JP2006344653A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】MRAMの低電流化、微細化、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上を図る。
【解決手段】本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、導電線14Aと、導電線14Aを取り囲む軟磁性材料14B,14Cと、軟磁性材料14B,14Cの一部に設けられるギャップと、磁気フリー層としての垂直磁化膜12Aの一部がギャップ内に位置し、磁気固着層としての垂直磁化膜12Cがギャップ外に位置する磁気抵抗効果素子12とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子(magneto-resistive element)をメモリセルとする磁気ランダムアクセスメモリメモリ(MRAM: magnetic random access memory)に関する。
磁気ランダムアクセスメモリは、次世代新規メモリデバイスとして注目されており、実用化に向け、様々な研究、開発が行われている。しかし、そのために解決しなければならない課題として、低電流化、誤書き込み耐性の向上、熱擾乱対策などの多くの問題が残存している。
従来の磁気ランダムアクセスメモリでは、これらの課題を解決するために、磁気抵抗効果素子の形状や、書き込み方式などの面からいくつかの提案がなされている。
例えば、磁気抵抗効果素子の形状の面からは、十字形、そらまめ(bean)形、台形などの形状が提案されている。また、書き込み方式の面からは、トグル(toggle)や、スピン注入(spin-injection)などの方式が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかし、磁気抵抗効果素子の形状に関しては、低電流化については一定の効果が得られるものの、それのみでは十分な誤書き込み耐性を得ることが難しく、また、形状が複雑になると、加工が困難になり、従来の半導体素子形成技術を用いた場合にはメモリセルの微細化に不利となる。
また、書き込み方式のうちトグル方式に関しては、誤書き込み耐性については一定の効果が得られるものの、低電流化が難しいという問題がある。さらに、スピン注入方式については、スピン注入電流(書き込み電流)の低減が難しいために、セルサイズの縮小、熱擾乱対策や、素子破壊などの問題に対して十分に対応できない。
米国特許第6,545,906号明細書 米国特許第6,256,223号明細書
本発明の例では、低電流化、セルサイズの縮小、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上を同時に実現できる磁気ランダムアクセスメモリについて提案する。
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、導電線と、導電線を取り囲む軟磁性材料と、軟磁性材料の一部に設けられるギャップと、磁気フリー層としての強磁性体膜の一部がギャップ内に位置し、磁気固着層がギャップ外に位置する磁気抵抗効果素子とを備える。
本発明の例によれば、磁気ランダムアクセスメモリの低電流化、セルサイズの縮小、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上を同時に実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
本発明の例は、書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)を用いて書き込みを行う方式の磁気ランダムアクセスメモリに適用される。本発明の例では、低電流化、セルサイズの縮小、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上という目的を実現するために、従来とは異なる構造及び書き込み方式を提案する。
一つは、磁化方向(磁化容易軸方向)が膜面に垂直な厚さ方向となるいわゆる垂直磁化膜を磁気フリー層(magnetic free layer)として使用し、磁気フリー層の一部の磁化方向を電流磁場により決定してやることにより、磁気フリー層の全体の磁化方向を面内磁気結合の利用により一斉に変える、という書き込み方式に関する。
この方式によれば、例えば、磁気フリー層の一部を磁力線の通り道となる軟磁性材料(ヨーク材)のギャップ内に配置し、かつ、磁気固着層(magnetic pinned layer)をそのギャップ外に配置することで、ギャップの幅を狭めて、磁気フリー層を書き込み電流の経路となる書き込み線の近くに配置できる。
その結果、電流磁場を効率よく磁気フリー層に印加でき、書き込み電流の低減による低電流化に貢献できる。
他の一つは、磁気フリー層を垂直磁化膜と磁化方向(磁化容易軸方向)が膜面に水平な方向となる面内磁化膜(水平磁化膜)とから構成し、電流磁場を用いて垂直磁化膜にデータを書き込み、かつ、そのデータにより面内磁化膜の磁化の向きを変化させる、という書き込み方式に関する。
この方式によれば、例えば、垂直磁化膜を軟磁性材料のギャップ内に配置し、この垂直磁化膜にデータを書き込み、かつ、垂直磁化膜のデータを面内磁化膜に転写し、面内磁化膜の磁化方向に基づきデータを読み出すことができる。
その結果、例えば、書き込み時の熱擾乱などによる特性のばらつきが面内磁化膜に発生することがなく、MR比(magneto-resistive ratio)の向上による読み出しの高速化/安定化を図れる。
また、以上の2つの方式のいずれにおいても、磁気抵抗効果素子の形状については特に制限を受けないため、単純な形状とすることにより、セルサイズの縮小にも貢献できる。また、垂直磁化膜にデータを書き込むため、メモリセルが微細化されても、十分な誤書き込み/熱擾乱耐性を確保できる。
2. 実施の形態
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
電流磁場を用いて書き込みを行う電流磁場方式の磁気ランダムアクセスメモリには、例えば、一軸方向の磁場のみを用いて書き込みを実行する一軸タイプ、二軸方向の磁場を用いて書き込みを実行する二軸タイプなどが知られている。
そこで、以下の実施の形態では、一軸タイプと二軸タイプに分けて、本発明の例を説明することにする。
但し、これは、本発明の例がそれ以外のタイプに適用できないということを意味するものではなく、当然に、それ以外のタイプ、例えば、三軸方向の磁場を用いて書き込みを実行する三軸タイプなどにも適用できる。
(1) 一軸タイプ
A. 第1実施の形態
第1実施の形態では、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる垂直磁化膜を磁気フリー層として使用し、磁気フリー層の一部の磁化方向を電流磁場により決定してやる。このとき、磁気フリー層内の粒間磁気結合が強く、フリー層全体が単一磁区となる材料を用いた場合、磁気フリー層の全体の磁化方向を一斉に変えることができる。以上の書き込み方式を利用する磁気ランダムアクセスメモリについて提案する。
a. 回路例
図1は、第1実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示している。
メモリセルアレイ10は、アレイ状に配置される複数のメモリセル11から構成される。また、メモリセル11は、例えば、直列接続される磁気抵抗効果素子12と選択素子13とから構成される。
ここで、磁気抵抗効果素子12は、例えば、MTJ(magneto tunnel junction)素子から構成され、選択素子13は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。
磁気抵抗効果素子12の近傍には、例えば、カラム方向に延びるローカル書き込みビット線(local write bit line)14が配置される。磁気抵抗効果素子12の磁化方向は、このローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流の向きにより決定される。
ローカル書き込みビット線14の一端は、例えば、グローバル書き込みビット線(global write bit line)15’に接続される。グローバル書き込みビット線15’は、例えば、ロウ方向に延び、その一端は、書き込みドライバ/シンカー17に接続される。
ローカル書き込みビット線14の他端は、選択素子13を経由して、例えば、グローバル書き込みビット線16’に接続される。グローバル書き込みビット線16’は、例えば、カラム方向に延び、その一端は、書き込みドライバ/シンカー18に接続される。
書き込みドライバ/シンカー17,18は、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー17,18は、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じてローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流の向きを決定する。
選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、ワード線19に接続される。ワード線19は、例えば、ロウ方向に延び、その一端は、書き込み/読み出し時に、メモリセルアレイ10内の1つのロウを選択するためのロウデコーダ20に接続される。
磁気抵抗効果素子12は、ローカル書き込みビット線14と読み出しビット線21との間に接続される。読み出しビット線21は、例えば、カラム方向に延びる。読み出しビット線21の一端は、選択素子22を経由して、センスアンプ23に接続される。
選択素子22は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。選択素子22としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートには、読み出し時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択するためのカラム選択信号φCSLが入力される。
センスアンプ23は、例えば、差動増幅器から構成され、リファレンス電圧Vrefに基づいて、選択されたメモリセル11から読み出されるデータの値を判定し、出力信号Voutを出力する。
b. 構造例
図2は、第1実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図1のメモリセル11に対応する。
ローカル書き込みビット線14の一端は、グローバル書き込みビット線15’に接続され、他端は、選択素子13を経由して、グローバル書き込みビット線16’に接続される。ローカル書き込みビット線14は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線14Aと、その導電線14Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)14B,14Cとから構成される。軟磁性材料としては、例えば、パーマロイを用いるのが望ましいが、さらに窒化タンタルなどの拡散防止バリア膜と積層することで、パーマロイや導電線金属の特性劣化を防止することもできる。
軟磁性材料14Bは、例えば、導電線14Aの側面及び底面を覆い、軟磁性材料14Cは、例えば、導電線14Aの上面を覆う。軟磁性材料14B,14Cは、ローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
軟磁性材料14B,14Cの間には、収束された磁力線の通り道となるギャップが設けられている。磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12Aの一部は、このギャップ内に配置される。
磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12Aは、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)から構成される。また、磁気フリー層12Aは、その一部の磁化方向が電流磁場により決定されると、それに追従して全体の磁化方向が決定されるように、面内磁気結合(粒間の磁気結合)が強い材料から構成される。
磁気フリー層12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、ローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
磁気フリー層12A上には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となるように強磁性膜から構成され、かつ、その磁化方向は、例えば、白金−マンガン合金からなる反強磁性層12Dにより固着される。
例えば、磁気固着層12Cの磁化方向は、上向きに固着される。
反強磁性層12Dは、読み出しビット線21に接続される。
ここで、本例では、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料14B,14C間のギャップ外に配置される。
従って、磁気フリー層12Aをローカル書き込みビット線14の近くに配置できると共に、軟磁性材料14B,14C間のギャップの幅を狭くし、電流磁場を効率よく磁気フリー層12Aに印加できる。
尚、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、SAF(synthetic anti-ferromagnetic)構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、垂直磁化膜から構成されるため、それらの平面形状については特に制限されない。
c. 動作
図1乃至図3の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、選択されたメモリセル11内のローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
まず、ロウデコーダ20を用いて、選択されたロウ内のワード線19を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、ドライバ/シンカー17,18を用いて、選択されたカラム内のローカル書き込みビット線14に書き込み電流を流す。
