JP2014121725A - 板厚制御方法および板厚制御装置 - Google Patents

板厚制御方法および板厚制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014121725A
JP2014121725A JP2012279727A JP2012279727A JP2014121725A JP 2014121725 A JP2014121725 A JP 2014121725A JP 2012279727 A JP2012279727 A JP 2012279727A JP 2012279727 A JP2012279727 A JP 2012279727A JP 2014121725 A JP2014121725 A JP 2014121725A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
plate thickness
thickness control
change
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012279727A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5790638B2 (ja
Inventor
Sonomi Shirasaki
園美 白崎
Hiroshi Shigeta
博 重田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2012279727A priority Critical patent/JP5790638B2/ja
Publication of JP2014121725A publication Critical patent/JP2014121725A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5790638B2 publication Critical patent/JP5790638B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】安定した通板性を確保しつつ板厚制御の精度向上を図ること。
【解決手段】板厚制御装置4において、リミット設定部43は、鋼板Sの蛇行量、マスフロー補償量、および形状変化の急峻度の許容値のうちの少なくとも1つをもとに、ワークロール31a,31bを閉方向に調整するときの圧下量の閉方向変化量およびワークロール31a,31bを開方向に調整するときの開方向変化量の上限値を設定する。板厚制御部41は、調整前後の圧下量の変化量がリミット設定部43によって設定された上限値を超えない範囲内で圧下量を調整し、鋼板Sの板厚制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、所定の搬送方向に搬送される鋼板の板厚を目標の板厚に圧延するための板厚制御を行う板厚制御方法および板厚制御装置に関する。
圧延機による鋼板の圧延においては、圧延後の板厚を目標値に近づけて目標値に対する板厚偏差を低減させるための板厚制御が行われており、その1つとして、ゲージメータ式を用いて行う自動板厚制御(絶対値AGC)が知られている。この絶対値AGCでは、圧延荷重の実測値等をもとに出側板厚(ゲージメータ板厚)を予測し、目標板厚とゲージメータ板厚との差をもとにロールギャップ(圧下量)を調整する。
このようなゲージメータ式を用いた板厚制御による板厚精度を向上させるための技術としては、例えば、厚み計による板厚の実測値をもとにゲージメータ式のオフセット項を補正するようにしたものが知られている(特許文献1を参照)。また、鋼板の長手方向に沿ったゲージメータ板厚の平均板厚と鋼板長とによってオフセット項を決定するようにしたものもある(特許文献2を参照)。
特公昭58−7365号公報 特公昭61−29805号公報
しかしながら、圧下量の調整前後においてその変化が大きいと、鋼板の蛇行や形状悪化、マスフローの乱れによるループの発生等を招き、通板性を阻害する場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安定した通板性を確保しつつ板厚制御の精度向上を図ることができる板厚制御方法および板厚制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる板厚制御方法は、所定の搬送方向に搬送される鋼板の板厚を目標の板厚に圧延するための板厚制御を行う板厚制御方法であって、前記鋼板の蛇行量、マスフロー補償量、および形状変化の急峻度の許容値のうちの少なくとも1つをもとに、ワークロールを閉方向に調