JP2005180301A - クラッチレス圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラッチレス圧縮機において、冷房不要時に吐出される少量の冷媒を吐出圧領域から吸入圧側領域に戻すための内部循環通路の開閉機能を吐出流路上に設けられる吐出遮蔽体の動きと統合すること。
【解決手段】 可変容量形のクラッチレス圧縮機において、吐出弁以降の吐出流路内に、該吐出流路内の圧力変動により、その吐出流路を開閉する吐出遮蔽体を配する。この吐出遮蔽体の動きに連動する制御体を内部循環通路に設ける。これにより、冷房不要時に吐出流路が吐出遮蔽体で閉じられると共に、その動きで内部循環通路を開いて吐出圧領域の増加冷媒を吸入圧領域に流出させる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、斜板を収容するクランク室内の圧力と、圧縮室内の圧力とのピストンを介した差圧に応じて斜板の傾斜角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、該クランク室の圧力を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行うクラッチレス圧縮機に関する。
自動車空調装置に用いられる斜板式の圧縮機としては、自動車の走行用エンジンとの間の動力伝達経路上に電磁クラッチ機構を設けないいわゆるクラッチレスのものが存在する。このクラッチレスの圧縮機としては、可変容量タイプのものが用いられ、最大容量から最小容量まで変更が可能である。
圧縮機の最小容量時である冷房不要時(OFF時とも言う)にあって、最小吐出容量がゼロに近く設定されているが、起動性を保つため多少なりとも吐出されるので、外部冷媒回路上に流出し、蒸発器を凍結させるなどの不具合が起きていた。このため、対策として特許文献1に示すように吐出流路内に逆止弁52を設けて、冷房不要時に冷媒の流出を阻止していた。
特開平10−205446
しかしながら、前記した技術では、逆止弁にて流出を阻止しているだけであるため、徐々にではあるが、吐出流路や吐出室内の圧力が上昇してしまうことになり、また所定圧に達すれば該逆止弁が押し開かれて吐出冷媒を外部冷媒回路に流出させてしまう不具合が生じることから、図示されてはいないが、吸入室に還流させるための内部循環通路が設けられている。
圧縮機と外部冷媒回路が開かれている場合には、このような内部循環通路に冷媒が流れることは圧縮機の吐出能力の低下となるので、内部循環通路の還流流量を調整する必要がある。一方、外部回路と遮断された状態では、吐出能力は不要であるので還流流量の調整は不要で、むしろ内部循環流路の開度を大きくして確実に吐出室圧力を吸入室へ開放することが求められる。
そこで、この発明では、吐出流路に設けられる吐出遮蔽体に内部循環通路の開閉機能を持たせたもので、該吐出遮蔽体に連動させ、簡単な構成で内部循環通路の開閉機能を構成したものである。
この発明に係るクラッチレス圧縮機は、斜板を収容するクランク室内の圧力と、圧縮室内の圧力とのピストンを介した差圧に応じて斜板の傾斜角を制御し、吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室に開放すると共に、該クランク室の冷媒圧力を吸入圧領域に開放する一体又は別体の圧力制御弁あるいは又は吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室に開放する圧力制御弁のみを備えて前記クランク室内の調圧を行うクラッチレス圧縮機において、前記吐出室以降の吐出流路内に、該吐出流路内の圧力変動によりその吐出流路を開閉する吐出遮蔽体を配すると共に、この吐出遮蔽体に連動して動かされる制御体を内部循環通路に設け、この制御体の動きにより、吐出圧領域の冷媒圧力を吸入圧領域に開放する制御を行うことにある(請求項1)。
これにより、冷房不要時(最小容量時)には、吐出流路の圧力も低下し、該圧力が所定値より低下すると、吐出遮蔽体が動いて吐出流路が閉じられる。そして、この吐出遮蔽体に連動して制御体も動き、吐出圧領域の冷媒圧力が内部循環通路を介して吸入圧領域に開放される。これによって、冷房不要時にあっても、吐出流路内の圧力の上昇を防ぐことができると共に、簡単な構成の開閉機能を提供することができる。