“0”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー17からドライバ/シンカー18に向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図3において、ローカル書き込みビット線14には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料14B,14C間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は上向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により上向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は共に上向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
“1”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー18からドライバ/シンカー17に向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図3において、ローカル書き込みビット線14には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料14B,14C間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は下向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により下向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向は下向き、磁気固着層12Cの磁化方向は上向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
まず、ロウデコーダ20を用いて、選択されたロウ内のワード線19を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、読み出しビット線21に読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、センスアンプ23からドライバ/シンカー18に向かう方向に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、センスアンプ23からドライバ/シンカー18に向かう方向に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がアンチパラレル状態にあることが検出される。
d. 変形例
次に、第1実施の形態に関わるデバイス構造の変形例を説明する。
図4は、第1変形例を示している。
第1変形例の特徴は、磁気抵抗効果素子12がボトムピン構造を有している点にある。
即ち、図3の構造では、磁気抵抗効果素子12は、トップピン構造を有し、半導体基板側から、磁気フリー層12A、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C、反強磁性層12Dの順序で形成される。
これに対し、図4の構造では、磁気抵抗効果素子12は、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12Aの順序で形成される。
その他の構造については、第1実施の形態と同じである。
図5は、第2変形例を示している。
第2変形例の特徴は、軟磁性材料14B,14C間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの一部がローカル書き込みビット線14の直下に位置している点にある。
即ち、図3の構造では、磁気フリー層12Aの一部は、ローカル書き込みビット線14の直上に配置される。これに対し、図5の構造では、磁気フリー層12Aの一部は、ローカル書き込みビット線14の直下に配置される。
その他の構造については、第1実施の形態と同じである。
図6は、第3変形例を示している。
第3変形例の特徴は、第1及び第2変形例の特徴の双方を含んでいる。
即ち、磁気抵抗効果素子12は、ボトムピン構造を有し、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12Aの順序で形成される。
また、磁気フリー層12Aの一部は、ローカル書き込みビット線14の直下に配置される。
その他の構造については、第1実施の形態と同じである。
このような第1乃至第3変形例においても、第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
e. まとめ
以上、説明したように、第1実施の形態によれば、垂直磁化膜を磁気フリー層として使用し、磁気フリー層の一部の磁化方向を電流磁場により決定してやることにより、磁気フリー層の全体の磁化方向を面内磁気結合の利用により一斉に変える、という書き込み方式を利用する。
従って、例えば、磁気フリー層の一部を磁力線の通り道となる軟磁性材料(ヨーク材)のギャップ内に配置し、かつ、磁気固着層をそのギャップ外に配置することで、磁気フリー層を書き込み電流の経路となる書き込み線の近くに配置でき、かつ、ギャップの幅も狭くできる。
その結果、電流磁場を効率よく磁気フリー層に印加でき、書き込み電流の低減による低電流化に貢献できる。
また、第1実施の形態では、磁気抵抗効果素子の形状については特に制限を受けないため、単純な形状とすることにより、セルサイズの縮小にも貢献できる。また、垂直磁化膜にデータを書き込むため、メモリセルが微細化されても、十分な誤書き込み/熱擾乱耐性を確保できる。
B. 第2実施の形態
第2実施の形態では、磁気フリー層を、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる垂直磁化膜と磁化方向が膜面に水平な方向となる面内磁化膜(水平磁化膜)とから構成し、電流磁場を用いて垂直磁化膜にデータを書き込み、かつ、そのデータを面内磁化膜に転写する、という書き込み方式を利用する磁気ランダムアクセスメモリについて提案する。
a. 回路例
第2実施の形態では、第1実施の形態の回路例、即ち、図1の磁気ランダムアクセスメモリの回路例がそのまま適用される。
b. 構造例
図7は、第2実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図1のメモリセル11に対応する。
ローカル書き込みビット線14の一端は、グローバル書き込みビット線15’に接続され、他端は、選択素子13を経由して、グローバル書き込みビット線16’に接続される。ローカル書き込みビット線14は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線14Aと、その導電線14Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)14B,14Cとから構成される。
軟磁性材料14Bは、例えば、導電線14Aの側面及び底面を覆い、軟磁性材料14Cは、例えば、導電線14Aの上面を覆う。軟磁性材料14B,14Cは、ローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
軟磁性材料14B,14Cの間には、収束された磁力線の通り道となるギャップが設けられている。磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12A,12A’,24,25の一部は、このギャップ内に配置される。
磁気フリー層12A,12A’,25は、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)12A,12A’、磁化方向が形状異方性により膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)25、及び、これらの間に配置される非磁性膜24から構成される。
本実施例においては、磁気フリー層12Aと強磁性膜25は、お互いの発生する静磁場を通じてカップリングすればよいため、非磁性膜24は、例えば、タンタル膜のような非磁性金属膜でもよいが、例えば、窒化タンタルなどの金属化合物膜でも良い。
また、金属化合物を用いることにより、上下磁性膜の相互拡散をより効果的に防止し、素子信頼性を向上することが可能である。
垂直磁化膜12Aは、軟磁性材料14B,14C間のギャップ内に位置する。垂直磁化膜12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、ローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
一方、垂直磁化膜12A’は、軟磁性材料14B,14C間のギャップ外に位置し、その磁化方向が垂直磁化膜12Aの磁化方向に追従して変化しないように、面内磁気結合が弱い材料から構成される。
また、垂直磁化膜12A’の合計の磁化は、面内磁化膜25の磁化方向に影響を与えないようにするため、消磁操作を施すなどして、零に設定される。
また、消磁操作に代えて、例えば、垂直磁化膜12A’を、磁化方向が180°異なる複数の磁性層のスタック構造から構成することもできる。この場合、垂直磁化膜12A’全体として特定方向に磁化が生じなければ、消磁と同様の効果を得ることができる。
尚、複数の磁性層の磁化方向を反対方向(180°異なる方向)に設定するには、例えば、複数の磁性層をそれぞれキューリー点の異なる材料から構成し、アニール後の冷却工程の途中において、磁場の方向を180°異なる方向に向けることで対処できる。
面内磁化膜25の磁化方向は、静磁場による結合を通じて垂直磁化膜12Aの磁化方向に依存する。
垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向きのとき、書き込み電流が遮断された後、面内磁化膜25の磁化方向は、右向きとなり、垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向きのとき、書き込み電流が遮断された後、面内磁化膜25の磁化方向は、左向きとなる。
面内磁化膜25の磁化方向は、書き込み電流が遮断された後、垂直磁化膜12Aの磁化方向のみによって決定される。
結果として、面内磁化膜25の磁化方向(右向き/左向き)も、間接的にではあるが、ローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
面内磁化膜25上には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、強磁性膜(面内磁化膜)から構成され、かつ、その磁化方向は、反強磁性層12Dにより磁化方向が膜面に水平な向きとなるように固着される。
例えば、磁気固着層12Cの磁化方向は、右向きに固着される。
反強磁性層12Dは、読み出しビット線21に接続される。
ここで、本例では、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料14B,14C間のギャップ外に配置される。
従って、垂直磁化膜12Aをローカル書き込みビット線14の近くに配置できると共に、軟磁性材料14B,14C間のギャップの幅を狭くし、電流磁場を効率よく垂直磁化膜12Aに印加できる。
尚、本例の場合には、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料14B,14C間のギャップ内に配置しても構わない。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、SAF構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、垂直磁化膜12A,12A’の平面形状については、特に制限されない。
c. 動作
図7及び図8の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、図1のメモリセル11内のローカル書き込みビット線14に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
まず、図1のロウデコーダ20を用いて、選択されたロウ内のワード線19を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、ドライバ/シンカー17,18を用いて、選択されたカラム内のローカル書き込みビット線14に書き込み電流を流す。
“0”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー17からドライバ/シンカー18に向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図8において、ローカル書き込みビット線14には、紙面の裏側から表側に(より正確には紙面に対して斜めに)向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料14B,14C間のギャップに配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、右向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、共に、右向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
“1”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー18からドライバ/シンカー17に向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図8において、ローカル書き込みビット線14には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料14B,14C間のギャップに配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、左向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向は左向き、磁気固着層12Cの磁化方向は右向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