整するときの圧下量の閉方向変化量およびワークロールを開方向に調整するときの開方向変化量の上限値を設定する設定工程と、調整前後の圧下量の変化量が前記上限値を超えない範囲内で圧下量を調整し、前記鋼板の板厚制御を行う板厚制御工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる板厚制御装置は、所定の搬送方向に搬送される鋼板の板厚を目標の板厚に圧延するための板厚制御を行う板厚制御装置であって、前記鋼板の蛇行量、マスフロー補償量、および形状変化の急峻度の許容値のうちの少なくとも1つをもとに、ワークロールを閉方向に調整するときの圧下量の閉方向変化量およびワークロールを開方向に調整するときの開方向変化量の上限値を設定する設定手段と、調整前後の圧下量の変化量が前記上限値を超えない範囲内で圧下量を調整し、前記鋼板の板厚制御を行う板厚制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、安定した通板性を確保しつつ板厚制御の精度向上を図ることができる。
図1は、圧延ラインの概略構成例を示す模式図である。 図2は、圧延スタンドの概略構成例および仕上圧延機の制御系の概略構成例を示す模式図である。 図3は、リミット設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図4は、第7スタンドとコイル巻取機との間の搬送経路を示す図である。 図5は、圧延後の鋼板の側端部の形状を模式的に示す側面図である。 図6は、コイルの長手方向の各位置における板厚偏差をプロットして示した図である。 図7は、板厚裏歩留を月毎にプロットして示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の板厚制御方法および板厚制御装置を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
図1は、本実施の形態の板厚制御装置4(図2を参照)を適用する圧延ライン1の概略構成例を示す模式図である。なお、図1では、一方向の連続スタンド(タンデム)圧延機を図示しているが、適用可能な圧延機はこれに限定されるものではなく、単一スタンド圧延機や、リバース式圧延機等にも同様に適用できる。
図1に示すように、圧延ライン1は、不図示の搬送ローラ等によって形成される鋼板Sの搬送経路に沿って設置された仕上圧延機2とコイル巻取機7とを含む。この圧延ライン1において、搬送経路上を通板方向A1に搬送される圧延対象の鋼板Sは、仕上圧延機2によって所望の板厚に圧延された後、コイル巻取機7によって巻き取られ、コイルとされて次工程等へと送られる。
仕上圧延機2は、複数(図1では7つ)の圧延スタンド3(第1〜第7スタンド3−1〜3−7)で構成され、最終スタンドである第7スタンド3−7の圧延方向出側には、鋼板Sの板厚を測定する板厚計6が設置されている。
コイル巻取機7は、1対のピンチロール71a,71bと、ダウンコイラー73と、1対のコイラーサイドガイド75a,75bとを備える。ピンチロール71a,71bは、鋼板Sの上下面を押圧状態で挟持しつつ回転することによって、鋼板Sに適正な張力を作用させながらダウンコイラー73に送り込むものである。ダウンコイラー73は、ピンチロール71a,71bから送り込まれた鋼板Sの先端部を巻き付け回転することによって、鋼板Sをコイル状に巻き取るものである。コイラーサイドガイド75a,75bは、ピンチロール71a,71bの上流側に鋼板Sの搬送経路を幅方向に挟んで対向配置され、鋼板Sの中心位置を矯正する。鋼板Sは、搬送経路上を搬送される過程で蛇行する場合があり、そのままではダウンコイラー73によって巻き取る際に巻きずれが発生し得る。コイラーサイドガイド75a,75bは、この巻きずれを防止するためのものであり、鋼板Sの幅方向の動きを規制しつつピンチロール71a,71bへと案内する。
次に、仕上圧延機2を構成する各圧延スタンドの構成と、仕上圧延機2の制御系の構成を説明する。図2は、1つの圧延スタンド3を拡大して示すとともに、仕上圧延機2の制御系の概略構成例を示す模式図である。図2に示すように、各圧延スタンド3は、圧延対象の鋼板Sを間に挟んで上下から圧下する1対のワークロール31a,31bと、ワークロール31a,31bの各々に圧下力を印加する1対のバックアップロール33a,33bと、バックアップロール33a,33bを介してワークロール31a,31b間のロールギャップ(ワークロール31a,31bの圧下量)を変更するための圧下装置35と、ワークロール31a,31bの上流側に鋼板Sの搬送経路を幅方向に挟んで対向配置され、鋼板Sの中心位置を矯正する1対のサイドガイド37a,37bとを備える。また、各圧延スタンド3は、ロードセル等の荷重検出器39を備えており、鋼板Sの圧延時において圧延荷重を検出し、検出値を後述する板厚制御部41に出力する。
