JP3690282B2 - 熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法 - Google Patents

熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は連続熱間圧延機(ホットストリップミル)の粗圧延において、圧延材のキャンバおよびウエッジを同時に防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板の連続熱間圧延の粗圧延過程において、圧延材にはキャンバと呼ばれる左または右への曲がりが生じることがある。このキャンバは、圧延スタンドのハウジングの左右剛性差、圧延ロールの平行不良、幅方向の温度分布不均一に基づく変形抵抗の差、あるいはウエッジと呼ばれる幅方向の板厚偏差などによって発生する。
【0003】
キャンバが発生すると、突っかけや蛇行など通板不良の原因となり、歩留まりを低下させることから、このキャンバ発生を防止するために種々の方法が提案されている。たとえば、粗圧延には厚さ圧下のための水平ロールの圧延スタンドに幅制御のための垂直ロールのスタンドが組み合わされることが多いが、この垂直ロールのパスラインのセンタをずらすもの、水平ロールに近接したサイドガイドで押さえつけるもの、水平ロールの左右の圧下量を変えた片側圧下によるもの、などである。
【0004】
これらのうち、垂直ロールをずらす方法は、アクチュエータの可動範囲内に限られるので制御範囲が狭く、応答性もよくないので多くは期待できない。これに対し、サイドガイドを利用する方法は、圧延ロールの前後にこれを置いて圧延材との間隔を調整することによりキャンバを抑制するもので、構造的に比較的単純であり、これを活用したキャンバの防止対策には多くの提案がある。
【0005】
たとえば、特開平6-226318号公報または特開平6-226319号公報に開示された発明は、圧延ロールの入り側または出側に圧延材のキャンバを矯正するためのサイドガイドを設けるとともに、それにかかる荷重を検出し、この荷重に基づいて圧延ロールの左右の圧下を調整しようとするものである。しかしながら、ロールの左右の圧下調整をおこなうと、キャンバは修正できても板幅方向の厚さの差、すなわちウエッジはそのまま残される。ウエッジはキャンバを生じる最大の原因と考えられ、ウエッジが残っていると次の圧延でまたキャンバが発生することになる。
【0006】
連続熱間圧延の場合、多少のウエッジの発生よりは通板性を重視して、サイドガイドの活用を主体にキャンバの防止対策がおこなわれる場合が多い。たとえば、特開平8-323411号公報にキャンバとウエッジとを同時に制御する方法の発明が開示されている。これは、垂直ロールで幅圧延された圧延材を入り側のサイドガイドで拘束して圧延ロールに導き、圧延ロールの片圧下調整により圧延材のウエッジを修正して、出側のサイドガイドで圧延材のキャンバを修正する。すなわち、キャンバの修正はサイドガイドておこなわせ、圧延ロールではウエッジの修正をおこなわせて、キャンバとウエッジとを同時に抑制しようするものである。その際の片圧下調整を、出側サイドガイドにかかる荷重変化に応じておこなうとしているが、ウエッジ発生量は推測によって間接的に求められており、ウエッジの抑止は必ずしも十分ではないと思われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、連続熱間圧延の粗圧延段階においては通板性が重視され、ウエッジの発生に関してはあまり配慮されていなかった。しかしながら、連続圧延時の蛇行をより少なくし、寸法精度の良い製品の歩留まりをより向上させるには、粗圧延段階でキャンバの抑制だけでなくウエッジも十分に小さくする必要がある。本発明の目的は、この粗圧延段階での圧延材のキャンバを小さくするだけでなく、ウエッジをもできるだけ抑止する圧延方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、連続熱間圧延の粗圧延段階において、キャンバおよびウエッジを少なくするための手段について、種々検討をおこなった。
【0009】
板圧延でのキャンバの発生原因は、前述のように様々な原因が考えられる。しかし、発生したキャンバは、圧延ロールの前後にサイドガイドを置いて圧延材のセンタリングをおこない、それとともに曲がりを拘束することによって十分抑止可能であることが確認された。
【0010】