まず、図1のロウデコーダ20を用いて、選択されたロウ内のワード線19を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、読み出しビット線21に読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、センスアンプ23からドライバ/シンカー18に向かう方向に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、センスアンプ23からドライバ/シンカー18に向かう方向に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がアンチパラレル状態にあることが検出される。
d. 変形例
次に、第2実施の形態に関わるデバイス構造の変形例を説明する。
図9は、第1変形例を示している。
第1変形例の特徴は、磁気抵抗効果素子12がボトムピン構造を有している点にある。
即ち、図8の構造では、磁気抵抗効果素子12は、トップピン構造を有し、半導体基板側から、磁気フリー層12A,12A’,24,25、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C、反強磁性層12Dの順序で形成される。
これに対し、図9の構造では、磁気抵抗効果素子12は、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12A,12A’,24,25の順序で形成される。
その他の構造については、第2実施の形態と同じである。
図10は、第2変形例を示している。
第2変形例の特徴は、軟磁性材料14B,14C間のギャップに配置される磁気フリー層12A,24,25がローカル書き込みビット線14の直下に位置している点にある。
即ち、図8の構造では、磁気フリー層12A,24,25は、ローカル書き込みビット線14の直上に配置される。これに対し、図10の構造では、磁気フリー層12A,24,25は、ローカル書き込みビット線14の直下に配置される。
その他の構造については、第2実施の形態と同じである。
図11は、第3変形例を示している。
第3変形例の特徴は、第1及び第2変形例の特徴の双方を含んでいる。
即ち、磁気抵抗効果素子12は、ボトムピン構造を有し、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12A,12A’,24,25の順序で形成される。
また、磁気フリー層12A,24,25は、ローカル書き込みビット線14の直下に配置される。
その他の構造については、第2実施の形態と同じである。
図12は、第4変形例を示している。
第4変形例は、図8の垂直磁化膜12A’が存在しない構造である。
即ち、図8の構造では、消磁操作が施されたか、又は、全体の磁化が零の垂直磁化膜12A’が面内磁化膜25の直下に存在する。これは、ウェハプロセスのステップ数の削減、つまり、同一マスクによる磁気フリー層12A,12A’,24,25の同時加工を考慮したものである。
しかし、第2実施の形態の主旨は、面内磁化膜25の磁化をその端部に存在する垂直磁化膜12Aの磁化により決定する点にあるので、理想的には、面内磁化膜25の磁化方向に影響の与える可能性がある垂直磁化膜12A’は存在しないほうが好ましい。
そこで、第4変形例では、図12に示すように、面内磁化膜25の直下に配置する磁性膜は、軟磁性材料14B,14C間のギャップ内の垂直磁化膜12Aのみとする。
その他の構造については、第2実施の形態と同じである。
図13は、第5変形例を示している。
第5変形例は、第4変形例の特徴を含んでいる。
即ち、図8の垂直磁化膜12A’が存在しない。また、垂直磁化膜12A及び非磁性膜24は、面内磁化膜25上に配置される。この場合、磁気抵抗効果素子12の構造がシンプルになる利点がある。
その他の構造については、第2実施の形態と同じである。
このような第1乃至第5変形例においても、第2実施の形態と同様の効果を得ることができる。
e. まとめ
以上、説明したように、第2実施の形態によれば、垂直磁化膜を軟磁性材料のギャップ内に配置し、この垂直磁化膜にデータを書き込み、かつ、垂直磁化膜のデータを面内磁化膜に転写し、面内磁化膜の磁化方向に基づきデータを読み出す、という書き込み方式を利用する。
従って、熱擾乱耐性は、垂直磁化膜の特性で決定され、メモリセルが微細化されても悪化することはない。また、書き込み時の熱擾乱などによる特性のばらつきが面内磁化膜に発生することもなく、MR比の向上による読み出しの高速化/安定化を図れる。
また、垂直磁化膜で熱擾乱耐性を、面内磁化膜で読み出し特性(MR比)を、それぞれ独立に最適化できる。さらに、電流磁場による磁化反転は、軟磁性材料間のギャップに配置される垂直磁化膜についてのみ行えばよく、電流磁場を面内磁化膜に直接作用させて磁化反転を行うことはないため、書き込み電流の値も大幅に低減できる。
尚、第2実施の形態においても、磁気抵抗効果素子の形状については特に制限を受けないため、単純な形状とすることによりセルサイズの縮小に貢献できる。
(2) 二軸タイプ
A. 第3実施の形態
第3実施の形態では、第1実施の形態と同じ書き込み方式、即ち、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる垂直磁化膜を磁気フリー層として使用し、磁気フリー層の一部の磁化方向を電流磁場により決定してやることにより、磁気フリー層の全体の磁化方向を面内磁気結合の利用により一斉に変える、という書き込み方式を利用する磁気ランダムアクセスメモリを提案する。
a. 回路例
図14は、第3実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示している。
メモリセルアレイ10は、アレイ状に配置される複数のメモリセル11から構成される。また、メモリセル11は、例えば、直列接続される磁気抵抗効果素子12と選択素子13とから構成される。磁気抵抗効果素子12は、例えば、MTJ素子から構成され、選択素子13は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。
磁気抵抗効果素子12の一端は、例えば、カラム方向に延びる書き込みビット線(write bit line)15に接続される。書き込みビット線15の一端は、書き込みドライバ/シンカー17Aに接続され、その他端は、書き込みドライバ/シンカー18A接続される。
書き込みドライバ/シンカー17A,18Aは、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー17A,18Aは、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じて書き込みビット線15に流れる書き込み電流の向きを決定する。
書き込みビット線15は、読み出しビット線としても機能する。
書き込みビット線15の他端は、選択素子22を経由して、センスアンプ23に接続される。
選択素子22は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。選択素子22としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートには、読み出し時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択するためのカラム選択信号φCSLが入力される。
センスアンプ23は、例えば、差動増幅器から構成され、リファレンス電圧Vrefに基づいて、選択されたメモリセル11から読み出されるデータの値を判定し、出力信号Voutを出力する。
磁気抵抗効果素子12の近傍には、例えば、ロウ方向に延びる書き込みワード線(write word line)16が配置される。書き込みワード線16の一端は、書き込みドライバ/シンカー17Bに接続され、その他端は、書き込みドライバ/シンカー18B接続される。
書き込みドライバ/シンカー17B,18Bは、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのロウを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー17B,18Bは、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じて書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを決定する。
磁気抵抗効果素子12の磁化方向は、書き込みビット線15に流れる書き込み電流により発生する磁場と、書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場との合成磁場により決定される。
磁気抵抗効果素子12の他端は、選択素子13を経由して、例えば、接地端子Vssに接続される。
選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19に接続される。読み出しワード線19は、例えば、ロウ方向に延び、その一端は、読み出し時にメモリセルアレイ10内の1つのロウを選択するためのロウデコーダ20に接続される。
b. 構造例
図15は、第3実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図16は、図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図14のメモリセル11に対応する。
書き込みビット線15は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線15Aと、その導電線15Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)15Bとから構成される。同様に、書き込みワード線16は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線16Aと、その導電線16Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)16Bとから構成される。
軟磁性材料15Bは、導電線15Aの側面及び下面を覆い、軟磁性材料16Bは、導電線16Aの側面及び上面を覆う。軟磁性材料15B,16Bは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
軟磁性材料15B,16Bの間には、収束された磁力線の通り道となる複数のギャップが設けられている。磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12Aの一部は、複数のギャップのうちの1つ内に配置される。
磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12Aは、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)から構成される。また、磁気フリー層12Aは、その一部の磁化方向が電流磁場により決定されると、それに追従して全体の磁化方向が決定されるように、面内磁気結合が強い材料から構成される。
磁気フリー層12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
磁気フリー層12A上には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)から構成され、かつ、その磁化方向は、反強磁性層12Dにより固着される。
例えば、磁気固着層12Cの磁化方向は、上向きに固着される。
反強磁性層12Dは、選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートには、読み出し信号Vreadが入力される。
ここで、本例では、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ外に配置される。
従って、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップの幅を狭くし、磁気フリー層12Aを電流磁場の通り道となる複数のギャップのうちの1つ内に配置することで、電流磁場を効率よく磁気フリー層12Aに印加できる。
尚、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、SAF構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、垂直磁化膜から構成されるため、それらの平面形状については特に制限されない。
c. 動作
図14乃至図16の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、選択されたメモリセル11内の書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
まず、ドライバ/シンカー17A,18Aを用いて、選択されたカラム内の書き込みビット線15に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17B,18Bを用いて、選択されたロウ内の書き込みワード線16に書き込み電流を流す。
“0”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図16において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は上向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により上向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は共に上向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
“1”−書き込みでは、例えば、ドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図16において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は下向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により下向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向は下向き、磁気固着層12Cの磁化方向は上向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
まず、ロウデコーダ20を用いて、選択されたロウ内の読み出しワード線19を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、センスアンプ23から書き込みビット線(読み出しビット線)15を経由してメモリセル11に向かう読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がアンチパラレル状態にあることが検出される。
