以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるスロットマシン1の正面図である。このスロットマシン1は、遊技島に固定される基枠と、この基枠の側端に回動自在に枢支された本体枠と、更にこの本体枠の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成される筐体内に構成部品が納められている。図1で示されているのは、前面扉の前側に当たる部分である。
この実施の形態のスロットマシン1の本体枠の中央上寄りには、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)を水平方向に並設して収納するリールユニットが配されている。これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓から見えるように配置されており、このリールユニットと透視窓とで可変表示装置2が構成されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。ここで、「JAC」、「スイカ」及び「ベル」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。左のリール2Lには、「赤7」、「白7」、「BAR」が1つずつ互いに7コマ以内の間隔で配置されている。右のリール2Rには、「BAR」、「赤7」または「白7」のいずれかが互いに5コマ以内の間隔で配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓において各々上中下三段に表示される。
可変表示装置2には、後述するレギュラーボーナスにおいて賭け数として1が設定されているときには、中段の1本の入賞ラインが設定される。レギュラーボーナス以外では賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、この賭け数として3が設定されているときには、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。この入賞ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図8参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器51において行われる演出としては、詳細を後述する連続演出や追加演出がある。また、液晶表示器51には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方位置には、ゲームに使用する遊技球(パチンコ球)及び払出装置200から払い出された遊技球を貯留する(待機させる)ための上皿26が設けられた操作台4が前方に向けて膨出するように形成されており、その下方には、上皿26から溢れた遊技球や上皿26から返却された遊技球を貯留する下皿25が設けられている。なお、下皿25の底面には、下皿25に貯留された遊技球を取り出すための取出口25aが形成されており、下皿25の前部に設けられたレバー25bのスライド操作により取出口25aを閉塞するシャッタ25cを開放することで、下皿25に貯留された遊技球が下皿25の下方に配置される図示しない球箱等に流出し、下皿25に貯留された遊技球を容易に取り出すことができるようになっている。
また、操作台4の上面には、上皿26から遊技球1球の取込を指示する際に操作される1球取込スイッチ5及び上皿26から遊技状態に応じて定められた規定数の賭け数(この実施の形態では後述の通常遊技状態及び小役ゲームにおいては15、後述のレギュラーボーナスにおいては5)を設定するのに必要な数の遊技球の取込を指示する際に操作されるMAXBETスイッチ6、取込済球を精算して上皿26に返却させる際、または上皿26に貯留されている遊技球及び後述する取込装置100内の遊技球を下皿25に返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、並設されたカードユニット400に受付中のプリペイドカードから読み出された有価価値の残額が表示される残額表示器28、残額表示器28に表示された有価価値の残額の範囲で遊技球の貸出を受ける際に操作される球貸スイッチ29、並設されたカードユニット400に受付中のプリペイドカードを返却させる際に操作される返却スイッチ30、がそれぞれ配設されているとともに、操作台4の前面には、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが配設されている。
また、MAXBETスイッチ6には、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による遊技球の取込操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図8参照)が内蔵されており、精算スイッチ10には、後述する取込準備球通路110(図4参照)内に遊技球が残存している旨を点灯により報知する残存球報知LED114(図8参照)が内蔵されており、ストップスイッチ8L、8C、8Rには、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図8参照)がそれぞれ内蔵されている。
また、液晶表示器51と操作台4の間には、遊技状態が後述するビッグボーナスにあることを示すHITランプ9、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作により取り込まれて賭け数の設定に使用された使用済球数と取り込まれたもの最小単位の賭け数を設定する際に必要な単位球数(この実施の形態では5球)に満たないために未だ賭け数の設定に用いられていない未使用球数との合算値である取込済球数や入賞の発生に伴う賞球数のうち既に払い出された払出済球数が表示される取込済球/払出済球表示器11、後述するビッグボーナス中の総賞球数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭け数が1単位(遊技球5個で1単位)設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭け数が2単位設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭け数が3単位設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、遊技球の取込が可能な状態を点灯により報知する取込要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、操作台4の上部位置には、上皿26に貯留されている遊技球を、後述する取込装置100を経由させることなく球抜き通路120を介して下皿25に返却させる際に操作される球抜きレバー31が設けられている。
図3に示すように、上皿26は操作台4の上面に凹設され、上面が開放されており、遊技球を貯留する(待機させる)ための凹状の貯留部26aと、貯留部26aから取込装置100に向けて流下する遊技球を整流する帯状の整流部26bと、から構成されている。貯留部26aは、遊技者が遊技球を投入可能なように、スロットマシン1の前後方向(図3中上下方向)に向けて広がるように幅広に形成されており、その底面は右側の取込装置100に向けて下方に傾斜する傾斜面とされている。また、この貯留部26aは、操作台4の上面に、スロットマシン1の前面を正面から見て左側の端部、すなわち、スロットマシン1の前面の左右方向中央位置(図3中1点鎖線で示す中央線Pの位置)よりも左側の領域に形成されている。
一方、整流部26bは、貯留部26aの右側端部から右側の取込装置100の上方位置に向けて左右方向に延びるように延設され、その前後幅は貯留部26aの前後幅よりも短寸な細長帯状に形成され、底面は右側の取込装置100に向けて下方に傾斜する傾斜面とされている。また、整流部26bには、左右方向を向く整流板が前後幅方向に向けて2枚立設され、これら整流板により3条の整流通路がそれぞれ形成されており、貯留部26aに貯留された遊技球は3条に分流されて取込準備球通路110に流入し、取込装置100に供給されるようになっている。
このようにこの実施の形態では、上皿26に貯留された遊技球が整流部26bで3条に分流されて取込装置100に供給されるため、上皿26から取込装置100への遊技球の供給速度を向上させることが可能となり、これにより取込装置100による遊技球の取込速度も向上させることができる。なお、この実施の形態では3条の整流通路にて構成されているが、2条または4条以上の通路としても良い。
また、図3〜図4に示すように、整流部26bの下流部、すなわち、上皿26から流入した遊技球を取込装置100に導いて供給するための取込準備球通路110との連設部には、整流部26bを流下する遊技球を球抜き通路120内に流出させるための流出口121が形成されている。流出口121は、球抜きレバー31のスライド操作に連動して開閉するように設けられた開閉シャッタ122により開閉されるようになっており、該開閉シャッタ122を開放することで、上皿26の遊技球は流出口121から球抜き通路120内を流下し、後述する返却球誘導通路109に合流して払出口9から排出され、下皿25に返却されるようになっている。すなわち、球抜きレバー31の操作により開閉シャッタ122を開閉させることで、上皿26の遊技球の流路を取込装置100に連通する取込準備球通路110側または下皿25に連通する球抜き通路120及び返却球誘導通路109側のいずれかに切り換わるとともに、開閉シャッタ122を開放させることで、上皿26の遊技球は、取込装置100を経由することなく下皿25に返却される。なお、流出口121の近傍には、流出口121を開放する開放位置に位置している開閉シャッタ122を検出するための開閉シャッタ検出スイッチ123(図8参照)が設けられている。
また、1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10は、図3に示すように、操作台4の上面における前記中央線Pよりも右側の領域にそれぞれ配設されている。つまり、中央線Pを基準として、操作台4の上面における貯留部26aの配設位置と反対側に配設されており、貯留部26aと1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10とは、操作台4の上面における左右方向の両端部側にそれぞれ互いに所定距離離間して配設されていることになる。
よって、遊技者は、図3中点線で示されるように、例えばストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する右手にて、1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、精算スイッチ10を操作することができ、反対側の左手にて、例えば下皿25等に貯留された遊技球を、上皿26における貯留部26aに投入(補給)することができる。これにより遊技者によるゲーム操作と貯留部26aへの遊技球の取込操作とを左右の手で効率よく行うことができるため、ゲームを進行するための操作性が効果的に向上する。
上皿26は、上面が開口する皿状に形成されていることで、貯留されている遊技球を上方から手で取り出すことができるようになっているとともに、下流側の整流部26bを流下した遊技球は、操作台4の内部に配置される取込準備球通路110内を流下し、同じく操作台4の内部に配置された後述の取込装置100に誘導されるようになっている。つまり、取込準備球通路110内に流入した遊技球は、後述する残存球透視窓130を除き、外部から視認不能となるとともに、手で取り出すことができない構造とされている。
前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(図8参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24(図8参照)、が設けられているとともに、特に、操作台4の内部には、図1に示すように、上皿26から供給された遊技球を内部に取り込むための取込装置100が設けられている。
取込装置100には、図4〜図6に示すように、取込準備球通路110の各条に対応して球切り用の3つのスプロケット106が水平方向に向けて並設されている。このスプロケット106の外周には2カ所の切欠が形成されており、これらスプロケット106が取込モータ101の駆動により回転されることで切欠内に入り込んだ遊技球が1球ずつ下方に排出されるようになっている。また、各条に対応したスプロケット106各々の切欠は、円周方向に対する配置位置が互いに異なるように(3つのスプロケット106の6つの切欠が60度間隔で配置されるように)配置されており、3つのスプロケット106が同期回転することで遊技球が各スプロケット106毎に排出されるようになっている。
なお、特に図5に示すように、3条の取込準備球通路110のうちの2条の取込準備球通路110からスプロケット106に供給された遊技球は、2つのスプロケット106にてそれぞれ排出された後、下流側において合流して後述する取込球誘導通路108または返却球誘導通路109に流下するようになっている。
また、この実施の形態においては、取込準備球通路110及び取込装置100の外形を構成するケース部材は、全て透明な合成樹脂材にて形成されており、取込準備球通路110及び取込装置100内を流下する遊技球を、後述する残存球透視窓130を透して外部から視認することができるように構成されている。
スプロケット106の下方には、振分ソレノイド102の励磁または解除により揺動し、スプロケット106の回転により排出された遊技球の流下通路を、取込球誘導通路108または返却球誘導通路109のいずれか一方に切り替えるための流路切替弁107が設けられている。
流路切替弁107は、取込球誘導通路108及び返却球誘導通路109の上流側において、2条の通路それぞれに配置される2つの流路切替弁107にて構成されており、これら2つの流路切替弁107の下端は、振分ソレノイド102の伸縮軸102aの先端に中心部が軸支されたリンク部材124の下端に一端側が連結され、2条の通路にわたって水平方向に延びる揺動軸107aに固着されている。よって、図4及び図5に示すように、振分ソレノイド102の励磁または解除により伸縮軸102aが伸縮することで、リンク部材124が軸部を中心に回動して揺動軸107aを軸心周りに回動させるため、流路切替弁107が揺動軸107aを中心に揺動することになる。また、振分ソレノイド102の伸縮軸102aは、励磁されていない状態において該伸縮軸102a周りに環装された図示しないコイルバネにより常時伸張方向に向けて付勢されているため、伸縮軸102aの先端にリンク部材124を介して連結されている流路切替弁107は、振分ソレノイド102が励磁されていない状態(off状態)であるときに、スプロケット106により取り込まれた遊技球の流路を取込球誘導通路108側とする位置(図4参照)に向けて常時付勢されている。
また、リンク部材124の上端は、図5に示すように、遊技球の流路が返却球誘導通路109に切り替えられたとき、すなわち、流路切替弁107が起立姿勢(起立位置)となったときに、振分ソレノイド102の本体近傍に設けられた流路検出スイッチ115にて検出されるようになっている。このように流路検出スイッチ115によるリンク部材124の検出状況によって、流路切替弁107により遊技球の流路が取込球誘導通路108側または返却球誘導通路109側のいずれになっているか、すなわち流路切替弁107による遊技球の実際の流路方向を検出できるようになっている。
また、スプロケット106の回転により排出された遊技球、すなわち、取り込まれた遊技球は、スプロケット106とほぼ同じ高さ位置に配置される上流側の第1取込球検出スイッチ104により検出されるようになっている。
詳しくは、第1取込球検出スイッチ104は、流下する遊技球に当接することにより回動するように軸支された当接部材125を介して遊技球の通過を検出するスイッチである。当接部材125は、図4〜図6に示すように、3条の通路にわたって水平方向に延びる水平軸125aと、該水平軸125aに基端が固着され、先端が通路内に出退自在に設けられた2つの出退片125bと、水平軸125aの一端側に基端が固着された検出片125cとから構成されており、出退片125bの先端が常時通路内に突出するように、図示しないコイルバネにより付勢されている。
このように構成される当接部材125は、図4に示すように、出退片125bが遊技球との当接により押圧されて通路から退避することで、検出片125cの先端が第1取込球検出スイッチ104により検出されるため、第1取込球検出スイッチ104による検出状況により遊技球の通過状況を検出することができるようになっている。
また、流路切替弁107の下方における取込球誘導通路108との連結部分には、第2取込球検出スイッチ105が配置されており、スプロケット106の回転により排出され、流路切替弁107により取込球誘導通路108側に振り分けられた遊技球が検出されるようになっている。一方、返却球誘導通路109との連結部分には、返却球検出スイッチ103が配置されており、スプロケット106の回転により排出され、流路切替弁107により返却球誘導通路109側に振り分けられた遊技球が検出されるようになっている。
これにより、取込球誘導通路108側に取り込まれた遊技球は、上流側の第1取込球検出スイッチ104と、下流側の第2取込球検出スイッチ105との2つの検出スイッチにより検出され、返却球誘導通路109側に取り込まれた遊技球は、上流側の第1取込球検出スイッチ104と、下流側の返却球検出スイッチ103との2つの検出スイッチにより検出されるようになっている。
特に、取込球誘導通路108側に取り込まれた遊技球の通過状況を、上流側に配置される第1取込球検出スイッチ104と、下流側に配置される第2取込球検出スイッチ105との双方の検出スイッチにより検出すること、例えば、スプロケット106の回転により排出された遊技球が上流側の第1取込球検出スイッチ104にて検出されてから下流側の第2取込球検出スイッチ105にて検出されるまでの通過時間を監視することで、電波等による不正が行われている可能性があることや、球詰まり等が発生したこと等を報知することが可能となるとともに、検出順序を監視することで、遊技球を逆流させること等による不正な検出を回避することができる。
また、前述のように第1取込球検出スイッチ104は、流下する遊技球に当接することにより回動するように軸支された当接部材125を介して遊技球の通過を検出するスイッチであるのに対し、第2取込球検出スイッチ105は、遊技球の通過を直接検出するスイッチとされており、双方の検出スイッチそれぞれに対応した不正行為を同時に行うことを困難とすることができる。
