JP4223344B2 - 連続圧延機の板厚推定方法及びその推定方法を用いた板厚制御方法 - Google Patents

連続圧延機の板厚推定方法及びその推定方法を用いた板厚制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続圧延機における板厚推定方法及びその推定方法を用いた板厚制御方法に関するものである。
従来から、圧延スタンド(圧延機)の入側板厚や出側板厚を推定する方法としては、ゲージメータ方式やマスフロー方式が知られている。
ゲージメータ方式とは、ワークロールの間隙と、圧延荷重をミル定数で除算した値とを用いてスタンド出側の予測板厚を算出するものである。
マスフロー方式は、スタンド入側及び出側における圧延材の移送速度と、出側の実績板厚から、入側の予測板厚を算出するものである。
これらの板厚推定方法は、単独のスタンドの板厚算出には従来から広く用いられてきているものの、連続圧延機のように複数のスタンドが配置され、圧延材が連続的に移送しながら圧延される状況では、隣り合うスタンドの影響を考慮しつつ適用する必要性があった。
連続圧延機での板厚推定の技術については、例えば、特許文献1に開示されたものがあった。すなわち、連続圧延機において圧延材が定常的に圧延されている状況で、当該スタンドの前段にある前段スタンドで、ゲージメータ方式に基づいて出側板厚が算出されると共に、当該スタンドの入側板厚はマスフロー方式で算出されている。前記上流スタンドの出側板厚を精度よく推定するために、当該スタンドの入側板厚と上流スタンドの出側板厚との偏差を求めた上で、この偏差を用いて当該スタンドのゲージメータ予測式を補正するようにしている。
換言すれば、マスフロー方式で求められた当該スタンドの入側板厚情報を、ゲージメータ方式で求められる前段側スタンドの出側板厚に反映させるようなものとなっていた。
特許第3355089号公報 (3〜5頁、図1,2)
ところが、ゲージメータ方式で求められた出側板厚は、上流スタンド出側での板厚であり、マスフロー方式で求められた入側板厚は、当該スタンドの入側すぐの板厚であって、両板厚には、当該スタンドと上流スタンドの間の距離を圧延材が移動する時間に対応するむだ時間が存在するものとなっていた。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、前記むだ時間を補償する機能を有しておらず、当該スタンドにおけるゲージメータ予測式の補正は意味あるものとはなっていなかった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、複数のスタンドを備える連続圧延機において、当該スタンドの入側でのマスフロー予測板厚と、当該スタンドの前段に位置する上流スタンドの出側でのゲージメータ予測板厚と、この出側板厚が有するむだ時間とを基にして、上流スタンド出側の予測板厚推定値を精度よく算出可能とする連続圧延機の板厚推定方法を提供することを目的とするものである。
また、前記板厚推定方法を用いた連続圧延機の板厚制御方法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、 圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延する連続圧延機で、当該スタンドの下流側に設置された板厚計で得られた出側板厚の計測値を基に、時間tにおける当該スタンドの入側板厚をマスフロー方式で算出し、圧延材移送に起因するむだ時間を算出し、当該スタンドの前段に位置する上流スタンドで、前記むだ時間の間に生じる出側板厚の変化量をゲージメータ方式で算出した後、この変化量を当該スタンドの入側板厚に加算して、時間tにおける上流スタンドの出側板厚として推定することを特徴とする。
この技術的手段によれば、圧延材移送に起因するむだ時間中に生じる、上流スタンドのゲージメータ出側板厚の変化量に、当該スタンドのマスフロー入側板厚に加算することで、上流スタンドの出側板厚を推定することができるようになる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、前記むだ時間を、上流スタンドと当該スタンド間の距離と圧延材移送速度とから算出することを特徴とする。
この技術的手段によれば、上流スタンドと当該スタンド間の距離と圧延材移送速度とからむだ時間を算出することが可能となる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、前記むだ時間を、上流スタンド出側の圧延材移送速度を積算することで算出することを特徴とする。