ところが単なるキャンバの抑止だけでは、すぐ次の圧延でまたキャンバが発生してくるので、各スタンド毎に十分な対策を講じなければならず、圧延材が長くなると蛇行や突っかけなどのおそれも増してくる。これは、キャンバは抑止できてもウエッジが残存し、これが次の圧延でキャンバを発生させる大きな原因になっていると推定された。したがって、キャンバの抑止は、同時にウエッジを抑制するものでなければ十分な効果が得られない。
【0011】
ウエッジの抑止には圧延ロールの左右の圧下量を調節することが必要になるが、この圧延制御は、圧下の差荷重、サイドガイドへの荷重、材料温度等、通常の圧延制御のために検出している情報の利用により可能である。しかしながら、これらの情報による制御方法に関して種々検討の結果、この方法では十分なウエッジ抑止は困難であり、結局ウエッジをできる限り少なくするには、その量の直接計測をおこなう必要のあることがわかってきた。
【0012】
そこで、入り側と出側とにサイドガイドを設置したキャンバを抑止する圧延において、圧延中の材料のウエッジを十分に抑止するための、ウエッジ量計測とそれによるウェッジの制御方法の検討をおこなった。
【0013】
ウエッジ量の測定を圧延中におこなうには、圧延材走行中のプロフィール計を用いればよいが、プロフィール計は高価である。これに対し、ウエッジ量だけであれば、板の両端近傍で2ヶ所の板厚を測定することによって検出することが可能である。しかしながら圧延中の板厚計測は、センサー部の設置位置や保守管理等の点から、できるだけ少なくする必要がある。
【0014】
このような観点から検討の結果、圧延ロールの入り側または出側のいずれかでウエッジ量を直接測定し、この情報をロール左右の圧下量制御に用いることにより、十分その目的が達成できることが明らかになった。
【0015】
圧延ロールの出側でウエッジ量(Δh)を測定する場合、ロールの片圧下量差(ΔS)は、
ΔS=f(Δh) ・・・・・・・・・ ▲1▼
の式の形で容易に制御できる。
【0016】
また、圧延ロールの入り側でウェッジ量(ΔH)を計測し、その値を用いてロールの片圧下量差(ΔS)を制御する場合は、
ΔS=f(K,M,ΔP,ΔH,G) ・・・・・・ ▲2▼
の形の式を用いる。ここで、
K:ミル定数
M:圧延材の幅全体の平均塑性係数
ΔP:差荷重(圧延荷重の左右差)
G:サイドガイドにて検出する曲げモーメント(ガイドにかかる荷重をQ、圧延材とガイドとの接触点のロールからの距離をLとすると、G=Q×L)
である。
【0017】
圧延後の材料そのもののウエッジ量が計測できれば、その情報を用い▲1▼式でフィードバック制御すればよい。しかし、ウエッジ量の計測が圧延ロールの入り側に限定される場合は、圧延後のウエッジ量予測をできるだけ正確におこなうため、▲2▼式のように入り側ウエッジ量の他、ロール左右の差荷重、サイドガイドににて検出される曲げモーメント、等の情報も用いる必要がある。
【0018】
ここで、サイドガイドにて検出される圧延変形を、曲げモーメントGとして取り入れるのは次の理由による。すなわち曲げモーメントに関わるLは、通常圧延機から出た材料の先端が最も曲がっていて、その先端片側の角をガイドに当てながら進むので、ロール出側の圧延材長さとなる。しかし、ガイドの長さは十分に長くはなく、先端は直ぐにガイドを抜けてしまい、その後はガイドの最下流端が材料との接点となりLは一定となる。一方、サイドガイドの長手方向2ヶ所以上に検出点を設ければ、その検出値のバランスから力点がわかり、簡単にG=Q×Lを求めることができる。従って、Lを種々定義するよりも、サイドガイド荷重検出機能の一つとして、直接曲げモーメントGを求めることとする。
【0019】
このようにして、入り側と出側とにサイドガイドを設置した圧延において、キャンバはサイドガイドにて修正し、ウエッジについては、圧延ロールの入り側または出側の容易に設置できる位置にウエッジ検出用板厚計測器を設置して、その検出されたウエッジ量に基づいてロールの片圧下量差制御をおこなえば、キャンバとウェッジとの両方を同時に抑制することが可能になる。
【0020】
また、2つの圧延ロールを連結し、同じ圧延材を二度にわたり連続して圧延する場合には、2つの圧延ロールの間にウエッジ計測器を置き、その検出情報により上流側の圧延ロールに対してはフィードバック制御、下流側の圧延ロールに対してはフィードフォワード制御を同時におこなえば、極めてすぐれたキャンバとウェッジとの両方の抑制が可能である。さらに、可逆式圧延を行うときは、圧延ロールの一方の側にウエッジ計測器を設置すれば、圧延の出側になるときはフィードバック制御、入り側になるときはフィードフォワード制御とすることにより、キャンバとウェッジとの両方の効果的な抑制ができる。