d. 変形例
次に、第3実施の形態に関わるデバイス構造の変形例を説明する。
図17は、第1変形例を示している。
第1変形例の特徴は、磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12Aが書き込みワード線16に接続される点にある。
即ち、図16の構造では、磁気フリー層12Aは、書き込みビット線15に接続される。つまり、この場合、書き込みビット線15が読み出しビット線としても機能し、書き込みビット線15にセンスアンプが接続される。
これに対し、図17の構造では、磁気フリー層12Aは、書き込みワード線16に接続される。つまり、この場合には、書き込みワード線16が読み出しワード線として機能することになるため、書き込みワード線16にセンスアンプが接続されることになる。
その他の構造については、第3実施の形態と同じである。
図18は、第2変形例を示している。
第2変形例の特徴は、磁気抵抗効果素子12がボトムピン構造を有している点にある。
即ち、図16の構造では、磁気抵抗効果素子12は、トップピン構造を有し、半導体基板側から、磁気フリー層12A、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C、反強磁性層12Dの順序で形成される。
これに対し、図18の構造では、磁気抵抗効果素子12は、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12Aの順序で形成される。
その他の構造については、第3実施の形態と同じである。
図19は、第3変形例を示している。
第3変形例の特徴は、第1及び第2変形例の特徴の双方を含んでいる。
即ち、磁気抵抗効果素子12は、ボトムピン構造を有し、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12Aの順序で形成される。
また、磁気フリー層12Aは、書き込みワード線16に接続される。
その他の構造については、第3実施の形態と同じである。
このような第1乃至第3変形例においても、第3実施の形態と同様の効果を得ることができる。
e. まとめ
以上、説明したように、第3実施の形態によれば、二軸タイプ磁気ランダムアクセスメモリにおいて、第1実施の形態と同様の効果、即ち、低電流化、セルサイズの縮小、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上を同時に実現できる。
B. 第4実施の形態
第4実施の形態は、第3実施の形態の改良例であり、第3実施の形態と同じ書き込み方式に関する。第4実施の形態では、2本の書き込み線(二軸)の交差部に複数の磁気抵抗効果素子を配置し、メモリセルの高集積化によるメモリ容量の増大を図る。
a. 回路例
図20は、第4実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリを示している。
メモリセルアレイ10は、アレイ状に配置される複数のメモリセル11(up),11(down)から構成される。メモリセル11(up)は、直列接続される磁気抵抗効果素子12(up)と選択素子13(up)とから構成され、メモリセル11(down)は、直列接続される磁気抵抗効果素子12(down)と選択素子13(down)とから構成される。
磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の一端は、例えば、カラム方向に延びる書き込みビット線15に接続される。書き込みビット線15の一端は、書き込みドライバ/シンカー17Aに接続され、その他端は、書き込みドライバ/シンカー18A接続される。
書き込みドライバ/シンカー17A,18Aは、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー17A,18Aは、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じて書き込みビット線15に流れる書き込み電流の向きを決定する。
書き込みビット線15は、読み出しビット線としても機能する。
書き込みビット線15の他端は、選択素子22を経由して、センスアンプ23に接続される。
選択素子22は、例えば、NチャネルMOSトランジスタから構成される。選択素子22としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートには、読み出し時に、メモリセルアレイ10内の1つのカラムを選択するためのカラム選択信号φCSLが入力される。
センスアンプ23は、例えば、差動増幅器から構成され、リファレンス電圧Vrefに基づいて、選択されたメモリセル11(up),11(down)から読み出されるデータの値を判定し、出力信号Voutを出力する。
磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の近傍には、例えば、ロウ方向に延びる書き込みワード線16が配置される。書き込みワード線16の一端は、書き込みドライバ/シンカー17Bに接続され、その他端は、書き込みドライバ/シンカー18B接続される。
書き込みドライバ/シンカー17B,18Bは、デコーダ機能を有し、書き込み時に、メモリセルアレイ10内の1つのロウを選択する。また、書き込みドライバ/シンカー17B,18Bは、書き込み電流の発生/遮断を制御すると共に、書き込みデータの値に応じて書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを決定する。
磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の磁化方向は、書き込みビット線15に流れる書き込み電流により発生する磁場と、書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場との合成磁場により決定される。
ここで、書き込みワード線16については、隣接する2つのメモリセル11(up),11(down)に共有される。
磁気抵抗効果素子12(up)の他端は、選択素子13(up)を経由して、例えば、接地端子Vssに接続される。
選択素子13(up)としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19(up)に接続される。読み出しワード線19(up)は、例えば、ロウ方向に延び、その一端は、読み出し時にメモリセルアレイ10内の1つのロウを選択するためのロウデコーダ20(up)に接続される。
磁気抵抗効果素子12(down)の他端は、選択素子13(down)を経由して、例えば、接地端子Vssに接続される。
選択素子13(down)としてのNチャネルMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19(down)に接続される。読み出しワード線19(down)は、例えば、ロウ方向に延び、その一端は、読み出し時にメモリセルアレイ10内の1つのロウを選択するためのロウデコーダ20(down)に接続される。
ロウデコーダ20(up)は、例えば、メモリセルアレイ10のロウ方向の2つの端部の一方に配置され、ロウデコーダ20(down)は、例えば、メモリセルアレイ10のロウ方向の2つの端部の他方に配置される。
b. 構造例
図21は、第4実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図22は、図21のXXII−XXII線に沿う断面図、図23は、図21のXXIII−XXIII線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図20のメモリセル11(up),11(down)に対応する。
書き込みビット線15は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線15Aと、その導電線15Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)15Bとから構成される。同様に、書き込みワード線16は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線16Aと、その導電線16Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)16Bとから構成される。
軟磁性材料15Bは、導電線15Aの側面及び下面を覆い、軟磁性材料16Bは、導電線16Aの側面及び上面を覆う。軟磁性材料15B,16Bは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
軟磁性材料15B,16Bの間には、収束された磁力線の通り道となる複数のギャップが設けられている。磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の磁気フリー層12Aの一部は、複数のギャップのうちの1つ内に配置される。
磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の磁気フリー層12Aは、それぞれ磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)から構成される。また、磁気フリー層12Aは、その一部の磁化方向が電流磁場により決定されると、それに追従して全体の磁化方向が決定されるように、面内磁気結合が強い材料から構成される。
磁気フリー層12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
磁気フリー層12A上には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)から構成され、かつ、その磁化方向は、反強磁性層12Dにより固着される。
例えば、磁気固着層12Cの磁化方向は、上向きに固着される。
磁気抵抗効果素子12(up)の反強磁性層12Dは、選択素子13(up)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19(up)に接続される。
磁気抵抗効果素子12(down)の反強磁性層12Dは、選択素子13(down)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19(down)に接続される。
ここで、本例では、書き込みビット線15と書き込みワード線16との交差部には、2つの磁気抵抗効果素子12(up),12(down)が配置される。これら磁気抵抗効果素子12(up),12(down)に関しては、後述する動作で説明するように、それぞれ独立に、データの書き込み及び読み出しが可能であるため、メモリセルの高集積化によるメモリ容量の増大を実現できる。
また、本例では、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ外に配置される。
従って、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップの幅を狭くし、磁気フリー層12Aを電流磁場の通り道となる複数のギャップのうちの1つ内に配置することで、電流磁場を効率よく磁気フリー層12Aに印加できる。
尚、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、SAF構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、磁気フリー層12A及び磁気固着層12Cは、垂直磁化膜から構成されるため、それらの平面形状については特に制限されない。
c. 動作
図20乃至図23の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
・ 磁気抵抗効果素子12(up)に対する書き込み
まず、磁気抵抗効果素子12(up)にデータを書き込む場合を説明する。
“0”−書き込みでは、図24に示すように、例えば、ドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、図22において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(図24のポイント1)に配置される磁気抵抗効果素子12(up)の磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は上向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により上向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は共に上向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
ここで、図24に示すように、磁気抵抗効果素子12(up)に対する“0”−書き込みの最中においては、ポイント1では、書き込み電流Iw1,Iw2による電流磁場が共に上向きとなるが、ポイント3では、書き込み電流Iw1による電流磁場は上向き、書き込み電流Iw2による電流磁場は下向きとなる。
従って、ポイント3では、上向きの磁場と下向きの磁場が相殺されるため、磁気抵抗効果素子12(down)に対する誤書き込みが発生することはない。
“1”−書き込みでは、図25に示すように、例えば、ドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、ドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、図22において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(図25のポイント1)に配置される磁気抵抗効果素子12(up)の磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は下向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により下向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向は下向き、磁気固着層12Cの磁化方向は上向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