このような圧延スタンド3を複数備えた仕上圧延機2は、板厚制御装置4を備える。この板厚制御装置4は、板厚制御手段としての板厚制御部41と、設定手段としてのリミット設定部43とを備える。
板厚制御部41は、ゲージメータ式を用いてワークロール31a,31bの圧下量を調整し、圧下装置35を制御することによって圧延対象の鋼板Sの板厚制御を行う(絶対値AGC)。この板厚制御部41の装置構成は、公知技術を適用することで実現できる。
ここで、板厚制御部41が行う絶対値AGCによる板厚制御の概要について簡単に説明する。絶対値AGCでは、荷重検出器39から入力される圧延荷重Pの検出値をもとに、次式(1)に示すゲージメータ式に従ってゲージメータ板厚hGMを予測する。そして、目標とする出側の板厚と予測したゲージメータ板厚hGMとの偏差Δhが小さくなるように、ワークロール31a,31bの圧下量をPI制御によって調整する。次式(1)において、Sはロールギャップ、Kはミル定数、Weはロール磨耗、Thはロール熱膨張、Soilは油膜厚の各値を表し、OFSはオフセット学習項を表す。オフセット学習項OFSの値としては、例えば、ゲージメータ板厚および別途予測されるマスフロー板厚の予測誤差を指数平滑化した値を用いる。
Figure 2014121725
リミット設定部43は、板厚制御部41が調整する圧下量の上限値(調整量上限値)を設定する処理(リミット設定処理)を行う。このリミット設定部43は、例えば、CPU等の演算装置、主記憶装置、ハードディスクや各種記憶媒体等の補助記憶装置、通信装置、表示装置や印刷装置等の出力装置、入力装置、各部を接続し、あるいは外部入力を接続するインターフェース装置等を備えた公知のハードウェア構成で実現でき、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを利用することができる。
図3は、リミット設定部43が行うリミット設定処理の処理手順を示すフローチャートである。本実施の形態では、リミット設定部43が図3に示す処理手順に従って圧下量の調整量上限値を設定し(設定工程)、板厚制御部41が前述の調整量上限値を超えないように各圧延スタンド3における圧下量を調整して圧延対象の鋼板Sの板厚制御を行う(板厚制御工程)ことで、板厚制御方法を実施する。
図3に示すように、リミット設定処理では、リミット設定部43は、先ず、圧延スタンド3毎に蛇行許容リミットを設定する(ステップs1)。
この蛇行許容リミットについて、設定対象の圧延スタンド3が第7スタンド(最終スタンド)3−7の場合を例にとって説明する。図4は、第7スタンド3−7とコイル巻取機7との間の搬送経路を示す図である。上記したように、第7スタンド3−7の下流側にはコイル巻取機7のコイラーサイドガイド75a,75bが設置されている。このコイラーサイドガイド75a,75bの開度D21は、鋼板Sの幅等に応じて適宜調整される。
ここで、圧下量が変化すると、両端部にミル剛性差が生じて鋼板Sが蛇行する場合がある。この鋼板Sの蛇行量は、圧下量の変化が大きく圧延荷重が増加するほど増大し、通板性を阻害する要因となる。すなわち、鋼板Sは、その蛇行量(搬送経路の中心位置L21に対する鋼板Sの中心位置L23のずれ量)が小さければ図4中に実線で示すようにコイラーサイドガイド75a,75b間に進入できるが、図4中に破線で示すように蛇行量D23が大きくなると、鋼板Sがコイラーサイドガイド75a,75bと衝突してしてしまい、コイラーサイドガイド75a,75bの内側に進入できなくなる。
したがって、第7スタンド3−7の圧下量を調整する際には、第7スタンド3−7を送り出されてからコイラーサイドガイド75a,75bに到達するまでの間の鋼板Sの蛇行量を考慮する必要がある。この蛇行量は、圧下量の変化量、具体的には、ロールギャップが狭まる方向(閉方向)への圧下量の変化量(開方向変化量)またはロールギャップが広がる方向(開方向)への圧下量の変化量(閉方向変化量)によって定まる単位蛇行量と、第7スタンド3−7からコイラーサイドガイド75a,75bまでの距離D25とから求めることができる。そして、許容される蛇行量(許容蛇行量)は、鋼板Sの両側端面がコイラーサイドガイド75a,75bの内側を通過可能な中心位置L23の範囲として設定することができる。
