンタクト層16との間、又は、磁気抵抗素子MTJと下部電極15との間に、アモルファス金属、微結晶金属などからなる中間層を配置すると、スイッチング磁界(反転磁場)の値をさらに小さくできる。
図12は、デバイス構造の第2例を示している。
第2例の特徴は、第1例と比べると、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALがいわゆるヨーク構造(yoke structure)を有している点にある。その他の点については、第1例と同じである。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、例えば、金属、合金などの導電材料からなる本体18aと、本体18aの上面及び側面に付加される高透磁率磁性材料(yoke material)18bとから構成される。高透磁率磁性材料18bは、本体18aの下面よりも下方へ突出する角出しタイプであってもよい。
図13は、デバイス構造の第3例を示している。
第3例の特徴は、第1例と比べると、下部電極15(AL)がいわゆるヨーク構造(yoke structure)を有し、書き込みアシスト線として機能している点にある。その他の点については、第1例と同じである。
下部電極15(AL)は、例えば、金属、合金などの導電材料からなる本体19aと、本体19aの下面及び側面に付加される高透磁率磁性材料(yoke material)19bとから構成される。高透磁率磁性材料19bは、本体19aの上面よりも上方へ突出する角出しタイプであってもよい。
第3例によれば、第1例及び第2例に比べ、書き込みディスターブを抑制できるという効果を実現できる。
即ち、高透磁率磁性材料19bは、磁気抵抗効果素子MTJの直下に個別に設けられる下部電極15(AL)に付加されるため、下部電極15(AL)から磁気抵抗効果素子MTJに対して印加される磁場は、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALから磁気抵抗効果素子MTJに対して印加される磁場よりも大きくなり、例えば、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALに高透磁率磁性材料19bを付加する第2例に比べ、アシスト磁場Haは、選択された磁気抵抗効果素子MTJのみに有効に印加される。
図14は、デバイス構造の第4例を示している。
第4例は、第2例と第3例とを組み合わせたもので、その特徴は、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線AL及び下部電極15(AL)がいわゆるヨーク構造(yoke structure)を有している点にある。その他の点については、第1例と同じである。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、例えば、金属、合金などの導電材料からなる本体18aと、本体18aの上面及び側面に付加される高透磁率磁性材料(yoke material)18bとから構成される。高透磁率磁性材料18bは、本体18aの下面よりも下方へ突出する角出しタイプであってもよい。
下部電極15(AL)は、例えば、金属、合金などの導電材料からなる本体19aと、本体19aの下面及び側面に付加される高透磁率磁性材料(yoke material)19bとから構成される。高透磁率磁性材料19bは、本体19aの上面よりも上方へ突出する角出しタイプであってもよい。
第1例乃至第4例では、メモリセルが1つのトランジスタと1つの磁気抵抗効果素子とからなる1Tr−1MTJ構造を説明したが、本発明の例は、その他の構造、例えば、磁気抵抗効果素子MTJをスタックする3次元構造などにも適用できる。
D. まとめ
第3実施の形態によれば、スピン注入電流の低減及びメモリセルアレイ内の導電線の数を削減という効果を実現できることに加えて、スピン注入電流によりアシスト磁場を発生させれば、メモリセルアレイの周辺回路としてのドライバ/シンカーの面積を縮小できる。
(4) 第4実施の形態
第4実施の形態は、アシスト磁場の発生に永久磁石を用いる場合の例である。
A. 第1例
図15は、第4実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部の第1例を示す回路図である。
第1例は、第1実施の形態の書き込みアシスト線を永久磁石にした点に特徴を有し、その他の点については、第1実施の形態と同じである。
書き込みアシスト線ALは、磁気抵抗効果素子MTJの近傍に配置され、磁化容易軸方向に延びる。書き込みアシスト線ALは、永久磁石であるため、これにアシスト電流を流す必要はない。このため、書き込みアシスト線ALには、ドライバ/シンカーが接続されない。
書き込み時には、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。
磁気抵抗効果素子MTJに“1”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“L”にし、制御信号C,Dのレベルを“H”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN2がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS1からドライバ/シンカーDS2に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
磁気抵抗効果素子MTJに“0”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“H”にし、制御信号C,Dのレベルを“L”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN1がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS2からドライバ/シンカーDS1に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これら書き込み時を含め、磁気抵抗効果素子MTJには、常に、永久磁石としての書き込みアシスト線ALにより、磁化困難軸方向のアシスト磁場が印加されている。
読み出し動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。また、選択信号CSLjを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタCSWをオンにする。
制御信号A,C,Dのレベルを“H”にし、制御信号Bのレベルを“L”にして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJを経由して接地点Vssまでの電流経路を作る。
