JP2007203303A - 冷間圧延における形状制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲な圧延条件に対応した適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与することにより、形状制御手段の能力不足を補い、形状精度に優れた圧延材を高生産性で製造できる制御方法を提供する。
【解決手段】圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン量,圧延前形状及びワ−クロ−ルクラウン量を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎に圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲における最大値と最小値及び形状制御手段の仕様範囲における最大値と最小値を数式モデルに代入し、圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲において形状制御手段の仕様範囲内で目標の伸び率差が得られるように、適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与する。
【選択図】図7

Description

本発明は、圧延された金属帯の板形状が目標形状に一致するようにワ−クロ−ルクラウン量を適正化する方法に関する。
冷間圧延では、圧延機出側に配置された形状検出器で圧延中の圧延材形状を測定し、測定結果に基づいてロ−ルベンダ−,ロ−ルシフト等の形状制御手段の制御量を補正する方法が一般的に採用されている。しかし、圧延機から離れた位置に配置された形状検出器で圧延材の形状を測定することが多く、そのため検出遅れが生じ、応答性の高い制御が困難なこともある。
そこで、高速応答性で形状制御するため、圧延荷重の変動が圧延材の形状変化に影響を及ぼしているとの前提に立って、板形状の直接測定に代えて圧延荷重を測定し、圧延荷重の測定値に基づいて各形状制御手段の制御量を補正する種々の方式が提案されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。これらの方式も、圧延形状を圧延荷重の関数で表した圧延形状予測式に基づいて形状制御している。そして、圧延形状予測式では板幅方向の1ヶ所の形状のみで圧延形状を評価している。そのため、圧延荷重が大きく変動する場合、板幅全体にわたって良好な形状を得がたい。
そこで、このような問題を解消するため、本発明者等は、板幅方向に沿った複数箇所で伸び率差を取り込んだ数式モデルを使用することにより、圧延荷重の変動に応じて形状制御手段の制御量を補正し、板幅全体にわたって良好な形状をもつ鋼帯を製造する方法を開発し、特許文献4で紹介した。この方法は、圧延中の形状制御を対象にしているが、圧延開始時に形状制御手段を初期設定するプリセット制御についても数式モデルをそのまま適用できる。
しかし、特許文献4で提案した方法では、素材クラウンの影響を考慮することなく、圧延荷重及び形状制御手段の関数で形状予測式を表している。従って、大径ワ−クロ−ルを使用する4段圧延機等による圧延では、ワ−クロ−ルのたわみ変形が小さく、素材クラウンの影響が大きくなる。このような圧延で形状検出器による形状の測定結果に基づいた圧延中の形状制御に先立って、数式モデルにより形状制御手段を初期設定すると、圧延の初期に形状不良が発生しやすい。また、形状検出器が設置されていない圧延機による圧延では、圧延荷重の変動に応じて形状制御手段の制御量を補正する場合、圧延開始時から圧延終了時まで素材クラウンの影響が考慮されていないため、コイル全長にわたって形状不良を生じることもある。
また、特許文献4で提案した方法は、圧延前形状の影響が小さいことを前提としたものであり、圧延前形状が良好な場合や、圧下率が大きく圧延前形状が残存しにくい場合には良好な形状が得られる。しかし、スキンパス圧延のように圧下率が小さい圧延条件においてこの方法を適用すると、圧延前形状が良好でない場合に圧延前形状が残存し、良好な形状が得られない場合がある。
そこで本発明者等は、素材クラウンと圧延前形状の両方の影響を取り込んだ数式モデルを用いてプリセット制御及び圧延中の形状制御を行うことにより、圧延開始時よりコイル全長にわたって良好な形状をもつ鋼帯を製造する方法を開発し、特許文献5で紹介した。
特公昭52−23873号公報 特開昭57−7309号公報 特開平8−257612号公報 特開平11−267727号公報 特開2005−177818号公報
ところで、特許文献5で紹介した方法は、形状制御手段の仕様範囲が広く、広範囲な圧延条件にわたって目標形状に制御できることを前提としたものであり、形状制御手段の能力が十分な場合には良好な形状が得られる。しかし、形状制御手段の仕様範囲が狭い場合には広範囲な圧延条件への対応が困難となり、良好な形状が得られない場合がある。特に、圧延荷重が大きく、形状制御手段の能力が不足する場合には、大きな耳伸び形状を生じる。
