JP3664068B2 - 蛇行抑制方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のスタンドから構成される圧延機列で例えば鋼帯などの金属帯を熱間圧延する際の蛇行抑制方法に関する。詳しくは、本発明は、圧延中に発生する被圧延材の蛇行を解消ないしは抑制することができる蛇行抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば熱延鋼帯などの金属板の圧延では、被圧延材の中心ラインとパスセンタの中心とが一致するように、すなわち蛇行が発生しないように圧延を行うことが操業上の観点から重要である。
【0003】
被圧延材の先端部と後端部では中間部に比べ蛇行が大きくなり易く、通板に支障をきたすことがある。特に後端部で蛇行が大きくなると、被圧延材が圧延機入側で折れ曲がり重なって圧延されるという操業トラブルにつながる。これは一般に絞り込みと呼ばれ、圧延用ロールに疵が残るため、製品の品質を損なう原因となる。したがって、絞り込みが発生した場合には圧延用ロールの交換が必要となり生産が中断される。
【0004】
蛇行を生じせしめる要因としては、被圧延材の横曲がり(キャンバ)、被圧延材の板幅方向の偏肉(ウェッジ)、被圧延材の板幅方向温度差、圧延機列の左右圧下位置(レベリング)の設定誤差、ミル剛性左右差、圧延用ロールの摩耗や熱膨張による左右非対称形状等が考えられている。これらの要因は相互に影響し、且つ下流スタンドでは上流スタンドでの圧延履歴も影響する。しかしながらこれらの要因は定量評価が困難であるため、蛇行の発生メカニズム自体未解明な部分が多い。
【0005】
蛇行対策として、被圧延材の蛇行状態を監視し、蛇行を軽減するように各スタンドのレベリングを修正する方法が行われている。しかしながら、例えば被圧延材の中間部での蛇行を解消するようにレベリングの修正を行うと、後端部では大きな蛇行を誘発し、絞り込みの発生を招くことがある。また、先端部や後端部の蛇行状態を観察して瞬時にレベリング修正を行うのは極めて困難であり、自動制御技術も確立されていない。従って、一般には一本前の被圧延材の先端部と後端部の蛇行状態を見て、次の被圧延材のレベリングを修正するという蛇行フィードバック式の材料間レベリング修正作業(以下、これをレベリングの蛇行フィードバック修正と呼ぶ)が行われている。
【0006】
この作業は蛇行の要因がロールを含めた圧延機に存在する場合には蛇行対策として有効だが、要因が材料側すなわち材料の左右非対称性に存在し且つ材料一本毎に左右非対称性が変化する場合には効果が無い。
【0007】
材料の左右非対称因子にはキャンバ、ウェッジ、温度差などがあるが、実用的な計測手段があるのはキャンバのみである。
近年、圧延機入側で被圧延材のキャンバを計測し、これに基づいて圧延機のレベリングを制御する方法が提案されている。
【0008】
特開昭63−80908号公報には、上流圧延機入側でのキャンバ計測と下流圧延機入側での蛇行計測とを組み合わせ、これをもとにレベリングを調節してキャンバおよび蛇行を制御する方法が開示されている。
【0009】
また、特許第2526323号公報には、ホットストリップミルの仕上圧延機入側の横曲がり(キャンバ)量を検出し、レベリング補正量と横曲がり矯正量の関係式を用いて上流スタンドから順に許容最大量のレベリング補正を行って粗圧延材で生じた横曲がりを仕上圧延機で矯正する方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−80908号公報に開示された方法では、被圧延材に発生する蛇行を先端側と後端側の双方において満足できるレベルに抑制することが難しい。また、この方法では、ほぼ全スタンド間に蛇行検出装置が必要となり、設備費がかさむ上、通常、仕上圧延機のスタンド間の数カ所には冷却水スプレーが設置されているため、一般的な光学式蛇行計は用いることができないという問題がある。
【0011】
特許第2526323号公報に開示された方法は、キャンバの修正を目的とした圧延機入側の被圧延材のキャンバに応じたフィードフォワード制御である。しかしながら、このフィードフォワードによるキャンバ制御と圧延機出側の蛇行量に応じたフィードバックによる蛇行制御とを併用すると、お互いが干渉して充分な蛇行制御効果が得られないという問題がある。
【0012】