この技術的手段によれば、上流スタンド出側の圧延材移送速度を積算してむだ時間を算出することが可能となる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、前記上流スタンドの出側板厚変化量は、上流スタンドの出側板厚の偏差の変化量、又は上流スタンドの出側板厚の絶対値の変化量、又は上流スタンドの圧延荷重の変化量及びロール間隙の変化量から算出される変化量のいずれか1つであることを特徴とする。
この技術的手段によれば、上流スタンドの出側板厚の偏差や絶対値、上流スタンドの圧延荷重やロール間隙等の圧延情報を利用することで、上流スタンドの出側板厚変化量を求めることができるようになる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、当該スタンドの入側板厚又は出側板厚に対してノイズ除去のためのフィルタ処理を行うと共に、このフィルタ処理に伴うむだ時間を補償することを特徴とする。
この技術的手段によれば、フィルタ処理に伴うむだ時間を補償しつつ、当該スタンドの入側板厚又は出側板厚に対してフィルタ処理を施すことが可能になる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、前記課題解決のための技術的手段のいずれかの板厚推定方法を再帰的に適用することにより、複数の圧延スタンドの出側板厚を推定することを特徴とする。
この技術的手段によれば、連続圧延機に備えられた複数の圧延スタンドの出側板厚を推定することが可能となる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延すると共に、当該スタンドの下流側に板厚計が設置されている連続圧延機において、前記板厚計で、当該スタンドにおける出側板厚が計測可能である際には、上述した連続圧延機の板厚推定方法を用いて、上流スタンドの出側板厚を推定し、前記当該スタンドにおける出側板厚が計測できない際には、上流スタンドの出側板厚をゲージメータ方式で算出することを特徴とする。
この技術的手段によれば、圧延開始時に、圧延材の先端部が当該スタンドに達していない状況であっても、連続圧延機に備えられた複数の圧延スタンドの出側板厚を推定することが可能となる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、上述した連続圧延機の板厚推定方法により上流スタンドの出側板厚を算出し、算出された上流スタンドの出側板厚を用いて上流スタンドのギャップ量を制御することを特徴とする。
この技術的手段によれば、出側板厚推定手段により算出される出側板厚を入力として上流スタンドのギャップ量を制御することができるようになる。
また、本発明方法における課題解決のための技術的手段は、上述した連続圧延機の板厚推定方法により上流スタンドの出側板厚を算出し、算出された出側板厚の位相を当該スタンド及び上流スタンド間の圧延材移送時間だけ遅延させ、遅延処理後の出側板厚当該スタンドの入側板厚とし、当該スタンドのギャップ量を制御することを特徴とする。
この技術的手段によれば、連続圧延機の板厚推定方法により算出される上流スタンドの出側板厚に遅延をかけた上で、当該スタンドのギャップ量をフィードフォワード制御することができるようになる。
本発明にかかる板厚推定方法を用いることで、上流スタンドの出側板厚を精度よく推定することができるようになる。
また、前記板厚推定方法を用いた連続圧延機の板厚制御方法により、高品質の圧延材を製造することが可能となる。
以下、本発明にかかる連続圧延機の板厚推定方法、及びその推定方法を用いた板厚制御方法を、薄鋼板の連続圧延を例示して説明する。
薄鋼板等の圧延材は、加熱されたスラブを複数のスタンドが備えられた連続圧延機(タンデム圧延機)に導入し、連続的に圧延することで製造される。連続圧延機において、圧延材移送方向の上流側に備えられたスタンドは粗スタンドであり、下流側に備えられたスタンドは、板厚などを整える仕上げスタンドである。
最終段の仕上げスタンドを出た圧延材は、巻き取り機であるコイラに巻き取られるようになっている。
図1は、前記連続圧延機1の下流側を模式的に示しているものであり、最終段の圧延スタンドであるスタンドF4(当該スタンド)と、その前段にあるスタンドF3(上流スタンド)が示されている。また、コイラはCで示されている。
各スタンドFiは、例えば一対のワークロール2を有すると共にそれらをバックアップする一対のバックアップロール3を供えている。
また、スタンドF4の出側には圧延材4の板厚を計測するための板厚計5が設置されており、例えば、この板厚計5はX線厚み計等から構成されている。
