JP2000271622A - 圧延機の圧延条件算出方法及び圧延条件算出装置 - Google Patents

圧延機の圧延条件算出方法及び圧延条件算出装置

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JP2000271622A
JP2000271622A JP11084427A JP8442799A JP2000271622A JP 2000271622 A JP2000271622 A JP 2000271622A JP 11084427 A JP11084427 A JP 11084427A JP 8442799 A JP8442799 A JP 8442799A JP 2000271622 A JP2000271622 A JP 2000271622A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可逆式圧延機のパス毎の圧延条件を算出する
計算の回数を低減する圧延条件算出方法及び圧延条件算
出装置の提供。 【解決手段】 目標板厚ho を最終パスの出側板厚h
(1) として設定し(ステップS1)、最終パスから先行
側のパスへ遡って各パスの圧延条件を計算する(ステッ
プS3,S4,S5)。該圧延条件が可逆式圧延機の許
容値内であるか否かを判定し、圧延条件が許容値から外
れる場合(ステップS6:N)、当該パスの圧延条件を
許容値内に納めるべく再計算する(ステップS8)。そ
して入側板厚h(J+1) が圧延開始板厚hs より大きい場
合(ステップS9:Y)、入側板厚h(J+1) と圧延開始
板厚hs との差を吸収すべく再計算したパスの圧下条件
を調整する丸め処理を行う(ステップS12)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被圧延材を複数回の
パスで開始板厚から目標板厚に圧延する圧延機にて、各
パスの圧延条件を算出する圧延条件算出方法、及びその
方法を実施するための圧延条件算出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上下に配置された円柱状のワークロール
を備える可逆式圧延機に被圧延材を複数回通板し(以下
パスという)、上下のワークロールにより被圧延材に荷
重を加えることによって目標板厚に仕上げる可逆式圧延
においては、少ないパス回数で平坦な形状の鋼板を仕上
げることが重要である。
【0003】パス回数を少なくするためには圧延荷重を
大きくするのであるが、圧延荷重が大き過ぎる場合、ワ
ークロールを支持する両端部に荷重がかかるので、被圧
延材の縁部が過剰に圧延され耳波と呼ばれる形状不良が
圧延途中に発生する。このような形状不良は絞り込み及
び中割れ等のトラブルの原因となるため、形状不良が発
生した場合には、以降のパスで安定して圧延することが
非常に困難になる。
【0004】図6は耳波が発生した被圧延材を示す斜視
図である。図6に示すように圧延荷重が大き過ぎて耳波
が発生した被圧延材においては、中央部は平坦である
が、縁部は波状になっている。波の大きさは、式1に示
す様にパラメータとして波高さt及び周期lを用いた急
峻度λとして表し、急峻度λは許容急峻度、即ちトラブ
ルを生じさせない範囲で最大の急峻度内に納めなければ
ならない。
【0005】 λ=t/l…………………………………………………式1 但し、λ:急峻度 t:波高さ l:周期
【0006】また耳波が発生しない程度の荷重でも圧延
荷重の大きさによっては、被圧延材の中央部より縁部が
過剰に圧延される。このような被圧延材の形状を示す指
標として、被圧延材の中央部と縁部との板厚の差である
板クラウンCrが用いられる。なお被圧延材に荷重を加
えるワークロールは、ワークロールを支持する両端部に
かかる荷重により撓むことを考慮して直径が一定ではな
く端部より中央部の直径が大きい形状に形成されてお
り、この形状はワークロールクラウンCwrとして、最
も大きい中央部の直径と最も小さい端部の直径との差に
より示される。
【0007】このような形状不良を防止し、しかも少な
いパス回数で圧延するため、被圧延材の板厚が厚い先行
パスの段階では、圧延荷重を大きくしてパス回数を少な
