JP2010077886A - 可変容量コンプレッサ - Google Patents

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Masaki Kawachi
正樹 河内
Keigo Usui
啓悟 臼井
Ryuichi Hirose
隆一 廣瀬
Yusuke Ise
雄介 伊勢
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Abstract

【課題】シリンダボア6内への冷媒の吸入時に吸入弁11が速やかに吸入孔10の開口縁部から離れて吸入孔10を開放することができ、所望の冷媒量をシリンダボア6内に供給することができる可変容量コンプレッサ100を提供することを目的とする。
【解決手段】クランク室7を備えるフロントハウジング2と、フロントハウジング2と結合されシリンダボア6を備えるシリンダブロック3と、シリンダブロック3と結合し低圧室8と高圧室9とを備えるリヤハウジング4と、シリンダブロック3とリヤハウジング4との間に配置されるバルブプレート5と、バルブプレート5に設けられ低圧室8と連通する吸入孔10を開閉する吸入弁11を備える吸入弁体12とを有する可変容量コンプレッサ100であって、シリンダボア6内で圧縮された高圧の冷媒を吸入弁11の背面側13に貯留して吸入弁11を開方向14に押圧する高圧冷媒貯留部15をバルブプレート5に設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変容量コンプレッサに関し、特に、シリンダブロックとリヤハウジングとの間に配置されるバルブプレートに固定されて、吸入孔を開閉する吸入弁を備えた可変容量コンプレッサに関する。
特許文献1に、斜板式可変容量圧縮機が提案されている。この斜板式可変容量圧縮機では、複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックと高圧室、低圧室が形成されたリヤハウジングとの間にバルブプレートが設けられている。バルブプレートには、シリンダボアと低圧室とを連通する吸入孔が形成されている。この吸入孔のシリンダボア側には、吸入孔を開閉する吸入弁が設けられている。また、バルブプレートには、シリンダボアと高圧室とを連通する吐出孔が形成されている。この吐出孔の高圧室側には、吐出孔を開閉する吐出弁が設けられている。
そして、ピストンの吸気動作によって吸入弁がシリンダボア側へ変形することで吸入孔が開放され低圧室からシリンダボア内に冷媒が吸入され、ピストンの圧縮動作によって吐出弁が高圧室側へ変形することで吐出孔が開放されシリンダボア内の高圧冷媒が高圧室側へ吐出される。
また、斜板の傾斜角度によってピストンのストロークが変化し圧縮される冷媒の容量が変化し、斜板の回転によってシリンダボア内への冷媒の吸入と、シリンダボア内での冷媒の圧縮が連続して行われ、高圧の冷媒が高圧室内に吐出される。
特開平07−103138
ところで、上記特許文献1に記載されているように従来の可変容量圧縮機では、圧縮機内部の潤滑性を保つために冷媒中に潤滑油を混入させている。
しかし、バルブプレートの吸入孔の開口縁と吸入弁との間に潤滑油が入り込むことにより、吸入弁がバルブプレートに張り付き、吸気時にシリンダボア内に所望の冷媒量を吸入することができないという問題があった。また、バルブプレートに張り付いていた吸入弁が突然バルブプレートから離れることにより、異音が発生するという問題があった。
そこで、本発明は、シリンダボア内への冷媒の吸入時に吸入弁が速やかに吸入孔の開口縁部から離れて吸入孔を開放することができ、所望の冷媒量をシリンダボア内に供給することができる可変容量コンプレッサを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明では、内部にクランク室7を備えるフロントハウジング2と、前記フロントハウジング2と結合され内部にシリンダボア6を備えるシリンダブロック3と、前記シリンダブロック3と結合し内部に低圧室8と高圧室9とを備えるリヤハウジング4と、前記シリンダブロック3と前記リヤハウジング4との間に配置されるバルブプレート5と、前記バルブプレート5に設けられ前記低圧室8と連通する吸入孔10を開閉する吸入弁11を備える吸入弁体12とを有する可変容量コンプレッサ100であって、前記シリンダボア6内で圧縮された高圧の冷媒を前記吸入弁11の背面側13に貯留して前記吸入弁11を開方向14に押圧する高圧冷媒貯留部15を前記バルブプレート