以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。ここで、「JAC」、「スイカ」及び「ベル」は、リール3L、3C、3Rのいずれについても、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。左のリール3Lには、「赤7」、「白7」、「BAR」が1つずつ互いに7コマ以内の間隔で配置されている。右のリール3Rには、「BAR」、「赤7」または「白7」のいずれかが互いに5コマ以内の間隔で配置されている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。可変表示装置2には、後述するレギュラーボーナスにおいて賭け数として1が設定されているときには、中段の1本の有効ラインが設定される。レギュラーボーナス以外では賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、この賭け数として3が設定されているときには、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の有効ラインが設定される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、RAM異常エラーなどのエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。可変表示装置2の左側には、ゲーム毎に設定されている賭け数を示すための1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。但し、ゲームを開始できる賭け数は、遊技状態に応じて予め決まっている。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4において行われる演出としては、詳細を後述する連続演出や追加演出がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は、基本的には190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。なお、リール3L、3C、3Rの停止時における停止図柄の選択は、引き込み可能な図柄のうちから当選フラグの設定状況に従って選択されるものとなっている。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、RAM112は、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU111には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、1ワード分の大きさである8ビットからなり、そのうちの下位7ビットがCPU111がROM113から命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。なお、RAM112の領域の構成については、後述する。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。これらのコマンドは、それぞれ8ビットで構成される。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。これに加えて、当選状況信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号を外部装置に出力するものであってもよい。
次に、遊技制御基板101のRAM112の構成について説明する。図4は、RAM112の記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM112には、重要ワーク112−1、一般ワーク112−2、特別ワーク112−3、設定値ワーク112−4、非保存ワーク112−5、スタック領域112−6、及びパリティ格納領域112−7を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク112−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域であり、パリティ格納領域112−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。後述する役の当選フラグの設定領域は、一般ワーク112−2に設けられている。また、RAM112は、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定スイッチ91による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ92をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ92をOFF状態としてメインスイッチ94により電源をONすればよい。
設定キースイッチ92をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードなる。設定変更モードにおいて、設定スイッチ91が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートレバー11が操作されてから設定キースイッチ92がOFFされると、変更後の確定した設定値が設定値ワーク112−4に記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
遊技の進行が可能な状態であるときには、スロットマシン1におけるゲームが1ゲームずつ順次進行するが、各ゲームで行われる内部抽選において設定値ワーク112−4に格納された設定値が正常範囲(1〜6)にあるかどうかを判定する。設定値が正常範囲にない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、遊技制御基板101のCPU111が電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、RAM112のパリティ格納領域112−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112−7に格納する処理を行うようになっている。ここにRAMパリティとは、データ列(各アドレスにおいて同一位置のビット)を足し合わせた総和の最下位ビットのことである。
そして、遊技制御基板101の制御部110の起動時において、RAM112に記憶されているデータのうちのパリティ格納領域112−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112−7に格納されているRAMパリティと比較する。この比較結果が一致した場合には、RAM112に記憶されている状態に基づいて電源断前の状態に復帰させる。
一方、RAMパリティの比較結果が一致しなかった場合には、ここでもRAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。RAM異常エラー状態は、他のエラー状態とは異なり、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93を操作しても解除されないようになっており、設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されることで解除されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技状態の移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
図5(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて抽選対象として定められた役を示すものとなる。なお、図5(a)は、各役に対応する図柄組み合わせと、入賞した場合に与えられる配当も示しているが、これらは、ROM113に格納されている遊技状態別当選役テーブルに含まれるものではない。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)が、小役として組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーが、再遊技役としてリプレイが定められている。また、内部抽選の対象役となっている訳ではないが、通常の遊技状態で組み合わせ小役の内部当選時に「ベル−ベル−赤7/白7」の組み合わせ(RT図柄)が導出されたときには、これを契機として、その後の5ゲームの間だけ遊技状態がRT(Replay Time)に移行される。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときにも、これを契機として、次以降の5ゲームの間だけ遊技状態がRTに移行される。
通常の遊技状態またはRTでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリー、及びリプレイが抽選対象の役となる。通常の遊技状態のリプレイとRTのリプレイとでは、当選の判定のために用いられる判定値数が異なるため、遊技状態別当選役テーブルにおいて別の役として定められているが、それぞれに当選したときの制御内容としては全く同じである。また、レギュラーボーナス(後述するようにビッグボーナス中で提供された場合を含む)の遊技状態では、組み合わせ小役、スイカ、ベル、及びチェリーが、抽選対象の役となる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(1)に入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナスが与えられる。可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(2)に入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナスが与えられる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うと、レギュラーボーナスに入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるレギュラーボーナスが与えられる。
遊技状態がビッグボーナスにあるときは、払出メダル枚数が後述する所定数に達するまで、レギュラーボーナスの遊技状態が繰り返して提供される。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定され、また、通常の賭け数とは異なる1を設定してゲームを開始させるものとなる。
ビッグボーナスは、払出メダル枚数が465枚に達したときに終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。遊技状態がビッグボーナスにある状態でゲームの開始時においてレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、当該時点でRAM112にレギュラーボーナス中フラグも設定されるものとなる。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「ベル−ベル−BAR」の組み合わせが揃うと、組み合わせ小役に入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として15枚のメダルが払い出される。組み合わせ小役の内部当選時で組み合わせ小役に入賞しないときには、可変表示装置2のいずれかの有効ライン上に「ベル−ベル−赤7/白7」の組み合わせ、すなわちRT図柄が揃うことがある。通常の遊技状態における「ベル−ベル−赤7/白7」の組み合わせの導出は、実質的なRT入賞として扱われており、遊技状態がRTに移行される。もっとも、有効ライン上にRT図柄が揃ったとしても、遊技状態がRTにあるかレギュラーボーナスにあるときには、RT入賞として扱われない。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃うと、スイカの小役に入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として15枚のメダルが払い出される。可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うと、ベルの小役入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として8枚のメダルが払い出される。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインにおいて、左のリール3Lに「チェリー」が導出されると、チェリーの小役入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、1有効ライン当たり2枚のメダルが配当として払い出される。従って、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が導出されたときには、上段または下段には2本の有効ラインが設定されているために4枚のメダルが払い出され、中段に「チェリー」が導出されたときには、中段には1本だけ有効ラインが設定されているために2枚のメダルが払い出される。
可変表示装置2のいずれかの有効ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃うと、リプレイ入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次の1ゲームを改めて賭け数を設定せずに行うことのできる再遊技が付与される。
ところで、通常の遊技状態において組み合わせ小役に当選しているときには、可変表示装置2の有効ライン上にRT図柄が揃うと、RT入賞したものとして扱われ、遊技状態がRTに制御されるものとしていた。遊技状態がRTまたはレギュラーボーナスにあるときには、RT入賞とは扱われないが、組み合わせ小役に当選していればRT図柄が導出されることがあるものとなっていた。このようにRT図柄は、RT入賞と扱われるかどうかとは別に、組み合わせ小役に当選していることを条件として導出される表示結果である。
また、RT図柄は、組み合わせ小役に当選していない場合であっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選フラグが設定されている状態で、これらの役に入賞しないときに、可変表示装置2の有効ライン上に導出されることがある。つまり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選フラグが設定されているときには、リーチ目としてRT図柄が導出される場合がある。
例えば、レギュラーボーナスに当選しているときで、停止ボタン12L、12C、12Rが左→中→右の順で操作された場合を考える。左のリール3Lに「BAR」を導出できるのは、図2の0番〜6番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Lが操作された場合だけである。その他のタイミングでは、「BAR」を導出できないので、リーチ目としてのRT図柄を構成する「ベル」が導出される。中のリール3Cについては、停止ボタン12Cの操作タイミングに関わらず、「ベル」が同一の有効ライン上に揃えられる。右のリール3Rについて「赤7」または「白7」を「ベル」が並んでいる有効ライン上に停止させることができないのは、13番〜15番の図柄が当該有効ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作したときだけである。
従って、レギュラーボーナスに当選している場合であって、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングを図る目押しを全く行っていなかった場合においては、少なくとも1/1.75(=((21−7)/21)×(21/21)×((21−3)/21))というかなり高い確率で、リーチ目としてのRT図柄が導出されるものとなる。また、例えば、左のリール3Lに6番の「BAR」とともに7番の「ベル」が導出される場合もあるので、リーチ目としてのRT図柄が導出される確率は、さらに高いものとなる。
つまり、レギュラーボーナスに当選している場合であって、レギュラーボーナス入賞しない場合においては、多くの場合はRT図柄が導出されるものとなる。同様に、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している場合であって、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない場合も、多くの場合はRT図柄が導出されるものとなる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している場合に、これらの役に入賞すれば、遊技状態はRTにならず、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスとなる。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合であって、これらの役に入賞しない場合には、遊技状態がRTに制御されるが、その多くの場合においてRT図柄が導出される。遊技状態がRTに制御された場合には、リプレイの発生が頻繁になることで遊技状態がRTにあることが遊技者に察知されてしまうが、RT図柄の導出を経ずに遊技状態がRTに制御される場合は少ないので、RT入賞によってRTに制御されたのか、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選によってRTに制御されたのかが遊技者に分かってしまう場合は少なくなっている。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
遊技状態に応じた役の参照は、図5(a)に示した遊技状態別当選役テーブルに応じて行われる。図5(a)に示す遊技状態別当選役テーブルにおいて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ(通常)が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRTにあるときには、リプレイ(通常)ではなくリプレイ(RT)が最後に内部抽選の対象役として読み出される他は、通常の遊技状態と同様に内部抽選の対象役が順に読み出される。遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、通常の遊技状態またはRTにおいて、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、遊技状態別当選役テーブルから読み出されても、内部抽選の対象役とならない。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上となるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。
抽選対象となる役の判定値数は、役毎にゲームにおいて遊技者が設定する賭け数(BET)に対応して登録されている。抽選対象となる役が同じであっても、レギュラーボーナスにおける当選確率が他の遊技状態における当選確率と異なっている場合があるからである。また、抽選対象となる役の賭け数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTで内部抽選の対象となり、通常の遊技状態及びRTでの賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。これらの役の共通フラグの値は0であり、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となり、レギュラーボーナスでの賭け数1に対応する判定値数の格納アドレスと、通常の遊技状態及びRTでの賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。これらの役のうちでベルの共通フラグの値は0であり、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。ベル以外の役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象となるが、通常の遊技状態とRTとでは別個の抽選対象の役として判定値数の格納アドレスが、それぞれの遊技状態における賭け数3に対応して登録されている。通常の遊技状態におけるリプレイについてもRTにおけるリプレイについても、共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
図6は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM112に、量産機種ではROM113に割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えば、アドレスADD+0、ADD+2、ADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって賭け数が3、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、いずれの設定値においても同じ判定値数(44)が記憶されているので、設定値に関わらずにレギュラーボーナスの当選確率は同じである。