また、取込準備球通路110の下流側端部、すなわち、スプロケット106の回転が停止したときに取込準備球通路110内に残存する遊技球のうち、最下流側の遊技球が停留する最下流位置には、該最下流位置に停留する遊技球を検出する残存球検出スイッチ113が設けられている。残存球検出スイッチ113は、図6に示すように、3条の通路の左右側方に離間配置される投光部及び受光部からなるフォトセンサにて構成されており、3条の通路のうちいずれかの通路における前記最下流位置に停留する遊技球を検出することができるようになっている。
よって、この残存球検出スイッチ113により3条の通路のうちのいずれかの通路の最下流位置に遊技球が停留しているか否か、すなわち、誘導経路としての取込準備球通路110内(取込装置100内に形成されている取込準備球通路110を含む)に遊技球が残存しているか否かを検出することができるようになっている。この実施の形態においては、後述するように、球抜きレバー31が操作された後、すなわち、上皿26の遊技球の球抜き操作が行われた後に、残存球検出スイッチ113により遊技球が検出されているときに、残存球報知LED114(図3参照)を点灯させることにより取込準備球通路110内(取込装置100内)に遊技球が残存している旨が報知されるようになっている。また、残存球検出スイッチ113は、前述したように最下流位置にある遊技球を検出可能な位置に配設されているため、取込準備球通路110内(取込装置100内)に少なくとも1個の遊技球が残存していれば、取込準備球通路110内(取込装置100内)に遊技球が残存している旨が報知されることとなる。
次に、取込装置100において上皿26から導かれた遊技球を賭け数を設定するために取り込んで遊技者に返却せずに遊技島に排出する場合には、振分ソレノイド102の励磁が停止した状態とする。この状態では、流路切替弁107が図4に示す状態(位置)であるので、スプロケット106の回転により排出された遊技球が第1取込球検出スイッチ104にて検出された後、取込球誘導通路108側に誘導され、更に第2取込球検出スイッチ105により検出された後、取込球誘導通路108を流下してスロットマシン1の後側に回り込んで、図示しない遊技島内部のアウト球タンクに回収されるようになっている。
また、上皿26の遊技球を下皿25に排出(返却)させる場合には、振分ソレノイド102が励磁された状態とする。この状態では、流路切替弁107がコイルバネの付勢力に抗して揺動し、図5に示す状態となるので、スプロケット106の回転により排出された遊技球が第1取込球検出スイッチ104にて検出された後、返却球誘導通路109側に誘導され、更に、返却球検出スイッチ103にて検出された後、返却球誘導通路109を流下して払出口9から下皿25に排出され、遊技者に返却されるようになっている。なお、振分ソレノイド102は、上皿26の遊技球を下皿25に排出(返却)させる場合を除き、励磁が停止した状態とされている。すなわち上皿26の遊技球を下皿25に排出(返却)させる場合を除き、流路切替弁107が図4に示す状態とされ、スプロケット106の回転により排出された遊技球の流路方向が取込球誘導通路108側となるようになっている。
また、返却球誘導通路109における下皿25の近傍位置には、通路内の球詰りを検出する返却球詰まり検出スイッチ111(図1、図8参照)が設けられており、例えば、下皿25が満タンのために返却球誘導通路109が球詰りを起こしていることを検出できるようになっている。
前述した取込装置100、取込準備球通路110、球抜き通路120、取込球誘導通路108、返却球誘導通路109、及び払出球誘導通路208の下部前方は、操作台4及び該操作台4の下方前面を形成するカバーパネル4a(図1参照)により被覆されており、特に取込準備球通路110や取込装置100内に流入した遊技球を取り出すことができない構造とされている。操作台4の上面における取込装置100の上方位置近傍には、図3に示すように、取込準備球通路110(取込装置100内)内に残存している遊技球、詳しくは、球抜きレバー31の操作が行われて上皿26の遊技球が球抜き通路120を介して球抜きした後においても取込準備球通路110に残存し、カバーパネル4aの内部に進入して視認不能となった遊技球を視認するための透明パネルからなる透光部としての残存球透視窓130が形成されている。
前述したように取込準備球通路110及び取込装置100のケースカバーは透明樹脂材にて形成されているため、遊技者は残存球透視窓130を透して取込準備球通路110内(取込装置100内)に遊技球が残存しているか否かをスロットマシン1の外部から目視により確認することができる。よって遊技者は、取込準備球通路110内に遊技球が残存しているときにはその旨を確実に認識することができるため、取込準備球通路110内に遊技球が残存しているにも関わらず遊技を終了して遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
図1に示すように、上皿26よりも上方位置には、当該スロットマシン1が設置される遊技島等から供給された遊技球を上皿26に払い出すための払出装置200が設けられている。なお、払出装置200から払い出された遊技球は、払出装置200から下方に向けて延設された払出球誘導通路208を流下して、上皿26における貯留部26a側に形成された連通口13から上皿26に払い出されるようになっている。また、払出球誘導通路208は、連通口13から更に下方の下皿25に向けて延設されており、上皿26が満タンのため上皿26から溢れた余剰球は払出球誘導通路208を流下して払出口9から下皿25に払い出されるようになっている。
また、本体枠の内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図8参照)、各リール2L、2C、2Rの基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33(図8参照)からなるリールユニット2と、電源ユニット(図示略)が設けられている。この電源ユニットの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36(図8参照)、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37(図8参照)、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38(図8参照)、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39(図8参照)、がそれぞれ配設されている。前面扉を開放することにより、電源ユニットの前面側に配設された打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が、スロットマシン1の前方から操作できるようになっている。
また、本体枠の内部には、遊技の制御を行う遊技制御基板40(図8参照)、遊技球の払出制御を行う払出制御基板60(図8参照)、演出の制御を行う演出制御基板90(図8参照)、スロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源を生成し、各部に供給する電源基板75(図8参照)、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に各種信号を出力する外部出力基板85(図8参照)が設けられている。外部出力基板85は、遊技制御基板40から入力されたビッグボーナス中信号(ビッグボーナス図柄が導出されてからビッグボーナスが終了するまでの間出力する)、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号を、当該外部装置に出力する。
これら各基板のうち、遊技制御基板40及び払出制御基板60は、透明な合成樹脂材にて形成される1つの収容ケース内に収容された状態で本体枠の背面側に配設されている。また、演出制御基板90は、前面扉側に配設され、電源基板75は、前述した電源ユニット内に収納された状態で配設されている。遊技制御基板40及び払出制御基板60が収容される収容ケースは、特に図示はしないが、基板を収容可能なケース本体と、該ケース本体の開口を開閉可能なケースカバーとから構成されており、これらケース本体及びケースカバーそれぞれの左右側辺には、ワンウェイネジ(ドライバーにより一方向にしか回転させることが出来ないネジ)が螺入される複数の封止片が突設されている。
このように構成された収容ケースは、ケース本体及びケースカバーそれぞれの左右の封止片のうち、例えば左右それぞれ1つの封止片のみにワンウェイネジを螺入するとともに、該ワンウェイネジの先端を更にスロットマシン1の背面に形成された取付孔(図示略)に螺入することで、封止片等の取り付けに関連する取り付け関連部位を破壊しない限り、ケースカバーを開放、かつ、収容ケースをスロットマシン1から取り外すことができないように取り付けられており、これにより遊技制御基板40及び払出制御基板60に不正な改造等を施したり、不正な基板にすり替える等の不正行為が防止されている。
図1に示すように、スロットマシン1に供給された遊技球は、本体枠の背面上部に設けられた補給タンク204に貯留され、補給タンクから延設される球供給通路210を流下して払出装置200に供給されるようになっている。この球供給通路210は特に図示はしないが3条の通路からなり、補給タンク204から流出した遊技球は3条の通路それぞれに分流された状態で払出装置200に供給されるようになっている。また、球供給通路210における払出装置200の上方所定高さ位置には各条に対応して供給球検出スイッチ205(図8参照)が設けられており、この供給球検出スイッチ205により払出装置200に供給される遊技球が待機しているか否かが検出されるようになっている。この実施の形態では、供給球検出スイッチ205が賞球の払出を伴う入賞の発生により払出装置200にて払い出される最大賞球数である75球分の球が供給されていることを検出可能な位置に設けられており、最大賞球数の払出に必要な遊技球が待機しているか否かが検出されるようになっている。更にこの実施の形態では、取込装置100にて取り込まれる最大球数が15球であり、精算スイッチ10の操作に基づき払出装置200にて最大15球の遊技球が払い出されるが、この場合でも、供給球検出スイッチ205により、精算スイッチ10に基づき払い出すべき球数の払出に必要な遊技球が待機しているか否かが検出されるようになっている。更に、この実施の形態では、カードユニット400からの1回の貸出要求により25球の貸出が要求されるが、この場合でも、供給球検出スイッチ205により、貸出要求に基づき払い出すべき球数の払出に必要な遊技球が待機しているか否かが検出されるようになっている。
払出装置200には、図7に示すように、球供給通路210の各条に対応して、払出モータ201の駆動にて回転するスプロケット206が設けられている。また、スプロケット206の下方には、賞球等の払出に基づきスプロケット206にて排出された遊技球の通過を検出するための払出球検出スイッチ202が設けられており、スプロケット206の回転により排出された遊技球が払出球検出スイッチ202にて検出された後、払出装置200の下部から延設される払出球誘導通路208に排出されるようになっている。
払出球誘導通路208は下皿25まで延設されており、払出装置200から払い出された遊技球は払出球誘導通路208を流下して連通口13から上皿26に払い出されるとともに、上皿26から溢れた余剰球は払出口9から下皿25に払い出されるようになっている。また、払出球誘導通路208における下皿25の近傍位置には、通路内の球詰りを検出する払出球詰まり検出スイッチ112(図1、図8参照)が設けられており、例えば、下皿25が満タンのために払出球誘導通路208が球詰りを起こしているか否かを検出できるようになっている。
この実施の形態のスロットマシン1は、図1に示すように、有価価値が記録されたプリペイドカードを受け付けるカードユニット400と並設されており、前述した球貸スイッチ29の操作に基づくカードユニット400からの要求に応じて、受付中のプリペイドカードに記録された有価価値を用いて遊技球の貸出を行うことが可能とされている。
この実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、上皿26に貯留された遊技球を用いて賭け数を設定する。賭け数を設定するには、1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。この実施の形態では、1球取込スイッチ5が操作されると、上皿26に貯留された遊技球から遊技球が1球取り込まれ、MAXBETスイッチ6が操作されると、上皿26に貯留された遊技球からその時点で遊技状態に応じて定められた規定数の賭け数を設定するのに必要な数の遊技球が取り込まれる。
なお、このように1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作に応じて賭け数を設定するために取込装置100により取り込まれた遊技球は、前述したように取込球誘導通路108を流下して、スロットマシン1の内部、すなわち、スロットマシン1における遊技者が対面する側から見て裏側に取り込まれて、前述したように図示しない遊技島内部に設けられたアウト球タンクに排出される。
規定数の賭け数が設定されると、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、この実施の形態では、規定数の賭け数として後述する通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいては15が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、5が定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、いずれかの入賞ラインに予め定められた図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた数の遊技球(賞球)が払出装置200から払出され、払出球誘導通路208を介して直接上皿26に払い出されて遊技者に対して付与される。
この実施の形態では、図柄の組み合わせに応じて異なる数の賞球が付与されるようになっている。特に、賭け数を1設定するのに単位球数(5球)の遊技球が必要であるのに対して、入賞の発生に応じて付与される賞球数は、単位球数(5球)の倍数となる球数に限られず、75球を上限として入賞に応じた任意の球数の遊技球を付与することが可能とされており、これら入賞の発生に応じて付与される賞球数を、各入賞に応じてより細かく設定することができるようになっている。
また、いずれかの入賞ラインに、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図8は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図8に示すように、遊技制御基板40、払出制御基板60、演出制御基板90、電源基板75、外部出力基板85が設けられており、遊技制御基板40によって主に遊技の制御が行われ、払出制御基板60によって遊技球の払出制御が行われ、演出制御基板90によって遊技の進行に応じた演出の制御が行われ、電源基板75によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板75には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された払出制御基板60や演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板75には、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1球取込スイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、リールセンサ33、第1取込球検出スイッチ104、第2取込球検出スイッチ105、返却球検出スイッチ103、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112、流路検出スイッチ115、残存球検出スイッチ113、開閉シャッタ検出スイッチ123、払出球検出スイッチ202等の各種スイッチ類が接続されているとともに、電源基板75を介して前述した打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38等の各種スイッチ類が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したHITランプ9、取込済球/払出済球表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、取込要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、リールモータ32L、32C、32R、残存球報知LED114、取込モータ101、振分ソレノイド102等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述の遊技制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行う遊技制御部41、所定範囲(この実施の形態では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板75を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うリールモータ駆動回路45、取込モータ101の駆動制御を行う取込モータ駆動回路50、振分ソレノイド102の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号を遊技制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が一定期間入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU41aは、内部タイマを有している。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、遊技制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
遊技制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。なお、RAM41cの領域の構成については、後述する。
