以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「7」、「BAR」、「JAC」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。ここで、「リプレイ」及び「ベル」は、リール3L、3C、3Rのいずれについても、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。可変表示装置2には、後述するレギュラーボーナスにおいて賭け数として1が設定されているときには、中段の1本の入賞ラインが設定される。レギュラーボーナス以外では賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、この賭け数として3が設定されているときには、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。さらに、ゲーム回数表示部21は、後述するRAM異常エラーなどのエラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける入賞ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した入賞ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示される画像による演出で、後述する各種の演出などが行われる。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、スタートレバー11が操作された時のスタート音の出力や、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、さらには異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
RAM112は、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU111には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、1ワード分の大きさである8ビットからなり、そのうちの下位7ビットがCPU111がROM113から命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した数値をソフトウェアにより加工した数値が使用される。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、後述する電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
次に、遊技制御基板101のRAM112の構成について説明する。図4は、RAM112の記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM112には、重要ワーク112−1、一般ワーク112−2、特別ワーク112−3、設定値ワーク112−4、非保存ワーク112−5、スタック領域112−6、及びパリティ格納領域112−7を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク112−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域であり、パリティ格納領域112−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。後述する役の当選フラグの設定領域は、一般ワーク112−2に設けられている。また、RAM112は、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。メダルの払出率は、遊技者が賭け数の設定のために投入するメダルの数に対する、後述する内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の期待値の割合で算出される。実際に入賞する小役に対して払い出されることとなるメダルの数に基づいて計算されるのではない。後述するように遊技状態が異なると、メダルの払出率も変わることとなる。
ここで、設定スイッチ91による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ92をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ92をOFF状態としてメインスイッチ94により電源をONすればよい。
設定キースイッチ92をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードなる。設定変更モードにおいて、設定スイッチ91が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートレバー11が操作されてから設定キースイッチ92がOFFされると、変更後の確定した設定値が設定値ワーク112−4に記憶される。そして、初期遊技状態で遊技の進行が可能な状態に移行する。
遊技の進行が可能な状態であるときには、スロットマシン1におけるゲームが1ゲームずつ順次進行するが、各ゲームで行われる内部抽選において設定値ワーク112−4に格納された設定値が正常範囲(1〜6)にあるかどうかと、賭け数が正常範囲(レギュラーボーナスなら1、それ以外は3)を判定する。設定値が正常範囲にない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、遊技制御基板101のCPU111が電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、RAM112のパリティ格納領域112−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112−7に格納する処理を行うようになっている。ここにRAMパリティとは、データ列(各アドレスにおいて同一位置のビット)を足し合わせた総和の最下位ビットのことである。
そして、遊技制御基板101の制御部110の起動時において、RAM112に記憶されているデータのうちのパリティ格納領域112−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112−7に格納されているRAMパリティと比較する。この比較結果が一致した場合には、RAM112に記憶されている状態に基づいて電源断前の状態に復帰させる。
一方、RAMパリティの比較結果が一致しなかった場合には、ここでもRAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。RAM異常エラー状態は、他のエラー状態とは異なり、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93を操作しても解除されないようになっており、設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されることで解除されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、特別遊技状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図5(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
レギュラーボーナスは、初期遊技状態またはRT(後述する第1RTまたは第2RT)において入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が初期遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を除く)が終了した後は、初期遊技状態に制御される。また、遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「7−7−7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR−7−7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、上記したレギュラーボーナスが終了まで繰り返して提供される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。
ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。ビッグボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間だけ制御される。また、ビッグボーナスが終了した後は、初期遊技状態に制御される。
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、「7」と「BAR」のいずれもがリール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されているわけではないので、停止ボタン12L、12C、12Rをこれらの役に入賞可能とする適正な操作手順で操作しなければ、これらの役に入賞することはない。もっとも、適正な操作手順で操作されずに、これらの役に入賞しなかった場合には、これらの役に当選しているときも当選していないときにも導出可能となるチャンス目(入賞の観点で言うと、ハズレ)が導出されることがある。
スイカは、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)においても入賞ライン(1本)に「ベル−スイカ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。リール3L、3C、3Rについて「スイカ」は5コマ以内の間隔で配置されている訳ではないので、後述する内部抽選においてスイカに当選していても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによってはスイカに入賞しないことがある。また、初期遊技状態においてスイカに入賞した後は、100ゲームの間、遊技状態が後述する第2RTに制御される。
ベルは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、9枚のメダルが払い出される。リール3L、3C、3Rのいずれについても「ベル」は必ず5コマ以内の間隔で配置されているため、後述する内部抽選においてベルに当選していれば、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずにベルに入賞させることができる。また、初期遊技状態においてベルに入賞した後は、1000ゲームの間、遊技状態が後述する第1RTに制御される。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについていずれかの入賞ライン(5本または1本)のいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。レギュラーボーナス以外の遊技状態に置いて左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。左のリール3Lについて「ベル」は5コマ以内の間隔で配置されている訳ではないので、後述する内部抽選においてスイカに当選していても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによってはスイカに入賞しないことがある。また、初期遊技状態においてチェリーに入賞した後は、次にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選するまでの間、遊技状態が後述する第2RTに制御される。
なお、スイカまたはチェリーに入賞した場合だけではなく、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときにも、第2RTに遊技状態が制御されるものとなっている。既に第2RTに遊技状態が制御されている状態でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合には、その第2RTがこれらの役の入賞まで続くということになる。遊技制御基板101のRAM112には、遊技状態がそれぞれ第1RT、第2RTにあるときに1ゲームを消化する度にデクリメントされる第1RTカウンタ、第2RTカウンタが設けられている。但し、第2RTカウンタには、チェリー入賞またはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選により初期値として102がセットされ、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞まで減算されない。第1RTまたは第2RTの詳細については、後述する。
リプレイは、初期遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リール3L、3C、3Rについての「リプレイ」は、いずれも5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてリプレイに当選したときには、必ずリプレイ入賞するものとなっている。リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
図5(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。各ゲームにおける遊技状態において抽選対象となる役が参照される。ここで、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。初期遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)、スイカベル、チェリー、リプレイ(初期)が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態が第1RT(図中、RT1と示す)、第2RT(図中、RT2と示す)にあるときには、初期遊技状態におけるリプレイ(初期)に代えて、それぞれリプレイ(RT1)、リプレイ(RT2)が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、リプレイ(初期)、リプレイ(RT1)及びリプレイ(RT2)は、後述する判定値数の格納領域が異なるので当選確率が異なるものとなるが、他の点については共通している。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(c)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。各抽選対象役の賭け数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーは、小役ゲーム、初期遊技状態、第1RTまたは第2RTで内部抽選の対象となる役である。これらの役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、初期遊技状態、第1RTまたは第2RTで内部抽選の対象となる役である。これらの役については、共通フラグの値が0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
スイカ、ベル及びチェリーは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役である。スイカ及びベルについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。チェリーについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
リプレイ(初期)は、初期遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役である。リプレイ(RT1)は、第1RTでのみ内部抽選の対象となる役である。リプレイ(RT2)は、第2RTでのみ内部抽選の対象となる役である。これらの役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
図6は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM112に、量産機種ではROM113に割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えば、アドレスADD+0は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナス+チェリーであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+14は、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)+チェリーであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+28は、内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)+チェリーであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。
アドレスADD+2は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である11が判定値数として取得される。アドレスADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10、ADD+12は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が2〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナスの当選確率は同じとなっている。レギュラーボーナス+チェリーは、設定値1〜6に共通した判定値数となっているので、チェリーとの重複当選の場合を含めても、レギュラーボーナスの当選確率は設定値に関わらず同じとなる。
また、アドレスADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22、ADD+24、ADD+26は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+30、ADD+32、ADD+34、ADD+36、ADD+38、ADD+40は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)、(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)、(2)の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+42は、賭け数が3、すなわちレギュラーボーナス以外の遊技状態において内部抽選の対象役がスイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+44は、賭け数が1、すなわちレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)において内部抽選の対象役がスイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+42とアドレスADD+44には、同じ判定値数454が登録されているので、スイカの当選確率は、遊技状態によって異なることはない。
アドレスADD+46は、賭け数が3、すなわちレギュラーボーナス以外の遊技状態において内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+48は、賭け数が1、すなわちレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)において内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+46に登録されている判定値数は、アドレスADD+48に登録されている判定値数よりも大きいので、レギュラーボーナスにおけるベルの当選確率は、他の遊技状態におけるベルの当選確率よりも高くなる。
アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60は、賭け数が3、すなわちレギュラーボーナス以外の遊技状態において内部抽選の対象役がチェリーであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+62、ADD+64、ADD+66、ADD+68、ADD+70、ADD+72は、賭け数が1、すなわちレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)において内部抽選の対象役がチェリーであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+62、ADD+64、ADD+66、ADD+68、ADD+70、ADD+72に登録されている判定値数は、それぞれアドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60に登録されている判定値数よりも60ずつ大きいが、レギュラーボーナス以外の遊技状態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)と重複してチェリーが抽選対象となり、これらの判定値数の合計が60であるので、重複当選を含めるとチェリーの当選確率は、遊技状態によって異なることはない。
アドレスADD+74は、内部抽選の対象役がリプレイ(初期)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+76は、内部抽選の対象役がリプレイ(RT1)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+78は、内部抽選の対象役がリプレイ(RT2)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。
このような判定値数で内部抽選が行われることにより、初期遊技状態では、メダルの払出率が1より小さい(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が小さい)。第1RTでは、リプレイ当選確率は初期遊技状態よりも高くなるものの、リプレイの判定値の数も初期遊技状態と1しか違わないので、メダルの払出率は、初期遊技状態とほぼ同じで1より小さいものとなっている。第2RTでは、リプレイ当選確率が初期遊技状態よりも極めて高くなることによりメダルの払出率が高くなり、1よりも大きくなる(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が大きい)。
また、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスにおけるメダルの払出率は、1を越えるものであることは言うまでもなく、しかも第2RTにおけるメダルの払出率よりも高くなっている。つまり、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが遊技者にとって最も有利な遊技状態であり、第2RTが次に有利な遊技状態ということとなる。ここで説明した遊技状態に応じたメダルの払出率の関係は、設定値が1〜6のいずれとなっている場合も同じである。
さらに、初期遊技状態におけるスイカ、ベル、チェリーの当選確率を考えると、第2RTに遊技状態を制御するスイカ及びチェリーの当選確率に比べて、第1RTに遊技状態を制御するベルの当選確率が極めて高い。また、初期遊技状態におけるスイカ、ベル及びチェリーの当選確率を合計して考えると、初期遊技状態に制御されてから第1RTまたは第2RTに制御されるまでのゲーム数は、数ゲームにしかならない。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の当選確率は、スイカ、ベル、チェリーの当選確率に比べて非常に低い。従って、この実施の形態にかかるスロットマシン1においては、第1RTに制御されている状態で実行されるゲームが最も多くなり、第1RTがこのスロットマシン1における通常の遊技状態と言うことになる。
なお、初期遊技状態の滞在ゲーム数の期待値は、当選した役を取りこぼししないものと仮定すると、初期遊技状態において何らかの役に当選する確率の逆数となり、約4ゲームとなる。第1RTの滞在ゲーム数の期待値は、1000ゲームの消化のみが終了となるのであれば当該1000ゲームということになるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞すると第1RTが終了することとなる。この場合の滞在ゲーム数の期待値は、1,2,・・・,1000ゲーム目にそれぞれ達する確率と各々のゲームで通常遊技状態が終了する確率の積の合計の逆数で算出することができる。
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図7を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路115から乱数を抽出し、これをCPU111がソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。内部抽選用の乱数を取得するときには、ボーナス告知ランプ66を点灯するか否かを決定する告知決定用の乱数も取得される。なお、乱数発生回路115の発生する乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図7(a)は、乱数発生回路115の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路115は、パルス発生回路115aと、下位カウンタ115bと、上位カウンタ115cとから構成されている。下位カウンタ115b及び上位カウンタ115cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ115bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ115cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路115aは、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路115aの出力するパルス信号が下位カウンタ115bにクロック入力される。
下位カウンタ115bは、パルス発生回路115aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ115bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ115cにクロック入力される。
上位カウンタ115cは、下位カウンタ115bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ115bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ115cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路115aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路115から出力されるものとなる。
サンプリング回路116は、ラッチ回路から構成され、CPU111からのサンプリング指令(スタートレバー11の操作時)に基づいて、乱数発生回路115からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、乱数発生回路115が発生する乱数として抽出するものとなる。なお、以下では、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明するものとする。
図7(b)は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、他の汎用レジスタまたはRAM112の作業領域を用いて、汎用レジスタ111GRの下位バイト(下位カウンタ115bから抽出した値)と、上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)とを入れ替える。
次に、CPU111は、抽出された乱数に対して上位バイトと下位バイトとが入れ替えられた乱数の値を、8080hと論理積演算をする。CPU111の処理ワードは1バイトなので、実際には上位バイトと下位バイトとについて順次論理積演算を行うものとなる。この論理積演算によって第15ビットと第7ビットは常に1となる。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。
CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を、内部抽選用の乱数として取得してRAM112の所定の領域に記憶させ、これに各役の判定値数を順次加算していくものとなる。内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットは常に1となるので、内部抽選用の乱数は、14ビット(16384)の大きさを有する乱数ということになり、実質的に0〜16383の値をとるものとなる。
なお、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、CPU111に対する割り込みが禁止される。CPU111に対して割り込みが発生することによって、当該割り込み処理ルーチンで汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐためである。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。CPU111は、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM113に格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作された停止ボタン12L、12C、12Rに対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止させる制御を行う。
図8は、ROM113に格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。
このように内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているか、左リール3Lのみ停止しているか、中リール3Cのみ停止しているか、右リール3Rのみ停止しているか、左、中リール3L、3Cが停止しているか、左、右リール3L、3Rが停止しているか、中、右リール3C、3Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール3L、3C、3Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ3ML、3MC、3MRには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ3ML、3MC、3MRを168ステップ駆動させることでリール3L、3C、3Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている(図9参照)。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
図9は、停止制御テーブルの例を示す図である。停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、図9に示すように、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)で停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール3L、3C、3Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール3L、3C、3Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール3L、3C、3Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU111が停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(図の停止操作ポイント)から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(図の停止ポイント)が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、ハズレの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。一方、ハズレの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ベルなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール3L、3C、3Rのいずれについても5コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者による停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくとも当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。リール回転コマンドは、リール3L、3C、3Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール3L、3C、3Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール3L、3C、3Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール3L、3C、3Rがそれぞれ停止されたときに送信される。入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、3ゲームの期間継続して行われる連続演出と、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときに行われるボーナス入賞演出と、ビッグボーナスの終了後にフリーズ状態となっているときにおいて行われるフリーズ演出と、可変表示装置2の表示結果としてチャンス目が導出されたときに行われるチャンス演出と、初期遊技状態でゲームが開始されるとき(実際は、その前のゲームの終了時)に行われる初期報知とがある。
フリーズ演出は、液晶表示器4への画像の表示、スピーカ7L、7R、7Uからの音声の出力、各種ランプ類の点灯の全てを一定期間停止させる演出であり、ビッグボーナスが終了し、遊技制御基板101の側でフリーズ状態に制御されている期間において行われる。演出制御基板102のCPU121は、フリーズ状態に制御されていることを、2回分の遊技状態コマンドを参照して分かるものとなっている。すなわち、前回のゲームで受信した遊技状態コマンドがビッグボーナス、今回のゲームで受信した状態コマンドが初期遊技状態を示していれば、今回のゲームでビッグボーナスが終了してフリーズ状態に制御されていることが分かる。この判断のため、RAM122には、過去2回分の遊技状態を保存する領域が設けられている。
また、連続演出は、第2RTにおいていずれの役にも入賞しなかったゲームで開始され、3ゲームの期間継続した後に終了させられる。連続演出を開始させる第2RTは、スイカまたはチェリーの入賞により制御された第2RTであるか、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選により制御された第2RTであるかを問わない。RAM122には、過去2回分の当選状況を保存する領域が設けられている。
連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選(持ち越しを含む)している場合にも当選していない場合にも行われるが、これらの役の当選フラグの持ち越し時において内部抽選でハズレとなれば100%の確率で行われるものの、これらの役の当選フラグが設定されていないときには内部抽選でハズレとなっても必ずしも行われるとは限らないので、ボーナス予告演出としての性格を有するものとなる。
連続演出の実行を制御するためにRAM122には連続演出の残りゲーム数をカウントするための連続カウンタを記憶する領域が設けられている。連続演出が終了したときにおいて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していれば、これらの役に当選している旨を遊技者に確定的に報知するボーナス確定報知が行われる。
また、チャンス演出は、可変表示装置2にチャンス目が導出されたときに行われるが、入賞の観点で言うとチャンス目はハズレなので、入賞情報コマンドを参照してもチャンス目が導出されているかどうかを演出制御基板102のCPU121が認識することはできない。可変表示装置2に導出されている表示態様は、リール回転コマンド及びリール停止コマンドに基づいて判断される。
RAM122には、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示態様を判断するための停止図柄テーブルが設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM123にはリール3L、3C、3Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール3L、3C、3Rに停止されている図柄が登録される。