アドレスADD+12、ADD+14、ADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって賭け数が3、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32、ADD+34は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって賭け数が3、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(2)の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+36は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役が組み合わせ小役であるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。アドレスADD+38は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役が組み合わせ小役であるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。組み合わせ小役についての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、異なる値が登録されているので、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときと、通常の遊技状態またはRTにあるときとで、組み合わせ小役の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+40は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役がスイカであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。アドレスADD+42は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がスイカであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。スイカについての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもスイカの当選確率は同じとなる。
アドレスADD+44、ADD+46、ADD+48、ADD+50、ADD+52、ADD+54は、それぞれ賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役がベルあって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+56、ADD+58、ADD+60、ADD+62、ADD+64、ADD+66は、それぞれ賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がベルであって、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ベルについては、遊技状態及び設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、遊技状態及び設定値に応じて当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+68は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。アドレスADD+70は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。チェリーについての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもチェリーの当選確率は同じとなる。
また、アドレスADD+72、ADD+74は、通常時のリプレイで賭け数が3、RT時のリプレイで賭け数が3であるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ8980、50608が判定値数として取得される。
内部抽選において当選したものと判定された役については、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。通常の遊技状態またはRTにおいて設定されたレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグは、これらに基づいて入賞が発生しなければ、次ゲーム以降に持ち越されるものとなる。これ以外の場合、各役の当選フラグは、当該ゲーム限りで消去される。
また、通常の遊技状態またはRTにおいてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていても、小役及びリプレイの抽選は行われ、小役またはリプレイに当選すると、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグと、小役またはリプレイの当選フラグが重複して設定されるものとなる。
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図7、図8を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路115から乱数を抽出し、これをCPU111がソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。内部抽選用の乱数を取得するときには、ボーナス告知ランプ66を点灯するか否かを決定する告知決定用の乱数も取得される。なお、乱数発生回路115の発生する乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図7は、乱数発生回路115の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路115は、パルス発生回路115aと、下位カウンタ115bと、上位カウンタ115cとから構成されている。下位カウンタ115b及び上位カウンタ115cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ115bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ115cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路115aは、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路115aの出力するパルス信号が下位カウンタ115bにクロック入力される。
下位カウンタ115bは、パルス発生回路115aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ115bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ115cにクロック入力される。
上位カウンタ115cは、下位カウンタ115bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ115bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ115cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路115aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路115から出力されるものとなる。
サンプリング回路116は、ラッチ回路から構成され、CPU111からのサンプリング指令(スタートレバー11の操作時)に基づいて、乱数発生回路115からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。乱数発生回路115とサンプリング回路116とを接続する信号配線は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順になるように接続されている。従って、サンプリング回路116がラッチするデータは、乱数発生回路115が出力しているデータ信号とは、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。なお、サンプリング回路116がラッチした乱数、或いはこれをCPU111が加工した乱数については、上位バイト、下位バイト毎に最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第7ビットと呼ぶものとする。
CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、上位8ビットと下位8ビットとを別々にサンプリング回路116から取り込んで、RAM112に設けられた内部抽選用の乱数の格納領域に一時格納する。内部抽選用の乱数の格納領域は、2バイト分設けられており、上位バイトの格納領域を上位領域、下位バイトの格納領域を下位領域と呼ぶものとする
CPU111がサンプリング回路116から数値データを取り込むときには、サンプリング回路116がラッチした乱数の上位8ビットを下位領域に取り込み、ラッチした乱数の下位8ビットを上位領域に取り込む。従って、CPU111がサンプリング回路116から内部抽選用の乱数の格納領域に取り込んだ数値データは、乱数発生回路115が発生しているデータ信号とは、ビットの並び順が完全に逆順となる。なお、以下では、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明し、サンプリング回路116がラッチした数値データも、その値に応じた乱数として説明する。
図8は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。上記したように、乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116でラッチすると、そのラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる((a)〜(b))。
CPU111は、サンプリング回路116のラッチした乱数の上位8ビットを上位ポートからRAM112の下位領域に、下位8ビットを下位ポートからRAM112の上位領域に領域に取り込む((b)〜(d))。こうしてRAM112の上位領域と下位領域に取り込まれた数値データにより構成される16ビットの数値データが、加工前の乱数ということとなる。
下位領域のデータは、その後の加工で書き換えられてしまうが、その後にも加工前の乱数の下位領域のデータを用いることがあるので、加工前の下位領域のデータを待避データとしてRAM112の所定の待避領域に待避しておく。次に、CPU111は、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(e)。次に、上位領域のデータを読み出し、データを1ビットずつ下位(右)にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(f)。
次に、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域と下位領域の両方に格納する(g)。さらに、待避領域のデータに78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(h)。そして、上位領域のデータと待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(i)。このとき上位領域に格納されているデータを上位8ビットとし、下位領域に格納されているデータを下位8ビットとした数値データが、内部抽選用の乱数として取得されることとなる(j)。
なお、ここで最終的に生成される内部抽選用の乱数は、パルス信号の入力毎に、ほぼランダムに値が現れてくることとなる。すなわち、連続性も周期性も排除されたものとなる。ここでは、乱数発生回路115の数値のように完全に値が連続した状態から、ランダムに非連続な値が現れる状態に近づくことを、バラつくというものとする。例えば、乱数発生回路115の数値からサンプリング回路116の数値への変化、サンプリング回路116の数値から加工前の乱数への変化、加工前の乱数から内部抽選用の乱数の乱数への変化、のいずれも値がバラつくものに該当する。バラツキ、バラケるなどといった場合も同じである。
上記の内部抽選の結果に応じてRAM112に当選フラグが設定されると、当選フラグの設定されている役の入賞が可能となる。これは、停止ボタン12L、12C、12Rの操作がストップスイッチ42L、42C、42Rにより検出されたときに、当選フラグの設定されている役の図柄が可変表示装置2の有効ライン上に揃うように、検出された停止操作に対応したリールに停止させる図柄が選ばれる。
例えば、レギュラーボーナス当選フラグが設定されている状態で左→中→右の順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作された場合を考える。左の停止ボタン12Lの操作が検出されたときに表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲、すなわち4コマの引き込み範囲で「BAR」の図柄を上中下段のいずれかに導出できれば、これを左のリール3L、3C、3Rの上中下段のいずれかに導出させる。「BAR」の図柄が4コマの引き込み範囲になければ、レギュラーボーナス当選フラグが設定されていても左のリール3Lに導出されることはない。
左のリール3Lの上中下段のいずれかに「BAR」の図柄が導出されている状態で中の停止ボタン12Cの操作が検出されたときに表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「BAR」の図柄を同じ有効ライン上に導出できれば、中のリール3Cに「BAR」を導出させてテンパイさせる。右の停止ボタン12Rの操作が検出されたときも190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「BAR」の図柄を同じ有効ライン上に導出できれば、右のリール3Rに「BAR」を導出させて、レギュラーボーナス入賞させる。
ところで、レギュラーボーナス当選フラグが設定されているときに、左のリール3Lについて「BAR」の図柄を導出できる停止ボタン12Lの操作タイミングは、0番〜6番の図柄が下段に位置するタイミングだけである。同様に、ビッグボーナス(1)当選フラグが設定されているときに、左のリール3Lについて「赤7」の図柄を導出できる停止ボタン12Lの操作タイミングは、14番〜20番の図柄が下段に位置するタイミングだけである。ビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときに、左のリール3Lについて「白7」の図柄を導出できる停止ボタン12Lの操作タイミングは、7番〜13番の図柄が下段に位置するタイミングだけである。
このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)は、内部抽選で別々の抽選対象役となって別個の当選フラグが設定されるものとなっているだけではなく、それぞれに入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングも互いに排他的なものとなっている。
また、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、組み合わせ小役当選フラグ、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグまたはリプレイ当選フラグが設定されているときには、小役またはリプレイの入賞を優先して、リール3L、3C、3Rが停止制御される。
ここで、スイカ、ベル及びJACの図柄は、リール3L、3C、3Rのいずれにおいても5コマ以内の間隔で配置されているため、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグまたはリプレイ当選フラグが設定されているときには、必ずこれらの役に入賞することとなる。組み合わせ小役当選フラグが設定されているときにも、必ず組み合わせ小役に入賞するかRT図柄が導出される。これらの場合においては、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグも設定されていたとしても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することはない。
特に遊技状態がRTにあるときには、50608/65536(≒1/1.29)もの高確率でリプレイに当選する。さらに取りこぼしのない組み合わせ小役、スイカ、ベルを合わせて考えると、54759/65536(≒1/1.20)〜55022/65536(≒1/1.19)の確率以上でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)以外の役に入賞することとなる。従って、遊技状態がRTにあるときには、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞が可能なチャンスは、10514/65536(≒1/6.23)〜10777/65536(≒1/6.08)の確率でしかない。
一方、通常の遊技状態であれば、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞が可能なチャンスは、52142/65536(≒1/1.25)〜52450/65536(≒1/1.25)の確率である。従って、RTは、通常の遊技状態よりもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞が困難な状態ということになる。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
内部当選コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。リール回転開始コマンドは、リール3L、3C、3Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール3L、3C、3Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール3L、3C、3Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール3L、3C、3Rがそれぞれ停止されたときに送信される。
入賞判定コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。
次に、演出制御基板102の側において行われる演出について説明する。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、演出制御基板102の側における演出として、複数ゲームに亘って実行される連続演出及び追加演出がある。連続演出及び追加演出は、いずれも液晶表示器4に所定の画像を表示することにより行われる。また、連続演出及び追加演出における個々のゲーム毎の演出は、いずれもスタートレバー11の操作時に開始し、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したときに終了するものである。個々のゲーム毎の演出の結果は、遊技者側の勝ち、負け、大勝利の3通りであるが、演出の過程としてはこれよりも多くの種類のものがある。
連続演出は、遊技状態がRTに制御されたことを契機として開始される。可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されたこと(RT入賞となるかどうかを問わない)を契機として開始される。RT入賞としてのRT図柄の導出であれば、RT図柄の導出と連続演出の開始が完全に同期する。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、これらの役に入賞しないことによるRTへの制御でも、多くの場合はその1ゲーム目でリーチ目としてのRT図柄が導出されるので、RT図柄の導出と連続演出の開始が同期している場合が多い。
連続演出の中の1ゲーム目の演出が開始される前には、当該ゲームで賭け数を設定したときに開始演出が行われる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づいて遊技状態がRTに制御された場合は、次のゲームで賭け数を設定した(リプレイ入賞に基づいて賭け数が自動設定された場合を含む)ときに、ボーナス(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を指す)に当選している旨が確定的に報知される。
RT図柄の導出に基づいて遊技状態がRTに制御された場合には、連続演出が終了するまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、連続演出の結果として(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の)ハズレの結果が報知される。一方、連続演出が開始してから終了するまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、連続演出の終了までにこれらの役への入賞もなかったときには、そのまま連続演出を終了してハズレの結果を報知したままでは、当該時点における状況とは異なった内容を遊技者に報知してしまうこととなる。