また、遊技制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、この実施の形態では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、タイマ割込処理により、RAM41cの特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
遊技制御部41のCPU41aは、I/Oポート41dを介して払出制御基板60と各種の信号の入出力を行う。なお、遊技制御基板40と払出制御基板60との信号の入出力については、後に説明する。
払出制御基板60には、前述した供給球検出スイッチ205、払出球検出スイッチ202、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112が接続されており、これら接続されたスイッチの検出信号が入力されるようになっている。なお、前述のように払出球検出スイッチ202、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112は、遊技制御基板40及び払出制御基板60の双方に接続されており、これら払出球検出スイッチ202、返却球詰まり検出スイッチ111、払出球詰まり検出スイッチ112の検出信号は、遊技制御基板40及び払出制御基板60の双方に入力されるようになっている。
また、払出制御基板60には、前述した払出モータ201等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、払出制御基板60に搭載された後述の払出制御部61による制御に基づいて駆動されるようになっている。
払出制御基板60には、遊技制御部41と同様にCPU61a、ROM61b、RAM61c、I/Oポート61dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、遊技球の払出の制御を行う払出制御部61、払出制御基板60に接続されたスイッチから入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路62、払出モータ201の駆動制御を行う払出モータ駆動回路63、各種LED等の駆動制御を行う表示駆動回路64、電源投入時またはCPU61aからの初期化命令が一定期間入力されないときにCPU61aにリセット信号を与えるリセット回路65、その他の回路等、が搭載されており、CPU61aは、遊技制御基板40から出力される信号や、払出制御基板60に接続されたスイッチからの検出信号を受けて、遊技球を払い出す払出制御を行い、接続端子板70を介して接続されたカードユニット400からの要求に応じて遊技球を貸し出す貸出制御を行うとともに、払出制御基板60に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU61aは、遊技制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。また、払出制御部61には、遊技制御部41のように停電時においてバックアップ電源が供給されることはなく、停電時においてRAM61cに記憶されているデータは保持されることがない。
遊技制御部41のCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リール2L、2C、2Rの図柄を背後から照射するリールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述の演出制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、遊技制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行う演出制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、演出効果LED52の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定期間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、遊技制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。CPU91aは、内部タイマを有している。また、演出制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
次に、遊技制御基板40、払出制御基板60、カードユニット400において入出力される信号について説明する。
図9に示すように、遊技制御基板40に搭載された遊技制御部41は、払出制御基板60に対して、遊技制御基板40と払出制御基板60との接続確認を払出制御基板60側で確認するための遊技制御基板接続確認信号を出力する。そして、払出制御基板60に搭載された払出制御部61は、遊技制御基板接続確認信号の検出に基づき遊技制御基板40との接続を確認する。また、遊技制御部41は、払出制御基板60に対して、精算要求または払出要求により払出を指示する球数として0〜100の値を示す球数信号、取込済球数(既に取り込まれた球数のうち賭け数の設定に用いられた使用済球数及び未だ賭け数の設定に用いられていない未使用球数を合計した球数)の精算を要求する精算要求信号、賞球の払出を要求する払出要求信号を出力する。そして、払出制御部61は、精算要求信号または払出要求信号を検出したときに、その時点で球数信号が示す数の遊技球を払い出す払出制御を行う。
一方、払出制御部61は、遊技制御基板40に対して、遊技制御基板40と払出制御基板60との接続確認を遊技制御基板40側で確認するための払出制御基板接続確認信号、カードユニット400と接続されている旨を示すカードユニット接続中信号、精算要求または払出要求に基づく遊技球の払出動作の開始、動作中、終了を示す動作中信号を出力する。そして、遊技制御部41は、払出制御基板接続確認信号の検出に基づき払出制御基板60との接続を確認し、カードユニット接続中信号の検出に基づき払出制御基板60とカードユニット400との接続を確認し、動作中信号の検出に基づき、払出制御部61による遊技球の払出動作の開始、動作中及び終了を確認する。
カードユニット400は、マイクロコンピュータを搭載した制御ユニットを備える。カードユニット400には、図9に示すように、スロットマシン1に設けられた前述の残額表示器28が接続端子板70を介して接続されており、制御ユニットが搭載するマイクロコンピュータの制御により残額表示器28が駆動されるようになっている。また、図9に示すように、カードユニット400には、スロットマシン1に設けられた前述の球貸スイッチ29や返却スイッチ30が接続端子板70を介して接続されており、これらスイッチの検出信号が制御ユニットに入力されるようになっている。
また、カードユニット400は、カード挿入口から挿入されたプリペイドカードの記録情報の読み出し及び書き込みを行うカードリーダライタを備えており、カードリーダライタは、プリペイドカードから読み出された記録情報を制御ユニットに対して出力するとともに、制御ユニットからの指令に基づき挿入されているプリペイドカードの記録情報の更新等を行う。
図9に示すように、カードユニット400は、スロットマシン1の払出制御基板60(払出制御部61)に対して、カードユニット400が正常に接続されている旨を示すカードユニット接続信号(VL)、カードユニット400による貸出処理の開始及び終了を示すカードユニットREADY信号(BRDY)、遊技球の貸出を要求する貸出要求信号(BRQ)を出力する。なお、カードユニット接続信号は、制御ユニットと払出制御基板60との間で通信を行う際の電源でもある。
これに対して、払出制御基板60(払出制御部61)は、カードユニット400に対して、遊技球の貸出を行うことが可能な状態を示すスロットマシンREADY信号(SRDY)、BRQに基づく遊技球の貸出動作の開始及び完了を示す貸出完了信号(EXS)を出力する。
また、前述のようにスロットマシン1に搭載された残額表示器28、球貸スイッチ29及び返却スイッチ30はカードユニット400に接続されており、残額表示器28は、制御ユニットの制御に基づき出力される残数表示制御信号に基づき駆動されるとともに、球貸スイッチ29の検出信号(貸出操作検出信号)及び返却スイッチ30の検出信号(返却操作検出信号)は、カードユニット400に入力される。そして、カードユニット400に搭載された制御ユニットは、球貸スイッチ29が検出されることで、受付中のプリペイドカードから読み出された有価価値が残存することを条件に前述したBRDYを出力するとともに、前述したBRQを出力し、スロットマシン1に対して貸出単位分(この実施の形態では25球)遊技球の貸出を要求する処理を、残存する有価価値の範囲内で規定回数(この実施の形態では、10回)行い、返却スイッチ30が検出されることで、受付中のプリペイドカードを返却させる処理を行う。
次に、遊技制御基板40のRAM41cの構成について説明する。図10は、RAM41cの記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM41cには、重要ワーク41c−1、一般ワーク41c−2、特別ワーク41c−3、設定値ワーク41c−4、非保存ワーク41c−5、スタック領域41c−6、及びパリティ格納領域41c−7を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク41c−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域であり、パリティ格納領域41c−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。後述する役の当選フラグの設定領域は、一般ワーク41c−2に設けられている。また、RAM41cは、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じて遊技球の払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、リセット/設定スイッチ38による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてから電源スイッチ39によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ37をOFF状態として電源スイッチ39により電源をONすればよい。
設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードなる。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されてから設定キースイッチ37がOFFされると、変更後の確定した設定値が設定値ワーク41c−4に記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
遊技の進行が可能な状態であるときには、スロットマシン1におけるゲームが1ゲームずつ順次進行するが、各ゲームで行われる内部抽選において設定値ワーク41c−4に格納された設定値が正常範囲(1〜6)にあるかどうかを判定する。設定値が正常範囲にない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、遊技制御基板40のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、RAM41cのパリティ格納領域41c−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域41c−7に格納する処理を行うようになっている。ここにRAMパリティとは、データ列(各アドレスにおいて同一位置のビット)を足し合わせた総和の最下位ビットのことである。
そして、遊技制御基板40の制御部41の起動時において、RAM41cに記憶されているデータのうちのパリティ格納領域41c−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域41c−7に格納されているRAMパリティと比較する。この比較結果が一致した場合には、RAM41cに記憶されている状態に基づいて電源断前の状態に復帰させる。
一方、RAMパリティの比較結果が一致しなかった場合には、ここでもRAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。RAM異常エラー状態は、他のエラー状態とは異なり、リセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されることで解除されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技状態の移行を伴う特別役と、遊技球の払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
図11(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM41bに予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて抽選対象として定められた役を示すものとなる。なお、図11(a)は、各役に対応する図柄組み合わせと、入賞した場合に与えられる配当も示しているが、これらは、ROM41bに格納されている遊技状態別当選役テーブルに含まれるものではない。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)が、小役として組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーが、再遊技役としてリプレイが定められている。また、内部抽選の対象役となっている訳ではないが、通常の遊技状態で組み合わせ小役の内部当選時に「ベル−ベル−赤7/白7」の組み合わせ(RT図柄)が導出されたときには、これを契機として、その後の5ゲームの間だけ遊技状態がRT(Replay Time)に移行される。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときにも、これを契機として、次以降の5ゲームの間だけ遊技状態がRTに移行される。
通常の遊技状態またはRTでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリー、及びリプレイが抽選対象の役となる。通常の遊技状態のリプレイとRTのリプレイとでは、当選の判定のために用いられる判定値数が異なるため、遊技状態別当選役テーブルにおいて別の役として定められているが、それぞれに当選したときの制御内容としては全く同じである。また、レギュラーボーナス(後述するようにビッグボーナス中で提供された場合を含む)の遊技状態では、組み合わせ小役、スイカ、ベル、及びチェリーが、抽選対象の役となる。
可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(1)に入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナスが与えられる。可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃うと、ビッグボーナス(2)に入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるビッグボーナスが与えられる。
可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うと、レギュラーボーナスに入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにある場合は、入賞しない)、配当として次のゲームから遊技者に有利な遊技状態であるレギュラーボーナスが与えられる。
遊技状態がビッグボーナスにあるときは、遊技球の払出数が後述する所定数に達するまで、レギュラーボーナスの遊技状態が繰り返して提供される。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定され、また、通常の賭け数とは異なる1を設定してゲームを開始させるものとなる。
ビッグボーナスは、遊技球の払出数が1725個に達したときに終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。遊技状態がビッグボーナスにある状態でゲームの開始時においてレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、当該時点でRAM41cにレギュラーボーナス中フラグも設定されるものとなる。
可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「ベル−ベル−BAR」の組み合わせが揃うと、組み合わせ小役に入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として75個の遊技球が払い出される。組み合わせ小役の内部当選時で組み合わせ小役に入賞しないときには、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に「ベル−ベル−赤7/白7」の組み合わせ、すなわちRT図柄が揃うことがある。通常の遊技状態における「ベル−ベル−赤7/白7」の組み合わせの導出は、実質的なRT入賞として扱われており、遊技状態がRTに移行される。もっとも、入賞ライン上にRT図柄が揃ったとしても、遊技状態がRTにあるかレギュラーボーナスにあるときには、RT入賞として扱われない。
可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃うと、スイカの小役に入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として75個の遊技球が払い出される。可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うと、ベルの小役入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、配当として40個の遊技球が払い出される。
可変表示装置2のいずれかの入賞ラインにおいて、左のリール2Lに「チェリー」が導出されると、チェリーの小役入賞となり、いずれの賭け数で(いずれの遊技状態で)入賞した場合でも、1入賞ライン当たり10個の遊技球が配当として払い出される。従って、左のリール2Lの上段または下段に「チェリー」が導出されたときには、上段または下段には2本の入賞ラインが設定されているために20個の遊技球が払い出され、中段に「チェリー」が導出されたときには、中段には1本だけ入賞ラインが設定されているために10個の遊技球が払い出される。
