JP2010116889A - 気体圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転時に性能の低下を抑えると共に、騒音の発生を抑えることができる気体圧縮機を提供する。
【解決手段】ピストン12が往復動するシリンダボア11が形成されたシリンダブロック1と、シリンダボア11に吸入される気体が通る吸入孔24とシリンダボア11から吐出される気体が通る吐出孔25とを備えたバルブプレート2と、吸入孔24を開閉する吸入弁30と、吐出孔25を開閉する吐出弁31とを備えた気体圧縮機100において、形状記憶合金を用いて、シリンダボア11内への気体の吸入時に吸入弁30を吸入孔24の周囲から離間させることを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】ピストン12が往復動するシリンダボア11が形成されたシリンダブロック1と、シリンダボア11に吸入される気体が通る吸入孔24とシリンダボア11から吐出される気体が通る吐出孔25とを備えたバルブプレート2と、吸入孔24を開閉する吸入弁30と、吐出孔25を開閉する吐出弁31とを備えた気体圧縮機100において、形状記憶合金を用いて、シリンダボア11内への気体の吸入時に吸入弁30を吸入孔24の周囲から離間させることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、冷媒等の気体を圧縮する気体圧縮機に関する。
従来、ピストンが往復動するシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、シリンダボアに吸入される気体が通る吸入孔とシリンダボアから吐出される気体が通る吐出孔とを備えたバルブプレートと、シリンシリンダボア内に吸入される気体を供給する低圧室とシリンダボア内で圧縮された気体が吐出される高圧室とを備えたリヤハウジングと、吸入孔を開閉する吸入弁と、吐出孔を開閉する吐出弁とを備えた気体圧縮機(往復動式圧縮機)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
従来の気体圧縮機200では、図8で示すように、シリンダブロック202側に吸入孔204を開閉する吸入弁206が設けられており、リヤハウジング(図示せず)側に吐出孔208を開閉する吐出弁(図示せず)が設けられている。そしてピストン210の吸入工程時にシリンダボア212内の圧力が低下し、吸入弁206の前後の圧力差が吸入弁206の剛性に打ち勝つと、図8に二点鎖線L10で示すように、吸入弁206が開くようになっている。
特開2007−64196号公報
しかし、気体圧縮機200内には潤滑油がミスト状になって存在しており、ピストン210によってシリンダボア212内の気体を圧縮するときに、バルブプレート214と吸入弁206との間に存在する潤滑油によって吸入弁206がバルブプレートに214に貼り付き吸入孔204を塞いでいる。これにより、ピストン210によってシリンダボア212内に気体を吸入するときには、吸入弁206に大きな圧力差(前記剛性に打ち勝つ圧力差と潤滑油の貼り付き力の打ち勝つ圧力差と足した圧力差)が発生しないと、吸入孔204を開くことができない。
このように、潤滑油によって吸入弁206がバルブプレート214に貼り付いていることによって、吸入弁206の前後での圧力差が大きくなったところで吸入弁206が遅れて勢いよく開き、この開くときに吸入弁206が自励振動し、吸入する気体に脈動を発生させ、不快な騒音が発生するという問題がある。
そこで、従来の気体圧縮機200では、吸入弁206が当接するバルブプレート214の面を粗面化して、上述した潤滑油による吸入弁206の貼り付きを防止している。ところが、吸入弁206が当接するバルブプレート214の面を粗面化すると、吸入弁206とバルブプレート214との間に常に隙間が生じることになり、シリンダボア212内の気体の圧力が高圧になったときに、この高圧になった気体が吸入孔204を通って吸入室に逆流し、高圧の気体がシリンダボア内から吸入室に逃げることになり気体圧縮機200の性能が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、運転時に性能の低下を抑えると共に、騒音の発生を抑えることができる気体圧縮機の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