各スタンドFi間やスタンドF4の出側には、圧延材4の移送速度を計測するための速度検出計6が備えられている。この速度検出計6は、例えば、遊転ロールとロール軸に備えられた回転計から構成され、遊転ロールの回転速度から圧延材4の移送速度がわかるようになっている。
スタンドF3,F2,・・・には、圧下荷重P3,P2,・・・を計測するための圧延荷重計11が備えられると共に、各スタンドFiにはワークロール2の間隙を可変とする圧下手段(図示せず)が設けられている。
前述の如く、連続圧延機1は、スタンドF4の出側にのみ板厚計5を有しているため、他の部位すなわちスタンドF3,F2,・・・の出側の実績板厚を計測することができない。
しかしながら、高品質の圧延材4を製造するためには、各スタンドFiの出側板厚を推定し、これらを基に各スタンドFiの圧下率等の制御を行う必要がある。そのため、各スタンドFiにおいて、前段に位置するスタンドFi−1の出側板厚を推定する出側板厚推定手段7を備えている。この出側板厚推定手段7は、コンピュータ上にプログラムとして実現されているものである。
かかる出側板厚推定手段7は、図2のブロック図及び図3のフローチャートに示すような処理を行うことで、スタンドF4(当該スタンド)の圧延情報を基にしてスタンドF3(上流スタンド)の出側板厚を推定するものである。
この板厚推定方法の第1実施形態を以下説明する。
なお、以降、計測された板厚を実績板厚と呼び、推定板厚(予測板厚)は単に板厚と呼ぶ。したがって、出側板厚とは、スタンド出側の推定板厚のことである。
まず、図3のフローチャートに示す如く、スタンドF3において、ゲージメータ方式に基づいて、出側板厚hgk−1を[数1]により算出し、コンピュータメモリ上に順次格納するようにする。(S1,S2)
Figure 0004223344
ただし、Pk−1はスタンドF3における圧延荷重、Mk−1はミル定数、Sk−1はワークロール間隙である。
次に、スタンドF3からF4まで圧延材4搬送に伴うむだ時間をLk−1(t)を、[数2]を用いて計算する。
Figure 0004223344
ここで、Vk−1(t)はスタンドF3の出側移送速度であり、LはスタンドF3からF4までの距離である。距離Lの間で移送速度Vk−1(t)が一定であるならば、むだ時間Lk−1も一定となる。
次に、コンピュータ上のメモリに格納されたスタンドF3の出側板厚データから、むだ時間Lk−1だけ過去の時刻の出側板厚hgk−1(t−Lk−1)を取り出す。この処理により、出側板厚hgk−1のむだ時間の補償ができることになる。(S4)
取り出したhgk−1(t−Lk−1)を用いて、スタンドF3での板厚変化量hk−1(t)−hk−1(t−Lk−1(t))を算出する。(S5)
スタンドF3での板厚変化量hk−1(t)−hk−1(t−Lk−1(t))は、ゲージメータ方式で計算された出側板厚の偏差の変化量Δhgk−1(t)を用いて[数3(a)]で計算してもよく、ゲージメータ方式で計算された出側板厚絶対量hgk−1(t)の変化量を用いて[数3(b)]で計算してもよく、圧延荷重Pk−1(t)の変化量とワークロール間隙Sk−1の変化量を用いて[数3(c)]で計算してもよい。
Figure 0004223344
一方、処理ステップS6で、最終段のスタンドF4における時刻tでの出側実績板厚hk(t)と、出側実績移送速度Vk(t)と、入側実績移送速度Vk−1(t)を用いて、入側板厚Hmk(t)を[数4]から算出する。
なお、本実施形態の場合は、スタンドF4とスタンドF3の間には、圧延材4の張力を調整するルーパなどがないので、スタンドF3の出側移送速度Vk−1はスタンドF4の入側移送速度と一致している。
Figure 0004223344
ここで、最終的に推定したいスタンドF3の出側板厚について考えてみる。
本実施形態では、計測誤差等がないとした場合、スタンドF3のマスフロー方式による出側板厚hk−1(t)は、マスフロー方式で算出されたスタンドF4の入側板厚Hmk(t)にむだ時間Lk−1(t)を補償したhmk−1(t−Lk−1(t))と等しいと考える。すなわち、hmk−1(t−Lk−1(t))=Hmk(t)である。したがって、[数4]は[数5]のように変形可能である。
Figure 0004223344
このようにした上で、スタンドF3の出側板厚hk−1’(t)を、スタンドF3の出側板厚hmk−1(t−Lk−1(t))に、ゲージメータ方式により求められたスタンドF3での出側板厚変化量を加えることで推定するようにしている。ゆえに、推定値hk−1’(t)は、[数6]のように表され、この式を用いることで板厚予測が可能となる。(S7)
Figure 0004223344