初期報知は、受信した当選状況通知コマンドが初期遊技状態であることを示しているときに行われる。ボーナス入賞演出は、受信した入賞情報コマンドがレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示しているときに行われる。このとき、実行中の連続演出は強制終了され、ボーナス当選報知が行われていれば、これも終了させられる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU111を含む制御部110が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク112−4に格納されており、RAM112に格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図10は、遊技制御基板101のCPU111が実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板101のリセット回路からリセット信号が入力されて制御部110が起動されたときに行われる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時及び制御部110の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴う制御部110の起動時及び制御部110の不具合に伴う再起動時に行われる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM112へのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ92がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ92がONでなければ、RAM112に記憶されているデータのうちパリティ格納領域112−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域112−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM112が正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行われるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM112に格納されているデータが正常ではないので、図12に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM112に格納されているデータが正常であるので、スタック領域112−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ92がONの状態であれば、スタック領域112−6のうち使用中の領域を除いてRAM112に格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク112−4以外は0、設定値ワーク112−4は1に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図11に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図11は、CPU111がステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更中フラグをRAM112の所定の領域にセットし(ステップS201)、設定値ワーク112−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク112−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、設定スイッチ91及びスタートレバー11の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203において設定スイッチ91の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が7でなければ、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が7であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートレバー11の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク112−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。また、レギュラーボーナス中フラグ及びビッグボーナス中フラグを消去するとともに、第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値を0に初期化して、設定変更処理後のゲームにおける遊技状態を初期遊技状態とする(ステップS209)。
その後、設定キースイッチ92がOFFの状態となるまで待機する(ステップS210)。そして、ステップS210において設定キースイッチ92がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更中フラグをクリアする(ステップS211)。そして、図10のフローチャートに復帰すると、初期遊技状態において遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図12は、遊技制御基板101のCPU111が実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器51を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示部21に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行わないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ92がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM112に記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示部21に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行われない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、制御部110が起動しても設定キースイッチ92がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、制御部110を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、設定変更処理が行われて設定スイッチ91の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、設定スイッチ91の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームのついて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図13は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS401)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS402)。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。なお、BET処理の詳細については後述する。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS403)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS404)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。リール3L、3C、3Rの回転開始時、及び回転停止時に、それぞれリール回転コマンド、リール停止コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS402のBET処理で設定した賭け数に応じた入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS405)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS406)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS402のBET処理について詳しく説明する。図14、図15は、CPU111がステップS402で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。BET処理では、RAM112において賭け数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアする(ステップS501)。次に、前回のゲームのリプレイ入賞に基づくリプレイフラグがRAM112に設定されているかどうかにより、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。
当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1だけ加算し(ステップS503)、これによってBETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数(リプレイ入賞は初期遊技状態またはRTで発生するので、ここでは必ず3)であるかどうかを判定する(ステップS504)。BETカウンタの値が規定数に達するまで、ステップS503、S504の処理を繰り返して行い、BETカウンタの値が規定数に達すると、スタートスイッチ41によりスタートレバー11の操作の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS505)。スタートレバー11の操作が検出されると、図13のフローチャートに復帰する。
当該ゲームがリプレイゲームでなければ、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数であるか否かを判定する(ステップS506)。BETカウンタの値が規定数であれば、RAM112においてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS507)。クレジットカウンタの値が50であれば、流路切替ソレノイド49をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS508)。そして、ステップS510の処理に進む。BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数でない場合、またはクレジットカウンタの値が50でない場合には、流路切替ソレノイド49をONの状態とし、メダルの流路をホッパー80側としてメダルの投入が可能な状態とする(ステップS509)。そして、ステップS510の処理に進む。
ステップS510では、クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0であるか否かを判定する。クレジットカウンタの値とBETカウンタの値のいずれか一方でも0でなければ、精算スイッチ47により精算ボタン16の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS511)。精算ボタン16の操作が検出されていれば、クレジットカウンタ及びBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御を行う精算処理を行う(ステップS512)。なお、精算処理の詳細については、後述する。そして、ステップS506の処理に戻る。
クレジットカウンタの値とBETカウンタの値の双方が0の場合、または精算ボタン16の操作が検出されていなければ、投入メダルセンサ44により投入メダルの通過が検出されたかどうかを判定する(ステップS513)。投入メダルの通過が検出されていれば、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数であるか否かを判定する(ステップS514)。BETカウンタの値が規定数でなければ、BETカウンタの値を1だけ加算して(ステップS515)、ステップS506の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数であれば、クレジットカウンタの値が50であるか否かを判定する(ステップS516)。クレジットカウンタの値が50でなければ、そのままステップS506の処理に戻る。クレジットカウンタの値が50であれば、クレジットカウンタの値を1だけ加算して(ステップS517)、ステップS506の処理に戻る。
投入メダルの通過が検出されてない場合には、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数であるか否かを判定する(ステップS518)。BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ41によりスタートレバー11の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS519)。スタートレバー11の操作が検出されていなければ、ステップS506の処理に戻る。スタートレバー11の操作が検出されていれば、流路切替ソレノイド49をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する。また、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15、精算ボタン16の操作を無効とする(ステップS520)。そして、BET処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
BETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS521)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS506の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0でなければ、1枚BETスイッチ45により1枚BETボタン14の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS522)。1枚BETボタン14の操作が検出されていなければ、MAXBETスイッチ46によりMAXBETボタン15の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS523)。MAXBETボタン15の操作も検出されていなければ、ステップS506の処理に戻る。
1枚BETボタン14の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS524)、BETカウンタの値を1だけ加算する(ステップS525)。そして、ステップS506の処理に戻る。
MAXBETボタン15の操作が検出されていれば、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS526)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS527)、BETカウンタの値を1だけ加算する(ステップS528)。ここで、BETカウンタの値が遊技状態に応じた規定数になったかどうかを判定する(ステップS529)。BETカウンタの値が規定数であれば、ステップS506の処理に戻る。BETカウンタの値が規定数でなければ、ステップS526の処理に戻る。ステップS526でクレジットカウンタの値が0であると判定されると、ステップS506の処理に戻る。
次に、ステップS512の精算処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS512で実行する精算処理を詳細に示すフローチャートである。精算処理では、流路切替ソレノイド49をOFFの状態とし、メダルの流路を払出側として新たなメダルの投入を禁止する(ステップS601)。また、ホッパーモータ82をONの状態として駆動させる(ステップS602)。
次に、クレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS603)。クレジットカウンタの値が0であれば、BETカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS604)。クレジットカウンタの値かBETカウンタの値かの一方でも0でなければ、払出センサ81によりメダルの払い出しが検出されたか否かを判定する(ステップS605)。メダルの払い出しが検出されていなければ、ステップS603の処理に戻る。
メダルの払い出しが検出されていれば、さらにクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS606)。クレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1だけ減算し(ステップS607)、ステップS603の処理に戻る。クレジットカウンタの値が0であれば、BETカウンタの値を1だけ減算し(ステップS608)、ステップS603の処理に戻る。
ステップS603、S604においてクレジットカウンタの値もBETカウンタの値も0であれば、ホッパーモータ82をOFFの状態として駆動を停止させる(ステップS609)。そして、精算処理を終了して、元の処理に復帰する。
次に、上記したステップS403の抽選処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS403で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS701)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS704の処理に進む。
遊技状態がビッグボーナスにあれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS702)。遊技状態がレギュラーボーナスになければ、ビッグボーナスの最初のゲームであるか、ビッグボーナス中において1セット分のレギュラーボーナスが終了して未だ当該ビッグボーナスが終了していないときのゲームであるので、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御する(ステップS703)。そして、ステップS704の処理に進む。遊技状態がレギュラーボーナスにあれば、そのままステップS704の処理に進む。
ステップS704では、BETカウンタによりカウントされている賭け数を読み出す。次に、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるかどうかを判定する(ステップS705)。レギュラーボーナスにあれば、読み出した賭け数が1であるかどうかを判定する(ステップS706)。レギュラーボーナスになければ、読み出した賭け数が3であるかどうかを判定する(ステップS707)。ステップS706で読み出した賭け数が1でないとき、またはステップS707で読み出した賭け数が3でないときには、RAM異常エラーとなり、図12に示したRAM異常エラー処理を行うものとする。ステップS706で読み出した賭け数が1であるとき、またはステップS707で読み出した賭け数が3であるときには、ステップS708の処理に進む。
ステップS708では、RAM112の設定値ワーク112−4に記憶されている設定値を読み出す。ここで、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上6以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS709)。読み出した設定値が1以上6以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図12に示したRAM異常エラー処理を行うものとする。
読み出した設定値が1以上6以下の範囲にあれば、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、抽出された乱数を内部抽選用の乱数に加工して、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる(ステップS710)。なお、乱数取得処理の詳細については後述する。
次に、現在の遊技状態に対応して、図5(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS711)。次に、読み出した抽選対象の役について図5(c)の役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を取得する(ステップS712)。この結果、共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS713)。
共通フラグが設定されていれば、読み出した抽選対象役について読み出した賭け数に対応して図5(c)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS714)。そして、ステップS716の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM112に設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について読み出した賭け数及び設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS715)。そして、ステップS716の処理に進む。