5に設けたことを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1記載の可変容量コンプレッサ100であって、前記高圧冷媒貯留部15は、前記バルブプレート5に設けられて前記シリンダボア6と前記高圧室9とを連通する連通孔16であることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項2記載の可変容量コンプレッサ100であって、前記バルブプレート5は、シリンダボア6と高圧室9とを連通する吐出孔20を有し、該吐出孔20はバルブプレート5に設けた吐出弁18で開閉可能とされ、前記連通孔16は、前記吐出孔20よりも内周側に設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3記載の可変容量コンプレッサ100であって、前記連通孔16は、前記吐出弁18と前記吸入弁11とで閉じ空間とされて内部に高圧冷媒が貯留され、前記吐出弁18の開放時に前記連通孔16が開放されて高圧冷媒が連通孔16内へ送り込まれることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1乃至3記載の可変容量コンプレッサ100であって、吐出弁18が開く吐出工程時に、前記高圧冷媒貯留部15と高圧室9とが連通し、吸入弁11が開く吸入工程時に高圧室9と高圧冷媒貯留部15を遮蔽することを特徴とする。
本発明によれば、クランク室内の吐出冷媒を吸入弁11の背面側13に貯留して吸入弁11を開方向14に押圧する高圧冷媒貯留部15をバルブプレート5に設けたことにより、吸入弁11がバルブプレート5の吸入孔10の開口縁から速やかに離れる。すなわち、吸入弁11が高圧冷媒貯留部15の高圧冷媒によって開方向14へ押圧されているのでシリンダボア6内への冷媒の吸入時に吸入孔10が速やかに開放され、所望の冷媒量をシリンダボア6内に供給することができる。さらに、吸入弁11がバルブプレート5の吸入孔10の開口周縁から速やかに離れるので、音鳴りなどの異音を防止することができる。
以下、本発明に係る可変容量コンプレッサ100の詳細を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の可変容量コンプレッサ100を示す全体断面図。図2の(a)は、本発明のバルブプレート5の冷媒吐出前の状態を示し、図2(b)は、圧縮した冷媒を吐出中の状態を示し、図2(c)は、圧縮した冷媒を吐出し連通孔16に高圧の冷媒が貯留された状態を示し、図2(d)は、低圧の冷媒を吸入するとともに、連通孔16に貯留された高圧の冷媒がシリンダボア6内に吸入される状態を示す。図3は、図2中の吸入弁11側から見た正面図。図4は、図2中の吐出弁18側から見た背面図。
図1に示すように、本実施形態の可変容量コンプレッサ100は、内部にクランク室7を備えるフロントハウジング2と、前記フロントハウジング2と結合され内部にシリンダボア6を備えるシリンダブロック3と、前記シリンダブロック3と結合し内部に低圧室8と高圧室9とを備えるリヤハウジング4と、前記シリンダブロック3と前記リヤハウジング4との間に配置されるバルブプレート5と、前記バルブプレート5に設けられ前記低圧室8と連通する吸入孔10を開閉する吸入弁11を備える吸入弁体12とを有している。
ハウジング1は、クランク室7が形成されるフロントハウジング2と、前記フロントハウジング2に結合され複数のシリンダボア6が配置されるシリンダブロック3と、前記シリンダブロック3に結合され冷媒を吸入する低圧室8と圧縮した冷媒を吐出する高圧室9とを備えるリヤハウジング4とにより構成されている。
シリンダブロック3には、図3に示すように周方向に沿って6個のシリンダボア6が形成されている。複数のシリンダボア6は、駆動軸50を中心とする円周上に等間隔に形成されている。各シリンダボア6には、それぞれピストン51が摺動自在に配置されている。このピストン51は、後述するクランク室7内で回転する斜板52に連結されている。
上記リヤハウジング4には、冷媒ガスの低圧室8と高圧室9とが形成されている。低圧室8は、図示しない冷凍サイクルのエバポレータの出口側に接続されている。高圧室9は、図示しない冷凍サイクルの凝縮器の入口側に接続されている。又、シリンダボア6とリヤハウジング4との間にはバルブプレート5が設けられている。このバルブプレート5には、6個のシリンダボア6に対応して吸入孔10と吐出孔20が設けられている。これらの吸入孔10と吐出孔20は、吸入弁11と吐出弁18によって開閉される。