そして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJに読み出し電流Ireadを供給すると、例えば、磁気抵抗効果素子MTJに記憶されたデータ(抵抗値)に応じてセンスアンプS/Aの入力電位Vinが変化するため、これを参照電位Vrefと比較することによりデータ値をセンスする。
尚、読み出し電流Ireadの値は、読み出し時におけるディスターブを回避するために、スピン注入電流Isの値よりも小さくする。
図16は、図15の磁気ランダムアクセスメモリに適用されるメモリセルのデバイス構造の例を示している。
書き込みアシスト線ALは、ヨーク構造を有し、磁気抵抗効果素子MTJの下部に配置される。
書き込みアシスト線ALは、永久磁石からなる本体17aと、本体17aの下面及び側面に付加される高透磁率磁性材料17bとから構成される。高透磁率磁性材料17bは、本体17aの上面よりも上方へ突出する角出しタイプであってもよい。
このような構造において、磁気抵抗効果素子MTJとコンタクト層16との間、又は、磁気抵抗素子MTJと下部電極15との間に、アモルファス金属、微結晶金属などからなる中間層を配置すると、スイッチング磁界(反転磁場)の値をさらに小さくできる。
B. 第2例
図17は、第4実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの主要部の第2例を示す回路図である。
第2例は、第2及び第3実施の形態の書き込みアシスト線を永久磁石にした点に特徴を有し、その他の点については、第2及び第3実施の形態と同じである。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、磁気抵抗効果素子MTJの近傍に配置され、磁化容易軸方向に延びる。上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、永久磁石であるため、これにアシスト電流を流す必要はない。このため、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALには、アシスト電流を発生させるためのドライバ/シンカーが接続されない。
書き込み時には、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。
磁気抵抗効果素子MTJに“1”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“L”にし、制御信号C,Dのレベルを“H”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN2がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS1からドライバ/シンカーDS2に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
磁気抵抗効果素子MTJに“0”を書き込むときは、制御信号A,Bのレベルを“H”にし、制御信号C,Dのレベルを“L”にする。この時、PチャネルMOSトランジスタP2とNチャネルMOSトランジスタN1がオンになるため、磁気抵抗効果素子MTJには、ドライバ/シンカーDS2からドライバ/シンカーDS1に向かう方向にスピン注入電流Isが流れる。
これら書き込み時を含め、磁気抵抗効果素子MTJには、常に、永久磁石としての上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALにより、磁化困難軸方向のアシスト磁場が印加されている。
読み出し動作は、ワード線ドライバWDによりワード線WLのレベルを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタTrをオンにする。また、選択信号CSLjを“H”にし、NチャネルMOSトランジスタCSWをオンにする。
制御信号A,C,Dのレベルを“H”にし、制御信号Bのレベルを“L”にして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJを経由して接地点Vssまでの電流経路を作る。
そして、センスアンプS/Aから磁気抵抗効果素子MTJに読み出し電流Ireadを供給すると、例えば、磁気抵抗効果素子MTJに記憶されたデータ(抵抗値)に応じてセンスアンプS/Aの入力電位Vinが変化するため、これを参照電位Vrefと比較することによりデータ値をセンスする。
尚、読み出し電流Ireadの値は、読み出し時におけるディスターブを回避するために、スピン注入電流Isの値よりも小さくする。
図18は、図17の磁気ランダムアクセスメモリに適用されるメモリセルのデバイス構造の例を示している。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、ヨーク構造を有し、磁気抵抗効果素子MTJの上部に配置される。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、永久磁石からなる本体18aと、本体18aの上面及び側面に付加される高透磁率磁性材料18bとから構成される。高透磁率磁性材料18bは、本体18aの下面よりも下方へ突出する角出しタイプであってもよい。
このような構造において、磁気抵抗効果素子MTJとコンタクト層16との間、又は、磁気抵抗素子MTJと下部電極15との間に、アモルファス金属、微結晶金属などからなる中間層を配置すると、スイッチング磁界(反転磁場)の値をさらに小さくできる。
図19は、図13のデバイス構造の下部電極を永久磁石にした例である。
下部電極15(AL永久磁石)は、ヨーク構造を有し、磁気抵抗効果素子MTJの下部に配置される。
下部電極15(AL永久磁石)は、永久磁石からなる本体19aと、本体19aの下面及び側面に付加される高透磁率磁性材料19bとから構成される。高透磁率磁性材料19bは、本体19aの上面よりも上方へ突出する角出しタイプであってもよい。
このような構造において、磁気抵抗効果素子MTJとコンタクト層16との間、又は、磁気抵抗素子MTJと下部電極15(AL永久磁石)との間に、アモルファス金属、微結晶金属などからなる中間層を配置すると、スイッチング磁界(反転磁場)の値をさらに小さくできる。
C. まとめ
第4実施の形態によれば、スピン注入磁化反転法による書き込み時に、磁化困難軸方向のアシスト磁場を用いて磁化反転をアシストすることにより、スピン注入電流の低減を実現できる。
また、アシスト磁場は、永久磁石により発生するため、アシスト電流を発生させるドライバ/シンカーは不要である。さらに、上部ビット線/書き込みアシスト線又は下部電極を永久磁石にすれば、メモリセルアレイ内の導電線の数を減らすことができる。