ステップS716では、ステップS714またはS715で取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS717)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS718)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS711の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS728の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS711で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS719)。レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリーまたはビッグボーナス(2)+チェリーのいずれかである場合には、少なくとも今回のゲームにおける遊技状態は、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)ではない。
ここでは、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS720)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、現時点の値に関わらず、第1RTカウンタの値を0に初期化するとともに、第2RTカウンタに102をセットする(ステップS721)。これにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで、第2RTに遊技状態が制御される。さらに、読み出した抽選対象役に応じてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグをRAM112に設定するとともに、チェリー当選フラグをRAM112に設定する(ステップS722)。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS720でRAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていた場合には、チェリー当選フラグのみをRAM112に設定する(ステップS723)。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS719で抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー及びビッグボーナス(2)+チェリーのいずれでもなかった場合には、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS724)。抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなければ、ステップS727の処理に進む。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、RAM112にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS725)。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、そのままステップS728の処理に進む。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選とする場合であり、現時点の値に関わらず、第1RTカウンタの値を0に初期化するとともに、第2RTカウンタに102をセットする(ステップS726)。これにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで、第2RTに遊技状態が制御される。そして、ステップS727の処理に進む。
ステップS727では、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。ここで抽選対象役がレギュラーボーナス+チェリーであれば、レギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグを重複して設定する。また、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなく、既にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されていれば、既に設定されているレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する(ステップS727)。そして、ステップS728の処理に進む。
ステップS728では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS710の乱数取得処理について詳しく説明する。図18は、CPU111がステップS710で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU111に対する割り込みを禁止する(ステップS801)。次に、サンプリング回路116にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路115が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート114から入力して、これを抽出する。乱数発生回路115から抽出された乱数の値は、汎用レジスタ111GRに格納される(ステップS802)。
次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の下位バイトの値と上位バイトの値を、RAM112の作業領域を用いて互いに入れ替える(ステップS803)。次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の値を8080hと論理積演算する(ステップS804)。さらに上位バイト(第15〜第8ビット)を1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。このときに汎用レジスタ111GRに格納された値が内部抽選用の乱数として取得され、RAM112の所定の領域に保存される(ステップS805)。そして、ステップS801で禁止した割り込みを許可してから(ステップS806)、乱数取得処理を終了して、図17のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS404のリール回転処理について詳しく説明する。図19は、CPU111がステップS404で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(例えば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS901)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムの計時を新たに開始する(ステップS902)。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS903)。ここで、リール3L、3C、3Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、演出制御基板102に送信する(ステップS904)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(ステップS905)、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS906)。これにより、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が有効となる。
次に、停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS907)。いずれの停止ボタンの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ3SL、3SC、3SRによりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS908)。リール回転エラーが発生していなければ、さらに投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS909、S910)。ステップS908〜ステップS910においていずれのエラーの発生も判定されなければ、ステップS907に戻る。
また、ステップS909において投入エラーの発生が判定された場合、またはステップS910において払出エラーの発生が判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS911)、所定のエラー処理に移行する(ステップS912)。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS907に戻る。
また、ステップS908においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS913)、所定のエラー処理に移行する(ステップS914)。これに伴い、リール3L、3C、3Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS903に戻り、リール3L、3C、3Rの回転が再開する。
ステップS907において停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された場合には、操作された停止ボタンに対応するリールモータ(3ML、3MC、3MRのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定する(ステップS915)。ここで、停止されるリールの種類及び該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板102に送信する(ステップS916)。その後、操作された停止ボタンに対応するリール(3L、3C、3Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS917)。
そして、操作された停止ボタンに対応するリール(3L、3C、3Rのいずれか)の回転が停止すると、リール3L、3C、3Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS918)、全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止していなければ、ステップS905に戻る。全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール3L、3C、3Rの回転が開始した後、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。また、RAM112のデータが破壊されていて元の状態に復帰できない場合は、この限りではない。
次に、上記したステップS405の入賞判定処理について詳しく説明する。図20は、CPU111がステップS405で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS1001)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2の5本の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS1002)。
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS1003)、ステップS1004の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS1004の処理に進む。なお、初期遊技状態でRT図柄が揃っていれば、RAM112にRT入賞フラグが設定されることとなるが、RT図柄が揃っていても他の遊技状態であれば、RT入賞フラグが設定されることはない。
ステップS1004では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS1001の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイ入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS1005)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS1006)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS1020の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS1007)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM112の第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値をいずれも0に初期化する(ステップS1008)。そして、ステップS1020の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM112にビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS1009)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM112の第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値をいずれも0に初期化する(ステップS1010)。そして、ステップS1020の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS1011)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。また、RAM112の第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値をいずれも0に初期化する(ステップS1012)。そして、ステップS1020の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されてなく、且つ第1RTカウンタ及び第2RTカウンタのいずれの値も0であるかどうかにより、今回のゲームにおける遊技状態が初期遊技状態であるかどうかを判定する(ステップS1013)。今回のゲームにおける遊技状態が初期遊技状態でなければ、そのままステップS1020の処理に進む。
今回のゲームにおける遊技状態が初期遊技状態であれば、RAM112にベルの入賞フラグが設定されているかどうかにより、ベル入賞したかどうかを判定する(ステップS1014)。ベル入賞していれば、RAM112の第1RTカウンタの初期値として1001をセットする(ステップS1015)。ここで、初期値として1001をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS1114(後述)で第1RTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味して第1RTのゲーム数として1000ゲームを確保するためである。そして、ステップS1020の処理に進む。
ベル入賞していなければ、RAM112にスイカの入賞フラグが設定されているかどうかにより、スイカ入賞したかどうかを判定する(ステップS1016)。スイカ入賞していれば、RAM112の第2RTカウンタの初期値として101をセットする(ステップS1017)。ここで、初期値として101をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS1112(後述)で第2RTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味して第2RTのゲーム数として100ゲームを確保するためである。そして、ステップS1020の処理に進む。
スイカ入賞もしていなければ、RAM112にチェリーの入賞フラグが設定されているかどうかにより、チェリー入賞したかどうかを判定する(ステップS1018)。チェリー入賞していれば、RAM112の第2RTカウンタの初期値として102をセットする(ステップS1019)。ここで、初期値として102をセットすることにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞して第2RTカウンタの値が0に初期化されるまで、何ゲーム経過しても遊技状態が第2RTに制御されることとなる。そして、ステップS1020の処理に進む。
ステップS1020では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS406の払出処理について詳しく説明する。図21は、CPU111がステップS406で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112にスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS1101)。小役入賞していなければ、そのままステップS1103の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS1102)。そして、ステップS1103の処理に進む。
ステップS1103では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)になっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていなければ、ステップS1107の処理に進む。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該レギュラーボーナスにおけるゲーム数と入賞数とをカウントする(ステップS1104)。
そのカウントの結果として、レギュラーボーナスの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS1105)。レギュラーボーナスの終了条件となっていれば、RAM112のレギュラーボーナス中フラグを消去する。また、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS1106)。ここで、第1RTカウンタの値も第2RTカウンタの値も0であるので、次のゲームにおける遊技状態は、初期遊技状態となる。そして、ステップS1107の処理に進む。レギュラーボーナスの終了条件となっていない場合も、ステップS1107の処理に進む。
ステップS1107では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナスとなっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がビッグボーナスでなければ、RAM112の第1RTカウンタの値が0よりも大きいかどうかを判定する(ステップS1108)。第1RTカウンタの値が0よりも大きければ、第1RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS1109)、ステップS1112の処理に進む。第1RTカウンタの値が0であれば、さらにの第2RTカウンタの値が0よりも大きく、102よりも小さいかどうかを判定する(ステップS1110)。第2RTカウンタの値が0よりも大きく、102よりも小さければ、第2RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS1111)、ステップS1112の処理に進む。第2RTカウンタの値が0か102であれば、そのままステップS1112の処理に進む。
