JP7225880B2 - 熱延コイルの製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明に係る熱間圧延設備の構成について説明する。図3は、熱間圧延設備1の仕上圧延機2以降の構成の概略を示す説明図である。
本実施形態では、以上の構成の熱間圧延設備1で製造されるコイルCにおいて、図1及び図2に示したギザ巻きテレスコープの発生を抑制する。まず、本発明らはギザ巻きテレスコープが発生するメカニズムを解明した。すなわち、仕上げ圧延後の熱延鋼板Hの先端がマンドレル12に巻き付くまでの間に、当該熱延鋼板Hが蛇行することにより、ギザ巻きテレスコープが発生することが明らかになった。
(1)一旦巻き取り開始時に曲がり等でオフセンターが発生し、糸巻き効果でマンドレルに対し、熱延鋼板が直角(幾何学的中立点、すなわちマクロ的にピンチロールとマンドレルで幅方向板位置が一致する状態)に巻き付こうとする。しかしマンドレルに対し熱延鋼板が見掛けの直角で巻き付く位置になっても、さらに巻きずれが生じるのは1周前の熱延鋼板からの巻きずれの影響で幾何学的には進行方向に3次元的に(板厚及び幅方向)湾曲しており、左右等しく接触して巻き取るまでには至っていないからである。
(2)ギザ巻きテレスコープ現象は中立位置で熱延鋼板のウォークが停止せず行き過ぎる。その原因は熱延鋼板が中立位置からずれている間、寄った側の板張力が大きくなることにある。すなわち、板張力が大きくなることで寄った側の熱延鋼板がマンドレル入側で伸びるため、マンドレルへの巻きつきが遅れ、この遅れによって中立位置になっても熱延鋼板のマンドレルへの巻きつけ角が直角に戻らないため、行き過ぎて振動現象になるのである。
次に、ギザ巻きテレスコープと熱延鋼板の板幅及び仕上板厚との関係について説明する。本発明者らは、熱延鋼板の板幅と仕上板厚を変動させてシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、板幅と仕上板厚に対して、ギザ巻きテレスコープが発生したか否かを調べた。なお、ここでは、図2に示されるギザ巻きの高さが2mm以上の場合をギザ巻きの発生有りとし、ギザ巻きの高さが2mm未満の場合をギザ巻きの発生無しとした。一般に、ギザ巻きの高さが2mm未満であれば、コイルを搬送する場合に、コイル側面の突出部分が折れ込むことはなく、また、コイルを巻きほどいて製管する場合にも、熱延鋼板を適切に溶接することができるからである。シミュレーション結果を表1に示す。表1を参照すると、板幅wに対する仕上板厚tが大きいと、ギザ巻きテレスコープが発生しやすいことが分かった。これは、板幅wに対する仕上板厚tが大きいと、熱延鋼板に作用する張力が大きくなり、上述した熱延鋼板の振動が継続しやすいためであると推察される。そして具体的には、板幅wに対する仕上板厚tの比t/wが、0.0083以上(t/w≧10/1200)の場合、ギザ巻きテレスコープが発生した。そこで、本実施形態は、t/wが0.0083以上の熱延鋼板を対象とする。
次に、ギザ巻きテレスコープと熱延鋼板の蛇行量との関係について説明する。本発明者らは、実操業における熱延鋼板の曲がり量を計測し、ギザ巻きテレスコープとの関係を調べた。具体的には、仕上圧延機の第7スタンド(最終スタンド)において熱延鋼板の板幅を計測し、熱延鋼板の蛇行量、すなわち圧延ラインの幅方向中心に対する熱延鋼板の幅方向中心のずれ量を算出した。ここでの蛇行量には鋼板自体のキャンバー(横曲り)量を含む。そして、熱延鋼板の曲がり量を熱延鋼板の先端の蛇行量から、熱延鋼板の全長の蛇行量の平均値を差し引いたものを算出した。この曲がり量は換言すれば、熱延鋼板の全長における蛇行量の平均値を基準とした、熱延鋼板の先端の蛇行量であり、蛇行量の変動量であるといえる。なお、本調査では、熱延鋼板の仕上板厚は6mm以上かつ18mm未満であり、熱延鋼板の引張強度は40MPa以上かつ55MPa未満であった。
以上の知見に基づき、本発明者らは、ギザ巻きテレスコープの発生を抑制するためには、熱延鋼板の蛇行を抑制すればよいことを見出した。より詳細には、上述したように熱延鋼板の対象は、板幅に対する仕上板厚の比が0.0083以上の鋼板である。
次に、ギザ巻きテレスコープと熱延鋼板の巻取張力との関係について説明する。本発明者らは、上述したようにギザ巻きテレスコープを抑制するためには、熱延鋼板の蛇行を抑制すればよいが、さらにギザ巻きテレスコープを抑制するためには、コイラー(マンドレル)で熱延鋼板を巻き取る際の巻取張力を大きくすればよいことを見出した。
次に、ギザ巻きテレスコープとピンチロールの間隔との関係について説明する。本発明者らは、上述したようにギザ巻きテレスコープを抑制するためには、熱延鋼板の蛇行を抑制すればよいが、さらにギザ巻きテレスコープを抑制するためには、ピンチロールの間隔を熱延鋼板の板厚より大きくすればよいことを見出した。すなわち、図8に示すように一対のピンチロール10a、10bの間隔L1は、熱延鋼板Hの板厚L2よりも大きい。
2 仕上圧延機
3 冷却装置
4 コイラー
5 ランアウトテーブル
6、7 蛇行計
10(10a、10b) ピンチロール
11 シュート
12 マンドレル
13 ラッパーロール
F1~F7 仕上圧延スタンド
C コイル
H 熱延鋼板
Claims (6)
- 熱間圧延工程において、板幅に対する仕上板厚の比が0.0083以上の熱延鋼板をコイラーにより巻き取ってコイルを製造する方法であって、
仕上圧延機の最終スタンドにおいて、熱延鋼板の先端から当該先端が前記コイラーに達するまでの長さ分の熱延鋼板の蛇行量を測定し、
前記蛇行量の変動量が100mm以内になるように、前記最終スタンドの左右の圧下量を制御し、
前記コイラーにおける一対のピンチロール間の間隔を、熱延鋼板の板厚より1mm以上大きくした状態で、当該熱延鋼板を前記コイラーにより巻き取ることを特徴とする、熱延コイルの製造方法。 - 前記蛇行量を前記最終スタンドの入側と出側のそれぞれに設置した蛇行計で測定することを特徴とする、請求項1に記載の熱延コイルの製造方法。
- 前記蛇行量を前記最終スタンドの入側と出側のそれぞれに設置した板幅計で測定することを特徴とする、請求項1に記載の熱延コイルの製造方法。
- 前記蛇行量を前記最終スタンドの入側と出側のそれぞれに設置した温度計で測定することを特徴とする、請求項1に記載の熱延コイルの製造方法。
- 前記温度計は、熱延鋼板の表面の温度分布を測定する放射温度計であることを特徴とする、請求項4に記載の熱延コイルの製造方法。
- 前記コイラーにおいて、巻取張力を7MPa以上として熱延鋼板を巻き取ることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱延コイルの製造方法。
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