具体的な処理としては、圧下量の変化量(閉方向変化量または開方向変化量)と単位蛇行量との関係式を事前に定義しておく。そして、ステップs1では、リミット設定部43は先ず、コイラーサイドガイド75a,75bの開度D21をもとに許容蛇行量を決定し、この許容蛇行量と、第7スタンド3−7からコイラーサイドガイド75a,75bまでの距離D25とから許容される単位蛇行量を逆算する。その後、リミット設定部43は、前述の関係式に従い、逆算した単位蛇行量に対応する圧下量の変化量を閉方向変化量および開方向変化量として算出し、これらを蛇行許容リミットとして設定する。このように蛇行許容リミットを設定することによれば、鋼板Sの蛇行によって通板性が阻害される事態を抑制できる。
なお、ここでは、第7スタンド3−7について蛇行許容リミットを設定する場合を説明したが、第1〜第6スタンド3−1〜3−6について蛇行許容リミットを設定する場合には、コイラーサイドガイド75a,75bまでの距離D25にかえて次の圧延スタンド3のサイドガイド37a,37bまでの距離を用い、該当するサイドガイド37a,37bの開度をもとに同様の要領で設定する。
図3に戻る。続いて、リミット設定部43は、圧延スタンド3毎にマスフロー許容リミットを設定する(ステップs3)。圧下量が変化すると、圧延スタンド3の入側と出側とでマスフローに乱れが生じてループが発生する場合があり、通板性を阻害する要因となる。そこで、圧延スタンド3の入側を通過する単位時間あたりの鋼板Sの体積と、出側を通過する単位時間あたりの鋼板Sの体積との体積差をループ発生の指標値として用いる。具体的には、入側の体積に対する前述の体積差の割合をマスフロー補償量とし、圧下量の閉方向変化量とマスフロー補償量との関係式および圧下量の開方向変化量とマスフロー補償量との関係式を事前に定義しておく。
そして、ステップs3では、リミット設定部43は先ず、マスフロー補償量の許容値(許容マスフロー補償量)を指定する(指定工程)。この許容マスフロー補償量の指定は、例えば、オペレータが手介入可能な値として操業上定められている値の範囲内においてオペレータの入力操作を受け付けることにより行う。このとき、閉方向と開方向とで別個に値を指定し、閉方向についての許容値および開方向についての許容値を許容マスフロー補償量とする。なお、許容マスフロー補償量は、オペレータの入力操作を受け付けて指定する構成に限らず、事前に固定値として設定しておく構成としてもよい。具体的な値の一例としては、例えば、許容マスフロー補償量は、閉方向について0.5[%]以下、開方向について1.0[%]以下とする。開方向に比べて閉方向の許容値を小さくしているのは、閉方向に圧下量が変化する場合(ロールギャップが狭まる場合)の方が開方向に圧下量が変化する場合よりもマスフローの乱れが生じ易いためである。
その後、リミット設定部43は、前述の関係式に従って閉方向についての許容値に対応する圧下量の閉方向変化量を算出するとともに、開方向についての許容値に対応する圧下量の開方向変化量を算出して、これらをマスフロー許容リミットとして設定する。このようにマスフロー許容リミットを設定することによれば、ループの発生を回避して通板性を確保することができる。
図3に戻る。続いて、リミット設定部43は、圧延スタンド3毎に形状許容リミットを設定する(ステップs5)。図5は、圧延後の鋼板Sの側端部の形状を模式的に示す側面図である。鋼板Sを圧延する際、圧下量の変化が大きく圧延荷重が増加すると、図5に示すように側端部にうねりが生じて形状悪化し、通板性を阻害する要因となる。
そこで、図5に示す1つのうねりの高さHをその幅Wで除した急峻度(H/W)を形状変化の指標値として用い、圧下量の変化量(閉方向変化量または開方向変化量)と急峻度との関係式を事前に定義しておく。そして、ステップs5では、リミット設定部43は先ず、急峻度の許容値(許容急峻度)を指定する。この許容急峻度の指定は、例えばオペレータの入力操作を受け付けることにより行う。なお、許容急峻度は、オペレータの入力操作を受け付けて指定する構成に限らず、事前に固定値として設定しておく構成としてもよい。具体的な値の一例としては、例えば、許容急峻度は、±0.5[%]以下とする。この範囲内であれば、形状変化を十分小さく抑えられるためである。
その後、リミット設定部43は、前述の関係式に従い、許容急峻度に対応する圧下量の変化量を閉方向変化量および開方向変化量として算出し、これらを形状許容リミットとして設定する。このようにマスフロー許容リミットを設定することによれば、圧延時に鋼板Sの側端部に生じる波状の形状変化を通板性に影響しない程度に抑制し、通板性を確保することができる。