ここで、図25に示すように、磁気抵抗効果素子12(up)に対する“1”−書き込みの最中においては、ポイント1では、書き込み電流Iw1,Iw2による電流磁場が共に下向きとなるが、ポイント3では、書き込み電流Iw1による電流磁場は下向き、書き込み電流Iw2による電流磁場は上向きとなる。
従って、ポイント3では、下向きの磁場と上向きの磁場が相殺されるため、磁気抵抗効果素子12(down)に対する誤書き込みが発生することはない。
・ 磁気抵抗効果素子12(down)に対する書き込み
次に、磁気抵抗効果素子12(down)にデータを書き込む場合を説明する。
“0”−書き込みでは、図26に示すように、例えば、ドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、ドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、図23において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(図26のポイント3)に配置される磁気抵抗効果素子12(down)の磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は上向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により上向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は共に上向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
ここで、図26に示すように、磁気抵抗効果素子12(down)に対する“0”−書き込みの最中においては、ポイント3では、書き込み電流Iw1,Iw2による電流磁場が共に上向きとなるが、ポイント1では、書き込み電流Iw1による電流磁場は上向き、書き込み電流Iw2による電流磁場は下向きとなる。
従って、ポイント1では、上向きの磁場と下向きの磁場が相殺されるため、磁気抵抗効果素子12(up)に対する誤書き込みが発生することはない。
“1”−書き込みでは、図27に示すように、例えば、ドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、図23において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(図27のポイント3)に配置される磁気抵抗効果素子12(down)の磁気フリー層12Aの一部の磁化方向は下向きに変化する。また、これに追従して、磁気フリー層12Aの全体の磁化方向は、強い面内磁気結合により下向きに変化する。
これにより、磁気フリー層12Aの磁化方向は下向き、磁気固着層12Cの磁化方向は上向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
ここで、図27に示すように、磁気抵抗効果素子12(down)に対する“1”−書き込みの最中においては、ポイント3では、書き込み電流Iw1,Iw2による電流磁場が共に下向きとなるが、ポイント1では、書き込み電流Iw1による電流磁場は下向き、書き込み電流Iw2による電流磁場は上向きとなる。
従って、ポイント1では、下向きの磁場と上向きの磁場が相殺されるため、磁気抵抗効果素子12(up)に対する誤書き込みが発生することはない。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12(up),12(down)に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
例えば、磁気抵抗効果素子12(up)のデータを読み出す場合、ロウデコーダ20(up)を用いて、読み出しワード線19(up)を“H”にし、メモリセル11(up)内の選択素子13(up)をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、センスアンプ23から書き込みビット線(読み出しビット線)15を経由してメモリセル11(up)に向かう読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12(up)は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12(up)に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、メモリセル11(up)内の磁気抵抗効果素子12(up)がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12(up)は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12(up)に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、メモリセル11(up)内の磁気抵抗効果素子12(up)がアンチパラレル状態にあることが検出される。
d. まとめ
以上、説明したように、第4実施の形態によれば、二軸タイプ磁気ランダムアクセスメモリにおいて、第1実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、書き込みビット線と書き込みワード線の交差部に複数の磁気抵抗効果素子を配置することにより高集積化を図れる。
C. 第5実施の形態
第5実施の形態では、第2実施の形態と同じ書き込み方式、即ち、磁気フリー層を、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる垂直磁化膜と磁化方向が膜面に水平な方向となる面内磁化膜(水平磁化膜)とから構成し、電流磁場を用いて垂直磁化膜にデータを書き込み、かつ、そのデータを面内磁化膜に転写する、という書き込み方式を利用する磁気ランダムアクセスメモリについて提案する。
a. 回路例
第5実施の形態では、第3実施の形態の回路例、即ち、図14の磁気ランダムアクセスメモリの回路例がそのまま適用される。
b. 構造例
図28は、第5実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図29は、図28のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図14のメモリセル11に対応する。
書き込みビット線15は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線15Aと、その導電線15Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)15Bとから構成される。同様に、書き込みワード線16は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線16Aと、その導電線16Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)16Bとから構成される。
軟磁性材料15Bは、導電線15Aの側面及び下面を覆い、軟磁性材料16Bは、導電線16Aの側面及び上面を覆う。軟磁性材料15B,16Bは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
軟磁性材料15B,16Bの間には、収束された磁力線の通り道となる複数のギャップが設けられている。磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12A,12A’,24,25の一部は、複数のギャップのうちの1つ内に配置される。
磁気フリー層12A,12A’,24,25は、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)12A,12A’、磁化方向が膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)25、及び、これらの間に配置される非磁性膜24から構成される。
垂直磁化膜12Aは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップのうちの1つ内に位置する。垂直磁化膜12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
一方、垂直磁化膜12A’は、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ外に位置し、その磁化方向が垂直磁化膜12Aの磁化方向に追従して変化しないように、面内磁気結合が弱い材料から構成される。
また、垂直磁化膜12A’の合計の磁化は、面内磁化膜25の磁化方向に影響を与えないようにするため、消磁操作を施すなどして、零に設定される。
また、消磁操作に代えて、例えば、垂直磁化膜12A’を、磁化方向が180°異なる複数の磁性層のスタック構造から構成することもできる。この場合、垂直磁化膜12A’全体として特定方向に磁化が生じなければ、消磁と同様の効果を得ることができる。
面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化方向に依存する。
垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、右向きとなり、垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、左向きとなる。
面内磁化膜25の磁化方向は、書き込み電流が遮断された後、垂直磁化膜12Aの磁化方向のみによって決定される。
結果として、面内磁化膜25の磁化方向(右向き/左向き)も、間接的にではあるが、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
面内磁化膜25上には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、磁化方向が膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)から構成され、かつ、その磁化方向は、反強磁性層12Dにより固着される。
例えば、磁気固着層12Cの磁化方向は、右向きに固着される。
反強磁性層12Dは、選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19に接続される。
ここで、本例では、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ外に配置される。
従って、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップの幅を狭くし、磁気フリー層12Aを電流磁場の通り道となる複数のギャップのうちの1つ内に配置することで、電流磁場を効率よく垂直磁化膜12Aに印加できる。
尚、本例の場合には、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料15B,16B間のギャップ内に配置しても構わない。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、SAF構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、垂直磁化膜12A,12A’の平面形状については、特に制限されない。
c. 動作
図28及び図29の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、選択されたメモリセル11内の書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
まず、図14のドライバ/シンカー17A,18Aを用いて、選択されたカラム内の書き込みビット線15に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17B,18Bを用いて、選択されたロウ内の書き込みワード線16に書き込み電流を流す。
“0”−書き込みでは、例えば、図14のドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図29において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの磁化方向は上向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、右向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、共に、右向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
“1”−書き込みでは、例えば、図14のドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、例えば、図29において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気フリー層12Aの磁化方向は下向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、左向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向は左向き、磁気固着層12Cの磁化方向は右向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
まず、図14のロウデコーダ20を用いて、選択されたロウ内のワード線19を“H”にし、メモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、センスアンプ23から書き込みビット線(読み出しビット線)15を経由してメモリセル11に向かう読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、選択されたメモリセル11内の磁気抵抗効果素子12がアンチパラレル状態にあることが検出される。
d. 変形例
次に、第5実施の形態に関わるデバイス構造の変形例を説明する。
図30は、第1変形例を示している。
第1変形例の特徴は、磁気抵抗効果素子12の磁気フリー層12A,12A’,24,25が書き込みワード線16に接続される点にある。
即ち、図29の構造では、磁気フリー層12A,12A’,24,25は、書き込みビット線15に接続される。つまり、この場合、書き込みビット線15が読み出しビット線としても機能し、書き込みビット線15にセンスアンプが接続される。
