JP2007098470A - マグネシウム合金板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プレス加工などの塑性加工性に優れたマグネシウム合金板が得られるマグネシウム合金板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明マグネシウム合金板の製造方法は、マグネシウム合金素材板を圧延ロールにて圧延する方法である。この圧延は、素材板を構成するマグネシウム合金中のAl含有量をM(質量%)としたとき、次の(1)、(2)の条件にて行う制御圧延を含む。
(1)圧延ロールへ挿入する直前におけるマグネシウム合金素材板の表面温度Tb(℃)を下記の式を満たす温度とする。
8.33×M+135≦Tb≦8.33×M+165
ただし、1.0≦M≦10.0
(2)圧延ロールの表面温度Trを150〜180℃とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、マグネシウム合金板の製造方法と、この方法により得られたマグネシウム合金板に関するものである。特に、プレス加工性に優れたマグネシウム合金板を得ることができるマグネシウム合金板の製造方法に関するものである。
マグネシウム合金は、低密度金属であり比強度・比剛性が高いことから、軽量構造材料として注目されている。その中で、特に展伸材は強度・靭性などの機械的特性に優れることから、今後の普及が期待されている。マグネシウム合金は、添加する金属元素の種類や添加量を変化させることにより特性が変化し、特に、アルミニウム含有量の高い合金(例えばASTM規格におけるAZ91)は、耐食性や強度が高く展伸材における需要も大きい。しかし、マグネシウム合金は、最密六方晶という結晶構造により常温での塑性加工性が悪く、例えばその板材のプレス加工は板材温度を200〜300℃に昇温して行われている。このため、できるだけ低温で安定した加工が可能なマグネシウム合金板の開発が望まれている。
ところで、マグネシウム合金板の製造には、種々の方法が用いられ得るが、例えば、ダイキャストやチクソモールディングでは、薄い合金板を製造することが困難であり、ビレットの押出材を圧延してマグネシウム合金板を得た場合、その内部に晶出物が多く発生したり、結晶粒径が大きくなったり、表面が粗くなるなどの問題がある。特に、Al含有量の多いマグネシウム合金は、鋳造時に晶出物や偏析が発生しやすく、鋳造後に熱処理工程や圧延工程を経ても、最終的に得られる合金板の内部に晶出物や偏析物が残存してプレス加工時の破断の起点になるという問題を有している。
また、従来のマグネシウム合金板の代表的な製造方法として、マグネシウム合金素材板を300℃以上に予熱して常温の圧延ロールで圧延を行い、この予熱と圧延とを繰り返すことが知られている。
さらに、塑性加工性を向上させる目的で微細な結晶粒のマグネシウム合金板を得る技術として、特許文献1に記載の方法が知られている。この方法は、圧延ロールの表面温度を80〜230℃とし、マグネシウム合金素板の表面温度を250〜350℃として圧延を行っている。
その他、マグネシウム合金板の塑性加工性を向上させる技術として、特許文献2〜5に記載の方法が知られている。
特開2005-2378号公報 特開2003-27173号公報 特開2005-29871号公報 特開2001-294966号公報 特開2004-346351号公報
しかし、300℃以上の素材板の予熱と常温の圧延ロールによる圧延とを繰り返す方法では、予熱時にマグネシウム合金の結晶粒が粗大化し、得られたマグネシウム合金板の塑性加工性に劣る。
一方、特許文献1に記載の方法では、マグネシウム合金板の表面温度を250〜350℃として圧延を行っており、この条件で複数パスの圧延を行った場合、1パス前の圧延でできた合金板の加工歪が解消されてしまう。そのため、最終板厚時に加工歪が蓄積されず、マグネシウム合金板の結晶粒が十分に微細化されないことがある。その結果、得られたマグネシウム合金板の塑性加工性を十分に向上できないことがある。
特許文献2では、AZ91を含むマグネシウム合金薄板の製造方法が開示されている。しかし、マグネシウム合金薄板の具体的な機械的強度の特性値やプレス成形性については明記されていない。
特許文献3では、AZ91合金板材が開示されている。この特許文献3には、引張試験の実施例において300℃、歪み速度0.01(s-1)以下という条件で超塑性が発現し、200%の伸びを記録したとある。しかし、実際に板材をプレス成形する時の温度(250℃以下)における塑性加工性及び引張特性は明記されておらず、プレス成形を行った実施例も記載されていない。
また、特許文献4や特許文献5についても引張特性について具体的な数値は示されていない。
さらに、上記の引用文献1〜5には、鋳造時に発生するマグネシウム合金中の晶出物や偏析の量を低くして、塑性加工性、特に、プレス加工性を向上させることに関して記載されていない。
そこで、本発明の目的の一つは、プレス加工などの塑性加工性に優れたマグネシウム合金板を得られるマグネシウム合金板の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、プレス加工などの塑性加工性に優れたマグネシウム合金板を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、双ロール鋳造素材を用いて、強度と伸び特性の良いプレス加工性に優れるマグネシウム合金板を提供することにある。
本発明マグネシウム合金板の製造方法は、マグネシウム合金素材板を圧延ロールにて圧延する方法である。この圧延は、素材板を構成するマグネシウム合金中のAl含有量をM(質量%)としたとき、次の(1)、(2)の条件にて行う制御圧延を含む。
(1)圧延ロールへ挿入する直前におけるマグネシウム合金素材板の表面温度Tb(℃)を下記の式を満たす温度とする。
8.33×M+135≦Tb≦8.33×M+165
ただし、1.0≦M≦10.0
(2)圧延ロールの表面温度Trを150〜180℃とする。
圧延ロール温度Trと素材板の表面温度Tbを上記のように規定することで、マグネシウム合金の結晶粒が再結晶化しない範囲での圧延を可能にする。それにより、合金の結晶粒の粗大化を抑制し、かつ素材板の表面に亀裂が発生しにくい圧延を可能にする。
また、本発明マグネシウム合金板は、上述した本発明マグネシウム合金板の製造方法により得られたことを特徴とする。
本発明方法により得られたマグネシウム合金板は、高い塑性加工性を有し、加工時の亀裂の発生を効果的に低減することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
(本発明方法の概要)
本発明方法は、マグネシウム素材板を圧延して、所定の厚みのマグネシウム合金板を得る際に利用される。その際、代表的には、鋳造を経た素材板を制御圧延以外の条件で粗圧延し、続いて上述する制御条件にて仕上圧延する。つまり、本発明方法は、鋳造後に行なわれる圧延工程の全範囲で制御圧延を行う場合はもちろん、この範囲の一部で制御圧延を行う場合を含んでいる。
(圧延ロールの表面温度Tr)
圧延ロールの表面温度Trは150〜180℃とする。150℃未満の場合、圧下率/パスを高くすると、素材板が圧延される際、素材板の進行方向と直交する方向にワニ革状の細かい割れが発生する場合がある。また、180℃を超えると、圧延加工中に、それまでの圧延で蓄積した素材板の歪が、合金結晶粒の再結晶により解消されてしまって加工歪量が少なくなり、結晶粒を微細化することが難しい。
