JP2003326305A - 冷間圧延における形状制御方法 - Google Patents

冷間圧延における形状制御方法

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JP2003326305A
JP2003326305A JP2002136833A JP2002136833A JP2003326305A JP 2003326305 A JP2003326305 A JP 2003326305A JP 2002136833 A JP2002136833 A JP 2002136833A JP 2002136833 A JP2002136833 A JP 2002136833A JP 2003326305 A JP2003326305 A JP 2003326305A
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Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kenji Hara
健治 原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延開始時よりコイル全長にわたって良好な
形状の鋼帯を製造する。 【構成】 圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラ
ウンを変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所につ
いて板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成
分を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値及
び素材クラウンの実測値を数式モデルに代入し、伸び率
差の対称成分及び非対称成分が目標値に一致するように
形状制御手段の制御量を算出し、設定する。圧延中の形
状制御では、連続的に測定した圧延荷重の実測値及び素
材クラウンの実測値を数式モデルに代入し、伸び率差の
対称成分及び非対称成分が目標値に一致するように形状
制御手段の制御量を算出し、補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延された金属帯の板
形状が目標形状に一致するように圧延条件を制御する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延では、圧延機出側に配置された
形状検出器で圧延中の圧延材形状を測定し、測定結果に
基づいてロールベンダー,ロールシフト等の形状制御手
段の制御量を補正する方法が一般的に採用されている。
しかし、圧延機から離れた位置に配置されている形状検
出器で圧延材の形状を測定することが多く、そのため検
出遅れが生じ、応答性の高い制御が困難なこともある。
【0003】高速応答性で形状制御するため、圧延荷重
の変動が圧延材の形状変化に影響を及ぼしているとの前
提に立って、板形状の直接測定に代えて圧延荷重を測定
し、圧延荷重の測定値に基づいて各形状制御手段の制御
量を補正する種々の方式が提案されている(特公昭52
−23873号公報,特開昭57−73095号公報,
特開平8−257612号公報)。何れの方式も、圧延
形状を圧延荷重の関数で表した圧延形状予測式に基づい
て形状制御しているが、圧延形状予測式では板幅方向の
1箇所の形状のみで圧延形状を評価している。そのた
め、圧延荷重が大きく変動する場合、板幅全体にわたっ
て良好な形状を得がたい。
【0004】このような問題を解消するため、本発明者
等は、板幅方向に沿った複数箇所で伸び率差を取り込ん
だ数式モデルを使用することにより、圧延荷重の変動に
応じて形状制御手段の制御量を補正し、板幅全体にわた
って良好な形状をもつ鋼帯を製造する方法を開発し、特
開平11−267727号公報で紹介した。この方法
は、圧延中の形状制御を対象にしているが、圧延開始時
に形状制御手段を初期設定するプリセット制御について
も数式モデルをそのまま適用できる。
【0005】しかし、特開平11−267727号公報
の方法は、素材クラウンの影響を考慮することなく、圧
延荷重及び形状制御手段の関数で形状予測式を表してい
る。したがって、大径ワークロールを使用する4段圧延
機等による圧延では、ワークロールの撓み変形が小さ
く、素材クラウンの影響が大きくなる。このような圧延
で形状検出器による形状の測定結果に基づいた圧延中の
形状制御に先立って、数式モデルにより形状制御手段を
初期設定すると、圧延の初期に形状不良が発生しやす
い。
【0006】また、形状検出器が設置されていない圧延
機による圧延では、圧延荷重の変動に応じて形状制御手
段の制御量を補正する場合、圧延開始時から圧延終了時