そこで、連続演出が終了することとなるゲームの開始時点において、連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したかどうかを判断するものとしている。連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していない場合には、当該ゲーム限りで連続演出を終了し、次のゲームで賭け数が設定されたときにハズレの結果がそのまま報知される。
一方、連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合には、連続演出が終了することとなるゲームでの演出の結果を差し替えた後に次のゲームで賭け数を設定したときにボーナス当選の確定を報知するか、差し替えずに次のゲームで賭け数を設定したときにハズレの結果を報知した後、さらに追加演出を行うものとしている。そして、追加演出の中の最後のゲームにおける演出が終了した時点で、追加演出の結果としてボーナス(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を指す)当選している旨が確定的に報知される。
連続演出の結果として報知されたか、追加演出の結果として報知されたかに関わらず、ボーナス当選している旨の確定報知が行われた場合には、次のゲームで賭け数の設定を行ったときに、所定の割合で当選しているボーナスの種類(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の別)が報知される場合がある。
ところで、上記した連続演出及び追加演出には、複数のパターンがある。図9は、連続演出及び追加演出のパターンを選択するための連続演出選択テーブルを示す図である。連続演出選択テーブルには、図9(a)に示す非当選時テーブルと、図9(b)に示す当選時テーブルと、図9(c)に示す追加演出テーブルの3種類がある。連続演出のパターンは、連続演出パターン選択用の乱数に従って、非当選時テーブルまたは当選時テーブルを参照することにより決定される。
図9(a)に示す非当選時テーブルは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない状態でRT図柄が導出されて遊技状態がRTに制御されたときに開始される連続演出のパターンを選択するためのテーブルである。非当選時テーブルには、これに従って選択されたパターンで行われている連続演出が終了するゲームまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに、連続演出が終了するゲームにおいて差し替えられる演出の内容も登録されている。
図9(b)に示す当選時テーブルは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選したことで遊技状態がRTに制御されたときに開始される連続演出のパターンを選択するためのテーブルである。いずれのテーブルに従って連続演出のパターンが選択される場合であっても、連続演出の継続するゲーム数は、2ゲームまたは3ゲームである。
図9(c)に示す追加演出テーブルは、既に連続演出が行われている状態で新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに、当該連続演出が終了した後に続けて行われる追加演出のパターンを選択するためのテーブルである。追加演出のパターンは、そのときに行われていた連続演出のパターンに応じて選択され、追加演出の継続するゲーム数は、1ゲームまたは2ゲームである。
連続演出の最終的な結果が示されたときに、負けの結果よりも勝ちの結果が多くなっていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているということとなる。勝ちの結果よりも負けの結果が多くなっていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないということになる。また、連続演出に続けて行われた追加演出の結果が示されたときに、連続演出の開始からの結果として負けの結果よりも勝ちの結果が多くなっていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているということとなる。
もっとも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない状態で遊技状態がRTに制御されたときに選択される連続演出のパターンでは、連続演出の終了するゲームの1回分以上の回数で負けの結果を示してしまっている場合がある。また、連続演出の終了するゲームにおける演出の内容を差し替えずに追加演出を行う場合でも、選択されていた連続演出のパターンによっては、1ゲームまたは2ゲーム分だけでは、負けの結果よりも勝ちの結果を多く示すことができなくなる場合も生じてしまう。
そこで、連続演出の終了するゲームにおける演出の内容が差し替えられる場合、差し替え後の演出の内容としては大勝利の結果を示すものがある。また、追加演出における個々のゲームにおける演出の内容として大勝利の結果を示すものがある。演出の内容として大勝利が示された場合には、負けの結果の示された回数が何回あったとしてもボーナス当選の確定を示すものとなる。この大勝利の結果を示す演出の内容は、このような差し替えか追加演出が行われる場合しか示されることがなく、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選したことで遊技状態がRTに制御されたときに選択されたパターンでは示されることはない。
なお、演出制御基板102のRAM122には、連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタと、追加演出の残りゲーム数を示す追加カウンタとが設けられており、選択した演出のパターンに従って、その初期値がセットされる。また、RAM122には、連続演出及び追加演出について選択したパターンを保存する領域と、連続演出の終了するゲームにおける演出の内容を差し替えたときに設定される差し替えフラグ、ボーナス当選の確定を報知したときに設定される確定報知フラグ、連続演出から追加演出に移行するための再開フラグを設定するための領域が設けられている。
また、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示態様を判断するための停止図柄テーブルがRAM122に設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM123にはリール3L、3C、3Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール3L、3C、3Rに停止されている図柄が登録される。
さらに、遊技状態コマンドや内部当選コマンドに基づいて、遊技制御基板101の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態や各役の当選状況を保存する領域もRAM122に設けられている。遊技状態は、2ゲーム分のものが保存されることとなっている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU111を含む制御部110が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク112−4に格納されており、RAM112に格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図10は、遊技制御基板101のCPU111が実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、リセット回路118からリセット信号が入力されて制御部110が起動されたときに行われる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時及び制御部110の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴う制御部110の起動時及び制御部110の不具合に伴う再起動時に行われる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM112へのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ92がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ92がONでなければ、RAM112に記憶されているデータのうちパリティ格納領域112−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域112−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM112が正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行われるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM112に格納されているデータが正常ではないので、図12に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM112に格納されているデータが正常であるので、スタック領域112−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ92がONの状態であれば、スタック領域112−6のうち使用中の領域を除いてRAM112に格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク112−4以外は0、設定値ワーク112−4は0に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図11に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図11は、CPU111がステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更中フラグをRAM112の所定の領域にセットし(ステップS201)、設定値ワーク112−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク112−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203において設定スイッチ91の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が7でなければ、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が7であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ41の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク112−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ92がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ92がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更中フラグをクリアする(ステップS210)。そして、図10のフローチャートに復帰すると、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図12は、遊技制御基板101のCPU111が実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ゲーム回数表示器51を制御してRAM異常エラーコードをゲーム回数表示部21に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行わないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ92がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM112に記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをゲーム回数表示部21に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行われない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、制御部110が起動しても設定キースイッチ92がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、制御部110を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、設定変更処理が行われて設定スイッチ91の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、設定スイッチ91の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームのついて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図13は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS401)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS402)。BETボタン14、15の操作またはメダルの投入により賭け数が設定されると、BETコマンドが演出制御基板102に送信される。
ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたを含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS403)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS404)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転を開始させる際に、リール回転開始コマンドが演出制御基板102に送信される。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。
ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。また、リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、リール変動停止処理に移行する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS405)。リール変動停止処理では、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。リール3L、3C、3Rの回転が停止したときには、リール停止コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS402のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS406)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞判定コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS407)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS403の抽選処理について詳しく説明する。図14は、CPU111がステップS403で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112の設定値ワーク112−4に記憶されている設定値を読み出し(ステップS501)、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上6以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS502)。読み出した設定値が1以上6以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図12に示したRAM異常エラー処理を行うものとする。
読み出した設定値が1以上6以下の範囲にあれば、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS503)。ビッグボーナス中フラグが設定されていなければ、そのままステップS505の処理に進む。ビッグボーナス中フラグが設定されていれば、いずれにしてもレギュラーボーナスの遊技状態でゲームを行うため、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定する(ステップS504)。ここで、既にレギュラーボーナス中フラグが設定されていた場合は、その状態が継続されるだけである。そして、ステップS505の処理に進む。
ステップS505では、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、抽出された乱数を内部抽選用の乱数に加工して、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる。なお、乱数取得処理の詳細については後述する。
次に、現在の遊技状態に対応して、図5(a)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS506)。ここで読み出した役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかを判定する(ステップS507)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなければ、そのままステップS509の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであれば、前回以前のゲームにおいてRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定され、これらの入賞が発生せずに持ち越されているかどうかを判定する(ステップS508)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていれば、ステップS506の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を読み出す。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、ステップS509の処理に進む。
ステップS509では、今回のゲームにおいて設定されているBET数を読み出し、抽選対象の役について読み出したBET数に対応して、図5(b)の役別テーブルにおける共通フラグの設定状況を取得する。この結果、共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS510)。
共通フラグが設定されていれば、読み出した抽選対象役について当該BET数に対応して図5(b)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS511)。そして、ステップS513の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM112に設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について当該BET数及び読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS512)。そして、ステップS513の処理に進む。
ステップS513では、ステップS511またはS512で取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS514)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS515)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS506の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS519の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS506で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS516)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもない場合には、そのままステップS518の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、RAM112のRTカウンタの初期値として6をセットする。ここで、初期値として6をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS912(後述)でRTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味してRTのゲーム数として5ゲームを確保するためである(ステップS517)。そして、ステップS518の処理に進む。