ステップS1112では、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びに第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、ステップS1124の処理に進む。
ステップS1107で現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントする。ここでカウントした払出メダル枚数が465枚を越えて、ビッグの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS1114)。ビッグボーナスの終了条件が成立していなければ、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びに第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS1115)。そして、ステップS1124の処理に進む。
ビッグボーナスの終了条件が成立していれば、RAM112のビッグボーナス中フラグを消去する。レギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、これも消去する。また、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化するビッグボーナス中のレギュラーボーナスであった場合もあるので、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS1116)。ここで、第1RTカウンタの値も第2RTカウンタの値も0であるので、次のゲームにおける遊技状態は、初期遊技状態となる。
さらに、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びに第1RTカウンタ及び第2RTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態(ここでは、必ずビッグボーナス)を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS1117)。ここで、CPU111の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS1118)。
ウェイト時間の計時が開始されると、RAM112のクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1119)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS1123の処理に進む。クレジットカウンタの値が0でなければ、精算スイッチ47により精算ボタン16の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS1120)。精算ボタン16の操作が検出された場合には、図12に示した精算処理を行う(ステップS1121)。そして、ステップS1123の処理に進む。ステップS1123では、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する。規定時間に達していなければ、ステップS1119の処理に戻る。規定時間に達した場合には、ステップS1124の処理に進む。
ステップS1124では、RAM112にスイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS1003においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。そして、払出処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。ここで図13のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、初期遊技状態、第1RT、第2RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図22、図23は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1201)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1202)。
受信したコマンドの種類がステップS728で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、前回のゲームで最新ゲームの当選状況の保存領域に保存された当選状況(すなわち、前回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122に設けられた前回ゲームの当選状況の保存領域に移し、受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122に設けられた最新ゲームの当選状況の保存領域に保存する(ステップS1203)。
次に、前回のゲームのステップS1227で最新ゲームの保存領域に保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームにおける遊技状態)がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであることを示しているかどうかを判定する(ステップS1204)。今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスでなければ、前回以前のゲームにおいて既にボーナス当選報知がされているかどうかを判定する(ステップS1205)。ステップS1204で今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスである場合、或いはステップS1205で既にボーナス当選報知がされている場合には、そのままステップS1201の処理に戻る。
前回以前のゲームでボーナス当選報知がされていなければ、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうか、すなわち未だ連続演出が実行されていないかを判定する(ステップS1206)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が開始されているので、そのままステップS1210の処理に進む。
連続カウンタの値が0であれば、前回のゲームのステップS1227で最新ゲームの保存領域に保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームにおける遊技状態)が第2RTにあることを示しているかどうかを判定する(ステップS1207)。今回のゲームにおける遊技状態が第2RTであれば、前回のゲームにおけるステップS1212(後述)で停止図柄を保存した状態の停止図柄テーブル(この時点では、未だ前回のゲームの停止図柄がクリアされていない)を参照して、今回のゲームでいずれの役にも入賞していないかどうかを判定する(ステップS1208)。
前回のゲームでいずれの役にも入賞していなければ、RAM122の連続カウンタに初期値として3をセットする(ステップS1209)。そして、ステップS1210の処理に進む。ステップS1207で第2RTにない場合、或いはステップS1208でいずれかの役に入賞している場合には、そのままステップS1201の処理に戻る。ステップS1210では、RAM122の連続カウンタの値に応じて、3ゲームで継続する連続演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS904で送信されたリール回転コマンドであった場合には、前のゲームでRAM122に保存したリール3L、3C、3Rの停止図柄に関する情報をクリアする(ステップS1211)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS916で送信されたリール停止コマンドであった場合には、受信したリール停止コマンドに従ってROM123のテーブルを参照して図柄を特定し、当該リール停止コマンドが示すリールについて停止した図柄をRAM122の停止図柄テーブルに保存する(ステップS1212)。
次に、停止図柄テーブルを参照して、リール3L、3C、3Rの全てが停止して可変表示装置2にチャンス目が導出されているかどうかを判定する(ステップS1213)。チャンス目が導出されていなければ、そのままステップS1201の処理に戻る。チャンス目が導出されていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性を示すチャンス演出を行う(ステップS1214)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1020で送信された入賞情報コマンドであった場合には、当該入賞情報コマンドがレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS1215)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの入賞を示していれば、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうか、すなわち連続演出が実行されていないかを判定する(ステップS1216)。連続カウンタの値が0、すなわち連続演出が実行されていなければ、そのままステップS1219の処理に進む。
連続カウンタの値が0でない、すなわち連続演出が実行されていれば、実行中の連続演出を強制終了させ(ステップS1217)、連続カウンタの値を0にクリアする(ステップS1218)。そして、ステップS1219の処理に進む。ステップS1219では、ボーナス当選報知が行われていれば、これを終了させる。その後、液晶表示器4に所定の画像を表示することなどにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示すボーナス入賞演出を行う(ステップS1220)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
ステップS1215でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していなかった場合には、RAM122の連続カウンタの値が0であるかどうか、すなわち連続演出が実行されていないかを判定する(ステップS1221)。連続カウンタの値が0、すなわち連続演出が実行されていなければ、そのままステップS1201の処理に戻る。
連続カウンタの値が0でない、すなわち連続演出が実行されていれば、今回のゲーム分の連続演出の結果を示し(ステップS1222)、RAM122の連続カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1223)。この減算の結果、連続カウンタの値が0となった、すなわち今回のゲームで連続演出を終了させるものとしたかどうかを判定する(ステップS1224)。連続カウンタの値が0とならなかった場合には、そのままステップS1201の処理に戻る。
連続カウンタの値が0となった場合には、ステップS1203でRAM122に保存した当選状況が、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選を示しているかどうかを判定する(ステップS1225)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれの当選も示していなければ、そのままステップS1201の処理に戻る。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を示していれば、液晶表示器4に所定の画像を表示することなどにより、これらの役の当選を遊技者に報知するボーナス当選報知を行う(ステップS1226)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1112、S1115、またはS1117で送信された遊技状態コマンドであった場合には、前回のゲームで最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存された遊技状態(すなわち、今回のゲームにおける遊技状態)をRAM122に設けられた前回ゲームの遊技状態の保存領域に移し、受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームにおける遊技状態)をRAM122に設けられた最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存する(ステップS1227)。
次に、最新ゲームの保存領域に保存されている次のゲームの遊技状態が初期遊技状態にあることを示しているかどうかを判定する(ステップS1228)。次のゲームの遊技状態が初期遊技状態でなければ(この場合は、今回のゲームの遊技状態がビッグボーナスではない)、そのままステップS1201の処理に戻る。次のゲームの遊技状態が初期遊技状態であれば、例えば、液晶表示器4に表示する画像により次のゲームの遊技状態が初期遊技状態である旨を報知する(ステップS1229)。そして、ステップS1230の処理に進む。
ステップS1230では、RAM122に保存した2回分の遊技状態を参照して、今回のゲームでビッグボーナスが終了したかどうかを判定する。今回のゲームでビッグボーナスが終了したのではない、すなわち、次のゲームの遊技状態もビッグボーナスであるか、今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスでない場合には、そのままステップS1201の処理に戻る。
今回のゲームでビッグボーナスが終了となった場合には、遊技制御基板101の側ではフリーズ状態に制御されているので、液晶表示器4の画像の表示、スピーカ7L、7Rからの音声の出力、遊技効果LED75A〜75M等のランプ類の点灯を全て中止し、演出制御基板102の側で実行中の演出を全て停止する(ステップS1231)。
次に、CPU121の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS1232)。そして、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する(ステップS1233)。規定時間に達していなければ、ステップS1233の処理を繰り返す。規定時間に達していれば、液晶表示器4に表示する画像及びスピーカ7L、7Rから出力する音声により、ビッグボーナスの終了を報知する(ステップS1234)。そして、ステップS1201の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS1235)。その後、ステップS1201の処理に戻る。
なお、ステップS1233における規定時間(演出側規定時間)は、図21のステップS1123における規定時間(遊技側規定時間)より短い時間に設定されている。演出側規定時間が遊技側規定時間よりも短く設定されていることから、フリーズ状態にある間に、ビッグボーナスの終了または継続が遊技者に報知されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、初期遊技状態、レギュラーボーナス、ビッグボーナス以外の遊技状態としてRTがあるが、このRTには、第1RTと第2RTの2種類がある。ここで、第1RTは、リプレイの判定値数が初期遊技状態と1しか変わらず、メダルの払出率が初期遊技状態とほとんど変わらずに1より小さいものとなっているが、第2RTは、リプレイの当選確率が初期遊技状態に比べて極めて高く、メダルの払出率が1を超えるものとなっている。
初期遊技状態でスイカが導出されたときには100ゲームの第2RTに、ベルが導出されたときには1000ゲームの第1RTに、チェリーが導出されたときには次にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで第2RTに制御されるものとなっている。もっとも、既に第1RTまたは第2RTに制御されているときには、スイカ、ベルまたはチェリーが可変表示装置2の表示結果として導出されても、新たなRTに制御されることはない。このように有利度の異なる複数種類のRTがあることによって、遊技の進行態様が多様なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、初期遊技状態に制御された後に最初に導出される小役としてスイカ、ベル、チェリーのいずれが導出されるかによって、RTにおけるリプレイ当選確率や継続ゲーム数に違いがあるので、初期遊技状態において可変表示装置2に導出される表示結果に対して遊技者に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、第1RTではメダルの払出率が1よりも小さく、遊技者の手持ちのメダルが減っていくものであるが、第2RTではメダルの払出率が1よりも大きく、遊技者の手持ちのメダルが増えていくものとなるので、初期遊技状態に制御された後にいずれの種類の小役が最初に導出されるかということに対する遊技者の関心は、極めて高いものとなる。
また、初期遊技状態から一旦第1RTに制御された後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞がなくても、1000ゲームの消化で第1RTは終了して、再び初期遊技状態に戻ることとなる。スイカの入賞に基づいて一旦第2RTに制御された後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞がなくても、100ゲームの消化で第2RTは終了して、再び初期遊技状態に戻ることとなる。このように第1RTまたは第2RTが延々と続くことなく再び初期遊技状態に戻ることもあるので、遊技状態が遷移される態様に多様性が生じ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
一旦第1RTに制御されても1000ゲームの消化によって再び初期遊技状態に戻るため、ここで新たにスイカまたはチェリーが導出されれば第2RTに制御されるという期待感を遊技者に与えることができる。このため、一旦第2RTに制御されたからといっても遊技者の期待感を完全に喪失させてしまうようなことはない。スイカの導出に基づく第2RTが100ゲームの消化によって終了させられて再び初期遊技状態に戻るものとなっても、ここで新たにスイカまたはチェリーが導出されれば再び第2RTに制御されるので、第2RTが終了してしまったからといって遊技者の期待感を喪失させてしまうことがない。
また、初期遊技状態においてベルに入賞すると第1RTに制御されるが、ベルは当選時において取りこぼしがないために入賞確率は当選確率と同じになる。ここで、初期遊技状態におけるベルの当選確率は、3370/16384≒1/4.8である。また、スイカ、ベル、チェリーの何れかに当選する確率は、4087/16384≒1/4.0(設定値が1の場合)である。このため、初期遊技状態は、数ゲームで終了することが期待されるので、初期遊技状態のままでゲームが続いて遊技者を苛つかせてしまうようなことがない。
第1RTは、初期遊技状態とリプレイ当選確率が同視できる程度の差しかないので、初期遊技状態に比べて有利な遊技状態と言うこともできないが、第2RTは、初期遊技状態に比べてリプレイ当選確率が非常に高くなり、非常に有利な遊技状態であると言うことができる。このため、第1RTか第2RTかという期待感だけではなく、早期に初期遊技状態を脱して第2RTに移行させたいという期待感も遊技者に与えることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、初期遊技状態に制御された後に最初に導出される小役の種類に応じて、制御されるRTの有利度が異なるものとなっているが、次のゲームが初期遊技状態で行われることとなるときには、その旨が遊技者に報知されるものとなっている。このため、遊技者が気づかないうちに初期遊技状態からRT(第1RTまたは第2RT)に制御されてしまっているということがなくなり、新たにRTに制御される可能性があるときにおいて可変表示装置2に導出される表示結果に対して遊技者の関心を引きつけることができるようになる。