まで素材クラウンの影響が考慮されていないため、コイ
ル全体にわたって形状不良を生じることもある。そこ
で、本発明者等は、圧延荷重と素材クラウンの両方の影
響を取り込んだ数式モデルを用いてプリセット制御及び
圧延中の形状制御を行うことにより、圧延開始時よりコ
イル全長にわたって良好な形状をもつ鋼帯を製造する方
法を開発し、特願2001−96002号として出願し
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特願2001−960
02号による方法は、左右対称な形状制御を前提とした
ものであり、素材クラウンが対称な場合には良好な形状
が得られる。しかし、素材クラウンが非対称な場合にこ
の方法を適用すると、板厚の厚い側が伸びる片伸びを生
じやすい。本発明は、このような問題を解消すべく案出
されたものであり、板幅方向複数の箇所における板幅中
央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を表す数
式モデルを用いてプリセット制御及び圧延中に形状制御
することにより、左右非対称な形状を生じることを防止
し、形状制度に優れた圧延材を高生産性で製造できる制
御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の形状制御方法
は、その目的を達成するため、圧延荷重,形状制御手段
の制御量,素材クラウンを変数とし、板端から距離が異
なる複数の箇所について板幅中央に対する伸び率差の対
称成分及び非対称成分を表す数式モデルを予め作成し、
圧延荷重の予測値及び素材クラウンの実測値を数式モデ
ルに代入し、伸び率差の対称成分及び非対称成分が目標
値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、設
定することを特徴とする。また、連続的に測定した圧延
荷重の実測値及び素材クラウンの実測値を数式モデルに
代入し、伸び率差の対称成分及び非対称成分が目標値に
一致するように形状制御手段の制御量を算出し、補正す
るとき、圧延中の形状制御も可能になる。
【0009】
【実施の形態】本発明者等は、板幅方向複数の箇所にお
ける板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成
分を表す数式モデルを用いて形状制御手段の制御量を設
定及び補正することにより、圧延開始から左右非対称な
形状を生じることを防止し、コイル全長にわたって良好
な形状が得られるような冷間圧延の形状制御方法を種々
調査検討した。その結果、板端からの距離が異なる複数
の箇所について板幅中央に対する伸び率差の対称成分及
び非対称成分が圧延荷重及び素材クラウンと比例関係に
あることに着目し、伸び率差に圧延荷重及び素材クラウ
ンが与える影響を取り込んだ数式モデルを使用すると、
形状制御手段の制御量を高精度で設定及び補正でき、良
好な形状をもつ圧延材が製造されることを見出した。以
下、4段圧延機を対象に本発明の形状制御方法について
説明するが、6段以上の多段圧延機に対しても同様に本
発明が適用されることは勿論である。
【0010】耳伸び,中伸び等の単純な形状不良だけで
なく、クォータ伸び,片伸びや各種伸びが複雑に組み合
った複合伸びを防止するためには、圧延形状を複数の指
標で評価し制御することが要求される。そこで、本発明
においては、圧延形状を板端から距離が異なる複数の箇
所における伸び率と板幅中央の伸び率との差で評価す
る。具体的には、板端部及びクォータ部の板幅中央に対
する伸び率差をその対称成分εe,εq、非対称成分
εe',εq'に分け、圧延形状を定義する。板幅方向位置
xにおける板幅中央に対する伸び率差をε(x)とする
と、伸び率差の対称成分εe,εq及び非対称成分εe',
εq'は次の(1)〜(4)式のように表される。
【0011】 εe={ε(EW)+ε(ED)}/2 ・・・・(1) εq={ε(QW)+ε(QD)}/2 ・・・・(2) εe'={ε(EW)−ε(ED)}/2 ・・・・(3) εq'={ε(QW)−ε(QD)}/2 ・・・・(4) ここで、EW:操作側の板端部位置 ED:駆動側の板端部位置 QW:操作側のクォータ部位置 QD:駆動側のクォータ部位置
【0012】なお、板端部及びクォータ部の測定位置に
ついては、形状を適切に表し、且つ精度のよい数式モデ
ルが得られるように経験的に定められる。圧延材の形状
に及ぼす影響要因には、圧延材寸法,材質,潤滑状態,
圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウン等があ
る。このうち、圧延材寸法については板厚,板幅毎にテ
ーブル区分すると、区分内での圧延材寸法の変化が形状
に及ぼす影響を小さくできる。材質,潤滑状態は、圧延
材の形状に影響するが、その影響のほとんどは圧延荷重