本発明の課題は、複数のスタンドから構成される圧延機群、例えば、鋼帯の熱間圧延設備の仕上圧延機列において発生する鋼帯の蛇行を、実際の蛇行量に応じたフィードバックによるレベリング修正と粗圧延材のキャンバに応じたレベリング設定値の変更とで抑制する際に、両者が干渉することなく、効果的に抑制することができる蛇行抑制方法を提供することにある。また、本発明の課題は、特に後端の蛇行抑制の必要性が先端部に比べて大きく、且つレベリングの設定変更を極力少なくしたい場合の熱間圧延における蛇行抑制方法を提示することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
蛇行の発生要因の大半が定量化できていない現状では、蛇行制御は自動式または手動式の蛇行フィードバック式レベリング修正を主体とせざるを得ない。
【0014】
圧延機の入側で測定される被圧延材のキャンバ情報を有効に活用し、これを用いて蛇行制御を実施するためには、複数の被圧延材における一の被圧延材に圧延を施す際、一の被圧延材とその直前の被圧延材のそれぞれのキャンバ量を比較し、そのキャンバ量の差分だけレベリングの設定値を変更する方法がよい。
【0015】
但し、一の被圧延材とその直前の被圧延材とでキャンバ量が同一でも、被圧延材の寸法や材質等の基本圧延条件が変化すればレベリング修正量は変わるため、レベリングの設定値の変更はキャンバ量の差分で行うのではなく、キャンバ量から求められるレベリング修正量の差分で行うことが重要である。なお、レベリング修正量は2つの状態間の差のみが意味を持つので、基準状態として例えば圧延機に完全な左右対称状態を仮定して求めたものであっても差し支えない。
【0016】
図1は圧延機に供される被圧延材1の平面形状を模式的に示す平面図で、同図(a)は被圧延材の先端側と後端側に逆方向のキャンバが生じた場合、同図(b)は先端側にのみキャンバが生じた場合、同図(c)は先端側と後端側に同方向のキャンバが生じた場合である。
【0017】
本発明者らの調査によると、被圧延材の平面形状は特開昭63−80908号公報に図示されているような被圧延材の全長に渡って円弧近似できるような形状ではなく、図1(a)、(c)に示すように、先端側と後端側ではそれぞれの端から長さ10〜20mの範囲で曲がっており、それ以外の中間部はほぼ直線状である場合が多かった。また、その曲がり量は先端側と後端側で異なり、更に曲がり方向が異なる場合もあった。
【0018】
したがって、キャンバは先端と後端で個別に扱う必要があり、どちらかを無視するという特殊な場合を除けば、レベリング設定値の変更は先端側と後端側で2回実施する必要があることが判った。
【0019】
また、キャンバ量に応じたレベリング修正量の求め方を検討した結果、以下の知見を得た。すなわち、後端側のキャンバは、被圧延材の左右の長さの差をレベリング修正による左右非対称圧延時の左右伸び差で相殺するようにすることで理論上は完全に矯正することも可能であるが、先端側のキャンバは最先端が圧延機の中央から左右どちらかにずれた位置で噛み込まれるため、その後先端側が中央に向かって元のキャンバとは反対方向に曲がるような圧延をしたところでキャンバを完全に矯正することができない。したがって、先端側のキャンバと後端側のキャンバでは矯正するためのレベリング操作の考え方もレベリング修正量も異なり、キャンバ量に応じた適切なレベリング修正量は先端側キャンバと後端側キャンバについて別々に求める必要があることが判った。
【0020】
本発明は、上記知見に基づいて完成されたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)複数のスタンドから構成される圧延機列で複数の被圧延材に熱間圧延を施す際の蛇行抑制方法であって、被圧延材のキャンバによって前記圧延機列の各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な前記各スタンドのレベリング修正量と被圧延材のキャンバ量との関係を予め求め、一の被圧延材の直前に熱間圧延を施した被圧延材の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する前記各スタンドのレベリング修正量(Ai )と、一の被圧延材の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する前記各スタンドのレベリング修正量(Bi )とを前記関係から求め、前記レベリング修正量(Ai )と(Bi )の差に基づき前記各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材に熱間圧延を施すことを特徴とする蛇行抑制方法。
【0021】
