JPH08267114A - 冷間圧延におけるエッジドロップ制御圧延方法 - Google Patents

冷間圧延におけるエッジドロップ制御圧延方法

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JPH08267114A
JPH08267114A JP7076653A JP7665395A JPH08267114A JP H08267114 A JPH08267114 A JP H08267114A JP 7076653 A JP7076653 A JP 7076653A JP 7665395 A JP7665395 A JP 7665395A JP H08267114 A JPH08267114 A JP H08267114A
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JP
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stand
roll
rolling
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edge
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Application number
JP7076653A
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English (en)
Inventor
Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Masanori Kitahama
正法 北浜
Isao Akagi
功 赤木
Toshinaga Nakanishi
敏修 中西
Tomoyuki Ichi
智之 市
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 冷間タンデム圧延機列によって板材の冷間圧
延を行うに当たり、少なくとも第1スタンドのワークロ
ール対それぞれの相異なる片側端部には、傾きが2段階
で先細りになる2段テーパー状クラウンを付与すると共
に、最終スタンドを除く残りのスタンドのワークロール
対それぞれの相異なる片側端部には、1段のテーパー状
クラウンを付与し、母板プロフィルの情報に基づいて、
板プロフィルが目標プロフィルになるように、各ワーク
ロールを適宜ロール軸方向にシフトして圧延する。 【効果】 母板クラウンがコイル内で変動した場合であ
っても、また母板板厚が薄い場合であっても、効果的に
エッジドロップを軽減し、均一な幅方向板厚プロロフィ
ルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷間圧延におけるエ
ッジドロップ制御圧延方法に関し、特にワークロールの
片側端部に付与したテーパー状のクラウンの有効活用に
よって幅方向のエッジ端部に発生するエッジドロップを
軽減し、もって幅方向にわたる板厚偏差を低減しようと
するものである。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延において、板材のエッジ部に
は、ワークロール偏平の急激な回復および圧延材の幅方
向へのメタルフローに起因して板厚が中央部よりも急激
に薄くなる現象、いわゆるエッジドロップが発生する。
このエッジドロップが大きいと、板幅方向に均一な板厚
が得られないので、品質の良好な製品を得るためには耳
切り代を大きくする必要が生じ、その結果、歩留りなら
びに生産効率の低下を余儀なくされる。
【0003】従来、かようなエッジドロップを軽減する
方法として、ロールベンディング法およびワークロール
にイニシャルクラウンを付与する方法等が知られてい
る。また、ロール胴の片側端部に単純なテーパー状のク
ラウンを付与し、ワークロールをロール軸方向にシフト
させ、このテーパー部で板のエッジ部を圧延する方法
(特開昭55-77903号公報)が提案されている。さらに、
この方法を改良したものとして、特開昭61-86003号公報
に開示の方法がある。
【0004】上記の方法は、特開昭55-77903号公報が1
次式で示されるテーパー形状であったのを、2段テーパ
ーもしくは2段の大小のクラウンをロール胴の片側端部
に付与したもので、図1(a) に示すように、胴部に連続
する凸クラウン状テーパーが比較的大きい第1テーパ部
と、この第1テーパ部に連なる小さい凸クラウン状テー
