JP6200843B2 - 巻取制御方法 - Google Patents

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本発明は、熱延工程における鋼板等の帯状材の蛇行を抑制しつつ帯状材を巻き取る巻取制御方法に関するものである。
熱延工程において製造される鋼板等の帯状材の蛇行を抑制し巻形状を良好にするためにサイドガイドを使用するが、その制御方法は一般に(1)定位置制御、(2)幅連動制御、(3)押力制御の3種に大別できる。
(1)の定位置制御では帯状材の通板中におけるサイドガイドの位置を定位置とする。コイル内での板幅のばらつきを考慮し、板幅に対して広めに開度を設定する。よって鋼板との隙間が広く蛇行の矯正力は小さいので、巻き取りが帯状材の幅方向にずれたテレスコープが発生しやすい。
(2)の幅連動制御では板幅の実績よりコイル内で開度を変える制御であり、幅実績の変動によらず蛇行を矯正できる。板幅に対して余裕代をもたせて制御するが、余裕代が大きい場合は蛇行の矯正能力が小さく、テレスコープが発生しやすい。一方、余裕代を小さくすると、テレスコープは抑制できるが、帯状材が蛇行した際にサイドガイドに強接触し、帯状材に耳疵が発生しやすくなる。ここで耳疵とは、帯状材のエッジの折れ込み、あるいはヒゲ状に削れた疵をいう。
(3)の押力制御では、蛇行した帯状材へのサイドガイドの押付力を検出し、押力が一定になるようにする。帯状材を挟み込むため、蛇行の矯正能力は高いがサイドガイドに強接触した際に耳疵が発生しやすい。
また、これらの制御方法を組合せた制御方法や、サイドガイドの下流に配置されたピンチロールを制御することにより、帯状材の蛇行を抑制し巻形状を良好にする方法も開示されている(例えば、引用文献1乃至3)。
特許文献1には、サイドガイドの一方を位置制御し、もう一方を押力制御し最適な接触面圧に保つという方法が開示されている。
この方法は巻形状の改善と耳疵の防止を目的としている。
特許文献2には、ピンチロールの駆動側と反駆動側の開度差または荷重差より、鋼板の蛇行量を求め、該蛇行量に基いてサイドガイドの開度を修正する方法を示している。
この方法は、帯状材エッジの耳疵の発生を防止することを目的としている。
特許文献3には、入側で帯状材のオフセンター量をフィードフォワードしてピンチロールのレベリング制御を行い、前記入側オフセンター量がオフセンター量の目標値となるように制御する方法が開示されている。
この方法は、テレスコープの抑制を目的としている。
特開平02−235519号公報 特開平18−263779号公報 特開平13−179332号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、位置制御を行っているサイドガイド側へ帯状材が大きく蛇行した場合には、帯状材がそのサイドガイドと強接触するので、帯状材に耳疵が発生しやすいという問題がある。
また、特許文献2に記載の発明では、帯状材の蛇行が発生した場合にサイドガイドの開度を大きくするためテレスコープが発生しやすいという問題がある。
さらに、特許文献3に記載の発明では、サイドガイドの余裕代が小さい場合には帯状材がサイドガイドへ強接触するので、耳疵が発生しやすいという問題がある。
このように、耳疵を抑制するという課題と良好な巻き形状を得るという課題は相反関係にある。
そこで、本発明の目的とするところは、帯状材に発生する耳疵を抑制するとともに、より良好な巻き形状を得ることができる巻取制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の巻取制御方法は、左右両側に配置され上流から流れてくる帯状材(1)を案内し、竪ローラーが取付けられたサイドガイド(3)と、前記サイドガイド(3)の下流に上下二本のロールが配置されてなり前記帯状材(1)を前記上下二本のロール間に通すピンチロール(4)と、前記ピンチロール(4)の下流に配置され前記帯状材(1)をコイル状に巻き取るマンドレル(6)を備え、前記帯状材(1)の蛇行を抑制しつつ前記帯状材(1)を巻き取る巻取制御方法であって、前記ピンチロール(4)の左右両端に、それぞれ独立して作動し前記ピンチロール(4)のロール間距離を調整可能な二つの圧下装置(5)をさらに備え、前記帯状材(1)が蛇行し前記サイドガイド(3)に接触して前記サイドガイド(3)を押圧する押圧力が閾値以上になると、前記帯状材(1)が接触した左右いずれか一方側に位置する前記圧下装置(5)を介して前記一方側の前記ピンチロール(4)のロール間距離を徐々に縮小して前記ロール間距離につき左右で開度差を設けるレベリング制御を行い、その後前記押圧力が前記閾値未満になると、前記一方側の圧下装置(5)を介して前記一方側の前記ピンチロール(4)のロール間距離の縮小を停止させることを特徴とする。
