JP2007120320A - 往復動型流体機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダブロック(18)に対し、同心円上に中心を有して複数穿設されており、その内部に往復運動するピストン(38)を有するシリンダボア(36)と、シリンダブロックとシリンダヘッド(54)とを固定する締結装置とを具備し、締結装置は、シリンダブロックに対し、上記同心円の外側に中心を有して複数穿設され、且つ、シリンダボアに平行に穿設されたボルト孔(42)と、シリンダヘッド側からボルト孔に挿入され、シリンダヘッド内にヘッド(69)を有してシリンダブロックに螺合するボルト(68)とを含む。
【選択図】図1
Description
ここで、CO2冷媒の作動領域は高圧側にて超臨界領域で使用されており、この使用圧力はフロン冷媒に比して約7〜10倍程度高くなる。例えばシリンダブロックのシリンダボアからは圧縮されたより高圧のCO2冷媒がシリンダヘッドの吐出室に吐出される。そこで、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間のシール性を高める技術が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、このボルトのヘッドは、シリンダボアが複数穿設されているシリンダブロック内に配設されている点に留意しなければならない。つまり、シリンダボア間にボルトのヘッドが存在すると、当該ボルトをシリンダブロックから取り外す場合、例えばピストンのトップクリアランスを調整する場合には、ピストンや回転軸等の中身部品を上記ケーシングから取り出さなければならないからである。これでは、圧縮機の生産性が悪化するとの問題がある。
更に、請求項3記載の発明では、締結装置は、シリンダブロックに対し、同心円の内側に中心を有して複数穿設され、且つ、シリンダボアに平行に穿設されたボルト孔と、シリンダヘッド側からボルト孔に挿入され、シリンダヘッド内にヘッドを有してシリンダブロックに螺合するボルトとを更に含むことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、往復動型流体機械は、CO2冷媒を用いた冷凍回路の循環経路に介挿されていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明によれば、シリンダブロックの中央部分もボルトで固定されるので、バルブプレートの中央におけるシール性も向上する。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、スタッドボルトを用いれば、このスタッドボルトに螺合されるボルトを更に接続可能となり、上記ケーシングの固定も可能となる。
また、請求項5記載の発明によれば、使用圧力が高いCO2冷媒を用いても、バルブプレートのシール性が確保される。また、CO2冷媒を用いれば、環境負荷の軽減に大きく貢献する。
図1は、車両用空調装置の一部を構成する冷凍回路を示す。
当該冷凍回路2は、CO2冷媒が循環する循環経路を備えており、循環経路には第1実施例の圧縮機(往復動型流体機械)4、ガスクーラ6、膨張弁8及び蒸発器10が順次介挿されている。圧縮機4は冷媒を圧縮してガスクーラ6に送出し、冷媒の流動を生成している。
ここで、本実施形態のシリンダガスケット46はシリンダブロック18とバルブプレート50とに気密に狭持され、図3に示されるように、シリンダブロック18の他端面に対峙した円形をなして構成されている。このシリンダガスケット46には、その中央部分に中央ボルト孔40の開口位置に合致した孔40Hが形成され、その外側にはシリンダボア36の開口位置に合致した孔36Hが等間隔に形成され、更に、その外側には外側ボルト孔42の開口位置に合致した孔42Hが等間隔に形成されている。
そして、上述したバルブプレート50は、ボルトの軸力によりシリンダブロック18に締結されている。より具体的には、シリンダブロック18の中央位置には、上記吐出弁66をバルブプレート50に固定するとともに、このバルブプレート50を貫通してシリンダブロック18に螺合する中央インターナルボルト(ボルト)64が配設されている。この中央インターナルボルト64は、シリンダヘッド54側から中央ボルト孔40に挿入され、吐出室60内にヘッドを有している(図2)。
まず、シリンダブロック18を外側インターナルボルト68で図示しない治具に固定する。このとき、外側インターナルボルト68は治具を貫通し、シリンダブロック18に向けて外側ボルト孔42にねじ込まれる。
次に、シリンダブロック18がフロントハウジング12内に嵌合されるが、これに先立ち、フロントハウジング12には中身部品が取り付けられる。詳しくは、回転軸24が軸受26を介して取り付けられ、更に、回転軸24には、シュー44、斜板30及び傾動ユニット32を介してピストン38が連結される。
その後、フロントハウジング12には上記中身部品が取り付けられたまま、外側インターナルボルト68をシリンダブロック18から取り外す。そして、シリンダブロック18とバルブプレート50との間にシリンダガスケット46及び上記選択されたケーシングガスケット48を狭持し、これらを外側インターナルボルト68で固定する。また、このときには、中央インターナルボルト64を用い、吐出弁66とともにシリンダブロック18とバルブプレート50とを固定する。