そこで、本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、広範囲な圧延条件に対応した適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与することにより、形状制御手段の能力不足を補い、形状精度に優れた圧延材を高生産性で製造できる制御方法を提供することを目的とする。
本発明の冷間圧延における形状制御方法は、その目的を達成するため、圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン量,圧延前形状及びワ−クロ−ルクラウン量を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎に圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲における最大値と最小値及び形状制御手段の仕様範囲における最大値と最小値を数式モデルに代入し、圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲において形状制御手段の仕様範囲内で目標の伸び率差が得られるように、適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与することを特徴とする。
さらに、圧延荷重の予測値,素材クラウン量と圧延前形状の実測値及びワ−クロ−ルクラウン量を数式モデルに代入し、伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特徴とする。
また、連続的に測定した圧延荷重の実測値,素材クラウン量と圧延前形状の実測値及びワ−クロ−ルクラウン量を数式モデルに代入し、伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正するとき、圧延中の形状制御も可能となる。
本発明においては、ワ−クロ−ルクラウン量の影響を考慮した数式モデルを用いて適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与している。そのため、広範囲な圧延条件に対応して形状制御手段の能力不足を補い、圧延開始からコイル全長にわたって良好な形状の圧延材が得られる。
本発明者等は、ワ−クロ−ルクラウン量の影響を考慮した数式モデルを用いて適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与することにより、広範囲な圧延条件に対応して良好な形状が得られるような冷間圧延の形状制御方法を種々調査検討した。
その結果、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する伸び率差がそれぞれワ−クロ−ルクラウン量と比例関係にあることに着目し、伸び率の差にワ−クロ−ルクラウン量が与える影響を取り込んだ数式モデルを使用すると、広範囲な圧延条件に対応した適正なクラウン量をワ−クロ−ルに付与することが可能となり、良好な形状をもつ圧延材が製造されることを見出した。
以下、4段圧延機を対象に本発明の形状制御方法について説明するが、6段以上の多段圧延機に対しても同様に本発明が適用されることは勿論である。
通常、耳伸び,中伸び等の単純な形状不良だけでなく、クォータ伸びや各種伸びが複雑に組み合わさった複合伸びを防止するためには、圧延形状を複数の指標で評価し制御することが要求される。そこで、本発明においては、圧延形状を板端から距離が異なる複数の箇所における伸び率と板幅中央の伸び率との差で評価することとした。
具体的には、板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差εe,εqで圧延形状を定義する。伸び率差εe,εqは板端部の伸び率をele,クォータ部の伸び率をelq,板幅中央の伸び率をelcとするとき、それぞれ式(1)及び(2)で表される。
εe=ele−elc (1)
εq=elq−elc (2)
同様に、圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qは圧延前素材の板端部の伸び率をel0e,クォータ部の伸び率をel0q,板幅中央の伸び率をel0cとするとき、それぞれ式(3)及び(4)で表される。
ε0e=el0e−el0c (3)
ε0q=el0q−el0c (4)
なお、板端部及びクォータ部の測定位置については、形状を適切に表し、且つ精度の良い数式モデルが得られるように経験的に定められる。
ところで、圧延材の形状に及ぼす影響要因には、圧延材寸法,材質,潤滑状態,圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン量,圧延前形状,ワ−クロ−ルクラウン量等がある。このうち、圧延材寸法については板厚,板幅毎にテーブル区分すると、区分内での圧延材寸法の変化が形状に及ぼす影響を小さくできる。材質,潤滑状態は圧延材の形状に影響するが、その影響のほとんどは圧延荷重を介したロール撓みの変化によって生じる。したがって、形状変化に及ぼす主要因は、圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン量,圧延前形状及びワ−クロ−ルクラウン量ということができる。