ピストンが往復動するシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、このシリンダブロックに隣接配置され前記シリンダボア内で圧縮された気体が吐出される高圧室と前記シリンダボア内に吸入される気体を供給する低圧室とを備えたリヤハウジングと、吸入弁と吐出弁を備え前記シリンダブロックと前記リヤハウジングとの間に設けられて前記シリンダボア内で圧縮された気体の圧力で前記吐出弁が開放され前記高圧室内へ気体が吐出される吐出孔と前記吸入弁が開放状態のとき前記低圧室から気体がシリンダボア内に吸入される吸入孔とを有するバルブプレートとを備えた気体圧縮機であって、温度により形状変化する形状変化部材を用いて、前記シリンダボア内への気体の吸入時に前記吸入弁を前記吸入孔の周囲から離間させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の気体圧縮機であって、前記形状変化部材が前記吸入弁であり、ピストンによる前記シリンダボア内での気体圧縮時には前記吸入弁は前記吸入孔の開口縁部に密着し、前記シリンダボア内への気体吸入時に形状変形して、前記吸入孔の開口縁部から離間することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の気体圧縮機であって、前記形状変化部材は、前記吸入孔の前記シリンダボア側の開口縁部であって、前記吸入弁と前記バルブプレートとの間に前記シリンダボア内での気体圧縮時に前記吸入弁を前記吸入孔の開口縁部に当接させる状態とし、前記シリンダボア内への気体吸入時に前記吸入弁を吸入孔の開口縁部から離間させる状態とする形状記憶部材であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の気体圧縮機であって、前記形状記憶部材は、前記バルブプレートに設けられた凹部内に設置され前記バルブプレートと前記吸入弁とに挟まれて設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の気体圧縮機であって、前記形状変化部材の温度が所定の温度よりも低いときには、前記形状変化部材は前記吸入孔を僅かに開き、前記形状変化部材の温度が所定の温度よりも高いときには、前記形状変化部材が、前記吸入孔を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、温度により形状変化する形状変化部材を用いて、シリンダボア内への気体の吸入時に吸入弁を吸入孔の周囲から離間させるので、圧縮時には吸入弁は吸入孔の周囲に密着し、吸入時に吸入孔の周囲から素早く離間し、運転時に性能の低下を抑えると共に、騒音の発生を抑えることができる気体圧縮機を提供することができるという効果を奏する。
特に、冷力をそれほど必要としない冬場等の低負荷時は、吐出気体の温度が比較的低く、吸入弁の温度が平均して低くなるので、形状変化部材が吸入孔を開く方向に変形し、吸入時に開き易くなる。
また、冷力を必要とする夏場等の高負荷時は、吐出気体の温度が比較的高く、吸入弁の温度が平均して高くなるので、形状変化部材は吸入孔を閉じる方向に変形し、高圧気体のシリンダボアからの低圧室側への漏れが低減する。
図1は、本発明の実施形態に係る気体圧縮機100の概略構成を示す断面図である。
往復動式圧縮機100は、シリンダブロック1と、このシリンダブロック1のリヤ側にバルブプレート2を介して組み付けられたリヤハウジング3と、シリンダブロック1を覆うように組付けられシリンダブロック1のフロント側でクランク室4を画成するフロントハウジング5とを備えて構成されている。これらフロントハウジング5、シリンダブロック1、シリンダブロック1とリヤハウジング3との間に設けられたバルブプレート2、リヤハウジング3は締結ボルト6により軸方向に締結されている。
フロントハウジング5とシリンダブロック1とによって画設されるクランク室4には、一端がフロントハウジング5から突出する駆動軸7が収容されている。駆動軸7の一端部は、ラジアル軸受8を介してフロントハウジング5に回転可能に支持され、駆動軸7の他端部はラジアル軸受9及びスラスト軸受10を介してシリンダブロック1に回転可能に支持されている。