ステップS518では、直前のステップS506で読み出した抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。そして、ステップS519の処理に進む。ステップS519では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて内部当選コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS505の乱数取得処理について詳しく説明する。図15は、CPU111がステップS505で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU111に対する割り込みを禁止する(ステップS601)。
次に、乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116でラッチする(ステップS602)。ここで、ラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。そして、CPU111は、サンプリング回路116のラッチした乱数の下位8ビットをRAM112の上位領域に、上位8ビットを下位領域に取り込む。また、サンプリング回路116のラッチした乱数の上位8ビット(すなわち、下位領域に取り込んだのと同じデータ)をRAM112に待避領域に待避する(ステップS603)。つまり、ここでCPU111がRAM112の特定領域に取り込んだデータは、乱数発生回路115が発生したデータとは、ビットの並び順が完全に逆順となる。そして、ステップS601で禁止した割り込みを許可する(ステップS604)。
次に、CPU111は、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(ステップS605)。次に、S605の処理後の上位領域のデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(ステップS606)。次に、S606の処理後の上位領域のデータと、下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(ステップS607)。ここで、最終的な排他的論理和演算の前に行う上位領域のデータの加工が完了する。
さらに、上位領域のデータをそのまま下位領域のデータとして格納する(ステップS608)。ここで下位領域に格納されたデータは、S606の処理後の上位領域のデータと、下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算したデータであり、乱数取得処理が終了するまでにさらに変えられることがなく、抽選処理において用いられる内部抽選用の乱数の下位8ビットとなる。
更に、待避領域のデータに78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(ステップS609)。そして、S606の処理後の上位領域のデータとS609の処理後の待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(ステップS610)。ここで上位領域に格納されたデータが、内部抽選用の乱数の上位8ビットとなる。そして、乱数取得処理を終了して、図14の処理に復帰する。
次に、上記したステップS405のリール変動停止処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS405で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。リール変動停止処理では、まず、停止ボタン12L、12C、12Rの全てを操作有効にする(ステップS701)。
次に、ストップスイッチ42L、42C、42Rからの信号により停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS702)。ここで、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで既に操作されていて対応するリールの回転が停止しているものは操作無効となっているので、物理的な操作がされたとしても操作が検出されていないものと判定される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されていなければ、ステップS702の処理を繰り返す。
停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの操作が検出された場合には、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで操作が検出されたものと判定されたものを操作無効とする(ステップS703)。さらに、リール停止制御処理を行って、リール3L、3C、3Rのうちで操作の検出された停止ボタンに対応するものの回転を停止させる(ステップS704)。ここで、停止される図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作時において表示されていた図柄を含めて5コマの範囲にある図柄のうちから、当選フラグの設定状況に応じて選択されることとなる。
さらに、ここで停止したリールの種類及び停止位置を示すリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS705)。次に、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(ステップS706)。リール3L、3C、3Rのうちで未だ回転を継続しているものがあれば、ステップS702の処理に戻る。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止した場合には、リール変動停止処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS406の入賞判定処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS406で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS801)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2に設定された5本(但し、レギュラーボーナスでは1本)の有効ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS802)。
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS803)、ステップS804の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS804の処理に進む。なお、通常の遊技状態でRT図柄が揃っていれば、RAM112にRT入賞フラグが設定されることとなるが、RT図柄が揃っていても他の遊技状態であれば、RT入賞フラグが設定されることはない。
ステップS804では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS801の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS805)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS806)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS815の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS807)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS808)。そして、ステップS815の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS809)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS810)。そして、ステップS815の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS811)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS812)。そして、ステップS815の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、RAM112にRTの入賞フラグが設定されているかどうかにより、RT入賞したかどうかを判定する(ステップS813)。RT入賞していれば、RAM112のRTカウンタの初期値として6をセットする。ここで、初期値として6をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS912(後述)でRTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味してRTのゲーム数として5ゲームを確保するためである(ステップS814)。そして、ステップS815の処理に進む。RT入賞もしていなければ、そのままステップS815の処理に進む。
ステップS815では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示す入賞判定コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS407の払出処理について詳しく説明する。図18は、CPU111がステップS407で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112に組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS901)。小役入賞していなければ、そのままステップS903の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS902)。そして、ステップS903の処理に進む。
ステップS903では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞またはビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS904)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS905)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS908の処理に進む。
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS906)。そして、ステップS910の処理に進む。
当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含まない)であったかどうかを判定する(ステップS907)。但し、レギュラーボーナスの入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、ステップS908の処理に進む。
ステップS908では、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS909)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS910の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS913の処理に進む。ステップS910では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS913の処理に進む。
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでもなかった場合には、RAM112のRTカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS911)。RTカウンタの値が0であれば、そのままステップS913の処理に進む。RTカウンタの値が0でなければ、RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS912)、ステップS913の処理に進む。
ステップS913では、RAM112に組み合わせ小役当選フラグ、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS803においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
次に、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグに基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS914)。そして、払出処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。ここで図13のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、連続演出及び追加演出を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図19は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1001)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1002)。
受信したコマンドの種類がステップS402で送信されたBETコマンドであった場合には、詳細を後述するBET時処理を行う(ステップS1003)。BET時処理を終了すると、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS519で送信された内部当選コマンドであった場合には、詳細を後述するスタート時処理を行う(ステップS1004)。スタート時処理を終了すると、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS404で送信されたリール回転開始コマンドであった場合には、前のゲームでRAM122に保存したリール3L、3C、3Rの停止図柄に関する情報をクリアする(ステップS1005)。そして、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS705で送信されたリール停止コマンドであった場合には、詳細を後述するリール停止時処理を行う(ステップS1006)。リール停止時処理を終了すると、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS815で送信された入賞判定コマンドであった場合には、当該入賞判定コマンドがレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに入賞したことを示しているかどうかを判定する(ステップS1007)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していないことを示していれば、そのままステップS1001の処理に戻る。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに入賞していることを示していれば、RAM122の連続カウンタの値も追加カウンタの値も0であるかどうかを判定する(ステップS1008)。連続カウンタの値も追加カウンタの値も0であれば、現時点で連続演出も追加演出も行われていないこととなるので、そのままステップS1011の処理に進む。
連続カウンタの値か追加カウンタの値の少なくとも一方でも0でない場合には、連続演出または追加演出の実行中であるか、またはこれらの演出を行い得る状態となっている。この場合には、まず、実行中の連続演出または追加演出を終了させる(ステップS1009)。さらに、RAM122の連続カウンタの値も追加カウンタの値も0に初期化させる(ステップS1010)。そして、ステップS1011の処理に進む。
ステップS1011では、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、遊技効果LED75A〜75Mなどを制御して、所定のボーナス入賞演出を行う。このボーナス入賞演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のいずれに入賞したかによって、態様が異なるものであってもよい。そして、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS914で送信された遊技状態コマンドであった場合には、前回のゲームで最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存された遊技状態(すなわち、今回のゲームで適用されていた遊技状態)をRAM122に設けられた前回ゲームの遊技状態の保存領域に移し、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM122に設けられた最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存する(ステップS1012)。そして、ステップS1001の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS1013)。その後、ステップS1001の処理に戻る。
次に、ステップS1003のBET時処理について詳しく説明する。図20は、CPU121がステップS1003で実行するBET時処理を詳細に示すフローチャートである。BET時処理では、RAM122に確定報知フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1101)。確定報知フラグが設定されていれば、前回以前のゲームでリール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したときに、連続演出または追加演出が終了して、ボーナス当選の確定が報知されていることとなる。
この場合、ソフトウェア乱数機能により種別報知抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に値により当選してるボーナスの種別を報知するかどうかを決定する種別報知抽選を行う(ステップS1102)。そして、この種別報知抽選においてボーナスの種別を報知する旨が決定されたかどうかを判定する(ステップS1103)。ボーナスの種別を報知しない旨が決定された場合には、そのままステップS1105の処理に進む。
ボーナスの種別を報知する旨が決定された場合には、前回のゲームのステップS1201の処理(後述)でRAM122に保存した当選状況に従って、液晶表示器4への画像の表示により、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれに当選しているのかを報知する(ステップS1104)。そして、ステップS1105の処理に進む。ステップS1105では、RAM122に設定されている確定報知フラグを消去する。そして、BET時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
確定報知フラグが設定されていない場合には、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1106)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が実行されているので、そのままBET時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。連続カウンタの値が0であれば、さらにRAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1107)。
追加カウンタの値も0であれば、RAM122に保存されている2回分の遊技状態に基づいて、今回のゲームで遊技状態がRTに変化したかどうかを判定する(ステップS1108)。ここで、今回のゲームの遊技状態がRT、前回のゲームの遊技状態が通常となっていれば、遊技状態がRTに変化したものと判定することができる。遊技状態がRTに変化していなければ、そのままBET時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