パーか凹クラウン状テーパーを有する第2テーパ部と、
を有するワークロールでエッジドロップ制御を行うもの
である。これら従来の技術はいずれも、図1(b) に示す
ように、第1スタンドで板のエッジ部に板厚の厚い部分
(盛り上がり部)を形成させ、後段スタンドでこの板厚
の厚い部分からメタルフローを生じさせることにより、
エッジドロップ制御を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の圧延方
法によってエッジドロップを制御する場合、母板(ホッ
トコイル)のクラウンが比較的小さい場合には、冷間圧
延において発生するエッジドロップの制御はある程度可
能であった。しかしながら、熱間圧延の1サイクルで
は、ロールのサーマルクラウンの増大やロール摩耗によ
って板プロフィルが1コイル毎に変化し、必ずしも小さ
な板クラウン(例えばエッジ25mm位置と板幅中央の板厚
の差で定義される量)のコイルが得られるとは限らな
い。例えば、ホットクラウンの大きなコイル(エッジ25
mm位置のクラウンが40μm以上) を、従来の1段テーパ
ーロールによってエッジドロップを制御する場合には、
ワークロールシフト量を大きくする必要があるが、この
ような条件下ではエッジ部に大きなエッジアップが発生
し、均一な幅方向板厚精度が得られないという欠点があ
った。
【0006】この点、特開昭61-86003号公報に開示の方
法では、比較的板厚が厚い(母板板厚:4mm以上)場合
には、2段のテーパークラウンを活用することにより、
第1スタンドで形成されら盛り上がり部(図1(b) )が
第2,第3スタンドで十分に平坦化されるため、エッジ
ドロップ制御がある程度可能であった。しかし、母板の
板厚が薄い(母板板厚:4mm未満)場合には、第1スタ
ンドで形成された盛り上がり部は最終スタンドまで遺伝
し、幅方向の板厚精度はむしろ悪化する傾向にあった。
しかもこの場合、後段スタンドではストレートロールを
用いているので、板の最エッジではエッジドロップが大
きくなるという欠点があった。さらに、この特開昭61-8
6003号公報に開示の方法では、入側の母板クラウンによ
ってワークロールのシフト位置を設定したり、フィード
フォワード制御する方法が示されていないので、上述し
たように入側母板クラウンがコイル内で変動した場合に
は、十分な精度で目標のエッジドロップが得られないと
いう欠点があった。
【0007】この発明は、上記の問題を鑑み、従来の欠
点を克服すべく開発されたもので、母板クラウンがコイ
ル内で変動した場合であっても、また母板板厚が薄い場
合であっても、高精度の下でエッジドロップを制御し、
均一な幅方向板厚精度が得られる冷間圧延方法を提案す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
上下のワークロールをそれぞれロール軸方向にシフト可
能に組み込んだ圧延機を連ねた冷間タンデム圧延機列を
用いて板材の冷間圧延を行うに当たり、少なくとも第1
スタンドのワークロール対それぞれの相異なる片側端部
には、傾きが2段階で先細りになる2段テーパー状クラ
ウンを付与すると共に、最終スタンドを除く残りのスタ
ンドのワークロール対それぞれの相異なる片側端部に
は、1段のテーパー状クラウンを付与し、母板プロフィ
ルの情報に基づいて、板プロフィルが目標プロフィルに
なるように、各ワークロールを適宜ロール軸方向にシフ
トさせて圧延することを特徴とする冷間圧延におけるエ
ッジドロップ制御圧延方法(第1発明)である。
【0009】また、この発明は、上下のワークロールを
それぞれロール軸方向にシフト可能に組み込んだ圧延機
を連ねた冷間タンデム圧延機列を用いて板材の冷間圧延
を行うに当たり、少なくとも第1スタンドのワークロー
ル対それぞれの相異なる片側端部には、傾きが2段階で
先細りになる2段テーパー状クラウンを付与すると共
に、最終スタンドを除く残りのスタンドのワークロール
対それぞれの相異なる片側端部には、1段のテーパー状
クラウンを付与し、少なくとも第1スタンドの入り出側
および最終スタンドの出側において板プロフィルを測定
し、これらの測定結果に基づいて、板プロフィルが目標
プロフィルになるように、各ワークロールを適宜ロール
軸方向にシフトさせて圧延することを特徴とする冷間圧
延におけるエッジドロップ制御圧延方法(第2発明)で
ある。
【0010】以下、図面に従いこの発明を具体的に説明
する。図2に、この発明に適用される各スタンドのワー
クロール形状を示す。なお、この例は、第1スタンドの
