JP4330134B2 - 冷間圧延における形状制御方法 - Google Patents

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本発明は、圧延された金属帯の板形状が目標形状に一致するように圧延条件を制御する方法に関する。
冷間圧延では、圧延機出側に配置された形状検出器で圧延中の圧延材形状を測定し、測定結果に基づいてロールベンダー,ロールシフト等の形状制御手段の制御量を補正する方法が一般的に採用されている。しかし、圧延機から離れた位置に配置されている形状検出器で圧延材の形状を測定することが多く、そのため検出遅れが生じ、応答性の高い制御が困難なこともある。
高速応答性で形状制御するため、圧延荷重の変動が圧延材の形状変化に影響を及ぼしているとの前提に立って、板形状の直接測定に代えて圧延荷重を測定し、圧延荷重の測定値に基づいて各形状制御手段の制御量を補正する種々の方式が提案されている(特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。何れの方式も、圧延形状を圧延荷重の関数で表した圧延形状予測式に基づいて形状制御しているが、圧延形状予測式では板幅方向の1箇所の形状のみで圧延形状を評価している。そのため、圧延荷重が大きく変動する場合、板幅全体にわたって良好な形状を得がたい。
このような問題を解消するために、本発明者等は、板幅方向に沿った複数箇所で伸び率差を取り込んだ数式モデルを使用することにより、圧延荷重の変動に応じて形状制御手段の制御量を補正し、板幅全体にわたって良好な形状をもつ鋼帯を製造する方法を開発し、特許文献4で紹介した。この方法は、圧延中の形状制御を対象にしているが、圧延開始時に形状制御手段を初期設定するプリセット制御についても数式モデルをそのまま適用できる。
しかし、特許文献4で紹介した方法は、素材クラウンの影響を考慮することなく、圧延荷重及び形状制御手段の関数で形状予測式を表している。したがって、大径ワークロールを使用する4段圧延機等による圧延では、ワークロールの撓み変形が小さく、素材クラウンの影響が大きくなる。このような圧延で形状検出器による形状の測定結果に基づいた圧延中の形状制御に先立って、数式モデルにより形状制御手段を初期設定すると、圧延初期に形状不良が発生しやすい。
また、形状検出器が配置されていない圧延機による圧延では、圧延荷重の変動に応じて形状制御手段の制御量を補正する場合、圧延開始時から圧延終了時まで素材クラウンの影響が考慮されていないため、コイル全長にわたって形状不良が生じることもある。
そこで、本発明者等は、圧延荷重と素材クラウンの両方の影響を取り込んだ数式モデルを用いてプリセット制御及び圧延中の形状制御を行うことにより、圧延開始時よりコイル全長にわたって良好な形状をもった鋼帯を製造する方法を開発し、特許文献5として紹介した。
特公昭52−23873号公報 特開昭57−7309号公報 特開平8−257612号公報 特開平11−267727号公報 特開2002−292414号公報
特許文献5で紹介した方法は、圧延前形状の影響が小さいことを前提としたものであり、圧延前形状が良好であったり、圧下率が大きく圧延前形状が残存し難かったりする場合には良好な形状が得られる。しかし、スキンパス圧延のように、圧下率が小さい圧延条件においてこの方法を適用すると、圧延前形状が良好でない場合に圧延前形状が残存し、良好な形状が得られない場合がある。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、圧延前形状の影響を考慮した数式モデルを用いてプリセット制御及び圧延中に形状制御することにより、圧延前形状の影響を補正し、形状精度に優れた圧延材を高生産性で製造できる制御方法を提供することを目的とする。
本発明の冷間圧延における形状制御方法は、その目的を達成するため、圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン及び板端から距離が異なる複数の箇所における板幅中央部に対する圧延前素材の伸び率差を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する圧延後の伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値及び素材クラウン,圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特徴とする。
また、連続的に測定した圧延荷重の実測値及び素材クラウン,圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正するとき、圧延中の形状制御も可能となる。