(5) 第5実施の形態
第5実施の形態は、磁気抵抗効果素子がエッジジャンクションタイプである点に特徴を有する。
図20は、第5実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリのデバイス構造の例を示している。
磁気抵抗効果素子MTJは、エッジジャンクションタイプトンネル磁気抵抗効果素子であり、磁気固着層の側面(太線部分)にトンネルバリア層が形成される。このため、磁気固着層とトンネルバリア層の接合面積を磁気固着層の厚さで規定することができ、素子間の特性のばらつきを低減できる。
書き込み時には、スピン注入磁化反転のためのスピン注入電流Isを磁気抵抗効果素子MTJに流す。
例えば、スピン注入電流Isを上部ビット線BLuから下部ビット線BLdに向かって流すと、磁気記録層の磁化方向は、磁気固着層のそれと同じになり(平行状態)、また、スピン注入電流Isを下部ビット線BLdから上部ビット線BLuに向かって流すと、磁気記録層の磁化方向は、磁気固着層のそれと逆になる(反平行状態)。
ワード線WLには、書き込み時に、書き込みデータの値に応じた向きを有するアシスト電流Iaを流す。アシスト電流Iaは、磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層の磁化困難軸方向のアシスト磁場Haを発生させる。
第5実施の形態においては、第1乃至第4実施の形態と組み合わせることにより、これら実施の形態と同様の効果を実現できる。
3. 磁化反転プロセス
本発明の例に関わるアーキテクチャを用いたデータ書き込み方法(磁化反転プロセス)について説明する。
図21は、本発明の例に関わる磁化反転プロセスのフローを示している。図22は、図21のプロセスを実現するためのスピン注入電流とアシスト電流(アシスト磁場)の信号波形を示している。
まず、アシスト磁場Haを発生させると共に、書き込みデータの値に応じた向きのスピン注入電流Isを磁気抵抗効果素子に与える(ステップST1〜ST2)。ここで、アシスト磁場Haを発生させるタイミングについては、図22(a)に示すように、スピン注入電流Isを流す前(時刻t1)でもよいし、同図(b)に示すように、これと同時(時刻t2)でもよいし、同図(c)に示すように、これより後(時刻t3)でもよい。
スピン注入電流Isによりスピン偏極電子が発生し、このスピン偏極電子により磁気記録層にスピントルクが作用し、磁気記録層の磁化反転が開始される。アシスト磁場Haは、この磁化反転をアシストする。
本発明の例では、アシスト磁場Haは、スピン注入電流Isの値を小さくすることが主目的であるため、アシスト磁場Haは、磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向に発生させる。
尚、例えば、特願2005−21877号に開示されるように、磁化反転時の熱擾乱を抑えることを目的に、磁化容易軸方向のアシスト磁場を発生させる発明があるが、本発明の例は、これと組み合わせて使用することもできる。
次に、アシスト磁場Haを消滅させた後、スピン注入電流Isを遮断する(ステップST3〜ST4)。アシスト磁場Haは、磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向に作用させるため、アシスト電流Iaを遮断するタイミング(時刻t4)をスピン注入電流Isを遮断するタイミング(時刻t5)よりも先にすることで、書き込み(磁化反転)の高速化を図ることができる。
4. 磁気抵抗効果素子
本発明の例では、磁気抵抗効果素子の材料、構造及び形状については、特に制限されない。これらについては、トンネルバリアの破壊、磁気抵抗効果素子の温度上昇による熱擾乱などを考慮して決定される。
例えば、磁気抵抗効果素子は、SAF(synthetic anti-ferromagnetic)構造を有していてもよい。その他、材料及び構造については、特願2005−21877号に開示されるものを使用できる。
尚、磁気抵抗効果素子の直下又は直上に配置されるアモルファス金属又は微結晶金属は、以下から選択できる。
・ Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Cr, Mo, Wのグループから選択される少なくとも1元素とPt, Pd, Ru, Rh, Ir, Os, Re, Au, Alのグループから選択される少なくとも1元素とを含む合金。
・ Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Cr, Mo, Wのグループから選択される少なくとも1元素とFe, Ni, Cr, Cuのグループから選択される少なくとも1元素とを含む合金。
・ Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu のグループから選択される少なくとも1元素とPt, Pd, Ru, Rh, Ir, Os, Re, Au, Al のグループから選択される少なくとも1元素とを含む合金。
・ Indium-Titan-Oxide, Indium-Zinc-Oxide,Al-Oxide, Al-Nitrideのグループから選択される1つ。
5. 実施例
本発明の例を具体的に実施する場合の実施例について説明する。尚、以下の説明において、材料の後の括弧内の数値は、その材料の厚さを示す。
(1) 第1実施例
図23は、第1実施例に関わるデバイス構造を示している。
下部電極15は、Ta(50 nm) / Ru(10 nm) の積層から構成される。下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが形成される。
磁気抵抗効果素子MTJの反強磁性層は、PtMn(20 nm)から構成される。磁気固着層は、Co90Fe10(5 nm)から構成される。トンネルバリア層は、AlOx(1.0 nm)から構成される。磁気記録層は、Co90Fe10(2.0 nm)から構成される。そして、コンタクト層は、Ta(150 nm)から構成される。
これら材料は、例えば、スパッタ法により順次形成される。
トンネルバリア層については、正確には、スパッタ法により厚さ0.5 nmのAlを形成した後、そのままの位置(in-situ)で純酸素を用いて自然酸化するプロセスを2回繰り返すことでAlOx(1.0 nm)とする。
また、デバイス完成後に断面TEM(Transmission Electron Microscope)でAlOxの厚さを調べたところ、AlOxの厚さは、1.0 nmから1.2 nmに増加していた。これは、AlOx(1.0 nm)を形成した後の自然酸化が原因であると考えられる。