また、請求項2に記載の巻取制御方法は、前記帯状材(1)が前記サイドガイド(3)に接触して前記サイドガイド(3)を押圧する前記押圧力が所定時間継続して前記閾値以上となった場合にのみ、前記レベリング制御を行うことを特徴とする。
また、請求項3に記載の巻取制御方法は、前記レベリング制御において、前記一方側の前記ピンチロール(4)のロール間距離を縮小するとともに、他方側の前記ピンチロール(4)のロール間距離を拡大して前記開度差を大きくすることを特徴とする。
また、請求項4に記載の巻取制御方法は、前記レベリング制御において、前記開度差の増加量を前記押圧力と前記閾値との差に比例させることを特徴とする。
また、請求項5に記載の巻取制御方法は、前記開度差が限度開度差になったときに、それ以上前記開度差が大きくならないように前記レベリング制御を停止することを特徴とする。
また、請求項6に記載の巻取制御方法は、前記閾値を10kN以上15kN未満としたことを特徴とする。
また、請求項7に記載の巻取制御方法は、前記押圧力を、前記サイドガイド(3)を動作させる油圧シリンダの圧力、又はサイドガイド(3)の竪ローラーを動作させる油圧シリンダの圧力により検出することを特徴とする。
また、請求項8に記載の巻取制御方法は、前記レベリング制御を、前記帯状材(1)の先端が前記マンドレル(6)に巻き付いた後、かつ前記帯状材(1)の後端が前記サイドガイド(3)間を通過するまで行うことを特徴とする。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に記載の巻取制御方法によれば、帯状材が蛇行しサイドガイドに接触してサイドガイドを押圧する押圧力が閾値以上になると、帯状材が接触した左右いずれか一方側に位置する圧下装置を介して一方側のピンチロールのロール間距離を徐々に縮小してロール間距離につき左右で開度差を設けるレベリング制御を行うので、帯状材には圧延摩擦力の分力として他方側に向かってスラスト力が発生する。
よって、サイドガイドを押圧する押圧力がそれ以上は上昇し難いので、帯状材への耳疵の発生を抑制でき、しかもスラスト力によって良好な巻き形状を得ることができる。つまり、ピンチロールからのスラスト力は、帯状材に対してサイドガイドによる他方側へ案内する力と同じ方向にはたらいているが、これは圧延摩擦力に伴うものであるので、サイドガイドが帯状材に側面からのみ接触するよりも耳疵が付き難い。
そして、その後押圧力が閾値未満になると、一方側の圧下装置を介して一方側のピンチロールのロール間距離の縮小を停止させるので、ピンチロールからの不要な外力を取り除くことができ、巻き形状が安定するとともに帯状材に疵がより付き難い。
また、サイドガイドへの帯状材の強接触を回避することにより、サイドガイドを構成する部材、例えばライナー、竪ローラー等の摩耗が低減されるので、それらの交換周期を延長することが可能となる。
また、請求項2に記載の巻取制御方法によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、帯状材がサイドガイドに接触してサイドガイドを押圧する押圧力が所定時間継続して閾値以上となった場合にのみ、レベリング制御を行うので、押圧力の誤検出を避けることができ、好ましいタイミングでレベリング制御に移行できる。
また、請求項3に記載の巻取制御方法によれば、請求項1及び2に記載の発明の作用効果に加え、レベリング制御において、一方側のピンチロールのロール間距離を縮小するとともに、他方側のピンチロールのロール間距離を拡大するので、一方側のロール間距離を徐々に縮小する場合よりも開度差が大きくなり、より短時間で巻き形状(蛇行)を矯正可能である。