駆動機構53は、図示しないエンジンからの駆動力をプーリ54に伝達し、ベアリング支持部55を介して駆動軸50が支持されている。
圧縮機構56は、クランク室7を貫通するように駆動軸50が配置され、駆動軸50は、一端側がフロントハウジング2より外に突出し、この突出した箇所にエンジンの回転を受けるプーリ54が固定されている。駆動軸50は、このように一端側に固定されたプーリ54より駆動力を受けて回転するように構成されている。
駆動軸50が回転することにより、クランク室7内に設けられ、駆動軸50に一体に固定されたラグプレート57がリンク機構58を介して、ジャーナル59に駆動力を伝達する。このジャーナル59に固定された斜板52の端部にはピストン51が係合され、駆動軸50の回転によってピストン51が往復動することにより、冷媒が圧縮される。
次に、バルブプレート5と、吸入弁11と、吐出弁18について図2(a)、(b)、(c)、(d)、図3、図4を用いて詳しく説明する。
バルブプレート5は、肉厚の円板状で、外周側に周方向に等間隔で6個の吐出孔20が形成され、これらの吐出孔20は、シリンダブロック3側の開口が、シリンダブロック3の6個のシリンダボア6にそれぞれ連通し、リヤハウジング4側の開口がリヤハウジング4の高圧室9に連通している。また、吐出孔20の内周側には、周方向に等間隔で6個の吸入孔10が形成されている。これらの吸入孔10のシリンダブロック3側の開口は6個のシリンダボア6にそれぞれ連通し、リヤハウジング4側の開口はリヤハウジング4の低圧室8に連通している。
本実施形態のバルブプレート5には、図2に示すように吐出孔20と吸入孔10との間に高圧冷媒貯留部15としての連通孔16が、周方向に等間隔に12個設けられている。これらの連通孔16のシリンダブロック3側の開口はシリンダボア6にそれぞれ連通しており、リヤハウジング4側の開口はリヤハウジング4の高圧室9側に連通している。このバルブプレート5のシリンダブロック3側に吸入弁11を備える吸入弁体12が配置され、リヤハウジング4側に吐出弁18が配置されている。吸入弁11はシリンダボア6内への冷媒の吸入時に吸入孔10を開放し、シリンダボア6内での冷媒の圧縮時に吸入孔10を閉塞すると共に、連通孔16を冷媒の吸入時に開放し、冷媒の圧縮時に閉塞する。また、吐出弁18はシリンダボア6内での冷媒圧縮時に吐出孔20を開放し、シリンダボア6内への吸入時には吐出孔20を閉塞すると共に、連通孔16を冷媒の吐出時に開放し、冷媒の吸入時に閉塞する。
吸入弁体12は、図3に示すように、薄肉の円板状で、周方向に等間隔で6箇所の吸入弁11が設けられている。吸入弁11は、U字状のスリット21が形成された、内側の肉部(弁部)22によって形成されている。この弁部22の外周側には、バルブプレート5の吐出孔20に対応した吐出穴17が形成されている。この吐出穴17と両側のスリット21との間の架橋部23a、23bが、上記連通孔16を開閉する部位となっている。すなわち、連通孔16内に高圧の冷媒が貯留された状態で、高圧の冷媒からの圧力が架橋部23a、23bを押圧する。
吐出弁18は、図4に示すように、薄肉の円板状で、周方向に等間隔で6箇所の吐出弁体24の外周端から放射状に突設されている。吐出弁体24は、吸入弁11の架橋部23a、23bに対応している。また、これらの吐出弁体24の根本部分には、バルブプレート5の吸入孔10にそれぞれ対応して吸入穴19が形成されている。
図2(a)に示すように、シリンダブロック3のシリンダボア6内でピストン51が往復移動していない状態、すなわち圧縮動作をしていない状態では、バルブプレート5のシリンダブロック3側は、吸入孔10が吸入弁11によって閉塞され、連通孔16も閉塞されている。また、リヤハウジング4側は、吐出孔20が吐出弁18によって閉塞され連通孔16も閉塞されている。この状態から、ピストン51がシリンダボア6内で冷媒の圧縮を開始すると図2(b)に示すようにバルブプレート5の吐出孔20から圧縮され高圧となった冷媒が吐出弁体24の吐出弁18を撓み変形させて吐出孔20を開放状態にして、冷媒がリヤハウジング4の高圧室9側に吐出される。このとき連通孔16も開放状態になり連通孔16内に高圧の冷媒が流入する。冷媒の圧縮が終了すると、図2(c)に示すように吐出弁18の吐出弁体24が元の形状に復帰して吐出孔20を閉塞すると共に、連通孔16も閉塞する。この状態では、連通孔16内には、高圧の冷媒が貯留されており、吸入弁11の架橋部23a、23bをシリンダボア6側へ押圧している。次に、図2(d)に示すように、シリンダボア6内でピストン51が吸入動作に入ると、吸入弁11が撓み変形して吸入孔10が開放されリヤハウジング4の低圧室8内から冷媒が吸入される。