磁気抵抗効果素子MTJのトンネル接合については、接合面積を規定する部分はEB(electron beam)描画装置を用い、その他の部分はKrFステッパー装置を用いて、パターンの転写を行う。この後、Arイオンミリングを用いて接合分離を行うことでトンネル接合を形成する。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を介して上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが形成される。
コンタクト層16は、Ta/Ruの積層から構成され、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、Ti(15 nm) / Al (300 nm) / Ti (15 nm)の積層から構成される。
コンタクト層16の上面は、例えば、コンタクト層16を覆うSiO2 を形成した後、エッチバックを行うことによりSiO2から露出させる。
上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、スパッタ法により、Ti(15 nm) / Al (300 nm) / Ti (15 nm)からなる積層を形成した後、RIE(reactive ion etching)法によりこの積層をエッチングすることで形成される。
磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層に対しては、例えば、磁気記録層の長軸方向に磁場を印加しながら約280℃で約10時間のアニールを行うことにより一軸異方性を付与する。
このような試料について、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値を検証する。
まず、磁化容易軸方向の磁場Hxの値と磁化困難軸方向の磁場Hyの値とを決定し、これをアシスト磁場として磁気抵抗効果素子MTJに印加する。次に、磁気抵抗効果素子MTJにパルス電圧を印加し、スピン注入電流を流す。そして、このときの磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値を直流4端子法により測定する。
以上のステップを繰り返し行い、スピン注入電流とアシスト磁場との関係をまとめたところ、磁化困難軸方向の磁場Hyを印加しない場合(Hy=0)には、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は3.5 mAであるのに対し、磁化困難軸方向の磁場Hyを印加する場合(Hy=20 Oe)には、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は1.5 mAであることが分かった。
このように、スピン注入磁化反転法において、磁化困難軸方向の磁場Hyを磁化反転のアシストとして使用することにより、従来よりも小さなスピン注入電流により磁化反転を行うことが可能になる。
(2) 第2実施例
図24は、第2実施例に関わるデバイス構造を示している。
下部電極15は、アモルファスTiAl (10 nm) / Ta(50 nm) / Ru(10 nm) の積層から構成される。下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが形成される。
磁気抵抗効果素子MTJの反強磁性層は、PtMn(20 nm)から構成される。磁気固着層は、Co90Fe10(5 nm)から構成される。トンネルバリア層は、AlOx(1.0 nm)から構成される。磁気記録層は、Co90Fe10(2.0 nm)から構成される。そして、コンタクト層は、Ta(150 nm) / アモルファスTiAl(10 nm)の積層から構成される。
これら材料は、例えば、スパッタ法により順次形成される。
トンネルバリア層については、正確には、スパッタ法により厚さ0.5 nmのAlを形成した後、そのままの位置(in-situ)で純酸素を用いて自然酸化するプロセスを2回繰り返すことでAlOx(1.0 nm)とする。
また、デバイス完成後に断面TEM(Transmission Electron Microscope)でAlOxの厚さを調べたところ、AlOxの厚さは、1.0 nmから1.2 nmに増加していた。これは、AlOx(1.0 nm)を形成した後の自然酸化が原因であると考えられる。
磁気抵抗効果素子MTJのトンネル接合については、接合面積を規定する部分はEB(electron beam)描画装置を用い、その他の部分はKrFステッパー装置を用いて、パターンの転写を行う。この後、Arイオンミリングを用いて接合分離を行うことでトンネル接合を形成する。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を介して上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが形成される。
コンタクト層16は、Ta/Ruの積層から構成され、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、Ti(15 nm) / Al (300 nm) / Ti (15 nm)の積層から構成され、かつ、その上面及び側面が高透磁率磁性材料(NiFe)により覆われたヨーク構造を有している。
磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層に対しては、例えば、磁気記録層の長軸方向に磁場を印加しながら約280℃で約10時間のアニールを行うことにより一軸異方性を付与する。
このような試料について、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値を検証する。
まず、磁化容易軸方向の磁場Hxの値と磁化困難軸方向の磁場Hyの値とを決定し、これをアシスト磁場として磁気抵抗効果素子MTJに印加する。次に、磁気抵抗効果素子MTJにパルス電圧を印加し、スピン注入電流を流す。そして、このときの磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値を直流4端子法により測定する。
以上のステップを繰り返し行い、スピン注入電流の経路とその値との関係をまとめたところ、下部電極15の端子aと上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの端子dとの間にパルス電圧を印加すると、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は3.7 mAであるのに対し、下部電極15の端子aと上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの端子cとの間にパルス電圧を印加すると、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は3.1 mAであることが分かった。
