JP2007146761A - 往復動圧縮機 - Google Patents

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JP2007146761A JP2005342565A JP2005342565A JP2007146761A JP 2007146761 A JP2007146761 A JP 2007146761A JP 2005342565 A JP2005342565 A JP 2005342565A JP 2005342565 A JP2005342565 A JP 2005342565A JP 2007146761 A JP2007146761 A JP 2007146761A
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喜伸 市川
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Abstract

【課題】 吐出容量の減少を招くことなく吸入弁や吐出弁の開弁遅れが防止された往復動圧縮機を提供する。
【解決手段】 シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備え、吸入孔を取り囲む環状弁座面が弁板に形成され、環状弁座面を取り囲む環状シール面が弁板に形成され、環状弁座面は環状シール面よりも吸入室側へオフセットしており、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が零の時に吸入弁は環状シール面に当接し、前記差圧が正の所定値に達すると吸入弁は弾性変形して環状弁座面に当接する。
【選択図】 図2

Description

本発明は往復動圧縮機に関するものである。
シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備える往復動圧縮機であって、吸入孔を取り囲む吸入弁が当接離脱可能な環状弁座面が弁板に形成され、更に吸入弁の先端部が当接離脱可能な矩形座面が弁板に形成され、環状弁座面は矩形座面よりも吸入室側へオフセットしていることを特徴とする往復動圧縮機が特許文献1に開示されている。
特許文献1の往復動圧縮機においては、圧縮行程においてシリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧(シリンダボア内圧−吸入室内圧)が正の所定値に達すると、先端部が矩形座面に当接した吸入弁が弾性変形して環状弁座面に当接し吸入孔を閉鎖する。吸入弁には弁座面から離脱しようとする復元力が生じているので、吸入行程に入ってシリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が僅かに負になると、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧による開弁方向の力と復元力との和が吸入弁と環状弁座面との間に介在する潤滑油の粘着力を上回り、吸入弁は環状弁座面から離脱して吸入孔を開放する。この結果、吸入弁と環状弁座面との間に介在する潤滑油の粘着力による吸入弁の開弁遅れが解消され、開弁遅れに起因する吸入弁の損傷が防止される。
特許文献1には示唆されていないが、特許文献1の開示技術を往復動圧縮機の吐出弁に応用すれば、吐出弁と吐出孔を取り囲む環状弁座面との間に介在する潤滑油の粘着力による吐出弁の開弁遅れを防止することができ、当該開弁遅れに起因する吐出弁の損傷を防止することができる。
特開2000−27760
特許文献1の往復動圧縮機には、圧縮行程において、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が正の所定値に達するまでは吸入弁は環状弁座面に当接せず、吸入孔を閉鎖しないので、圧縮行程の初期にシリンダボア内の流体が吸入室へ漏れて吐出容量が減少するという問題がある。