JP2007278180A - 往復動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸入弁がリード弁である往復動圧縮機であって、液圧縮に強い吸入弁を備える往復動圧縮機を提供する。
【解決手段】 シリンダボア14aと、シリンダボア14aに挿入されたピストン13と、ピストン13を往復駆動する駆動機構と、シリンダボア14aに連通する吸入孔21aと吐出孔21bとが形成されシリンダボア14aの一端を塞ぐ弁板21と、吸入孔21aを開閉する吸入弁22と、吐出孔21bを開閉する吐出弁23と、吸入孔21aと吸入弁22とを介してシリンダボア14aに連通する吸入室18と、吐出弁22と吐出孔21bとを介してシリンダボア14aに連通する吐出室19とを備え、吸入弁22はリード弁であり且つ吸入孔21aに対峙し吸入孔21aヘ差し向けられた凸部22aを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、往復動圧縮機に関するものである。
シリンダボアと、シリンダボアに挿入されたピストンと、ピストンを往復駆動する駆動機構と、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成されシリンダボアの一端を塞ぐ弁板と、吸入孔を開閉する吸入弁と、吐出孔を開閉する吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室とを備え、吸入弁はリード弁である往復動圧縮機が特許文献1等に開示されている。
特開平7−077158号公報
吸入室に液冷媒が滞留した状態で往復動圧縮機を起動すると、液圧縮状態になり、瞬間的にシリンダボア内に異常高圧が発生する。液圧縮が繰り返されると、異常高圧を繰り返し受けて、短冊状平板のリード弁である吸入弁が吸入孔へ向けて部分的に変形し、最悪破損する事態に至る。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、シリンダボアと、シリンダボアに挿入されたピストンと、ピストンを往復駆動する駆動機構と、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成されシリンダボアの一端を塞ぐ弁板と、吸入孔を開閉する吸入弁と、吐出孔を開閉する吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室とを備え、吸入弁はリード弁である往復動圧縮機であって、液圧縮に強い吸入弁を備える往復動圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、シリンダボアと、シリンダボアに挿入されたピストンと、ピストンを往復駆動する駆動機構と、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成されシリンダボアの一端を塞ぐ弁板と、吸入孔を開閉する吸入弁と、吐出孔を開閉する吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室とを備え、吸入弁はリード弁であり且つ吸入孔に対峙し吸入孔ヘ差し向けられた凸部を有することを特徴とする往復動圧縮機を提供する。
本発明に係る往復動圧縮機が備える吸入弁は、吸入孔に対峙し吸入孔ヘ差し向けられた凸部を有しており、当該凸部は内圧に対して平板よりも高い強度を有するので、従来の短冊平板状の吸入弁に比べて液圧縮に強い。
本発明の好ましい態様においては、吸入弁は凸部の周囲に平坦部を有し、平坦部は弁板の吸入孔周囲に形成された弁座部に当接する。
平坦部が弁座部に当接するので、従来の吸入弁と同様のシール性能が得られる。
本発明の好ましい態様においては、凸部の高さは弁板の肉厚以下である。
吸入弁を弁板に組み付けた状態で、吸入孔に進入した凸部は吸入孔を突き抜けて弁板の表面から突出しないので、弁板と吸入弁と吐出弁とを一体に組み付けて弁板組立体として取り扱う際に、凸部の損傷が防止される。
本発明の好ましい態様においては、凸部は、吸入弁の弁板に対峙する面に直交する軸線を回転軸とする回転対称体を形成している。
冷媒の吸入時に、凸部に沿って放射状に均等に分散して冷媒が流れるので、冷媒の吸入効率が向上する。また回転対称体は内圧に対する強度が高いので吸入弁の強度が向上する。