シリンダブロック1には、駆動軸7を中心にして周方向に所定の間隔で複数のシリンダボア11が形成されており、それぞれのシリンダボア11にはピストン12が挿入されて摺動自在に係合しており、この挿入されたピストン12がシリンダブロック1に対して往復動するようになっている。
駆動軸7には、クランク室4内において、駆動軸7と一体に回転するスラストフランジ15が固定されている。このスラストフランジ15は、駆動軸7に対して略垂直に形成されたフロントハウジング5の内壁面にスラスト軸受16を介して回転自在に支持されている。そして、このスラストフランジ15には、リンク部材17を介して斜板18が連結されている。
斜板18は、駆動軸7上に設けられたヒンジボール19を介して傾動可能に保持されているもので、スラストフランジ15の回転に同期して一体に回転するようになっている。そして、斜板18の周縁部分には、前後に設けられた一対のシュー20を介してピストン12の係合部12aが係留されている。
したがって、駆動軸7が回転すると、これに伴って斜板18が回転し、この斜板18の回転運動がシュー20を介してピストン12の往復直線運動に変換され、シリンダボア11内においてピストン12とバルブプレート2との間に画成された圧縮室21の容積が変動するようになっている。
リヤハウジング3には、吸入室(シリンダボア11内に吸入される気体(たとえば冷媒)を供給する低圧室)22とこの吸入室22の周囲に形成された吐出室(シリンダボア11内で圧縮された気体が吐出される高圧室)23とが画成され、吸入室22は、図示しない吸入通路を介して冷凍サイクルの低圧ラインに通じており、吐出室23は、図示しない吐出通路を介して冷凍サイクルの高圧ラインに通じている。
バルブプレート2のシリンダブロック1側端面には、図2に示されるように、吸入弁シート(吸入弁構成部材)32が重ね合わされ、この吸入弁シート32にガスケット33を介してシリンダブロック1が重ね合わされている。また、バルブプレート2のリヤハウジング3側端面には、吐出弁シート(吐出弁構成部材)34が重ね合わされ、この吐出弁シート34にガスケット35を介してリヤハウジング3が重ね合わされている。シリンダブロック1、ガスケット33、吸入弁シート32、バルブプレート2、吐出弁シート34、ガスケット35は、位置決めピン36によって位置決めされ、シリンダブロック1に螺合されるボルト37により圧接された状態で固定されている。
バルブプレート2には、図3(b)にも示されるように、吸入室22とシリンダボア11(圧縮室21)とを連通し、後述する吸入弁30によって開閉される複数個の吸入ポート(シリンダボア11内に吸い込まれる気体が通る吸入孔)24と、吐出室23とシリンダボア11(圧縮室21)とを連通し、下記する吐出弁31によって開閉される複数個の吐出ポート(シリンダボア11内から吐出される気体が通る吐出孔)25とが、周方向に所定の間隔で形成されている。また、ボルト6,37を挿通するための孔2a,2bや位置決めピン36を挿通するための孔2c等が形成されている。
吐出弁シート34は、図3(a)に示されるように、吐出ポート25を開閉する複数の吐出弁31の集合体からなるもので、この吐出弁シート34には、シリンダボア11の数に合わせて吐出弁31が周方向に所定の間隔で形成され、また、ボルト6,37を挿通するための孔34a,34bや位置決めピン36を挿通するための孔34c等が形成されている。また、各吐出弁31の基部には、吸入孔24との干渉を避ける通孔34dが形成されている。
それぞれの吐出弁31は、「U」字状の各切り欠き(貫通孔)34eによって吐出弁シート34の一部として構成されているもので、周囲を囲むように設けられると共に隣り合う吐出弁同士を連結する連結部38の周縁近傍に一体に形成され、径方向内側に向かって延設されている。この吐出弁31は、片持ち梁からなるリード弁として構成され、変形領域の先端部には、吐出ポート25の周囲に形成されたシート面に着座する(吐出ポート25の周辺に密着する)シート部31aが形成されている。
これにより、吐出弁31は、ピストン12によってシリンダボア11内に気体を吸入するときには、吐出ポート25を閉じるようになっており、ピストン12によってシリンダボア11から気体を吐出するときにのみ吐出ポート25を開くようになっている。
吸入弁シート32は、図3(c)に示されるように、吸入孔24を開閉する複数の吸入弁30の集合体からなるもので、この吸入弁シート32には、シリンダボア11の数に合わせて吸入弁30が周方向に所定の間隔で形成され、また、ボルト37を挿通するための孔32bや位置決めピン36を挿通するための孔32c、吐出ポート25との干渉を避ける通孔32d等が形成されている。