みに2段のテーパー状クラウンを有するワークロール1
a を配置した場合である。従って、第2スタンドから最
終スタンドの前段までのスタンド(中間スタンド)に
は、1段のテーパー状クラウンを有するワークロール1
b を配置する。最終スタンドは、板形状制御を目的とし
て、ストレートのワークロール1c を配置する。ここ
で、ELは有効シフト量であり、テーパーの起点と板端
との距離として定義する。なお、同図に示したように、
2段テーパーの第1段目のテーパー6はバレルの内側に
位置し、第2段目のテーパー7はそれよりも外側に位置
する。
【0011】図3(a), (b)にそれぞれ、第1,第2発明
の実施に用いて好適な圧延設備を模式で示す。この例で
は、タンデム圧延機列として、4スタンドの6段圧延機
からなる場合について示したが、スタンド数はこれ以上
であっても良く、また圧延機としては、4段圧延機、さ
らには4段圧延機と6段圧延機を併用したものであって
も良い。なお図中、番号2は被圧延材、3は中間ロー
ル、4はバックアップロールである。さて、図3(a) に
示した第1発明では、被圧延材のプロフィル情報とし
て、熱間圧延で測定した母板コイルのプロフィル情報を
利用するので、とくに板プロフィル計は必要としない
が、図3(b) に示した第2発明では、少なくとも第1ス
タンドの入り出側および最終スタンドの出側で測定した
プロフィル情報に基づいてエッジドロップの制御を行う
ものであるから、少なくとも第1スタンドの入り出側お
よび最終スタンドの出側にはそれぞれ、エッジプロフィ
ル計5a 〜5c を配置しておく必要がある。ここに、エ
ッジプロフィル計としては、X線やγ線等板を透過して
その厚さ分布が測定可能なセンサーが好ましい。
【0012】まず、第1発明に従うエッジドロップ制御
方法について説明する。この第1発明は、熱間圧延での
板プロフィルの測定結果を基にして、第1スタンドのワ
ークロールシフト位置を設定すると共に、それ以降のス
タンド(最終スタンドを除く)のワークロールシフト位
置を設定する方法である。さて、母板のクラウン(プロ
フィル)が、熱間圧延時の板プロフィル測定によって予
め分かっていると、以下に示すように、転写率を用いて
第1スタンド出側におけるエッジプロフィルを予測する
ことができる。
【0013】ここに転写率とは、ロールのテーパー状ク
ラウン(ストレートロールに対するテーパー状クラウン
ロールの間隙)に対して板がどの程度ロール形状に転写
するかを示す指標(比率)であり、テーパー状クラウン
の大きさ(テーパー角度)、板厚、変形抵抗などによっ
て決まるものである。図4は、その転写率の定義を示す
もので、同一の板プロフィルを有する母板をストレート
ロールおよびテーパー状クラウンを有するロールで圧延
した場合の板プロフィルの差をロールプロフィルで除し
たものである。このように、ストレートロール圧延との
比較で転写率を定義しているので、冷間圧延で発生する
エッジドロップをも含んで評価していることになる。
【0014】図5は、この転写率を実験で求めたもので
ある。本実験条件は、母板厚:2.4mmから1.5 mmまで1
パスで仕上げ、テーパー形状は1次式で示されるものと
し、ロールに付与したテーパーの角度は4水準(Tanθ=
1/300, 1/400, 1/600 および1/800)である。図5から明
らかなように、ワークロールに付与するテーパー角度が
大きいほど転写率が大きくなることがわかる。また、板
幅方向の中央部に行くに従って転写率は小さくなること
がわかる。さらに、エッジから30〜40mmの転写率が急激
に変化する範囲、エッジ40mmから板幅方向の中央部に向
かい転写率が小さくなる範囲が存在することがわかる。
【0015】従って、これらの範囲を、異なったロール
端部の形状(テーパ状クラウン)によってエッジドロッ
プ制御すれば、高精度の製品が得られることになる。す
なわち、板材の幅方向中央域の母板プロフィルを制御す
る場合には、テーパー角度の大きい第1段目テーパー部
で圧延することによって、内部のクラウンが制御可能で
ある。また、エッジから30〜40mmの範囲の転写率は、内
部の転写率よりも大きいので、第1スタンド出側で幅方
向に板厚偏差のない板を得るためには、第2段目のテー
パー部は第1段目のテーパー部よりも小さい角度を付与
するのが妥当である。
【0016】図5に示した転写率Pは、板幅方向の座標
Xおよびテーパー角度Tについての関数である。また、
テーパーの角度Tが大きくなるに従って転写率Pは大き
くなっているので、任意の幅方向位置での第1スタンド