本発明の好ましい態様においては、凸部と平坦部とは曲面で繋がれている。
凸部と平坦部とを曲面で繋ぐことにより、凸部から平坦部への遷移部の応力が緩和され、吸入弁の強度が向上する。
本発明の好ましい態様においては、凸部は、プレス成形により吸入弁と一体形成されている。
プレス成形により吸入弁と凸部とを一体形成することにより、吸入弁の製造が容易になる。
本発明に係る往復動圧縮機が備える吸入弁は、吸入孔に対峙し吸入孔ヘ差し向けられた凸部を有しており、当該凸部は内圧に対して平板よりも高い強度を有するので、従来の短冊平板状の吸入弁に比べて液圧縮に強い。
固定容量片斜板式圧縮機として具現化された本発明の実施例を説明する。
図1に示すように、固定容量片斜板式圧縮機Aは、主軸10と、主軸10に固定された斜板11とを備えている。
斜板11の周縁部に摺接する一対のシュー12を介して、ピストン13が斜板11に係留されている。ピストン13は、シリンダブロック14に形成されたシリンダボア14aに挿入されている。
主軸10を中心とする円周上に、周方向に互いに間隔を隔てて、複数のシリンダボア14aが形成され、シリンダボア14aと同数のピストン13が配設されている。
主軸10、斜板13、シュー12は、ピストン13を往復駆動する駆動機構を形成している。
主軸10、斜板11を収容するクランク室15を、シリンダブロック14と協働して形成するフロントハウジング16が配設されている。主軸10は、フロントハウジング16を貫通して外部へ延びている。
フロントハウジング16に固定された電磁クラッチ17を介して、主軸10の先端部は図示しない車両エンジンに接続されている。
吸入室18と吐出室19とを形成するシリンダヘッド20が配設されている。吸入室18は図示しない吸入ポートを介して、車載空調装置の図示しない蒸発器に接続している。吐出室19は図示しない吐出ポートを介して、車載空調装置の図示しない凝縮器に接続している。
シリンダブロック14とシリンダヘッド20との間に弁板21が配設されている。弁板21はシリンダボア14aのクランク室15から離隔する側の端部を塞いでいる。弁板21に、吸入室18とシリンダボア14aとに連通する複数の吸入穴21aと、シリンダボア14aと吐出室19とに連通する複数の吐出穴21bとが形成されている。
吸入穴21aのシリンダボア側端部を開閉するリード弁から成る吸入弁22が、弁板21に取り付けられている。
図2に示すように、吸入弁22は、吸入孔21aに対峙し吸入孔21aヘ差し向けられた凸部22aを有している。吸入弁22は更に、凸部22aの周囲に平坦部22bを有している。平坦部22bは弁板21の吸入孔周囲に形成された弁座部21cに当接する。凸部22aの高さは弁板21の肉厚以下に設定されている。凸部22aは、吸入弁22の弁板21に対峙する面に直交する軸線を回転軸とする回転対称体を形成している。凸部22aと平坦部22bとは曲面で繋がれている。凸部22aは、プレス成形により吸入弁22と一体形成されている。
吐出穴21bの吐出室側端部を開閉する吐出弁23が、吐出室19内に配設されている。吐出弁23はリードとして形成されている。
弁板21、吸入弁22、吐出弁23は、リテーナ24と共に、ボルト25とナット26とによって、一体に組付けられて、弁板組立体27を形成している。
フロントハウジング16、シリンダブロック14、弁板21、シリンダヘッド20は、主軸10を中心とする円周に沿って互いに間隔を隔てて配設された複数の通しボルト28により一体に締結されている
固定容量片斜板式圧縮機Aにおいては、車両エンジンの回転が電磁クラッチ17を介して主軸10に伝達され、主軸10が回転し、斜板11が回転する。斜板11の回転が、シュー12により往復運動に変換されてピストン13に伝達され、ピストン13が駆動される。シリンダボア14a内でピストン13が往復運動し、車載空調装置の蒸発器から還流した冷媒ガスが、図示しない吸入ポートを通って吸入室18へ流入する。吸入弁22が開弁し、冷媒ガスは吸入穴21aを通ってシリンダボア14aに吸引され、シリンダボア14a内で圧縮される。吐出弁23が開弁し、冷媒ガスは、吐出穴21bを通って吐出室19へ流入し、吐出ポートを通って圧縮機から吐出し、車載空調装置の凝縮器へ流入する。
吐出弁23の開弁時に、吐出弁23がリテーナ24に当接することにより、吐出弁23の開度が規制される。