(2)複数のスタンドから構成される圧延機列で複数の被圧延材に熱間圧延を施す際の蛇行抑制方法であって、被圧延材のキャンバによって前記圧延機列の各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な前記各スタンドのレベリング修正量と被圧延材のキャンバ量との関係を予め求め、一の被圧延材の直前に熱間圧延を施した被圧延材の後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する各スタンドのレベリング修正量ai と、一の被圧延材の先端側と後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対するそれぞれの各スタンドのレベリング修正量bi 、ci とを前記関係から求め、前記レベリング修正量ai 、bi の差分(bi −ai )に基づき各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材の熱間圧延を開始し、次いで、前記レベリング修正量bi 、ci の差分(ci −bi )に基づき各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材の後端側に熱間圧延を施すことを特徴とする蛇行抑制方法。
【0022】
(3)複数のスタンドから構成される圧延機列で複数の被圧延材に熱間圧延を施す際の蛇行抑制方法であって、被圧延材のキャンバによって前記圧延機列の各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な前記各スタンドのレベリング修正量と被圧延材のキャンバ量との関係を予め求め、一の被圧延材の直前に熱間圧延を施した被圧延材の後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する各スタンドのレベリング修正量ai と、一の被圧延材の先端側と後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対するそれぞれの各スタンドのレベリング修正量bi 、ci とを前記関係から求め、前記レベリング修正量ai 、bi の差分(bi −ai )の絶対値が所定値より小さいときは、前記レベリング修正量ai 、ci の差分(ci −ai )に基づき各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材に熱間圧延を施すことを特徴とする蛇行抑制方法。
【0023】
なお、前記(1)〜(3)項において、添字iは第i番目のスタンドを表す。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。なお、本実施形態の説明では、複数のスタンドを備える圧延機列が粗圧延機列と仕上圧延機列とで構成される熱間圧延設備の仕上圧延機列であり、被圧延材が粗圧延機列で圧延された粗圧延材である場合を例にとる。また、添字iは、第i番目のスタンドを表す。
【0025】
図2は、本実施形態に係る装置の構成例を示す概要図である。符号1は粗圧延材、2はキャンバ計、3はレベリング量演算装置、4は記憶装置、5はレベリング量設定装置、6は仕上圧延機列を表す。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係る装置は、仕上圧延機列6の入側に設けられたキャンバ計2、レベリング量演算装置3と、記憶装置4と、レベリング量設定装置5とを備える。
【0027】
キャンバ計2は、粗圧延機列(図示無し)で粗圧延された粗圧延材1の先端側と後端側のキャンバ量を測定する機能を備える。例えば、CCDカメラなどのキャンバ計にて粗圧延材の平面形状を撮影し、撮影した平面形状を画像処理することによりキャンバ量を求めることができる。
【0028】
レベリング量演算装置3には、キャンバにより各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要なレベリング修正量とキャンバ量との関係が先端側と後端側のそれぞれに、かつ、圧延条件毎に層別されたテーブルとして、あるいは数式として格納されている。
【0029】
例えば、圧延機列の入側の先端側と後端側のそれぞれのキャンバ量をCH、CTとすると、このキャンバにより各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な各スタンドにおける先端側と後端側のそれぞれのレベリング修正量LH、LTは、下記式で表される。
【0030】
LHi=fHi(CH)