を介したロール撓みの変化によって生じる。したがっ
て、形状変化に及ぼす主要因は、圧延荷重,形状制御手
段の制御量及び素材クラウンということができる。そこ
で、圧延荷重,形状制御手段の制御量及び素材クラウン
が圧延形状に及ぼす定量的な影響を検討した。
【0013】形状制御手段であるワークロールベンダー
力の対称成分B及び非対称成分B'をそれぞれ次の
(5),(6)式で定義する。 B=(BW+BD)/2 ・・・・・・・(5) B'=(BW−BD)/2 ・・・・・・・(6) ここで、BW:操作側のワークロールベンダー力 BD:駆動側のワークロールベンダー力
【0014】次に、素材クラウンを板端部と板幅中央の
板厚差として表し、その対称成分Cr及び非対称成分C
r'をそれぞれ次の(7),(8)式で定義する。 Cr={(hC−hW)+(hC−hD)}/2 ・・・(7) Cr'={(hC−hW)−(hC−hD)}/2 ・・・(8) ここで、hC:板幅中央の板厚 hW:操作側の板端部の板厚 hD:駆動側の板端部の板厚
【0015】圧延荷重の変化は,形状を左右対称に変化
させ、伸び率差の対称成分のみに影響し、非対称成分に
は影響しない。また、圧延荷重の変化は、ロール撓みの
変化となって現れ,圧延材の形状を変化させる。圧延荷
重とロール撓み量との関係は、弾性領域における変形を
対象としていることからほぼ直線的な関係にある。した
がって、式(1)、(2)で表される伸び率差の対称成
分εe,εqも図1に示すように圧延荷重とリニアな関係
にある。ワークロールベンダー力の対称成分は形状を左
右対称に変化させるものであるから、伸び率差の対称成
分のみに影響し、非対称成分には影響しない。また、ワ
ークロールベンダー力の非対称成分は形状を左右非対称
に変化させるが、左右の平均的な形状は変化しないの
で、伸び率差の非対称成分のみに影響し、対称成分には
影響しない。ワークロールベンダーも圧延荷重と同様に
ロール撓みを変化させるものであり、図2,3に示すよ
うにワークロールベンダー力の対称成分Bと伸び率差の
対称成分εe,εqとの間及びワークロールベンダー力の
非対称成分B'と伸び率差の非対称成分εe',εq'との
間もリニアな関係にある。
【0016】素材クラウンの対称成分もワークロールベ
ンダー力の対称成分と同様に、伸び率差の対称成分のみ
に影響し、非対称成分には影響しない。また、素材クラ
ウンの非対称成分は伸び率差の非対称成分のみに影響
し、対称成分には影響しない。そして、図4,5に示す
ように素材クラウンの対称成分Crと伸び率差の対称成
分εe,εqとの間及び素材クラウンの非対称成分Cr'
と伸び率差の非対称成分εe',εq'との間もリニアな関
係にある。
【0017】以上の各要因相互の関係から、ae,be
e,de,aq,bq,cq,dq,b e',de',bq',d
q'を影響係数として次の(9)〜(12)で圧延形状予
測式を表すことができる。 εe=ae・P+be・B+ce+de・Cr ・・・・(9) εq=aq・P+bq・B+cq+dq・Cr ・・・・(10) εe'=be'・B'+de'・Cr' ・・・・(11) εq'=bq'・B'+dq'・Cr' ・・・・(12)
【0018】影響係数ae,be,ce,de,aq,bq
q,dq,be',de',bq',dq'は、板幅,板厚及び
材質等の製造品種に応じて定まる定数であり、実験又は
ロールの弾性変形解析と素材の塑性変形解析とを連成さ
せた解析モデルによるシミュレーションからそれぞれ求
められる。各影響係数は、板幅、板厚,材質等の各区分
毎にテーブル設定し、あるいは板幅,板厚,材質等の関
数として数式化される。
【0019】伸び率差の対称成分εe,εq及び非対称成
分εe',εq'がそれぞれ目標値εe 0,εq 0及び値
εe 0',εq 0'に近づくようなワークロールベンダー力の
対称成分B及び非対称成分B'の算出に際しては、次の
(13)及び(14)式で示す評価関数J及びJ'が最
小となるように、ワークロールベンダー力の対称成分B
及び非対称成分B'を算出し、設定する。式中,we,w
qは重み係数を示す。 J=wee−εe 0)2+wqq−εq 0)2 ・・・・(13) J'=wee'−εe 0')2+wqq'−εq 0')2 ・・・・(14)
【0020】ワークロールベンダー力の対称成分B及び
非対称成分B'の初期設定に際しては、圧延荷重Pを予
測し、圧延荷重Pの予測値と素材クラウンの対称成分C
r及び非対称成分Cr'の測定値から、(13),(1
4)式で示す評価関数J,J'が最小となるようにワー
クロールベンダー力の対称成分B及び非対称成分B'を
算出し、設定する。形状検出器が配置されている圧延機
では、ワークロールベンダー力を初期設定した後、形状
検出器で得られた圧延材の形状測定結果に基づいて圧延
中にも形状制御できる。形状検出器を備えていない圧延