前記吐出遮蔽体が吐出流路を閉塞する時には、制御体が動いて内部循環通路を開き、吐出圧領域の冷媒圧力が吸入圧領域へ開放されるようにし(請求項2)、また吐出遮蔽体が吐出流路を開いている時には、制御体が動いて内部循環通路を閉じ、吐出圧領域の冷媒圧力が吸入圧領域への開放されることを遮断するようにしたことにある(請求項3)。
前記制御体を前記吐出圧領域から圧力制御弁を介して冷媒圧力が流れるクランク室と吸入圧領域との間の内部循環通路に設けて、制御体の動きによりクランク室の冷媒圧力を吸入圧領域に流すようにしたことにある(請求項4)。
これにより、冷媒不要時には、吐出量の減少により吐出流路の圧力も低下し、該圧力が所定値より低下すると、吐出遮蔽体が動いて吐出流路が閉じられる。また、この際圧力制御弁の吐出圧領域とクランク室を連通する回路が全開状態となっていて、吐出圧領域の冷媒圧力が該圧力制御弁を経て、クランク室内に開放され、そのクランク室内の冷媒圧力は、前記吐出遮蔽弁の動きに連動の制御体が動いて内部循環通路が開かれ、吸入圧領域に開放される。すなわち、冷房不要時にあっても、吐出圧領域内の圧力の上昇が防がれる。
前記吐出圧領域としては、吐出室、潤滑油分離室を含む吐出流路が該当することにあり(請求項5)、また前記吸入圧領域としては、吸入室を含む吸入流路が該当することにある(請求項6)。
前記内部循環通路として、吐出圧領域と吸入圧領域とを結ぶ通路であること(請求項7)。この圧縮媒体が二酸化炭素であること(請求項8)。前記吐出遮蔽体がシリンダヘッド内に収納され(請求項9)、または、シリンダブロック内に収納されていること(請求項10)、さらには、前記吐出流路には安全弁が設けられている(請求項11)。また、前記吐出遮蔽体と安全弁に作用する吐出圧力は、オイルが分離された吐出冷媒である(請求項12,13)。
以上のように、この発明によれば、冷房不要時に吐出流路内の圧力が低下し、該吐出流路内の吐出遮蔽体が動いて該吐出流路を閉じると共に、この動きに連動する制御体の動きで、吐出圧領域の冷媒圧力を吸入圧領域に開放する制御が可能であり、冷房不要時にも発生する少量の圧力増加を防ぐことができる。しかも、制御体の制御動力は吐出遮蔽体に加えられる圧力差により得られ、その構造は簡単で圧縮機のコストの引き下げに寄与することができる。特に請求項4の発明においては、吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室に開放した上で、吸入圧領域に流出させる間接的な方法を採用しているが、クランク室内と吸入圧領域が連通すると、クランク室内の圧力の低下が吐出圧領域の圧力の低下に繋がり、冷房不要時にも発生する少量の圧力増加を防ぐことができる。
以下、この発明の実施例を図面にもとづいて説明する。
図1において、圧縮機の一例として冷凍サイクルに用いられるクラッチレスの可変容量型圧縮機(以下クラッチレス圧縮機と称する)が示されている。このクラッチレス圧縮機は、シリンダブロック1と、このシリンダブロック1のリア側(図中、右側)にバルブプレート2を介して組み付けられたリアヘッド3と、シリンダブロック1を覆うように組付けられ、シリンダブロックのフロント側(図中、左側)でクランク室4を画成するフロントヘッド5とを有して構成されている。これらフロントヘッド5、バルブプレート2、及び、リアヘッド3は、締結ボルト6により軸方向に締結され、圧縮機のハウジングを構成している。
フロントヘッド5とシリンダブロック1とによって画設されるクランク室4には、一端がフロントヘッド5から突出する駆動軸7が収容されている。この駆動軸7のフロントヘッド5から突出した部分には、ボルト8によって軸方向に固定された駆動プーリ9が、フロントヘッド5のボス部5aにベアリング10を介して回転自在に外嵌されている。
また、この駆動軸7の一端側は、フロントヘッド5との間に設けられたシール部材11を介してフロントヘッド5との間が気密よく封じられると共にラジアル軸受12にて回転自在に支持されており、駆動軸7の他端側は、シリンダブロック1の支持凹部13に収容されたラジアル軸受14にて回転自在に支持されている。