圧延ロールの表面温度を制御するには、圧延ロールの内部にヒータなどの発熱体を配置する方法や、圧延ロールの表面に温風を吹き付ける方法などが利用できる。
(素材板の表面温度Tb)
圧延ロールへ挿入する直前におけるマグネシウム合金素材板の表面温度Tb(℃)は、下記の式を満たすようにする。
8.33×M+135≦Tb≦8.33×M+165
ただし、1.0≦M≦10.0
つまり、この表面温度Tbの下限は約140℃、上限は約248℃とする。この温度Tbはマグネシウム合金中のAl含有量M(質量%)に依存する。具体的には、ASTM規格によるAZ31の場合、約160〜190℃に、AZ91の場合、約210〜247℃に温度Tbを設定すればよい。各組成の下限温度を下回ると、圧延ロールの表面温度が低い場合と同様に、素材板の進行方向と直交する方向にワニ革状の細かい割れが発生する場合がある。また、各組成の上限温度を上回ると、圧延加工中に、それまでの圧延で蓄積した素材板の歪が、合金結晶粒の再結晶により解消されてしまって加工歪量が少なくなり、結晶粒を微細化することが難しい。
素材板の表面温度Tbを上記の規定範囲内としても、例えば圧延ロールの表面温度が常温であれば、素材板がロールに接触した時点で温度が低下し、素材板表面に割れが発生する。圧延ロール表面の温度のみならず、素材板の表面温度をも規定することで、この割れを効果的に抑制できる。
(制御圧延の圧下率)
制御圧延の総圧下率は10〜75%であることが好ましい。総圧下率とは、(制御圧延を行う前の板厚−制御圧延後の板厚)/制御圧延を行う前の板厚×100で表される。総圧下率が10%未満の場合、加工対象の加工歪が少なく、結晶粒の微細化効果が少ない。逆に75%を超えると、加工対象の表面付近の加工歪が多くなり、ひび割れが発生する場合がある。例えば、最終板厚が0.5mmの場合、0.56〜2.0mmの板材に対して制御圧延を行えばよい。より好ましい制御圧延の総圧下率の範囲は20%以上50%以下である。
また、制御圧延の圧下率/パス(1パス当たりの平均圧下率)は5〜20%程度とすることが好ましい。圧下率/パスが低すぎると効率的な圧延を行うことが難しく、逆に高すぎると圧延対象に割れなどの欠陥が生じやすくなる。
(他の圧延条件)
上述した制御圧延を複数パスで行い、これら複数パスのうち、少なくとも1パスは他のパスと圧延方向を逆転させて行うことが好ましい。圧延方向を逆転させることで、同一方向のみで圧延した場合に比べて、圧延対象に加工歪が均等に入りやすくなり、通常、制御圧延後に行なわれる最終熱処理後の結晶粒径のばらつきを小さくできる。
その他、上述したように、通常、素材板の圧延には粗圧延と仕上圧延とが含まれる。その場合、少なくとも仕上圧延を上記制御圧延とすることが望ましい。塑性加工性の更なる向上を考慮すると、圧延工程の全範囲にわたって制御圧延を行うことが好ましいが、最終的に得られるマグネシウム合金板の結晶粒径の粗大化抑制には、仕上圧延が最も関与するため、この仕上圧延を制御圧延とすることが好ましい。
換言すれば、仕上圧延以外の粗圧延は制御圧延の圧延条件に制約されない。特に、粗圧延される素材板の表面温度には格別の制限はない。粗圧延される素材板の表面温度と圧下率を調整することで、合金板の結晶粒径が極力小さくできる条件を選択すればよい。例えば、圧延前の素材板厚が4.0mm、最終板厚が0.5mmの場合、素材板から板厚0.56〜2.0mmまでを粗圧延とし、それ以降の圧延を仕上圧延とすれば良い。
特に、この粗圧延における圧延ロールの表面温度を180℃以上の温度にし、圧下率/パスを上げて粗圧延を行うことで、粗圧延における加工効率を高めることが期待できる。その場合、例えば、圧下率/パスは、20%以上40%以下とすることが好ましい。ただし、この温度が180℃以上の場合でも、合金結晶粒の再結晶を抑制するため、ロールの表面温度は250℃以下程度とすることが好ましい。
その他、粗圧延工程において、圧延ロールへ挿入する直前における素材板の表面温度Tbを300℃以上、圧延ロールの表面温度Trを180℃以上とすると、粗圧延後の板表面状態を良くすることができ、縁割れが生じることがなく、好ましい。板表面温度を300℃以下、ロール表面温度を180℃未満とすると、圧下率を高くすることができないので、粗圧延工程における加工効率が悪くなる。ここで、板表面温度の上限は特に限定しないが、高温にすると、粗圧延後の板材の表面状態が悪くなる場合があるので、400℃以下にすることが好ましい。また、粗圧延時におけるロールの表面温度の上限も特に限定しないが、高温ではロール自体が熱疲労により損傷する恐れがあるので、300℃以下にすることが好ましい。
上記のような温度範囲で行なう粗圧延の1パス当たりの圧下率を20%以上40%以下にすると、粗圧延後に仕上圧延を行なったマグネシウム合金板における結晶粒のばらつきを小さくすることができるので好ましい。粗圧延時の1パスあたりの圧下率が20%未満だと、圧延後の結晶粒のばらつきを小さくする効果が乏しく、40%超だと、圧延時にマグネシウム合金板の端部に縁割れが発生する。また、この範囲の圧下率で行う圧延の回数(パス数)は1パスでは効果が小さいので、少なくとも2パス以上行うことが好ましい。
また、鋳造素材板の圧延(初期の粗圧延)では、素材板の温度を高くするとともに、上記の圧下率範囲内で圧下率を高くし、仕上圧延の直前の粗圧延では、素材板の温度を300℃程度、圧下率を20%程度にすることが好ましい。
以上のような条件で粗圧延することにより、この粗圧延に続いて仕上圧延を施して得られたマグネシウム合金板の塑性加工性をより向上させることができる。具体的には、合金板の表面状態を良くしたり、縁割れの発生を抑制したり、合金板中の結晶粒径のばらつきを小さくしたりすることができる。また、マグネシウム合金板中の偏析量を小さくすることができる。
(素材板)
本発明方法で圧延する素材板は、Alを含有するマグネシウム合金であればよく、それ以外の組成元素は特に限定されない。例えば、ASTM規格におけるAZ系、AM系、AS系などの幅広い種類の材料が好適に利用できる。
また、マグネシウム合金素材板自体を得る方法は、特に限定されない。例えば、インゴット鋳造法、押出法、双ロール鋳造法などにより得られた素材板を利用することができる。
インゴット鋳造法による素材板は、例えば厚みが150〜300mm程度のインゴットを鋳造し、このインゴットの表面を切削して、得られた切削材を熱間圧延することで得る。インゴット鋳造法は、大量生産に向き、低コストで素材板を得ることができる。
押出法による素材板は、例えばφ300mm程度のビレットを鋳造し、得られたビレットを再加熱して、押出することにより得られる。押出法は、押出時にビレットを強く圧縮するため、その後の素材板の圧延時や圧延材の塑性加工時における割れなどの起点になりやすいビレット内の晶析出物をある程度粉砕することができる。
双ロール鋳造法による素材板は、外周面を対向させた一対のロール間の入り側から溶湯を供給し、出側から薄板として凝固した素材板を送り出すことにより得られる。
これら3つの方法から得られた素材板の中では、双ロール鋳造法による素材板を用いることが好ましい。双ロール鋳造法は、双ロールを用いた急冷凝固が可能なため、得られる素材板に酸化物や偏析などの内部欠陥が少ない。特に、最終厚を1.2mm以下の圧延板にした後では、その後のプレス加工などの塑性加工に悪影響を及ぼすような欠陥を消滅させることができる。より具体的には、粒径10μm以上の晶析出物が圧延板内に残存していない。また、AZ31やAZ91などの合金組成にかかわらず晶析出物が少ない素材板を得ることができる。また、難加工材でも薄板を得ることができるため、その後の素材板の圧延工程数を減少して低コスト化できる。