【0021】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 鋼板の連続熱間圧延機(ホットストリップミル)の粗圧延における圧延ロールの入り側および出側にサイドガイドを設置し、前記圧延ロール出側に圧延材のウエッジ量を測定する計測器を配置し、入り側及び出側の前記サイドガイドで圧延材の曲がりを拘束しながら、前記計測器により測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整し圧延を行い、キャンバとウェッジとを同時に抑制することを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
【0022】
(2) 鋼板の連続熱間圧延機の粗圧延における圧延ロールの入り側および出側に圧延材の曲がりを拘束し、かつセンタリングをおこなうサイドガイドを設置してキャンバを抑止する圧延において、圧延ロール入り側に圧延材のウエッジ量を測定する計測器を配置し、サイドガイドにかかる荷重検出による曲げモーメント、ロール左右の支持部の荷重および測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延を行うことを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
【0023】
(3) 鋼板の連続熱間圧延機の粗圧延における圧延ロール群で、前後に配置された2基の圧延ロールそれぞれの入り側および出側に圧延材の曲がりを拘束し、かつセンタリングをおこなうサイドガイドを設置してキャンバを抑止する圧延において、これら2つの圧延ロール間にはウエッジ量を測定する計測器を配置し、上流側の圧延ロールでは測定されたウエッジ量に基づきロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整し、下流側の圧延ロールではサイドガイドにかかる荷重検出による曲げモーメント、ロール左右の支持部の荷重および測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延することを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
【0024】
(4) 連続熱間圧延機の粗圧延における可逆式圧延ロールの圧延方向両側に、圧延材の曲がりを拘束し、かつセンタリングをおこなうサイドガイドを設置してキャンバを抑止する圧延において、圧延ロールの圧延方向のどちらか一方の側にウエッジ量を測定する計測器を配置し、ウエッジ計測器の無い方から圧延材を挿入圧延するときは、測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延し、逆にウエッジ計測器のある方から圧延材を挿入圧延するときは、サイドガイドにかかる荷重検出による曲げモーメント、ロール左右の支持部の荷重および測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延をおこなうことを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の、圧延ロール出側または入り側にウエッジ量を測定する計測器を配置して、キャンバおよびウエッジを防止する方法を模式図を用いて説明する。
【0026】
(a)図1は入り側および出側に、センタリングとキャンバ防止のためのサイドガイドを有する圧延機および制御装置を表したもので、圧延ロールの出側にウエッジ計測器を配置した場合である。圧延材1はロール2で圧延され、出側サイドガイド4により、入り側サイドガイド3とともに圧延材を拘束してキャンバの発生を防止する。このときにロール2の出側に設置されたウエッジ計測器5で圧延後のウエッジ量を計測し、計測値からウエッジができるだけ少なくなるようにロール左右の圧下量を演算装置6にて求め、圧下装置7を制御してウエッジを抑止する。この方法により、キャンバおよびウエッジはその発生要因の如何に関わらず同時に抑止できる。
【0027】
なお、サイドガイド3,4は、エッジャーミルの垂直ロールにて代用してもよく、同様な機能をもつ装置を用いればよい。ウエッジ計測器5は板厚全体のプロフィールを計測する必要はなく、板幅両端のエッジドロップ部より内側の部分にて両側の2ヶ所の板厚を測定し比較できればよい。
【0028】