遊技状態がRTに変化していれば、前回のゲームのステップS1201の処理(後述)でRAM122に保存した当選状況に従って、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS1109)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選していれば、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM123に格納された連続演出選択テーブルのうちの当選時テーブルを参照して、これから開始する連続演出のパターンを選択する。ここで選択した連続演出のパターンは、RAM122に保存しておく(ステップS1110)。そして、ステップS1112の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していなければ、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM123に格納された連続演出選択テーブルのうちの非当選時テーブルを参照して、これから開始する連続演出のパターンを選択する。ここで選択した連続演出のパターンは、RAM122に保存しておく(ステップS1111)。そして、ステップS1112の処理に進む。
ステップS1112では、ステップS1110またはステップS1111で選択した演出パターンに応じた値を初期値として、RAM122の連続カウンタにセットする。さらに、液晶表示器4に連続演出の開始を示す所定の画像を表示することにより開始演出を行う(ステップS1113)。そして、BET時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
また、ステップS1107において連続カウンタの値が0でなかった場合には、RAM122に再開フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1114)。再開フラグが設定されていなければ、そのままBET時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
再開フラグが設定されていれば、今回のゲームから連続演出に代わって追加演出を実行することになる。ここでは、追加演出の開始(一旦は終了した連続演出の再開)を示す所定の画像を表示することにより再開演出を行う(ステップS1115)。さらに、RAM122に設定されている再開フラグを消去する(ステップS1116)。そして、BET時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS1004のスタート時処理について詳しく説明する。図21は、CPU121がステップS1004で実行するスタート時処理を詳細に示すフローチャートである。スタート時処理では、まず、受信した内部当選コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122に設けられた最新ゲームの当選状況の保存領域に保存する(ステップS1201)。
次に、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1202)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が開始しているか少なくとも開始演出は行われている状態にある。この場合、まず、RAM122に保存した連続演出のパターンが当選時テーブルに基づいて選択されたパターンであって、ボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(ステップS1203)。ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、そのままステップS1211の処理に進む。
ボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、さらに連続カウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS1204)。連続カウンタの値が1でもなければ、そのままステップS1211の処理に進む。
連続カウンタの値が1であれば、当該ゲームで連続演出が終了することとなるので、さらにRAM122に保存した当選状況に基づいて、遊技制御基板101のRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1205)。RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていなければ、そのままステップS1211の処理に進む。
RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されている場合には、連続演出の開始時においてはこれらの当選フラグが設定されていなかった(すなわち、RT入賞に基づいてRTに制御された)が、連続演出の実行中に新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選して、これらの役の当選フラグが設定されたことになる。この場合には、ソフトウェア乱数機能により所定の乱数を抽出し、該乱数の値に応じて連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、それとも連続演出の終了後に追加演出を行うかを決定する差替/追加決定抽選を行う(ステップS1206)。この抽選の結果、最終ゲームの演出の内容の差し替えが決定されたか、追加演出の実行が決定されたかを判定する(ステップS1207)。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容の差し替えが決定された場合には、RAM112に演出差替フラグを設定する(ステップS1208)。さらにRAM122に保存している連続演出のパターンに応じて最終ゲームにおける演出の内容を差し替え、差し替え後の演出に応じた画像を液晶表示器4に表示して、連続演出の最終ゲームにおける演出を開始させる(ステップS1209)。そして、スタート時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
一方、追加演出の実行が決定された場合には、RAM122に保存している連続演出のパターンに応じて、連続演出選択テーブルから追加演出のパターンを選択する。ここで選択した追加演出のパターンも、RAM122に保存しておく(ステップS1210)。さらに選択した追加演出のパターンに応じた値を初期値として、RAM122の追加カウンタにセットする(ステップS1211)。そして、ステップS1212の処理に進む。
ステップS1212では、RAM122に保存されている追加演出のパターンとRAM122の連続カウンタの値に応じた画像を液晶表示器4に表示して、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる。そして、スタート時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
ステップS1202において連続カウンタの値が0であった場合には、さらにRAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1213)。追加カウンタの値も0であれば、ここでは何らの演出も開始しないでスタート時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰するものとなる。
追加カウンタの値が0でなければ、RAM122に保存されている追加演出のパターンとRAM122の追加カウンタの値に応じた画像を液晶表示器4に表示して、一連の追加演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる(ステップS1214)。なお、連続カウンタの値が0でなければ、追加カウンタの値が0でなくてもステップS1214の処理が実行されることはないので、追加演出は、連続演出が終了した後に行われるものとなる。そして、スタート時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS1006のリール停止時処理について詳しく説明する。図22は、CPU121がステップS1006で実行するリール停止時処理を詳細に示すフローチャートである。リール停止時処理では、受信したリール停止コマンドに従ってROM123のテーブルを参照して図柄を特定し、当該リール停止コマンドが示すリールについて停止した図柄をRAM122の停止図柄テーブルに保存する(ステップS1301)。
次に、停止図柄テーブルを参照して、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(ステップS1302)。リール3L、3C、3Rのうちで未だ回転中のものが1つでもあれば、そのままリール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止した場合には、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1303)。連続カウンタの値が0でなければ、この時点で連続演出の実行中であるので、RAM122に差替フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1304)。差替フラグが設定されていれば、差し替え後の演出の内容に応じた画像を液晶表示器4に表示して、連続演出の最終ゲームにおける演出の結果を報知する(ステップS1305)。さらに、RAM122に設定されている差替フラグを消去し、連続カウンタの値を0に初期化する(ステップS1306)。そして、ステップS1318の処理に進む。
ステップS1304で差替フラグが設定されていなければ、RAM122に保存されている連続演出のパターンと連続カウンタの値に応じた画像を液晶表示器4に表示して、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を報知する(ステップS1307)。さらに、RAM122の連続カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1308)。ここで減算を行った結果、連続カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS1309)。連続カウンタの値が0とならなかった場合には、いずれにしても次のゲームでのBET時においてボーナス当選の有無を報知することはないので、そのままリール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
連続カウンタの値が0となった場合には、RAM122に保存した連続演出のパターンが当選時テーブルに基づいて選択されたパターンであって、ボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(ステップS1310)。ボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、ステップS1318の処理に進む。
ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、ボーナスにハズレている旨を示す情報を液晶表示器4に表示して遊技者に報知する(ステップS1311)。次に、RAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1312)。追加カウンタの値が0であれば、追加演出を行わずに連続演出が終了となるので、そのままリール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。追加カウンタの値が0でなければ、連続演出の終了後に追加演出を行うので、RAM122に再開フラグを設定する(ステップS1313)。そして、リール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
ステップS1303で連続カウンタの値が0であれば、RAM122の追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1314)。追加カウンタの値が0であれば、そのままリール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。追加カウンタの値が0でなければ、この時点で追加演出の実行中であるので、RAM122に保存されている追加演出のパターンと追加カウンタの値に応じた画像を液晶表示器4に表示して、一連の追加演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を報知する(ステップS1315)。
さらに、RAM122の追加カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1316)。ここで減算を行った結果、追加カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS1317)。追加カウンタの値が0となった場合には、ステップS1318の処理に進む。追加カウンタの値が0とならなかった場合には、そのままリール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
ステップS1318では、RAM122に確定報知フラグを設定する。さらに、ボーナスに当選している旨を示す情報を液晶表示器4に表示して遊技者に報知する。そして、リール停止時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1において行われる連続演出及び追加演出を、具体的な例に基づいて説明する。図23、図24は、それぞれ連続演出及び追加演出の具体的な実行態様の第1、第2の例を模式的に示す図である。これらの例では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときにRT入賞して連続演出が開始された後、当該連続演出が終了するまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選した場合を例として説明するものとする。なお、RT入賞したゲームを第0ゲームとする。また、第1の例では追加演出の実行が、第2の例では演出の内容の差し替えが選択された場合を示している。
図23に示す第1の例において、第0ゲームでRT入賞したとき、RAM122の停止図柄テーブルにはRT図柄が導出された旨が記憶されており、また、RAM122に当選状況としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない旨が記憶されている。第1ゲームで賭け数が設定されたときに、非当選時テーブルに従って連続演出のパターンが選択される。ここで、3ゲームの間継続するパターンが選択されたものとすると、RAM122の連続カウンタの初期値として3がセットされる。
また、第1ゲームで賭け数が設定されたときには、液晶表示器4のおいて開始演出が行われる。第1ゲームでスタートレバー11が操作されると、液晶表示器4において連続演出の1ゲーム目の演出が開始される。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器4において連続演出の1ゲームの結果が示される。このとき、連続カウンタの値が2に減算される。
第2ゲームで賭け数が設定されたときには、連続演出の実行中の状態にあるため、演出として何も行われない。第2ゲームでスタートレバー11が操作されると、液晶表示器4において連続演出の2ゲーム目の演出が開始される。そして、リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器4において連続演出の2ゲームの結果が示される。
第3ゲームで賭け数が設定されたときには、連続演出の実行中の状態にあるため、演出として何も行われない。第3ゲームでスタートレバー11が操作されると、連続演出の開始後にビッグボーナス(1)に当選したことが判定される。このときに差替/追加決定抽選が行われ、ここでは追加演出を行うことが決定される。これにより、連続演出のパターンに応じて追加演出のパターンが選択される。ここで、2ゲームの間継続するパターンが選択されたものとすると、RAM122の追加カウンタの初期値として2がセットされる。
その後、液晶表示器4において連続演出の3ゲーム目の演出が開始される。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器4において連続演出の3ゲームの結果が示される。このとき、連続カウンタの値が0に減算されるが、追加カウンタの値は2のままである。このとき、連続演出のパターンがボーナス当選の確定を報知するパターンではないため、ここでは液晶表示器4においてボーナスのハズレが報知される。追加カウンタの値が0ではないので、RAM122に再開フラグが設定される。
第4ゲームで賭け数が設定されたときには、RAM122に再開フラグが設定されているため、演出の継続を報知する再開演出が液晶表示器4において行われる。第4ゲームでスタートレバー11が操作されると、液晶表示器4において追加演出の1ゲーム目の演出が開始される。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器4において追加演出の1ゲームの結果が示される。このとき、追加カウンタの値が1に減算される。
第5ゲームで賭け数が設定されたときには、連続演出の実行中の状態にあるため、演出として何も行われない。第5ゲームでスタートレバー11が操作されると、液晶表示器4において追加演出の2ゲーム目の演出が開始される。リール3L、3C、3Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器4において追加演出の2ゲームの結果が示される。このとき、追加カウンタの値が0に減算される。ここで追加カウンタの値が0となったため、液晶表示器4においてボーナス当選の確定が報知される。また、RAM122に確定報知フラグが設定される。
第6ゲームで賭け数が設定されたときには、RAM122に確定報知フラグが設定されているため、種別報知抽選が行われる。この種別報知抽選に当選したものとすると、ビッグボーナス(1)に当選している旨が液晶表示器4において報知される。
図24に示す第2の例では、第2ゲームまで第1の例と同様に演出が行われる。第3ゲームで賭け数が設定されたときに演出として何も行われないことも第1の例と同じである。第3ゲームでスタートレバー11が操作されると、連続演出の開始後にビッグボーナス(1)に当選したことが判定される。このときに差替/追加決定抽選が行われ、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えることが決定される。ここで、RAM122に差替フラグが設定される。
その後、液晶表示器4において連続演出の最終ゲームにおける差し替えられた内容の演出が開始される。さらにリール3L、3C、3Rの全ての回転が停止したときには、液晶表示器4において差し替え後の内容で連続演出の最終ゲームの結果が示される。ここで報知される結果は、差し替えでなければ報知されない結果であることがある(図24では、そのようなものを示している)。また、差替フラグが消去されるとともに連続カウンタの値が0に初期化される。さらに、液晶表示器4においてボーナス当選の確定が報知される。また、RAM122に確定報知フラグが設定される。
第4ゲームで賭け数が設定されたときには、RAM122に確定報知フラグが設定されているため、種別報知抽選が行われる。この種別報知抽選に当選したものとすると、ビッグボーナス(1)に当選している旨が液晶表示器4において報知される。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときも、これらに当選していないときにも行われる。後者の場合の連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない内容のもので、その終了までに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、そのままハズレの確定が報知される。
もっとも、後者の場合の連続演出が開始された後のゲームにおいて、新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがある。この場合であっても、既に開始していた連続演出は、最後まで行うこととしているので、連続演出の実行に関する制御が複雑になることがない。もっとも、このままハズレの確定が報知されるだけとすれば、連続演出の終了時における当選状況とは、異なる情報が遊技者に示されたままになってしまう。
そこで、連続演出の最終ゲームにおいて、実行中の連続演出がRT入賞に基づくものか、すなわちレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときに開始された連続演出であるかどうかを判定し、さらにこの連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたかどうかを判定するものとしている。そして、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していた場合には、差替/追加決定抽選の結果により、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、連続演出の終了後に追加演出を実行するかを選択するものとしている。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容が差し替えられた場合には、最終ゲームにおいて差し替え後の演出の内容を示して、ボーナス当選の確定を遊技者に示すことができるものとなる。このため、遊技者に不信感を感じさせずに、連続演出を終了させることができる。一方、追加演出の実行が選択された場合には、一旦ハズレの結果が報知されるものとなるが、連続演出の終了後直ちに実行される追加演出によって、遊技者は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることが分かることとなる。これにより、遊技者に不信感を感じさせずに、一旦開始された連続演出を最後まで行うことができる。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるのか、連続演出に続けて追加演出を実行するのかに関わらず、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたかどうかを判定するのは、連続演出の最終ゲームにおいてだけ行えばよい。このように実行中の連続演出がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときに開始された連続演出であるかどうかの判定と、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたかどうかの判定が1回だけで済むため、制御負荷が大きくなりすぎない。