機では、圧延荷重Pを連続的に測定し、圧延荷重Pの測
定値及び素材クラウンの対称成分Cr及び非対称成分C
r'の測定値から、(13),(14)式で示す評価関
数J,J'が最小となるようにワークロールベンダー力
の対称成分B及び非対称成分B'を算出し、補正する。
【0021】このように、板幅方向複数の箇所における
板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を
表す数式モデルを用いて圧延形状を制御することによ
り、左右非対称な形状を生じることを防止し、良好な形
状をもつ鋼帯が得られる。たとえば、ワークロール径4
00mm程度が一般的な6段圧延機やワークロール径1
00mm以下が一般的な20段圧延機等では、ワークロ
ールに大きな撓み変形が生じやすいため圧延荷重の形状
に及ぼす影響は大きいが、素材クラウンの形状に及ぼす
影響は小さくなりやすい。
【0022】他方、ワークロール径が600mm以上と
なる場合もある4段圧延機では、ワークロールの撓み変
形が小さいため、素材クラウンの形状に及ぼす影響が大
きくなり、素材クラウンの変動に起因する形状変化量が
圧延荷重の変動に起因する形状変化量よりも大きくなる
ことが多い。すなわち、ワークロールの撓み変形が小さ
いと、圧延機出側の板幅方向板厚分布が均一化され、板
幅方向の圧下率分布が素材クラウンに応じて大きく変化
し、圧延材形状も大きく変化する。この場合、圧延荷
重,形状制御手段の制御量,素材クラウンをパラメータ
としても左右対称な形状制御を前提とした数式モデルで
は、素材クラウンが非対称な場合に片伸びを生じやす
い。これに対して、形状の非対称性を考慮した数式モデ
ルを使用して形状制御するとき、素材クラウンの非対称
性が圧延材形状に及ぼす影響が打ち消され、形状精度の
良好な鋼帯が得られる。
【0023】以上の説明では、板端部及びクォータ部の
2点における板幅中央に対する伸び率差の対称成分
εe,εq及び非対称成分εe',εq'で圧延形状を定義
し、ワークロールベンダー力の対称成分B及び非対称成
分B'を設定又は補正している。しかし、本発明はこれ
に拘束されるものではなく、板幅方向に沿った3点以上
について板幅中央部に対する伸び率差の対称成分及び非
対称成分を用いて圧延形状を定義した場合にも同様に圧
延形状を制御できる。
【0024】使用する形状制御手段は、ワークロールベ
ンダーに限ったものではなく、6段圧延機の形状制御手
段である中間ロールベンダーや中間ロールシフトを用い
る場合にも、圧延形状予測式を(9)〜(12)式と同
様な線形式で表し、中間ロールベンダー,中間ロールシ
フト等の対称成分及び非対称成分を設定又は補正でき
る。たとえば、ワークロールベンダーと中間ロールベン
ダーで制御する場合、次の(15)〜(18)の圧延形
状予測式が使用され、伸び率差の対称成分εe,εq及び
非対称成分εe',εq'はそれぞれ目標値εe 0,εq 0及び
εe 0',εq 0'となるようにワークロールベンダー力,中
間ロールベンダー力の対称成分及び非対称成分を算出
し、設定する。 εe=ae・P+be・B+ce+de・Cr+ee・I ・・・・(15) εq=aq・P+bq・B+cq+dq・Cr+eq・I ・・・・(16) εe'=be'・B'+de'・Cr'+ee'・I' ・・・・(17) εq'=bq'・B'+dq'・Cr'+eq'・I' ・・・・(18) ここで、I,I'は中間ロールベンダー力の対称成分及
び非対称成分、ee,e q,ee',eq'は影響係数であ
る。
【0025】
【実施例1】4段圧延機を用いた冷間圧延に本発明を適
用した例を説明する。4段圧延機1は、ワークロールベ
ンダー2を形状制御手段として備えており、上位コンピ
ュータ3に予め入力されている圧延条件から圧延荷重式
に従って圧延荷重Pが算出される。プロセスコンピュー
タ4では、板幅,板厚及び材質の区分毎に予め算出した
影響係数及び素材クラウンの対称成分Cr及び非対称成
分Cr'を取り込んでおり、(9)〜(14)式に基づ
いてワークロールベンダーの対称成分B及び非対称成分
B'を算出する。また。圧延中の圧延荷重Pは、荷重計
5で測定される。
【0026】板幅940mm、板厚2.5mmの熱延鋼
帯を4段圧延機1に送り込み、径600mmのワークロ
ールにより伸び率1.2%でスキンパス圧延した。な
お、伸び率差の対称成分εe,εq及び非対称成分εe',
εq'の目標値εe 0,εq 0及びε e 0',εq 0'はいずれも0
とした。圧延開始後は、形状検出器の出力値に基づいて
形状制御しながらスキンパス圧延した。比較のため、特
願2001−96002号で紹介した方法によりプリセ
ット制御し、圧延開始後は形状検出器の出力値に基づい
て制御しながらスキンパス圧延した。
【0027】スキンパス圧延された鋼帯は図7に示すよ
うに、圧延開始からコイル全長にわたって急峻度が0.