これは、スピン注入電流(アシスト電流)の経路に関しては、磁気抵抗効果素子MTJの近傍では、常に一方向のみに向かわせるよりも、磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返すほうがスピン注入電流の低減に対しては好ましいことを意味する。
その理由は、下部電極15が磁気抵抗効果素子MTJの下にあり、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが磁気抵抗効果素子MTJの上にあることに起因する。つまり、スピン注入電流の経路が常に一方向のみに向かっている場合には、下部電極15に流れる電流による磁場と上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALに流れる電流による磁場とが互いに打ち消しあうのに対し、スピン注入電流の経路を磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返す場合には、下部電極15に流れる電流による磁場と上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALに流れる電流による磁場とが互いに強めあうからである。
このように、スピン注入電流(アシスト電流)の経路に関しては、磁気抵抗効果素子MTJの近傍では、常に一方向のみに向かわせるよりも、磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返すほうがスピン注入電流を低減できる。
尚、図7に示すように、スピン注入電流Isを流す方向によって当該電流Isが流れる経路が変わる場合(磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返される電流経路となる場合と折り返されない電流経路となる場合)は、折り返される電流経路の方が折り返されない電流経路よりも磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値が小さくなる。
一方、一般に、磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層の磁化が磁気固着層の磁化に対して反平行から平行に変わる場合に必要とされるスピン注入電流の値は、平行から反平行に変わる場合に必要とされるスピン注入電流の値よりも小さくなる。従って、スピン注入電流Isは、流す方向によらず同じ大きさであることを考慮すると、折り返される電流経路の場合に平行から反平行に変わり、折り返されない電流経路の場合に反平行から平行に変わるように、磁気抵抗効果素子MTJを構成することが好ましい。
これにより、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値を小さくすることが可能である。例えば、図23〜27に示すように、下側に磁気固着層が、上側に磁気記録層が配置される磁気抵抗効果素子MTJの構造を図7の例に適用すればよい。
(3) 第3実施例
図25は、第3実施例に関わるデバイス構造を示している。
下部電極15は、Cuから構成され、かつ、その下面及び側面が高透磁率磁性材料(NiFe)により覆われたヨーク構造を有している。下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが形成される。
磁気抵抗効果素子MTJの反強磁性層は、PtMn(20 nm)から構成される。磁気固着層は、Co90Fe10(5 nm)から構成される。トンネルバリア層は、AlOx(1.0 nm)から構成される。磁気記録層は、Co90Fe10(2.0 nm)から構成される。そして、コンタクト層は、Ta(150 nm) / アモルファスTiAl(10 nm)の積層から構成される。
これら材料は、例えば、スパッタ法により順次形成される。
トンネルバリア層については、正確には、スパッタ法により厚さ0.5 nmのAlを形成した後、そのままの位置(in-situ)で純酸素を用いて自然酸化するプロセスを2回繰り返すことでAlOx(1.0 nm)とする。
また、デバイス完成後に断面TEM(Transmission Electron Microscope)でAlOxの厚さを調べたところ、AlOxの厚さは、1.0 nmから1.2 nmに増加していた。これは、AlOx(1.0 nm)を形成した後の自然酸化が原因であると考えられる。
磁気抵抗効果素子MTJのトンネル接合については、接合面積を規定する部分はEB(electron beam)描画装置を用い、その他の部分はKrFステッパー装置を用いて、パターンの転写を行う。この後、Arイオンミリングを用いて接合分離を行うことでトンネル接合を形成する。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を介して上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが形成される。
コンタクト層16は、Ta/Ruの積層から構成され、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、Ti(15 nm) / Al (300 nm) / Ti (15 nm)の積層から構成され、かつ、その上面及び側面が高透磁率磁性材料(NiFe)により覆われたヨーク構造を有している。
磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層に対しては、例えば、磁気記録層の長軸方向に磁場を印加しながら約280℃で約10時間のアニールを行うことにより一軸異方性を付与する。
このような試料について、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値を検証する。
まず、磁化容易軸方向の磁場Hxの値と磁化困難軸方向の磁場Hyの値とを決定し、これをアシスト磁場として磁気抵抗効果素子MTJに印加する。次に、磁気抵抗効果素子MTJにパルス電圧を印加し、スピン注入電流を流す。そして、このときの磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値を直流4端子法により測定する。
以上のステップを繰り返し行い、スピン注入電流の経路とその値との関係をまとめたところ、下部電極15の端子aと上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの端子cとの間にパルス電圧を印加すると、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は2.9 mAであることが分かった。これは、第2実施例のスピン注入電流(アシスト電流)の経路が同じ場合と比べると、スピン注入電流の値が、3.1 mAから2.9 mAに減少したことを示している。