また特許文献1の開示技術を往復動圧縮機の吐出弁に適用した場合には、吸入行程において、吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧が正の所定値に達するまでは吐出弁は弁座面に当接せず、吐出孔を閉鎖しないので、吸入行程の初期に吐出室内の流体がシリンダボアへ逆流して吐出容量が減少するという問題を生ずる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備える往復動圧縮機であって、吐出容量の減少を招くことなく吸入弁や吐出弁の開弁遅れが防止された往復動圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備え、吸入孔を取り囲む環状弁座面が弁板に形成され、環状弁座面を取り囲む環状シール面が弁板に形成され、環状弁座面は環状シール面よりも吸入室側へオフセットしており、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が零の時に吸入弁は環状シール面に当接し、前記差圧が正の所定値に達すると吸入弁は弾性変形して環状弁座面に当接することを特徴とする往復動圧縮機を提供する。
本発明に係る往復動圧縮機においては、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧(シリンダボア内圧−吸入室内圧)が零になる圧縮行程の開始直後に、吸入弁が環状シール面に当接して吸入孔を閉鎖する。圧縮行程が進行して前記差圧が正になると、環状シール面に取り囲まれた部分に前記差圧による力を受けた吸入弁が弾性変形を開始し、前記差圧が正の所定値に達すると弾性変形した吸入弁が環状弁座面に当接する。吸入弁には環状弁座面から離脱しようとする復元力が生じているので、吸入行程に入ってシリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が前記所定値よりも僅かに小さな正の値まで減少すると、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧による閉弁方向の力と吸入弁と環状弁座面との間に介在する潤滑油の粘着力との和を前記復元力が上回り、吸入弁は環状弁座面から離脱して弾性変形する前の状態へ復元する。復元の際に吸入弁に開弁方向の慣性力が働くので、吸入行程が進行してシリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が僅かに負になった時点で、前記差圧による開弁方向の力と前記開弁方向の慣性力との和が吸入弁と環状シール面との間に介在する潤滑油の粘着力を上回って吸入弁は環状シール面から離脱し、吸入孔を開放する。この結果、吸入弁と環状シール面との間に介在する潤滑油の粘着力による吸入弁の開弁遅れが解消され、開弁遅れに起因する吸入弁の損傷が防止される。
本発明に係る往復動圧縮機においては、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が零になる圧縮行程の開始直後に、吸入弁が環状シール面に当接して吸入孔を閉鎖するので、圧縮行程の初期にシリンダボア内の流体は吸入室へ漏れず吐出容量は減少しない。
従って、本発明により、吐出容量の減少を招くことなく吸入弁の開弁遅れが防止された往復動圧縮機が提供される。
本発明においては、シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備え、吐出孔を取り囲む環状弁座面が弁板に形成され、環状弁座面を取り囲む環状シール面が弁板に形成され、環状弁座面は環状シール面よりもシリンダボア側へオフセットしており、吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧が零の時に吐出弁は環状シール面に当接し、前記差圧が正の所定値に達すると吐出弁は弾性変形して環状弁座面に当接することを特徴とする往復動圧縮機を提供する。
本発明に係る往復動圧縮機においては、吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧(吐出室内圧−シリンダボア内圧)が零になる吸入行程の開始直後に、吐出弁が環状シール面に当接して吐出孔を閉鎖する。吸入行程が進行して前記差圧が正になると、環状シール面に取り囲まれた部分に前記差圧による力を受けた吐出弁が弾性変形を開始し、前記差圧が正の所定値に達すると弾性変形した吐出弁が環状弁座面に当接する。吐出弁には環状弁座面から離脱しようとする復元力が生じているので、圧縮行程に入って吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧が前記所定値よりも僅かに小さな正の値まで減少すると、吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧による閉弁方向の力と吐出弁と環状弁座面との間に介在する潤滑油の粘着力との和を前記復元力が上回り、吐出弁は環状弁座面から離脱して弾性変形する前の状態へ復元する。