さらに、[数6]に[数3]を代入することで[数7]のようになり、この[数7]を用いてスタンドF3の出側板厚の推定値hk−1’(t)を求めることも可能である。
Figure 0004223344
[数7]から得られるスタンドF3での出側板厚hk−1’(t)は、計測誤差などがなければ、出側板厚の真値hk−1(t)と一致するものとなっている。
このように、当該スタンド(スタンドF4)において、マスフロー方式により計算された出側板厚Hmk(t)にむだ時時間Lk−1(t)を補償することで、hmk−1(t−Lk−1(t))を算出し、これに[数3]のゲージメータ方式による出側板厚変化量を加えたものを、当該スタンドの前段に位置する上流スタンドの出側板厚の推定値とすることで、位相遅れがなく且つ高精度な上流スタンドの出側板厚hk−1’(t)を予測可能としている。
ここで、ゲージメータ方式による出側板厚hgk−1(t)において問題となったオフセット誤差は、[数7]のように変化量を求めることによってキャンセルされ、オフセット誤差の影響を全く受けなくなる。
なお、前記むだ時間Lk−1(t)は、スタンドF4,F3間の距離を用いず、それより長い距離を用いて算出してもよい。例えば、適当なむだ時間x(正数)を考え、Lk−1(t)+xとする。
すると、前段スタンド出側板厚のむだ時間Lk−1(t)+xの間における変化量hk−1’(t)−hk−1’(t−Lk−1(t)−x)は[数8]のようになり、スタンドF3のマスフロー式出側板厚、ならびに出側板厚推定値は[数8]のようになる。なお、Mk−1’はスタンドF3でのミル定数の推定値である。
Figure 0004223344
なお、高精度化を図るためには、なるべくxは小さい方が好ましく、できれば0の方が良い。
また、前記むだ時間Lk−1(t)を直接計算しない以下の方法を用いることもできる。
上流スタンド出側の圧延材移送速度をコンピュータ上のメモリに積算しつつ、上流スタンドのゲージメータ出側板厚あるいは板厚偏差をコンピュータ上のメモリに格納する。その後、メモリに格納された時点からの移送速度の積算値の増分が、上流スタンドから当該スタンドまでのスタンド間距離に一致したときに、メモリに格納されたゲージメータ出側板厚あるいは板厚偏差を、上記むだ時間だけ位相を遅らせたゲージメータ出側板厚あるいは板厚偏差としてもよい。
こうすることで、むだ時間を直接算出する過程を省略することが可能となる。
図4は、本発明にかかる板厚推定方法の第2実施形態を示すブロック図である。
本実施形態は、マスフロー方式で求められたスタンドF4(当該スタンド)の入側板厚Hmk(t)=hmk−1(t−Lk−1(t))に対して、ノイズ除去等を目的としてフィルタ処理をかける点が異なっている。
前記入側板厚Hmk(t)は、出側実績板厚hk(t)と、出側移送速度Vk(t)と、入側移送速度Vk−1(t)を用いて求められるものであり、これら実測データには、高周波のノイズが含まれていることがほとんどである。ゆえに、当然、計算された入側板厚Hmk(t)にも高周波ノイズが含まれており、例えば、移動平均等のローパスフィルタをかけることにより、平滑化処理を施すことが可能となる。
ところが、このようなフィルタ処理を施すことにより、フィルタ処理に伴うむだ時間Lfk−1が発生するようにる。例えば、過去50個(T=t,t−1,t−2,・・・,t−50)の離散データの移動平均を取る場合、出力値(移動平均の結果)は過去25個目(T=t−25)に置き換えられることになり、必然的にデータ25個分に相当する時間のずれ、すなわち、むだ時間Lfk−1が発生することになる。
このむだ時間をLfk−1を補償するために、第1実施形態におけるむだ時間Lk−1(t)をLfk−1+Lk−1(t)としている点が本実施形態では大きく異なっている。
これにより、フィルタ処理に伴うむだ時間を考慮するような処理を行うことができ、より精度の高いスタンドF3(上流スタンド)の出側板厚hk−1’(t)の推定が行えるようになる。
他の構成は第1実施形態と略同一であり、奏する作用効果も略同一である。
一方、前記第1実施形態又は第2実施形態の板厚推定方法を、連続圧延機1に備えられた複数のスタンドFiに適用することで、各スタンドFiの出側板厚を全て推定することが可能である。
図5には、複数の出側板厚推定手段7が備えられた連続圧延機1が示されている。
まず、当該スタンドを最終スタンドF4とし、その前段にある上流スタンドをスタンドF3として、F3出側板厚推定手段7において、スタンドF3の出側板厚hk−1’(t)を求めることができる。このF3出側板厚推定手段7では、第1実施形態又は第2実施形態の板厚推定方法が適用され、出側板厚hk−1’を推定するようになっている。