また、演出の内容の差し替えを選択する場合であっても、演出の内容の差し替えが行われるのは、連続演出の最終ゲームにおける演出分だけである。このため、演出の内容の差し替えのパターンが複雑になりすぎず、制御負荷が大きくなりすぎない。追加演出の実行を選択する場合には、連続演出の内容はそのままで新たに追加演出を行えばよいだけである。このため、連続演出の実行に対して余計な制御負荷がかかることがない。さらに、演出の内容の差し替えと追加演出の実行のいずれもあるので、演出の種類が豊富になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出は、遊技状態がRTに制御されたときに開始されるものとなっている。遊技状態がRTに制御される契機としては、通常の遊技状態でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することか、組み合わせ小役の取りこぼしによってRT図柄が導出されることでRT入賞となることが定められている。前者の場合、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しなかったときには、多くの場合でリーチ目としてRT図柄が導出される。
このため、連続演出の開始とRT図柄の導出と一致する場合が多く、連続演出の開始されることが可変表示装置2の結果によって遊技者に分かりやすく示されるのとなる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づくRTへの制御で連続演出が開始された場合でも、リーチ目としてRT図柄が導出されることで、遊技者が可変表示装置2の表示結果を参照してもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているのかどうかが分からないようにすることができる。さらに、連続演出が開始される前のRT図柄の導出によっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、連続演出が開始される場合には遊技状態がRTに制御されているので、リプレイ入賞が頻発することになる。通常の遊技状態でも偶然にリプレイ入賞が頻発することはあるが、リプレイ入賞が頻発しているときには、遊技状態がRTにある、すなわちレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性が高い。このため、連続演出以外にもリプレイ入賞の頻発によっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を遊技者に期待させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、連続演出が実行されている間は、遊技状態がRTに制御されているので、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)以外の役(特にリプレイ)に入賞する場合が多くなるので、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したり、ハズレ目が導出されたりすることで、連続演出の終了前にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているのかどうかが遊技者に分かってしまう場合が少ない。このため、連続演出の継続している間、1ゲームより長い期間で遊技者に期待感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
連続演出は、遊技状態がRTに制御されたときに、予め定められた複数種類のパターンの中からいずれかの演出パターンが選ばれる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときに開始された連続演出の最終ゲームにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が判定されたときに追加演出の実行が選択された場合、実行される追加演出のパターンは、そのときに実行中であった連続演出のパターンに応じて選ばれる。このように複数種類のパターンで連続演出(及び追加演出)を行うものとすることで、演出の態様が豊富となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、追加演出のパターンが実行中の連続演出のパターンに従って選ばれることにより、追加演出を連続演出に整合させることができ、連続演出と追加演出とを一連の演出として違和感なく遊技者に示すことができるようになる。
さらに、連続演出のパターンとしては、2ゲームの期間で継続するパターンと3ゲームの期間で継続するパターンとがあり、パターンの選択によって連続演出が継続する期間が決まる。追加演出のパターンとしても、1ゲームの期間で継続するパターンと2ゲームの期間で継続するパターンとがあり、パターンの選択によって追加演出が継続する期間が決まる。このように連続演出や追加演出が行われる期間として異なる期間のものがあることで、演出の態様が豊富となり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
一方、連続演出の最終ゲームにおいて演出の内容の差し替えが選択された場合、差し替え後の最終ゲームにおける演出の内容も、そのときに実行中であった連続演出のパターンに応じて選ばれる。これにより、連続演出の内容を最終ゲームにおける当選状況と整合させて遊技者に違和感なく示すことができるようになる。
さらに、連続演出及び追加演出における各回のゲームにおける演出の結果としては、勝、負、大勝利の3種類があるが、このうちで「大勝利」については、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容が差し替えられた場合か、追加演出が実行された場合にしか示されることがない。演出の内容の差し替え、或いは追加演出の実行は、連続演出が開始された後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合というレアケースで行われるものであるが、大勝利という演出の結果は、このようなレアケースでのみ示されるものとなることで、演出の内容にプレミア性を持たせることができ、演出の興趣を高めることができるようになる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技者に有利な遊技状態に移行させる特別役として、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の3種類を用意している。ここで、各々の役の図柄である「BAR」、「赤7」及び「白7」は、左のリール3Lについては7コマ間隔で配置されているため、それぞれに入賞させるための停止ボタン12Lの操作タイミングは、互いに排他的なものとなっている。このため、連続演出(及び追加演出)の結果としてボーナス当選の確定が報知されても、遊技者は、停止ボタン12Lの操作について適切な操作タイミングを選択しなければならない。このように遊技手順が増えると共に、遊技者による技術介入性も高まるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出(及び追加演出)の結果としてボーナス当選の確定が報知されたときには、種別報知抽選が行われ、これに当選すると、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれに当選しているのかまで報知されることとなる。この報知により、遊技者がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のそれぞれに対応した操作タイミングを試す必要がなくなり、即座にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞させられるようになるので、遊技を円滑に進行することができるようになる。また、種別の報知は、種別報知抽選にハズレれば行われないので、ボーナス当選の確定が報知された後に、さらに種別まで報知されるかどうかについて遊技者に期待感を与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記したように遊技状態毎に内部抽選の対象となる役の種類は、遊技状態別当選役テーブルに登録されているが、各役の当選確率を定める判定値数は、役別テーブルから参照されるアドレスに格納されている。役別テーブルにおいて、いずれの遊技状態においても入賞となる役として定められた組み合わせ小役、スイカ、ベル、及びチェリーについては、賭け数毎に判定値数の格納先アドレスが登録されており、賭け数に従って判定値数が取得されることとなる(もっとも、スイカ、チェリーでは、結果的に同じ判定値数が取得される)。
ここで、レギュラーボーナスにおける賭け数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭け数は3で固定されている。これにより、賭け数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じた当選確率で組み合わせ小役、スイカ、ベル及びチェリーの内部抽選を行うことができる。また、判定値数を取得する際に遊技状態を判断する必要がないので、内部抽選における処理ステップが簡素化される。
しかも、レギュラーボーナスに対応した賭け数1の方が、賭け数3のときよりもベルの当選確率が高いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。組み合わせ小役は、賭け数1の方が当選確率が低いが、ベルの当選確率を高くしたことに比べればその影響は少なく、レギュラーボーナスにおいてRT図柄が導出されにくくなるという効果を生じさせるものとなっている。
また、役別テーブルに登録されている各役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭け数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM113に記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態に応じて抽選対象とされる役に応じた判定値数を内部抽選用の乱数に順次加算しておき、加算の結果がオーバーフローしたときに当該役に当選したものと判定されることとなっている。このように内部抽選を行うと、処理効率は高いものとなるが、各役に当選となるかどうかの判定値は、役毎に値の連続する範囲で設定されることとなる。
ここで、内部抽選用の乱数は、乱数発生回路115の発生する2バイトの乱数の値をそのまま用いるのではない。すなわち、サンプリング回路116は、乱数発生回路115から抽出した乱数を、上位バイトと下位バイトとでそれぞれビットの並び順を逆順として取り込み、さらにサンプリング回路116のラッチした2バイトの乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替えて、上位領域と下位領域に取り込むものとしている。その上で、上位領域のデータから11hを減算し、上位領域のデータをローテイトし、上位領域のデータと下位領域のデータをビット毎に排他的論理和演算して下位領域のデータを書き換え、さらに書き換えた下位領域のデータと上位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算して、内部抽選用の乱数を得ている。
ところで、乱数発生回路115の発生する乱数は、パルス発生回路115aがパルス信号を発生する度にカウントアップされるので、仮に乱数発生回路115の発生する乱数をそのまま内部抽選用の乱数として用いた場合には、何回かのパルス入力に対して同じ役の当選と判定されることが連続してしまい、遊技者による狙い打ちが可能となってしまう。また、乱数発生回路115の発生する乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替えただけでは、パルスの発生毎の値が256毎に周期的になるため、依然としてある程度の狙い打ちが可能となる。さらに、バイト毎にビットの並び順を逆順に入れ替えたとしても、パルス信号の発生毎に値が周期的になるということが解消しきれず、やはり遊技者による狙い打ちが可能となってしまう。
これに対して、この実施の形態のスロットマシン1で用いられる内部抽選用の乱数は、乱数発生回路115の発生する乱数のビットの並び順を逆順とした上で、上位領域のデータと下位領域のデータで排他的論理和演算を行っているため、各ビットの値が1となるか0となるかについての変化が大きくなり、パルス信号の発生毎に値が周期的になるのを十分に解消することができる。これにより、当選期間や当選容易期間が生じるのを回避し、遊技者による狙い打ちを防ぐことができるようになる。
また、排他的論理和演算を行う前に上位領域のデータから11hを減算し、さらに上位領域のデータをローテイトすることで、各ビットの値が1となるか0となるかについての変化を大きくすることができ、パルス信号の発生毎の内部抽選用の乱数の値をバラケさせることとなり、遊技者による狙い打ち防止の効果を高めることができる。また、排他的論理和演算は、内部抽選用の乱数において下位バイトとなるデータに対しても行われているため、パルス信号の発生毎の内部抽選用の乱数の値をバラケさせることとなり、遊技者による狙い打ち防止の効果を高めることができる。
さらに、内部抽選用の乱数において上位バイトとなるデータは、排他的論理和演算回路が行われた下位領域のデータを上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算することでえられるものとなっている。このように、最初の排他的論理和演算で値をバラケさせた下位領域のデータで上位領域のデータもさらにバラケさせることができ、遊技者による狙い打ちをより効果的に防ぐことができるようになる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、RAM112に記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たなに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM112に記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク112−4に格納されている設定値が適正な値(1〜6の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(例えば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たなに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行うことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、RAM112に記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時や制御部110が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧して制御部110が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行うようになっているので、RAM112に記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行うことができる。すなわち、RAM112に記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行わずに済み、制御部110の負荷を軽減させることができる。
また、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM112に記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域112−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域112−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM112のデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM112のデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確且つ簡便に行うことができる。
また、RAM112のデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM112に記憶されているデータが初期化される。このため、RAM112のデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行うことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、制御部110の起動時には、RAM112のデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ92がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ92がONの状態であると判定した場合には、RAM112のデータが正常であるか否かの判定は行わずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM112のデータが正常であるか否かの判定を行わずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な、上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに連続演出の最終ゲームにおいて差替/追加抽選を行うものとしていたが、最終ゲームにおける演出の内容の差し替えと追加演出の実行とは、当選しているボーナスの種類に関わらずにそれぞれ同じ確率で選択されるものとなっていた。これに対して、レギュラーボーナスに当選したのか、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したのかで、演出の内容の差し替えと追加演出の実行の選択比率を変えるものとしてもよい。
例えば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、レギュラーボーナスに当選したときよりも追加演出の実行の選択比率を高くするものとした場合には、追加演出が実行されることで、より遊技価値の高いビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることを遊技者が期待できるようになる。これにより、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、RTの遊技状態は、当該RTからの開始から消化したゲーム数が5ゲームとなったときに終了するものとしていた。もっとも、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときには、5ゲームに限らずに、これらの役に入賞するまで遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときに必ず遊技状態をRTに制御するものとすると、これによってレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞が非常に困難になってしまう。そこで、遊技状態がRTに制御されてから所定ゲーム数を消化した後には、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグ以外の当選フラグが重ねて設定されていても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に優先して入賞させるものとすることができる。