復元の際に吐出弁に開弁方向の慣性力が働くので、吐出行程が進行して吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧が僅かに負になった時点で、前記差圧による開弁方向の力と前記開弁方向の慣性力との和が吐出弁と環状シール面との間に介在する潤滑油の粘着力を上回って吐出弁は環状シール面から離脱し、吐出孔を開放する。この結果、吐出弁と環状シール面との間に介在する潤滑油の粘着力による吐出弁の開弁遅れが解消され、開弁遅れに起因する吐出弁の損傷が防止される。
本発明に係る往復動圧縮機においては、吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧が零になる吸入行程の開始直後に、吐出弁が環状シール面に当接して吐出孔を閉鎖するので、吸入行程の初期に吐出室内の流体はシリンダボアへ逆流せず吐出容量は減少しない。
従って、本発明により、吐出容量の減少を招くことなく吐出弁の開弁遅れが防止された往復動圧縮機が提供される。
本発明の好ましい態様においては、環状シール面の内周縁部と環状弁座面の内周縁部とが面取り加工されている。
圧縮行程での吸入弁の弾性変形に対応させて環状シール面の内周縁部と環状弁座面の内周縁部とを面取り加工し、或いは吸入行程での吐出弁の弾性変形に対応させて環状シール面の内周縁部と環状弁座面の内周縁部とを面取り加工することにより、圧縮行程での吸入弁のシール性能、吸入行程での吐出弁のシール性能が向上する。
本発明により、シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備える往復動圧縮機であって、吐出容量の減少を招くことなく吸入弁や吐出弁の開弁遅れが防止された往復動圧縮機が提供される。
本発明の実施例に係る往復動圧縮機を説明する。
図1に示すように、可変容量斜板式圧縮機1は、複数の円形断面のシリンダボア2aを有するシリンダブロック2と、シリンダブロック2と協働してクランク室3を形成するフロントヘッド4と、クランク室3内に配設されシリンダブロック2とフロントヘッド4とにより回転可能に支持されると共に一端がフロントヘッド4を貫通して圧縮機外へ延びる回転軸5と、傾角可変に回転軸5に係合し回転軸5により回転駆動される斜板6と、シリンダボア2aに挿入されると共に斜板6に係合し斜板6の回転に伴って往復動するピストンと7と、シリンダブロック2と協働して吸入孔8aと吐出孔8bとが形成された弁板8を挟持し、内部に円環空洞状の吸入室9aと円形空洞状の吐出室9bとを有するシリンダヘッド9と、一端部がシリンダブロック2と弁板8とに挟持されて固定され他端部が吸入孔8aを開閉するリード弁である吸入弁10aと、一端部が吐出室9b内に配設されたバルブリテーナ11と弁板8とに挟持されて固定され他端部が吐出孔8bを開閉するリード弁である吐出弁10bとを備えている。
吸入室9aは、吸入ポート9a’を介して図示しない自動車空調装置の蒸発器に連通し、吸入孔8aと吸入弁10aとを介してシリンダボア2aに連通している。
吐出室9bは、吐出ポート9b’を介して図示しない自動車空調装置の凝縮器に連通し、吐出弁10bと吐出孔8bとを介してシリンダボア2aに連通している。
シリンダブロック2の弁板8側の端面に、吸入弁10aの開度を規制する開度規制凹部2bが形成されている。
図2に示すように、吐出孔8bに連通する開口10a’が吸入弁10aに形成されている。
吸入孔8aを取り囲む環状弁座面8a’が、弁板8のシリンダボア2aに対峙する面に形成されている。環状弁座面8a’を取り囲む環状シール面8a”が、弁板8のシリンダボア2aに対峙する面に形成されている。環状弁座面8a’は環状シール面8a”よりも吸入室9a側へ微小距離オフセットしている。シリンダボア2aの内圧Pと吸入室9aの内圧P’との差圧P−P’が零の時に、図2(b)に示すように、吸入弁10aが環状シール面8a”に当接し、差圧P−P’が正の所定値に達すると、図2(c)に示すように、吸入弁10aが弾性変形して環状弁座面8a’に当接するように、吸入弁10aの寸法、環状弁座面8a’の環状シール面8a”からのオフセット量等が決定されている。