その理由は、第3実施例では、第2実施例に対して、さらに、下部電極15もヨーク構造にしたことに起因している。つまり、下部電極15と上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALとを共にヨーク構造とすることで、アシスト磁場を効率よく磁気抵抗効果素子MTJに印加できるからである。
このように、スピン注入電流の低減に関しては、下部電極15と上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALとを共にヨーク構造とするのが好ましい。
(4) 第4実施例
図26は、第4実施例に関わるデバイス構造を示している。
下部電極15は、アモルファスTiAl (10 nm) / Ta(50 nm) / Ru(10 nm) の積層から構成される。下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが形成される。
磁気抵抗効果素子MTJの反強磁性層は、PtMn(20 nm)から構成される。磁気固着層は、Co90Fe10(5 nm)から構成される。トンネルバリア層は、AlOx(1.0 nm)から構成される。磁気記録層は、Co90Fe10(2.0 nm) / Ru(0.5 nm) / Co90Fe10(2.0 nm) のSAF(synthetic anti-ferromagnetic)構造から構成される。そして、コンタクト層は、Ta(150 nm) / アモルファスTiAl(10 nm)の積層から構成される。
これら材料は、例えば、スパッタ法により順次形成される。
トンネルバリア層については、正確には、スパッタ法により厚さ0.5 nmのAlを形成した後、そのままの位置(in-situ)で純酸素を用いて自然酸化するプロセスを2回繰り返すことでAlOx(1.0 nm)とする。
ここで、SAF構造の磁気記録層の2つの強磁性層(Co90Fe10)は、互いに厚さが等しく、磁化のバランスがとれた構造となっているが、例えば、厚さや材料などを変えることにより、互いに磁化を異ならせるようにしてもよい。
また、デバイス完成後に断面TEM(Transmission Electron Microscope)でAlOxの厚さを調べたところ、AlOxの厚さは、1.0 nmから1.2 nmに増加していた。これは、AlOx(1.0 nm)を形成した後の自然酸化が原因であると考えられる。
磁気抵抗効果素子MTJのトンネル接合については、接合面積を規定する部分はEB(electron beam)描画装置を用い、その他の部分はKrFステッパー装置を用いて、パターンの転写を行う。この後、Arイオンミリングを用いて接合分離を行うことでトンネル接合を形成する。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を介して上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが形成される。
コンタクト層16は、Ta/Ruの積層から構成され、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、Ti(15 nm) / Al (300 nm) / Ti (15 nm)の積層から構成され、かつ、その上面及び側面が高透磁率磁性材料(NiFe)により覆われたヨーク構造を有している。
磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層に対しては、例えば、磁気記録層の長軸方向に磁場を印加しながら約280℃で約10時間のアニールを行うことにより一軸異方性を付与する。
このような試料について、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値を検証する。
まず、磁化容易軸方向の磁場Hxの値と磁化困難軸方向の磁場Hyの値とを決定し、これをアシスト磁場として磁気抵抗効果素子MTJに印加する。次に、磁気抵抗効果素子MTJにパルス電圧を印加し、スピン注入電流を流す。そして、このときの磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値を直流4端子法により測定する。
以上のステップを繰り返し行い、スピン注入電流の経路とその値との関係をまとめたところ、下部電極15の端子aと上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの端子dとの間にパルス電圧を印加すると、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は3.9 mAであるのに対し、下部電極15の端子aと上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALの端子cとの間にパルス電圧を印加すると、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値は3.4 mAであることが分かった。
これは、磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層にSAF構造を採用した場合であっても、スピン注入電流(アシスト電流)の経路を磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返す形にすれば、そうでない場合に比べてスピン注入電流の値を低減できることを意味する。
このように、スピン注入電流(アシスト電流)の経路に関しては、SAF構造を採用した場合であっても、最小磁気抵抗効果素子MTJの近傍において、常に一方向のみに向かわせるよりも、磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返すほうがスピン注入電流を低減できる。
ところで、第4実施例では、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALがヨーク構造を有しているが、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALから発生する磁場が非選択セルに及ぼす影響を考慮すると、下部電極15から磁気抵抗効果素子に対して印加される磁場を上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALから磁気抵抗効果素子に対して印加される磁場よりも大きくすることが好ましい。