このとき、吸入弁体12の吸入弁11は連通孔16内に貯留されている高圧の冷媒の圧力を受けて、ピストン51の吸入動作とほぼ同時に撓み変形して吸入孔10を開放する。ピストン51の吸入動作が終了すると、図2(a)に示す状態に戻り、再び、圧縮動作が開始される。これらの動作を繰り返し行うことにより、冷媒が高圧に圧縮される。
本実施形態によれば、冷媒高圧貯留部15としての連通孔16に貯留された高圧の冷媒によって吸入弁11がシリンダボア6側へ押圧されているので、吸入弁体12の吸入弁11が冷媒中のオイルによって吸入孔10の開口縁部に張り付いた状態となっても、ピストン51の吸入動作が開始されると吸入弁11が速やかに冷媒がシリンダボア6内に流入すると所望の冷媒量を吸入することができる。
また、吸入動作の開始とほぼ同時い速やかに吸入弁体12の吸入弁11が撓み変形して吸入孔10を開放するので、吸入動作が開始されてからしばらく経って吸入弁11が突然バルブプレート5から離れることがないので異音の発生を防止することができる。
本発明に係る可変容量コンプレッサ100を示す全体断面図。 (a)は、本発明のバルブプレート5の冷媒吐出前の状態を示す図、(b)は、圧縮した冷媒を吐出中の状態を示す図、(c)は、圧縮した冷媒を吐出し、連通孔16に高圧の冷媒が貯留された状態を示す図、(d)は、低圧の冷媒を吸入するとともに、連通孔16に貯留された高圧の冷媒がクランク室内に吸入される状態を示す図。 図2中の吸入弁11側から見た正面図。 図2中の吐出弁18側から見た背面図。
符号の説明
100 可変容量コンプレッサ
2 フロントハウジング
3 シリンダブロック
4 リヤハウジング
5 バルブプレート
6 シリンダボア
7 クランク室
8 低圧室
9 高圧室
10 吸入孔
11 吸入弁
12 吸入弁体
13 背面側
14 開方向
15 高圧冷媒貯留部

Claims (5)

  1. 内部にクランク室(7)を備えるフロントハウジング(2)と、前記フロントハウジング(2)と結合され内部にシリンダボア(6)を備えるシリンダブロック(3)と、前記シリンダブロック(3)と結合し内部に低圧室(8)と高圧室(9)とを備えるリヤハウジング(4)と、前記シリンダブロック(3)と前記リヤハウジング(4)との間に配置されるバルブプレート(5)と、前記バルブプレート(5)に設けられ前記低圧室(8)と連通する吸入孔(10)を開閉する吸入弁(11)を備える吸入弁体(12)とを有する可変容量コンプレッサ(100)であって、
    前記シリンダボア(6)内で圧縮された高圧の冷媒を前記吸入弁(11)の背面側(13)に貯留して前記吸入弁(11)を開方向(14)に押圧する高圧冷媒貯留部(15)を前記バルブプレート(5)に設けたことを特徴とする可変容量コンプレッサ(100)。
  2. 請求項1記載の可変容量コンプレッサ(100)であって、
    前記高圧冷媒貯留部(15)は、前記バルブプレート(5)に設けられて前記シリンダボア(6)と前記高圧室(9)とを連通する連通孔(16)であることを特徴とする可変容量コンプレッサ(100)。
  3. 請求項1又は請求項2記載の可変容量コンプレッサ(100)であって、
    前記バルブプレート(5)は、シリンダボア(6)と高圧室(9)とを連通する吐出孔(20)を有し、該吐出孔(20)はバルブプレート(5)に設けた吐出弁(18)で開閉可能とされ、前記連通孔(16)は、前記吐出孔(20)よりも内周側に設けられていることを特徴とする可変容量コンプレッサ(100)。
  4. 請求項3記載の可変容量コンプレッサ(100)であって、
    前記連通孔(16)は、前記吐出弁(18)と前記吸入弁(11)とで閉じ空間とされて内部に高圧冷媒が貯留され、前記吐出弁(18)の開放時に前記連通孔(16)が開放されて高圧冷媒が連通孔(16)内へ送り込まれることを特徴とする可変容量コンプレッサ(100)。
  5. 請求項1乃至3記載のいずれか一項記載の可変容量コンプレッサ(100)であって、
    吐出弁(18)が開く吐出工程時に、前記高圧冷媒貯留部(15)と高圧室(9)とが連通し、吸入弁(11)が開く吸入工程時に高圧室(9)と高圧冷媒貯留部(15)を遮蔽することを特徴とする可変容量コンプレッサ(100)。
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