そこで、圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン量,圧延前形状及びワ−クロ−ルクラウン量が圧延形状に及ぼす定量的な影響を検討した。
圧延荷重の変化は、ロール撓みの変化となって現れ、圧延材の形状を変化させる。圧延荷重とロール撓み量との関係は弾性領域における変形を対象としていることからほぼ線形的な関係にある。したがって、式(1),(2)で表される伸び率差εe,εqも図1に示すように圧延荷重Pと線形関係にある。
ワークロールベンダーも圧延荷重と同様にロール撓みを変化させて圧延形状を変化させるものであり、図2に示すようにワークロールベンダー力Bと伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
素材クラウン量は板端部と板幅中央の板厚差で定義した。図3に示すように素材クラウン量Crと伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
図4,5に示すように圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qと圧延後の伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
ワ−クロ−ルクラウン量はワ−クロ−ル端とワ−クロ−ル中央との直径差で定義した。図6に示すようにワ−クロ−ルクラウン量Wrと伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
以上の各要因相互の関係から、ae,be,ce,de,ee,fe,aq,bq,cq,dq,eq,fqを影響係数として、式(5)〜(6)で圧延形状予測式を表すことができる。
εe=ae・P+be・B+ce+de・Cr+ee・ε0e+fe・Wr (5)
εq=aq・P+bq・B+cq+dq・Cr+eq・ε0q+fq・Wr (6)
影響係数ae,be,ce,de,ee,fe,aq,bq,cq,dq,eq,fqは、板幅,板厚及び材質等の製造品種によって定まる定数であり、実験又はロールの弾性変形解析と素材の塑性変形解析とを連成させた解析モデルによるシミュレーションからそれぞれ求められる。各影響係数は、板幅,板厚,材質等の各区分毎にテーブル設定し、或いは板幅,板厚,材質等の関数として数式化される。
なお、ワ−クロ−ル径400mm程度が一般的な6段圧延機やワ−クロ−ル径100mm以下が一般的な20段圧延機等では、ワ−クロ−ルに大きな撓み変形が生じやすいため圧延荷重の形状に及ぼす影響は大きいが、素材クラウンの形状に及ぼす影響は小さくなりやすい。この場合には、式(5),(6)において素材クラウン量Crをゼロとして素材クラウン量の影響項を無視することも可能である。
また、圧延前形状が良好な場合や、圧下率が大きく圧延前形状が残存しにくい場合には、圧延前形状の形状に及ぼす影響は小さい。この場合には、式(5),(6)において圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qをゼロとして圧延前形状の影響項を無視することも可能である。
圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲において形状制御手段の仕様範囲内で目標の伸び率差εe,εqがそれぞれの目標値εe 0,εq 0に近づくような適正なワ−クロ−ルクラウン量Wrの算出に際しては、全ての板厚,板幅及び材質のテーブル区分を通じて最も耳伸び側の形状になりやすい条件と最も中伸び側の形状になりやすい条件でそれぞれ式(7)で示す評価関数Jが最小となるようにワ−クロ−ルクラウン量を算出し、その平均値をとる。
圧延荷重の影響係数ae,aqは正、ワークロールベンダー力の影響係数be,bqは負、素材クラウン量の影響係数de,dqは負、圧延前形状の影響係数ee,eqは正、ワ−クロ−ルクラウン量の影響係数fe、fqは負なので、最も耳伸び側の形状になりやすい条件については、板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎に圧延荷重の予測範囲の最大値,ワークロールベンダー力の仕様範囲の最小値,素材クラウン量の予測範囲の最小値,圧延前素材の伸び率差の予測範囲の最大値を式(5),(6)に代入して式(7)で示す評価関数Jが最小となるようにワ−クロ−ルクラウン量を算出し、全ての板厚,板幅及び材質のテーブル区分を通じての最大値を採用する。
また、最も中伸び側の形状になりやすい条件については、板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎に圧延荷重の予測範囲の最小値,ワークロールベンダー力の仕様範囲の最大値,素材クラウン量の予測範囲の最大値,圧延前素材の伸び率差の予測範囲の最小値を式(5),(6)に代入して式(7)で示す評価関数Jが最小となるようにワ−クロ−ルクラウン量を算出し、全ての板厚,板幅及び材質のテーブル区分を通じての最小値を採用する。
J=wee−εe 0)2+wqq−εq 0)2 (7)
式中、we,wqは、重み係数を示す。