また、初期遊技状態からRT(第1RTまたは第2RT)に遊技状態を制御させる契機となる役は、スイカ、ベル、チェリーという小役であり、遊技状態をRTに制御させるための役を別に設ける必要はない。このため、入賞となる役の種類を一定の種類に抑えることができ、スロットマシン1における遊技を複雑化させることがない。また、入賞となる役の種類が多くならないので、内部抽選の処理やリール3L、3C、3Rの停止制御が複雑になることもない。
さらに、メダルの払出率が1よりも小さい第1RTへ制御されることとなるベルは、内部抽選によって当選していれば、取りこぼしなく入賞することとなっている役であるが、メダルの払出率が1よりも大きい第2RTへ制御されることとなるスイカ及びチェリーは、内部抽選によって当選していても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによっては取りこぼしの生じる役である。このように遊技者にとって有利な第2RTに制御するためには遊技者の技術介入も必要となるので、技量に応じて遊技者の得られる利益に差異が生じることとなり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、設定値の変更操作がされた(実際に設定値が変更されたかどうかを問わない)後は、初期遊技状態に制御されるものとなっているので、いずれの種類のRTに制御されるかというチャンスを、遊技者に公平に与えることができる。さらに、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスが終了した後にも、初期遊技状態に制御されるものとなっているので、レギュラーボーナスやビッグボーナスが終了したことで遊技者の興味を減退させることがなく、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、ベルの導出により第1RTに制御された後であっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選すれば第2RTに制御されるが、この場合を含めて第2RTにおいていずれの役にも入賞しなければ、3ゲームに亘る連続演出が開始されることとなる。いずれの役にも入賞せずにハズレの表示結果が導出されたときにも、この連続演出が開始されることによって遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、3ゲームに亘る連続演出が終了したときにおいて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していれば、ボーナス当選報知が行われることとなる。このように連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を、その結果が示される前のゲームから遊技者に期待させるものであり、非常に演出効果の高いものとなって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を遊技者に期待させる演出であるが、第1RTにおいてこれらの役に当選した場合でも、第2RTに遊技状態が制御されてから連続演出が開始されるものとなっている。第2RTは、リプレイ当選確率が非常に高く、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にも当選しているときでもリプレイの方が優先して導出されるため、連続演出の開始から終了までの間、なるべくレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞させずに、遊技者の期待感を煽ることができる。
さらに、連続演出を開始させる契機としていずれの役にも入賞しなかったことを定めているが、リプレイ当選したゲーム(ここでは、必ずリプレイ入賞)においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選はあり得ないので、連続演出の開始されたゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないことが分かってしまうことがなく、演出を無意味なものとさせないようにすることができる。一方、とりわけリプレイ当選確率が極めて高い第2RTにおいていずれの役にも入賞しなかったということは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性があるということなので、遊技者を落胆させることなく、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の期待感を与えることができるものとなる。
可変表示装置2の表示結果としてチャンス目が導出された場合、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性があるということとなるが、このときには、液晶表示器4においてもチャンス演出が行われる。このため、比較的遊技に不慣れな初心者で、可変表示装置2の表示結果がチャンス目であるかどうか判断がつかないような場合でも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性があることを確実に知ることができるようになる。
ところで、ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、メダルの払い出し枚数が465枚を越えると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイが内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのメダルを減らさないものであるがメダルの払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しメダル枚数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率よく進めることができるようになる。
また、遊技状態がビッグボーナスに制御されているときには、スタートレバー11の操作時においてRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されていないと、この時点でレギュラーボーナス中フラグを新たに設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御するものとしている。こうしてビッグボーナスは、払出メダル枚数が規定枚数に達するまで、レギュラーボーナスの繰り返しにより提供されるものとすることができ、ビッグボーナスにおいて遊技者が最大限の利益を得られるようにすることができる。しかも、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいことになる。
また、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われる。一方、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。このため、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(例えばリール制御の振分抽選など)などによりさらに選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
上記したように遊技状態毎に役別テーブルに登録されている各抽選対象役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭け数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM113に記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
また、初期遊技状態またはRTにおける判定値数には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、チェリーとの両方を抽選対象とするものが登録されている。ここで、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも持ち越されていなければ、内部抽選用の乱数の値によっては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、チェリーの両方に当選となる。
ここで、抽選対象の一方の役であるチェリーの当選に基づいて設定されたチェリー当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果によりチェリーに入賞したとしても、依然としてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されているという可能性もある。このため、チェリーに入賞したときであっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)の当選も遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
チェリーは、チェリー当選フラグが設定されていても停止ボタン12Lの操作タイミングによっては取りこぼしを生じさせ、メダルの払い出し枚数も比較的少ない小役ではあるが、初期遊技状態で入賞すれば、次にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで遊技状態を第2RTに制御させる役である。また、入賞によってレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選も期待させる役である。このようにメダルの払い出し枚数が少なくても遊技者に与える期待感の大きな小役を設けることで、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、乱数取得処理によって取得される内部抽選用の乱数は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工してから使用するものとしている。乱数発生回路115は、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数で高速に更新して乱数を発生しているが、ソフトウェアにより加工した後の内部抽選用の乱数では、その加工によって更新の周期性が失われるものとなる。
これに対して、内部抽選では各役に対応した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していくことにより行うため、各役を当選とする内部抽選用の乱数の値は、固まってしまうこととなる。これに対して、ソフトウェアによる加工で内部抽選用の乱数の周期性を失わせ、その値をバラつかせることによって、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
しかも、乱数発生回路115のカウンタ115b、115cの値を更新させるためにパルス発生回路115aが発生するパルス信号の周波数は、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、整数倍ともなっていない。このため、乱数発生回路115が発生する乱数の更新が、CPU111が行う処理と同期しにくくなる。しかも、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数の方を高くすることで、乱数発生回路115が発生する乱数の更新速度を非常に速いものとすることができる。
一方、ソフトウェアによる乱数の加工は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替え、第15、第7ビットをマスクした後、上位バイトをビットシフトするだけでよい。従って、16ビット(実際にはマスクされて14ビット)という比較的大きな乱数であっても、周期性を失わせるために必要な加工の処理に要する負荷がそれほど大きくならず、容易に取得することができる。このように大きな乱数が取得できることで、内部抽選における確率設定を細かく行うことができるようになる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、RAM112に記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM112に記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク112−4に格納されている設定値が適正な値(1〜6の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(例えば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。賭け数が適正な値でないときも、同様にRAM異常エラー状態に制御される。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行うことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいて改めてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、RAM112に記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時や制御部110が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧して制御部110が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行うようになっているので、RAM112に記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行うことができる。すなわち、RAM112に記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行わずに済み、制御部110の負荷を軽減させることができる。
また、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM112に記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域112−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域112−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM112のデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM112のデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確且つ簡便に行うことができる。
また、RAM112のデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM112に記憶されているデータが初期化される。このため、RAM112のデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行うことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、制御部110の起動時には、RAM112のデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ92がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ92がONの状態であると判定した場合には、RAM112のデータが正常であるか否かの判定は行わずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM112のデータが正常であるか否かの判定を行わずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
ところで、このスロットマシン1における各ゲームは、スタートレバー11の操作によりリール3L、3C、3Rを回転開始させるように制御を移したときに開始され、可変表示装置2に表示結果が導出されるか、該表示結果により小役入賞していたときにはメダルの払い出しを完了したときに終了とされる。この開始から終了までのゲームが行われている期間は、賭け数の設定もクレジットの精算も禁止されるものとなっている。ここで、ビッグボーナスが終了したときのフリーズ状態には、1ゲームの終了と判定された後に制御されるものとなっている。
フリーズ状態は、ゲームの進行を不能とするので賭け数の設定は禁止されたままであるが、クレジットの精算は、フリーズ状態に制御される前のゲームの終了と判定された段階で禁止が解除されるものとなっている。このため、フリーズ状態に制御されていて賭け数の設定が禁止されていても、遊技者は、クレジットの精算をすることが可能になるので、可能な限り遊技者の意志を反映して、遊技者所有のメダルとして記憶されているクレジットに応じたメダルの払い出しを受けることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、連続演出は、その開始からのゲーム数に応じて行われるだけであり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選状況に応じて異なる内容の演出となることはなかった。これに対して、連続演出を開始させる際に、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選状況に応じて定められた演出パターンを選択し、選択した演出パターンに従って連続演出を行うべき期間にある各ゲームの演出を行い、その最後にボーナス当選の有無を報知するものとしてもよい。
この場合には、連続演出が開始された後のゲームにおいて、新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選する場合がある。この場合には、最初に選択したパターンでボーナス非当選を一旦報知した後、追加演出を実行して改めてボーナス当選を報知するものとすることができる。また、選択したパターンの一部、例えば連続演出の最後のゲームにおける演出の内容を差し替えるものとすることもできる。追加演出の実行と演出の内容との差し替えを併用し、そのいずれかを選択するものとしてもよい。なお、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したかどうかは、連続演出が行われている間の各ゲームで判断してもよいが、連続演出が終了するゲームにおいて内部抽選が終了した後に判断するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出は、第2RTにおいて可変表示装置2にハズレの表示結果が導出されたときに開始されるものとしていた。もっとも、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を最終的に報知するものであり、これらの役の当選を遊技者に期待させるものである。そこで、内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したとき、もしくは全ての役にハズレとなったときに、連続演出を開始させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、1ゲームの終了時において遊技状態コマンドを受信したときに、これに基づいて初期報知を行うものとしていた。従って、設定値を変更した後の最初のゲームでは、初期遊技状態に制御されているものの、初期遊技状態でゲームが行われることが遊技者に報知されないものとなっていた。そこで、例えば、設定値を変更して初期遊技状態に制御されたときにも遊技状態コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信し、演出制御基板102のCPU121は、1ゲームの開始時(例えば、当選状況通知コマンドの受信時)にRAM122に保存されている遊技状態を参照し、初期遊技状態であれば、初期報知を行うものとしてもよい。また、1ゲームの開始時においても遊技状態コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信し、これに基づいて1ゲームの開始時において初期報知を行うものとしてもよい。