(その他の加工条件)
その他の加工条件として、必要に応じて、圧延する前の素材板に溶体化処理を施してもよい。溶体化処理の条件は、例えば、380〜420℃×60分〜600分程度、好ましくは390〜410℃×360〜600分程度である。このように溶体化処理を施すことによって、偏析を小さくすることができる。特に、Al含有量の高いAZ91相当のマグネシウム合金の場合、溶体化処理を長時間行なうことが好ましい。
また、必要に応じて、圧延工程(制御圧延かどうかは問わない)の間に歪取り焼鈍を行ってもよい。歪取り焼鈍は、圧延工程の一部のパス間で行なうことが好ましい。この歪取り焼鈍を圧延工程のどの段階で何回行なうかは、マグネシウム合金板に蓄積される歪の量を考慮して、適宜選択すると良い。この歪取り焼鈍を行うことで、その後のパスの圧延をより円滑に行わしめる。この歪取り焼鈍条件は、例えば、250〜350℃×20分〜60分程度である。
さらに、全ての圧延加工を終えた圧延材に最終焼鈍を施すことも望ましい。仕上圧延後のマグネシウム合金板の結晶組織は、加工歪を十分蓄積しているため、最終焼鈍を行なった場合、微細な状態で再結晶化する。即ち、最終焼鈍を行なって歪を解消した合金板であっても、微細な再結晶組織を有するために、強度が高い状態に維持される。また、このように予め合金板の組織を再結晶化させることにより、250℃程度の温度条件で塑性加工を行なったときに、合金板の組織の結晶粒が粗大化するなど、塑性加工の前後で結晶組織が大きく変化することがない。従って、最終焼鈍を施したマグネシウム合金板では、塑性加工時に塑性変形した部分は加工硬化により強度が向上し、塑性変形していない部分の強度は加工前の強度を維持することができる。この最終焼鈍条件は、200〜350℃×10分〜60分程度である。具体的には、マグネシウム合金中のAl含有量が2.5〜3.5%で、亜鉛の含有量が0.5〜1.5%のときは、220〜260℃で10〜30分、マグネシウム合金中のAl含有量が8.5〜10.0%で、亜鉛の含有量が0.5〜1.5%のときは、300〜340℃で10〜30分の最終焼鈍を行なうと良い。
(中心線偏析について)
双ロール鋳造材で作製した板は、鋳造時に板厚の中心部に偏析が発生する。Alを含有するマグネシウム合金の場合、偏析する物質は、主としてMg17Al12の組成からなる金属間化合物であり、マグネシウム合金中における不純物の含有量が多い合金ほど発生しやすい。ASTM規格のAZ系合金を例にとると、Alの含有量が約9質量%のAZ91の方が約3質量%のAZ31よりも鋳造後の偏析量が多くなる。偏析量の多いAZ91であっても、すでに述べたように粗圧延工程や仕上圧延前の溶体化処理を適切な条件で行うことによって、マグネシウム合金板における厚さ方向の偏析の長さを20μm以下に分散させることができる。ここで「偏析を分散させる」とは、線状の偏析を厚さ方向に分断したり、長さ方向に分断したりすることをいい、プレス加工に支障のない偏析の厚さ方向の長さの目安は、20μm以下である。偏析の厚さ方向の長さは、20μmよりもさらに小さくすることが好ましく、偏析の最大長さが母材の結晶粒径より小さく分散するとさらに強度特性が向上することが推察される。
(マグネシウム合金板の機械的特性について)
マグネシウム合金板を製造する際に、圧延工程で歪を蓄積し、この歪を熱処理により除去しない場合、引張強度を360MPaにすることは容易にできる。しかし、その場合、合金板の伸びを10%以上にすることは困難である。具体的には、室温での破断伸びが15%未満では塑性加工性が悪く、250℃以下の低い温度ではプレス成形時に割れやひびなどの損傷が生じる。一方、マグネシウム合金板の室温での破断伸びが15%以上であれば、この合金板の250℃における破断伸びは100%以上になり、プレス成形時にマグネシウム合金板の表面に割れやひびなどの損傷が生じることがほとんどない。上記のような機械的特性を有するマグネシウム合金板を製造することにも、本発明マグネシウム合金板の製造方法は有効である。特に、Al含有量Mが8.5〜10.0質量%と多いマグネシウム合金(さらに、亜鉛を0.5〜1.5質量%含有)であっても、室温において、引張強度360MPa以上、降伏強度270MPa以上、破断伸び15%以上のマグネシウム合金板を製造することができる。また、本発明マグネシウム合金板の製造方法によれば、降伏比が75%以上であるマグネシウム合金板とすることもできる。
マグネシウム合金板の塑性加工は、この塑性加工の際に合金板の組織が再結晶化して合金板の機械特性が大きく変化しないような温度範囲で行なうことが好ましい。例えば、Alを1.0〜10.0重量%含有するマグネシウム合金板の場合、約250℃以下の温度で塑性加工を行なうことが好ましい。ここで、本発明マグネシウム合金板の製造方法によれば、Al含有量Mが8.5〜10.0質量%で、亜鉛含有量が0.5〜1.5質量%であるマグネシウム合金板の200℃における引張強度を120MPa以上、破断伸びを80%以上、250℃における引張強度を90MPa以上、破断伸びを100%以上とすることができるので、塑性加工、特にプレス成形などの強加工に適している。また、本発明マグネシウム合金板の製造方法によれば、AZ31相当のマグネシウム合金板の250℃における引張強度を60MPa以上、破断伸びを120%以上にすることができる。
以上説明したように本発明方法によれば次の効果を奏することができる。
本発明方法によれば、圧延時における素材板の温度と圧延ロールの温度を特定することで、マグネシウム合金の結晶粒が再結晶化しない範囲での圧延を可能にする。それにより、合金の結晶粒の粗大化を抑制し、かつ素材板の表面に亀裂が発生しにくい圧延が可能になる。また、素材板の中心部分に偏析が生じる量を少なくすることができ、また、結晶粒径のばらつきを小さくすることができる。
特に、双ロール鋳造法により得られた素材板を圧延した場合は、割れなどの起点となる晶析出物が少なく、亀裂が生じないか、ほとんど亀裂の生じない塑性加工を行なうことができる。
また、本発明マグネシウム合金板は、以下に示す特性を有する。
本発明マグネシウム合金板は、微細な結晶粒で構成されるので非常に優れた塑性加工性を有する。
本発明マグネシウム合金板は、引張強度360MPa以上、降伏強度270MPa以上、破断伸び15%以上を同時に満たすので、プレス成形を行なっても不具合の生じないマグネシウム合金とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(試験例1)
Mg-3.0%Al-1.0%Zn(全て質量%)を含有するAZ31相当の組成を持ち、双ロール連続鋳造法により得られた厚さ4mmのマグネシウム合金素材板を用意する。この素材板を1mmの厚さまで粗圧延し、平均結晶粒径6.5μmの粗圧延板を得る。粗圧延は、素材板を250〜350℃に予熱し、その素材板を常温の圧延ロールで圧延することにより行った。平均結晶粒径は、JIS G 0551に記載される算出式を用いて求めた。次に、この粗圧延板を、種々の異なる条件で厚さ0.5mmまで仕上圧延する。そして、仕上圧延材に250℃×30分の最終熱処理を行い、その熱処理材から直径92mmの円板を切り出して、評価用サンプルとした。