上記の方法により適正なクラウン量を付与したワ−クロ−ルを用いて圧延する場合のワークロールベンダー力Bの初期設定に際しては、圧延荷重Pを予測し、圧延荷重Pの予測値,素材クラウンCrの実測値,圧延前素材の伸び率差のε0e,ε0qの実測値及び付与したワ−クロ−ルクラウン量Wrから、式(7)で示す評価関数Jが最小となるようにワークロールベンダー力Bを算出し、設定する。
形状検出器が設置されている圧延機では、本発明による方法によりワ−クロ−ルベンダ−力を初期設定した後、形状検出器で得られた圧延材の形状測定結果に基づいて圧延中にも形状制御できる。形状検出器を備えていない圧延機では、圧延荷重Pを連続的に測定し、圧延荷重Pの実測値と素材クラウンCrの実測値,圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの実測値及び付与したワ−クロ−ルクラウン量Wrから、式(7)で示す評価関数Jが最小となるようにワークロールベンダー力Bを算出し、補正する。
以上の説明では、板端部及びクォ−タ部の2点における板幅中央に対する伸び率差εe,εqで圧延形状を定義し、適正なワ−クロ−ルクラウン量Wrを算出し、ワ−クロ−ルに付与するとともに、ワークロールベンダー力Bを設定又は補正している。しかし、本発明はこれに拘束されるものではなく、板幅方向に沿った3点以上について板幅中央に対する伸び率差を用いて圧延形状を定義した場合にも同様に圧延形状を制御できる。
使用する形状制御手段は、ワ−クロ−ルベンダ−に限ったものではなく、6段圧延機の形状制御手段である中間ロ−ルベンダ−や中間ロ−ルシフトを用いる場合にも、圧延形状予測式を式(5),(6)と同様な線形式で表し、適正なワ−クロ−ルクラウン量Wrを算出し、ワ−クロ−ルに付与するとともに、中間ロ−ルベンダ−,中間ロ−ルシフト等を設定又は補正できる。例えばワ−クロ−ルベンダ−と中間ロ−ルベンダ−で制御する場合、式(8),(9)の圧延形状予測式が使用され、適正なワ−クロ−ルクラウン量Wrを算出し、ワ−クロ−ルに付与するとともに、伸び率差εe,εqがそれぞれの目標値εe 0,εq 0となるようにワ−クロ−ルベンダ−力,中間ロ−ルベンダ−力を算出し設定する。
εe=ae・P+be・B+ce+de・Cr+ee・ε0e+fe・Wr+ge・I (8)
εq=aq・P+bq・B+cq+dq・Cr+eq・ε0q+fq・Wr+gq・I (9)
ここで、Iは中間ロ−ルベンダ−力、ge,gqは影響係数である。
実施例1;
図7に示す4段圧延機を用いた冷間圧延に本発明を適用した例を説明する。4段圧延機1は、ワークロールベンダー2を形状制御手段として備えている。また、上位コンピュータ3には予め板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎の圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲における最大値と最小値及び形状制御手段の仕様範囲における最大値と最小値が入力されている。プロセスコンピュータ4では板幅,板厚及び材質の区分毎に予め算出した影響係数を取り込んでおり、式(5),(6),(7)に基づいて全ての板厚,板幅及び材質のテーブル区分を通じて最も耳伸び側の形状になりやすい条件と最も中伸び側の形状になりやすい条件でワ−クロ−ルクラウン量を算出し、その平均値45μmを適正なワ−クロ−ルクラウン量Wrとしてワ−クロ−ル5に付与した。
上記のクラウン量Wrを付与したワ−クロ−ル5を用いて圧延する際には、上位コンピュータ3に予め入力されている圧延条件から圧延荷重式に従って圧延荷重Pが算出される。プロセスコンピュータ4では板幅,板厚及び材質の区分毎に予め算出した影響係数と素材クラウンCrの実測値,圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの実測値及び付与したワ−クロ−ルクラウン量Wrを取り込んでおり、式(5),(6),(7)に基づいてワークロールベンダー力Bを算出する。
板幅970mm,板厚2.0mmで素材クラウン量が20μm、急峻度が1.5%の耳伸び形状の熱延鋼帯を4段圧延機1に送り込み、径600mmのワークロールにより伸び率2.0%でスキンパス圧延した。なお、伸び率差εe,εqの目標値εe 0,εq 0はいずれも0とした。圧延開始後は形状検出器の出力値に基づいて制御しながらスキンパス圧延した。
比較のため、前記特許文献5で紹介した方法によりプリセット制御し、圧延開始後は形状検出器6の出力値に基づいて制御しながらスキンパス圧延した。
スキンパス圧延された鋼帯は図8に示すように、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.5%以内に収められており、良好な形状に圧延されていた。これに対し、ワ−クロ−ルクラウン量Wrが適正化されておらず、ワークロールベンダーの能力が不足する比較法では、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が1.0%以上と大きな耳伸びを生じていた。
実施例2;
ワークロールベンダー2を形状制御手段として備え、形状検出器のない4段圧延機1を用い、径680mmのワークロールにより板幅1020mm,板厚2.0mmで素材クラウン量が30μm、急峻度が1.5%の耳伸び形状の熱延鋼板を伸び率2.0%でスキンパス圧延した。