その後、前記F3出側板厚推定手段7と同一構成を有するF2出側板厚推定手段7において、スタンドF3を当該スタンドとし、スタンドF2を上流スタンドとすることにより、スタンドF2の出側板厚hk−2’(t)を求めることができる。
このように、本発明にかかる板厚推定方法を、複数のスタンドFiに再帰的に適用することで、各スタンドFiの出側板厚を推定することができるものとなっている。
図6〜図8には、各スタンドFiにおける出側板厚hk−1’や圧延荷重Pi等が示されており、図8の右側最下段の図の様に、スタンドF1の入側板厚をテーパー状に変化させたときの各スタンドFiの出側板厚推定結果を示すものとなっている。
図6は、スタンドF3の出側板厚推定値h3’(t)を計算した結果である。h3’(t)を推定するにあたり、計測可能なものは、荷重P3(t)(左側最上段の図)とギャップS3(t)(左側2段目の図)とスタンドF4の出側移送速度V4(t)(右側3段目の図)とスタンドF4の入側移送速度V3(t)(左側4段目の図)とスタンドF4の出側板厚h4(t)(左側5段目の図)である。
F3出側板厚推定手段7により推定された出側板厚推定値h3’(t)は、図6左側最下段の図から、F3出側板厚実値h3(t)と完全に一致していることがわかる。
図7は、スタンドF2の出側板厚推定値h2’(t)を推定した結果である。h2’(t)を推定するにあたり、計測可能なものは、荷重P2(t)(左側最上段の図)とギャップS2(t)(左側2段目の図)とスタンドF3の出側移送速度V3(t)(右側3段目の図)とスタンドF3の入側移送速度V2(t)(左側4段目の図)である。
推定されたスタンドF2の出側板厚推定値h2’(t)は、図6の左側最下段の図から、F2出側板厚実値h2(t)と完全に一致するものとなっている。
図8は、スタンドF1の出側板厚の推定値h1’を推定した結果である。図6と全く同じ手順にて推定されたスタンドF1の出側板厚推定値h1’(t)は、図8の左側最下段の図から、出側板厚実値h1(t)と完全に一致していることがわかる。
次に、前記出側板厚推定方法を利用して、連続圧延機1の板厚制御を行う板厚制御装置8について説明する。
図9には、板厚制御装置8の第1実施形態が示されている。この連続圧延機1は、前述の板厚推定方法を用いてスタンドF3の出側板厚hk−1’(t)を推定する出側板厚推定手段7と、ワークロール2間のギャップ量を調整することでスタンドF3をフィードバック制御する制御手段9とを有している。
この制御手段9は、前記出側板厚推定手段7の出力である出側板厚hk−1’を入力として、例えば、モニタAGCによりギャップ量Sk−1(t)を算出し、スタンドF3を制御するようにしている。
図10には、板厚制御装置8の第2実施形態が示されている。この連続圧延機1では、最終段のスタンドF4にのみ出側に板厚計5が設置され、その出力をもとに、例えば制御手段9を介してモニタAGCでスタンドF4の制御が行われている。
さらに、それぞれのスタンドF3,F2,・・・には、その出側板厚hk−1’を推定する出側板厚推定手段7と、制御手段9が設けられている。
これら出側板厚推定手段7では、スタンドFiの出側板厚が1つ下流側のスタンドFi−1での圧延情報を基に推定されるものとなっており、出側板厚推定手段7の出力である出側板厚を入力として、例えば、モニタAGC等による制御を行う制御手段9により、各スタンドFiが制御されるようになっている。
図10に示した板厚制御装置8での板厚制御の結果例を、図11に示す。
図11を見ると明らかなように、上流側のスタンドF1の出側板厚に、山形の変動が生じたとしても、各制御手段9によりスタンドF2,F3の制御が行われ、板厚変動幅が是正されていることがわかる。
さらに、図12には、出側板厚推定手段7が算出する出側板厚を用いて、各スタンドFiを制御する板厚制御装置8の別の構成、すなわち第3実施形態を示している。
この板厚制御装置8は、各スタンドFiそれぞれに、出側板厚推定手段7と、遅延手段10と、制御手段9とを有している。
スタンドF4に着目してみると、まず、上流スタンドであるスタンドF3の出側板厚を推定するF3出側推定手段において、出側板厚hk−1’が推定され出力されるようになっている。このhk−1’は遅延手段10に入力され、むだ時間Lだけ遅延させられ出力される。遅延処理後の出側板厚は、制御手段9に入力されてフィードフォワード制御により、スタンドF4のギャップ(ロール間隙)量が制御されるようになっている。
ここで、遅延時間Lは、スタンドF3とF4との間を圧延材4が移送される時間であり、制御手段9はモニタAGCを行うものとなっている。
