JP2007118031A - 熱間圧延ラインにおけるコイルボックスのピンチロールの押力調整方法、シートバーの蛇行防止方法及びその方法を用いた熱延金属板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粗圧延されたシートバーSをコイルボックス3にて巻き取った後、巻き戻し時に、コイルボックス3の出側においてシートバーSを挟んで回転するピンチロール5の押力を調整する。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、図4に示すように、粗圧延機102と、仕上圧延機103と、粗圧延機102と仕上圧延機103との間に設けられて粗圧延機102で圧延された圧延材108を一旦コイル状に巻き取り、ついで巻き戻して仕上圧延機103に供給するコイルボックス104とを具備した熱間圧延設備101が記載されている。そして、コイルボックス104の出側には、圧延材108をガイドする1対の竪ロール105が配設されている。図4において、符号104aは圧延材108をコイル状に巻き取る巻取機、104bはコイルを巻き戻す巻戻機、106はエッジヒータ、107はクロップシャーである。
そして、このコイルボックス201によれば、コイルボックス201から巻き戻す圧延材Sを常に圧延ラインの中心に修正して仕上圧延機に送り出すことができる。
即ち、コイルボックスの出側にシートバーをガイドするサイドガイドを設置したりする技術や、あるいは特許文献1及び2に記載された技術によれば、コイルボックスから巻き戻すとき、シートバーが圧延ラインに対してオフセンタ状態になっていたり、シートバー自体にキャンバーが発生していることが原因で、シートバーがドライブ側またはオペレータ側に蛇行してしまうことは防止できるものの、ピンチロールの押力により、新たにシートバーにキャンバーが発生してシートバーがドライブ側またはオペレータ側に蛇行してしまうという問題は解決できなかった。
また、本発明のうち熱間圧延ラインにおけるシートバーの蛇行防止方法は、粗圧延されたシートバーをコイルボックスにて巻き取った後、巻き戻し時に、前記コイルボックスの出側において前記シートバーを挟んで回転するピンチロールの押力をある一定値以下に調整することを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る熱延金属板の製造方法は、請求項1に記載された熱間圧延ラインにおけるコイルボックスのピンチロールの押力調整方法又は請求項2に記載された熱間圧延ラインにおけるシートバーの蛇行防止方法を用いて熱延金属板を製造することを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係る熱延金属板の製造方法びよれば、請求項1に記載された熱間圧延ラインにおけるコイルボックスのピンチロールの押力調整方法又は請求項2に記載された熱間圧延ラインにおけるシートバーの蛇行防止方法を用いて熱延金属板を製造するので、長手方向にキャンバーが大きく発生している品質不良を防止することができる。
図1における熱間圧延ライン1においては、上流側から下流側に向けて粗圧延機2、コイルボックス3、サイドガイド4、ピンチロール5、レベラー6、クロップシャー7、デスケーリング装置8、及び仕上圧延機9が順次配設されている。
そして、コイルボックス3では、シートバーSがコイル状に巻き取られて長手方向の温度差が緩和され、その巻き取られたシートバーSが巻き戻されるようになっている。
仕上圧延機9では、粗圧延機2によって圧延されたシートバーSを更に薄い板厚に圧延し、仕上圧延された被圧延材(シートバーS)は冷却された後、図示しない巻取装置によって巻き取られるようになっている。これにより、熱延金属板が製造されるのである。
ここで、コイルボックス3においては、粗圧延機2から送り出されたシートバーSをコイル状に巻き取るため、巻き取られたコイル状のシートバーSがテレスコープ状になる場合がある。テレスコープ状のシートバーSを巻き戻すと、シートバーSが圧延ラインに対してオフセンタ状態になってシートバーSがドライブ側またはオペレータ側に蛇行してしまったり、あるいはシートバーS自体にキャンバー(シートバーS自体が曲がってしまう現象)が発生していることが原因でシートバーSがドライブ側またはオペレータ側に蛇行してしまうことがある。