可変表示装置2のいずれかの入賞ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃うと、リプレイ入賞となり、いずれの遊技状態で入賞した場合でも(但し、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスのいずれかにある場合は、入賞しない)、配当として次の1ゲームを改めて賭け数を設定せずに行うことのできる再遊技が付与される。
ところで、通常の遊技状態において組み合わせ小役に当選しているときには、可変表示装置2の入賞ライン上にRT図柄が揃うと、RT入賞したものとして扱われ、遊技状態がRTに制御されるものとしていた。遊技状態がRTまたはレギュラーボーナスにあるときには、RT入賞とは扱われないが、組み合わせ小役に当選していればRT図柄が導出されることがあるものとなっていた。このようにRT図柄は、RT入賞と扱われるかどうかとは別に、組み合わせ小役に当選していることを条件として導出される表示結果である。
また、RT図柄は、組み合わせ小役に当選していない場合であっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選フラグが設定されている状態で、これらの役に入賞しないときに、可変表示装置2の入賞ライン上に導出されることがある。つまり、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選フラグが設定されているときには、リーチ目としてRT図柄が導出される場合がある。
例えば、レギュラーボーナスに当選しているときで、ストップスイッチ8L、8C、8Rが左→中→右の順で操作された場合を考える。左のリール2Lに「BAR」を導出できるのは、図2の0番〜6番の図柄が下段に位置するタイミングでストップスイッチ8Lが操作された場合だけである。その他のタイミングでは、「BAR」を導出できないので、リーチ目としてのRT図柄を構成する「ベル」が導出される。中のリール2Cについては、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに関わらず、「ベル」が同一の入賞ライン上に揃えられる。右のリール2Rについて「赤7」または「白7」を「ベル」が並んでいる入賞ライン上に停止させることができないのは、13番〜15番の図柄が当該入賞ライン上に位置するタイミングでストップスイッチ8Rを操作したときだけである。
従って、レギュラーボーナスに当選している場合であって、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングを図る目押しを全く行っていなかった場合においては、少なくとも1/1.75(=((21−7)/21)×(21/21)×((21−3)/21))というかなり高い確率で、リーチ目としてのRT図柄が導出されるものとなる。また、例えば、左のリール2Lに6番の「BAR」とともに7番の「ベル」が導出される場合もあるので、リーチ目としてのRT図柄が導出される確率は、さらに高いものとなる。
つまり、レギュラーボーナスに当選している場合であって、レギュラーボーナス入賞しない場合においては、多くの場合はRT図柄が導出されるものとなる。同様に、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している場合であって、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない場合も、多くの場合はRT図柄が導出されるものとなる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している場合に、これらの役に入賞すれば、遊技状態はRTにならず、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスとなる。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合であって、これらの役に入賞しない場合には、遊技状態がRTに制御されるが、その多くの場合においてRT図柄が導出される。遊技状態がRTに制御された場合には、リプレイの発生が頻繁になることで遊技状態がRTにあることが遊技者に察知されてしまうが、RT図柄の導出を経ずに遊技状態がRTに制御される場合は少ないので、RT入賞によってRTに制御されたのか、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選によってRTに制御されたのかが遊技者に分かってしまう場合は少なくなっている。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
遊技状態に応じた役の参照は、図11(a)に示した遊技状態別当選役テーブルに応じて行われる。図11(a)に示す遊技状態別当選役テーブルにおいて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリー、リプレイ(通常)が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRTにあるときには、リプレイ(通常)ではなくリプレイ(RT)が最後に内部抽選の対象役として読み出される他は、通常の遊技状態と同様に内部抽選の対象役が順に読み出される。遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、通常の遊技状態またはRTにおいて、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、遊技状態別当選役テーブルから読み出されても、内部抽選の対象役とならない。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。判定値数は、ROM41bに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図11(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上となるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。
抽選対象となる役の判定値数は、役毎にゲームにおいて遊技者が設定する賭け数(BET)に対応して登録されている。抽選対象となる役が同じであっても、レギュラーボーナスにおける当選確率が他の遊技状態における当選確率と異なっている場合があるからである。また、抽選対象となる役の賭け数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTで内部抽選の対象となり、通常の遊技状態及びRTでの賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。これらの役の共通フラグの値は0であり、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
組み合わせ小役、スイカ、ベル、チェリーは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となり、レギュラーボーナスでの賭け数1に対応する判定値数の格納アドレスと、通常の遊技状態及びRTでの賭け数3に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。これらの役のうちでベルの共通フラグの値は0であり、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。ベル以外の役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象となるが、通常の遊技状態とRTとでは別個の抽選対象の役として判定値数の格納アドレスが、それぞれの遊技状態における賭け数3に対応して登録されている。通常の遊技状態におけるリプレイについてもRTにおけるリプレイについても、共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
図12は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM41cに、量産機種ではROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えば、アドレスADD+0、ADD+2、ADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって賭け数が3、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、いずれの設定値においても同じ判定値数(44)が記憶されているので、設定値に関わらずにレギュラーボーナスの当選確率は同じである。
アドレスADD+12、ADD+14、ADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって賭け数が3、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32、ADD+34は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって賭け数が3、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(2)の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+36は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役が組み合わせ小役であるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。アドレスADD+38は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役が組み合わせ小役であるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。組み合わせ小役についての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、異なる値が登録されているので、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときと、通常の遊技状態またはRTにあるときとで、組み合わせ小役の当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+40は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役がスイカであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。アドレスADD+42は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がスイカであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。スイカについての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもスイカの当選確率は同じとなる。
アドレスADD+44、ADD+46、ADD+48、ADD+50、ADD+52、ADD+54は、それぞれ賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役がベルあって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+56、ADD+58、ADD+60、ADD+62、ADD+64、ADD+66は、それぞれ賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がベルであって、設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ベルについては、遊技状態及び設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、遊技状態及び設定値に応じて当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+68は、賭け数が3のとき、すなわち通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。アドレスADD+70は、賭け数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。チェリーについての判定値数は、賭け数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもチェリーの当選確率は同じとなる。
また、アドレスADD+72、ADD+74は、通常時のリプレイで賭け数が3、RT時のリプレイで賭け数が3であるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ8980、50608が判定値数として取得される。
内部抽選において当選したものと判定された役については、当該役の当選フラグがRAM41cに設定される。通常の遊技状態またはRTにおいて設定されたレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグは、これらに基づいて入賞が発生しなければ、次ゲーム以降に持ち越されるものとなる。これ以外の場合、各役の当選フラグは、当該ゲーム限りで消去される。
また、通常の遊技状態またはRTにおいてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていても、小役及びリプレイの抽選は行われ、小役またはリプレイに当選すると、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグと、小役またはリプレイの当選フラグが重複して設定されるものとなる。
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図13、図14を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路42から乱数を抽出し、これをCPU41aがソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。なお、乱数発生回路42の発生する乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図13は、乱数発生回路42の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路42は、パルス発生回路42aと、下位カウンタ42bと、上位カウンタ42cとから構成されている。下位カウンタ42b及び上位カウンタ42cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ42bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ42cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路42aは、CPU41aの動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路42aの出力するパルス信号が下位カウンタ42bにクロック入力される。
下位カウンタ42bは、パルス発生回路42aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ42bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ42cにクロック入力される。
上位カウンタ42cは、下位カウンタ42bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ42bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ42cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路42aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路42から出力されるものとなる。
サンプリング回路43は、ラッチ回路から構成され、CPU41aからのサンプリング指令(スタートスイッチ7の操作時)に基づいて、乱数発生回路42からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。乱数発生回路42とサンプリング回路43とを接続する信号配線は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順になるように接続されている。従って、サンプリング回路43がラッチするデータは、乱数発生回路42が出力しているデータ信号とは、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。なお、サンプリング回路43がラッチした乱数、或いはこれをCPU41aが加工した乱数については、上位バイト、下位バイト毎に最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第7ビットと呼ぶものとする。
CPU41aは、I/Oポート41dを介してサンプリング回路43から入力されたデータ信号に対応した数値データを、上位8ビットと下位8ビットとを別々にサンプリング回路43から取り込んで、RAM41cに設けられた内部抽選用の乱数の格納領域に一時格納する。内部抽選用の乱数の格納領域は、2バイト分設けられており、上位バイトの格納領域を上位領域、下位バイトの格納領域を下位領域と呼ぶものとする
CPU41aがサンプリング回路43から数値データを取り込むときには、サンプリング回路43がラッチした乱数の上位8ビットを下位領域に取り込み、ラッチした乱数の下位8ビットを上位領域に取り込む。従って、CPU41aがサンプリング回路43から内部抽選用の乱数の格納領域に取り込んだ数値データは、乱数発生回路42が発生しているデータ信号とは、ビットの並び順が完全に逆順となる。なお、以下では、乱数発生回路42から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明し、サンプリング回路43がラッチした数値データも、その値に応じた乱数として説明する。