これに対し、図30の構造では、磁気フリー層12A,12A’,24,25は、書き込みワード線16に接続される。つまり、この場合には、書き込みワード線16が読み出しワード線として機能することになるため、書き込みワード線16にセンスアンプが接続されることになる。
その他の構造については、第5実施の形態と同じである。
図31は、第2変形例を示している。
第2変形例の特徴は、磁気抵抗効果素子12がボトムピン構造を有している点にある。
即ち、図29の構造では、磁気抵抗効果素子12は、トップピン構造を有し、半導体基板側から、磁気フリー層12A,12A’,24,25、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C、反強磁性層12Dの順序で形成される。
これに対し、図31の構造では、磁気抵抗効果素子12は、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12A,12A’,24,25の順序で形成される。
その他の構造については、第5実施の形態と同じである。
図32は、第3変形例を示している。
第3変形例の特徴は、第1及び第2変形例の特徴の双方を含んでいる。
即ち、磁気抵抗効果素子12は、ボトムピン構造を有し、半導体基板側から、反強磁性層12D、磁気固着層12C、トンネルバリア層12B、磁気フリー層12A,12A’,24,25の順序で形成される。
また、磁気フリー層12Aは、書き込みワード線16に接続される。
その他の構造については、第5実施の形態と同じである。
図33は、第4変形例を示している。
第4変形例は、図29の垂直磁化膜12A’が存在しない構造である。
即ち、図29の構造では、消磁操作が施されたか、又は、全体の磁化が零の垂直磁化膜12A’が面内磁化膜25の直下に存在する。これは、ウェハプロセスのステップ数の削減、つまり、同一マスクによる磁気フリー層12A,12A’,24,25の同時加工を考慮したものである。
しかし、第5実施の形態の主旨は、面内磁化膜25の磁化をその端部に存在する垂直磁化膜12Aの磁化により決定する点にあるので、理想的には、面内磁化膜25の磁化方向に影響の与える可能性がある垂直磁化膜12A’は存在しないほうが好ましい。
そこで、第4変形例では、図33に示すように、面内磁化膜25の直下に配置される磁性膜は、軟磁性材料14B,14C間のギャップ内の垂直磁化膜12Aのみとする。
その他の構造については、第5実施の形態と同じである。
図34は、第5変形例を示している。
第5変形例は、第4変形例の特徴を含んでいる。
即ち、図29の垂直磁化膜12A’が存在しない。また、垂直磁化膜12A及び非磁性膜24は、面内磁化膜25上に配置され、垂直磁化膜12Aは、書き込みワード線16に接続される。この場合、磁気抵抗効果素子12の構造がシンプルになる利点がある。
その他の構造については、第5実施の形態と同じである。
このような第1乃至第5変形例においても、第5実施の形態と同様の効果を得ることができる。
e. まとめ
以上、説明したように、第5実施の形態によれば、二軸タイプ磁気ランダムアクセスメモリにおいて、第2実施の形態と同様の効果、即ち、低電流化、セルサイズの縮小、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上を同時に実現できる。
D. 第6実施の形態
第6実施の形態は、第5実施の形態の改良例であり、第5実施の形態と同じ書き込み方式に関する。第6実施の形態では、2本の書き込み線(二軸)の交差部に複数の磁気抵抗効果素子を配置し、メモリセルの高集積化によるメモリ容量の増大を図る。
a. 回路例
第6実施の形態では、第4実施の形態の回路例、即ち、図20の磁気ランダムアクセスメモリの回路例がそのまま適用される。
b. 構造例
図35は、第6実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図36は、図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図、図37は、図35のXXXVII−XXXVII線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図20のメモリセル11(up),11(down)に対応する。
書き込みビット線15は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線15Aと、その導電線15Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)15Bとから構成される。同様に、書き込みワード線16は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線16Aと、その導電線16Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)16Bとから構成される。
軟磁性材料15Bは、導電線15Aの側面及び下面を覆い、軟磁性材料16Bは、導電線16Aの側面及び上面を覆う。軟磁性材料15B,16Bは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
軟磁性材料15B,16Bの間には、収束された磁力線の通り道となる複数のギャップが設けられている。磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の磁気フリー層12A,12A’,24,25の一部は、複数のギャップのうちの1つ内に配置される。
磁気フリー層12A,12A’,24,25は、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)12A,12A’、磁化方向が膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)25、及び、これらの間に配置される非磁性膜24から構成される。
垂直磁化膜12Aは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ内に位置する。磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の垂直磁化膜12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化できる。
一方、垂直磁化膜12A’は、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ外に位置し、その磁化方向が垂直磁化膜12Aの磁化方向に追従して変化しないように、面内磁気結合が弱い材料から構成される。
また、垂直磁化膜12A’の合計の磁化は、面内磁化膜25の磁化方向に影響を与えないようにするため、消磁操作を施すなどして、零に設定される。
また、消磁操作に代えて、例えば、垂直磁化膜12A’を、磁化方向が180°異なる複数の磁性層のスタック構造から構成することもできる。この場合、垂直磁化膜12A’全体として特定方向に磁化が生じなければ、消磁と同様の効果を得ることができる。
面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化方向に依存する。
磁気抵抗効果素子12(up)に関しては、垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、右向きとなり、垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、左向きとなる。
磁気抵抗効果素子12(down)に関しては、垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、左向きとなり、垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、右向きとなる。
面内磁化膜25の磁化方向は、書き込み電流が遮断された後、垂直磁化膜12Aの磁化方向のみによって決定される。
結果として、磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の面内磁化膜25の磁化方向(右向き/左向き)も、間接的にではあるが、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
面内磁化膜25上には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、磁化方向が膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)から構成され、かつ、その磁化方向は、反強磁性層12Dにより固着される。
例えば、磁気抵抗効果素子12(up)に関しては、磁気固着層12Cの磁化方向は、右向きに固着される。また、磁気抵抗効果素子12(down)に関しては、磁気固着層12Cの磁化方向は、左向きに固着される。
磁気抵抗効果素子12(up)の反強磁性層12Dは、選択素子13(up)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19(up)に接続される。
磁気抵抗効果素子12(down)の反強磁性層12Dは、選択素子13(down)としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートは、読み出しワード線19(down)に接続される。
ここで、本例では、書き込みビット線15と書き込みワード線16との交差部には、2つの磁気抵抗効果素子12(up),12(down)が配置される。これら磁気抵抗効果素子12(up),12(down)に関しては、後述する動作で説明するように、それぞれ独立に、データの書き込み及び読み出しが可能であるため、メモリセルの高集積化によるメモリ容量の増大を実現できる。
また、本例では、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ外に配置される。
従って、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップの幅を狭くし、磁気フリー層12Aを電流磁場の通り道となる複数のギャップのうちの1つ内に配置することで、電流磁場を効率よく垂直磁化膜12Aに印加できる。
尚、本例の場合には、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dは、軟磁性材料15B,16B間の複数のギャップ内に配置しても構わない。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、SAF構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、垂直磁化膜12A,12A’の平面形状については、特に制限されない。
c. 動作
図35乃至図37の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
・ 磁気抵抗効果素子12(up)に対する書き込み
まず、磁気抵抗効果素子12(up)にデータを書き込む場合を説明する。
“0”−書き込みでは、例えば、図20のドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、図36において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気抵抗効果素子12(up)の垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、右向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、共に、右向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
尚、第4実施の形態で説明した理由と同様の理由により、磁気抵抗効果素子12(up)に対する“0”−書き込みの最中においては、磁気抵抗効果素子12(down)に対して誤書き込みが発生することはない。
“1”−書き込みでは、例えば、図20のドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、図36において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気抵抗効果素子12(up)の垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、左向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向は、左向きとなり、磁気固着層12Cの磁化方向は、右向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
尚、第4実施の形態で説明した理由と同様の理由により、磁気抵抗効果素子12(up)に対する“1”−書き込みの最中においては、磁気抵抗効果素子12(down)に対して誤書き込みが発生することはない。
・ 磁気抵抗効果素子12(down)に対する書き込み
次に、磁気抵抗効果素子12(down)にデータを書き込む場合を説明する。
“0”−書き込みでは、例えば、図20のドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、図37において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気抵抗効果素子12(down)の垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、左向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、共に、左向き(パラレル状態)となり、“0”−書き込みが完了する。
尚、第4実施の形態で説明した理由と同様の理由により、磁気抵抗効果素子12(down)に対する“0”−書き込みの最中においては、磁気抵抗効果素子12(up)に対して誤書き込みが発生することはない。
“1”−書き込みでは、例えば、図20のドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流を流し、ドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流を流す。