出側のエッジドロップ(eh1)は転写率(P)、有効シフ
ト(EL1) および母板のプロフィル測定から次式(1) で表
すことができる。なお、有効シフト量は図2に示したよ
うに、テーパー起点から板端部までの距離である。
【0017】 eh1(X)/h1=(P(X, T)・G(X, EL1))/h1 + EH(X)/H --- (1) ここで、X:板幅方向座標、 P:転写率、EH:
母板エッジドロップ量、G:第1スタンドのテーパー
量、H:母板板幅中央板厚、 h1:第1スタンド出側
板幅中央板厚、eh1:第1スタンド出側エッジプロフィ
ル なお、添字はスタンドを表す。
【0018】さて上記(1) 式において、幅方向の任意の
位置X、母板エッジドロップEH(X)と第1スタンド出側
プロフィルeh1(X)を与えると、未知数はEL1 のみとなる
ので、目標のエッジプロフィルとなるようにEL1 を求め
る。ついで、求めたEL1 で第1スタンドのワークロール
シフト位置を設定すればよい。このときeh1(X)は板幅方
向にわたって均一なプロフィル(板厚偏差0)を与える
ようにするのが好ましい。
【0019】また、第1発明では、第2スタンドから最
終スタンド前段のスタンドまでは単純なテーパロールを
使用する。ここで、第1スタンド出側では、ほぼエッジ
ドロップのないプロフィルになっているものとして、中
間スタンドの最適な有効シフト量(EL)を実験的に求めた
結果を図6に示す。この実験は、角度1/400 のテーパー
ロールを用い、4スタンドからなる圧延機列において母
板板厚:2.4 mmの軟鋼板を、板厚:0.5 mmに仕上げたも
のである。図6によれば、均一なプロフィルを得るため
にはの条件が好適である。
【0020】このように、第1発明は、冷間圧延後のエ
ッジドロップを極力小さくするために、熱延プロフィル
の測定結果に基づいて、冷間圧延機列のワークロールシ
フト位置をセットアップする方法である。
【0021】次に、第2発明に従うエッジドロップ制御
方法について説明する。第2発明は、冷間圧延機列の第
1スタンドの入り出側で測定した板プロフィルおよび圧
延機列出側で測定した板プロフィル(エッジプロフィ
ル)に基づいて、第1スタンドのワークロールシフト位
置を設定すると共に、それ以降のスタンド(最終スタン
ドを除く)のワークロールシフト位置を設定する方法で
ある。第1スタンド入側で板プロフィルを測定し、その
測定結果に基づいてワークロール位置を設定または修正
する方法は、上掲 (1)式に示した方法と同様であるが、
この第2発明では、EH(X) を冷間圧延機列の入り側で常
時測定しているので、圧延中でもEH(X) の情報が判る。
従って、母板コイルの長手方向のプロフィル変化に対応
して、第1スタンド出側のエッジプロフィルを目標値に
するように有効シフト量(EL1)を調整するエッジプロフ
ィルのフィードフォワード制御が可能である。
【0022】また、第1スタンド出側のエッジプロフィ
ル計の測定結果を用いて第1スタンドのワークロールシ
フト位置を修正する方法は、(1) 式からワークロールシ
フトをΔEL1 だけ移動させた場合には(2) 式となり、
(1) と(2) 式との差は(3) 式となる。 eh'1(X)/h1=(P(X, T)・G(X, EL1 + ΔEL1))/h1 + EH(X)/H ---(2) Eeh1(X) =(eh'1(X) −eh1(X))/ΔEL1 ---(3)
【0023】ここでEeh1(X) は、有効シフト量の変化Δ
EL1 に対するエッジドロップ変化量の影響係数であり、
次式(4) のJ1 を最小にするΔEL1 を設定すればよい。
これを用いて圧延中に第1スタンドのワークロールシフ
ト位置を修正するのである。 J1 =|(Ec1(X)−Ea1(X))− Eeh1(X)・ΔEL1 2 ---(4) 図7(a) に、第2発明に従う第1スタンドのワークロー
ルシフト位置の制御方法をフローチャートで示す。
【0024】次に、最終スタンド出側で測定したエッジ
プロフィル情報から中間スタンドのワークロールシフト
位置を修正する方法について説明する。冷間圧延機列出
側の板プロフィルに変化に及ぼすワークロールシフト量
の影響は実験から容易に求めることができる。図8は、
テーパー角度1/400 のワークロールを第2スタンドに適
用して、有効シフト量をΔEL2 だけ変化させた場合の任
意の幅方向の位置におけるエッジドロップ変化量(Δeh
2)を示すものであるが、同図によれば、板端部よりも内
部になるほどエッジドロップの変化量は小さくなってい