ここで、発明者らは、シートバーSにキャンバーが発生する原因は、コイルボックス3の出側に設置されたピンチロール5によってシートバーSの巻き癖を矯正するときに、ある一定の押力でシートバーSを軽圧下するが、この軽圧下の際の、シートバーSにもともとあったウェッジや、上下ピンチロール5の間隙の水平方向の不均一に起因した圧下量不均一により、新たにキャンバーが発生してしまう場合が少なくないことに気付いた。さらに、シートバーSの水平方向の圧下量差を小さくすれば、シートバーSに新たにキャンバーが発生するのを防止できることにも気付いた。
図2からわかるように、ピンチロール5の押力を小さくすれば、シートバーSの幅の大小にかかわらず、ピンチロール5による圧下量が小さくなる。ピンチロール5による圧下量を小さくすると、シートバーSの水平方向の圧下量差が小さくなり、シートバーSに新たにキャンバーが発生するのを防止することができる。従って、そのようにピンチロール5の押力を調整するようにすればよい。
そこで、本実施形態にあっては、粗圧延機2で粗圧延されたシートバーSをコイルボックス3にて巻き取った後、巻き戻し時に、コイルボックス3の出側においてシートバーSを挟んで回転するピンチロール5の押力を調整するようにしている。このため、熱間圧延ライン1においては、ピンチロール5の必要な押力を算出する押力算出装置10と、この押力算出装置10に接続され、押力算出装置10により算出された押力にてピンチロール5がシートバーSを押圧するようにピンチロール5を制御する制御装置11とが設けられている。制御装置11は、粗圧延機2の圧延制御、コイルボックス3の巻き取り及び巻き戻し制御、レベラー6の押力制御及び仕上圧延機9の圧延制御をも行うようになっている。
P=T/2μR・・・(1)
ここで、Pはピンチロール5の押力、Tはトルク、μは摩擦係数、RはシートバーSを曲げ戻ししたときの曲率半径である。
なお、ピンチロール5の押力は、ピンチロール5の本来の機能である、巻き戻されるシートバーSを送り出す機能を果たすに足りるトルクが得られる力以上に調整する。
例えば、シートバーSにもともとあるウェッジは、シートバーSの先端数m〜十数mに局部的に発生している場合が殆どであり、あるいはさらに、尾端数m〜十数mに発生している場合もあるが、これらウェッジの局部的に発生している部分についてだけ本発明を適用し、その部分を除いた部分についてはピンチロール押力を他の値に調整するなどしてもよい。
あるいは、以上説明した実施の形態とは異なり、制御装置11は、押力算出装置10により算出された押力にてピンチロール5がシートバーSを押圧するようにピンチロール5を制御する専用装置とし、他の粗圧延機2の圧延制御、コイルボックス3の巻き取り及び巻き戻し制御、レベラー6の押力制御及び仕上圧延機9の圧延制御は他の制御装置で制御するなどしてもよい。
2 粗圧延機
3 コイルボックス
4 サイドガイド
5 ピンチロール
6 レベラー
7 クロップシャー
8 デスケーリング装置
9 仕上圧延機
10 押力計算装置
11 制御装置
S シートバー
Claims (3)
- 粗圧延されたシートバーをコイルボックスにて巻き取った後、巻き戻し時に、前記コイルボックスの出側において前記シートバーを挟んで回転するピンチロールの押力を調整することを特徴とする熱間圧延ラインにおけるコイルボックスのピンチロールの押力調整方法。
- 粗圧延されたシートバーをコイルボックスにて巻き取った後、巻き戻し時に、前記コイルボックスの出側において前記シートバーを挟んで回転するピンチロールの押力をある一定値以下に調整することを特徴とする熱間圧延ラインにおけるシートバーの蛇行防止方法。
- 請求項1に記載された熱間圧延ラインにおけるコイルボックスのピンチロールの押力調整方法又は請求項2に記載された熱間圧延ラインにおけるシートバーの蛇行防止方法を用いて熱延金属板を製造することを特徴とする熱延金属板の製造方法。
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