くし、板厚が薄くなり形状不良が発生し易くなる後行パ
スの段階では、圧延荷重を小さくして被圧延材を平坦な
形状に整える。このため平坦な形状の鋼板を少ないパス
回数で仕上げるためには、圧延荷重等の圧延条件をパス
毎に設定したパススケジュールを算出しなければならな
い。
【0008】パス毎の圧延条件を算出する方法として
は、以下に示す方法が特公昭61-32086号公報に開示され
ている。図7は従来の圧延条件算出方法を説明するグラ
フである。図7では横軸に被圧延材の板厚をとり、縦軸
に被圧延材の板クラウンをとって、n回のパスでhn の
目標板厚に圧延するための板厚と板クラウンとの関係を
示している。
【0009】図中△は先行パスの段階で圧延機の許容値
内の最大荷重により圧延した場合の板厚と板クラウンと
の関係を示しており、開始板厚ho から式2を用いて、
各パスにおいて許容最大荷重P(i) に対するiパス目の
出側板厚h(i) を求め、式3を用いて許容最大トルクT
r(i) に対するiパス目の出側板厚h(i) を求めて、2
つの出側板厚h(i) を比較する。そして大きい方を目標
とする出側板厚h(i)とし、該出側板厚h(i) から式4
を用いてiパス目の出側板クラウンCr(i) を算出して
プロットしたものである。このパスを全負荷パスと呼び
1パス目から順に計算する。
【0010】 P(i) =f1(h(i) ,h(i-1) ,kfm(i) ,W)……式2 但し、P(i) :iパス目の荷重 h(i) :iパス目の出側板厚 h(i-1) :iパス目の入側板厚(i−1パス目の出側板
厚) kfm(i) :iパス目の変形抵抗 W:板幅
【0011】 Tr(i) =f2(P(i) ,h(i) ,h(i-1) )……………式3 但し、Tr(i) :iパス目のトルク
【0012】 Cr(i) =f3(P(i) ,W,Cwr)…………………式4 但し、Cr(i) :板クラウン Cwr:ワークロールクラウン
【0013】図中○は後行パスの段階で被圧延材の許容
急峻度を維持できる範囲内で最大荷重により圧延した場
合の板厚と板クラウンとの関係を示しており、目標板厚
hnから式2、式4、式5、及び式6を用いて、各パス
において急峻度が最大急峻度λ(i) となる出側板厚h
(i) 及び出側板クラウンCr(i) を算出してプロットし
たものである。このパスを形状調整パスと呼び最終パス
であるnパス目から遡って計算する。
【0014】 Δr(i) =Cr(i) /h(i) −Cr(i-1) /h(i-1) ………式5 但し、Δr(i) :iパス目の板クラウン比率変化
【0015】 λ(i) =f4(h(i) ,W)×√|Δr(i) |……………式6 但し、λ(i) :iパス目の急峻度
【0016】このようにして先行側のパスの段階では全
負荷パスにより圧延し、後行側のパスの段階では形状調
整パスにより圧延する。全負荷パスから形状調整パスへ
切り替わるパスをつなぎパスと呼び図7ではn−3パス
目がこれにあたる。ただし全負荷パスの計算により求め
たつなぎパスと形状調整パスの計算により求めたつなぎ
パスとは通常一致することはなく、圧延条件を調整して
これらのつなぎパスを一致させなければならない。即ち
先行パス及び後行パスにおいて負荷する荷重を小さくし
て再計算をする。この再計算を図中●で示すようにつな
ぎパスが一致するまで繰り返し、一致した条件を最適な
パススケジュールとする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公昭61
-32086号公報に開示された方法においては、最適なパス
スケジュールを算出するために、全てのパスにおける2
通りの圧延条件を多数回再計算する必要があるため、計
算に要する負荷が大きく計算時間が長くなるという問題
がある。なお鋼板の開始板厚及び/又は目標板厚は毎回
変わるため、鋼板毎にパススケジュールを算出する必要
があり、計算時間の長さは生産サイクルの延長及び算出
装置の独占等の悪影響をもたらす場合がある。
【0018】また従来の算出方法で可逆式圧延プロセス
にオンラインで適用する場合、計算時間を短縮するため
高性能な算出装置が必要になりシステムのコストアップ
につながるという問題がある。