これは、例えば、図13に示す構造のように、下部電極15のみをヨーク構造とすることで、選択された磁気抵抗効果素子のみに有効にアシスト磁場を印加できるためである。これにより、磁場アシストによるスピン注入電流の低減と共に、書き込みディスターブの問題も回避できる。
(5) 第5実施例
図27乃至図29は、第5実施例に関わるデバイス構造を示している。
下部電極15は、Cuから構成され、かつ、その下面及び側面が高透磁率磁性材料(NiFe)により覆われたヨーク構造を有している。下部電極15上には、磁気抵抗効果素子MTJが形成される。
磁気抵抗効果素子MTJの反強磁性層は、PtMn(20 nm)から構成される。磁気固着層は、Co90Fe10(5 nm)から構成される。トンネルバリア層は、AlOx(1.0 nm)から構成される。磁気記録層は、Co90Fe10(2.0 nm)から構成される。そして、コンタクト層は、Ta(150 nm) / アモルファスTiAl(10 nm)の積層から構成される。
これら材料は、例えば、スパッタ法により順次形成される。
トンネルバリア層については、正確には、スパッタ法により厚さ0.5 nmのAlを形成した後、そのままの位置(in-situ)で純酸素を用いて自然酸化するプロセスを2回繰り返すことでAlOx(1.0 nm)とする。
また、デバイス完成後に断面TEM(Transmission Electron Microscope)でAlOxの厚さを調べたところ、AlOxの厚さは、1.0 nmから1.2 nmに増加していた。これは、AlOx(1.0 nm)を形成した後の自然酸化が原因であると考えられる。
磁気抵抗効果素子MTJのトンネル接合については、接合面積を規定する部分はEB(electron beam)描画装置を用い、その他の部分はKrFステッパー装置を用いて、パターンの転写を行う。この後、Arイオンミリングを用いて接合分離を行うことでトンネル接合を形成する。
磁気抵抗効果素子MTJの平面形状は、図28に示すような十字形、又は、図29に示すようなビーンズ形(又はC形)にする。
磁気抵抗効果素子MTJ上には、コンタクト層16を介して上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALが形成される。
コンタクト層16は、Ta/Ruの積層から構成され、上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALは、Ti(15 nm) / Al (300 nm) / Ti (15 nm)の積層から構成され、かつ、その上面及び側面が高透磁率磁性材料(NiFe)により覆われたヨーク構造を有している。
磁気抵抗効果素子MTJの磁気記録層に対しては、例えば、磁気記録層の長軸方向に磁場を印加しながら約280℃で約10時間のアニールを行うことにより一軸異方性を付与する。
このような試料について、磁化反転に必要とされるスピン注入電流の値を検証したところ、第3実施例と同じ結果を得ることができた。つまり、下部電極15と上部ビット線BLu/書き込みアシスト線ALとをヨーク構造とし、また、スピン注入電流(アシスト電流)を磁気抵抗効果素子MTJの位置で折り返すことにより、スピン注入電流の低減を図ることができる。
また、第5実施例によれば、磁気抵抗効果素子MTJの平面形状を十字形又はビーンズ形とすることにより、外部磁場に対する安定性及び熱擾乱耐性が向上する。
尚、磁気抵抗効果素子MTJの平面形状については、これ以外にも、平行四辺形、台形、十字形の変形であるS十字形、2つ以上のC形を組み合わせた形状などで同様の効果を確認できる。
また、磁気抵抗効果素子MTJの平面形状については、第5実施例以外の実施例についても、同様のことが言える。
3. その他
本発明の例によれば、新たなアーキテクチャと書き込み方法によりスピン注入電流の低減を実現できる。
本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の例の原理を説明する図。 本発明の例の原理を説明する図。 第1実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示す回路図。 第1実施の形態のデバイス構造の第1例を示す断面図。 第1実施の形態のデバイス構造の第2例を示す断面図。 第2実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの第1例を示す回路図。 第2実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの第2例を示す回路図。 第2実施の形態のデバイス構造の第1例を示す断面図。 第2実施の形態のデバイス構造の第2例を示す断面図。 第3実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示す回路図。 第3実施の形態のデバイス構造の第1例を示す断面図。 第3実施の形態のデバイス構造の第2例を示す断面図。 第3実施の形態のデバイス構造の第3例を示す断面図。 第3実施の形態のデバイス構造の第4例を示す断面図。 第4実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示す回路図。 図15のメモリセルのデバイス構造の例を示す断面図。 第4実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示す回路図。 図17のメモリセルのデバイス構造の例を示す断面図。 図13のデバイス構造の変形例を示す断面図。 第5実施の形態のデバイス構造の例を示す断面図。 磁化反転プロセスのフローを示す図。 スピン注入電流とアシスト電流の供給/遮断タイミングを示す図。 第1実施例に関わるデバイス構造を示す断面図。 第2実施例に関わるデバイス構造を示す断面図。 第3実施例に関わるデバイス構造を示す断面図。 第4実施例に関わるデバイス構造を示す断面図。 第5実施例に関わるデバイス構造を示す断面図。 第5実施例に関わる磁気抵抗効果素子の平面形状を示す図。 第5実施例に関わる磁気抵抗効果素子の平面形状を示す図。
符号の説明
10: メモリセルアレイ、 11: 半導体基板、 12: ソース・ドレイン拡散層、 13,14: 中間層、 15,15(AL): 下部電極、 16: コンタクト層、 DS1,DS2,DS3,DS4: ドライバ/シンカー、 D1,D2: ドライバ、 S1,S2: シンカー、 P1,・・・P7: PチャネルMOSトランジスタ、 N1,・・・N7: NチャネルMOSトランジスタ、 WD: ワード線ドライバ、 BLu: 上部ビット線、 BLd: 下部ビット線、 AL: 書き込みアシスト線、 Tr,CSW: 選択スイッチ、 S/A: センスアンプ。

Claims (22)