また、請求項4に記載の巻取制御方法によれば、請求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加え、レベリング制御において、開度差の増加量を押圧力と閾値との差に比例させるので、レベリング制御のオーバーシュートを防ぐことができる。
また、請求項5に記載の巻取制御方法によれば、請求項1乃至4に記載の発明の作用効果に加え、開度差が限度開度差になったときに、それ以上開度差が大きくならないようにレベリング制御を停止するので、開度差が大き過ぎることによって生じる他の不具合を事前に防止することができる。
また、請求項6に記載の巻取制御方法によれば、請求項1乃至5に記載の発明の作用効果に加え、閾値を10kN以上15kN未満としたので、確実に耳疵の発生を低減することができる。
また、請求項7に記載の巻取制御方法によれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加え、押圧力を、サイドガイドを動作させる油圧シリンダの圧力、又はサイドガイドの竪ローラーを動作させる油圧シリンダの圧力により検出するので、本制御のために余分な装置を用意しなくてもよい。
また、請求項8に記載の巻取制御方法によれば、請求項1乃至7に記載の発明の作用効果に加え、レベリング制御を、帯状材の先端がマンドレルに巻き付いた後に行うので、帯状材の先端の蛇行が特に大きい部分は例外として扱うことで、帯状材の走行が安定してからの制御開始となり、本制御も安定する。
また、レベリング制御を帯状材の後端がサイドガイド間を通過するまで行うので、次の帯状材を巻き取る際に一つ前の実績である開度差を引き継ぐことができ、次の帯状材では最初から好ましい条件で帯状材を巻き取ることができる。
なお、本発明の巻取制御方法のように、サイドガイドを押圧する押圧力が閾値以上になるとレベリング制御を行う点は、上述した特許文献1乃至3には全く記載されていない。
本発明の実施形態に係る巻き取りラインの構成図である。 本発明の巻取制御方法に係るグラフであり、(a)は押圧力の時間変化を示し、(b)はピンチロールのロール間距離の時間変化を示す。 サイドガイド押圧力と耳疵発生率の関係を示す図である。
図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る巻取制御方法を説明する。
この巻取制御方法は、サイドガイド3と、ピンチロール4と、圧下装置5と、マンドレル6と、制御装置7を備える巻き取りラインにより、帯状材1(鋼板)の蛇行を抑制しつつ帯状材1を巻き取るために行われる。
まず、この巻き取りラインの構成について説明する。
サイドガイド3は、搬送テーブル(図示しない)の左右両側であって仕上圧延機2の下流側に配置され、上流から流れてくる帯状材1を案内する一組のガイド部材である。
ここでいう左右とは帯状材1の幅方向であり、図1における紙面に垂直な方向である。
また、左右のサイドガイド3にはそれぞれ油圧シリンダ(図示しない)が接続され、左右方向に移動可能である。
そして、油圧シリンダでは、帯状材1がサイドガイド3に接触して押圧する押圧力の検出も可能となっている。
また、サイドガイド3には竪ローラー(図示しない)が取付けられており、その竪ローラーを回転させることにより、サイドガイド3に接触する帯状材1との相対速度を小さくして、帯状材1が接触したときの耳疵の発生を抑制している。この竪ローラーにも油圧シリンダが取付けられている。
ピンチロール4は、サイドガイド3の下流に上下二本のロールが配置されてなり、帯状材1をその上下二本のロール間に通す。
そして、ピンチ圧力の制御や帯状材1の張力制御を行うことで、マンドレル6による鋼板の円滑な巻き取りを可能にしている。
ここで、上側のロールは下側のロールに比べて大きい。また、ピンチロール4を通過した帯状材1を下方にあるマンドレル6まで導くために、上側のロールは下側のロールよりも若干下流側に配置されている。
このピンチロール4の左右両端には、それぞれ独立して作動しピンチロール4のロール間距離を調整可能な二つの圧下装置5が配置されている。