【0019】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、最終パスから先行パスへ各パスにおける圧延荷
重、圧延トルク、及び圧下量等の圧延条件を許容急峻度
となるように遡って計算し、該圧延条件が予め設定され
ている圧延機の許容値から外れる場合に、当該パスの圧
延条件を再計算し、1パス目に相当するパスの入側板厚
が開始板厚と一致しないときに、その差異を吸収すべ
く、再計算したパスの圧延条件を調整する丸め処理を行
うことにより、計算に要する負荷を従来の方法より軽減
して計算時間を短縮し、算出装置を有効利用することが
できる圧延機の圧延条件算出方法及び圧延条件算出装置
の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る圧延機の
圧延条件算出方法では、被圧延材を複数回のパスで開始
板厚から目標板厚に圧延する圧延機にて、入側板厚から
出側板厚に圧延する各パスの圧延条件を算出する圧延条
件算出方法において、目標板厚を出側板厚とする最終パ
スから先行側のパスへ各パスの圧延条件を計算し、該圧
延条件が予め設定されている圧延機の許容値から外れる
場合に、当該パスの圧延条件を許容値内に納めるべく再
計算し、パスの入側板厚が開始板厚より厚くなったとき
に、入側板厚及び開始板厚の差を吸収すべく、再計算し
たパスの圧延条件を調整することを特徴とする。
【0021】第2発明に係る圧延機の圧延条件算出装置
では、被圧延材を複数回のパスで開始板厚から目標板厚
に圧延する圧延機にて、入側板厚から出側板厚に圧延す
る各パスの圧延条件を算出する圧延条件算出装置におい
て、目標板厚を出側板厚とする最終パスから先行側のパ
スへ各パスの圧延条件を計算する手段と、計算した圧延
条件が予め設定されている圧延機の許容値から外れる場
合に、当該パスの圧延条件を許容値内に納めるべく再計
算する手段と、パスの入側板厚が開始板厚より厚くなっ
たときに、入側板厚及び開始板厚の差を吸収すべく、再
計算したパスの圧延条件を調整する手段とを備えること
を特徴とする。
【0022】本発明にあっては、最終パスから先行パス
へ遡って各パスにおける圧延荷重、圧延トルク、及び圧
下量等の圧延条件を許容急峻度となるように計算し、該
圧延条件が予め設定されている許容値から外れる場合
に、当該パスの圧延条件を再計算し、パスの入側板厚が
開始板厚より厚くなったときに、その差異を吸収すべ
く、再計算したパスの圧延条件を調整することにより、
先行側のパスで数回の再計算及び調整を行うだけでよ
く、従来の方法のように全てのパスで2通りの圧延条件
を多数回再計算する必要がないため、計算に要する負荷
を従来の方法より軽減して計算時間を短縮し、算出装置
を有効利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明の圧延条件
算出装置を適用した可逆式圧延機を示す模式図である。
図中1は板状の被圧延材であり、被圧延材11を搬送す
る複数のロールを有する第1テーブルローラ12及び第
2テーブルローラ13が連続して配設されていいる。こ
れらの第1テーブルローラ12及び第2テーブルローラ
13のロールを同方向へ回転させることにより、被圧延
材11は第1テーブルローラ12側から第2テーブルロ
ーラ13側へ、又は第2テーブルローラ13側から第1
テーブルローラ12側へ搬送される。
【0024】第1テーブルローラ12と第2テーブルロ
ーラ13との間には、被圧延材11に荷重を加える上下
一対のワークロール14,14と、それらを支持する上
下一対のバックアップロール15,15が配設されてお
り、第1テーブルローラ12側から第2テーブルローラ
13側へ、又は第2テーブルローラ13側から第1テー
ブルローラ12側へ搬送されていく被圧延材11を圧延
する。この一回の圧延を1パスという。また夫々のワー
クロール14,14の回転軸14a,14aを介して被
圧延材11に荷重を加える図示しない圧下装置が備えら
れており、該圧下装置は荷重を加えるために圧下位置を
調整し、これにより板厚の制御が行われる。被圧延材1
1が圧延されながら第1テーブルローラ12側から第2
テーブルローラ13側へ搬送された後、逆方向へ同様の