る。なおエッジドロップ変化量(Δeh2)は幅方向座標X
とシフト変化量(ΔEL2)との関数である。従って、エッ
ジドロップ変化量の影響係数は図8に示した曲線の傾き
となり、次式(5) で定義できる。 Eeh2(X) =Δeh2 /ΔEL2 ---(5)
【0025】さて、最終スタンド出側に設置したエッジ
プロフィル計の測定結果をEan とし、目標のエッジドロ
ップ量をEcn とすれば、これらの偏差はEcn (X) −Ean
(X)で与えられる。この偏差を最小にするためには、例
えば、次式(6) によりJ2 を最小にする最適なシフト変
化量 (ΔEL2)を求めれば良い。 J2 =|(Ec2(X)−Ea2(X))− Eeh2(X)・ΔEL2 2 ---(6) なお、この例では、第2スタンドを制御する場合につい
て述べたが、下流スタンドについても同様に最適な有効
シフト変化量ΔELi を同様にして求めることができる。
図7(b) に、第2発明に従う中間スタンドのワークロー
ルシフト位置の制御方法をフローチャートで示す。
【0026】
【作用】テーパー付きのワークロールを用いた圧延で
は、ロールのテーパー形状が板に転写されることによっ
てエッジドロップの制御が可能になる。この板がロール
形状に転写する割合は板厚が厚いほど顕著であり、また
図5に示したように、転写率は板幅の内部になるに従い
小さくなるので、板厚の厚い第1スタンドでより内部の
プロフィルを修正することが好ましい。
【0027】この発明における2段テーパー状クラウン
ロールの適用目的は、図1(b) に示した従来法のように
第1スタンドの出側で顕著なエッジアップを板エッジ部
に形成し、後段スタンドでそのエッジアップ部を平坦に
するというものではない。この発明は、図1(c) に示す
ように、第1スタンドにおいてホット母板のプロフィル
を修正し(第1スタンド出側では板のエッジ部を平坦な
プロフィルにする)、下流の中間スタンドでは冷間圧延
で発生するエッジドロップを補償するために1段のテー
パー状クラウンを適用するものである。なお、後段スタ
ンドにも2段テーパー状クラウンロールを適用すること
も考えられるが、後段スタンドになると板厚が薄くなる
ためエッジ部のメタルフローは最エッジに限られ、1段
のテーパーでもエッジドロップを十分制御可能である。
従って、2段テーパー状クラウンロールの適用は、適用
するにしても、第2スタンドないし第3スタンドまでの
前段スタンドで十分である。
【0028】以下、前段スタンドに適用する2段テーパ
ー状クラウンロールの第1段目のテーパー角度およびテ
ーパー付与長さの好適条件、ならびに第2段目のテーパ
ー角度および中間スタンドに適用する1段テーパー状ク
ラウンロールのテーパー角度の好適条件について説明す
る。
【0029】(1) 2段テーパー状クラウンロールの第1
段目のテーパー角および長さ 図9に、テーパー角度を種々に変化させたワークロール
を用いて、母板クラウンが比較的大きい(エッジ25mm位
置と板幅中央の板厚偏差:40μm )、母板厚:2.4 mmの
板を1.5 mmまで圧延した場合の板幅方向の板厚プロフィ
ルについて調査した結果を示す。なお、ワークロールに
は1段テーパーを付与し、有効シフト量EL1 は100mm と
した。同図によれば、テーパー角度が大きいほうがより
内部までエッジドロップ(プロフィル)を制御可能であ
るが、1/300 以上のテーパーロールを使用するとワーク
ロールのテーパー起点位置近傍に抉れ部が発生し幅方向
板厚精度が低下する。この点、テーパー角度が1/350 の
場合にはその抉れ部が小さくなり、最エッジから40mmよ
りも板幅方向の内部では均一なプロフィルになってい
る。また、テーパー角度が1/450 ロールの場合にはエッ
ジより40mmよりも内側ではやや板厚偏差が大きくなって
いるものの、問題ない程度である。一方、テーパー角度
が1/600 以下の条件では幅方向の内部で板厚偏差が大き
くなり不適である。従って、第1段目のテーパーは 1/3
50〜1/450 程度とするのが好ましい。
【0030】また、第1段目のテーパーを付与する長さ
は、図5に示した転写率の測定結果から、転写率の小さ
い範囲と一致させることが好ましい。従って、テーパー
角度が 1/350〜1/450 の範囲の場合には、2段テーパー
状クラウンロールの第1段目のテーパー長さは60mm程度
とするのが好ましい。
【0031】(2) 2段テーパー状クラウンロールの第2
段目のテーパー角度 第1段目のテーパー角度を1/350 として、第2段目のテ