図3に示すように、吐出孔8bを取り囲む環状弁座面8b’が、弁板8の吐出室9bに対峙する面に形成されている。環状弁座面8b’を取り囲む環状シール面8b”が、弁板8の吐出室9bに対峙する面に形成されている。環状弁座面8b’は環状シール面8b”よりもシリンダボア2a側へ微小距離オフセットしている。吐出室9bの内圧P”とシリンダボア2aの内圧Pとの差圧P”−Pが零の時に、図3(b)に示すように、吐出弁10bが環状シール面8b”に当接し、差圧P”−Pが正の所定値に達すると、図3(c)に示すように、吐出弁10bが弾性変形して環状弁座面8b’に当接するように、吐出弁10bの寸法、弁座面8b’の環状シール面8a”からのオフセット量等が決定されている。
可変容量斜板式圧縮機1においては、図示しない自動車エンジンにより回転軸5が回転駆動され、回転軸5の回転に伴って斜板6が回転し、ピストン7が往復動する。ピストン7の往復動に伴って、空調装置の蒸発器から戻った冷媒ガスが吸入ポート9a’と吸入室9aと吸入孔8aと吸入弁10aとを通ってシリンダボア2aに流入し、シリンダボア2a内で圧縮され、吐出孔8bと吐出弁10bと吐出室9bと吐出ポート9b’とを通って、空調装置の凝縮器へ流出する。
可変容量斜板式圧縮機1においては、シリンダボア内圧Pと吸入室内圧P’との差圧P−P’が零になる圧縮行程の開始直後に、図2(b)に示すように、吸入弁10aが環状シール面8a”に当接して吸入孔8aを閉鎖する。圧縮行程が進行して前記差圧が正になると、環状シール面8a”に取り囲まれた部分に前記差圧による力を受けた吸入弁10aが弾性変形を開始し、前記差圧P−P’が正の所定値に達すると、図2(c)に示すように、弾性変形した吸入弁10aが環状弁座面8a’に当接する。吸入弁10aには環状弁座面8a’から離脱しようとする復元力が生じているので、吸入行程に入ってシリンダボア内圧Pと吸入室内圧P’との差圧P−P’が前記所定値よりも僅かに小さな正の値まで減少すると、シリンダボア内圧Pと吸入室内圧P’との差圧P−P’による閉弁方向の力と吸入弁10aと環状弁座面8a’との間に介在する潤滑油の粘着力との和を前記復元力が上回り、吸入弁10aは環状弁座面8a’から離脱して弾性変形する前の状態へ復元する。復元の際に吸入弁10aに開弁方向の慣性力が働くので、吸入行程が進行してシリンダボア内圧Pと吸入室内圧P’との差圧P−P’が僅かに負になった時点で、前記差圧P−P’による開弁方向の力と前記開弁方向の慣性力との和が吸入弁10aと環状シール面8a”との間に介在する潤滑油の粘着力を上回って吸入弁10aは環状シール面8a”から離脱し、吸入孔8aを開放する。この結果、吸入弁10aと環状シール面8a”との間に介在する潤滑油の粘着力による吸入弁10aの開弁遅れが解消され、開弁遅れに起因して発生する吸入弁10a先端と開度規制凹部2bの開度規制面との激しい衝突等による吸入弁10aの損傷が防止される。また吸入弁の開弁遅れが防止されるため、吸入効率が向上し、圧縮機の体積効率が向上する。
可変容量斜板式圧縮機1においては、シリンダボア内圧Pと吸入室内圧P’との差圧P−P’が零になる圧縮行程の開始直後に、吸入弁10aが環状シール面8a”に当接して吸入孔8aを閉鎖するので、圧縮行程の初期にシリンダボア2a内の冷媒ガスは吸入室9aへ漏れず吐出容量は減少しない。
可変容量斜板式圧縮機1においては、吐出室内圧P”とシリンダボア内圧Pとの差圧P”−Pが零になる吸入行程の開始直後に、図3(b)に示すように、吐出弁10bが環状シール面8b”に当接して吐出孔8bを閉鎖する。吸入行程が進行して前記差圧P”−Pが正になると、環状シール面8b”に取り囲まれた部分に前記差圧による力を受けた吐出弁10bが弾性変形を開始し、前記差圧P”−Pが正の所定値に達すると、図3(c)に示すように、弾性変形した吐出弁10bが環状弁座面8b’に当接する。吐出弁10bには環状弁座面8b’から離脱しようとする復元力が生じているので、圧縮行程に入って吐出室内圧P”とシリンダボア内圧Pとの差圧P”−Pが前記所定値よりも僅かに小さな正の値まで減少すると、吐出室内圧P”とシリンダボア内圧Pとの差圧P”−Pによる閉弁方向の力と吐出弁10bと環状弁座面8b’との間に介在する潤滑油の粘着力との和を前記復元力が上回り、吐出弁10bは環状弁座面8b’から離脱して弾性変形する前の状態へ復元する。復元の際に吐出弁10bに開弁方向の慣性力が働くので、吐出行程が進行して吐出室内圧P”とシリンダボア内圧Pとの差圧P”−Pが僅かに負になった時点で、前記差圧P”−Pによる開弁方向の力と前記開弁方向の慣性力との和が吐出弁10bと環状シール面8b”との間に介在する潤滑油の粘着力を上回って吐出弁10bは環状シール面8b”から離脱し、吐出孔8bを開放する。この結果、吐出弁10bと環状シール8b”面との間に介在する潤滑油の粘着力による吐出弁10bの開弁遅れが解消され、開弁遅れに起因して発生する吐出弁10bとバルブリテーナ11との激しい衝突による吐出弁10bの損傷が防止される。