LTi=fTi(CT)
ここで、関数fH、関数fTは、各スタンドにおける板厚、板幅、圧下率、材料の降伏応力、ロール径などの圧延条件をパラメータとして含むが、ここでは省略している。
【0031】
レベリング量演算装置3は、レベリング修正量とキャンバ量との上記関係に基づき被圧延材の先端側と後端側のそれぞれのキャンバ量測定値に対するレベリング修正量を演算する機能を有し、レベリング修正量の電気信号は記憶装置4に出力される。なお、先端側ならびに後端側におけるレベリング修正量とキャンバ量との関係は圧延実験により予め求めることができる
記憶装置4は、レベリング量演算装置3から出力されたレベリング修正量を記憶する機能を備える。
【0032】
レベリング量設定装置5は、記憶装置4から出力されたレベリング修正量の情報に基づき、各スタンドのレベリング設定値を変更する機能を備える。すなわち、一の粗圧延材の圧延の直前に圧延を施された粗圧延材の後端部のレベリング修正量ai と、一の粗圧延材の先端部と後端部のそれぞれのレベリング修正量bi 、ci との情報に基づき、レベリング修正量の差分(bi −ai )と、レベリング修正量の差分(ci −bi )とを演算する機能を有し、更に、一の粗圧延材の圧延開始前に、上記差分(bi −ai )に基づき各スタンドのレベリング設定値を変更し、一の粗圧延材の後端側の圧延開始前に、上記差分(ci −bi )に基づき各スタンドのレベリング設定値を変更する機能を備える。また、上記差分(bi −ai )が所定値より小さいときは一の粗圧延材の開始前にレベリング修正量ai ,ci の差分(ci −ai )に基づき各スタンドのレベリング設定値を変更する機能を備える。
【0033】
本実施形態に係る装置は以上のように構成される。
次に、本実施形態に係る装置による蛇行抑制方法を説明する。以下、一の被圧延材である粗圧延材を後行材、一の被圧延材の直前に圧延される被圧延材である粗圧延材を先行材ともいう。
【0034】
本発明の蛇行抑制方法では、仕上圧延機列で複数の粗圧延材を圧延するに際し、先ず、先行材の圧延において、キャンバ計2で先行材の後端部のキャンバ量(以下、先行材後端部キャンバ量ともいう)を測定し、これをレベリング量演算装置3に出力してレベリング量演算装置3に予め格納されたレベリング修正量とキャンバ量との関係に基づき先行材後端部キャンバ量に対するレベリング修正量aiを求め、これを記憶装置4に格納する。
【0035】
次いで、後行材の圧延において、キャンバ計2で後行材の先端部と後端部のそれぞれのキャンバ量を測定し、これらをレベリング量演算装置3に出力して上記と同様に後行材先端部キャンバ量と後行材後端部キャンバ量のそれぞれに対するレベリング修正量bi 、ci を求め、これを記憶装置4に格納する。
【0036】
レベリング量設定装置5では記憶装置4から出力されたレベリング修正量ai 、bi 、ci の情報に基づき、レベリング修正量ai とbi の差分(bi −ai )と、レベリング修正量bi とci の差分(ci −bi )を演算し、次いで、上記差分(bi −ai )と差分(ci −ai )に基づき、後行材の圧延における各スタンドのレベリング設定値を変更する。すなわち、各スタンドにおける後行材の圧延開始前に、差分(bi −ai )だけ各スタンドのレベリング設定値を変更し、更に、各スタンドにおける後端側の圧延開始前に、差分(ci −bi )だけ各スタンドのレベリング設定値を変更する。
【0037】
なお、各スタンドにおける後端側の圧延開始前とは、粗圧延材の先端が下流側隣接スタンドを通過した後または当該スタンドでの圧延長が所定値以上となった後、かつ、粗圧延材の後端が上流側隣接スタンドを抜ける前または当該スタンドにおける未圧延部が所定長さとなる前、を意味する。ここで、所定長さとは、スタンド間距離程度を指す。以下、この蛇行抑制方法を第1方法という。
【0038】
本発明に係るレベリング設定値の変更は全て各スタンド毎に、その時点でのレベリング状態を基準として実施される。従って、材料間、あるいは同一材の先後端間のキャンバの変化に相当する分のみのレベリング修正が適切に行われ、蛇行フィードバック式レベリング修正を同時に実施しても相互に干渉しあうことが避けられる。
【0039】
ところで、圧延機の状態によっては頻繁なレベリング設定値の変更操作はかえってレベリングの誤差を増大させたりすることがありえる。また蛇行フィードバック式レベリング修正がオペレータの目視確認と手動操作で行われているような場合には、レベリング設定値の変更回数は極力少ない方がよい。更に、レベリング操作中は長手方向板厚制御を中断せざるをえず、圧延中のレベリング設定値の変更は品質上好ましくないことがある。