つまり、圧下装置5はピンチロール4の上側のロールの左右両端の上方に配置されて、圧下装置5が上側のロールを圧下することで、ロール間距離を調整できる。ロール間距離が全て等しい状態で一方の圧下装置5のみを作動させると、上下のロールは平行ではなくなる。
マンドレル6は、ピンチロール4の下流に配置され、ピンチロール4間を通過した帯状材1をコイル状に巻き取る。
制御装置7は、サイドガイド3や、圧下装置5を介してピンチロール4を制御し、制御部に加えて記憶部を有する。
この制御装置7は、サイドガイド3(サイドガイド3の油圧シリンダ)から、帯状材1がサイドガイド3に接触した際の押圧力の情報を受け取り、その情報に基づいて圧下装置5を制御する。
このような構成の巻き取りラインにおいて、制御装置7により行われる巻取制御方法について、図2を参照して説明する。
図2(a)と図2(b)の時間軸(横軸)は両者一致している。この図では、帯状材1の強接触が生じた一方側のサイドガイド3に関して実線で、強接触が生じていない(帯状材1が接触していない)他方側のサイドガイド3に関して破線で示している。
まず、前段階として、帯状材1の最先端がサイドガイド3に到達するまでのサイドガイド3開度は、帯状材1の先端の曲がりによるサイドガイド3への突っ掛かりを考慮し、板幅に余裕代を持たせておく。この際ピンチロール4は帯状材1の板厚程度のロール間距離(ギャップ)で位置制御する。
帯状材1がピンチロール4に噛み込んだ後、サイドガイド3はショートストロークし、開度を狭くし帯状材1をセンタリングする。このときピンチロール4は位置制御から押圧力制御に切り替わる。
そして、帯状材1先端がマンドレル6に巻付いた後(マンドレル6ロードオン後)、制御装置7はサイドガイド3を定位置制御から押圧力制御、もしくは幅連動制御に切り替える。このときサイドガイド3の押圧力を検出しモニタリングしておく。押圧力の検出方法は、サイドガイド3を動作させる油圧シリンダの圧力による方法と、サイドガイド3の竪ローラーを動作させるシリンダの圧力から検出する方法がある。
また、図2(a)の点線で示すように、事前にサイドガイド3の押圧力に関して閾値を設定しておく。
そして、制御装置7がサイドガイド3について押圧力制御等に切り替えると同時に、制御装置7は、帯状材1が蛇行しサイドガイド3に接触してサイドガイド3を押圧する押圧力が閾値を上回った場合にピンチロール4の制御方法を押圧力制御からレベリング制御に切り替える。
つまり、図2(a)の時刻αで押圧力が閾値以上になり、それが所定時間t継続して時刻βとなって以降、制御装置7は、帯状材1が接触した左右いずれか一方側に位置する圧下装置5を介して一方側のピンチロール4のロール間距離を徐々に縮小してロール間距離につき左右で開度差を設ける。これと同時に帯状材1が接触していない他方側に位置する圧下装置5を介して他方側のピンチロール4のロール間距離を徐々に拡大する。
このピンチロール4のレベリング制御では、ピンチロール4の左右の開度差(ギャップ差)を変化させることで帯状材1の蛇行を抑制する。なお、巻取ピンチロール4のレベリング制御のゲイン(開度差の増大量)は、押圧力と閾値の差に比例して大きくなるようにし、レベリング制御のオーバーシュートを防ぐ。
ここで、時刻γでサイドガイド3の押圧力が閾値を下回り、それが所定時間tだけ継続して時刻δとなると、制御装置7はピンチロール4の制御方法をレベリング制御から押圧力制御に戻す。すなわち、時刻δにおいて、一方側のピンチロール4のロール間距離の縮小及び他方側のピンチロール4のロール間距離の拡大を停止する。
なお、図2(b)に示すように、左右のピンチロール4のギャップ差はレベリング制御終了時(時刻δ)のギャップ差を保持しておく。
また、帯状材1の尾端が巻取りピンチロール4を抜けるとき、サイドガイド3で帯状材1尾端の幅広がり部を挟み込まないようショートオープンしガイドの開度を大きくし、定位置制御する。本制御の適用は帯状材1の後端がサイドガイド3間を通過しサイドガイド3がショートオープンするまでとする。
最後に、帯状材1の尾端がマンドレル6に達し当材の巻取は完了する。ピンチロール4のレベリング制御終了時のギャップ差は次材にも反映させる。
次に、本発明を熱間圧延ラインにおいて帯状材1の巻取を行うマンドレル6に適用する際の効果を検証した。サイドガイド3押圧力と耳疵発生率の関係を図3に示す。