図3に戻る。続いて、リミット設定部43は、圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値を設定する(ステップs7)。具体的には、ステップs1で蛇行許容リミットとして設定した圧下量の閉方向変化量、ステップs3でマスフロー許容リミットとして設定した圧下量の閉方向変化量、およびステップs5で形状許容リミットとして設定した圧下量の閉方向変化量のうちの最小値を圧下量の閉方向の調整量上限値とする一方、ステップs1で蛇行許容リミットとして設定した圧下量の開方向変化量、ステップs3でマスフロー許容リミットとして設定した圧下量の開方向変化量、およびステップs5で形状許容リミットとして設定した圧下量の開方向変化量のうちの最小値を圧下量の開方向の調整量上限値とする。そして、リミット設定部43は、設定した圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値を板厚制御部41に出力する(ステップs9)。
その後は、板厚制御部41は、リミット設定部43によって設定された圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値の範囲内で圧下量の調整を行い、鋼板Sの板厚制御を行う。圧下量を閉方向に調整するときに調整量が閉方向の調整量上限値を超える場合には調整量を閉方向の調整量上限値に修正し、圧下量を開方向に調整するときに調整量が開方向の調整量上限値を超える場合には調整量を開方向の調整量上限値に修正して、板厚制御を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、通板性に影響する蛇行量、マスフロー補償量、急峻度を考慮して圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値を適切に設定することができる。そして、調整の前後でその調整量が前述の調整量上限値を超えないように圧下量を調整し、板厚制御を行うことができる。これによれば、板厚制御部41による圧下量の調整量を通板性が確保される範囲に制限することができる。したがって、安定した通板性を確保しつつ板厚制御の精度向上を図ることができる。
なお、上記した実施の形態では、蛇行許容リミットとして設定した圧下量の閉方向変化量、マスフロー許容リミットとして設定した圧下量の閉方向変化量、および形状許容リミットとして設定した圧下量の閉方向変化量のうちの最小値を圧下量の閉方向の調整量上限値とし、蛇行許容リミットとして設定した圧下量の開方向変化量、マスフロー許容リミットとして設定した圧下量の開方向変化量、および形状許容リミットとして設定した圧下量の開方向変化量のうちの最小値を圧下量の開方向の調整量上限値とした。これに対し、蛇行許容リミット、マスフロー許容リミット、および形状許容リミットのうちのいずれか1つ、あるいは2つを選んで設定し、圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値を設定するようにしてもよい。2つを選ぶ場合は、小さい方の閉方向変化量を圧下量の閉方向の調整量上限値とし、小さい方の開方向変化量を圧下量の開方向の調整量上限値とすればよい。
また、上記した実施の形態では、絶対値AGCにより板厚を制御する場合について説明したが、板厚制御の手法については特に限定されるものではなく、別の手法で行う場合にも同様に適用できる。
(実施例)
図3の処理手順に従ってリミット設定処理を行い、圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値を設定した。このとき、第1〜第6スタンド3−1〜3−6について蛇行許容リミットを設定するのに用いるサイドガイド37a,37bの開度を40[mm]とし、次の圧延スタンド3のサイドガイド37a,37bまでの距離を5600[mm]とした。また、第7スタンド3−7について蛇行許容リミットを設定するのに用いるコイラーサイドガイド75a,75bの開度を50[mm]とし、コイラーサイドガイド75a,75bまでの距離を10000[mm]とした。
そして、設定した圧下量の閉方向の調整量上限値および開方向の調整量上限値の範囲内で圧下量の調整を行い、鋼板の板厚制御を行った。本実施例では、板厚が12[mm]で、板幅が1474[mm]のハイテン材(高張力鋼板)を対象とした。その後、得られたコイルの長手方向に沿って目標の板厚に対する板厚偏差を測定した。測定結果を図6に示す。この結果、板厚偏差150[μm]以内のオンゲージ率は99[%]であり、板厚不良を十分に削減できた。また、得られたコイルの先端10[m]の近傍3点における板厚偏差の平均を先端板厚精度として算出した。この結果、十分な先端板厚精度が得られた。
また、従来の操業にかえて実施例による操業を開始し、板厚裏歩留を月毎に集計した。集計結果を図7に示す。この結果、実施例による操業によって板厚裏歩留が大きく低減した。
1 圧延ライン
2 仕上圧延機
3(3−1〜3−7) 圧延スタンド
31a,31b ワークロール
33a,33b バックアップロール