シリンダブロック1には、前記ラジアル軸受14が収容される支持凹部13と、この支持凹部13を中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア16とが形成されており、それぞれのシリンダボア16には、片頭ピストン17が往復摺動可能に挿入されている。
前記駆動軸7には、クランク室4内において、該駆動軸7と一体に回転するスラストフランジ18が固定されている。このスラストフランジ18は、駆動軸7に対して略垂直に形成されたフロントヘッド5の内壁面に対してスラスト軸受19を介して回転自在に支持されている。そして、このスラストフランジ18には、リンク部材20を介して斜板21が連結されている。
斜板21は、駆動軸7上に設けられたヒンジボール22を中心に傾動可能に取り付けられているもので、スラストフランジ18の回転に同期して一体に回転するようになっている。そして、斜板21は、その周縁部分が前後に設けられた一対のシュー23を介して片頭ピストン17の係合部17bに係留されている。
したがって、駆動軸7が回転すると、これに伴って斜板21が回転し、この斜板21の回転運動がシュー23を介して片頭ピストン17の往復直線運動に変換され、シリンダボア16内においてピストン17とバルブプレート2とにより画成される圧縮室24の容積が変更されるようになっている。
リアヘッド3には、吸入室25とこの吸入室25の周囲に連続的に形成された吐出室26とが画成され、バルブプレート2には、吸入室25と圧縮室24とを図示しない吸入弁を介して連通する吸入孔27と、吐出室26と圧縮室24とを図示しない吐出弁を介して連通する吐出孔28とが形成されている。
また、リアヘッド3には、クランク室内の圧力を制御する圧力制御弁30が装着されており、この圧力制御弁30に吐出圧側と接続の吐出圧側接続通路40、クランク室4と接続のクランク室接続通路41及び吸入室25と接続の吸入圧側接続通路42が接続されている。この圧力制御弁30によってクランク室圧を制御することでピストンストローク、即ち吐出容量を調節するようにしている。なお、圧力制御弁30は、この実施例では一個としているが、吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室4に供給する圧力制御弁を設けると共に、該クランク室4の冷媒圧力を吸入圧力領域に放出する圧力制御弁を設けるようにそれぞれ別体でも良い。また、吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室に開放する圧力制御弁のみでも良い。その際にはクランク室から吸入圧力領域に放出する制御を行わない。
ここで、ピストンストロークは、ピストン17の前面にかかる圧力、即ち圧縮室の圧力(シリンダボア内の圧力)と、ピストンの背面にかかる圧力、即ちクランク室4内の圧力(クランク室圧Pc)との差圧によって決定されるもので、クランク室圧を高くすれば、圧縮室とクランク室4との差圧が小さくなるので、斜板21の傾斜角(揺動角)が小さくなり、ピストンストロークは小さくなる。逆に、クランク室圧を低くすれば、圧縮室24とクランク室4との差圧が大きくなるので、斜板21の傾斜角(揺動角)が大きくなり、ピストンストロークは大きくなる。
さらに、リアヘッド3には、吐出室26に吐出した吐出ガスに混在しているオイルを分離する遠心分離式のオイル分離機構31が設けられている。このオイル分離機構31は、吐出室26に対して導入ポート32を介して連通するオイル分離室33を備えているもので、このオイル分離室33を上下方向に延びる空間によって形成し、その内部に上方から下方に向けて分離筒34を挿入して構成されている。
したがって、吐出室26から導入ポート31を介して側方からオイル分離室33に吐出ガスが導入され、この導入された吐出ガスは、分離筒34の周りを旋回しながら下方へ導かれ、その過程において混在しているオイルが分離されるようになっている。そして、オイルが分離された吐出ガスは、分離筒34を介してオイル分離機構31の上端に形成された吐出流路35から送出し、分離されたオイルは、オイル分離室33の底部に形成されたオイル流出通路37を介してオイル分離室33より下方に配されたオイル溜り室38に貯められるようになっている。なお、43は安全弁で、オイル分離機構31より吐出流路35までの間に設けられており、吐出圧の異常上昇による圧縮機の破壊を防ぐために吐出冷媒を圧縮機外へ開放させるものである。