次に、各サンプルの観察面をバフ研磨(ダイヤモンド砥粒♯200)し、その後エッチング処理を施して、光学顕微鏡の400倍視野にて組織観察および平均結晶粒径の測定を行った。
さらに、これらのサンプルを、円柱状のパンチと、このパンチが嵌合する円筒穴を有するダイスを用いて、以下の条件で絞り成形加工した。
金型設定温度:200℃
パンチ直径:40.0mm(先端R:Rp=4mm)
ダイス穴径:42.5mm(肩R:Rd=4mm)
クリアランス:1.25mm
成形速度:2.0mm/分
絞り比:2.3
ここでのRpとはパンチ先端の縦断面においてパンチ外周縁部を構成する曲線の半径のことであり、Rdとはダイスの縦断面においてダイス穴開口部を構成する曲線の半径のことである。また、絞り比はサンプルの直径/パンチの直径である。
仕上圧延条件と上記試験結果を表1にまとめて示す。この表における各表記は次の意義を示す。
板温度:仕上圧延直前における素材板の表面温度
ロール温度:仕上圧延の圧延ロールの表面温度
圧延方向:「一定」は全てのパスを同一方向に圧延したことを示し、「R」は各パスごとに圧延方向を逆転して圧延したことを示す。
1パス平均圧下率:板厚1mm→0.5mmまでの圧延における総圧下率(50%)/パス数
板表面状態:圧延材に割れやしわのないものを○、わずかにワニ革状の割れが生じたものを△、割れが生じたものを×とする。
縁割れ:圧延材の側縁部に割れがないものを○、ごく微小な割れだけのものを△、割れがあるものを×とする。
絞り性:加工品の角部に割れがないものを○、割れはないがしわが発生しているものを△、割れがあるもの又は破断に至ったものを×とする。
Figure 2007098470
この表から明らかなように、仕上圧延を本発明に規定する条件で制御圧延したサンプルは、いずれも平均粒径が小さく、縁割れや表面に細かい割れがない上、絞り性に優れていることがわかる。なお、本発明に係るサンプルの晶析出物のサイズは5μm以下であった。
(試験例2)
次に、試験例1で用いた素材板と同じ厚さ4mmの素材板を用意し、この素材板を所定の厚さまで粗圧延して、厚さの異なる粗圧延板を得る。この粗圧延も、素材板を250〜350℃に予熱し、その素材板を常温の圧延ロールで圧延することにより行った。その粗圧延板を最終板厚0.5mmにまで異なる総圧下率で仕上圧延して、仕上圧延材を得た。仕上圧延は、仕上圧延直前における粗圧延板の表面温度を160〜190℃とし、その際の仕上圧延ロールの表面温度を150〜180℃の範囲に制御して行った。次に、この仕上圧延材にも試験例1と同様に、250℃×30分の熱処理を行い、評価用サンプルとした。
これらのサンプルについても試験例1と同様の方法で、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れの評価を行い、さらにこれら各評価結果の総合評価を行った。仕上圧延における圧下率/パスおよび総圧下率と評価結果を表2に示す。この表における「板表面状態」、「縁割れ」の意義は試験例1における同一の用語と同様である。また、「総圧下率」は、粗圧延材の板厚から最終板厚までの仕上圧延における総圧下率、つまり板の表面温度を160〜190℃とした圧延における総圧下率である。但し、No.2-1における括弧内に記載した数値は粗圧延板の表面温度を220℃として仕上圧延を行ったことを示している。
Figure 2007098470
この表から明らかなように、総圧下率が10〜75%のサンプルは総合評価において優れた結果が得られていることがわかる。
(試験例3−1)
Mg-9.0%Al-1.0%Zn(全て質量%)を含有するAZ91相当の組成を持ち、双ロール連続鋳造法により得られた厚さ4mmのマグネシウム合金素材板を用意する。この素材板を所定の1mmの厚さまで粗圧延し、平均結晶粒径6.8μmの粗圧延板を得る。粗圧延は、素材板を300〜380℃に予熱し、その素材板を常温の圧延ロールで圧延することにより行った。平均結晶粒径は、JIS G 0551に記載される算出式を用いて求めた。次に、この粗圧延板を、種々の異なる条件で厚さ0.5mmまで仕上圧延する。そして、仕上圧延材に320℃×30分の最終熱処理を行い、その熱処理材から直径92mmの円板を切り出して、評価用サンプルとした。
次に、各サンプルの観察面をバフ研磨(ダイヤモンド砥粒♯200)し、その後エッチング処理を施して、光学顕微鏡の400倍視野にて組織観察および平均結晶粒径の測定を行った。
さらに、これらのサンプルを、円柱状のパンチと、このパンチが嵌合する円筒穴を有するダイスを用いて、金型設定温度を250℃とした以外は試験例1と同様の条件で絞り成形加工した。仕上圧延条件と上記試験結果を表3にまとめて示す。この表における各表記の意義も試験例1と同様である。
Figure 2007098470
(試験例3−2)
また、試験例3-1とはAlの含有量が異なるマグネシウム合金素材板を用いて、試験例3-1と同様に仕上圧延時の素材板の温度やロール温度などの影響を試験した。仕上圧延以外の製造条件や、マグネシウム合金板の評価方法は、試験例3-1と同様である。なお、マグネシウム合金素材板のAl含有量は、9.8質量%、Zn含有量は、1.0質量%であった。仕上圧延条件と上記試験結果を表4にまとめて示す。
Figure 2007098470
表3および表4から明らかなように、仕上圧延を本発明に規定する条件で制御圧延したサンプルは、いずれも平均粒径が小さく、縁割れや表面に細かい割れがない上、絞り性に優れていることがわかる。
(試験例4−1)
次に、試験例3-1で用いた素材板と同じ厚さ4mmの素材板を用意し、この素材板を所定の厚さまで粗圧延して、厚さの異なる粗圧延板を得る。この粗圧延も、素材板を300〜380℃に予熱し、その素材板を常温の圧延ロールで圧延することにより行った。その粗圧延板を最終板厚0.5mmにまで異なる総圧下率で仕上圧延して、仕上圧延材を得た。仕上圧延は、仕上圧延直前における粗圧延板の表面温度を210〜240℃とし、その際の仕上圧延ロールの表面温度を150〜180℃の範囲に制御して行った。次に、この仕上圧延材にも試験例3-1と同様に、320℃×30分の熱処理を行い、評価用サンプルとした。
これらのサンプルについても試験例3-1と同様の方法で、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れの評価を行い、さらにこれら各評価結果の総合評価を行った。仕上圧延における圧下率/パスおよび総圧下率と評価結果を表5に示す。この表における「板表面状態」、「縁割れ」の意義は試験例1における同一の用語と同様である。また、「総圧下率」は、粗圧延材の板厚から最終板厚までの仕上圧延における総圧下率、つまり板の表面温度を210〜240℃とした圧延における総圧下率である。但し、No.4-1における括弧内に記載した数値は粗圧延板の表面温度を270℃として仕上圧延を行ったことを示している。
Figure 2007098470
(試験例4−2)
また、試験例4-1とはAlの含有量が異なるマグネシウム合金素材板を用いて、試験例4-1と同様に仕上圧延時の1パスあたりの平均圧下率と総圧下率の影響を試験した。仕上圧延以外の製造条件や、マグネシウム合金板の評価方法は、試験例4-1と同様である。なお、マグネシウム合金素材板のAl含有量は、9.8質量%、Zn含有量は、1.0質量%であった。仕上圧延条件と上記試験結果を表6にまとめて示す。
Figure 2007098470