ーパー角度を種々変化させた場合の実験結果を図10に示
す。圧延条件は、EL=100mm で母板板厚:2.4mmから第
1スタンドで1.5 mmまで圧延した。なお、第2段目のテ
ーパーを付与する長さは、テーパーの起点より60mmより
も外側である。同図の結果から、エッジドロップのない
板を第1スタンド出側で製造可能な2段目の角度の好適
条件は、テーパー角度 1/800〜1/1200程度であることが
わかる。
【0032】(3) 中間スタンドに適用する1段テーパー
状クラウンロールのテーパー角度 上述したとおり、第1スタンドにおいて、テーパー角度
および有効シフト量を最適な範囲で選択することにより
ほぼエッジドロップのない板が製造できることがわかっ
た。そこで、中間スタンドのテーパー角度によってどの
程度エッジドロップを制御可能かの実験を行った、その
結果を図11に示す。
【0033】同図は、第2,3スタンドのテーパー角度
を種々変化させ、有効シフト量を0から40mmまで各々5
mmおきに変化させ、冷間圧延機列の出側でエッジドロッ
プを測定し、エッジから10mm位置でのエッジドロップ
(板幅中央との差で定義)が±5μm 以内になる第2,
第3スタンドの有効シフト量ELの範囲を求めた結果であ
る。同図によれば、エッジドロップの目標範囲を±5μ
m 以内にするためには、テーパー角度が1/300 および1/
800 では好適な有効シフト範囲は極めて狭い。従って、
第2,3スタンドに適用するテーパー角度は 1/400〜1/
600 程度が好ましいことがわかる。
【0034】
【実施例】4スタンドの6段圧延機からなる冷間タンデ
ム圧延機列によって、板幅:1000mm、入側板厚(母板
厚):2.4 mmのコイルを0.5 mmまで仕上げた。ワークロ
ール直径は400 mm、ワークロールバレルは1500mmであ
り、最終スタンドの圧延速度は500 m/min とした。また
各スタンドの圧下率は等分配とした。第1発明および従
来法は、図3(a) に示した圧延機列を用い、また第2発
明は図3(b) に示した圧延機列を用いて圧延を実施し
た。なお、第1発明では、熱延でのコイルの板プロフィ
ル測定結果を用いてワークロールシフト(有効シフト量
EL)位置を設定した。また、冷間圧延中はワークロール
シフト位置は変化させなかった。
【0035】このとき、第1,第2発明および従来法に
おいて、各スタンドのワークロールの片側端部に付与し
たテーパー状クラウンは、表1に示すとおりである。第
1,2発明のワークロールに付与したテーパー形状と同
じであるが、第2発明では第1スタンドの入り出側およ
び最終スタンドの出側に板のエッジ部のプロフィルが測
定可能なエッジプロフィル計を設置し、ワークロールシ
フトによるエッジドロップのフィードフォワード、フィ
ードバック制御を行った。また、従来法では、中間スタ
ンドとしてストレートのロールを適用しているので、第
1スタンドにはこの発明よりも角度の大きい2段テーパ
ー状クラウンロールを使用した。なお、従来法でも第1
発明と同様に冷間圧延中はワークロールシフト位置は変
化させていない。
【0036】
【表1】
【0037】第1,第2発明および従来法ともに、50μ
m (先端代表位置のエッジ25mm位置のクラウン、ただし
長手方向の板クラウンは30〜70μm の範囲で変化してい
た)の板クラウンを有するホットコイルの圧延を行い、
冷間圧延後のコイル先端部の板プロフィル、1コイル内
の長手方向のエッジ10mm位置のエッジドロップ変化、お
よび各々10コイルについて板幅のセンターとエッジ10mm
位置との差が±5μm以内になる割合について比較し
た。なお、この発明および従来法ともに同等のクラウン
を有する母板コイルで実験を行った。
【0038】図12に、コイル先端部のプロフィルを比較
して示したが、同図から明らかなように、第1,第2発
明とも良好なエッジのプロフィルが得られたのに対し、
従来法ではエッジ30mm位置でエッジアップが大きく均一
なプロフィルを得ることができなかった。また、図13に
は、長手方向のエッジ10mm位置におけるエッジドロップ
の変化について示したが、同図によれば、この発明では
従来法に比べてエッジドロップを格段に軽減することが
でき、とくに第2発明ではコイル全長にわたり±5μm
の板厚偏差を達成できた。さらに、表2に、エッジ10mm
位置における板厚偏差±5μm の達成率について調べた
結果を示すが、同表から明らかなように、この発明では
従来法に比べ飛躍的に板厚偏差の向上を図ることができ