それぞれの吸入弁30は、吸入弁シート32の一部として構成されているもので、隣り合う吸入弁30同士を連結する連結部39の周縁に一体に形成され、径方向外側に向かって延設されている。この吸入弁30も、片持ち梁からなるリード弁として構成され、変形領域の先端部には吸入孔24の周囲に形成されたシート面に着座するシート部30aが形成されている。
これにより、吸入弁30は、ピストン12によってシリンダボア11内の気体を圧縮して吐出するときには、吸入孔24を閉じるようになっており、シリンダボア11内に気体を吸入するときにのみ吸入孔24を開くようになっている。
図2に示すように、吸入弁シート32とシリンダブロック1との間に配されるガスケット33は、ボルト6,37を挿通するための孔40a,40bや位置決めピン36を挿通するための孔40c等が形成されている。また、吐出弁シート34とリヤハウジング3との間に配されるガスケット35は、吐出孔25等との干渉を避ける通孔35dが周方向に所定の間隔で形成され、また、ボルト6,37を挿通するための孔35a,35bや位置決めピン36を挿通するための孔35c等が形成されている。尚、図1に示す参照符号50は、クランク室圧を調節してピストンストローク、即ち、吐出容量を調節する圧力制御弁である。
ここで、吸入弁30について詳しく説明する。
気体圧縮機100では、温度変化によって形状が変化する形状変化部材を用い、シリンダボア11内への気体の吸入時に吸入弁30を吸入孔24の周囲から離間させるように構成されており、形状変化部材として吸入弁30が形状記憶合金で形成されている。
そして、冬場等の冷力をそれほど必要としない時(低負荷時)は、吐出気体の温度が比較的低く、吸入弁30の温度が平均して低くなるので、形状変化部材としての吸入弁30が吸入孔24を開く方向に変形し(吸入孔24の開口縁部から離間し)、開き易くなる。
また、夏場等の冷力を必要とする時(高負荷時)は、吐出気体の温度が比較的高く吸入弁30の温度が平均して高くなるので、形状変化部材としての吸入弁30が吸入孔24を閉じる方向に変形し(吸入孔24の開口縁部に密着し)、気体の漏れが低減する。
さらに説明すると、吸入弁30(吸入弁構成部材32)が所定の温度T1℃よりも高いときには、図4(b)で示すように、吸入弁30が吸入孔24の開口縁部に密着するように変形し、吸入弁30(吸入弁構成部材32)が所定の温度T1℃よりも低いときには、図4(a)で示すように、吸入弁30が吸入孔24の開口縁部から僅かに離れるような変形をするようになっている。
この場合、吸入・吐出の度に、形状変化部材の温度による変形が繰り返されているわけではなく、通常の圧力差による吸入弁30の変形は生じている。なお、図4(a)に二点鎖線L1で示してあるものは、吸入弁30が最も開いた状態である。
また、バルブプレート2は平板状に形成されており、シリンダブロック1とリヤハウジング3とに挟まれて、シリンダブロック1やリヤハウジング3に一体的に設けられている。吸入孔24や吐出孔25は、バルブプレート2の厚さ方向に貫通している。
吸入弁構成部材32は、たとえば形状記憶合金によって薄い平板状に形成されており、厚さ方向がバルブプレート2の厚さ方向と一致するようにして、バルブプレート2とシリンダブロック1とに挟まれて、シリンダブロック1やバルブプレート2に一体的に設けられている。
吸入弁構成部材32がシリンダブロック1等に一体的に設けられているにもかかわらず、吸入弁構成部材32の弁部(リード弁として構成されている吸入弁)30は、気体の圧力差によって受ける外力により、吸入孔24を閉じる位置(図4(b)で示す位置)と、吸入孔24を大きく開く位置(図4(a)に二点鎖線L1で示す位置)との間で、適宜弾性変形するようになっている。
また、吸入弁構成部材32が形状記憶合金で形成されているので、吸入弁30に外力がかかっていない状態であっても、気体等の温度変化の影響で吸入弁30の温度が変化すると、吸入弁30が、吸入孔24を閉じる位置(図4(b)で示す位置)と、吸入孔24を僅かに開く位置(図4(a)で示す位置)との間で、適宜変形するようになっている。