表5および表6から明らかなように、総圧下率が10〜75%のサンプルは総合評価において優れた結果が得られていることがわかる。
(試験例1〜試験例4のまとめ)
以上の試験例1〜試験例4の結果から、素材板を構成するマグネシウム合金中のAl含有量をM(質量%)としたとき、圧延ロールへ挿入する直前における素材板の表面温度Tb(℃)とMとの関係をグラフ化して整理した。その結果、素材板の表面温度Tbを下記の式を満たす温度とし、圧延ロールの表面温度Trを150〜180℃とする制御圧延を行えば、結晶粒径が微細化されて塑性加工性に優れたマグネシウム合金板を得られることが判明した。
8.33×M+135≦Tb≦8.33×M+165
ただし、1.0≦M≦10.0
(試験例5)
さらに、素材板の製造方法と圧延条件とを変えてマグネシウム合金板(AZ31相当材)の製造を行った。素材板の製造方法と圧延条件の各々は次の通りである。
<素材板の製造方法>
A1:双ロール連続鋳造で厚さ4mmの素材板を得る。
A2:厚みが200mm程度のインゴットを鋳造し、このインゴットの表面を切削して、得られた切削材を熱間圧延することで厚さ4mmの素材板を得る。
<圧延方法>
B1:粗圧延(板厚4mm→1mm)では素材板を250〜350℃に予熱して常温の圧延ロールで圧延し、仕上圧延(板厚1mm→0.5mm)では圧延ロールの表面温度を150〜180℃、この圧延ロールへ挿入する直前における粗圧延板の表面温度を160〜190℃とした制御圧延を行う。
B2:全てのパスの圧延(板厚4mm→0.5mm)で素材板を300〜400℃に予熱し、常温の圧延ロールで圧延する。
以上の条件を表5に示す組合せでマグネシウム合金板の圧延を行ない、さらにその圧延板に250℃×30分の最終熱処理を行い、得られたマグネシウム合金板について、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れの評価を行って、各評価の総合評価をした。その結果も表7に示す。この表における総合評価は、良好な方から順に◎、○、△で示している。
Figure 2007098470
この結果から明らかなように、双ロール鋳造により得られた素材板を用いて所定の制御圧延を施せば、特に塑性加工性に優れたマグネシウム合金板が得られることがわかる。
(試験例6)
Mg-3.0%Al-1.0%Zn(全て質量%)を含有するAZ31相当の組成を持ち、双ロール連続鋳造法により得られた厚さ4mmのマグネシウム合金素材板を用意する。この素材板を異なる条件で厚さ1mmまで粗圧延して、複数の粗圧延板を得る。次いで、この複数の粗圧延板を最終板厚0.5mmになるまで同一の条件で仕上圧延して、マグネシウム合金板を得た。仕上圧延は、仕上圧延直前における粗圧延板の表面温度を160〜190℃、仕上圧延ロールの表面温度を150〜180℃の範囲に制御して実施した。またその際の1パス当たりの圧下率が15%となるようにした。そして、仕上圧延して得られたマグネシウム合金板を、250℃×30分熱処理し、評価用サンプルとした。これらのサンプルについて、試験例1と同様の方法で、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れの評価を行った。
粗圧延条件と上記試験結果を表8にまとめて示す。この表における各表記は、次の意義を示す。
板温度:粗圧延直前における素材板の表面温度
ロール温度:粗圧延の圧延ロールの表面温度
圧下率/パス:板厚4mm→1.0mmまでの圧延における圧下率/パス
板表面状態;圧延材に割れやしわのないものを○、わずかにワニ革状の割れが生じたものを△、割れが生じたものを×とする。
また、平均結晶粒径は、JIS G 0551に記載される算出式を用いて求めた。
Figure 2007098470
(試験例7−1)
Mg-9.0%Al-1.0%Zn(全て質量%)を含有するAZ91相当の組成を持ち、双ロール連続鋳造法により得られた厚さ4mmのマグネシウム合金素材板を用意する。この素材板を異なる条件で厚さ1mmまで粗圧延して、複数の粗圧延板を得る。次いで、この複数の粗圧延板を最終板厚0.5mmになるまで同一の条件で仕上圧延して、マグネシウム合金板を得た。仕上圧延は、仕上圧延直前における粗圧延板の表面温度を210〜240℃、仕上圧延ロールの表面温度を150〜180℃の範囲に制御して実施した。また、その際の1パス当たりの圧下率が15%となるようにした。そして、仕上圧延して得られたマグネシウム合金板を、320℃×30分熱処理し、評価用サンプルとした。これらのサンプルについて、試験例6と同様の方法で、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れの評価を行い、さらに、これら各評価結果を基にして総合評価を行った。
粗圧延条件と上記試験結果を表9にまとめて示す。この表における各表記の意義は試験例6と同様とする。
Figure 2007098470
(試験例7−2)
また、試験例7-1とはAlの含有量が異なるマグネシウム合金素材板を用いて、試験例3-1と同様に粗圧延時の素材板の温度やロール温度などの影響を試験した。粗圧延以外の製造条件や、マグネシウム合金板の評価方法は、試験例7-1と同様である。なお、マグネシウム合金素材板のAl含有量は、9.8質量%、Zn含有量は、1.0質量%であった。仕上圧延条件と上記試験結果を表10にまとめて示す。
Figure 2007098470
(試験例8)
試験例6で用いた素材板と同じAZ31素材板(厚さ4mm)を用意した。この素材板を異なる条件で厚さ1mmまで粗圧延し、複数の粗圧延板を得た。そして、その複数の粗圧延板を最終板厚0.5mmになるまで同一の条件で仕上圧延して、マグネシウム合金板を得た。
ここで、粗圧延は、粗圧延直前における粗圧延板の表面温度を350℃、粗圧延ロールの表面温度を200〜230℃の範囲に制御して実施した。そして、この粗圧延の際に、1パス当たりの圧下率を変化させた。一方、仕上圧延は、仕上圧延直前における粗圧延板の表面温度を160〜190℃、仕上圧延ロールの表面温度を150〜180℃の範囲に制御し、この仕上圧延の際の1パス当たりの圧下率が15%となるようにした。
次に、この仕上圧延材にも試験例1と同様に、250℃×30分の熱処理を行い、評価用サンプルとした。これらのサンプルについても試験例6と同様の方法で、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れの評価を行い、粒径ばらつきの評価を行い、さらにこれら各評価結果の総合評価を行った。粗圧延における1パス当たり圧下率20%以上40%以下の圧延回数と評価結果を表11に示す。この表における「板表面状態」、「縁割れ」の意義は試験例6と同様である。また、「20〜40%圧下率の粗圧延回数」は、1回の粗圧延時の圧下率が20〜40%であった粗圧延の回数を示し、「最高圧下率/パス」は、複数パスの粗圧延のうちの最高圧下率を示す。また、粒径ばらつきの意義については、以下に示す。
大…最大粒径/最小粒径≧2、中…2≧最大粒径/最小粒径≧1.5
小…最大粒径/最小粒径≦1.5
Figure 2007098470
(試験例9−1)
試験例7-1で用いた素材板と同じAZ91素材板(厚さ4mm)を用意した。この素材板を異なる条件で厚さ1mmまで粗圧延し、粗圧延板を得た。その粗圧延板を最終板厚0.5mmになるまで同一の条件で仕上圧延して、マグネシウム合金板を得た。