この時、図37において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップに配置される磁気抵抗効果素子12(down)の垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化する。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、右向きに変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向は、右向きとなり、磁気固着層12Cの磁化方向は、左向き(アンチパラレル状態)となり、“1”−書き込みが完了する。
尚、第4実施の形態で説明した理由と同様の理由により、磁気抵抗効果素子12(down)に対する“1”−書き込みの最中においては、磁気抵抗効果素子12(up)に対して誤書き込みが発生することはない。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12(up),12(down)に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12(up),12(down)の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
例えば、磁気抵抗効果素子12(up)のデータを読み出す場合、ロウデコーダ20(up)を用いて、読み出しワード線19(up)を“H”にし、メモリセル11(up)内の選択素子13(up)をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、センスアンプ23から書き込みビット線(読み出しビット線)15を経由してメモリセル11(up)に向かう読み出し電流を流す。
“0”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12(up)は、パラレル状態にあり、その抵抗値は低い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12(up)に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも小さくなる。
これにより、メモリセル11(up)内の磁気抵抗効果素子12(up)がパラレル状態にあることが検出される。
“1”−読み出しでは、磁気抵抗効果素子12(up)は、アンチパラレル状態にあり、その抵抗値は高い状態にあるため、例えば、磁気抵抗効果素子12(up)に読み出し電流を流すと、センスアンプ23の入力電圧Vinは、リファレンス電圧Vrefよりも大きくなる。
これにより、メモリセル11(up)内の磁気抵抗効果素子12(up)がアンチパラレル状態にあることが検出される。
d. まとめ
以上、説明したように、第6実施の形態によれば、二軸タイプ磁気ランダムアクセスメモリにおいて、第2実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、書き込みビット線と書き込みワード線の交差部に複数の磁気抵抗効果素子を配置することにより高集積化を図れる。
E. 第7実施の形態
第7実施の形態では、第2実施の形態と同じ書き込み方式を採用する。
即ち、磁気フリー層を、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる垂直磁化膜と磁化方向が膜面に水平な方向となる面内磁化膜(水平磁化膜)とから構成し、電流磁場を用いて垂直磁化膜にデータを書き込み、かつ、そのデータを面内磁化膜に転写する。また、第7実施の形態では、1つの磁気抵抗効果素子を2本の書き込み線の交差部に配置することで、その磁気抵抗効果素子に2ビット(4値)データを記憶する構造を提案する。
a. 回路例
第7実施の形態では、第3実施の形態の回路例、即ち、図14の磁気ランダムアクセスメモリの回路例がそのまま適用される。
b. 構造例
図38は、第7実施の形態のメモリセルのデバイス構造を示している。図39は、図38のXXXIX−XXXIX線に沿う断面図である。
ここで示すデバイス構造は、図14のメモリセル11に対応する。
書き込みビット線15は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線15Aと、その導電線15Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)15Bとから構成される。同様に、書き込みワード線16は、例えば、Al, Cuなどの金属からなる導電線16Aと、その導電線16Aを取り囲む軟磁性材料(ヨーク材)16Bとから構成される。
軟磁性材料15Bは、導電線15Aの側面及び下面を覆い、軟磁性材料16Bは、導電線16Aの側面及び上面を覆う。軟磁性材料15B,16Bは、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁力線を収束させる機能を有する。
磁気抵抗効果素子12は、書き込みビット線15と書き込みワード線16の交差部に配置される。具体的には、磁気抵抗効果素子12は、少なくとも軟磁性材料15B,16B間のギャップの全てを満たす位置に配置される。軟磁性材料15B,16B間のギャップは、4ヶ所(ポイント1,2,3,4)存在する。
磁気抵抗効果素子12は、書き込みビット線15と書き込みワード線16の交差部の中心点に対して点対称となる形状、例えば、円形、十字形などの形状に設定される。十字形の場合には、十字の先端が軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント1,2,3,4)に位置するようにする。
磁気抵抗効果素子12は、磁気フリー層12A,12A’,24,25、トンネルバリア層12B、磁気固着層12C及び反強磁性層12Dから構成される。
本例では、磁気抵抗効果素子12は、ボトムピン構造となっているが、トップピン構造であっても構わない。
磁気フリー層12A,12A’,24,25は、磁化方向が膜面に垂直な厚さ方向となる強磁性膜(垂直磁化膜)12A,12A’、磁化方向が膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)25、及び、これらの間に配置される非磁性膜24から構成される。
垂直磁化膜12Aは、4ヶ所の軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント1,2,3,4)内に位置する。垂直磁化膜12Aの磁化方向(上向き/下向き)は、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により変化させることができる。
垂直磁化膜12A’は、軟磁性材料15B,16B間のギャップ外(書き込みビット線15と書き込みワード線16の交差部内の領域を含む)に位置し、その磁化方向が垂直磁化膜12Aの磁化方向に追従して変化しないように、面内磁気結合が弱い材料から構成される。
また、垂直磁化膜12A’の合計の磁化は、面内磁化膜25の磁化方向に影響を与えないようにするため、消磁操作を施すなどして、零に設定される。
また、消磁操作に代えて、例えば、垂直磁化膜12A’を、磁化方向が180°異なる複数の磁性層のスタック構造から構成することもできる。この場合、垂直磁化膜12A’全体として特定方向に磁化が生じなければ、消磁と同様の効果を得ることができる。
垂直磁化膜12A’に関しては、例えば、図40及び図41に示すように、これを、絶縁体、導電体などからなる非磁性膜28に代えることもできる。
面内磁化膜25の磁化方向は、4ヶ所(ポイント1,2,3,4)に設けられた垂直磁化膜12Aの磁化方向に依存する。
例えば、ポイント1における垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向き、ポイント4における垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント4からポイント1に向かう方向となり、ポイント1における垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向き、ポイント4における垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント1からポイント4に向かう方向となる。
同様に、ポイント2における垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向き、ポイント3における垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント3からポイント2に向かう方向となり、ポイント2における垂直磁化膜12Aの磁化方向が下向き、ポイント3における垂直磁化膜12Aの磁化方向が上向きのとき、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント2からポイント3に向かう方向となる。
面内磁化膜25の磁化方向は、書き込み電流が遮断された後、4ヶ所に設けられた垂直磁化膜12Aの磁化方向のみによって決定される。つまり、面内磁化膜25の磁化方向は、間接的にではあるが、書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流により発生する磁場(電流磁場)により、4つの方向のうちのいずれか1つに設定される。
面内磁化膜25下には、絶縁物から構成されるトンネルバリア層12Bを介して、磁気固着層12Cが配置される。磁気固着層12Cは、磁化方向が膜面に水平な方向となる強磁性膜(面内磁化膜)から構成され、かつ、その磁化方向は、反強磁性層12Dにより固着される。
例えば、磁気固着層12Cの磁化方向は、書き込みビット線15が延びる方向に対して、θ=約26.6°だけ、ポイント1側に傾いた方向に固着される。その主旨は、面内磁化膜25に記憶される4値データ(抵抗値r0、r1、r2、r3)のマージンを等しくとることにある。
反強磁性層12Dは、例えば、下部電極26上に配置され、下部電極26は、選択素子13としてのNチャネルMOSトランジスタを経由して、接地点Vssに接続される。このMOSトランジスタのゲートには、読み出し信号Vreadが供給される。
垂直磁化膜12A,12A’は、例えば、上部電極27を経由して、書き込みワード線16に接続される。
尚、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、1つの磁性層から構成されていても、積み重ねられた複数の磁性層から構成されていてもよい。
また、垂直磁化膜12A,12A’、面内磁化膜25及び磁気固着層12Cは、SAF構造などの特殊な構造を有していてもよい。
さらに、垂直磁化膜12A,12A’の平面形状については、特に制限されない。
c. 動作
図38及び図39の磁気ランダムアクセスメモリの動作について説明する。
書き込みは、選択されたメモリセル11内の書き込みビット線15及び書き込みワード線16に流れる書き込み電流の向きを制御することにより行う。
まず、図14のドライバ/シンカー17A,18Aを用いて、選択されたカラム内の書き込みビット線15に書き込み電流を流し、図14のドライバ/シンカー17B,18Bを用いて、選択されたロウ内の書き込みワード線16に書き込み電流を流す。
“0”−書き込みでは、例えば、図42に示すように、図14のドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、図14のドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、例えば、図39及び図42において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント1)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化し、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント4)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化する。
ここで、“0”−書き込みの最中においては、ポイント2,3では、書き込み電流Iw1,Iw2の一方による電流磁場が上向き、他方による電流磁場が下向きとなるため、ポイント2,3での垂直磁化膜12Aの磁場は相殺される。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント1,4における垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、ポイント4からポイント1に向かう方向に変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、最もパラレルに近い状態(抵抗値r0)となり、“0”−書き込みが完了する。
“1”−書き込みでは、例えば、図43に示すように、図14のドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、図14のドライバ/シンカー17Bからドライバ/シンカー18Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、例えば、図39及び図43において、書き込みビット線15には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、書き込みワード線16には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント2)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化し、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント3)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化する。
ここで、“1”−書き込みの最中においては、ポイント1,4では、書き込み電流Iw1,Iw2の一方による電流磁場が上向き、他方による電流磁場が下向きとなるため、ポイント1,4での垂直磁化膜12Aの磁場は相殺される。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント2,3における垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、ポイント3からポイント2に向かう方向に変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、パラレル寄りの状態(抵抗値r1>r0)となり、“1”−書き込みが完了する。