もっとも、上記の実施の形態のように設定値を変更した直後のゲームで初期報知が行われなくても、設定値を変更した後の2ゲーム目で初期報知が行われると、初期遊技状態にあることが遊技者に分かってしまう。これによって、遊技店の開店時から遊技を開始した遊技者には、前日の閉店から開店までの間に設定値が変更されたことが分かってしまう。そこで、設定値の変更があった旨を示すコマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信し、演出制御基板102のCPU121は、設定値が変更された後に最初に第1RTまたは第2RTに遊技状態が制御されるまでは、初期遊技状態にあっても遊技状態を報知しないものとしてもよい。これにより、設定値の変更が遊技者に察知されなくなる。
さらに、このような遊技状態が初期遊技状態に制御されている旨を示す初期報知を全く行わないものとしてもよい。初期報知を全く行わない場合も、設定値の変更が遊技者に察知されなくなる。また、初期報知を全く行わないと、一旦制御された第1RTまたは第2RTが規定ゲーム数の消化により終了したかどうかを知るためには、遊技者が膨大なゲーム数を数えていなくてはならない。遊技店が開店した後、しばらくしてから遊技を開始した遊技者にとっては、初期遊技状態に制御されているのかどうか分からない。特に第1RTは、初期遊技状態と区別がつくようなリプレイ当選確率の違いがない。このため、実際には第1RTに制御されている場合であっても、第2RTに制御させる可能性がある初期遊技状態に制御されていることを遊技者に期待させることができるようになる。
上記の実施の形態では、第1RTに制御されているときにおいて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、第1RTを終了させて、第2RTに遊技状態を制御するものとしていた。もっとも、このような場合には、第1RTを終了させるものの、第2RTではなく初期遊技状態に遊技状態を制御するものとしてもよい。
また、上記したレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)以外の所定の特別役を設け、第1RTまたは第2RTにおいて所定の特別役に入賞したときに、第1RTまたは第2RTから所定の遊技状態(例えば、1ゲームまたは2ゲームの期間だけ継続するボーナスのように、レギュラーボーナスやビッグボーナスよりも払出メダル枚数の期待値が小さいものが好ましい)に遊技状態を制御し、当該所定の遊技状態が終了した後に、初期遊技状態に遊技状態を制御するものとしてもよい。所定の特別役は、当選時において取りこぼしのないものであってもよい。取りこぼしがある場合もない場合も、所定の特別役の当選時に第1RTまたは第2RTを終了させるものとしてもよい。
ここで、所定の特別役の当選確率は、スイカの導出に基づく第2RTの継続ゲーム数の逆数(すなわち、1/100)よりも小さくすることが好ましい。
このように初期遊技状態において最初に導出された小役の種類によって第1RTまたは第2RTに制御された後でも、所定の特別役に当選したときには、再び初期遊技状態に遊技状態が制御されるものとなっている。このため、一旦いずれかの種類のRTに制御されてから、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞する前でも、異なる種類のRTに制御されることが生じるので、遊技の進行態様が豊富となり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。また、所定の特別役の当選確率を第2RTの継続ゲームの逆数よりも小さくするならば、遊技者にとっての有利度が高い第2RTのパンクが頻繁に生じるのを避けつつ、遊技者にとっての有利度が低い第1RTに制御された後でも遊技者の期待感を維持させるということができる。
また、所定の特別役により終了させられるRTは、遊技者にとっての有利度が低い第1RTだけとしてもよい。この場合における所定の特別役の当選確率は、スイカの導出に基づく第2RTの継続ゲーム数の逆数(すなわち、1/100)よりも高くても低くてもかなわない。この場合には、遊技状態が第1RTにあるときであっても、所定の特別役の当選により所定の遊技状態を経た後に初期遊技状態に制御され、さらにはそこでの最初の小役入賞の種類に応じて第2RTに制御されるという期待感も遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、第1RTにおけるリプレイの判定値数は、初期遊技状態におけるリプレイの判定値数よりも1だけ大きく、非常に僅かながら第1RTにおけるリプレイ当選確率が初期遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも高くなるものとしていた。もっとも、第1RTにおけるリプレイの判定値数を初期遊技状態におけるリプレイの判定値数よりも小さいものとし、第1RTにおけるリプレイ当選確率を初期遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも低くしてもよい。
上記の実施の形態では、初期遊技状態において最初に導出された小役の種類に応じて第1RTまたは第2RTに遊技状態が制御されるものとなっており、初期遊技状態においてリプレイが導出されても、第1RTにも第2RTにも制御されることなく初期遊技状態のままとされていた。もっとも、初期遊技状態においてリプレイが導出されたときに、第1RTまたは第2RTのいずれか(リプレイに対応して予め定められた方)に遊技状態を制御するものとしてもよい。また、再遊技役としてリプレイA(例えば、JAC−JAC−JAC)とリプレイB(JAC−JAC−ベル)の2種類を用意し(それぞれ別々に内部抽選の対象役となる)、初期遊技状態において最初にリプレイAが導出されたときには第1RTに遊技状態を制御し、リプレイBが導出されたときには第2RTに遊技状態を制御するものとしてもよい。
このようにリプレイの導出により第1RTまたは第2RTに遊技状態を制御するものとした場合、初期遊技状態Aと、これよりも第2RTに遊技状態を移行させる役の当選確率が高い(他の役の当選確率を同じとした場合)初期遊技状態Bとを設けてもよい。第1RTに遊技状態を移行させるリプレイAと第2RTに遊技状態を移行させるリプレイBの2種類のリプレイがある場合、小役の当選確率を同じとするか小役の導出では第1RTと第2RTのいずれにも移行させないものとすると、(リプレイBの当選確率/リプレイAの当選確率)が初期遊技状態Aより初期遊技状態Bで高くなるものとしてもよい。
ここで、(リプレイBの当選確率/リプレイAの当選確率)を初期遊技状態Aより初期遊技状態Bで高くするには、リプレイ全体としての当選確率は同じであるが、リプレイBの当選確率を初期遊技状態Aより初期遊技状態Bで高くなるものとしても、リプレイAの当選確率を同じとするが、リプレイBの当選確率を初期遊技状態Bで高くするものとしてもよい。つまり、初期遊技状態Bは、第2RTに移行する確率が初期遊技状態Aよりも高いチャンス用RTとすることができる。
このように2種類の初期遊技状態A、Bがある場合において、例えば、レギュラーボーナスが終了した後には初期遊技状態Aに遊技状態を制御し、ビッグボーナスが終了した後には初期遊技状態Bに遊技状態を制御するものとしてもよい。また、規定ゲーム数の消化により第1RTが終了したときには、初期遊技状態Aに遊技状態を制御するものとすることができる。なお、設定値の変更操作が終了した後には、初期遊技状態Aに遊技状態を制御するものとすることができる。
このようにレギュラーボーナスの終了後には初期遊技状態Aに遊技状態を制御するが、ビッグボーナスの終了後にはメダルの払出率が1を越える第2RTに移行しやすい初期遊技状態Bに遊技状態を制御するものとすることで、ビッグボーナスの終了後に遊技者が手持ちのメダルを減らさずに次のボーナス(レギュラーボーナスまたはビッグボーナス)を迎えることができる場合が多くなる。これにより、ビッグボーナスに対する遊技者の期待感をさらに高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。ボーナス告知がされているような場合でも、当選しているボーナスの種類に対する遊技者の関心も一層高めさせることができる。
一方、レギュラーボーナスが終了した後の初期遊技状態Bからも第2RTに移行される場合はあるので、レギュラーボーナスであったからといって遊技者の期待感を減退させてしまうことはない。さらに、第1RTが規定ゲーム数の消化により終了した後には初期遊技状態Bではなく初期遊技状態Aに制御するものとすることでも、ビッグボーナスに対する遊技者の期待感を一層高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。設定値の変更操作が終了した後に制御される初期遊技状態も初期遊技状態Aであるため、第2RTに移行する確率が高い初期遊技状態Bは、ビッグボーナスに付随した特別な初期遊技状態とすることができ、ビッグボーナスに対する遊技者の期待感を一層高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、初期遊技状態から第1RTまたは第2RTに遊技状態を移行させるための表示態様は、必ずしもリプレイや小役のような入賞となる役の表示態様でなくてもよい。内部抽選で全ての役にハズレとなったときや、何らかの役に当選していても停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によって導出されるハズレの表示態様のうちの所定の表示態様としてもよい。
上記の実施の形態では、初期遊技状態においてベルに入賞したときに第1RTに遊技状態を制御し、スイカまたはチェリーに入賞したときに第2RTに遊技状態を制御するものとしていた。第2RTは、リプレイ以外の役の当選確率は第1RTと変わらないが、リプレイ当選確率が第1RTよりも高くなることで、第1RTよりも遊技者にとって有利な遊技状態となるものであった。もっとも、スイカまたはチェリーに入賞したときに制御される遊技状態は、ベルに入賞したときに制御される遊技状態と各役の当選確率は同じとするが、内部抽選において当選している小役に入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を告知する(当選役の種類そのものを告知することで当選役に入省させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングを遊技者が認識できるものとする、或いは当選役の入賞が可能または容易となる停止ボタン12L、12C、12Rの操作順序を報知する)遊技状態(いわゆるAT)であってもよい。RTとATを組み合わせたARであってもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスの終了時において一定期間だけ遊技の進行を不能とするフリーズ状態に制御するとともに全ての演出を停止させるフリーズ演出を行っていたが、このフリーズ演出は、ビッグボーナスの開始時、すなわちビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞した直後に行うものとしてもよい。ビッグボーナスの開始時においてフリーズ演出を行う場合も、ビッグボーナスの終了時においてフリーズ演出を行う場合と同様に、クレジットの精算だけは行うことができるものとすることができる。さらに、ビッグボーナスの終了時において打ち止め制御を行うものとしてもよい。この打ち止め制御を行っている場合も、フリーズ演出が行われている場合と同様にクレジットの精算だけは行うことができるものとすることができる。
上記の実施の形態では、3つのリール3L、3C、3Rのうち一部が既に停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるために停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト全体を下位バイトで置換し、下位バイト全体を上位バイトで置換するという入れ替えを行っていた。これに対して、乱数発生回路115から抽出した乱数のビットのうちの特定のビットのデータを他のビットのデータ(但し、マスクされる第7、第15ビット以外)で置換するだけであってもよい。また、乱数発生回路115から抽出した乱数の値を、そのまま内部抽選用の乱数として取得するものとしてもよい。さらに、上記の実施の形態とは異なる方法により内部抽選用の乱数に加工するものとしてもよい。
図24は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS102)の第1の変形例の説明図である。この第1の変形例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)は、そのままにしておく。
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイトに加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
図25は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS102)の第2の変形例の説明図である。この例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。また、汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)にもリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイト及び下位バイトにそれぞれ加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
以上説明した第1、第2の変形例では、リフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出し、これを乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(第2変形例では、さらに下位バイト)に加算して、乱数の加工を行うものとしている。ここで適用した乱数の加工には、少なくとも加工用の乱数を上位バイトに加算する処理を含んでいる。これにより、内部抽選用の乱数のバラツキを大きくすることができ、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
また、加工用の乱数をリフレッシュレジスタ111Rから抽出するものとしたことで、加工用の乱数を生成する手段として特別な構成が必要ない。しかも、リフレッシュレジスタ111Rの値は、CPU111の命令フェッチ毎に更新されるもので、その更新間隔は一定しないので、ランダム性の高い乱数を加工用の乱数として抽出することができる。そして、加工用の乱数のランダム性が高いことから、これを用いて生成される内部抽選用の乱数のランダム性も高くなる。
なお、上記第1、第2の変形例において、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(及び下位バイト)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した値を加算していたが、リフレッシュレジスタ111R以外でハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算してもよい。また、リフレッシュレジスタ111Rから抽出した値(或いは、リフレッシュレジスタ111Rに代わるものの値)を加算するのではなく、減算や、論理和、論理積などの論理演算を行ってもよい。
また、上記の実施の形態で示した上位バイトと下位バイトとの入れ替えのようなビットの置換を、第1、第2の変形例に併用するものとしてもよい。上記第1、第2の変形例においても、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐため、CPU111に対する割り込みが禁止されるものとなる。
また、第2の変形例においては、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトにそれぞれ加算する加工用の乱数を、リフレッシュレジスタ111Rから異なるタイミングで別々に抽出してもよい。上位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段と、下位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段とを別々に用意し、それぞれから上位バイト用、下位バイト用の加工用の乱数を抽出する手段を設けるものとしてもよい。この場合において、上位バイト用の加工用の乱数を更新する手段と下位バイト用の加工用の乱数を更新する手段の一方をリフレッシュレジスタ111Rによって構成するものとすることができる。
なお、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のいずれにおいても、第7、第15ビットがマスクされて、内部抽選用の乱数が生成されるものとしていた。すなわち、内部抽選用の乱数の値は、14ビットにより表されるもので、0〜16383の範囲をとるものであった。もっとも、第7ビット、第15ビットのマスクを行うことなく、16ビットにより表される値をそのまま内部抽選用の乱数として適用することもできる。この場合、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲に応じて、内部抽選の対象役毎の判定値数をROM113に登録しておくものとすればよい。
一方、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のように第7、第15ビットをマスクして内部抽選用の乱数を生成するものとした場合には、当該マスクした2ビットにより表される数値を、内部抽選とは別の決定(例えば、演出の種類の選択など)を行うための乱数として適用することができる。これにより、乱数発生回路115から抽出した乱数の全てのビットを有効に用いることができる。
図26は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS102)の第3の変形例の説明図である。この例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116とを接続する信号配線は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順になるように接続されている。従って、サンプリング回路116がラッチするデータは、乱数発生回路115が出力しているデータ信号とは、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。
CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、上位8ビットと下位8ビットとを別々にサンプリング回路116から取り込んで、RAM112に設けられた内部抽選用の乱数の格納領域に一時格納する。内部抽選用の乱数の格納領域は、2バイト分設けられており、上位バイトの格納領域を上位領域、下位バイトの格納領域を下位領域と呼ぶものとする
CPU111がサンプリング回路116から数値データを取り込むときには、サンプリング回路116がラッチした乱数の上位8ビットを下位領域に取り込み、ラッチした乱数の下位8ビットを上位領域に取り込む。従って、CPU111がサンプリング回路116から内部抽選用の乱数の格納領域に取り込んだ数値データは、乱数発生回路115が発生しているデータ信号とは、ビットの並び順が完全に逆順となる。