ここで、粗圧延は、粗圧延直前における板の表面温度を350℃とし、その際の仕上圧延ロールの表面温度を200〜230℃の範囲に制御し、1パス当たりの圧下率を変えて行った。一方、仕上圧延は、仕上圧延直前における粗圧延板の表面温度を210〜240℃、仕上圧延ロールの表面温度を150〜180℃の範囲に制御して実施した。また、その際の1パス当たりの圧下率が15%となるようにした。
次に、この仕上圧延材も試験例7-1と同様に、320℃×30分の熱処理を行い、評価用サンプルとした。そして、これらのサンプルについても試験例6と同様の方法で、平均結晶粒径の測定、板表面状態の評価、縁割れ、ばらつきの評価を行い、さらにこれら各評価結果の総合評価を行った。
粗圧延における1パス当たり圧下率20%以上40%以下の圧延回数と評価結果を表12に示す。この表における「板表面状態」、「縁割れ」、「粒径ばらつき」の意義は試験例8における同一の用語と同様である。
Figure 2007098470
(試験例9−2)
また、試験例9-1とはAlの含有量が異なるマグネシウム合金素材板を用いて、試験例9-1と同様に粗圧延時の素材板の温度やロール温度などの影響を試験した。粗圧延以外の製造条件や、マグネシウム合金板の評価方法は、試験例9-1と同様である。なお、マグネシウム合金素材板のAl含有量は、9.8質量%、Zn含有量は、1.0質量%であった。仕上圧延条件と上記試験結果を表13にまとめて示す。
Figure 2007098470
(試験例6〜試験例9のまとめ)
以上の試験例6〜試験例9の結果から、適切な条件で粗圧延を実施することにより、最終的に得られるマグネシウム合金板の結晶粒径のばらつきが小さく、板表面の欠陥や縁割れなどの不具合のない塑性加工性に優れたマグネシウム合金板が得られることがわかった。
(試験例10)
Mg-9.0%Al-1.0%Zn組成(全て質量%)、および、Mg-9.8%Al-1.0%Zn組成(全て質量%)を有するマグネシウム合金素材板(厚み4.0mm)を双ロール連続鋳造により得た。このとき得られたマグネシウム合金素材板に生じた中心線偏析は、板材の厚み方向に50μmの最大幅であった。このようなマグネシウム合金素材板を以下に示す3種類の条件により処理した後、圧延に供した。
Mg-9.0%Al-1.0%Zn組成(全て質量%)について
10-1…溶体化処理を行なわない
10-2…405℃×1時間(溶体化処理)
10-3…405℃×10時間(溶体化処理)
Mg-9.8%Al-1.0%Zn組成(全て質量%)について
10-4…溶体化処理を行なわない
10-5…405℃×1時間(溶体化処理)
10-6…405℃×10時間(溶体化処理)
上記の処理を施して得られたマグネシウム合金板を以下の条件にて0.6mmの厚さまで圧延し、適切な条件で熱処理を施すことにより、5.0μmの平均結晶粒径を有する板材にした。
<粗圧延 4.0mm〜1.0mm>
ロール表面温度:200℃
板加熱温度:330〜360℃
1パス当たりの圧下率:20〜25%
<仕上圧延 1.0mm〜0.6mm>
ロール表面温度:180℃
板加熱温度:230℃
1パス当たりの圧下率:10〜15%
<熱処理>
320℃、30分間アニーリング
次に、この板材からJIS 13Bの引張試験用サンプルを作製し、室温環境において、歪み速度1.4×10-3(s-1)で引張試験を行った。また、0.6mmの板材断面の合金組織を観察し、中心線偏析の量(厚み方向の最大幅)を測定した。各試験の方法および意義は、以下の通りである。
引張強度=破断した時の荷重/(試験片の板厚×板幅)
降伏強度=0.2%耐力で測定
降伏比=降伏強度/引張強度
破断伸び=(破断端を突き合わせたときの標点間距離−50mm)/50mm ※1
※1 試験前に予め設定した2つの標点の間の距離(50mm)と、試験後に破断したサンプルの破断端を突き合わせたときの標点間の距離とから求める、いわゆる突き合わせ方法により測定した。
上記の結果を表14に示す。
Figure 2007098470
表14に示すように、双ロール連続鋳造方法により作製したマグネシウム合金素材板を溶体化処理することにより中心線偏析の厚さ方向の幅が小さくなり、優れた機械的特性を有するマグネシウム合金板が得られることが確認出来た。特に、AZ91相当のマグネシウム合金を含むAl含有量の高いマグネシウム合金では、溶体化処理を長時間行なうことで、より機械的特性の優れたマグネシウム合金板を得ることができた。
(試験例11)
AZ91相当のMg-9.0%Al-1.0%Zn組成(全て質量%)、および、Mg-9.8%Al-1.0%Zn組成(全て質量%)を有するマグネシウム合金素材板(厚み4.0mm)を双ロール連続鋳造により得た。これらの素材板に405℃×10時間の溶体化処理を施して得られたマグネシウム合金素材板を以下に示す条件にて0.6mmの厚さまで圧延してマグネシウム合金板を得た。このとき得られたマグネシウム合金板に生じた中心線偏析は、板材の厚み方向に最大で20μmであった。
<粗圧延 4.0mm〜1.0mm>
ロール表面温度:200℃
板加熱温度:330〜360℃
1パス当たりの圧下率:20〜25%
<仕上圧延 1.0mm〜0.6mm>
ロール表面温度:180℃
板加熱温度:230℃
1パス当たりの圧下率:10〜15%
上記の条件で圧延して得られたマグネシウム合金板を以下に示す3種類の条件で処理し、評価用板材を得た。
<熱処理>
(1)圧延後に熱処理を施さない
(2)230℃1分間アニーリング
(3)320℃30分間アニーリング
次に、この板材からJIS 13Bの引張試験用サンプルを作製し、4種類の温度環境(室温、150℃、200℃、250℃)において、歪み速度1.4×10-3(s-1)で引張試験を行った。また、0.6mmの板材断面の引張試験前後における合金組織を観察した。各試験の方法および用語の意義は、試験例10と同様であるため説明を省略する。
この試験の結果を表15,16に示す。表15は、Mg-9.0%Al-1.0%Zn組成を有するマグネシウム合金板での試験結果を、表16は、Mg-9.8%Al-1.0%Zn組成を有するマグネシウム合金板での試験結果を示す。
Figure 2007098470
Figure 2007098470
<プレス前のマグネシウム合金板の組織>
表15,16に示すように、320℃、30分間アニーリングした板材(11-9〜11-12もしくは、11-21〜11-24)は、圧延加工によるマグネシウム合金板に蓄積された歪みが消えており、完全に再結晶化している。一方、230℃、1分間アニーリングした板材(11-5〜11-8もしくは11-17〜11-20)は、圧延加工による結晶粒の歪みが一部残っている。また、熱処理を施さなかった板材(11-1〜11-4もしくは11-13〜11-16)は圧延加工による結晶粒の歪みが残っている。
<塑性変形後のマグネシウム合金板の組織>
320℃、30分間アニーリングを施し、完全に再結晶化した板材では、引張加工時の昇温(250℃以下)によって板材の組織中の結晶粒が粗大化せず、加工の前後で平均結晶粒径にほとんど差が生じなかった。従って、板材のうち、引張加工時に変形した部分では加工歪が蓄積されて硬度および強度が向上し、変形していない部分では硬度および強度に変化が生じないと推察される。一方、圧延による加工歪みが残っている板材(アニーリングなし、または、230℃で1分間のアニーリング)では、引張加工時の昇温によって金属組織が再結晶化し、強度や硬度が低下した。そして、加工の前後で、変形していない部分では強度が低下し、変形した部分では加工時の昇温の度合いによって強度が低下したり向上したりした。このように、加工の前後でマグネシウム合金板の強度および硬度が低下する部分があると、所望の機械的特性を有するマグネシウム合金製の製品を安定して製造することができない。