さらに、素材クラウンの形状に及ぼす影響が小さくなりやすい小径ロールによる圧延においては、圧延荷重,形状制御手段の制御量及び板端から距離が異なる複数の箇所における板幅中央部に対する圧延前素材の伸び率差を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する圧延後の伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値及び圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特徴とする。
この場合にも、連続的に測定した圧延荷重の実測値及び圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正するとき、圧延中の形状制御も可能となる。
本発明においては、圧延前形状の影響を考慮した数式モデルを用いて形状制御手段の制御量を算出し、設定又は補正している。そのため、圧下率が小さい圧延条件において圧延前形状が良好でない場合においても、圧延前形状の影響を補正し、圧延開始からコイル全長にわたって良好な形状の圧延材が得られる。
本発明者等は、圧延前形状の影響を取り込んだ数式モデルを用いて形状制御手段の制御量を設定及び補正することにより、圧延開始から圧延前形状の影響を補正し、コイル全長にわたって良好な形状が得られるような冷間圧延の形状制御方法を種々調査検討した。
その結果、板端からの距離が異なる複数箇所について板幅中央部に対する伸び率差が圧延前素材の伸び率差と比例関係にあることに着目し、伸び率の差に圧延前形状が与える影響を取り込んだ数式モデルを使用すると、形状制御手段の制御量を高精度で設定及び補正でき、良好な形状をもつ圧延材が製造されることを見出した。
以下、4段圧延機を対象に本発明の形状制御方法について説明しているが、6段以上の多段圧延機に対しても同様に本発明が適用されることは勿論である。
耳伸び,中伸び等の単純な形状不良だけでなく、クォータ伸びや各種伸びが複雑に組み合わさった複合伸びを防止するためには、圧延形状を複数の指標で評価し制御することが要求される。そこで、本発明においては、圧延形状を板端から距離が異なる複数箇所における伸び率と板幅中央との伸び率との差で圧延形状を評価する。
具体的には、板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差εe,εqで圧延形状を定義する。伸び率差εe,εqは、板端部の伸び率をele,クォータ部の伸び率をelq,板幅中央部の伸び率をelcとするとき、それぞれ式(1)及び(2)で表される。
εe=ele−elc ・・・・(1)
εq=elq−elc ・・・・(2)
同様に、圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qは、圧延素材の板端部の伸び率をel0e,クォータ部の伸び率をel0q,板幅中央部の伸び率をel0cとするとき、それぞれ式(3)及び(4)で表される。
ε0e=el0e−el0c ・・・・(3)
ε0q=el0q−el0c ・・・・(4)
なお、板端部及びクォータ部の測定位置については、形状を適切に表し、且つ精度のよい数式モデルが得られるように経験的に定められる。
圧延材の形状に及ぼす影響要因には、圧延材寸法,材質,潤滑状態,圧延荷重,形状制御手段の制御量,圧延前形状,素材クラウン等がある。このうち、圧延材寸法については板厚,板幅ごとにテーブル区分すると、区分内での圧延材寸法の変化が形状に及ぼす影響を小さくできる。材質,潤滑状態は、圧延材の形状に影響するが、その影響のほとんどは圧延荷重を介したロール撓みの変化によって生じる。したがって、形状変化に及ぼす主要因は、圧延荷重,形状制御手段の制御量,圧延前形状及び素材クラウンということができる。そこで、圧延荷重,形状制御手段の制御量,圧延前形状及び素材クラウンが圧延形状に及ぼす定量的な影響を検討した。
圧延荷重の変化は,ロール撓みの変化となって現れ,圧延材の形状を変化させる。圧延荷重とロール撓み量との関係は、弾性領域における変形を対象としていることから、ほぼ直線的な関係にある。したがって、式(1)、(2)で表される伸び率差εe,εqも図1に示すように圧延荷重Pと線形関係にある。
形状制御手段であるワークロールベンダーも圧延荷重と同様にロール撓みを変化させて圧延形状を変化させるものであり、図2に示すように、ワークロールベンダー力Bと伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
素材クラウンは、板端部と板幅中央との板厚差で定義した。図3に示すように、素材クラウンCrと伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
図4,5に示すように、圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qと圧延後の伸び率差εe,εqとの間も線形関係にある。
以上の各要因相互の関係から、ae,be,ce,de,ee,aq,bq,cq,dq,eqを影響係数として、式(5)、(6)で圧延形状予測式を表わすことができる。