すなわち、吸入弁30に外力がかかっていない状態において、吸入弁30の温度が所定の温度T1℃よりも低くなっているときには、吸入弁30が僅かに反って、吸入弁30が吸入孔24の周辺から僅かに離れ、吸入孔24が僅かに開くようになっている。一方、吸入弁30に外力がかかっていない状態において、吸入弁30の温度が、所定の温度T1℃よりも高くなっているときには、吸入弁30が平板状になり、吸入孔24を閉じるようになっている。
次に、気体圧縮機100の動作について説明する。
気体圧縮機100の駆動軸7が一方向に所定の速度で回転することにより、各ピストン12が往復運動し、各シリンダボア11内に気体が吸入されこの吸入された気体が圧縮されて吐出される動作を繰り返すのであるが、ここでは説明の便宜のために、1つのシリンダボア11内でピストン12が一往復する場合を説明する。
シリンダボア11内に気体を吸入し終えた後に気体の圧縮を開始すると、この開始直後に気体の圧力と温度とが上昇する。そして、図4(b)で示すように、吸入弁30で吸入孔24が閉じられる。この後さらにピストン12が移動してシリンダボア11内の気体の圧力が所定の圧力を超えると、図4(b)に示すように、吐出弁31の前後の圧力差によって吐出弁31が変形して吐出孔25が開き、圧縮された気体の吐出が始まる。
圧縮した気体の吐出が終わると、図4(a)で示すように、吐出孔25が閉じ、吸入弁30の温度が下がるので、吸入弁30が吸入孔24を僅かに開く。この後、ピストン12を移動してシリンダボア11内への気体の吸入を開始すると、気体の圧力差によって、図4(a)に二点鎖線L1で示すように、吸入弁30がさらに大きく変形して吸入孔24が大きく開き、シリンダボア11内へ気体が吸入される。
気体圧縮機100よれば、形状記憶合金を用いて吸入弁30を構成したことにより、低負荷時の運転時における効率の低下を抑えると共に、騒音の発生を抑えることができる。すなわち、低負荷時において、気体の吸入をするときに、吸入弁30の変形によって吸入孔24が開いているので、従来の気体圧縮機200のように、潤滑油によって吸入弁30が貼り付き遅れて勢いよく開き吸入弁30が自励振動し吸入する気体に脈動を発生させ騒音が発生する事態を回避することができる。また、高負荷時にシリンダボア11内で圧縮された気体を吐出するときに、吸入弁30が閉じるので、高圧になった気体が低圧室22に逆流し、気体圧縮機の性能が低下する事態を回避することができる。
また、従来の気体圧縮機200における性能の低下は、たとえば高い冷房能力を得るためにシリンダボア11内で気体を高圧に圧縮したときに顕著になるが、気体圧縮機100によれば、気体の逆流が抑制されるので、気体を高圧に圧縮したときにおける性能の低下を回避することができる。
さらに、従来の気体圧縮機200における騒音の発生は、たとえば低い冷房能力を得られればよいことにより、シリンダボア11内で気体を低圧に圧縮するときに顕著になるが、気体圧縮機100によれば、シリンダボア11内への気体の吸入を開始するときに吸入孔24が開いているので、吸入弁30に発生する圧力差が小さくても、吸入弁30が自励振動等して騒音が発生する事態を回避することができる。
また、本実施形態の気体圧縮機100よれば、吸入弁構成部材32(吸入弁30)そのものが形状記憶合金で構成されているので、温度変化によって吸入孔24を開閉する吸入弁30の構成が簡素になっており、気体圧縮機100の組み立てが容易になる。
なお、上記説明では、シリンダボア11からの気体の吐出が終了した後であって、シリンダボア11内への気体の吸入を始めるきに、吸入弁30のシート部30aが吸入孔24の周辺から離れて吸入孔24が開いているが、必ずしもこのように動作しなくてよい。
また、シリンダボア11からの気体の吐出が終了した後であって、シリンダボア11内への気体の吸入を始めるきに、シリンダボア11から吐出された気体等に含まれていた潤滑油によって、吸入弁30のシート部30aが吸入孔24の周辺に貼りついていて吸入弁30が吸入孔24を塞いでいてもよい。このように吸入孔24が塞がれていても、形状変化部材(吸入弁30)が所定の温度T1℃よりも低くなることによって吸入弁30の内部に熱応力が発生するので、シリンダボア11内に気体を吸入するときに吸入弁30に発生する圧力差が小さくても、吸入弁30を開くことができ、騒音の発生を防止することができる。
また、上記説明では、吸入弁30として形状記憶合金を使用しているが、形状記憶合金に代えてバイメタルを使用してもよい。
すなわち、図5に示すように、バルブプレート2側に熱膨張係数の小さな部材102が位置し、シリンダボア11側に熱膨張係数の大きな部材104が位置するようにして、バイメタルで構成された吸入弁30を配置してもよい。