図14は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。上記したように、乱数発生回路42が発生する乱数をサンプリング回路43でラッチすると、そのラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる((a)〜(b))。
CPU41aは、サンプリング回路43のラッチした乱数の上位8ビットを上位ポートからRAM41cの下位領域に、下位8ビットを下位ポートからRAM41cの上位領域に領域に取り込む((b)〜(d))。こうしてRAM41cの上位領域と下位領域に取り込まれた数値データにより構成される16ビットの数値データが、加工前の乱数ということとなる。
下位領域のデータは、その後の加工で書き換えられてしまうが、その後にも加工前の乱数の下位領域のデータを用いることがあるので、加工前の下位領域のデータを待避データとしてRAM41cの所定の待避領域に待避しておく。次に、CPU41aは、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(e)。次に、上位領域のデータを読み出し、データを1ビットずつ下位(右)にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(f)。
次に、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域と下位領域の両方に格納する(g)。さらに、待避領域のデータに78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(h)。そして、上位領域のデータと待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(i)。このとき上位領域に格納されているデータを上位8ビットとし、下位領域に格納されているデータを下位8ビットとした数値データが、内部抽選用の乱数として取得されることとなる(j)。
なお、ここで最終的に生成される内部抽選用の乱数は、パルス信号の入力毎に、ほぼランダムに値が現れてくることとなる。すなわち、連続性も周期性も排除されたものとなる。ここでは、乱数発生回路42の数値のように完全に値が連続した状態から、ランダムに非連続な値が現れる状態に近づくことを、バラつくというものとする。例えば、乱数発生回路42の数値からサンプリング回路43の数値への変化、サンプリング回路43の数値から加工前の乱数への変化、加工前の乱数から内部抽選用の乱数の乱数への変化、のいずれも値がバラつくものに該当する。バラツキ、バラケるなどといった場合も同じである。
上記の内部抽選の結果に応じてRAM41cに当選フラグが設定されると、当選フラグの設定されている役の入賞が可能となる。これは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときに、当選フラグの設定されている役の図柄が可変表示装置2の入賞ライン上に揃うように、検出された停止操作に対応したリールに停止させる図柄が選ばれる。
例えば、レギュラーボーナス当選フラグが設定されている状態で左→中→右の順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された場合を考える。左のストップスイッチ8Lの操作が検出されたときに表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲、すなわち4コマの引き込み範囲で「BAR」の図柄を上中下段のいずれかに導出できれば、これを左のリール2L、2C、2Rの上中下段のいずれかに導出させる。「BAR」の図柄が4コマの引き込み範囲になければ、レギュラーボーナス当選フラグが設定されていても左のリール2Lに導出されることはない。
左のリール2Lの上中下段のいずれかに「BAR」の図柄が導出されている状態で中のストップスイッチ8Cの操作が検出されたときに表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「BAR」の図柄を同じ入賞ライン上に導出できれば、中のリール2Cに「BAR」を導出させてテンパイさせる。右のストップスイッチ8Rの操作が検出されたときも190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「BAR」の図柄を同じ入賞ライン上に導出できれば、右のリール2Rに「BAR」を導出させて、レギュラーボーナス入賞させる。
ところで、レギュラーボーナス当選フラグが設定されているときに、左のリール2Lについて「BAR」の図柄を導出できるストップスイッチ8Lの操作タイミングは、0番〜6番の図柄が下段に位置するタイミングだけである。同様に、ビッグボーナス(1)当選フラグが設定されているときに、左のリール2Lについて「赤7」の図柄を導出できるストップスイッチ8Lの操作タイミングは、14番〜20番の図柄が下段に位置するタイミングだけである。ビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときに、左のリール2Lについて「白7」の図柄を導出できるストップスイッチ8Lの操作タイミングは、7番〜13番の図柄が下段に位置するタイミングだけである。
このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)は、内部抽選で別々の抽選対象役となって別個の当選フラグが設定されるものとなっているだけではなく、それぞれに入賞させるためのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングも互いに排他的なものとなっている。
また、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、リプレイ当選フラグが設定されているときには、リプレイの入賞を優先して、リール2L、2C、2Rが停止制御される。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグに重ねて、組み合わせ小役当選フラグ、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグまたはチェリー当選フラグが設定されているときには、これらの小役よりもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の入賞を優先して、リール2L、2C、2Rが停止制御される。
ここで、スイカ、ベル及びJACの図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいても5コマ以内の間隔で配置されているため、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグまたはリプレイ当選フラグが設定されているときには、必ずこれらの役に入賞することとなる。組み合わせ小役当選フラグが設定されているときにも、必ず組み合わせ小役に入賞するかRT図柄が導出される。但し、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグも設定されていて、小役の入賞よりもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を優先するようにリール2L、2C、2Rを停止制御する場合には、この限りではない。
特に遊技状態がRTにあるときには、50608/65536(≒1/1.29)もの高い確率でリプレイに当選するの。リプレイに当選すれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することはあり得なくなる。従って、遊技状態がRTにあるときには、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞が可能なチャンスは、14928/65536(≒1/4.39)の確率でしかない。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のうちのいずれの当選フラグが設定されているかが分からないと、実質的な確率は、さらにこの3分の1になる。
一方、通常の遊技状態であれば、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞が可能なチャンスは、56556/65536(≒1/1.16)の確率である。従って、RTは、通常の遊技状態よりもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞が困難な状態ということになる。
遊技制御基板40の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果とストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングとに従ってリール2L、2C、2Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当として遊技球の払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板40の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板90の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板40から演出制御基板90に送信される。
遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板40から演出制御基板90に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
内部当選コマンドは、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を示すもので、スタートスイッチ7が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rが回転開始するタイミングを示すもので、リール2L、2C、2Rの回転が実際に開始されるときに送信される。リール停止コマンドは、リール2L、2C、2Rの別と中段に停止された図柄の番号を示すもので、リール2L、2C、2Rがそれぞれ停止されたときに送信される。
入賞判定コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と当該入賞に伴って払い出される遊技球の個数を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される。
次に、演出制御基板90の側において行われる演出について説明する。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、演出制御基板90の側における演出として、複数ゲームに亘って実行される連続演出及び追加演出がある。連続演出及び追加演出は、いずれも液晶表示器51に所定の画像を表示することにより行われる。また、連続演出及び追加演出における個々のゲーム毎の演出は、いずれもスタートスイッチ7の操作時に開始し、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したときに終了するものである。個々のゲーム毎の演出の結果は、遊技者側の勝ち、負け、大勝利の3通りであるが、演出の過程としてはこれよりも多くの種類のものがある。
連続演出は、遊技状態がRTに制御されたことを契機として開始される。可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されたこと(RT入賞となるかどうかを問わない)を契機として開始される。RT入賞としてのRT図柄の導出であれば、RT図柄の導出と連続演出の開始が完全に同期する。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、これらの役に入賞しないことによるRTへの制御でも、多くの場合はその1ゲーム目でリーチ目としてのRT図柄が導出されるので、RT図柄の導出と連続演出の開始が同期している場合が多い。
連続演出の中の1ゲーム目の演出が開始される前には、当該ゲームで賭け数を設定したときに開始演出が行われる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づいて遊技状態がRTに制御された場合は、次のゲームで賭け数を設定した(リプレイ入賞に基づいて賭け数が自動設定された場合を含む)ときに、ボーナス(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を指す)に当選している旨が確定的に報知される。
RT図柄の導出に基づいて遊技状態がRTに制御された場合には、連続演出が終了するまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、連続演出の結果として(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の)ハズレの結果が報知される。一方、連続演出が開始してから終了するまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、連続演出の終了までにこれらの役への入賞もなかったときには、そのまま連続演出を終了してハズレの結果を報知したままでは、当該時点における状況とは異なった内容を遊技者に報知してしまうこととなる。
そこで、連続演出が終了することとなるゲームの開始時点において、連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したかどうかを判断するものとしている。連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していない場合には、当該ゲーム限りで連続演出を終了し、次のゲームで賭け数が設定されたときにハズレの結果がそのまま報知される。
一方、連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合には、連続演出が終了することとなるゲームでの演出の結果を差し替えた後に次のゲームで賭け数を設定したときにボーナス当選の確定を報知するか、差し替えずに次のゲームで賭け数を設定したときにハズレの結果を報知した後、さらに追加演出を行うものとしている。そして、追加演出の中の最後のゲームにおける演出が終了した時点で、追加演出の結果としてボーナス(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を指す)当選している旨が確定的に報知される。
連続演出の結果として報知されたか、追加演出の結果として報知されたかに関わらず、ボーナス当選している旨の確定報知が行われた場合には、次のゲームで賭け数の設定を行ったときに、所定の割合で当選しているボーナスの種類(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の別)が報知される場合がある。
ところで、上記した連続演出及び追加演出には、複数のパターンがある。図15は、連続演出及び追加演出のパターンを選択するための連続演出選択テーブルを示す図である。連続演出選択テーブルには、図15(a)に示す非当選時テーブルと、図15(b)に示す当選時テーブルと、図15(c)に示す追加演出テーブルの3種類がある。連続演出のパターンは、連続演出パターン選択用の乱数に従って、非当選時テーブルまたは当選時テーブルを参照することにより決定される。
図15(a)に示す非当選時テーブルは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない状態でRT図柄が導出されて遊技状態がRTに制御されたときに開始される連続演出のパターンを選択するためのテーブルである。非当選時テーブルには、これに従って選択されたパターンで行われている連続演出が終了するゲームまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに、連続演出が終了するゲームにおいて差し替えられる演出の内容も登録されている。
図15(b)に示す当選時テーブルは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選したことで遊技状態がRTに制御されたときに開始される連続演出のパターンを選択するためのテーブルである。いずれのテーブルに従って連続演出のパターンが選択される場合であっても、連続演出の継続するゲーム数は、2ゲームまたは3ゲームである。
図15(c)に示す追加演出テーブルは、既に連続演出が行われている状態で新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに、当該連続演出が終了した後に続けて行われる追加演出のパターンを選択するためのテーブルである。追加演出のパターンは、そのときに行われていた連続演出のパターンに応じて選択され、追加演出の継続するゲーム数は、1ゲームまたは2ゲームである。
連続演出の最終的な結果が示されたときに、負けの結果よりも勝ちの結果が多くなっていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているということとなる。勝ちの結果よりも負けの結果が多くなっていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないということになる。また、連続演出に続けて行われた追加演出の結果が示されたときに、連続演出の開始からの結果として負けの結果よりも勝ちの結果が多くなっていれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているということとなる。
もっとも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない状態で遊技状態がRTに制御されたときに選択される連続演出のパターンでは、連続演出の終了するゲームの1回分以上の回数で負けの結果を示してしまっている場合がある。また、連続演出の終了するゲームにおける演出の内容を差し替えずに追加演出を行う場合でも、選択されていた連続演出のパターンによっては、1ゲームまたは2ゲーム分だけでは、負けの結果よりも勝ちの結果を多く示すことができなくなる場合も生じてしまう。
そこで、連続演出の終了するゲームにおける演出の内容が差し替えられる場合、差し替え後の演出の内容としては大勝利の結果を示すものがある。また、追加演出における個々のゲームにおける演出の内容として大勝利の結果を示すものがある。演出の内容として大勝利が示された場合には、負けの結果の示された回数が何回あったとしてもボーナス当選の確定を示すものとなる。この大勝利の結果を示す演出の内容は、このような差し替えか追加演出が行われる場合しか示されることがなく、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選したことで遊技状態がRTに制御されたときに選択されたパターンでは示されることはない。