固定容量片斜板式圧縮機Aが備える吸入弁22は、吸入孔21aに対峙し吸入孔21aヘ差し向けられた凸部22aを有しており、凸部22aは内圧に対して平板よりも高い強度を有するので、従来の短冊平板状の吸入弁に比べて液圧縮に強い。従って、仮に吸入室18に液冷媒が滞留した状態での起動が繰り返されて液圧縮が繰り返され、シリンダボア14a内の異常高圧を繰り返し受けても、吸入弁22は部分的な変形を起こさず、破損しない。
吸入弁22は、凸部22aの周囲に平坦部22bを有しているので、閉弁時には平坦部22bが弁板21の吸入孔周囲に形成された弁座部21cに当接する。従って、吸入弁22においては、従来の吸入弁と同様のシール性能が得られる。
凸部22aの高さは弁板21の肉厚以下なので、吸入弁22を弁板21に組み付けた状態で、吸入孔21aに進入した凸部22aは吸入孔21aを突き抜けて弁板21の表面から突出しない。従って、弁板21と吸入弁22と吐出弁23とリテーナ24とを一体に組み付け弁板組立体27として取り扱う際に、凸部22aの損傷が防止される。
凸部22aは、吸入弁22の弁板21に対峙する面に直交する軸線を回転軸とする回転対称体を形成しているので、冷媒の吸入時に、凸部22aに沿って放射状に均等に分散して冷媒が流れる。この結果、シリンダボア14aへの冷媒の流入が促進され、冷媒の吸入効率が向上する。
凸部22aと平坦部22bとは曲面で繋がれているので、凸部22aから平坦部22bへの遷移部の応力が緩和され、吸入弁22の強度が向上する。
プレス成形により吸入弁22と凸部22aとを一体形成することにより、吸入弁22の製造が容易になる。
凸部22aの形状は、吸入弁22の弁板21に対峙する面に直交する軸線を回転軸とする回転対称体に限定されない。任意の形状でも良い。吸入孔21aに対峙して複数の凸部を形成しても良い。吸入孔の周壁に凸部22aに当接する斜面を形成し、凸部22aと前記斜面との当接部が環状シール部を形成するように構成しても良い。冷媒として、現状のR134aに代えて、CO2やR152a等を使用しても良い。
本発明は、固定容量片斜板式圧縮機のみならず、揺動板式圧縮機、両斜板式圧縮機、可変容量揺動板式圧縮機、可変容量斜板式圧縮機、モータ駆動の往復動圧縮機等に広く利用可能である。
本発明の実施例に係る固定容量片斜板式圧縮機の断面図である。 図1の部分拡大図である。(a)は吸入弁閉弁時の部分拡大図であり、(b)は吸入弁開弁時の部分拡大であり、(c)は吸入弁をシリンダボア側から見た図である。
符号の説明
A 固定容量片斜板式圧縮機
10 主軸
11 斜板
12 シュー
13 ピストン
21 弁板
21a 吸入孔
21b 吐出孔
21c 弁座
22 吸入弁
22a 凸部
22b 平坦部
23 吐出弁
24 リテーナ
27 弁板組立体

Claims (6)

  1. シリンダボアと、シリンダボアに挿入されたピストンと、ピストンを往復駆動する駆動機構と、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成されシリンダボアの一端を塞ぐ弁板と、吸入孔を開閉する吸入弁と、吐出孔を開閉する吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室とを備え、吸入弁はリード弁であり且つ吸入孔に対峙し吸入孔ヘ差し向けられた凸部を有することを特徴とする往復動圧縮機。
  2. 吸入弁は凸部の周囲に平坦部を有し、平坦部は弁板の吸入孔周囲に形成された弁座部に当接することを特徴とする請求項1に記載の往復動圧縮機。
  3. 凸部の高さは弁板の肉厚以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の往復動圧縮機。
  4. 凸部は、吸入弁の弁板に対峙する面に直交する軸線を回転軸とする回転対称体を形成していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の往復動圧縮機。
  5. 凸部と平坦部とは曲面で繋がれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の往復動圧縮機。
  6. 凸部は、プレス成形により吸入弁と一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の往復動圧縮機。
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