これにより、気体の温度が低いことにより、図5(a)で示すように吸入弁が変形し吸入孔24が開くようになっている。一方、気体の温度が高いことにより、図5(b)で示すように吸入弁30が変形し吸入孔24が閉じるようになっている。
<変形例>
次に、形状変化部材と吸入弁とを別体で構成して変形例について説明する。
次に、形状変化部材と吸入弁とを別体で構成して変形例について説明する。
図6は、温度によって形状が変化する形状変化部材(形状記憶部材)106が、吸入弁30とは別体になっている構成を示している。
詳しく説明すると、形状変化部材106は、たとえば形状記憶合金もしくはバイメタルで構成されており、バルブプレート2に設けられた凹部108内に設置されて、バルブプレート2と吸入弁30とに挟まれて設けられている。
形状変化部材106の温度が所定の温度T1℃よりも低いときには、図6(a)で示すように形状変化部材106が凹部108から僅かに突出し、吸入弁30を押して吸入孔20が僅かに開くようになっている。一方、形状変化部材106の温度が所定の温度T1℃よりも高いときには、形状変化部材106が凹部108に収まり、吸入弁30が吸入孔24を塞ぐようになっている。
さらに説明すると、凹部108は、吸入弁30が設置されるバルブプレート2の一方の側であって吸入弁30が存在する位置に設けられている。
形状変化部材106は、板状で円弧状もしくは球殻状に形成されており、凹状になっている側が凹部108の底面側を向き、凸状になっている側が吸入弁30側を向くようにして、凹部108内に設置されている。
そして、形状変化部材106が所定の温度T1℃よりも低いときには、形状変化部材106の曲率半径が小さくなり、形状変化部材106が凹部108から僅かに突出し、吸入弁30を押して吸入孔24を、図4(a)で示す場合と同様にして、僅かに開くようになっている。一方、形状変化部材106が所定の温度T1℃よりも高いときには、形状変化部材106の曲率半径が大きくなり、形状変化部材106が凹部108内に収まり、吸入弁30がバルブプレート2に密着して吸入孔24を塞ぐようになっている。
なお、吸入弁30がバルブプレート2に密着して吸入孔24を塞いでいる状態であっても、バルブプレート2の凹部108はシリンダボア11につながっている。したがって、シリンダボア11内の気体が凹部108に入り込めるようになっており、シリンダボア11内の気体の温度の応じた形状変化部材106における変形の応答性が良好になっている。
このように、形状変化部材106が吸入弁30とは別体になっていることにより、設計の自由度をあげることができる。たとえば、吸入弁30の厚さ等の形状や材質を変えることなく、所定の温度T1℃を変えることができ、また、吸入弁30の開度(シリンダボア11内への気体の吸入を始めるときに吸入弁30の開度)の変更を容易に行うことができる。
また、形状変化部材106が、バルブプレート2の凹部108内に収納されバルブプレート2と吸入弁30とで挟まれて設けられているので、バルブプレート2の僅かな形状変更で形状変化部材106を設置することができる。
なお、図6に示すものでは、形状変化部材106や凹部108が、吸入孔24よりも内側(駆動軸7側)に設けられているが、図7に示すように、形状変化部材106や凹部108を、吸入孔24より外側に設けてもよい。
100 気体圧縮機
1 シリンダブロック
2 バルブシート
3 リヤハウジング
11 シリンダボア
22 低圧室
23 高圧室
24 吸入孔
25 吐出孔
30 吸入弁
31 吐出弁
1 シリンダブロック
2 バルブシート
3 リヤハウジング
11 シリンダボア
22 低圧室
23 高圧室
24 吸入孔
25 吐出孔
30 吸入弁
31 吐出弁
Claims (5)
- ピストン(12)が往復動するシリンダボア(11)が形成されたシリンダブロック(1)と、このシリンダブロック(1)に隣接配置され前記シリンダボア(11)内で圧縮された気体が吐出される高圧室(23)と前記シリンダボア(11)内に吸入される気体を供給する低圧室(22)とを備えたリヤハウジング(3)と、吸入弁(30)と吐出弁(31)を備え前記シリンダブロック(1)と前記リヤハウジング(3)との間に設けられて前記シリンダボア(11)内で圧縮された気体の圧力で前記吐出弁(31)が開放され前記高圧室(23)内へ気体が吐出される吐出孔(25)と前記吸入弁(30)が開放状態のとき前記低圧室(22)から気体がシリンダボア(11)内に吸入される吸入孔(24)とを有するバルブプレート(2)とを備えた気体圧縮機(100)であって、