なお、演出制御基板90のRAM91cには、連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタと、追加演出の残りゲーム数を示す追加カウンタとが設けられており、選択した演出のパターンに従って、その初期値がセットされる。また、RAM91cには、連続演出及び追加演出について選択したパターンを保存する領域と、連続演出の終了するゲームにおける演出の内容を差し替えたときに設定される差し替えフラグ、ボーナス当選の確定を報知したときに設定される確定報知フラグ、連続演出から追加演出に移行するための再開フラグを設定するための領域が設けられている。
また、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示態様を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できないので、ROM91bにはリール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。
さらに、遊技状態コマンドや内部当選コマンドに基づいて、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態や各役の当選状況を保存する領域もRAM91cに設けられている。遊技状態は、2ゲーム分のものが保存されることとなっている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU41aを含む制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク41c−4に格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図16は、遊技制御基板40のCPU41aが実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、リセット回路49からリセット信号が入力されて制御部41が起動されたときに行われる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時及び制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴う制御部41の起動時及び制御部41の不具合に伴う再起動時に行われる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM41cへのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ37がONでなければ、RAM41cに記憶されているデータのうちパリティ格納領域41c−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域41c−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM41cが正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行われるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、図18に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM41cに格納されているデータが正常であるので、スタック領域41c−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ37がONの状態であれば、スタック領域41c−6のうち使用中の領域を除いてRAM41cに格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク41c−4以外は0、設定値ワーク41c−4は1に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図17に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図17は、CPU41aがステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更中フラグをRAM41cの所定の領域にセットし(ステップS201)、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク41c−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、リセット/設定スイッチ38及びスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203においてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が7でなければ、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38及びスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が7であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204のリセット/設定スイッチ38及びスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク41c−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ37がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更中フラグをクリアする(ステップS210)。そして、図16のフローチャートに復帰すると、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図18は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードを遊技補助表示器12に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行わないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行われない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、制御部41が起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、制御部41を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、設定変更処理が行われてリセット/設定スイッチ38の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、リセット/設定スイッチ38の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭け数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後に遊技球の払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの送信は、本発明に直接関わるものだけを説明する。
図19は、遊技制御基板40のCPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(ステップS401)、内部抽選処理(ステップS402)、リール回転処理(ステップS403)、リール停止処理(ステップS404)、入賞判定処理(ステップS405)、賞球付与処理(ステップS406)、ゲーム終了時処理(ステップS407)、を順に実行する。ゲーム終了時処理が終了すると1ゲーム分の処理が終了したことになり、再びBET処理に戻って次のゲームの処理が開始されることとなる。
ステップS401におけるBET処理では、賭け数を設定可能な状態で待機し、賭け数が設定されたとき(リプレイ入賞後の自動設定を含む)には、BETコマンドを生成して演出制御基板90に送信する。また、遊技状態に応じた規定数の賭け数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、設定された賭け数を確定する処理を実行する。なお、BET処理の詳細については、後述する。
ステップS402における内部抽選処理では、ステップS401におけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。また、当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、内部抽選処理の詳細については、後述する。
ステップS403におけるリール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理を実行する。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなる。リール2L、2C、2Rの回転が開始した時点で、リール回転開始コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。このリール回転処理においては、全てのリール2L、2C、2Rが定速回転した時点でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効とする。
ステップS404におけるリール停止処理では、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出され、各リール2L、2C、2Rの停止条件が成立したことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。また、リール2L、2C、2Rの回転が停止する度に、回転したリールの種類及び停止した図柄を示すリール停止コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、リール停止処理の詳細については、後述する。
ステップS405における入賞判定処理では、ステップS404において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。また、入賞の有無及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、入賞判定処理の詳細については、後述する。
ステップS406における賞球付与処理では、ステップS405において入賞の発生が判定された場合に、入賞に応じて付与される賞球数分の遊技球の払出を要求する処理を行う。なお、賞球付与処理の詳細については、後述する。
ステップS407におけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。なお、ゲーム終了時処理の詳細については、後述する。
次に、上記したステップS401のBET処理について詳しく説明する。図20は、CPU41aがステップS401で実行するBET処理を詳細に示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM41cにおいて賭け数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(ステップS501)、当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(ステップS502)。RAM41cにリプレイゲーム中である旨を示すリプレイゲーム中フラグが設定されており、当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、次のステップS505及びS506で遊技者が1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作しなくても賭け数が自動設定されるので、まず、RAM41cに設定されているリプレイゲーム中フラグを消去する(ステップS503)。BETコマンドを生成して演出制御基板90に送信する(ステップS504)。
さらに、BETカウンタの値を1加算し、RAM41cに設定された賭け数の規定数(後に説明するが、遊技状態に応じて定められた賭け数の規定数であり、レギュラーボーナスにあるときには、1が設定され、通常遊技状態及び小役ゲームにあるときには、3が設定される。もっともリプレイゲームに制御されるのは通常遊技状態のみである。)を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する処理(ステップS505、S506)をステップS506においてBETカウンタの値が規定数であると判定されるまで繰り返し実行する。ステップS506においてBETカウンタの値が規定数であると判定された場合には、スタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態で待機する(ステップS507)。そして、この状態でスタートスイッチ7の操作が検出されると、BET処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
また、ステップS502において当該ゲームがリプレイゲームでない場合には、開閉シャッタ検出スイッチ123の検出信号がonからoffへ遷移しているか否か、すなわち、球抜きレバー31が操作されて上皿26の球抜きが行われた否かを判定し(ステップS508)、開閉シャッタ検出スイッチ123の検出信号がonからoffへ遷移していれば、残存球検出スイッチ113からの検出信号の入力状態に基づいて取込準備球通路110内の残存球が検出されているか否かを判定する(ステップS509)。そして、取込準備球通路110内の残存球が検出されている場合には、残存球報知LED114を点灯させて(ステップS510)、精算スイッチ10の操作を促す報知を行った後、ステップS511の処理に進む。また、ステップS508において開閉シャッタ検出スイッチ123の検出信号がonからoffに遷移していない場合、またはステップS509において取込準備球通路110内の残存球が検出されていない場合には、そのままステップS511の処理に進む。
ステップS511では、カードユニット接続中信号のonが検出されているか否か、すなわちカードユニット400が払出制御基板60と接続されているか否かを判定する。
ステップS511においてカードユニット接続中信号のonが検出されている場合には、精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定する(ステップS512)。精算スイッチ10の操作が検出されていれば、図21に示す精算制御処理に制御を移行する(ステップS513)。精算制御処理から復帰すると、ステップS508の処理に戻る。また、精算制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS512において精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、RAM41cに設定された賭け数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定し(ステップS514)、BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS515)、スタートスイッチ7の操作が検出されていなければ、ステップS508の処理に戻り、スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、BET処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。これに伴い、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS514においてBETカウンタの値が規定数でなければ、1球取込スイッチ5の操作が検出されているか否かを判定する(ステップS516)。1球取込スイッチ5の操作が検出されていれば、BETコマンドを生成して演出制御基板90に送信する(ステップS517)。さらに、RAM41cに設定された取込球カウンタ(取り込むべき球数のうち未だ取り込まれていない球数である取込球数を記憶するカウンタ)の値を1に更新する(ステップS518)。そして、図23に示す取込制御処理に制御を移行する(ステップS519)。取込制御処理から復帰すると、ステップS508の処理に戻る。また、取込制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS516において、1球取込スイッチの操作が検出されていなければ、更にMAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS520)、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ、ステップS508の処理に戻る。MAXBET6の操作が検出されていれば、BETコマンドを生成して演出制御基板90に送信する(ステップS521)。さらに取込球カウンタの値を(規定数×5−BETカウンタの値×5−未使用球カウンタ(RAM41cに設定されたカウンタであり、既に取り込まれているが未だ賭け数の設定に用いられていない未使用球数を記憶するカウンタ)の値)に更新する(ステップS522)。すなわち取込球カウンタの値をMAXBETスイッチ6の操作により指示された取込要求球数から既に賭け数の設定に用いられている使用済球数と未だ賭け数の設定に用いられていない未使用球数を減算した値に更新する。そして、図23に示す取込制御処理に制御を移行する。取込制御処理から復帰すると、ステップS508の処理に戻る。また、取込制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