例えば、レギュラーボーナス当選フラグとベル当選フラグが設定されている状態で「BAR」を有効ライン上に揃えられるタイミングで停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたのであれば、「ベル」の図柄も有効ライン上に揃えることができる。この場合、遊技状態がRTに制御されてからの消化ゲーム数が所定ゲーム数を越えたときには、「BAR」を「ベル」よりも高い割合(100%でもよい)で有効ライン上に揃えるものとしてもよい。これ以外の場合であっても、RTの遊技状態においてレギュラーボーナス当選フラグとベル当選フラグが設定されている状態で「BAR」を有効ライン上に揃えられるタイミングで停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたのであれば、所定の割合(但し、50%未満)で「ベル」ではなく「BAR」を有効ライン上に揃えるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態でRT入賞したことと、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したこととを契機として、RTの遊技状態に制御されるものとなっていた。後者の場合、RT図柄が導出されなくても、遊技状態がRTに制御されて連続演出が開始される場合があり、この場合には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が遊技者に分かってしまう。そこで、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても遊技状態をRTに制御せずに、リーチ目としてRT図柄が導出されたことを契機として、遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。
ここでは、遊技制御基板101の側の処理として、図14のステップS516、S517の処理を削除し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても、遊技状態がRTに制御されないようにすればよい。また、図17のステップS813では、組み合わせ小役の取りこぼしによるRT入賞であるかレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選時のリーチ目であるかに関わらず、可変表示装置2の表示結果として有効ライン上にRT図柄が導出されたかどうかを判定し、RT図柄が導出されたときにはRTカウンタの初期値として6をセットして、遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。演出制御基板102の側の処理は、上記の実施の形態と同じでよい。
この場合には、必ずRT図柄の導出を契機として連続演出が行われるため、連続演出の開始される契機が遊技者にとって視覚的にも分かりやすくなる。RT図柄が導出されずに連続演出が開始されることはないので、連続演出の開始されたときにおける可変表示装置2の表示結果によって、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が遊技者に分かってしまうことがなくなる。
上記の実施の形態では、遊技状態がRTに制御されたことを契機として連続演出が開始されるものとしていた。しかし、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、且つこれらの役に入賞しない場合であっても、可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されない場合がある。そこで、遊技状態をRTに制御する契機は、上記の実施の形態と同じとするが、RT入賞であるかどうかを問わずに可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されたことを契機として、連続演出を開始するものとしてもよい。
ここでは、遊技制御基板101の側の処理は、上記の実施の形態と同じでよい。演出制御基板102の側の処理として、ステップS1108では、遊技状態がRTに変化したかどうかを判定するのではなく、ステップS1301で保存した停止図柄に基づいて、前回のゲームでRT図柄が導出されたかどうかを判定するものとすればよい。
ここでは、連続演出を実行する契機を、遊技状態がRTに制御されることではなく、RT図柄が導出されることとしている。このようにRT図柄の導出により連続演出を実行するものとすることで、連続演出が開始されたときの可変表示装置2の表示結果に基づいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているのかどうかが遊技者に分かってしまうことがなくなる。さらに、連続演出の開始の契機とRTへの制御の契機も一致するので、連続演出の継続している間はレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても入賞が困難になる。このため、1ゲームより長い期間で遊技者に期待感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、組み合わせ小役の取りこぼしによるRT入賞であるかレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選であるかどうかに関わらず、遊技状態がRTに制御されたときには、必ず連続演出が開始されるものとなっていた。もっとも、遊技状態がRTに制御されたときに(或いは、上記の変形例ではRT図柄が導出されたときに)、所定の確率で当選する連続演出抽選を行い、該連続演出抽選に当選したことを条件として、連続演出を開始させるものとしてもよい。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づくRTへの制御(或いは、上記の変形例ではリーチ目としてのRT図柄の導出)では必ず連続演出を開始させるものとするが、組み合わせ小役の取りこぼしに基づくRTへの制御(或いは、上記の変形例ではRT入賞)では所定の確率で連続演出を開始させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、組み合わせ小役の取りこぼしによりRT入賞するか、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選によりRTに制御されるものとしていた。しかしながら、RTに制御する条件は、これに限るものではなく、特定の小役(例えば、スイカ)に入賞することで遊技状態をRTに制御するとともに、遊技状態がRTに制御されたことを契機として、連続演出を開始させるものとしてもよい。この場合、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同時に特定の小役を抽選対象役とする場合を含めるものとすればよい。
図25は、この変形例において適用される遊技状態別当選役テーブルを示す図である。この変形例においては、組み合わせ小役は、抽選対象役となっていない。図25において、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、またはビッグボーナス(2)+スイカとあるのは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、スイカとが同時に抽選対象役になっているということである。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。もっとも、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカが内部抽選の対象役となっていても、レギュラーボーナスの遊技状態においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することはなく、これらを内部抽選の対象役として読み出したときの当選の判定では、スイカの当選としかならない。
通常の遊技状態またはRTにあるときには、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+スイカ、スイカ、ベル、チェリー、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。通常の遊技状態におけるリプレイとRTにおけるリプレイとは、内部抽選の対象役としては別個に定められているが、当選したときに設定されるリプレイ当選フラグは、同じである。
また、通常の遊技状態またはRTにおいて、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときに、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、内部抽選の対象役とならないのは、上記の実施の形態と同じである。また、通常の遊技状態またはRTにおいて、既にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されている状態で、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカを内部抽選の対象役として読み出したときの当選の判定でも、スイカの当選としかならない。
ここでの遊技制御基板101の側の処理として、図14のステップS514でオーバーフローが生じたものと判定された場合に、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中で提供された場合を含む)にあるかどうか、及びレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されているかどうかを判定するものとすればよい。
遊技状態がレギュラーボーナスでもなく、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグが未だ設定されていない場合には、抽選対象役として両方の当選フラグ(例えば、抽選対象役がレギュラーボーナス+スイカであれば、レギュラーボーナス当選フラグとスイカ当選フラグ)をRAM122に設定するものとすればよい。そうでない場合には、スイカ当選フラグのみをRAM122に設定するものとしても、いずれの当選フラグも設定しないものとしてもよい。
また、図14のステップS516、S517の処理を削除し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても、遊技状態がRTに制御されないようにすればよい。また、図17のステップS813では、スイカの小役に入賞したかどうかを判定するものとし、スイカの小役に入賞したときにはRTカウンタの初期値として6をセットして、遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。
なお、図25の遊技状態別当選役テーブルに対応する役別テーブルにおいても、賭け数の違い毎に、設定値1〜6のそれぞれに共通して判定値数が記憶される抽選対象役と、設定値1〜6のそれぞれに応じて個別に判定値数が記憶される抽選対象役とがあってもよい。後者では、設定値毎に異なる判定値が記憶される抽選対象役と、設定値に関わらずに同じ判定値数が記憶される抽選対象役とがあってもよい。
この場合には、スイカの小役に入賞したことを契機として連続演出が開始されるため、連続演出の開始される契機が遊技者にとって視覚的にも分かりやすいものとなる。また、スイカの小役に入賞したときには、単に連続演出を開始させるものとしているだけではなく、そのこと自体でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している確率が高いことを示している。内部抽選において、スイカと同時にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがあるからである。これにより、スイカの入賞では、15枚のメダルの払い出しによる配当が与えられるという以外にも、遊技者にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の期待感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図25を用いて説明した変形例においては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と、スイカとを同時に抽選対象としていた。これを含めて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)といった特別役の抽選と、非特別役(小役、リプレイ)の抽選は、同じ流れの中で行うものとしていた。これに対して、特別役の抽選と非特別役の抽選とは、別々に行うものとしてもよい。この場合、図25を用いて説明した変形例における内部抽選をさらに次のように変形することができる。
図26は、このさらなる変形例において適用される当選判定用テーブルを模式的に示す図である。図27は、このさらなる変形例において適用される抽選処理を詳細に示すフローチャートである。これ以外の構成及び処理については、図25を用いて説明した変形例のスロットマシンと同一であるものとする。
図26に示すように、当選判定用テーブルとしては、遊技状態別の小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルがあり、ROM113に予め格納されている。小役当選判定用テーブル及びボーナス当選判定用テーブルは、いずれも設定値に応じて用意され、抽選処理においては設定値に応じたものが用いられるものとなっているが、ここでは、図示を省略している。
ここで、図26(a)に示すように、通常の遊技状態にあって前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていないときには、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)とボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて、内部抽選が行われる。なお、図25(a)において、斜線を付している範囲は、内部抽選用の乱数の値がこの範囲の値であれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とスイカに重複して当選となる範囲である。
一方、通常の遊技状態またはRTにある場合であっても、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときには、図26(b)に示すように、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)のみが用いられて、内部抽選が行われる。遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、そもそもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の抽選を行わないので、図26(c)に示すように、レギュラーボーナスに対応した小役テーブル(2)のみが用いられて、内部抽選が行われる。
図27に示す抽選処理において、ステップS1401〜1405の処理と、ステップS1402で設定値が1以上6以下の範囲にないと判定されたときにRAM異常エラー処理に移行する点については、上記の実施の形態における抽選処理(図14のステップS501〜S505)と同じである。また、当該ゲームにおける当選フラグの設定状況が確定した後に内部当選コマンドを送信する処理(ステップS1416)の処理についても、図14のステップS519の処理と同じである。
ステップS1405において内部抽選用の乱数を取得した後、現在の遊技状態(通常及びRT、またはレギュラーボーナス)と設定値に応じて用意された小役当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS1406)。次に、設定した小役当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS1405で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS1407)、設定した小役当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS1408)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグをRAM112に設定し(ステップS1409)、ステップS1410の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS1410の処理に進む。
ステップS1410では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであるかどうかを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであれば、そのままステップS1416の処理に進む。
現在の遊技状態がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなければ、通常の遊技状態かRTのいずれかであるが、この場合には、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが前回以前のゲームで既に設定されていて、入賞せずに持ち越されているかどうかを判定する(ステップS1411)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていれば、そのままステップS1416の処理に進む。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、設定値に応じたボーナス当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS1412)。次に、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS1405で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS1413)、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS1414)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグをRAM112に設定し(ステップS1415)、ステップS1416の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS1416の処理に進む。
このように特別役と非特別役とで別個の当選判定用テーブルを用意しておき、通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選用の乱数の値が特別役に当選となる値に対応するとともに非特別役にも当選となる値に対応するときには、特別役と非特別役とに同時に当選することとなる。この場合、小役やリプレイなどの非特別役の当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果が小役やリプレイの入賞となったとしても、なおも特別役にも当選していたという可能性がある。これにより、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、内部抽選の結果として特別役に当選しなくても、小役やリプレイには当選しているという可能性があるので、遊技者の期待感の維持を図ることができる。さらに、通常の遊技状態またはRTにおいて特別役の当選フラグが前回以前のゲームから持ち越されていなければ、小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて内部抽選を行うが、特別役の当選フラグが前回以前のゲームから持ち越されていれば、小役当選判定用テーブルのみを用いて内部抽選を行えばよいこととなる。これにより、通常の遊技状態及びRTにおける内部抽選を簡単な処理で行うことができるようになる。
このさらなる変形例では、特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も非特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も同一のものであったが、互いに別々の乱数を用いるものとしてもよい。また、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されてるか否かに関わらず、通常の遊技状態またはRTにおいては小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの両方を用いて抽選を行うようにし、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、その当選を無効とするものとしてもよい。
上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、組み合わせ小役当選フラグが設定されている状態で停止ボタン12Rの操作タイミングにより組み合わせ小役を取りこぼしたときには、必ずRT図柄が有効ライン上に導出されるものとなっていた。これは、右のリール3Rについて「BAR」、「赤7」及び「白7」のいずれかは、必ず5コマ以内の間隔で配置されているからである。これに対して、組み合わせ小役当選フラグが設定されている状態で組み合わせ小役を取りこぼしたときにおいて、停止ボタン12Rの操作タイミングによってはRT図柄も取りこぼすことがあるものとしてもよい。例えば、RT図柄の図柄組み合わせを「ベル−ベル−赤7」とし、「ベル−ベル−白7」の組み合わせはRT図柄でないものとすれば、右のリール3Rについて必ずしも「BAR」か「赤7」が5コマ以内の間隔で配置されているとは限らないので、RT図柄の取りこぼしも生じることとなる。