動作を行うことにより、被圧延材11は再度圧延されな
がら第2テーブルローラ13側から第1テーブルローラ
12側へ搬送される。
【0025】このように可逆式圧延機は被圧延材11を
所定回数往復させて圧延を繰り返し、被圧延材11を目
標板厚に仕上げるため、プロセスコンピュータ10に制
御されており、プロセスコンピュータ10の制御は、通
信回線16を介して圧延条件算出装置から送信されるパ
ス毎の圧延荷重等の圧延条件を示すパススケジュールに
基づいている。
【0026】図2は本発明の圧延条件算出装置を示すブ
ロック図である。図中20は本発明の圧延条件算出装置
として用いられるパーソナルコンピュータ(以下パソコ
ンという)であり、パソコン20は各パスの圧延条件を
算出するためのプログラムを実行するCPU21を備
え、CPU21にはプログラム及びデータ等の情報を記
録するハードディスク22、CPU21の処理中に発生
するデータを一時的に記憶するRAM23、マウス及び
キーボード等の入力手段24、モニタ及びプリンタ等の
出力手段25、並びに算出した圧延条件をプロセスコン
ピュータ10へ通信回線16を介して送信する通信イン
ターフェース26が接続されている。
【0027】なお決定したパススケジュールは通信イン
ターフェース26から通信回線16を介して可逆圧延装
置へ送信するだけでなく、出力手段25から出力される
算出結果を確認し、作業者が可逆圧延装置のプロセスコ
ンピュータ10へ入力してもよく、更にはプロセスコン
ピュータ10に圧延条件を算出するためのプログラムを
実行させて、本発明の圧延条件算出装置として用いても
よい。
【0028】次に本発明の圧延条件算出方法を図3の圧
延条件算出装置の処理内容を示すフローチャートに基づ
いて説明する。先ず計算に用いる目標板厚ho 及び目標
板クラウンCrO の入力を受け付け、最終パスの出側板
厚h(1) 及び出側板クラウンCr(1) として設定し(ス
テップS1)、最終パスから計数したパス回数を示すカ
ウンタJに”1”を設定する(ステップS2)。
【0029】式4:Cr(i) =f3(P(i) ,W,Cw
r)を用いてJパス目の出側板クラウンCr(J) 、板幅
W、及びワークロールクラウンCwrからJパス目の圧
延荷重P(J) を計算する(ステップS3)。最初の段階
ではJ=1であるため製品板クラウンCr(1) 等のパラ
メータの数値から最終パスにおける圧延荷重P(1) を計
算することになる。
【0030】式2:P(i) =f1(h(i) ,h(i-1) ,
kfm(i) ,W)を用いてJパス目の出側板厚h(J) 、
圧延荷重P(J) 、変形抵抗kfm(J) 、及び板幅Wから
Jパス目の入側板厚h(J+1) を計算する(ステップS
4)。最初の段階ではJ=1であるため最終パスの入り
側板厚、即ち最終パスから1つ前の出側板厚を計算する
ことになる。
【0031】式3:Tr(i) =f2(P(i) ,h(i) ,
h(i-1) )を用いてJパス目の圧延荷重P(J) 、Jパス
目の入側板厚h(J+1) 、及びJパス目の出側板厚h(J)
からJパス目の圧延トルクTr(J) を計算する(ステッ
プS5)。
【0032】そしてステップS3〜ステップS5で計算
された圧延荷重P(J) 及び圧延トルクTr(J) 、並びに
入側板厚と出側板厚との差である圧下量h(J+1) −h
(J) の全ての圧延条件が、予め設定されている可逆式圧
延機の許容値内であるか否かを判定する(ステップS
6)。
【0033】ステップS6において、全ての圧延条件の
値が予め設定されている可逆式圧延機の許容値内である
場合、Jパス目の圧延設定は設備能力上可能と判断し
(ステップS6:Y)、入側板厚h(J+1) が圧延開始板
厚hs より大きいか否かを判定する(ステップS9)。
【0034】ステップS6において、圧延荷重P(J) 、
圧延トルクTr(J) 、及び圧下量h(J+1) −h(J) の値
の内いずれか一つでも可逆式圧延機の許容値から外れる
場合、Jパス目の圧延設定は設備能力上不可能と判断し
(ステップS6:N)、当該パス番号Jを限界パスJma
x として記憶し(ステップS7)、圧延荷重P(J) 、圧
延トルクTr(J) 、及び圧下量h(J+1) −h(J) が小さ