また、ステップS511において、カードユニット接続中信号のonが検出されていない場合には、カードユニット400がスロットマシン1と正常に接続されていない旨を示す接続エラーを示すエラーコードをセットする(ステップS523)。エラーコードがセットされると、当該エラーコードが遊技補助表示器12に表示され、接続エラーが遊技機外部に報知される。そして、精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS524)、精算スイッチ10の操作が検出されていれば、図21に示す精算制御処理に制御を移行する(ステップS513)。精算制御処理から復帰すると、ステップS508の処理に戻る。また、精算制御処理に制御を移行すると当該処理が終了するまでの間、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS524において精算スイッチ10の操作が検出されていなければ、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定し(ステップS525)、BETカウンタの値が規定数であれば、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否かを判定し(ステップS526)、スタートスイッチ7の操作が検出されていれば、BET処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。これに伴い、1球取込スイッチ5及びMAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7の操作の検出が無効化される。
ステップS525においてBETカウンタの値が規定数でない場合、またはステップS526においてスタートスイッチ7の操作が検出されていない場合には、カードユニット接続中信号のonが検出されているか否か、すなわちカードユニット400と払出制御基板60とが接続状態となったか否かを判定し(ステップS527)、カードユニット接続中信号のonが検出されていなければ、そのままステップS508の処理に戻り、カードユニット接続中信号のonが検出されていれば、ステップS523において設定した接続エラーを示すエラーコードをクリアして(ステップS528)、ステップS508の処理に戻る。これに伴い遊技補助表示器12に表示されたエラーコードの表示も解除される。
次に、上記したステップS513の精算制御処理について詳しく説明する。図21は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS513において実行する精算制御処理を詳細に示すフローチャートである。
精算制御処理では、まず、未使用球カウンタの値が0か否かを判定し(ステップS601)、未使用球カウンタの値が0であれば、BETカウンタの値が0か否かを判定する(ステップS602)。
そして、ステップS601、S602において未使用球カウンタの値またはBETカウンタの値のいずれか一方でも0でない場合には、未精算球カウンタの値を(未使用球カウンタの値+BETカウンタの値×5)の値、すなわち未使用球数と使用済球数との合計値に更新し(ステップS603)、未使用球カウンタ及びBETカウンタの値をクリアする(ステップS604)。そして、図22に示す精算要求処理に制御を移行する。精算要求処理から復帰すると、残存球検出スイッチ113の検出信号の入力状態を確認して取込準備球通路110内の残存球が検出されているか否かを判定し(ステップS606)、取込準備球通路110内の残存球が検出されていなければ、そのまま精算制御処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。また、ステップS606において取込準備球通路110内の残存球が検出されていれば、残存球報知LED114を点灯して(ステップS607)、精算スイッチ10の操作を促す報知を行った後、精算制御処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。
また、ステップS601、S602において未使用球カウンタの値もBETカウンタの値も0の場合には、返却球詰まり検出スイッチ111が検出されているか否か、すなわち返却球誘導通路109内に返却球が詰まっているか否かを判定し(ステップS608)、返却球詰まり検出スイッチ111が検出されていなければ、更に、払出球詰まり検出スイッチ112が検出されているか否か、すなわち払出球誘導通路208内に払出球が詰まっているか否かを判定する(ステップS609)。そして、ステップS608において返却球詰まり検出スイッチ111が検出されているか、ステップS609において払出球詰まり検出スイッチ112が検出されていれば、精算制御処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。
また、ステップS608、S609において返却球詰まり検出スイッチ111も払出球詰まり検出スイッチ112も検出されていなければ、取込モータ101の回転駆動量を100球分に設定し(ステップS610)、振分ソレノイド102をonにして(ステップS611)、取り込まれた遊技球の流路方向を返却球誘導通路109側とする。
そして、流路切替弁107による実際の流路方向が返却球誘導通路109側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がonの状態か否かを判定し(ステップS612)、流路切替弁107による実際の流路方向が返却球誘導通路109側であれば、取込モータ101の設定をonとして取込動作を開始する(ステップS613)。すなわち流路切替弁107の流路方向を検出する流路検出スイッチ115の検出状態に基づき、実際の流路方向が返却球誘導通路109側を向いていることを条件に取込モータ101の駆動を開始する。
取込モータ101の駆動中においては、流路切替弁107による実際の流路方向が返却球誘導通路109側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がonの状態か否かを判定し(ステップS614)、流路方向が返却球誘導通路109側であれば、取込モータ101の駆動停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS615〜S618)。詳しくは、ステップS615において第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105の検出状況をチェックし、最後に取込球が検出されてから規定時間(例えば3秒間)にわたり取込球が検出されていないか否かを判定し、ステップS616において返却球詰まり検出スイッチ111が検出されているか否か、すなわち返却球誘導通路109内に返却球が詰まっているか否かを判定し、ステップS617においては、払出球詰まり検出スイッチ112が検出されているか否か、すなわち払出球誘導通路208内に払出球が詰まっているか否かを判定し、ステップS618においては、回転駆動量分、すなわち100球分の回転が終了したか否かを判定する。
そして、ステップS615〜S618において取込モータ101の駆動停止条件がいずれも成立していなければ、ステップS614の処理に戻る。また、ステップS615〜S618において取込モータ101の駆動条件がいずれか1つでも成立している場合、すなわち最後に取込球が検出されてから規定時間にわたり取込球が検出されていない場合、返却球詰まり検出スイッチ111が検出されている場合、払出球詰まり検出スイッチ112が検出されている場合または100球分の回転が終了した場合には、取込モータ101の設定をoffにして(ステップS619)、振分ソレノイド102をoffにして取り込まれた遊技球の流路方向を取込球誘導通路108側とする(ステップS620)。
次に、残存球検出スイッチ113からの検出信号の入力状態を確認して取込準備球通路110内の残存球が検出されているか否かを判定し(ステップS621)、取込準備球通路110内の残存球が検出されていなければ、残存球報知LED114を消灯した後(ステップS623)、精算制御処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。また、ステップS621において取込準備球通路110内の残存球が検出されていれば、残存球報知LED114を点灯して(ステップS622)、精算スイッチ10の操作を促す報知を行った後、精算制御処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。
また、ステップS612またはステップS614において流路方向が返却球誘導通路109側ではない場合、すなわち振分ソレノイド102をonとして返却球誘導通路109側に切り替えたにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が返却球誘導通路109側に切り替わってない場合、または取込モータ101の駆動中に、振分ソレノイド102がonの状態であり、流路方向が返却球誘導通路109側であるにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が取込球誘導通路108側を向いている場合には、取込モータ101の設定をoffとし(ステップS624)、振分ソレノイド102をoffにした後(ステップS625)、流路方向の異常を示す流路方向異常エラーを示すエラーコードをセットした後(ステップS626)。所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS627)。そして、エラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、精算制御処理を終了し、図20のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS605の精算要求処理について詳しく説明する。図22は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS605において実行する精算要求処理を詳細に示すフローチャートである。
精算要求処理では、まず、払出制御基板接続確認信号のonが検出されているか否か、すなわち遊技制御基板40と払出制御基板60が接続されているか否かを判定し(ステップS701)、払出制御基板接続確認信号のonが検出されていなければ、払出制御基板60と正常に接続されていない旨を示す払出制御基板接続エラーを示すエラーコードをセットし(ステップS702)、所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS703)。そして、エラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、ステップS701の処理に戻る。
また、ステップS701において払出制御基板接続確認信号のonが検出されていれば、球数信号の値を未精算球カウンタの値に更新し(ステップS704)、RAM41cに設定されたエラー判定用タイマカウンタ(払出通信エラー判定時間をカウントするためのカウンタ)に初期値を設定し(ステップS705)、精算要求信号をonとする(ステップS706)。
次に、動作中信号のonが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS707〜S709)。また、ステップS708においては、払出通信エラー判定時間(例えば5秒)が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定し、払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該精算要求に基づく遊技球の払出動作の開始が確認できない場合には、払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示す払出通信エラーコードを設定し(ステップS709)、再びステップS707の処理に戻る。これに伴い払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS707において、動作中信号のonが検出された場合、すなわち精算要求に基づく遊技球の払出動作の開始を確認した場合には、動作中信号のoffが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS710〜S714)。また、ステップS710においては、払出球検出スイッチ202の検出状況をチェックして払出球が検出されたか否かを判定し、払出球が検出された場合には、未精算球カウンタの値を1減算し(ステップS712)、再びステップS710の処理に戻る。また、ステップS713においては、払出通信エラー判定時間が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定し(ステップS713)、払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該精算要求に基づく遊技球の払出動作の終了が確認できない場合には、前述した払出通信エラーを示すエラーコードを設定し(ステップS714)、再びステップS710の処理に戻る。これに伴い前述のように払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS711において、動作中信号のoffが検出された場合、すなわち精算要求に基づく遊技球の払出動作の終了を確認した場合には、払出通信エラーを示すエラーコードがセットされているか否かを判定し(ステップS715)、払出通信エラーを示すエラーコードがセットされていない場合には、未精算球カウンタの値が残存するか否かに関わらず未精算球カウンタの値をクリアした後(ステップS717)、精算要求信号をoffにして(ステップS718)、精算要求処理を終了し、図21のフローチャートに復帰する。また、ステップS715において、払出通信エラーを示すエラーコードがセットされている場合には、当該エラーコードをクリアする(ステップS716)。すなわち精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過してエラー状態に制御されている場合でも、精算要求に基づく遊技球の払出動作の終了を確認した場合には、当該エラー状態が自動的に解除されるようになっている。これに伴い遊技補助表示器12に表示されたエラーコードの表示も解除される。そして、未精算球カウンタの値が残存するか否かに関わらず未精算球カウンタの値をクリアした後(ステップS717)、精算要求信号をoffにして(ステップS718)、精算要求処理を終了し、図21のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS519の取込制御処理について詳しく説明する。図23は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS519において実行する取込制御処理を詳細に示すフローチャートである。
取込制御処理では、まず、残存球報知LED114が点灯中であるか否か、すなわち、精算スイッチ10の操作を促す報知が行われているか否かを判定し(ステップS801)、残存球報知LED114が点灯中である場合には、この時点で遊技者はゲームを行う意志があり、精算スイッチ10の操作を促す報知は不要であるとして、残存球報知LED114を消灯する(ステップS802)。残存球報知LED14が消灯中であれば、何もせずに消灯状態を維持する。
そして、RAM41cに設定されたリトライカウンタ(取込動作の再試行回数を記憶するカウンタ)に3を設定し(ステップS803)、取込球カウンタの値に応じた取込モータ101の回転駆動量、すなわち取込球カウンタに設定された値の球数を取り込むのに必要な回転駆動量を設定する(ステップS804)。尚、この状態では、振分ソレノイド102はoffの状態であり、流路切替弁107による流路方向は取込球誘導通路108側を向いている状態である。
そして、流路切替弁107による実際の流路方向が取込球誘導通路108側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がoffの状態か否かを判定し(ステップS805)、流路切替弁107による実際の流路方向が取込球誘導通路108側であれば、取込モータ101の設定をonにして取込動作を開始する(ステップS806)。すなわち流路切替弁107の流路方向を検出する流路検出スイッチ115の検出状態に基づき、実際の流路方向が取込球誘導通路108側を向いていることを条件に取込モータ101の駆動を開始する。
取込モータ101の駆動中においては、流路切替弁107による実際の流路方向が取込球誘導通路108側か否か、すなわち流路検出スイッチ115がoffの状態か否かを判定し(ステップS807)、流路方向が取込球誘導通路108側であれば、第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105の検出状況をチェックし、取込球が検出されたか否かを判定する(ステップS808)。
ステップS808において取込球を検出した場合には、取込球カウンタの値を1減算するとともに、未使用球カウンタの値を1加算する(ステップS809)。この際、取込済球/払出済球表示器11に表示されている取込済球数も1加算する。そして、未使用球カウンタの値が5、すなわち賭け数を1設定するのに必要な球数に到達したか否かを判定し(ステップS810)、未使用球カウンタの値が5未満であればステップS807の処理に戻る。また、ステップS810において未使用球カウンタの値が5であれば、BETカウンタの値を1加算するとともに、未使用球カウンタの値をクリアして(ステップS811)、ステップS807の処理に戻る。
また、ステップS808において取込球を検出していなければ、取込モータ101がonの状態か否か、すなわち取込モータ101が未だ駆動中か否かを判定し(ステップS812)、取込モータ101がonであれば、回転駆動量分、すなわち取込球カウンタの値分の回転が終了したか否かを判定し(ステップS813)、回転駆動量分の回転が終了していなければ、ステップS807の処理に戻り、回転駆動量分の回転が終了していれば、取込モータ101の設定をoffにして(ステップS814)、ステップS807の処理に戻る。
また、ステップS812において取込モータ101がonでなければ、取込モータ101がoffとなってから、取込モータ101の回転により取り込まれた遊技球が第2取込球検出スイッチ105にて検出されるまでに要する時間である検出待ち時間が経過したか否かを判定し(ステップS815)、検出待ち時間が経過していなければ、ステップS807の処理に戻る。
また、ステップS815において検出待ち時間が経過していれば、取込球カウンタの値が0か否か、すなわち1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作により要求された球数が全て取り込まれたか否かを判定し(ステップS816)、取込球カウンタの値が0でなければ、すなわち1球取込スイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作により要求された球数が全て取り込まれていなければ、リトライカウンタの値が0か否か、すなわち不足分の遊技球を取り込むための取込動作が再試行回数にわたり行われたか否かを判定し(ステップS817)、リトライカウンタの値が0でなければ、リトライカウンタの値を1減算して(ステップS818)、ステップS804の処理に戻る。