(b)入り側および出側にキャンバ防止のためのサイドガイドを有する圧延機および制御装置にて、キャンバおよびウエッジを防止する方法として、ウエッジの測定を圧延ロールの入り側にておこなってもよい。図2はこの方法を模式的に示すもので、入り側に設置された計測器5の圧延材1のウエッジ計測値から出側におけるウエッジ量を演算装置8により推測し、ロール2左右の圧下量をフィードフォワード制御する。
【0029】
この場合、出側の圧延材のウエッジ量をできるだけ正確に予測するため、入り側のウエッジ量計測値の他に、入り側および出側のサイドガイド3および4に荷重検出センサ9および10を取り付けて曲げモーメント値Gを検出し、圧延ロールの支持部の荷重検出センサ11から圧延荷重の差荷重ΔPを検出する。これらの検出値により、演算装置8にて圧延後のウエッジ量が0となる圧延ロール2左右の圧下量を求め、圧下装置7を制御する。
【0030】
(c)圧延ロールが2基以上あり、一方向に順次圧延をおこなう場合には、図3に示すように、各圧延ロールの入り側および出側にそれぞれキャンバ防止のためのサイドガイド3-1、4-1、3-2および4-2を設け、両圧延ロールの間にウエッジ計測器5を設置する。ここで、上流側のロール2-1で圧延される場合は、ウエッジ計測器5の計測値により、演算装置6にてウエッジ抑止のためのロール2-1左右の圧下量を求め、圧下装置7-1を制御する。
【0031】
ウエッジ計測器5の計測値は、同時に下流側ロール2-2の演算装置8にも取り込まれ、サイドガイド3-2および4-2に取り付けられた荷重検出センサ9および10による曲げモーメント値と、ロール2-2左右の支持部の荷重検出センサ11による差荷重ΔPとにより、圧延後のウエッジ量が0となるロール2-2左右の圧下量を求め、圧下装置7-2を制御する。
【0032】
このように、圧延ロール2基にて圧延する場合には、2基の間におかれた一台の計測器にて得たウエッジ計測値を用いて、上流側の圧延をフイードバック制御し下流側の圧延をフィードフォワード制御する。これによりキャンバおよびウエッジの修正が2段階におこなわれるので、より一層修正の精度が向上する。
【0033】
なお、2基の圧延ロールは、圧延材が上流側のロール2-1を離れてから下流側のロール2-2に噛み込まれるように配置されているものとして説明したが、上流側の圧延ロールによる圧延が終了する前に下流側の圧延が開始されるタンデム方式であってもよい。その場合は4-1と3-2の両サイドガイドを一体化して用いてもよい。
【0034】
(d)圧延ロールの入り側および出側にキャンバ防止のためのサイドガイドを設置し、ウエッジを計測器により実測してキャンバおよびウエッジを防止する方法は、可逆式圧延の場合にも適用できる。すなわち、図4に示す圧延機が、図の左右両方向に圧延でき、どちらか一方の側にウエッジ計測器5が設置されているとすると、計測器のない側からロール2に噛み込まれるときは(a)と同様フィードバック制御によりウエッジを抑制し、計測器5のある方からロール2に入るときは(b)と同様にフィードフォワード制御により圧延する。すなわち図2に示したものとほぼ同じ構成の圧延機にて、演算装置12が図1の演算装置6と図2の演算装置8との両方の機能を有しておればよい。
【0035】
【実施例】
図2に示したものと同じ構成の、圧延ロール2基の圧延機を用いて以下の実験をおこなった。ロール2-1および2-2の径はいずれも1100mmで、2つのロールの中心間距離は53mである。圧延ロール前後のサイドガイドは、いずれも長さが6000mmで、ロールの中心位置からサイドガイド最近端までの距離は水平方向で、1000mmである。サイドガイドは板幅方向に油圧で駆動され、任意位置で固定できる。ウエッジ計測器5は、ガンマ線透過による厚さ計を2台用い、圧延ロール2-1の出側近くのサイドガイドが圧延材に接する面から、幅方向に100mm内側の位置にそれぞれを配置して、厚さの測定によりウエッジの値を求めた。
【0036】
ウエッジの抑制は、圧延ロール2-1にておこなうフィードバック制御では▲1▼式の形を
=a(M/K)Δh(L/b) ・・・・・・・・・・・・・ ▲3▼
とし、圧延ロール2-2にておこなうフィードフォワード制御では▲2▼式の形を
ΔS={a(1−M'/K)ΔH+a(1/M'+1/K)ΔP}(L/b) ・・▲4▼
ただし M'=M[1+{aG+a(G−G)}/(Yhb)] ・・▲5▼
は幅方向の温度偏差なしでΔHのウエッジ修正をおこ なう場合のサイドガイドに加わる曲げモーメントの理論計 算値として制御をおこなった。ここで、
L :ロールの圧下装置の間の距離
Y :圧延材の降伏応力
b :圧延材幅
h :圧延材ロール出側厚さ
〜a :実験的に求めた係数