εe=ae・P+be・B+ce+de・Cr+ee・ε0e ・・・・(5)
εq=aq・P+bq・B+cq+dq・Cr+eq・ε0q ・・・・(6)
影響係数ae,be,ce,de,ee,aq,bq,cq,dq,eqは、板幅,板厚及び材質等の製造品種に応じて定まる定数であり、実験又はロールの弾性変形解析と素材の塑性変形解析とを連成させた解析モデルによるシミュレーションからそれぞれ求められる。各影響係数は、板幅、板厚,材質等の各区分毎にテーブル設定し、或いは板幅,板厚,材質等の関数として数式化される。
また、ワークロール径400mm程度が一般的な6段圧延機やワークロール径100mm以下が一般的な20段圧延機等では、ワークロールに大きな撓み変形が生じやすいため圧延荷重の形状に及ぼす影響は大きいが、素材クラウンの形状に及ぼす影響は小さくなりやすい。したがって、式(5)、(6)の代わりに式(7)、(8)で圧延形状予測式を表わすこともできる。
εe=ae・P+be・B+ce+ee・ε0e ・・・・(7)
εq=aq・P+bq・B+cq+eq・ε0q ・・・・(8)
伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0に近づくようなワークロールベンダー力Bの算出に際しては、式(9)で示す評価関数Jが最小となるように、ワークロールベンダー力Bを算出し、設定する。式中,we,wqは重み係数を示す。
J=wee−εe 0)2+wqq−εq 0)2 ・・・・(9)
他方、ワークロール径が600mm以上となる場合もある4段圧延機では、ワークロールの撓み変形が小さいため、素材クラウンの形状に及ぼす影響が大きくなり、素材クラウンの変動に起因する形状変化量が圧延荷重の変動に起因する形状変化量よりも大きくなることが多い。すなわち、ワークロールの撓み変形が小さいと、圧延機出側の板幅方向板厚分布が均一化され、板幅方向の圧下率分布が素材クラウンに応じて大きく変化し、圧延材形状も大きく変化する。
このような場合には、素材クラウンの影響を考慮して形状予測式(5)、(6)を用いて形状制御を行う。
ワークロールベンダー力Bの初期設定に際しては、圧延荷重Pを予測し、圧延荷重Pの予測値と素材クラウンCrの測定値及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの測定値から、式(9)で示す評価関数Jが最小となるようにワークロールベンダー力Bを算出し、設定する。形状検出器が配置されている圧延機では、本発明による方法によりワークロールベンダー力Bを初期設定した後、形状検出器で得られた圧延材の形状測定結果に基づいて圧延中にも形状制御できる。形状検出器を備えていない圧延機では、圧延荷重Pを連続的に測定し、圧延荷重Pの測定値と素材クラウンCr及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの測定値から、式(9)で示す評価関数Jが最小となるようにワークロールベンダー力Bを算出し、補正する。
一方、6段圧延機や20段圧延機等の小径ワークロールによる圧延では、素材クラウンの影響を考慮せずに形状予測式(7)、(8)を用いて形状制御を行うことができる。
この場合には、ワークロールベンダー力Bの初期設定に際しては、圧延荷重Pを予測し、圧延荷重Pの予測値及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの測定値から、式(9)で示す評価関数Jが最小となるようにワークロールベンダー力Bを算出し、設定する。形状検出器が配置されている圧延機では、本発明による方法によりワークロールベンダー力を初期設定した後、形状検出器で得られた圧延材の形状測定結果に基づいて圧延中にも形状制御できる。形状検出器を備えていない圧延機では、圧延荷重Pを連続的に測定し、圧延荷重Pの測定値及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの測定値から、式(9)で示す評価関数Jが最小となるようにワークロールベンダー力の制御量Bを算出し、補正する。
以上の説明では、板端部及びクォータ部の2点の板幅中央に対する伸び率差εe,εqで圧延形状を定義し、ワークロールベンダー力の制御量Bを設定又は補正している。しかし、本発明はこれに拘束されるものではなく、板幅方向に沿った3点以上について板幅中央部に対する伸び率差を用いて圧延形状を定義した場合にも同様に圧延形状を制御できる。
使用する形状制御手段は、ワークロールベンダーに限ったものではなく、6段圧延機の形状制御手段である中間ロールベンダーや中間ロールシフトを用いる場合にも、圧延形状予測式を式(5),(6)、又は式(7),(8)と同様な線形式で表し、中間ロールベンダー,中間ロールシフト等を設定又は補正できる。
例えば、ワークロールベンダーと中間ロールベンダーで制御する場合、式(10),(11)又は式(12),(13)の圧延形状予測式が使用され、伸び率差εe,εqはそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるようにワークロールベンダー力,中間ロールベンダー力を算出する。