上記の実施の形態では、ボーナス当選の確定が報知された次のゲームで賭け数が設定されたときにボーナス種別抽選が行われ、これに当選したことを条件として、当選しているボーナスの種別も報知されるものとしていた。ここでのボーナス種別抽選に当選しなければ、当選しているボーナスの種別が報知されることはなかった。しかしながら、当選しているボーナスの種別を報知するタイミングも報知するための条件も、これに限るものではない。
例えば、ボーナス当選の確定が報知された後、所定ゲーム数を消化してもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも入賞しないことを条件として、ボーナス種別抽選を行うものとしてもよい。ボーナス当選の確定が報知された後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに入賞するまでの各ゲームにおいて、ボーナス種別抽選を行うものとしてもよい。ボーナス当選の確定が報知された後、所定ゲーム数を消化してもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも入賞しないときには、必ず当選しているボーナスの種別を報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出は、2ゲームまたは3ゲームの期間で継続し、追加演出は、1ゲームまたは2ゲームの期間で継続するものとなっていた。これに対して、RTの遊技状態は、5ゲームの期間で継続するので、連続演出(及び追加演出)が終了したときに、未だ遊技状態がRTにあってレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞が困難になっている場合もある。
そこで、ボーナス当選の確定の報知は、ボーナス当選の確定を除く連続演出(及び追加演出)が終了した後、さらにRTの終了を待って行うものとしてもよい。これにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が確実に分かっているのに入賞させられないというストレスを遊技者に与えずに済み、遊技者に不満を感じさせることがなくなる。
なお、ボーナス当選の確定の報知は、連続演出(及び追加演出)とは別個に行うものとしてもよい。液晶表示器4への画像の表示の代わりに所定のランプを点灯することで行うものとしてもよい。一連の連続演出(及び追加演出)の流れの中で所定のランプを点灯することで、ボーナス当選の確定を報知するものとしてもよい。いずれの場合においても、RTの終了を待ってボーナス当選の確定を報知することができる。さらに、ハズレの確定の報知も、RTの終了を待って行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないで開始された連続演出における最終ゲームまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選して、該最終ゲームの演出に内容が差し替えられないときには、当該連続演出の終了に続けて追加演出を行うものとしていた。これに対して、連続演出が終了するまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選がなかったとしても、所定の割合で連続演出の終了に続けて追加演出を行うものとしてもよい。
この場合は、当該追加演出の最終ゲームまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、追加演出の結果としてハズレの確定が報知されるものとなる。追加演出の最終ゲームまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、追加演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、さらに延長した追加演出を行うものとしてもよい。
このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していなくても、追加演出が行われる場合を生じさせるようにすることで、連続演出の終了後に追加演出が開始された場合にあっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する遊技者の興味を減退させることがない。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、追加演出のパターンは、実行されている連続演出のパターンに対応して選択されるものとしていた。連続演出の最終ゲームにおける差し替え後の演出の内容も、実行されている連続演出のパターンに対応して選択されるものとしていた。もっとも、連続演出と追加演出を合わせて、個々のゲームの演出の結果全体で勝ちが負けの数よりも多くなるか、追加演出中の個々のゲームの演出の結果として大勝利が含まれていることを条件として、追加演出のパターンを実行されている連続演出のパターンとは独立して選択できるようにしてもよい。差し替え後の演出の内容も、最終ゲームよりも前までのゲームで勝と負が何回あったかに応じて、勝または大勝利に差し替えるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出及び追加演出は、液晶表示器4への画像の表示によって行われるものとしていたが、スピーカ7L、7R、7Uからの音声の出力や、リールランプ3LPや遊技効果LED75A〜75Mの点灯など、他の演出手段を用いて行うものであっても構わない。開始演出、再開演出を行う演出手段と、個々のゲームにおける演出を行う演出手段と、ハズレまたはボーナス当選の確定を報知する演出手段とが異なっていても構わない。
上記の実施の形態では、内部当選コマンドの送信時、すなわちスタートレバー11の操作時に連続演出または追加演出における各ゲームの演出を開始するものとしていた。しかし、スタートレバー11を操作したときであっても前回のゲーム開始から所定時間を経過していなければ、リール3L、3C、3Rの回転開始が待機させられる。スタートレバー11の操作時ではなく、リール3L、3C、3Rの回転開始時において連続演出または追加演出における各ゲームの演出を開始してもよい。この場合、図21のステップS1202〜S1208の処理を、ステップS1005の処理に続けて行うものとすればよい。
上記の実施の形態では、上位領域のデータと下位領域のデータとの最終的な論理和演算(ステップS610)を行う前に、上位領域のデータから11hを減算し(ステップS605)、下位に1ビットローテイトし(ステップS606)、下位領域のデータと排他的論理和演算して(ステップS607)、上位領域のデータを予め加工しておくものとしていた。もっとも、必ずしもこれらの全てのステップを必要とする訳ではなく、いずれか1つまたは2つを適用し、或いはこれらのステップが全く行われないものとしてもよい。
ここで、ステップS607の処理が行われないものとした場合には、ステップS608の処理は、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算して、その排他的論理和演算の結果を新たな下位領域のデータとして格納するものとすればよい。また、ステップS605〜S607の処理を行う順番は、任意の順番に入れ替えることができる。ステップS605〜S607のうちの少なくとも1つのステップが適用されるのであれば、ステップS610の処理を行わずに、ステップS605〜S607の処理のうちで適用したステップ全てを行った後の上位領域のデータを、内部抽選用の乱数における最終的な上位バイトのデータとしてもよい。
また、ステップS605で減算する値は11hに限るものではなく、00h以外の任意の値を加算または減算することができ、ステップS606でローテイトするのは下位に1ビットに限るものではなく、7ビットまでの任意のビット数だけ上位または下位にローテイトすることができる。ステップS607で排他的論理和演算される下位領域のデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータに対して所定の演算を行ったものであってもよい。上位領域のデータに対して行う演算としては、これ以外の演算式による演算も適用することができる。さらには、ステップS610で上位領域のデータに対して排他的論理和演算される待避領域のデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータであってもよく、ステップS607、S609とは異なる所定の演算を行ったデータであってもよい。
上記の実施の形態では、ステップS605〜S607による加工を経た上位領域のデータを下位領域のデータと排他的論理和演算したデータを、内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしていた。これに対して、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータをそのまま内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。ステップS609で78hを加算した後の待避領域のデータを内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい(或いは、ステップS608で下位領域に格納したデータに78hを加算して、最終的な下位バイトのデータとしてもよい)。さらには、下位領域のデータに対して行う演算として、これ以外の演算式による演算を適用し、その演算結果を内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。
上記の実施の形態では、例えばステップS605において、RAM112の上位領域に格納されたデータから11hを減算し、その減算結果のデータを上位領域に格納するものとしていた。また、ステップS607においては、RAM112の上位領域に格納されたデータと、同じくRAM112の下位領域に格納されたデータとを排他的論理和演算し、その排他的論理和演算の結果のデータを上位領域に格納するものとしていた。もっとも、このようにRAM112の領域を用いて直接演算を行えるのは、CPU111の有する命令セットが2アドレス方式または3アドレス方式の場合だけである。
これに対して、CPU111の有する命令セットが1アドレス方式である場合には、例えばステップS605のような減算を行う場合に、RAM112の上位領域に格納されたデータをまずアキュムレータ(汎用レジスタ)にロードし、アキュムレータのデータから11hを減算して減算結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ここでは、RAM112の上位領域に格納されたデータをアキュムレータにロードしたときに、当該アキュムレータは実質上は上位領域として作用することとなり、ここでは上位領域のデータに対して未だ演算を行うので、アキュムレータのデータをRAM112の上位領域に未だストアする必要はない。
ステップS606では、ステップS605の減算の結果が格納されているアキュムレータのデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ステップS607では、ステップS606の演算の結果が格納されているアキュムレータのデータに対してRAM112の下位領域に格納されているデータをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータをアキュムレータに格納するものとなる。この時点では依然として、アキュムレータがRAM112の上位領域として作用しているので、ステップS608では、アキュムレータのデータをRAM112の下位領域にストアすればよいこととなる。
さらに、ステップS609では、RAM112の待避領域のデータをアキュムレータにロードするが、ここでアキュムレータは待避領域として作用することとなり、アキュムレータのデータに11hを加算してアキュムレータに格納すればよい。ステップS610では、アキュムレータのデータをRAM112の上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算し、その結果をアキュムレータに格納することとなるが、排他的論理和演算の結果が格納された後のアキュムレータは、再び上位領域として作用することとなる。
このように1アドレス方式の命令セットを有するCPU111におけるアキュムレータは、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる(もっとも、上記のような乱数の加工法では、アキュムレータが下位領域として作用することはない)。同様に0アドレス方式の命令セットを有するCPU111におけるスタックも、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる。
また、CPU111が複数の汎用レジスタを有するのであれば、RAM112に上位領域及び下位領域を設けるのではなく、いずれかの汎用レジスタ2つを上位領域及び下位領域として適用するものとしてもよい。特にCPU111が1バイトの汎用レジスタの他に、2バイトの汎用レジスタを有すれば、これを上位領域及び下位領域のために用いるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、サンプリング回路116から取り込んだ2nビットの数値データを格納する領域にも、最終的に生成された内部抽選用の乱数を格納する領域にも、同じ上位領域と下位領域とを用いていたが、別々の領域を用いるものとしてもよい。例えば、最終的に生成される内部抽選用の乱数が格納される2バイトの乱数領域を、上位領域及び下位領域とは別に設けるものとした場合、ステップS608では上位領域のデータを乱数領域の下位バイトに格納し、ステップS609では排他的論理和演算の結果のデータを乱数領域の上位バイトに格納するものとすればよい。
上記の実施の形態では、内部抽選用の乱数のビット数は、乱数発生回路115の発生する乱数のビット数と同じ16ビットであって0〜65535の値をとるものとしていたが、一部のビットを間引くことにより、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲がこれより小さくなるものとしてもよい。例えば、ステップS610の後に、上位領域と下位領域のそれぞれの最上位ビット(内部抽選用の乱数として第7ビットと第15ビット)を間引くものとしてもよい。
この場合、ステップS610の結果である乱数の第8ビットから第14ビットを第7ビットから第13ビットにシフトし、第15ビットと第14ビットとには、1(上記した変形例のように減算で当選判定を行う場合は、0)を挿入するものとすることができる。また、ステップS610の結果から間引いた第14ビットと第8ビットにより示される2ビットの数値は、他の処理(例えば、ボーナス告知のための演出など)の抽選に用いることができる。これにより、間引いたビットの数値も有効に利用することができる。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115の発生する乱数の上位バイトのビットの並び順を逆順として内部抽選用の乱数の下位バイトとし、乱数発生回路115の発生する乱数の下位バイトのビットの並び順を逆順として内部抽選用の乱数の上位バイトとしていた。しかしながら、それぞれのバイト内でのビットの並び順は、必ずしも逆順に限るものではなく、例えば、それぞれのバイト内の最上位ビットと最下位ビットとを入れ替えるだけのものであってもよい。もっとも、とりわけタイミングの違いに応じた値の変化が少ない乱数発生回路115の発生する乱数の上位バイトは、なるべく多くのビットが入れ替えられることが好ましい。
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、或いはビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、通常の遊技状態またはRTにおいても、賭け数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭け数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
通常の遊技状態及びRTで賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。また、通常の遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいて賭け数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭け数1〜3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭け数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにある場合において、スタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。もっとも、ビッグボーナス)における遊技状態をレギュラーボーナスに制御する条件はこれに限るものではなく、例えば、ビッグボーナスにおいて可変表示装置2の表示結果として所定の結果(JACIN)が導出されたことを条件として、レギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合、遊技状態がビッグボーナスに制御されているときには、内部抽選においてJACINも抽選対象役とし、JACIN当選したときには、JACIN当選フラグをRAM112に設定するものとすればよい。JACIN入賞は、JACIN当選フラグの設定が条件となる。
上記の実施の形態では、精算ボタン16の操作が精算スイッチ47により検出されたときに、データとして蓄積されたクレジット分のメダルが払い出されるだけであったが、この際に既に賭け数が設定されていれば、設定された賭け数分のメダルも払い出すものとしてもよい。もっとも、前回のゲームのリプレイ入賞により賭け数が自動設定された場合には、精算ボタン16の操作では自動設定された賭け数分のメダルは払い出し対象とならない。そこで、メダルの投入またはBETボタン14、15の操作により賭け数が設定されたかリプレイ入賞により賭け数が自動設定されたかを判断できるようにするため、リプレイゲーム中フラグは、賭け数が自動設定された後スタートレバー11が操作されることによって消去されるものとすればよい。1回目の精算ボタン16の操作でクレジットに対応したメダルを払い出し、2回目の精算ボタン16の操作で賭け数に対応したメダルを払い出すものとしてもよい。
上記の実施の形態では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときの各リール3L、3C、3Rについての図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。
これに対して、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときの各リール3L、3C、3Rについての図柄位置と当選フラグの設定状況に応じて図柄の停止位置が予め登録されたリール制御テーブル(当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて予め選択される)を参照し、当該リール制御テーブルに登録された図柄の停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシン(例えば、特許第2627604号公報参照)にも適用することができる。ここで、リール制御テーブルにおいては、図柄の停止位置が予め定められているが、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で定められているものである。つまり、停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止される図柄は、最大停止遅延時間の範囲内で選択されるものとなる。
また、リール制御テーブルは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作される前に予め、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて選択されているが、どのリール制御テーブルを選択したかによって、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが同じでも停止される図柄が異なってくる。従って、リール制御テーブルを選択することは、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて図柄を選択することとなる。さらに、リール制御テーブルには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに表示されている図柄位置と図柄を停止すべき位置との関係が登録されているが、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときの図柄位置に対応して登録されている図柄の停止位置を選択することとなるので、停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときに図柄の停止位置を選択するものということができる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う有価価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。