で、他の記号は、▲1▼式または▲2▼式で用いたものと同じである。なお▲5▼式のM[aG/(Yhb)]の項は曲げモーメントの塑性係数への影響を表し、M[a(G−G)/(Yhb)]の項は幅方向の温度偏差の影響を表す。
【0037】
〔実施例1〕
平均温度約950℃に加熱した板厚104mm、板幅1400mmの鋼片を、圧延ロール2-2およびサイドガイド3-2、4-2はいずれも解放状態とし、圧延ロール2-1とサイドガイド3-1および4-1を用いて目標板厚74mmに圧延した。キャンバについては、サイドガイドと圧延材とのギャップ5mmの範囲内に入っており、十分抑止できることが確認できた。
【0038】
ウエッジについては、材料および圧延条件を同一とし、制御をおこなわなかった場合と、圧延ロール2-1の出側に設置したウエッジ計測器5を用い、ウエッジの実測値から演算装置6にて▲3▼式により片圧下量を求めて圧下装置7-1をフィードバック制御した場合の圧延について、その発生を比較した。
【0039】
結果を図5に示す。制御をおこなわなかった場合、ウエッジ計測器にて検出されたウエッジ量は最大0.8mmに達していた。これに対し、制御をおこなった場合には、定常部で0.04mm以下であった。ただし、フィードバック制御のため、圧延材の先端がウエッジ計測器に達するまでは十分な制御ができてなく、先端部のウエッジ量は0.8mmに近い値になっている。
【0040】
〔実施例2〕
平均温度約950℃に加熱した板厚104mm、板幅1400mmの鋼片を、圧延ロール2-1においてはウエッジ制御はおこなわず74mmに圧延した後、圧延ロール2-2とサイドガイド3-2および4-2を用いて目標板厚49mmに圧延した。この場合、ウエッジ計測器5にて検出したウエッジ量を用い、圧延ロール2-2の支持部の荷重検出センサ11による差荷重ΔPおよびサイドガイドの荷重検出10による曲げモーメントGとともに、演算装置8にて▲4▼式を用いて片圧下量を求め、圧下装置7-2をフィードフォワード制御した。なおこの場合、入り側のサイドガイド3-2での荷重検出はおこなわなかった。
【0041】
この圧延において、ウエッジをまったく制御しなかった場合と、フィードフォワード制御した場合とについて、圧延後の材料を圧延機外に取り出し、冷却後手作業にてウエッジ量の測定をおこなった。
【0042】
結果は図6に示すように、制御をおこなわなかった場合、ウエッジ量は最大0.52mmに達しているのに対し、制御を実施すると0.15mm以下にまで低減している。予測に基づくフィードフォワード制御のため、圧延材先端からウエッジが低減されているが、定常部では実施例1のフィードバック制御より劣るようである。キャンバに関しては、サイドガイドにより発生は十分に抑止されていることが確認された。
【0043】
〔実施例3〕
実施例1または2と同様、平均温度約950℃に加熱した板厚104mm、板幅1400mmの鋼片を素材とし、キャンバについては各圧延ロールの前後のサイドガイドを作動させ、ウエッジについては計測器5により検出されるウエッジ量の計測信号を演算器6および8に導入し、圧延ロール2-1においてはフィードバック制御、圧延ロール2-2ではフィードフォワード制御して、厚さを74mm、さらに49mmへと2段階の圧延をおこなった。圧延後、材料を圧延機外に取り出しウエッジを計測した。
【0044】
図7にウエッジの測定結果を示す。圧延ロール2-1によるフィードフォワード制御のみでは、先端部のウエッジが低減できなかったが、このようにさらに圧延ロール2-2にてフィードフォワード制御も実施することにより、ウエッジ量は全長にわたり0.11mm以下と抑制することができた。
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法は、連続熱間圧延機の粗圧延段階にて、キャンバとウェッジとの両方を同時に低減させる。とくにウエッジの大幅低減は、連続圧延時の通板性を改善するとともに、引き続く圧延過程における新たなキャンバの発生を防止し、圧延トラブルの低減、圧延の歩留まり向上、板厚精度の向上に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延ロールの入り側および出側にサイドガイドを設置し、出側にウエッジ計測器を配置したキャンバおよびウエッジを抑止する圧延機の模式的説明図。
【図2】圧延ロールの入り側および出側にサイドガイドを設置し、入り側に側にウエッジ計測器を配置したキャンバおよびウエッジを抑止する圧延機の模式的説明図。
【図3】圧延ロールの入り側および出側にサイドガイドを有する2基の圧延ロールで連続的に圧延する、両圧延ロール間にウエッジ計測器を配置したキャンバおよびウエッジを抑止する圧延機の模式的説明図。