εe=ae・P+be・B+ce+de・Cr+ee・ε0e+fe・I ・・・・(10)
εq=aq・P+bq・B+cq+dq・Cr+eq・ε0q+fq・I ・・・・(11)
εe=ae・P+be・B+ce+ee・ε0e+fe・I ・・・・(12)
εq=aq・P+bq・B+cq+eq・ε0q+fq・I ・・・・(13)
ここで、Iは中間ロールベンダー力、fe,fqは影響係数である。
図6で示したよう4段圧延機を用いた冷間圧延に本発明を適用した例を説明する。4段圧延機1は、ワークロールベンダー2を形状制御手段として備えており、上位コンピュータ3に予め入力されている圧延条件から圧延荷重式に従って圧延荷重Pが算出される。プロセスコンピュータ4では、板幅,板厚及び材質の区分毎に予め算出した影響係数と素材クラウンCr及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの測定値を取り込んでおり、式(5),(6),(9)に基づいてワークロールベンダー力Bを算出する。
板幅920mm、板厚2.0mmで急峻度が約1.5%の耳伸び形状の熱延鋼帯を4段圧延機1に送り込み、径600mmのワークロールにより伸び率1.2%でスキンパス圧延した。なお、伸び率差εe,εqの目標値εe 0,εq 0はいずれも0とした。圧延開始後は、形状検出器の出力値に基づいて制御しながらスキンパス圧延した。
比較のため、特許文献5で紹介した方法によりプリセット制御し、圧延開始後は形状検出器の出力値に基づいて制御しながらスキンパス圧延した。
スキンパス圧延された鋼帯は、図7に示すように、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.5%以内に収められており、良好な形状に圧延され、コイル先端の形状不良が大幅に改善されていた。
これに対し、圧延前形状の影響を考慮していない比較法では、圧延後半に急峻度が0.5%以内に収束したが、圧延初期は圧延前素材の形状が残存し、急峻度は0.8%以上と大きな値であった。
ワークロールベンダー2を形状制御手段として備え、形状検出器のない4段圧延機1を用い、径680mmのワークロールにより板幅950mm,板厚2.0mmで急峻度が約1.5%の耳伸び形状の熱延鋼帯を伸び率1.2%でスキンパス圧延した。
圧延開始時には式(5),(6),(9)に基づいてワークロールベンダー力Bを設定し、圧延中には荷重計5で圧延荷重Pを連続測定し、測定結果を上位コンピュータ3に入力した。そして、圧延荷重Pの実測値と素材クラウンCr及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの実測値を式(5),(6),(9)に代入して伸び率差εe,εqが目標値εe 0,εq 0に一致するようにワークロールベンダー力Bを補正した。
スキンパス後の鋼帯は、図8に示すように、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.5%以内に収められた良好な形状であった。
他方、圧延前形状の影響を考慮しない比較法では、圧延前形状が残存し、急峻度は0.8%前後で推移していた。
図9で示したような6段圧延機を用いた冷間圧延に本発明を適用した例を説明する。6段圧延機6は、ワークロールベンダー2及び中間ロールベンダー7を形状制御手段として備えており、上位コンピュータ3に予め入力されている圧延条件から圧延荷重式に従って圧延荷重Pが算出される。プロセスコンピュータ4では、板幅,板厚及び材質の区分毎に予め算出した影響係数と圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの測定値を取り込んでおり、式(9),(12),(13)に基づいてワークロールベンダー力B及び中間ロールベンダー力Iを算出する。
板幅650mm、板厚0.1mmで急峻度が約1.5%の耳伸び形状の冷延鋼帯を6段圧延機6に送り込み、径120mmのワークロールにより伸び率2.0%で仕上げ圧延を行った。なお、伸び率差εe,εqの目標値εe 0,εq 0はいずれも0とした。圧延開始後は、形状検出器の出力値に基づいて制御しながら圧延した。
比較のため、特許文献5で紹介した方法によりプリセット制御し、圧延開始後は形状検出器の出力値に基づいて制御しながら圧延した。
圧延された鋼帯は、図10に示すように、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.5%以内に収められており、良好な形状に圧延され、コイル先端の形状不良が大幅に改善されていた。
これに対し、圧延前形状の影響を考慮しない比較法では、圧延後半に急峻度が0.5%以内に収束したが、圧延初期は圧延前素材の形状が残存し、急峻度は0.8%以上と大きな値であった。