このオイル溜り室38は、吸入室25の内側、即ち、リアヘッド3の中央部に設けられているもので、シリンダブロック1とバルブプレート2とを固定するためのボルト39を収容するように形成されている。
ボルト39は、駆動軸7と軸心をほぼ一致させて設けられており、このボルト39には、軸方向に通孔39aが形成され、また、駆動軸7には、シリンダブロック1に挿入された端部から軸方向に形成された縦孔7aと、この縦孔7aに一端が接続し、他端がヒンジボール22と摺接する外周部分、スラスト軸受19に臨む外周部分、およびシール部材11とラジアル軸受12との間に位置する外周部分にそれぞれ接続する横孔7d,7c,7bとが形成されている。
したがって、上述の構成においては、前記オイル流出通路37、オイル溜室38、ボルト39の通孔39a、駆動軸7の縦孔7aと横孔7b,7c,7d、及び、駆動軸7とヒンジボール22との摺接部分のクリアランス、スラスト軸受19の隙間、及びラジアル軸受12,14の隙間によって前記オイル分離室33とクランク室4とを連通する連通経路が形成されている。
前述したクラッチレス圧縮機において、この発明に係る構成は、図2,図3を加えて説明すると、第1の実施例では、前記オイル分離機構31の上方に、その機構31に対し直角方向に、摺動孔45が連通形成され、この摺動孔45の右端は、外部冷媒循環回路と接続する吐出管路35に接続され、そしてその摺動孔45には、吐出遮蔽体46が配されている。この吐出遮蔽体46は、ロッド47を介してその先端に制御体としての弁体48を設けている。したがって、この弁体48と前記吐出遮蔽体46とは、連動して動かされる。
弁体48は、そのロッド側から吐出圧Pdを受け、その反ロッド側の室45aにスプリング50が収納されていると共に、その室45aに吸入室25と連通する通路52が穿設連通している。したがって、反ロッド側からは、スプリング力F(Sp)と吸入圧力Psを受けることになる。
クラッチレス圧縮機の冷房必要時(外部冷媒循環回路連通時(Pd(吐出圧力)>Pset(所定圧))にあっては、弁体48に加えられる力は、F(Pd)>F(Ps)+F(Sp)の式となり、図1,図2に示すように弁体48はストッパ49に押し付けられている。その際、弁体48にて、摺動孔45に開口のクランク室4と連通する通路53は閉じられている。
また、クラッチレス圧縮機の冷房不要時(外部冷媒循環回路遮断時(Pd<Psetにあっては、弁体48に加えられる力は、F(Pd)<F(Ps)+F(Sp)の式となり、図3に示すように、弁体48はストッパ49より離れ、吐出遮蔽体46が吐出流路35に当接し、該吐出流路35は閉じられる。したがって、冷房不要時には、吐出圧領域をクランク室へ連通する回路が全開の状態の圧力制御弁30を介してクランク室4内に入った吐出冷媒が内部循環通路となる通路53から通路52を通って吸入室25に流れ、該吐出冷媒が吐出領域に滞留することが防がれる。
そして、再び冷房必要時に至ると、圧力制御弁30の吐出圧領域とクランク室を連通する回路が閉じられ、クランク室4内の圧力も吸入室25内圧力に近く、ピストン17のストロークが急速に拡大し、吐出圧Pdが上昇することから、弁体48に加えられる圧力は上昇し、開弁圧(Pset)を越えると、弁体48に加えられる力は、F(Pd)+F’(Ps)>F(Sp)+F(Pc)+F’(Pd)の式となり、吐出遮蔽体46が吐出管路35から離れ、そして内部循環通路としてのクランク室と連通する通路53が閉じられる。これにより、吐出冷媒は外部冷媒循環通路へ流出される。なお、弁体48のPdの受圧面積が吐出遮蔽体46のPsの受圧面積よりも大きく構成されている。
図4,5において、この発明の第2の実施例を説明すると、第1の実施例では、同じく吸入室と連通する通孔52と、クランク室と連通する通孔53の内部循環通路の連通を制御するため制御体としての弁体48と、吐出流路35の開閉を制御する吐出遮蔽体46に関するもので、前記第1の実施例と異なる構造を有している。