る。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、ホットの母
板クラウンが大きい場合にも、また母板板厚が薄い場合
にも、エッジドロップを効果的に軽減して、幅方向のプ
ロフィルを均一にすることができ、従って、従来に比べ
耳切り代を大幅に削減して歩留りの向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法およびこの発明によるエッジドロップ制
御の概念の差を示した図である。
【図2】この発明で使用する各スタンドのワークロール
プロフィル(クラウン)を模式的に示した図である。
【図3】この発明の実施に用いて好適な冷間タンデム圧
延機列の模式図である。
【図4】転写率の定義を示した図である。
【図5】実際の転写率を示した図である。
【図6】中間スタンドの有効シフト量を変更した場合に
おけるプロフィル変化を示した図である。
【図7】第2発明に従う制御方法を示すフローチャート
である。
【図8】第2スタンドの有効シフト量を変化させた場合
におけるエッジドロップ変化を示した図である。
【図9】1段テーパーの角度を変化させた場合における
エッジプロフィル変化を示した図である。
【図10】2段テーパー状クラウンロールの1段目のテ
ーパー角度を1/350 に固定し、2段目のテーパー角度を
変化させた場合におけるエッジプロフィル変化を示した
図である。
【図11】中間スタンドのテーパー角度を変化させ、有
効シフト量も変化させた場合に、冷間圧延機出側で±5
μm 以内のエッジドロップを達成可能な有効シフト条件
を示した図である。
【図12】この発明および従来法に従って冷間圧延した
場合のコイル先端のプロフィルを比較して示した図であ
る。
【図13】この発明および従来法に従って冷間圧延した
場合におけるコイル長手方向の板厚変化を比較して示し
た図である。
【符号の説明】
1a 2段テーパー状クラウンロール(第1スタンド) 1b 1段テーパー状クラウンロール(中間スタンド) 1c ストレートワークロール(最終スタンド) 2 コイル(板) 3 中間ロール 4 バックアップロール 5 エッジプロフィル計 6 2段テーパー状クラウンロールの第1段目テーパー 7 2段テーパー状クラウンロールの第2段目テーパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤木 功 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 中西 敏修 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 市 智之 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下のワークロールをそれぞれロール軸
    方向にシフト可能に組み込んだ圧延機を連ねた冷間タン
    デム圧延機列を用いて板材の冷間圧延を行うに当たり、 少なくとも第1スタンドのワークロール対それぞれの相
    異なる片側端部には、傾きが2段階で先細りになる2段
    テーパー状クラウンを付与すると共に、最終スタンドを
    除く残りのスタンドのワークロール対それぞれの相異な
    る片側端部には、1段のテーパー状クラウンを付与し、 母板プロフィルの情報に基づいて、板プロフィルが目標
    プロフィルになるように、各ワークロールを適宜ロール
    軸方向にシフトさせて圧延することを特徴とする冷間圧
    延におけるエッジドロップ制御圧延方法。
  2. 【請求項2】 上下のワークロールをそれぞれロール軸
    方向にシフト可能に組み込んだ圧延機を連ねた冷間タン
    デム圧延機列を用いて板材の冷間圧延を行うに当たり、 少なくとも第1スタンドのワークロール対それぞれの相
    異なる片側端部には、傾きが2段階で先細りになる2段
    テーパー状クラウンを付与すると共に、最終スタンドを
    除く残りのスタンドのワークロール対それぞれの相異な
    る片側端部には、1段のテーパー状クラウンを付与し、 少なくとも第1スタンドの入り出側および最終スタンド
    の出側において板プロフィルを測定し、これらの測定結
    果に基づいて、板プロフィルが目標プロフィルになるよ
    うに、各ワークロールを適宜ロール軸方向にシフトさせ
    て圧延することを特徴とする冷間圧延におけるエッジド
    ロップ制御圧延方法。
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