くなるように入側板厚h(J+1) を小さくして、これらの
値が全て許容値内に納まる最大の入側板厚h(J+1) を求
めるように再計算する(ステップS8)。なおこの再計
算は許容値から外れる項目の値を許容値の値にして入側
板厚h(J+1) を求めれば良いので許容値と比較する圧延
条件の数、即ち3回より多く再計算することはなく、こ
の再計算により計算回数が著しく増加することはない。
また限界パスJmax は特公昭61-32086号公報に開示され
た方法のつなぎパスに相当し、このため最初に記憶した
パス番号から変わることがないように、Jパス目以降で
Jmax の値が更新されないように設定されている。
【0035】そして再計算により求められた入側板厚h
(J+1) が圧延開始板厚hs より大きいか否かを判定する
(ステップS9)。ステップS9において入側板厚h(J
+1) が圧延開始板厚hs より小さい場合、J+1回以上
の圧延が必要と判断し(ステップS9:N)、式5:Δ
r(i) =Cr(i) /h(i) −Cr(i-1) /h(i-1) 、及
び式6:λ(i) =f4(h(i) ,W)×√|Δr(i) |
を用いて出側板厚h(J) 、出側板クラウンCr(J) 、入
側板厚h(J+1) 、及び許容急峻度λ(J) から入側板クラ
ウンCr(J+1) を算出する(ステップS10)。
【0036】なおステップS10における式5及び式6
を用いた計算では、必ずCr(J+1)>Cr(J) の関係が
成り立ち、ステップS3における式4ではCr(J) はP
(J)に比例していて必ずP(J+1) >P(J) となり、カウ
ンタJが増加する方向、即ち後行パスから先行パスへ行
くほど圧延荷重P(J) は増加する。これによりJmaxパ
ス目以降の計算では全てのパスがステップ6において圧
延荷重P(J) 及び/又は圧延トルクCr(J) の許容値を
超えることになり、ステップ8において再計算が行われ
る。このためJmax パス目より先行側のパスは特公昭61
-32086号公報に開示された方法の全負荷パスに相当し、
後行側のパスは形状調整パスに相当する。
【0037】そしてカウンタJに”1”を加えて(ステ
ップS11)、ステップS3に戻り、一つ先行側のパス
についての圧延条件を計算する。
【0038】ステップS9において入側板厚h(J+1) が
圧延開始板厚hs より大きい場合、圧延はJ回で完了と
判断する(ステップS9:Y)。そして入側板厚h(J+
1) と圧延開始板厚hs との差である過剰圧下量Δhを
吸収すべく、ステップS8における再計算により最大荷
重で圧下するように設定されているJmax パス目からJ
パス目までの夫々のパスに、予め設定されている所定の
規則に従って過剰圧下量Δhの振り分けることにより、
過剰圧下量Δhを吸収し、Jmax パス目からJパス目ま
での圧下量を調整する丸め処理を行う(ステップS1
2)。
【0039】図4は本発明の圧延条件算出方法における
圧下量を調整する丸め処理を概念的に示す説明図であ
る。図4には縦軸に板厚をとり、圧延開始板厚hs から
製品板厚ho までの板厚の変化を階段状のグラフで示し
たものであり、グラフ(a)が丸め処理前の板厚の変化
を示し、グラフ(b)が丸め処理後の板厚の変化を示
す。グラフ(a)に示すように丸め処理前では、製品板
厚ho から遡って計算したJパス目の出側板厚h(J) は
圧延開始板厚ho より薄く、Jパス目の入側板厚h(J+
1) は圧延開始板厚ho よりΔh厚い。
【0040】この過剰圧下量Δhを吸収すべく、Jmax
パス目からJパス目までの夫々のパスに予め設定されて
いる所定の規則に従って過剰圧下量Δhを振り分ける丸
め処理を行ったのがグラフ(b)であり、Jmax パス目
以降の板厚が夫々丸め処理前の板厚より薄くなってお
り、丸め処理後のJパス目の入側板厚h'(J+1)は圧延開
始圧hs に一致する。
【0041】このようにして計算した各パスの圧延条件
を示すパススケジュールを、通信インターフェース26
から通信回線16を介してプロセスコンピュータ10へ
送信及び/又は出力手段25から出力し処理を完了す
る。
【0042】図5は本発明の圧延条件算出方法により計