35 圧下装置
37a,37b サイドガイド
39 荷重検出器
4 板厚制御装置
41 板厚制御部
43 リミット設定部
6 板厚計
7 コイル巻取機
71a,71b ピンチロール
73 ダウンコイラー
75a,75b コイラーサイドガイド
S 鋼板

Claims (3)

  1. 所定の搬送方向に搬送される鋼板の板厚を目標の板厚に圧延するための板厚制御を行う板厚制御方法であって、
    前記鋼板の蛇行量、マスフロー補償量、および形状変化の急峻度の許容値のうちの少なくとも1つをもとに、ワークロールを閉方向に調整するときの圧下量の閉方向変化量およびワークロールを開方向に調整するときの開方向変化量の上限値を設定する設定工程と、
    調整前後の圧下量の変化量が前記上限値を超えない範囲内で圧下量を調整し、前記鋼板の板厚制御を行う板厚制御工程と、
    を含むことを特徴とする板厚制御方法。
  2. 前記設定工程は、前記マスフロー補償量の許容値として、前記閉方向についての許容値を指定するとともに、前記閉方向についての許容値よりも大きい値で前記開方向について許容値を指定する指定工程を含み、
    前記鋼板の蛇行量の許容値、前記マスフロー補償量の前記閉方向についての許容値、および前記形状変化の急峻度の許容値毎に前記閉方向変化量を算出し、該許容値毎の閉方向変化量のうちの最小値を前記閉方向変化量の上限値として設定するとともに、前記鋼板の蛇行量の許容値、前記マスフロー補償量の前記開方向についての許容値、および前記形状変化の急峻度の許容値毎に前記開方向変化量を算出し、該許容値毎の開方向変化量のうちの最小値を前記開方向変化量の上限値として設定することを特徴とする請求項1に記載の板厚制御方法。
  3. 所定の搬送方向に搬送される鋼板の板厚を目標の板厚に圧延するための板厚制御を行う板厚制御装置であって、
    前記鋼板の蛇行量、マスフロー補償量、および形状変化の急峻度の許容値のうちの少なくとも1つをもとに、ワークロールを閉方向に調整するときの圧下量の閉方向変化量およびワークロールを開方向に調整するときの開方向変化量の上限値を設定する設定手段と、
    調整前後の圧下量の変化量が前記上限値を超えない範囲内で圧下量を調整し、前記鋼板の板厚制御を行う板厚制御手段と、
    を備えることを特徴とする板厚制御装置。
JP2012279727A 2012-12-21 2012-12-21 板厚制御方法および板厚制御装置 Active JP5790638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012279727A JP5790638B2 (ja) 2012-12-21 2012-12-21 板厚制御方法および板厚制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012279727A JP5790638B2 (ja) 2012-12-21 2012-12-21 板厚制御方法および板厚制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014121725A true JP2014121725A (ja) 2014-07-03
JP5790638B2 JP5790638B2 (ja) 2015-10-07

Family

ID=51402685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012279727A Active JP5790638B2 (ja) 2012-12-21 2012-12-21 板厚制御方法および板厚制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5790638B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104741388A (zh) * 2015-04-15 2015-07-01 东北大学 一种热连轧精轧厚度控制方法
CN106623429A (zh) * 2016-10-21 2017-05-10 过冬 低氧含量航空钛合金精密薄板材的轧制成型方法
JP2020131196A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 日本製鉄株式会社 熱延コイルの製造方法
CN112808780A (zh) * 2020-12-31 2021-05-18 浦项(张家港)不锈钢股份有限公司 一种冷轧机压延目标厚度的计算方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08255003A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Toshiba Corp 圧延機制御装置