即ち、前記オイル分離機構31の上方に摺動孔45を有している。この摺動孔45の右方には、吐出遮蔽体46が、そして左側にロッド47を介して弁体48が配されている。前記吐出遮蔽体46は、吐出流路35との間に配されたスプリング56のスプリング力F(Sp)によって前記弁体方向に押圧されている。前記弁体48は、ロッド側から吐出圧力Pdを受け、中心に環状の溝48aを有すると共に、左端に吐出圧力Pdが加えられている。
クラッチレス圧縮機の冷房必要時(外部冷媒循環回路連通時(Pd>Pset))にあっては、弁体48に加わる力は、F(Pd)>F”(Pd)+F(Sp)の式となり、弁体48は右端をリアヘッド3に当接すると共に、吐出遮蔽体46はリアヘッド3から離れ、吐出管路35に吐出冷媒が流される。また前記摺動孔45に開口の吸入室25と連通する通路52とクランク室4と連通する通路53の内部循環通路が共に弁体48により閉じられている。なお、摺動孔45の孔径A>孔径C>孔径Bの関係となっている。
また、クラッチレス圧縮機の冷房不要時(外部冷媒循環回路遮断時(Pd<Pset))にあっては、弁体48に加えられる力は、F(Pd)+F’(Pd)<F”(Pd)+F(Sp)+F(Ps)の式となり、吐出遮蔽体46がスプリング56の力F(Sp)により押圧され、リアヘッド3に当接し、吐出室26と吐出管路35の連通路が閉じられ、吐出管路35に冷媒は流れなくなると共に、弁体48も左方動して、環状溝48aを介して内部循環通路の吸入室と連通する通路52とクランク室と連通する通路53を連通させる。
したがって、冷房不要時には、吐出圧領域とクランク室を連通する回路が全開の状態の圧力制御弁30を介してクランク室内に入った吐出冷媒が通路53から通路52を通って吸入室25に流れ、該吐出冷媒が吐出領域に滞留することが防がれる。
図6,7において、この発明の第3の実施例を説明すると、第1及び第2の実施例では、吐出遮蔽体46と弁体48はロッド47を介して連結している例であるが、この第3の実施例は、吐出遮蔽体46に一体化したもので、前記オイル分離機構31の上方に、それに続いて摺動孔45が形成され、該摺動孔45に吐出管路35が接続されている。
前記摺動孔45内には、吐出遮蔽体46が配され、スプリング58を介してこの吐出遮蔽体46を下方に押圧し、吐出圧力Pdが所定圧力Pset以下であれば、図7に示すように弁座59に着座されている。この吐出遮蔽体46には、その外周に制御体、即ち切換溝60が形成されている。この切換溝60は、上下方向に摺動し、内部循環通路の吸入室と連通する通路52とクランク室と連通する通路53の連通又は遮断の制御を行うものである。
即ち、クラッチレス圧縮機の冷房必要時(外部冷媒回路連通時(Pd>Pset))にあっては、吐出遮蔽体46に加えられる力は、F(Pd)>F(Sp)+F’(Pd)の式となり、この吐出遮蔽体46がスプリング58を介して押し開けられ、吐出冷媒が吐出管路35に流される。その際、前記摺動孔45に開口の吸入室25と連通する通路52とクランク室4と連通する通孔53が共に吐出遮蔽体46に閉じられている。
また、クラッチレス圧縮機の冷房不要時(外部冷媒回路連通時(Pd<Pset))にあっては、吐出遮蔽体46に加わる力は、F(Pd)>F(Sp)+F(Ps)の式となり、吐出遮蔽体46はスプリング58に押圧されて、弁座59に着座し、吐出冷媒の流出は止められる。その際に、制御体である切換溝60が前記した内部循環通路となる2つの通路52,53とを連通させる。
したがって、冷房不要時には、全開の状態の圧力制御弁30を介してクランク室内に入った吐出冷媒が内部循環通路となる通路53から通路52を通って吸入室25に流れ、該吐出冷媒が吐出領域に滞留することが防がれる。
なお、図示しないが、内部環流させるために、吸入室と連通する通路52と、クランク室と連通する通路53とを設けてクランク室内から吸入室へ吐出冷媒と戻しているが、これに限らず、通路53を直接吐出室25などの吐出領域に接続しても良く、この場合には、圧力制御弁30を介さずに直接吸入側へ戻す内部循環通路と成すことができるものである。
この発明の第1の実施例の断面図である。 同上の外部冷媒循環回路連通時の要部拡大断面図である。 同上の外部冷媒循環回路遮断時の要部拡大断面図である。 この発明の第2の実施例にあって、外部冷媒循環回路連通時の要部拡大断面図である。 同上の外部冷媒循環回路遮断時の要部拡大断面図である。 この発明の第3の実施例にあって、外部冷媒循環回路連通時の要部拡大断面図である。 同上の外部冷媒循環回路遮断時の要部拡大断面図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 バルブプレート