“2”−書き込みでは、例えば、図44に示すように、図14のドライバ/シンカー17Aからドライバ/シンカー18Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、図14のドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、例えば、図39及び図44において、書き込みビット線15には、紙面の裏側から表側に向かう書き込み電流が流れ、書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント3)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化し、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント2)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化する。
ここで、“2”−書き込みの最中においては、ポイント1,4では、書き込み電流Iw1,Iw2の一方による電流磁場が上向き、他方による電流磁場が下向きとなるため、ポイント1,4での垂直磁化膜12Aの磁場は相殺される。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント2,3における垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、ポイント2からポイント3に向かう方向に変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、アンチパラレル寄りの状態(抵抗値r2>r1)となり、“2”−書き込みが完了する。
“3”−書き込みでは、例えば、図45に示すように、図14のドライバ/シンカー18Aからドライバ/シンカー17Aに向かう方向に書き込み電流Iw1を流し、図14のドライバ/シンカー18Bからドライバ/シンカー17Bに向かう方向に書き込み電流Iw2を流す。
この時、例えば、図39及び図45において、書き込みビット線15及び書き込みワード線16には、紙面の表側から裏側に向かう書き込み電流が流れ、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント1)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は下向きに変化し、軟磁性材料15B,16B間のギャップ(ポイント4)に配置される垂直磁化膜12Aの磁化方向は上向きに変化する。
ここで、“3”−書き込みの最中においては、ポイント2,3では、書き込み電流Iw1,Iw2の一方による電流磁場が上向き、他方による電流磁場が下向きとなるため、ポイント2,3での垂直磁化膜12Aの磁場は相殺される。
この後、書き込み電流を遮断すると、面内磁化膜25の磁化方向は、ポイント1,4における垂直磁化膜12Aの磁化に影響され、ポイント1からポイント4に向かう方向に変化する。
これにより、磁気フリー層としての面内磁化膜25の磁化方向と磁気固着層12Cの磁化方向は、最もアンチパラレルに近い状態(抵抗値r3>r2)となり、“3”−書き込みが完了する。
読み出しは、磁気抵抗効果素子12に読み出し電流を流し、磁気抵抗効果素子12の抵抗値をセンスアンプ23により検出することにより行う。
まず、図14のロウデコーダ20を用いて、選択されたメモリセル11内の選択素子13をオンにする。次に、カラム選択信号φCSLによりカラムを選択し、センスアンプ23から書き込みビット線(読み出しビット線)15を経由してメモリセル11に向かう読み出し電流を流す。
読み出しデータ“0”,“1”,“2”,“3”に応じて、センスアンプ23の入力電圧Vinが変化するため、例えば、差動アンプに代えて、ラッチ回路を有する多値データの読み出しのための読み出し回路を使用することにより、磁気抵抗効果素子12に記憶されたデータを検出できる。
d. まとめ
以上、説明したように、第7実施の形態によれば、二軸タイプ磁気ランダムアクセスメモリにおいて、第2実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、書き込みビット線と書き込みワード線の交差部に複数ビットデータを記憶できる磁気抵抗効果素子を配置することによりメモリ容量の増大を実現できる。
(3) まとめ
このように、一軸タイプ及び二軸タイプの例で説明したように、本発明の例によれば、磁気ランダムアクセスメモリの低電流化、セルサイズの縮小、誤書き込み/熱擾乱耐性の向上を同時に実現できる。
3. 材料
材料の例について説明する。
(1) 垂直磁化膜は、以下の材料から構成できる。
・ Fe(鉄), Co(コバルト), Ni(ニッケル)のうち少なくとも1つの元素と、Cr(クロム), Pt(白金) ,Pd(パラジウム)のうち少なくとも1つの元素とを含む合金
この合金には、規則合金と不規則合金の双方が含まれる。規則合金としては、Fe(50)Pt(50), Fe(50)Pd(50), Co(50)Pt(50)などがあり(括弧内の数字は割合)、不規則合金としては、CoCr合金, CoPt合金, CoCrPt合金, CoCrPtTa合金, CoCrNb合金などがある。
また、これらの合金に、Cu, Ag, Cr, B, V, Ta, Nb, SiO2, MgO, TiNなどの不純物元素、その合金又は化合物を加えてもよい。
・ Fe, Co, Ni のうち少なくとも1つの元素又はその元素を含む合金と、Pt ,Pd のうち1つの元素又はその元素を含む合金とが交互に積み重ねられた構造
この構造には、例えば、Co/Pt人工格子、Co/Pd人工格子、CoCr/Pt人工格子などが含まれる。また、この構造を構成する合金に、Cu, Ag などの不純物元素、その合金又は絶縁物を加えてもよい。
・ 希土類金属のうち少なくとも1つの元素、例えば、Tb(テルビウム), Dy(ジスプロシウム), Gd(ガドリニウム)と、遷移金属のうち少なくとも1つの元素とからなるアモルファス合金
例えば、TbFe, TbCo, TbFeCo, DyTbFeCo, GdTbCoなどがある。
(2) 非磁性膜は、以下の材料から構成できる。
・ Ta
・ TiN, CrRu, Co-Cr-Pt(非磁性となるようにCrとPtの合計の割合を50%以上にする), Au, Ag, Pt, Pd, Ir, Fe, Cr, MgO
これらの材料を用いて非磁性膜を構成すると共に、非磁性膜上に垂直磁化膜を形成することで、垂直磁化膜の配向性を高めて、その特性を向上させることができる。
・ CrTi, CrNb, CrV, CoCrPt, CrRu
これらの材料を用いて非磁性膜を構成すると共に、非磁性膜上に面内磁化膜を形成することで、面内磁化膜の配向性を高めて、その特性を向上させることができる。
4. その他
本発明の例によれば、磁場発生効率を向上させることができ、1kOe/mA以上の効率を実現できる。この場合、書き込み電流を数mA以下に設定できると共に、磁気抵抗効果素子のスイッチング磁場(反転磁場)については、磁気シールドが不要となるレベル、即ち、外部磁場によって誤書き込みが発生しない程度にまで上げることができる。
また、例えば、図28及び図29の磁気ランダムアクセスメモリに関しては、垂直磁化膜12A、非磁性膜24、面内磁化膜25の厚さを、それぞれ、5nm、2nm、3nmに設定し、かつ、面内磁化膜25と軟磁性材料16Bとの間に配置される保護膜の厚さを20nmに設定したとすると、書き込みビット線15と書き込みワード線16との間のギャップは、30nmとなり、約250Oe/mAの効率を実現できる。この場合、データ書き込みは、約4mAの書き込み電流で行うことができる。
本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの回路例を示す回路図。 第1実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 第1実施の形態の第1変形例を示す断面図。 第1実施の形態の第2変形例を示す断面図。 第1実施の形態の第3変形例を示す断面図。 第2実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図。 第2実施の形態の第1変形例を示す断面図。 第2実施の形態の第2変形例を示す断面図。 第2実施の形態の第3変形例を示す断面図。 第2実施の形態の第4変形例を示す断面図。 第2実施の形態の第5変形例を示す断面図。 第3実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの回路例を示す回路図。 第3実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図15のXVI−XVI線に沿う断面図。 第3実施の形態の第1変形例を示す断面図。 第3実施の形態の第2変形例を示す断面図。 第3実施の形態の第3変形例を示す断面図。 第4実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの回路例を示す回路図。 第4実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図21のXXII−XXII線に沿う断面図。 図21のXXIII−XXIII線に沿う断面図。 第4実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第4実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第4実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第4実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第5実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図28のXXIX−XXIX線に沿う断面図。 第5実施の形態の第1変形例を示す断面図。 第5実施の形態の第2変形例を示す断面図。 第5実施の形態の第3変形例を示す断面図。 第5実施の形態の第4変形例を示す断面図。 第5実施の形態の第5変形例を示す断面図。 第6実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図。 図35のXXXVII−XXXVII線に沿う断面図。 第7実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図38のXXXIX−XXXIX線に沿う断面図。 第7実施の形態の磁気ランダムアクセスメモリの構造例を示す平面図。 図40のXLI−XLI線に沿う断面図。 第7実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第7実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第7実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。 第7実施の形態に関わる書き込み動作を示す平面図。
符号の説明
10: メモリセルアレイ、 11,11(up),11(down): メモリセル、 12,12(up),12(down): 磁気抵抗効果素子、 12A,12A’: 垂直磁化膜、 12B: トンネルバリア層、 12C: 磁気固着層(ピン層)、 12D: 反強磁性層、 13,13(up),13(down),22: 選択素子、 14: ローカル書き込みビット線、 14A,15A,16A: 導電線、 14B,14C,15B,16B: 軟磁性材料(ヨーク材)、 15: 書き込みビット線、 15’,16’: グローバル書き込みビット線、 16: 書き込みワード線、 17,18,17A,18A,17B,18B: 書き込みドライバ/シンカー、 19,19(up),19(down): 読み出しワード線、 20,20(up),20(down): ロウデコーダ、 21: 読み出しビット線、 23: センスアンプ、 24,28: 非磁性膜、 25: 面内磁化膜、 26: 下部電極、 27: 上部電極。

Claims (5)

  1. 導電線と、前記導電線を取り囲む軟磁性材料と、前記軟磁性材料の一部に設けられるギャップと、磁気フリー層としての強磁性体膜の一部が前記ギャップ内に位置し、磁気固着層が前記ギャップ外に位置する磁気抵抗効果素子とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 導電線と、前記導電線を取り囲む軟磁性材料と、前記軟磁性材料の一部に設けられるギャップと、少なくとも垂直磁化膜を含む複数の強磁性体膜からなる磁気フリー層が前記ギャップ内に位置し、磁化方向が膜面内方向となる磁気固着層を有する磁気抵抗効果素子とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 第1導電線と、前記第1導電線の側面を覆う第1軟磁性材料と、前記第1導電線に交差する第2導電線と、前記第2導電線の側面を覆う第2軟磁性材料と、前記第1及び第2軟磁性材料間の複数のギャップと、磁気フリー層としての強磁性体膜の一部が前記複数のギャップのうちの1つ内に位置し、磁気固着層が前記複数のギャップ外に位置する磁気抵抗効果素子とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 第1導電線と、前記第1導電線の側面を覆う第1軟磁性材料と、前記第1導電線に交差する第2導電線と、前記第2導電線の側面を覆う第2軟磁性材料と、前記第1及び第2軟磁性材料間の複数のギャップと、少なくとも垂直磁化膜を含む複数の強磁性体膜からなる磁気フリー層が前記複数のギャップのうちの1つ内に位置し、磁化方向が膜面内方向となる磁気固着層を有する磁気抵抗効果素子とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 第1導電線と、前記第1導電線の側面を覆う第1軟磁性材料と、前記第1導電線に交差する第2導電線と、前記第2導電線の側面を覆う第2軟磁性材料と、前記第1及び第2軟磁性材料間の複数のギャップと、前記複数のギャップに対応するように前記複数のギャップ内に設けられた垂直磁化膜と、前記第1及び第2導電線の交差部に設けられる強磁性層と,磁化方向が膜面内方向に固着される磁気固着層とを具備することを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
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