JP2000271622A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Sumitomo Metal Ind Ltd 圧延機の圧延条件算出方法及び圧延条件算出装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08255003A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Toshiba Corp 圧延機制御装置
JP2000271622A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Sumitomo Metal Ind Ltd 圧延機の圧延条件算出方法及び圧延条件算出装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104741388A (zh) * 2015-04-15 2015-07-01 东北大学 一种热连轧精轧厚度控制方法
CN106623429A (zh) * 2016-10-21 2017-05-10 过冬 低氧含量航空钛合金精密薄板材的轧制成型方法
JP2020131196A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 日本製鉄株式会社 熱延コイルの製造方法
JP7225880B2 (ja) 2019-02-13 2023-02-21 日本製鉄株式会社 熱延コイルの製造方法
CN112808780A (zh) * 2020-12-31 2021-05-18 浦项(张家港)不锈钢股份有限公司 一种冷轧机压延目标厚度的计算方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5790638B2 (ja) 2015-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5790638B2 (ja) 板厚制御方法および板厚制御装置
JP2012086252A (ja) リバース圧延機における板厚制御方法
JP2006263779A (ja) 熱間圧延設備のサイドガイド制御方法
JP6628049B2 (ja) タンデム圧延機における走間板厚変更方法
JP6620777B2 (ja) 圧延機のレベリング設定方法および圧延機のレベリング設定装置
JP7225880B2 (ja) 熱延コイルの製造方法
JP6870359B2 (ja) 演算装置および演算方法
JP2011088172A (ja) 冷間圧延機の板厚制御装置及び板厚制御方法
JP6760252B2 (ja) 圧延機の制御装置および制御方法
KR101443082B1 (ko) 강판 두께 제어 장치 및 그 방법
JP2017225988A (ja) 圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法
JP6870358B2 (ja) 演算装置および演算方法
JP2803573B2 (ja) テーパー鋼板の製造方法
JP7116260B2 (ja) 圧延装置の運転方法並びに圧延装置の制御装置及び圧延設備
JP5385643B2 (ja) 多段圧延機における板厚制御方法及び板厚制御装置
JP5631233B2 (ja) 圧延機の板厚制御方法
JP2012183578A (ja) 冷間圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置
JP2013180323A (ja) 薄鋼板の製造方法
JP7314921B2 (ja) 熱間圧延鋼帯の蛇行制御方法、蛇行制御装置及び熱間圧延設備
JP6520864B2 (ja) 圧延機の板厚制御方法および装置
JP6562010B2 (ja) 圧延機の制御装置および制御方法
JP7150994B2 (ja) 圧延装置の制御装置及び圧延設備並びに圧延装置の運転方法
JP4223344B2 (ja) 連続圧延機の板厚推定方法及びその推定方法を用いた板厚制御方法
JP6673285B2 (ja) 被圧延材の形状制御装置及び形状制御方法ならびに金属薄板の製造方法
JP6809490B2 (ja) 圧延材の蛇行制御方法、圧延材の蛇行制御装置、及び圧延材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5790638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250