【0040】
このような状況下で、先端側のレベリング修正の必要性が低い場合には、先端側に対するレベリング設定値の変更を中止し、後端側に対するレベリング設定値の変更を圧延開始前に実施する方法も考えられる。
【0041】
すなわち、本発明の別の蛇行抑制方法では、先ず、先行材の圧延において、キャンバ計2で先行材の後端部のキャンバ量を測定し、これをレベリング量演算装置3に出力してレベリング量演算装置3に予め格納されたレベリング修正量とキャンバ量との関係に基づき先行材後端部キャンバ量に対するレベリング修正量ai を求め、これを記憶装置4に格納する。
【0042】
次いで、後行材の圧延において、キャンバ計2で後行材の先端部と後端部のそれぞれのキャンバ量を測定し、これらをレベリング量演算装置3に出力して上記と同様に後行材先端部キャンバ量と後行材後端部キャンバ量のそれぞれに対するレベリング修正量bi 、ci を求め、これを記憶装置4に格納する。
【0043】
レベリング量設定装置5では記憶装置4から出力されたレベリング修正量ai 、bi 、ci の情報に基づき、レベリング修正量ai とbi の差分(bi −ai )と、レベリング修正量bi とci の差分(ci −bi )を演算する。次いで、上記差分(bi −ai )が所定値より小さい場合には、レベリング修正量ci とai の差分(ci −ai )を演算し、この差分(ci −ai )に基づき、各スタンドのレベリング設定値を変更して後行材を圧延する。すなわち、後行材の圧延開始前に、差分(ci −ai )だけ各スタンドのレベリング設定値を変更する。ここで、所定値とは、先端部のレベリング修正を実施しなくても先端部の通板に支障が起きない程度のレベリング修正量の差を指す。以下、この別の蛇行抑制方法を第2方法という。
【0044】
第2方法では、同じキャンバ形状の粗圧延材が連続し、その先端キャンバが仕上圧延機通板上問題無い範囲であれば、レベリング設定値の変更は全く行わずに済み、蛇行フィードバック式レベリング修正を安定して行うことができる。
【0045】
なお、本実施形態の説明において、一の被圧延材とは、複数の被圧延材の中の任意の被圧延材で、特に限定されるものでない。すなわち、本発明では、第2番目の被圧延材の圧延に際しては、第1番目の被圧延材と比較し、第N番目の被圧延材の圧延に際しては、第N−1番目の被圧延材と比較して、それぞれレベリング設定値の変更が行われる。
【0046】
【実施例】
図1に示す構成の7スタンド(上流から下流に向かってNo.1〜No.7)からなる仕上圧延機列を有する熱間圧延設備で普通鋼鋼板を圧延し、第1方法と第2方法による蛇行抑制効果を調査した。
【0047】
粗圧延材1の平均長さ60mに対し、CCDカメラを備えた画像処理方式のキャンバ計2を仕上圧延機列6の上流側80mの位置に設置し、粗圧延材1の先端が仕上圧延機列6のNo.1スタンドに噛み込まれる前に粗圧延材1の後端側のキャンバ量を計測し、レベリング修正量を演算できるようにした。
【0048】
なお、この試験では、オペレータの目視確認と手動操作により、No.4スタンドとNo.5スタンドの間に設けた蛇行計による蛇行フィードバック式レベリング修正も同時に行った。また、比較のため、第1方法と第2方法のいずれも実施せず、蛇行フィードバック式レベリング修正のみ実施した試験(比較例)も行った。対象圧延材は仕上板厚1.0〜6.0mm、板幅600mm〜1600mmの一般低炭材であり、圧延本数は第1方法による本発明例、第2方法による本発明例、比較例それぞれ約5000本とした。
【0049】
No.4,5スタンド間に設けた蛇行計で被圧延材の先端部と後端部の蛇行量を測定し、先端部と後端部のそれぞれにつき蛇行量の平均値を求めた。表1にその結果を示す。なお、蛇行量とは、先端部と後端部のそれぞれの端面における幅方向中心と圧延機中心線との距離を指す。
【0050】
【表1】
Figure 0003664068