5%以内に収められており、良好な形状に圧延され、コ
イル先端の形状不良が大幅に改善されていた。これに対
し、左右対称な形状制御を前提とした比較法では、圧延
後半に急峻度が0.5%以内に収束したが、圧延初期は
片伸び形状となり、急峻度が0.8%と大きな値であっ
た。
【0028】
【実施例2】ワークロールベンダー2を形状制御手段と
して備え、形状検出器のない4段圧延機1を用い、径6
80mmのワークロールにより板幅970mm,板厚
2.5mmの熱延鋼帯を伸び率1.2%でスキンパス圧
延した。圧延開始時には(9)〜(14)式に基づいて
ワークロールベンダー力の対称成分B及び非対称成分
B'を設定し、圧延中には荷重計5で圧延荷重Pを連続
測定し、測定結果を上位コンピュータ3に入力した。そ
して、圧延荷重Pの実測値及び素材クラウンの対称成分
Cr及び非対称成分Cr'の実測値を(9)〜(14)
式に代入して伸び率差の対称成分εe,εq及び非対称成
分εe',εq'がそれぞれの目標値εe 0,εq 0及εe 0',
εq 0'に一致するようにワークロールベンダー力の対称
成分B及び非対称成分B'を補正した。スキンパス後の
鋼帯は、図8に示すように圧延開始からコイル全長にわ
たって急峻度が0.5%以内に収められた良好な形状で
あった。他方、左右対称な形状制御を前提とした比較法
では、片伸び形状を生じ、急峻度は0.8%前後で推移
していた。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材クラウンを
パラメータとして形状の非対称性を考慮した数式モデル
を用いて形状制御手段の制御量を算出し、設定又は補正
している。そのため、ワークロールの撓み変形が小さく
素材クラウンの影響が大きく現れる大径ワークロールを
組み込んだ圧延機を使用する場合でも、片伸びの発生を
防止し、圧延開始からコイル全長にわたって良好な形状
の圧延材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧延荷重が伸び率差の対称成分に及ぼす影響
を表したグラフ
【図2】 ワークロールベンダー力の対称成分が伸び率
差の対称成分に及ぼす影響を表したグラフ
【図3】 ワークロールベンダー力の非対称成分が伸び
率差の非対称成分に及ぼす影響を表したグラフ
【図4】 素材クラウンの対称成分が伸び率差の対称成
分に及ぼす影響を表したグラフ
【図5】 素材クラウンの非対称成分が伸び率差の非対
称成分に及ぼす影響を表したグラフ
【図6】 実施例で使用した4段圧延機及び制御系統の
概略図
【図7】 実施例1で圧延された鋼帯の急峻度を示すグ
ラフ
【図8】 実施例2で圧延された鋼帯の急峻度を示すグ
ラフ
【符号の説明】
1:4段圧延機 2:ワークロールベンダー
3:上位コンピュータ4:プロセスコンピュータ
5:荷重計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材
    クラウンを変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所
    について板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対
    称成分を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測
    値及び素材クラウンの実測値を数式モデルに代入し、伸
    び率差の対称成分及び非対称成分が目標値に一致するよ
    うに形状制御手段の制御量を算出し、設定することを特
    徴とする冷間圧延における形状制御方法。
  2. 【請求項2】 圧延荷重,形状制御手段の制御量,素材
    クラウンを変数とし、板端から距離が異なる複数の箇所
    について板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対
    称成分を表す数式モデルを予め作成し、連続的に測定し
    た圧延荷重の実測値及び素材クラウンの実測値を数式モ
    デルに代入し、伸び率差の対称成分及び非対称成分が目
    標値に一致するように形状制御手段の制御量を算出し、
    補正することを特徴とする冷間圧延における形状制御方
    法。
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DE102006036054A1 (de) * 2006-08-02 2008-02-07 Thyssenkrupp Steel Ag Walzenbiegung bei Mehrwalzengerüsten
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