  1. スピン注入電流により発生させたスピン偏極電子を用いて磁気抵抗効果素子に対する書き込みを実行するスピン注入磁気ランダムアクセスメモリにおいて、前記書き込み時に、前記磁気抵抗効果素子に対して、前記磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向の磁場を印加する手段を具備することを特徴とするスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 前記手段は、前記磁場を発生させるアシスト電流の経路となる書き込みアシスト線と、前記アシスト電流の発生/遮断を制御するドライバ/シンカーとを備えることを特徴とする請求項1に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 前記書き込みアシスト線は、前記スピン注入電流の経路となるビット線とは異なることを特徴とする請求項2に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 前記書き込みアシスト線は、前記スピン注入電流の経路となるビット線としても機能することを特徴とする請求項2に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 前記手段は、前記磁場を発生させるアシスト電流の経路となる書き込みアシスト線を備え、前記書き込みアシスト線は、前記スピン注入電流の経路となるビット線としても機能することを特徴とする請求項1に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 前記アシスト電流は、前記スピン注入電流とは異なることを特徴とする請求項5に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 前記スピン注入電流は、前記アシスト電流として使用され、前記磁気抵抗効果素子の位置で折り返されることを特徴とする請求項5に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 前記磁気抵抗効果素子は、ヨーク構造を有する下部電極上に配置され、前記下部電極から前記磁気抵抗効果素子に対して印加される磁場は、前記書き込みアシスト線から前記磁気抵抗効果素子に対して印加される磁場よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 前記アシスト電流の遮断は、前記スピン注入電流の遮断よりも早いタイミングで行うことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 前記手段は、永久磁石として機能する書き込みアシスト線を備えることを特徴とする請求項1に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  11. 前記書き込みアシスト線は、前記スピン注入電流の経路となるビット線とは異なることを特徴とする請求項10に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 前記書き込みアシスト線は、前記スピン注入電流の経路となるビット線としても機能することを特徴とする請求項10に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  13. 前記書き込みアシスト線は、前記磁気抵抗効果素子の下部電極としても機能することを特徴とする請求項10に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  14. 前記書き込みアシスト線は、ヨーク構造を有していることを特徴とする請求項2乃至13のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  15. 前記磁場の向きは、書き込みデータの値によらず同じであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  16. 前記磁場の向きは、書き込みデータの値に応じて変化することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  17. 前記磁気抵抗効果素子の平面形状は、十字形又はビーンズ形を有していることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  18. 前記磁気抵抗効果素子の直下又は直上にアモルファス金属又は微結晶金属からなる中間層が配置されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  19. 前記アモルファス金属又は前記微結晶金属は、Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Cr, Mo, Wのグループから選択される少なくとも1元素とPt, Pd, Ru, Rh, Ir, Os, Re, Au, Alのグループから選択される少なくとも1元素とを含む合金、Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Cr, Mo, Wのグループから選択される少なくとも1元素とFe, Ni, Cr, Cuのグループから選択される少なくとも1元素とを含む合金、又は、Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu のグループから選択される少なくとも1元素とPt, Pd, Ru, Rh, Ir, Os, Re, Au, Al のグループから選択される少なくとも1元素とを含む合金から選択される1つであることを特徴とする請求項18に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  20. 前記磁気抵抗効果素子の直下又は直上に、Indium-Titan-Oxide、 Indium-Zinc-Oxide、Al-Oxide、又は、Al-Nitrideからなる中間層が配置されることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のスピン注入磁気ランダムアクセスメモリ。
  21. スピン注入電流を磁気抵抗効果素子に流し、前記磁気抵抗効果素子に対する書き込みを実行している間、前記磁気抵抗効果素子に対して、前記磁気抵抗効果素子の磁化困難軸方向の磁場を印加することを特徴とする書き込み方法。
  22. 前記磁場を発生させるためのアシスト電流を前記スピン注入電流よりも先に遮断することを特徴とする請求項21に記載の書き込み方法。
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