表1に示すように、比較例では、蛇行量は先端、後端でそれぞれ平均14mmと37mmであったのに対し、第1方法による本発明例では、それぞれ9mmと24mmに抑制された。また、第2方法による本発明例では、先端は15mmで比較例とほぼ同程度であったのに対し、後端では21mmに抑制された。なお、後端蛇行による絞り込みトラブルの発生比率も比較例では約0.8%であったが、第1方法と第2方法による本発明例ではそれぞれ0.5%、0.4%と低減した。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、蛇行フィードバック式レベリング修正と干渉することなく、鋼帯の蛇行量を効果的に抑制することができる。したがって、蛇行に起因する先後端の通板トラブルを減少させることができる。特に、絞り込みトラブルが減少し、圧延能率の向上、ロール疵による製品歩留損失の抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延機に供される被圧延材の平面形状を模式的に示す平面図で、同図(a)は被圧延材の先端側と後端側に逆方向のキャンバが生じた場合、同図(b)は後端側にのみキャンバが生じた場合、同図(c)は先端側と後端側に同方向のキャンバが生じた場合である。
【図2】本実施形態に係る装置の構成例を示す概要図である。
【符号の説明】
1:粗圧延材
2:キャンバ計
3:レベリング量演算装置
4:記憶装置
5:レベリング量設定装置
6:仕上圧延機列

Claims (3)

  1. 複数のスタンドから構成される圧延機列で複数の被圧延材に熱間圧延を施す際の蛇行抑制方法であって、被圧延材のキャンバによって前記圧延機列の各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な前記各スタンドのレベリング修正量と被圧延材のキャンバ量との関係を予め求め、一の被圧延材の直前に熱間圧延を施した被圧延材の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する前記各スタンドのレベリング修正量(Ai )と、一の被圧延材の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する前記各スタンドのレベリング修正量(Bi )とを前記関係から求め、前記レベリング修正量(Ai )と(Bi )の差に基づき前記各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材に熱間圧延を施すことを特徴とする蛇行抑制方法。
  2. 複数のスタンドから構成される圧延機列で複数の被圧延材に熱間圧延を施す際の蛇行抑制方法であって、被圧延材のキャンバによって前記圧延機列の各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な前記各スタンドのレベリング修正量と被圧延材のキャンバ量との関係を予め求め、一の被圧延材の直前に熱間圧延を施した被圧延材の後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する各スタンドのレベリング修正量ai と、一の被圧延材の先端側と後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対するそれぞれの各スタンドのレベリング修正量bi 、ci とを前記関係から求め、前記レベリング修正量ai 、bi の差分(bi −ai )に基づき各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材の熱間圧延を開始し、次いで、前記レベリング修正量bi 、ci の差分(ci −bi )に基づき各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材の後端側に熱間圧延を施すことを特徴とする蛇行抑制方法。
  3. 複数のスタンドから構成される圧延機列で複数の被圧延材に熱間圧延を施す際の蛇行抑制方法であって、被圧延材のキャンバによって前記圧延機列の各スタンドで生じる蛇行を抑制するために必要な前記各スタンドのレベリング修正量と被圧延材のキャンバ量との関係を予め求め、一の被圧延材の直前に熱間圧延を施した被圧延材の後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対する各スタンドのレベリング修正量ai と、一の被圧延材の先端側と後端側の前記圧延機列の入側におけるキャンバ量の測定値に対するそれぞれの各スタンドのレベリング修正量bi 、ci とを前記関係から求め、前記レベリング修正量ai 、bi の差分(bi −ai )の絶対値が所定値より小さいときは、前記レベリング修正量ai 、ci の差分(ci −ai )に基づき各スタンドのレベリングの設定値を変更して一の被圧延材に熱間圧延を施すことを特徴とする蛇行抑制方法。
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