ワークロールベンダー2及び中間ロールベンダー7を形状制御手段として備え、形状検出器のない6段圧延機6を用い、径120mmのワークロールにより板幅620mm,板厚0.1.mmで急峻度が約1.5%の耳伸び形状の冷延鋼帯を伸び率2.0%で仕上げ圧延した。
圧延開始時には式(9),(12),(13)に基づいてワークロールベンダー力B及び中間ロールベンダー力Iを設定し、圧延中には荷重計5で圧延荷重Pを連続測定し、測定結果を上位コンピュータ3に入力した。そして、圧延荷重Pの実測値及び圧延前素材の伸び率差ε0e,ε0qの実測値を式(9),(12),(13)に代入して伸び率差εe,εqが目標値εe 0,εq 0に一致するようにワークロールベンダー力B及び中間ロールベンダー力Iを補正した。
圧延された鋼帯は、図11に示すように、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.5%以内に収められた良好な形状であった。
他方、圧延前形状の影響を考慮しない比較法では、圧延前形状が残存し、急峻度は0.8%前後で推移していた。
圧延荷重が伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ ワークロールベンダー力が伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ 素材クラウンが伸び率差に及ぼす影響を表したグラフ 圧延前素材の伸び率差ε0eが伸び率差εeに及ぼす影響を表わしたグラフ 圧延前素材の伸び率差ε0qが伸び率差εqに及ぼす影響を表わしたグラフ 実施例で使用した4段圧延機及び制御系統の概略図 実施例1で圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフ 実施例2で圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフ 実施例で使用した6段圧延機及び制御系統の概略図 実施例3で圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフ 実施例4で圧延された鋼帯の急峻度を示すグラフ
符号の説明
1:4段圧延機 2:ワークロールベンダー 3:上位コンピュータ
4:プロセスコンピュータ 5:荷重計 6:6段圧延機
7:中間ロールベンダー

Claims (4)

  1. 圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン及び板端から距離が異なる複数の箇所における板幅中央部に対する圧延前素材の伸び率差を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する圧延後の伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値及び素材クラウン,圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
  2. 圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン及び板端から距離が異なる複数の箇所における板幅中央部に対する圧延前素材の伸び率差を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する圧延後の伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、連続的に測定した圧延荷重の実測値及び素材クラウン,圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
  3. 圧延荷重,形状制御手段の制御量及び板端から距離が異なる複数の箇所における板幅中央部に対する圧延前素材の伸び率差を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する圧延後の伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値及び圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
  4. 圧延荷重,形状制御手段の制御量及び板端から距離が異なる複数の箇所における板幅中央部に対する圧延前素材の伸び率差を変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所について板幅中央に対する圧延後の伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、連続的に測定した圧延荷重の実測値及び圧延前素材の伸び率差の実測値を数式モデルに代入し、圧延後の伸び率差が目標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正することを特徴とする冷間圧延における形状制御方法。
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