可変容量斜板式圧縮機1においては、吐出室内圧P”とシリンダボア内圧Pとの差圧P”−Pが零になる吸入行程の開始直後に、吐出弁10bが環状シール面8b”に当接して吐出孔8bを閉鎖するので、吸入行程の初期に吐出室9b内の冷媒ガスはシリンダボア2aへ逆流せず吐出容量は減少しない。
上記説明から分かるように、可変容量斜板式圧縮機1においては、吐出容量の減少を招くことなく吸入弁10aの開弁遅れと、吐出弁10bの開弁遅れとが防止されている。
図2(d)示すように、環状シール面8a”の内周縁部と環状弁座面8a’の内周縁部とを面取り加工しても良く、或いは図3(d)示すように、環状シール面8b”の内周縁部と環状弁座面8b’の内周縁部とを面取り加工しても良い。
圧縮行程での吸入弁10aの弾性変形に対応させて環状シール面8a”の内周縁部と環状弁座面8a’の内周縁部とを面取り加工し、或いは吸入行程での吐出弁10bの弾性変形に対応させて環状シール面8b”の内周縁部と環状弁座面8b’の内周縁部とを面取り加工することにより、圧縮行程での吸入弁10aと環状シール面8a”、環状弁座面8a’との密着性が向上して吸入弁10aのシール性能が向上し、或いは吸入行程での吐出弁10bと環状シール面8b”、環状弁座面8b’との密着性が向上して吐出弁10bのシール性能が向上する。
本発明は、斜板式圧縮機、揺動板式圧縮機を含む各種の往復動圧縮機に広く利用可能である。
本発明の実施例に係る可変容量斜板式圧縮機の断面図である。 本発明の実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える吸入弁と弁板の構造図である。(a)は吸入弁と弁板とをシリンダボア側から見た図であり、(b)、(c)、(d)は(a)のX−X矢視図である。 本発明の実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える吐出弁と弁板の構造図である。(a)は吐出弁と弁板とを吐出室側から見た図であり、(b)、(c)、(d)は(a)のY−Y矢視図である。
符号の説明
1 可変容量斜板式圧縮機
2 シリンダブロック
2a シリンダボア
2b 開度規制凹部
3 クランク室
4 フロントヘッド
5 回転軸
6 斜板
7 ピストン
8 弁板
8a 吸入孔
8a’ 環状弁座面
8a” 環状シール面
8b 吐出孔
8b’ 環状弁座面
8b” 環状シール面
9 シリンダヘッド
9a 吸入室
9b 吐出室
10a 吸入弁
10b 吐出弁
11 バルブリテーナ

Claims (3)

  1. シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備え、吸入孔を取り囲む環状弁座面が弁板に形成され、環状弁座面を取り囲む環状シール面が弁板に形成され、環状弁座面は環状シール面よりも吸入室側へオフセットしており、シリンダボア内圧と吸入室内圧との差圧が零の時に吸入弁は環状シール面に当接し、前記差圧が正の所定値に達すると吸入弁は弾性変形して環状弁座面に当接することを特徴とする往復動圧縮機。
  2. シリンダボアと、往復動可能にシリンダボアに挿入されたピストンと、シリンダボアに連通する吸入孔と吐出孔とが形成された弁板と、吸入孔を開閉するリード弁である吸入弁と、吐出孔を開閉するリード弁である吐出弁と、吸入孔と吸入弁とを介してシリンダボアに連通する吸入室と、吐出弁と吐出孔とを介してシリンダボアに連通する吐出室と備え、吐出孔を取り囲む環状弁座面が弁板に形成され、環状弁座面を取り囲む環状シール面が弁板に形成され、環状弁座面は環状シール面よりもシリンダボア側へオフセットしており、吐出室内圧とシリンダボア内圧との差圧が零の時に吐出弁は環状シール面に当接し、前記差圧が正の所定値に達すると吐出弁は弾性変形して環状弁座面に当接することを特徴とする往復動圧縮機。
  3. 環状シール面の内周縁部と環状弁座面の内周縁部とが面取り加工されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の復動圧縮機。
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