【図4】圧延ロールの両側にサイドガイドを設置し、いずれか一方の側にウエッジ計測器を配置したキャンバおよびウエッジを抑止する可逆圧延機の模式的説明図。
【図5】圧延ロールの出側にウエッジ計測器を配置し、圧延後のウエッジ量を計測してフィードバック制御をおこなったときのウエッジ量測定結果。
【図6】圧延ロールの入り側にウエッジ計測器を配置し、圧延前のウエッジ量の計測からフィードフォワード制御をおこなったときのウエッジ量測定結果。
【図7】2基の圧延ロールで連続的に圧延する際に、両ロール間にウエッジ計測器を配置し、上流側の圧延はフィードバック制御、下流側の圧延はフィードフォワード制御をおこなったときのウエッジ量測定結果。
【符号の説明】
1.圧延材
2.圧延ロール
2-1.上流側圧延ロール
2-2.下流側圧延ロール
3.サイドガイド
3-1.上流入り側サイドガイド
3-2.下流入り側サイドガイド
4.サイドガイド
4-1.上流出側サイドガイド
4-2.下流出側サイドガイド
5.ウエッジ計測器
6.演算装置(フィードバック制御)
7.圧延ロール圧下装置
7-1.上流側圧延ロール圧下装置
7-2.下流側圧延ロール圧下装置
8.演算装置(フィードフォワード制御)
9.サイドガイド荷重センサー
10.サイドガイド荷重センサー
11.ロール圧下荷重センサー
12.演算装置

Claims (4)

  1. 鋼板の連続熱間圧延機(ホットストリップミル)の粗圧延における圧延ロールの入り側および出側にサイドガイドを設置し、前記圧延ロール出側に圧延材のウエッジ量を測定する計測器を配置し、入り側及び出側の前記サイドガイドで圧延材の曲がりを拘束しながら、前記計測器により測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整し圧延を行い、キャンバとウェッジとを同時に抑制することを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
  2. 鋼板の連続熱間圧延機の粗圧延における圧延ロールの入り側および出側に圧延材の曲がりを拘束し、かつセンタリングをおこなうサイドガイドを設置してキャンバを抑止する圧延において、圧延ロール入り側に圧延材のウエッジ量を測定する計測器を配置し、サイドガイドにかかる荷重検出による曲げモーメント、ロール左右の支持部の荷重および測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延を行うことを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
  3. 鋼板の連続熱間圧延機の粗圧延における圧延ロール群で、前後に配置された2基の圧延ロールそれぞれの入り側および出側に圧延材の曲がりを拘束し、かつセンタリングをおこなうサイドガイドを設置してキャンバを抑止する圧延において、これら2つの圧延ロール間にはウエッジ量を測定する計測器を配置し、上流側の圧延ロールでは測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整し、下流側の圧延ロールではサイドガイドにかかる荷重検出による曲げモーメント、ロール左右の支持部の荷重および測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延することを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
  4. 連続熱間圧延機の粗圧延における可逆式圧延ロールの圧延方向両側に、圧延材の曲がりを拘束し、かつセンタリングをおこなうサイドガイドを設置してキャンバを抑止する圧延において、圧延ロールの圧延方向のどちらか一方の側にウエッジ量を測定する計測器を配置し、ウエッジ計測器の無い方から圧延材を挿入圧延するときは、測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延し、逆にウエッジ計測器のある方から圧延材を挿入圧延するときは、サイドガイドにかかる荷重検出による曲げモーメント、ロール左右の支持部の荷重および測定されたウエッジ量に基づき、ロール左右の支持部の圧下量をそれぞれ調整して圧延をおこなうことを特徴とする、熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法。
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