温度により形状変化する形状変化部材(30、106)を用いて、前記シリンダボア(11)内への気体の吸入時に前記吸入弁(30)を前記吸入孔(24)の周囲から離間させることを特徴とする気体圧縮機(100)。 - 請求項1記載の気体圧縮機(100)であって、
前記形状変化部材(30)が前記吸入弁(30)であり、ピストン(12)による前記シリンダボア(11)内での気体圧縮時には前記吸入弁(30)は前記吸入孔(20)の開口縁部に密着し、前記シリンダボア(11)内への気体吸入時に形状変形して、前記吸入孔(24)の開口縁部から離間することを特徴とする気体圧縮機(100)。 - 請求項1記載の気体圧縮機(100)であって、
前記形状変化部材(106)は、前記吸入孔(24)の前記シリンダボア(11)側の開口縁部であって、前記吸入弁(30)と前記バルブプレート(2)との間に前記シリンダボア(11)内での気体圧縮時に前記吸入弁(30)を前記吸入孔(24)の開口縁部に当接させる状態とし、前記シリンダボア(11)内への気体吸入時に前記吸入弁(30)を吸入孔(24)の開口縁部から離間させる状態とする形状記憶部材(106)であることを特徴とする気体圧縮機(100)。 - 請求項3記載の気体圧縮機(100)であって、
前記形状記憶部材(106)は、前記バルブプレート(2)に設けられた凹部(108)内に設置され前記バルブプレート(2)と前記吸入弁(30)とに挟まれて設けられていることを特徴とする気体圧縮機(100)。 - 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の気体圧縮機(100)であって、
前記形状変化部材(30、106)の温度が所定の温度よりも低いときには、前記形状変化部材(30、106)により前記吸入孔(24)を僅かに開き、前記形状変化部材(30、106)の温度が所定の温度よりも高いときには、前記形状変化部材(30、106)により、前記吸入孔(24)を塞ぐように構成されていることを特徴とする気体圧縮機(100)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008291898A JP2010116889A (ja) | 2008-11-14 | 2008-11-14 | 気体圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008291898A JP2010116889A (ja) | 2008-11-14 | 2008-11-14 | 気体圧縮機 |
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JP2010116889A true JP2010116889A (ja) | 2010-05-27 |
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ID=42304698
Family Applications (1)
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JP2008291898A Pending JP2010116889A (ja) | 2008-11-14 | 2008-11-14 | 気体圧縮機 |
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JP (1) | JP2010116889A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107676246A (zh) * | 2017-08-08 | 2018-02-09 | 江苏盈科汽车空调有限公司 | 一种汽车空调活塞缸排气阀片组件 |
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2008
- 2008-11-14 JP JP2008291898A patent/JP2010116889A/ja active Pending
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