このグラフは耳疵が発生しやすいSUSのフェライト単層の板厚3.50mm、幅1100mm〜1299mmにおいて、横軸にサイドガイド3押圧力をとり、縦軸に耳疵の発生率をとったグラフである。なお、サイドガイド3押圧力は駆動側、非駆動側の最大値をとしている。
図3よりサイドガイド3押圧力の閾値が15kN以上になると耳疵の発生率が急増していることが分かる。よって10kN以上15kN未満にサイドガイド3押力の閾値を設定すれば、耳疵の大幅な低減が期待できる。
以上のように構成され制御された巻取制御方法によれば、帯状材1が蛇行しサイドガイド3に接触してサイドガイド3を押圧する押圧力が閾値以上になると、帯状材1が接触した左右いずれか一方側に位置する圧下装置5を介して一方側のピンチロール4のロール間距離を徐々に縮小してロール間距離につき左右で開度差を設けるレベリング制御を行うので、帯状材1には圧延摩擦力の分力として他方側に向かってスラスト力が発生する。
よって、サイドガイド3を押圧する押圧力がそれ以上は上昇し難いので、帯状材1への耳疵の発生を抑制でき、しかもスラスト力によって良好な巻き形状を得ることができる。つまり、ピンチロール4からのスラスト力は、帯状材1に対してサイドガイド3による他方側へ案内する力と同じ方向にはたらいているが、これは圧延摩擦力に伴うものであるので、サイドガイド3が帯状材1に側面からのみ接触するよりも耳疵が付き難い。
そして、その後押圧力が閾値未満になると、一方側の圧下装置5を介して一方側のピンチロール4のロール間距離の縮小を停止させるので、ピンチロール4からの不要な外力を取り除くことができ、巻き形状が安定するとともに帯状材1に疵がより付き難い。
また、サイドガイド3への帯状材1の強接触を回避することにより、サイドガイド3を構成する部材、例えばライナー、竪ローラー等の摩耗が低減されるので、それらの交換周期を延長することが可能となる。
また、帯状材1がサイドガイド3に接触してサイドガイド3を押圧する押圧力が所定時間継続して閾値以上となった場合にのみ、レベリング制御を行うので、押圧力の誤検出を避けることができ、好ましいタイミングでレベリング制御に移行できる。
また、レベリング制御において、一方側のピンチロール4のロール間距離を縮小するとともに、他方側のピンチロール4のロール間距離を拡大するので、一方側のロール間距離を徐々に縮小する場合よりも開度差が大きくなり、より短時間で巻き形状(蛇行)を矯正可能である。
さらに、レベリング制御において、開度差の増加量を押圧力と閾値との差に比例させるので、レベリング制御のオーバーシュートを防ぐことができる。
また、閾値を10kN以上15kN未満としたので、確実に耳疵の発生を低減することができる。
また、押圧力を、サイドガイド3を動作させる油圧シリンダの圧力、又はサイドガイド3の竪ローラーを動作させる油圧シリンダの圧力により検出するので、本制御のために余分な装置を用意しなくてもよい。
また、レベリング制御を、帯状材1の先端がマンドレル6に巻き付いた後に行うので、帯状材1の先端の蛇行が特に大きい部分は例外として扱うことで、帯状材1の走行が安定してからの制御開始となり、本制御も安定する。
また、レベリング制御を帯状材1の後端がサイドガイド3間を通過するまで行うので、次の帯状材1を巻き取る際に一つ前の実績である開度差を引き継ぐことができ、次の帯状材1では最初から好ましい条件で帯状材1を巻き取ることができる。
なお、本実施形態において、押圧力が所定時間t継続して閾値以上になった場合にのみレベリング制御を行ったが、これに限られるものではない。
また、帯状材1が接触した一方側のピンチロール4のロール間距離を縮小するとともに、他方側のピンチロール4のロール間距離を拡大して開度差を大きくしたが、これに限られるものではなく、接触した一方側のピンチロール4のロール間距離を縮小するのみでもよい。
また、レベリング制御において、開度差の増加量を押圧力と閾値との差に比例させたが、これに限られるものではなく、必要に応じて開度差の増加量を決定してもよい。
加えて、開度差が限度開度差になったときに、それ以上前記開度差が大きくならないように前記レベリング制御を停止するようにしてもよい。こうすることで、開度差が大き過ぎることによって生じる他の不具合を事前に防止することができる。