<高温引張特性>
320℃、30分間アニーリングを施した板材では、室温における引張強度、降伏強度および破断伸びが高く、また、200℃、250℃において安定して高い破断伸びを示した。一方、加工歪みを残した板材は、200℃、250℃において異常に高い破断伸びを示す(超塑性現象)ものがあるが、このような超塑性現象を示す板材は極わずかであり、その他の板材は破断伸びが低く、塑性加工の際に割れやひびなどの損傷が生じた。このように板材の破断伸びに大きなばらつきがあると、マグネシウム合金板に塑性加工を施して製品を製造したときに、製品の品質が安定しない。
以上の結果から、加工歪みを残した板材は、高温における塑性加工時の昇温や変形によって金属組織が変化し、且つ、この変化の度合いが不安定であるため、安定した加工成形性が期待できない。一方、金属組織が完全に再結晶化した板材は、加工の前後で金属組織に変化が生じ難いため、塑性加工性が安定するとともに、加工により変形した部分の機械的特性は向上し、変形しなかった部分でも加工前の機械的特性を維持すると推察される。従って、圧延加工時に蓄積した加工歪を解消した板材は、プレス成形などの強加工を行なった場合でも安定した機械的特性を有するので、プレス成形などにより製造される筐体製品の製造に適している。
(試験例12)
次に、試験例11に記載の条件で鋳造、粗圧延、仕上圧延をし、厚さ0.6mmのマグネシウム合金板(Mg-9.0%Al-1.0%Zn、および、Mg-9.8%Al-1.0%Zn)を作製した。そして、仕上圧延後のマグネシウム合金板に320℃、30分のアニーリングを施して評価用サンプルを作製し、このサンプルを用いて曲げ試験を実施した。曲げ試験は、各サンプルを2点で支持して、これら支持点とは反対の方向から曲げ成形用工具(パンチ)によりサンプルに曲げ圧力を加える、いわゆる3点曲げ試験とした。曲げ試験の条件を以下に示す。
<試験条件>
サンプルの寸法…幅20mm、長さ120mm、厚さ0.6mm
試験温度…25℃(室温)、200℃、250℃
パンチの先端角度…30°
パンチの半径(=サンプルの曲げ半径)…0.5mm、1.0mm、2.0mm
支点間距離…30mm
パンチの押し込み深さ…40mm
パンチの押し込み速度…1.0m/min、5.0m/min
上記の条件のもと試験を行い、サンプルの曲げ半径部分の表面状態およびスプリングバック量を調べた。また、表面状態およびスプリングバック量を基にサンプルの総合評価をした。スプリングバックとは、パンチにより加えられた荷重により板状のサンプルに生じた変形が、パンチによる荷重が抜けた後に戻る現象をいう。即ち、サンプルのスプリングバックの量が大きい場合、変形性が悪く、小さい場合、変形性が良いと判断できる。従って、スプリングバック量を調べることで、サンプルの加工容易性を判断することができる。表面状態およびスプリングバック量の評価基準は以下に示す通りである。
<表面状態の評価基準>
亀裂が生じなかった場合…○
微少な亀裂が生じたが破断しなかった場合…△
破断した場合…×
<スプリングバックの評価基準>
スプリングバックの評価基準は、(パンチにより荷重を加えているときのサンプルの曲げ半径部分を挟んだ平面の成す角)−(荷重を取り除いたときの曲げ半径部分を挟んだ平面の成す角)により評価した。
45°以上の差がある場合…スプリングバック 大
10°以上45°未満の差がある場合…スプリングバック 中
10°未満の差がある場合…スプリングバック 小
<総合評価>
表面状態×の場合…総合評価×
表面状態○で且つ、スプリングバック小の場合…総合評価○
上記以外…総合評価△
また、加工の度合いを示す指標として曲げ特性値を規定した。曲げ特性値は、サンプルの曲げ半径(mm)/サンプルの厚さ(mm)で表される。ここで、サンプルの曲げ半径が小さいほどこの曲げ半径部分に局所的な圧力が作用するので、サンプルに亀裂などの損傷が生じやすく、サンプルの厚さが厚いほどサンプルの成形性が悪く、亀裂などの損傷が生じ易い。従って、上記の式で表される曲げ特性値は、小さいほど加工条件の厳しい強加工を示すことになる。
以上、説明した表面状態、スプリングバック、曲げ特性値および総合評価の結果を表17,18に示す。表17は、Mg-9.0%Al-1.0%Zn組成を有するマグネシウム合金板での試験結果を、表18は、Mg-9.8%Al-1.0%Zn組成を有するマグネシウム合金板での試験結果を示す。
Figure 2007098470
Figure 2007098470
Mg-9.0%Al-1.0%Znのサンプルは、表17に示すように、室温(25℃)における曲げ試験で、曲げ半径が2.0mm、即ち、加工条件の緩い(曲げ特性値3.33)場合にのみ、サンプルの表面状態が評価○であった(試料No.12-5,12-6参照)。また、室温では、曲げ半径や加工速度にかかわらず、スプリングバックが大きく、成形性が悪かった(試料No.12-1〜12-6を参照)。一方、200℃以上の状態で曲げ試験を行なった場合、曲げ半径および加工速度にかかわらずスプリングバックが小さく、表面状態が良かった(試料No.12-7〜12-18を参照)。
一方、Mg-9.8%Al-1.0%Znのサンプルは、表18に示すように、Mg-9.0%Al-1.0%Znのサンプルと全く同じ結果を示した。具体的には、室温における曲げ試験では、成形性が悪く(試料No.12-19〜12-24を参照)、200℃以上では成形性が良かった(12-25〜12-36を参照)。
(試験例13)
試験例11および12に記載の条件で鋳造、粗圧延、仕上圧延をし、厚さ0.6mmのマグネシウム合金板(Mg-9.0%Al-1.0%Zn、および、Mg-9.8%Al-1.0%Zn)を作製した。次いで、このマグネシウム合金板に以下に示す2種類の条件で処理を施し、評価用サンプルを作製した。この評価用サンプルを用いてプレス試験を実施し、プレス後のサンプルの表面状態を調べた。
<熱処理>
(1)圧延後に熱処理を施さない
(2)320℃、30分間アニーリング
<プレス試験の条件>
サーボプレス機によりサンプルをプレスした。プレスは、直方体状の凹部を有する下型に、この凹部を覆うようにサンプルを載置して、直方体状の上型を押し付けることにより行なった。上型は、60mm×90mmの直方体状で、サンプルに当接する四つの角が丸められており、各角は一定の曲げ半径を有する。また、上型と下型にはヒーターと熱電対を埋め込み、プレス時の温度条件を所望の温度に調節することができるようにした。
<試験条件>
上型の曲げ半径…0.5mm、2.0mm
試験温度…200℃、250℃
加工速度…0.8m/min、1.7m/min、3.4m/min、5.0m/min
上記の条件のもとプレス加工を行い、プレス後のサンプルの曲げ半径部分の表面状態を調べた。この結果を表19,20に示す。表19は、Mg-9.0%Al-1.0%Zn組成を有するマグネシウム合金板での試験結果を、表20は、Mg-9.8%Al-1.0%Zn組成を有するマグネシウム合金板での試験結果を示す。ここで、表面状態の意義は、試験例12と同一であり、曲げ特性値は、上型の曲げ半径/サンプルの板厚により求められる。
Figure 2007098470
Figure 2007098470