最後に、フロントハウジング12の小径筒部14から突出した回転軸24の一端部25に電磁クラッチ76を固定して圧縮機4を組み立てる。
図5に示された第2実施例の圧縮機4Aは、フロントハウジング12Aがシリンダブロック18Aの一部を嵌合し、大径筒部16Aには、ケーシングガスケット48A(図6)を介してシリンダブロック18Aが気密に固定されている。つまり、本実施形態のシリンダブロック18Aはシリンダヘッド54に向けて拡開された大径部19を有する段付きの円筒状をなしている。
更に、シリンダブロック18Aには、各ガスケット46A,52A及びバルブプレート50Aを介してシリンダヘッド54が気密に固定されている。具体的には、本実施形態のバルブプレート50Aは大径部19には達しない大きさの円形をなし、シリンダヘッド54内に収められている。そして、押えボルト56がシリンダヘッド54側から各ボルト孔55を貫通して軸方向穴17にねじ込まれることによって大径筒部16Aに締結され、フロントハウジング12Aとシリンダヘッド54とが固定される。
そして、シリンダブロック18Aには、バルブプレート50Aの外周端近傍の位置にて、このバルブプレート50Aを貫通してシリンダブロック18Aに螺合する外側インターナルボルト(ボルト)68が配設されており、シリンダヘッド54側から各外側ボルト孔42に挿入され、シリンダヘッド54内にヘッド69を有している。
続いて、図9に示された第3実施例の圧縮機4Bでは、シリンダブロック18Bに対し、上記外側ボルト孔42の他、7個の内側ボルト孔(ボルト孔)70がシリンダボア36に平行に穿設されている。詳しくは、この内側ボルト孔70は、シリンダボア36の中心が形成される同心円よりも内側位置に中心を有している。
更に、内側インターナルボルト71によってシリンダブロック18Bの中央近傍部分が固定されると、シリンダボア36に対峙するバルブプレート50Bのシール性がより一層向上する。
例えば、上記各ボルト68,71はスタッドボルトであっても良く、この場合にはスタッドボルトをシリンダブロックに埋設させることにより、このボルトに螺合される更なるボルトが接続可能となり、フロントハウジング12の固定も可能となる。
4,4A,4B 圧縮機(往復動型流体機械)
12,12A フロントハウジング(ケーシング)
18,18A,18B シリンダブロック
36 シリンダボア
38 ピストン
40 中央ボルト孔(ボルト孔)
42 外側ボルト孔(ボルト孔)
50,50A,50B バルブプレート
54 シリンダヘッド
64 中央インターナルボルト(ボルト)
68 外側インターナルボルト(ボルト)
69 ヘッド
70 内側ボルト孔(ボルト孔)
71 内側インターナルボルト(ボルト)
72 ヘッド
Claims (5)
- バルブプレートを介してシリンダブロックの一方側に固定されたシリンダヘッドと、
前記シリンダブロックの他方側に向けて延出され、該シリンダブロックの少なくとも一部を囲むケーシングと、
前記シリンダブロックに対し、同心円上に中心を有して複数穿設されており、その内部で往復運動するピストンを有するシリンダボアと、
前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとを固定する締結装置とを具備し、
該締結装置は、
前記シリンダブロックに対し、前記同心円の外側に中心を有して複数穿設され、且つ、前記シリンダボアに平行に穿設されたボルト孔と、
前記シリンダヘッド側から前記ボルト孔に挿入され、該シリンダヘッド内にヘッドを有して前記シリンダブロックに螺合するボルトと
を含むことを特徴とする往復動型流体機械。 - 前記締結装置は、
前記シリンダブロックに対し、該シリンダブロックの略図心に中心を有して穿設され、且つ、前記シリンダボアに平行に穿設されたボルト孔と、
前記シリンダヘッド側から前記ボルト孔に挿入され、該シリンダヘッド内にヘッドを有して前記シリンダブロックに螺合するボルトと
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の往復動型流体機械。 - 前記締結装置は、
前記シリンダブロックに対し、前記同心円の内側に中心を有して複数穿設され、且つ、前記シリンダボアに平行に穿設されたボルト孔と、
前記シリンダヘッド側から前記ボルト孔に挿入され、該シリンダヘッド内にヘッドを有して前記シリンダブロックに螺合するボルトと
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の往復動型流体機械。 - 前記ボルトは、前記シリンダブロックに埋設されたスタッドボルトであることを特徴とする請求項1に記載の往復動型流体機械。
- 前記往復動型流体機械は、CO2冷媒を用いた冷凍回路の循環経路に介挿されていることを特徴とする請求項1に記載の往復動型流体機械。
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