3 リアヘッド
4 クランク室
7 駆動軸
16 シリンダボア
17 片頭ピストン
18 スラストフランジ
21 斜板
25 吸入室
26 吐出室
30 圧力制御弁
31 オイル分離機構
35 吐出管路
45 摺動孔
46 吐出遮蔽体
47 ロッド
48 弁体
49 ストッパ
50 スプリング
52 吸入室と連通する通路
53 クランク室と連通する通路
56 スプリング
58 スプリング
60 切換溝

Claims (13)

  1. 斜板を収容するクランク室内の圧力と、圧縮室内の冷媒圧力とのピストンを介した差圧に応じて斜板の傾斜角を制御し、吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室に開放すると共に、該クランク室の冷媒圧力を吸入圧領域に開放する一体又は別体の圧力制御弁あるいは又は吐出圧領域の冷媒圧力をクランク室に開放する圧力制御弁のみを備えて前記クランク室内の調圧を行うクラッチレス圧縮機において、
    吐出室以降の吐出流路内に、該吐出流路内の圧力値によりその吐出流路を開閉する吐出遮蔽体を配すると共に、この吐出遮蔽体に連動して動かされる制御体を内部循環通路に設け、この制御体の動きにより、吐出圧領域の冷媒圧力を前記内部循環通路を介して吸入圧領域に開放する制御を行うことを特徴とするクラッチレス圧縮機。
  2. 吐出遮蔽体が吐出流路を閉塞する時には、制御体が動いて内部循環通路を開き、吐出圧領域の冷媒圧力が吸入圧領域へ開放されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のクラッチレス圧縮機。
  3. 吐出遮蔽体が吐出流路を開いている時には、制御体が動いて内部循環通路を閉じ、吐出圧領域の冷媒圧力が吸入圧領域へ開放されることを遮断するようにしたことを特徴とする請求項1記載のクラッチレス圧縮機。
  4. 前記制御体を前記吐出圧領域から圧力制御弁を介して冷媒圧力が開放されるクランク室と吸入圧領域との間の内部循環通路に設けて、制御体の動きによりクランク室の冷媒圧力を吸入圧領域に開放するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  5. 吐出圧側領域としては、吐出室、潤滑油分離室を含む吐出流路が該当することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  6. 吸入圧領域としては、吸入室を含む吸入流路が該当することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  7. 前記内部循環通路として、吐出圧領域と吸入圧領域とを結ぶ通路であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  8. 圧縮媒体が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  9. 前記吐出遮蔽体がシリンダヘッド内に収容されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  10. 前記吐出遮蔽体がシリンダブロック内に収容されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  11. 前記吐出圧領域には安全弁が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  12. 前記吐出遮蔽体に作用する吐出圧力は、オイル分離室によりオイルが分離された吐出冷媒の冷媒圧力であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のクラッチレス圧縮機。
  13. 前記安全弁に作用する吐出圧力は、オイル分離室によりオイルが分離された吐出冷媒であることを特徴とする請求項11に記載のクラッチレス圧縮機。
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