また、閾値は10kN以上15kN未満に限られるものではない。
また、押圧力の検出は、他の検出器を用いてもよい。
また、レベリング制御を、帯状材1の先端がマンドレル6に巻き付いた後、かつ帯状材1の後端がサイドガイド3間を通過するまで行うのが好ましいが、制御の切り替えのタイミングはこれに限られるものではない。
さらに、ロール間距離の開度差が大きくなり過ぎた場合には、押圧力がゼロになった後、開度差を徐々にゼロに近付けてもよい。もちろん、この場合の押圧力の監視は開度差をそのままにしておく場合よりも厳重に行わなければならない。
また、レベリング制御開始のための所定時間tと、レベリング制御停止のための所定時間tは、同じ長さであっても異なった長さであってもよい。
1 帯状材(鋼板)
2 仕上圧延機
3 サイドガイド
4 ピンチロール
5 圧下装置
6 マンドレル
7 制御装置

Claims (8)

  1. 左右両側に配置され上流から流れてくる帯状材を案内し、竪ローラーが取付けられたサイドガイドと、
    前記サイドガイドの下流に上下二本のロールが配置されてなり前記帯状材を前記上下二本のロール間に通すピンチロールと、
    前記ピンチロールの下流に配置され前記帯状材をコイル状に巻き取るマンドレルを備え、前記帯状材の蛇行を抑制しつつ前記帯状材を巻き取る巻取制御方法であって、
    前記ピンチロールの左右両端に、それぞれ独立して作動し前記ピンチロールのロール間距離を調整可能な二つの圧下装置をさらに備え、
    前記帯状材が蛇行し前記サイドガイドに接触して前記サイドガイドを押圧する押圧力が閾値以上になると、前記帯状材が接触した左右いずれか一方側に位置する前記圧下装置を介して前記一方側の前記ピンチロールのロール間距離を徐々に縮小して前記ロール間距離につき左右で開度差を設けるレベリング制御を行い、
    その後前記押圧力が前記閾値未満になると、前記一方側の圧下装置を介して前記一方側の前記ピンチロールのロール間距離の縮小を停止させることを特徴とする巻取制御方法。
  2. 前記帯状材が前記サイドガイドに接触して前記サイドガイドを押圧する前記押圧力が所定時間継続して前記閾値以上となった場合にのみ、前記レベリング制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の巻取制御方法。
  3. 前記レベリング制御において、前記一方側の前記ピンチロールのロール間距離を縮小するとともに、他方側の前記ピンチロールのロール間距離を拡大して前記開度差を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻取制御方法。
  4. 前記レベリング制御において、前記開度差の増加量を前記押圧力と前記閾値との差に比例させることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の巻取制御方法。
  5. 前記開度差が限度開度差になったときに、それ以上前記開度差が大きくならないように前記レベリング制御を停止することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の巻取制御方法。
  6. 前記閾値を10kN以上15kN未満としたことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の巻取制御方法。
  7. 前記押圧力を、前記サイドガイドを動作させる油圧シリンダの圧力、又はサイドガイドの竪ローラーを動作させる油圧シリンダの圧力により検出することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の巻取制御方法。
  8. 前記レベリング制御を、前記帯状材の先端が前記マンドレルに巻き付いた後、かつ前記帯状材の後端が前記サイドガイド間を通過するまで行うことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の巻取制御方法。
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