表19に示すように、Mg-9.0%Al-1.0%Znの組成を有するサンプルのうち、仕上圧延後の熱処理を施さなかったサンプルは、プレス時のサンプルの温度が200℃の場合、表面に割れや亀裂が生じた。特に、曲げ特性値0.83の強加工を行なった場合、表面に割れが生じた。また、同サンプルは、250℃のプレス試験においても、強加工(曲げ特性値0.83)を行なった場合、サンプル表面に割れや亀裂が生じた。一方、仕上圧延後に320℃、30分間のアニーリングを行なったサンプルは、プレス時のサンプルの温度が200℃の場合、加工速度が遅いときや(試料No.13-9、13-10を参照)、曲げ特性値が3.33のとき(試料No.13-10,13−12,13-14,13-16を参照)、表面状態が良かった。また、これらのアニーリングを行なったサンプルは、250℃では、曲げ特性値や加工速度に関係なく表面状態が良かった。
また、表20に示すように、Mg-9.8%Al-1.0%Znのサンプルの試験結果は、Mg-9.0%Al-1.0%Znの試験結果とほぼ同じであった。即ち、320℃、30分間のアニーリングを行なったサンプルの方が、アニーリングを行なわなかったサンプルよりもプレス後の表面状態が良かった。さらに、プレス加工時の温度が高いほど、プレス後のサンプルの表面状態が良かった。特に、アニーリングを行なったマグネシウム合金板を250℃の条件でプレス加工する場合、5.0m/minの加工速度で強加工(曲げ特性値0.83)を行なってもプレス成形性が良いことが明らかとなった。
(試験例11〜試験例13のまとめ)
以上、試験例11〜13の結果から、圧延後のマグネシウム合金板を適切な温度で熱処理して合金板の組織を再結晶化させることにより、成形性が安定することが明らかとなった。成形性が安定する原因は、塑性加工を行なう前に金属組織を再結晶化させているため、塑性加工(プレス加工を含む)時の昇温によって金属組織が大きく変化しないためと推察される。
本発明マグネシウム合金板の製造方法は、塑性加工、特にプレス加工性に優れたマグネシウム合金板の製造に好適に利用できる。また、本発明マグネシウム合金板は、軽量かつ高い機械的特性を要求される合金材料として好適に利用できる。

Claims (17)

  1. マグネシウム合金素材板を圧延ロールにて圧延するマグネシウム合金板の製造方法において、
    この圧延は、
    前記素材板を構成するマグネシウム合金中のAl含有量をM(質量%)としたとき、
    前記圧延ロールへ挿入する直前における素材板の表面温度Tb(℃)を下記の式を満たす温度とし、
    8.33×M+135≦Tb≦8.33×M+165
    ただし、1.0≦M≦10.0
    前記圧延ロールの表面温度Trを150〜180℃とする制御圧延を含むことを特徴とするマグネシウム合金板の製造方法。
  2. 前記制御圧延の総圧下率が10〜75%であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  3. 前記素材板は、双ロール鋳造により得られた素材板であることを特徴とする請求項1または2に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  4. 前記制御圧延を複数パスで行い、
    これら複数パスのうち、少なくとも1パスは他のパスと圧延方向を逆転させて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  5. 前記制御圧延の1パス当たりの平均圧下率が5%以上20%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  6. 前記素材板の圧延は、粗圧延と仕上圧延とを含み、
    少なくとも仕上圧延を前記制御圧延とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  7. 前記粗圧延工程において、この粗圧延に使用する圧延ロールへ素材板を挿入する直前における素材板の表面温度Tbを300℃以上とし、前記圧延ロールの表面温度Trを180℃以上とすることを特徴とする請求項6に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  8. 前記粗圧延の1パス当たりの圧下率が20%〜40%であり、この圧下率の範囲の圧延を少なくとも2パス以上行うことを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  9. 圧延する前のマグネシウム合金素材板を380〜420℃で60〜600分溶体化処理することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマグネシウム合金板の製造方法。
  10. 仕上圧延後のマグネシウム合金板を下記の条件で熱処理することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のマグネシウム合金板の製造方法。
    マグネシウム合金中のAl含有量Mが2.5〜3.5質量%、亜鉛含有量が0.5〜1.5質量%のとき、220〜260℃で10〜30分、
    マグネシウム合金中のAl含有量Mが8.5〜10.0質量%、亜鉛含有量が0.5〜1.5質量%のとき、300〜340℃で10〜30分。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のマグネシウム合金板の製造方法により得られたことを特徴とするマグネシウム合金板。
  12. マグネシウム合金板の厚み方向の中心線に存在する偏析量が厚み方向で20μm以下であることを特徴とする請求項11に記載のマグネシウム合金板。
  13. マグネシウム合金中のAl含有量Mが8.5〜10.0質量%であり、さらに、マグネシウム合金中に亜鉛を0.5〜1.5質量%含有し、
    室温における引張強度が360MPa以上、降伏強度が270MPa以上、破断伸びが15%以上であることを特徴とする請求項11または12に記載のマグネシウム合金板。
  14. 降伏比が75%以上であることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載のマグネシウム合金板。
  15. マグネシウム合金中のAl含有量Mが8.5〜10.0質量%であり、さらに、マグネシウム合金中に亜鉛を0.5〜1.5質量%含有し、
    200℃における引張強度が120MPa以上、破断伸びが80%以上、250℃における引張強度が90MPa以上、破断伸びが100%以上であることを特徴とする請求項11または12に記載のマグネシウム合金板。
  16. マグネシウム合金中のAl含有量Mが8.5〜10.0質量%であり、さらに、マグネシウム合金中に亜鉛を0.5〜1.5質量%含有し、
    200℃以上において、曲げ特性値(曲げ半径R/板厚t)が1.0以下の条件で曲げ加工を行なったときに、表面に割れやひびなどの損傷が生じないことを特徴とする請求項11または12に記載のマグネシウム合金板。
  17. マグネシウム合金中のAl含有量Mが8.5〜10.0質量%であり、さらに、マグネシウム合金中に亜鉛を0.5〜1.5質量%含有し、
    200℃以上において、曲げ特性値(曲げ半径R/板厚t)が1.0以下の条件でプレス加工を行なったときに、表面に割れやひびなどの損傷が生じないことを特徴とする請求項11または12に記載のマグネシウム合金板。
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