他のスタンドF2,F3においても、スタンドF4と同様の制御が行われ、連続圧延機1全体において、スタンドFiのギャップ量に対するフィードフォワード制御が行われている。これにより、高精度の板厚制御が可能となっている。
連続圧延機の下流側を模式的に示した図である。 板厚推定方法の第1実施形態のブロック図である。 板厚推定方法の第1実施形態のフローチャートである。 板厚推定方法の第2実施形態のブロック図である。 各スタンドの出側板厚が推定可能な連続圧延機を模式的に示した図である。 図5にかかる出側板厚推定結果の一例を示す図である(スタンドF3)。 図5にかかる出側板厚推定結果の一例を示す図である(スタンドF2)。 図5にかかる出側板厚推定結果の一例を示す図である(スタンドF1)。 板厚制御装置の第1実施形態を示す図である。 板厚制御装置の第2実施形態を示す図である。 図11にかかる出側板厚推定結果の一例を示す図である。 板厚制御装置の第3実施形態を示す図である。
符号の説明
1 連続圧延機
4 圧延材
7 出側板厚推定手段
8 板厚制御装置
9 制御装置
10 遅延手段

Claims (9)

  1. 圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延する連続圧延機で、
    当該スタンドの下流側に設置された板厚計で得られた出側板厚の計測値を基に、時間tにおける当該スタンドの入側板厚をマスフロー方式で算出し、
    圧延材移送に起因するむだ時間を算出し、
    当該スタンドの前段に位置する上流スタンドで、前記むだ時間の間に生じる出側板厚の変化量をゲージメータ方式で算出した後、この変化量を当該スタンドの入側板厚に加算して、時間tにおける上流スタンドの出側板厚として推定することを特徴とする連続圧延機の板厚推定方法。
  2. 前記むだ時間を、上流スタンドと当該スタンド間の距離と圧延材移送速度とから算出することを特徴とする請求項1に記載の連続圧延機の板厚推定方法。
  3. 前記むだ時間を、上流スタンド出側の圧延材移送速度を積算することで算出することを特徴とする請求項1に記載の連続圧延機の板厚推定方法。
  4. 前記上流スタンドの出側板厚変化量は、上流スタンドの出側板厚の偏差の変化量、又は上流スタンドの出側板厚の絶対値の変化量、又は上流スタンドの圧延荷重の変化量及びロール間隙の変化量から算出される変化量のいずれか1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の連続圧延機の板厚推定方法。
  5. 当該スタンドの入側板厚又は出側板厚に対してノイズ除去のためのフィルタ処理を行うと共に、このフィルタ処理に伴うむだ時間を補償することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連続圧延機の板厚推定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の連続圧延機の板厚推定方法を再帰的に適用することにより、複数の圧延スタンドの出側板厚を推定することを特徴とする連続圧延機の板厚推定方法。
  7. 圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延すると共に、当該スタンドの下流側に板厚計が設置されている連続圧延機において、
    前記板厚計で、当該スタンドにおける出側板厚が計測可能である際には、請求項1〜6のいずれかに記載の連続圧延機の板厚推定方法を用いて、上流スタンドの出側板厚を推定し、
    前記当該スタンドにおける出側板厚が計測できない際には、上流スタンドの出側板厚をゲージメータ方式で算出することを特徴とする連続圧延機の板厚推定方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載された連続圧延機の板厚推定方法により上流スタンドの出側板厚を算出し、
    算出された上流スタンドの出側板厚を用いて上流スタンドのギャップ量を制御することを特徴とする連続圧延機の板厚制御方法
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載された連続圧延機の板厚推定方法により上流スタンドの出側板厚を算出し、
    算出された出側板厚の位相を当該スタンド及び上流スタンド間の圧延材移送時間だけ遅延させ、
    遅延処理後の出側板厚当該スタンドの入側板厚とし、当該スタンドのギャップ量を制御することを特徴とする連続圧延機の板厚制御方法
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