算を行った結果を示す一覧の図表である。なお前提条件
は、圧延開始スラブサイズ:板厚92.85mm×板幅1
554mm×板長1221mm、製品サイズ:板厚6.02
mm×板幅1554mm×板長18832mm、製品板クラウ
ン:0.06mm、許容急峻度:全パス±3%以内、圧延
開始温度:941℃、最大許容荷重:5600ton 、及
び最大許容トルク:550 ton・m に設定している。
【0043】図5は全8回のパスにおける出口板厚、圧
延荷重、トルク、板クラウン、及び急峻度をパス毎に示
したものであり、図5においてJmax パスは5パス目で
あり、全てのパスにおいて許容急峻度内に納まってお
り、8パス目での製品板クラウンも目標通りになってい
る。
【0044】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る圧延機の
圧延条件算出方法及び圧延条件算出装置においては、最
終パスから先行パスへ遡って各パスにおける圧延荷重、
圧延トルク、及び圧下量等の圧延条件を許容急峻度とな
るように計算し、該圧延条件が予め設定されている許容
値から外れる場合に、当該パスの圧延条件を再計算し、
1パス目に相当するパスの入側板厚が開始板厚と一致し
ないときに、その差異を吸収すべく再計算したパスの圧
延条件を調整する丸め処理を行うことにより、先行側の
パスで数回の再計算及び調整を行うだけでよく、計算に
要する負荷を従来の方法より軽減して計算時間を短縮
し、算出装置を有効利用することができる等、優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延条件算出装置を適用した可逆式圧
延機を示す模式図である。
【図2】本発明の圧延条件算出装置を示すブロック図で
ある。
【図3】本発明の圧延条件算出装置の処理内容を示すフ
ローチャートである。
【図4】本発明の圧延条件算出処理方法における圧下量
を調整する丸め処理を概念的に示す説明図である。
【図5】本発明の圧延条件算出方法により計算を行った
結果を示す一覧の図表である。
【図6】耳波が発生した被圧延材を示す斜視図である。
【図7】従来の圧延条件算出方法を説明するグラフであ
る。
【符号の説明】
10 プロセスコンピュータ 11 被圧延材 12 第1テーブルローラ 13 第2テーブルローラ 14,14 ワークロール 15,15 バックアップロール 16 通信回線 20 圧延条件算出装置(パーソナルコンピュータ) 21 CPU 22 ハードディスク 23 RAM 24 入力手段 25 出力手段 26 通信インターフェース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧延材を複数回のパスで開始板厚から
    目標板厚に圧延する圧延機にて、入側板厚から出側板厚
    に圧延する各パスの圧延条件を算出する圧延条件算出方
    法において、 目標板厚を出側板厚とする最終パスから先行側のパスへ
    各パスの圧延条件を計算し、 該圧延条件が予め設定されている圧延機の許容値から外
    れる場合に、当該パスの圧延条件を許容値内に納めるべ
    く再計算し、 パスの入側板厚が開始板厚より厚くなったときに、入側
    板厚及び開始板厚の差を吸収すべく、再計算したパスの
    圧延条件を調整することを特徴とする圧延機の圧延条件
    算出方法。
  2. 【請求項2】 被圧延材を複数回のパスで開始板厚から
    目標板厚に圧延する圧延機にて、入側板厚から出側板厚
    に圧延する各パスの圧延条件を算出する圧延条件算出装
    置において、 目標板厚を出側板厚とする最終パスから先行側のパスへ
    各パスの圧延条件を計算する手段と、 計算した圧延条件が予め設定されている圧延機の許容値
    から外れる場合に、当該パスの圧延条件を許容値内に納
    めるべく再計算する手段と、 パスの入側板厚が開始板厚より厚くなったときに、入側
    板厚及び開始板厚の差を吸収すべく、再計算したパスの
    圧延条件を調整する手段とを備えることを特徴とする圧
    延機の圧延条件算出装置。
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