なお、サンプリング回路116がラッチした乱数、或いはこれをCPU111が加工した乱数については、上位バイト、下位バイト毎に最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第7ビットと呼ぶものとする。また、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明し、サンプリング回路116がラッチした数値データも、その値に応じた乱数として説明するものとする。
上記したように、乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116でラッチすると、そのラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる((a)〜(b))。CPU111は、サンプリング回路116のラッチした乱数の上位8ビットを上位ポートからRAM112の下位領域に、下位8ビットを下位ポートからRAM112の上位領域に領域に取り込む((b)〜(d))。こうしてRAM112の上位領域と下位領域に取り込まれた数値データにより構成される16ビットの数値データが、加工前の乱数ということとなる。
下位領域のデータは、その後の加工で書き換えられてしまうが、その後にも加工前の乱数の下位領域のデータを用いることがあるので、加工前の下位領域のデータを待避データとしてRAM112の所定の待避領域に待避しておく。次に、CPU111は、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(e)。次に、上位領域のデータを読み出し、データを1ビットずつ下位(右)にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(f)。
次に、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域と下位領域の両方に格納する(g)。さらに、待避領域のデータ78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(h)。そして、上位領域のデータと待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(i)。このとき上位領域に格納されているデータを上位8ビットとし、下位領域に格納されているデータを下位8ビットとした数値データが、内部抽選用の乱数として取得されることとなる(j)。
なお、ここで最終的に生成される内部抽選用の乱数は、パルス信号の入力毎に、ほぼランダムに値が現れてくることとなる。すなわち、連続性も周期性も排除されたものとなる。ここでは、乱数発生回路115の数値のように完全に値が連続した状態から、ランダムに非連続な値が現れる状態に近づくことを、バラつくというものとする。例えば、乱数発生回路115の数値からサンプリング回路116の数値への変化、サンプリング回路116の数値から加工前の乱数への変化、加工前の乱数から内部抽選用の乱数の乱数への変化、のいずれも値がバラつくものに該当する。バラツキ、バラケるなどといった場合も同じである。
この第3の変形例では、上位領域のデータと下位領域のデータとの最終的な排他的論理和演算(図26(i))を行う前に、上位領域のデータから11hを減算し(図26(e))、下位に1ビットローテイトし(図26(f))、下位領域のデータと排他的論理和演算して(図26(g))、上位領域のデータを予め加工しておくものとしていたが、必ずしもこれらの全てを必要とする訳ではなく、いずれか1つまたは2つを適用し、最終的な排他的論理和演算の前における上位領域のデータの加工は全くなくてもよい。このときの上位領域のデータが内部抽選用の乱数における最終的な上位バイトのデータとなるものとしてもよい。図26(e)〜(f)の処理を行う順番は、任意の順番に入れ替えることができる。
また、図26(e)で減算する値は11hに限るものではなく、00h以外の任意の値を加算または減算することができ、図26(f)でローテイトするのは下位に1ビットに限るものではなく、7ビットまでの任意のビット数だけ上位または下位にローテイトすることができる。図26(g)で排他的論理和演算される下位領域のデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータに対して所定の演算を行ったものであってもよい。上位領域のデータに対して行う演算としては、これ以外の演算式による演算も適用することができる。さらには、図26(i)で上位領域のデータに対して排他的論理和演算される待避領域のデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータであってもよく、図26(e)〜(g)とは異なる所定の演算を行ったデータであってもよい。
また、内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータは、乱数発生回路115から最初に下位領域に入力したデータがそのまま適用されるものとしてもよい。図26(h)で78hを加算した後の待避領域のデータを内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。或いは、図26(g)で下位領域に格納した排他的論理和演算の結果のデータに78hを加算して、最終的な下位バイトのデータとしてもよい。さらには、下位領域のデータに対して行う演算として、これ以外の演算式による演算を適用し、その演算結果を内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。
なお、CPU111の有する命令セットが2アドレス方式または3アドレス方式の場合には、RAM112の上位領域に格納されたデータから11hを減算し、その減算結果のデータを上位領域に格納するものとし、また、RAM112の上位領域に格納されたデータと、同じくRAM112の下位領域に格納されたデータとを排他的論理和演算し、その排他的論理和演算の結果のデータを上位領域に格納するものとすることができる。
これに対して、CPU111の有する命令セットが1アドレス方式である場合には、例えば図26(e)のような減算を行う場合に、RAM112の上位領域に格納されたデータをまずアキュムレータ(汎用レジスタ)にロードし、アキュムレータのデータから11hを減算して減算結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ここでは、RAM112の上位領域に格納されたデータをアキュムレータにロードしたときに、当該アキュムレータは実質上は上位領域として作用することとなり、ここでは上位領域のデータに対して未だ演算を行うので、アキュムレータのデータをRAM112の上位領域に未だストアする必要はない。
図26(f)では、図26(e)の減算の結果が格納されているアキュムレータのデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。図26(g)では、図26(f)の演算の結果が格納されているアキュムレータのデータに対してRAM112の下位領域に格納されているデータをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータをアキュムレータに格納するものとなる。この時点では依然として、アキュムレータがRAM112の上位領域として作用しているので、図26(g)→(j)では、アキュムレータのデータをRAM112の下位領域にストアすればよいこととなる。
さらに、図26(h)では、RAM112の待避領域のデータをアキュムレータにロードするが、ここでアキュムレータは待避領域として作用することとなり、アキュムレータのデータに11hを加算してアキュムレータに格納すればよい。図26(i)では、アキュムレータのデータをRAM112の上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算し、その結果をアキュムレータに格納することとなるが、排他的論理和演算の結果が格納された後のアキュムレータは、再び上位領域として作用することとなる。
このように1アドレス方式の命令セットを有するCPU111におけるアキュムレータは、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる(もっとも、上記のような乱数の加工法では、アキュムレータが下位領域として作用することはない)。同様に0アドレス方式の命令セットを有するCPU111におけるスタックも、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる。
また、CPU111が複数の汎用レジスタを有するのであれば、RAM112に上位領域及び下位領域を設けるのではなく、いずれかの汎用レジスタ2つを上位領域及び下位領域として適用するものとしてもよい。特にCPU111が1バイトの汎用レジスタの他に、2バイトの汎用レジスタを有すれば、これを上位領域及び下位領域のために用いるものとしてもよい。
また、RAM112において、サンプリング回路116から取り込んだ2nビットの数値データを格納する領域にも、最終的に生成された内部抽選用の乱数を格納する領域にも、同じ上位領域と下位領域とを用いていたが、別々の領域を用いるものとしてもよい。例えば、最終的に生成される内部抽選用の乱数が格納される2バイトの乱数領域を、上位領域及び下位領域とは別に設けるものとした場合、上位領域のデータを乱数領域の下位バイトに格納し、図26(i)の排他的論理和演算の結果のデータを乱数領域の上位バイトに格納するものとすればよい。
なお、この第3の変形例では、内部抽選用の乱数のビット数は、乱数発生回路115の発生する乱数のビット数と同じ16ビットであって0〜65535の値をとるものとなっている。この場合、各役の判定値数は、乱数の大きさに応じた値とする(例えば、上記の実施の形態の場合の4倍とする)ものとすればよい。また、上記の実施の形態における乱数の生成と同時に、16ビットのうちの一部のビット(上記の実施の形態では、第7ビットと第15ビット)を間引くことにより、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲がこれより小さくなるものとしてもよい。間引いた2ビットの数値は、他の処理(例えば、ボーナス告知のための演出など)の抽選に用いることができる。これにより、間引いたビットの数値も有効に利用することができる。
この第3の変形例における内部抽選用の乱数の生成方法は、図27〜図30にそれぞれ示すように、図26(a)〜(d)の過程を変更することができる。
図27の例では、図26(a)〜(b)の場合と同様に乱数発生回路115の発生する乱数を、上位8ビットと下位8ビットとでそれぞれビットの並び順を入れ替えてサンプリング回路116が取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路116が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM112の上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM112の下位領域に取り込む(b)〜(d)。その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(e)。
なお、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線の接続順を逆順にして、RAM112に最初に取り込まれる乱数について上位バイトと下位バイトのビットの並び順を逆順とするのではなく、サンプリング回路116と上位ポート:下位ポートとの間の配線の接続を逆順にして、RAM112に最初に取り込まれる乱数についての上位バイトと下位バイトのビットの並び順を、乱数発生回路115の発生する乱数と逆順にするものとしてもよい。この点は、図26の例においても適用することができる。
図28の例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線の接続が逆順になってなく、まず、乱数発生回路115の発生する乱数を、そのままのビットの並び順でサンプリング回路116が取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路116が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM112の上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM112の下位領域に取り込む(b)〜(d)。
その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替える(e)。さらに、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(f)。なお、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えるのを先に、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データとを入れ替えるのを後にしてもよい。
図29の例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線が、上位バイトと下位バイトとで逆になり、それぞれのバイト内ではビットの並び順が変わらないように接続されている。ここでは、乱数発生回路115の発生する乱数を、上位バイトと下位バイトとを入れ替えてサンプリング回路に取り込む(a)〜(b)。次に、サンプリング回路116が取り込んだ乱数の上位8ビットを上位ポートを介してRAM112の上位領域に、下位8ビットを下位ポートを介してRAM112の下位領域に取り込む(b)〜(d)。
その後、ソフトウェアの処理により、上位バイトに格納された数値データと下位バイトに格納された数値データのビット並び順をそれぞれ逆順に入れ替えて、加工前の乱数を取得するものとしてもよい(e)。なお、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線に並び順の変更がなく、サンプリング回路116の上位バイトがCPU111の下位ポートに、下位バイトが上位ポートに接続されているものとしてもよい。
図30の例では、乱数発生回路115とサンプリング回路116との間の配線が、完全に逆順に接続されている。ここでは、サンプリング回路116が乱数発生回路115の発生する乱数のビットの並び順を完全に逆順にして取り込む(a)〜(b)。そして、サンプリング回路116に取り込まれた乱数の上位バイト、下位バイトをそのまま上位ポート、下位ポートを介して、RAM112の上位領域、下位領域に取り込むものとすればよい(b)〜(d)。
また、この第3の変形例における内部抽選用の乱数の上位バイトと下位バイトにおけるそれぞれのバイト内でのビットの並び順は、必ずしも逆順に限るものではなく、例えば、それぞれのバイト内の最上位ビットと最下位ビットとを入れ替えるだけのものであってもよい。もっとも、とりわけタイミングの違いに応じた値の変化が少ない乱数発生回路115の発生する乱数の上位バイトは、なるべく多くのビットが入れ替えられることが好ましい。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115が発生する乱数、すなわちハードウェア乱数機能により抽出した乱数をソフトウェアにより加工する場合に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、上記したソフトウェアによる乱数の加工は、ソフトウェアにより周期的に更新される乱数に適用してもよい。例えば、制御部110を構成するマイクロコンピュータとは第1のマイクロコンピュータにおいてタイマ割り込みなどにより周期的に更新される乱数を、CPU111が第2のマイクロコンピュータに指示を送って抽出させ、I/Oポート114を介してCPU111に入力して、汎用レジスタ111GRに格納するものとすることができる。第2のマイクロコンピュータの機能は、制御部110を構成するマイクロコンピュータに含まれていてもよい。この場合にも、加工後に取得される乱数の値をバラつかせることができるようになり、遊技者による狙い打ちの防止の効果を図ることができる。
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、或いはビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。
上記の実施の形態では、初期遊技状態、第1RTまたは第2RTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、初期遊技状態、第1RTまたは第2RTにおいても、賭け数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭け数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
初期遊技状態、第1RT及び第2RTで賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。また、初期遊技状態、第1RT及び第2RTにおいて賭け数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭け数1〜3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭け数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにあってRAM112にビッグボーナス中フラグ(ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグ)が設定されているゲームではスタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定し、レギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。こうしてビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいものとしていた。
これに対して、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときにRAM112にビッグボーナス中フラグとともにレギュラーボーナス中フラグを設定し、ビッグボーナス中でレギュラーボーナスの終了条件が成立したときには該レギュラーボーナス中フラグを消去する。ここで、レギュラーボーナス中フラグが消去されたときにおいて、ビッグボーナスの終了条件が成立していないと判定されてビッグボーナス中フラグがRAM112に設定されている状態となっていれば、再びレギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定して、そのまま新たなレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合には、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞によりビッグボーナスが制御されたときに同時にレギュラーボーナスに制御することができ、また、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに即座にレギュラーボーナスに復帰できることとなる。
また、ビッグボーナスの遊技状態は、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞で小役ゲームを提供し、さらに小役ゲームでのJACIN当選に基づいてJACIN(例えば、「リプレイ−リプレイ−JAC」で小役ゲーム中において内部抽選の対象役となる)に入賞することで、遊技状態をビッグボーナス中のレギュラーボーナスを提供するものとしてもよい。ビッグボーナス中に1セット分のレギュラーボーナスが終了し、未だ払出メダル枚数が465枚を越えていなければ、再び小役ゲームに制御するものとすることができる。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。