図9に示す4段圧延機を用いた冷間圧延に本発明を適用した例を説明する。
4段圧延機1は、ワークロールベンダー2を形状制御手段として備えている。また、上位コンピュータ3には予め板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎の圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲における最大値と最小値及び形状制御手段の仕様範囲における最大値と最小値が入力されている。プロセスコンピュータ4では板幅,板厚及び材質の区分毎に予め算出した影響係数を取り込んでおり、式(5),(6),(7)に基づいて全ての板厚,板幅及び材質のテーブル区分を通じて最も耳伸び側の形状になりやすい条件と最も中伸び側の形状になりやすい条件でワ−クロ−ルクラウン量を算出し、その平均値40μmを適正なワ−クロ−ルクラウン量Wrとして径680mmのワ−クロ−ル5に付与した。そして、板幅1020mm,板厚2.0mmで素材クラウン量が30μm、急峻度が1.5%の耳伸び形状の熱延鋼板を伸び率2.0%でスキンパス圧延した。
圧延開始時には式(5),(6),(7)に基づいてワークロールベンダー力Bを設定し、圧延中には荷重計7で圧延荷重Pを連続測定し、上位コンピュータ3に入力した。そして、圧延荷重Pの実測値,素材クラウンCrの実測値,圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの実測値及び付与したワ−クロ−ルクラウン量Wrを式(5),(6),(7)に代入して、伸び率差εe,εqがそれぞれの目標値εe 0,εq 0に一致するようにワークロールベンダー力Bを補正した。
スキンパス後の鋼帯は、図10に示すように圧延開始からコイル全長にわたって急峻度は0.5%以内に収められた良好な形状であった。他方、ワ−クロ−ルクラウン量Wrが適正化されておらず、ワークロールベンダーの能力が不足する特許文献5による比較法では、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が1.0%以上と大きな耳伸びを生じていた。
圧延荷重が伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ ワークロールベンダー力が伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ 素材クラウン量が伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ 圧延前素材の伸び率差ε0eが伸び率差εeに及ぼす影響を表したグラフ 圧延前素材の伸び率差ε0qが伸び率差εqに及ぼす影響を表したグラフ ワ−クロ−ルクラウン量が伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ 実施例1で使用した4段圧延機及び制御系統の概略図 実施例1で圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフ 実施例2で使用した4段圧延機及び制御系統の概略図 実施例2で圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフ
符号の説明
1:4段圧延機 2:ワークロールベンダー
3:上位コンピュータ 4:プロセスコンピュータ
5:ワ−クロ−ル 6:形状検出器
7:荷重計

Claims (3)

  1. 圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン量,圧延前形状及びワ−クロ−ルクラウン量を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、板厚,板幅及び材質のテーブル区分毎に圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲における最大値と最小値及び形状制御手段の仕様範囲における最大値と最小値を数式モデルに代入し、圧延荷重,素材クラウン量,圧延前形状の予測範囲において形状制御手段の仕様範囲内で目標の伸び率差が得られるように、適正なワ−クロ−ルクラウン量を算出し、ワ−クロ−ルに付与することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
  2. 請求項1記載のクラウン量を付与したワ−クロ−ルを用いて圧延する際に、圧延荷重の予測値,素材クラウン量と圧延前形状の実測値及びワ−クロ−ルクラウン量を請求項1記載の数式モデルに代入し、伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
  3. 請求項1記載のクラウン量を付与したワ−クロ−ルを用いて圧延する際に、連続的に測定した圧延荷重の実測値,素材クラウン量と圧延前形状の実測値及びワ−クロ−ルクラウン量を請求項1記載の数式モデルに代入し、伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
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