また、ステップS816において取込球カウンタの値が0であれば、リトライカウンタの値をクリアして(ステップS819)、取込制御処理を終了して、図20のフローチャートに復帰する。また、ステップS817においてリトライカウンタの値が0であれば、取込球カウンタの値をクリアして(ステップS820)、取込制御処理を終了して、図20のフローチャートに復帰する。
また、ステップS805またはステップS807において流路方向が取込球誘導通路108側ではない場合、すなわち振分ソレノイド102がoffの状態であり、流路方向が取込球誘導通路108側であるにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が返却球誘導通路109側を向いている場合、または取込モータ101の駆動中に、振分ソレノイド102がoffの状態であり、流路方向が取込球誘導通路108側であるにも関わらず、流路切替弁107による流路方向が返却球誘導通路109側を向いている場合には、取込モータ101の設定をoffとし(ステップS821)、リトライカウンタ及び取込球カウンタの値をクリアした後(ステップS822)、流路方向の異常を示す流路方向異常エラーを示すエラーコードをセットし(ステップS823)、所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS824)。エラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、取込制御処理を終了して、図20のフローチャートに復帰する。
以上のようにBET処理では、精算スイッチ10の操作が有効に検出されると、精算制御処理に移行し、既に1以上の賭け数が設定されている場合または未使用球カウンタの値が0でない場合、すなわち取込済球が残存する場合には、精算要求を行い、これに基づき取込済球を遊技者に返却させる精算要求処理を行った後、精算制御処理を終了する。これに対して、賭け数が設定されておらず、未使用球カウンタの値が0の場合には、取込装置100により取り込まれた遊技球の流路方向を返却球誘導通路109側とした状態で取込モータ101を駆動させることにより、取込装置100内の遊技球を返却させる制御を行った後、精算制御処理を終了する。
また、精算要求処理では、精算要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても、動作中信号のoffが検出されない場合、すなわち当該精算要求に基づく遊技球の払出動作の終了が確認できない場合に、払出通信エラーフラグがセットされてエラー状態に制御される。そして、当該エラー状態は、動作中信号のonを検出し、精算要求に基づく遊技球の払出動作の終了を確認した時点で、自動的に解除されるようになっている。
また、1球取込スイッチ5の操作が有効に検出されると、1を取込球カウンタに設定して取込制御処理に移行し、取込球カウンタの値分(1球分)の遊技球を取り込むための動作量の取込動作を、第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105による取込球の検出により減算された取込球カウンタの値が0となるか、取込動作を1回行う毎に減算されるリトライカウンタの値が0となるか、のいずれかの条件が成立するまで繰り返し行い、いずれか一方の条件が成立することで、取込制御処理が終了する。
また、MAXBETスイッチ6の操作が有効に検出されると、遊技状態に応じた規定数の賭け数を設定するのに必要な球数(15球)から、使用済球数(BETカウンタの値×5)及び未使用球数(未使用球カウンタの値)を減算した球数、すなわちその時点で規定数の賭け数を設定するのに必要な球数を取込球カウンタに設定して取込制御処理に移行し、取込球カウンタの値分の遊技球を取り込むための取込動作を、第1取込球検出スイッチ104及び第2取込球検出スイッチ105による取込球の検出により減算された取込球カウンタの値が0となるか、取込動作を1回行う毎に減算されるリトライカウンタの値が0となるか、のいずれかの条件が成立するまで繰り返し行い、いずれか一方の条件が成立することで、取込制御処理が終了する。
次に、上記したステップS402の内部抽選処理について詳しく説明する。図24は、CPU41aがステップS402で実行する内部抽選処理を詳細に示すフローチャートである。内部抽選処理では、RAM41cの設定値ワーク41c−4に記憶されている設定値を読み出し(ステップS901)、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上6以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS902)。読み出した設定値が1以上6以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図18に示したRAM異常エラー処理を行うものとする。
読み出した設定値が1以上6以下の範囲にあれば、RAM41cにビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS903)。ビッグボーナス中フラグが設定されていなければ、そのままステップS905の処理に進む。ビッグボーナス中フラグが設定されていれば、いずれにしてもレギュラーボーナスの遊技状態でゲームを行うため、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグを設定する(ステップS904)。ここで、既にレギュラーボーナス中フラグが設定されていた場合は、その状態が継続されるだけである。そして、ステップS905の処理に進む。
ステップS905では、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路42が発生する乱数をサンプリング回路43に抽出させ、抽出された乱数を内部抽選用の乱数に加工して、RAM41cの内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる。なお、乱数取得処理の詳細については後述する。
次に、現在の遊技状態に対応して、図11(a)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS906)。ここで読み出した役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかを判定する(ステップS907)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもなければ、そのままステップS909の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであれば、前回以前のゲームにおいてRAM41cにレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定され、これらの入賞が発生せずに持ち越されているかどうかを判定する(ステップS908)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていれば、ステップS906の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を読み出す。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、ステップS909の処理に進む。
ステップS909では、今回のゲームにおいて設定されている賭け数を読み出し、抽選対象の役について読み出した賭け数に対応して、図11(b)の役別テーブルにおける共通フラグの設定状況を取得する。この結果、共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS910)。
共通フラグが設定されていれば、読み出した抽選対象役について当該賭け数に対応して図11(b)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS911)。そして、ステップS913の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について当該賭け数及び読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS912)。そして、ステップS913の処理に進む。
ステップS913では、ステップS911またはS912で取得した判定値数をRAM41cの判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS914)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS915)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS906の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS919の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS906で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS916)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもない場合には、そのままステップS918の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、RAM41cのRTカウンタの初期値として6をセットする。ここで、初期値として6をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS1510(後述)でRTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味してRTのゲーム数として5ゲームを確保するためである(ステップS917)。そして、ステップS918の処理に進む。
ステップS918では、直前のステップS906で読み出した抽選対象役の当選フラグをRAM41cに設定する。そして、ステップS919の処理に進む。ステップS919では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況に応じて内部当選コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。そして、内部抽選処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS905の乱数取得処理について詳しく説明する。図25は、CPU41aがステップS905で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU41aに対する割り込みを禁止する(ステップS1001)。
次に、乱数発生回路42が発生する乱数をサンプリング回路43でラッチする(ステップS1002)。ここで、ラッチした乱数は、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれについて、ビットの並び順が逆順となる。そして、CPU41aは、サンプリング回路43のラッチした乱数の下位8ビットをRAM41cの上位領域に、上位8ビットを下位領域に取り込む。また、サンプリング回路43のラッチした乱数の上位8ビット(すなわち、下位領域に取り込んだのと同じデータ)をRAM41cに待避領域に待避する(ステップS1003)。つまり、ここでCPU41aがRAM41cの特定領域に取り込んだデータは、乱数発生回路42が発生したデータとは、ビットの並び順が完全に逆順となる。そして、ステップS1001で禁止した割り込みを許可する(ステップS1004)。
次に、CPU41aは、上位領域のデータから11hを減算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(ステップS1005)。次に、S1005の処理後の上位領域のデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(ステップS1006)。次に、S1006の処理後の上位領域のデータと、下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に格納する(ステップS1007)。ここで、最終的な排他的論理和演算の前に行う上位領域のデータの加工が完了する。
さらに、上位領域のデータをそのまま下位領域のデータとして格納する(ステップS1008)。ここで下位領域に格納されたデータは、S1006の処理後の上位領域のデータと、下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算したデータであり、乱数取得処理が終了するまでにさらに変えられることがなく、内部抽選処理において用いられる内部抽選用の乱数の下位8ビットとなる。
更に、待避領域のデータに78hを加算し、その結果のデータを新たに待避領域に一時格納する(ステップS1009)。そして、S1006の処理後の上位領域のデータとS1009の処理後の待避領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータを新たに上位領域に一時格納する(ステップS1010)。ここで上位領域に格納されたデータが、内部抽選用の乱数の上位8ビットとなる。そして、乱数取得処理を終了して、図24のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS404のリール停止処理について詳しく説明する。図26は、CPU41aがステップS404で実行するリール停止処理を詳細に示すフローチャートである。リール停止処理では、まず、ストップスイッチ8L、8C、8Rの全てを操作有効にする(ステップS1101)。
次に、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS1102)。ここで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちで既に操作されていて対応するリールの回転が停止しているものは操作無効となっているので、物理的な操作がされたとしても操作が検出されていないものと判定される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されていなければ、ステップS1102の処理を繰り返す。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの操作が検出された場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちで操作が検出されたものと判定されたものを操作無効とする(ステップS1103)。さらに、リール停止制御処理を行って、リール2L、2C、2Rのうちで操作の検出されたストップスイッチに対応するものの回転を停止させる(ステップS1104)。ここで、停止される図柄は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作時において表示されていた図柄を含めて5コマの範囲にある図柄のうちから、当選フラグの設定状況に応じて選択されることとなる。
さらに、ここで停止したリールの種類及び停止位置を示すリール停止コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1105)。次に、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(ステップS1106)。リール2L、2C、2Rのうちで未だ回転を継続しているものがあれば、ステップS1102の処理に戻る。リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止した場合には、リール停止処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS405の入賞判定処理について詳しく説明する。図27は、CPU41aがステップS405で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS1201)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2に設定された5本(但し、レギュラーボーナスでは1本)の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS1202)。
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM41cに設定する。さらに小役の入賞であった場合には、入賞した小役の種類に応じた払出予定数をRAM41cに設定する(ステップS1203)。そして、ステップS1204の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS1204の処理に進む。なお、通常の遊技状態でRT図柄が揃っていれば、RAM41cにRT入賞フラグが設定されることとなるが、RT図柄が揃っていても他の遊技状態であれば、RT入賞フラグが設定されることはない。
ステップS1204では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS1201の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM41cにリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS1205)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM41cに設定する(ステップS1206)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS1215の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS1207)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM41cに設定すると共に、RAM41cに設定されているビッグボーナス(1)当選フラグを消去する。また、RAM41cのRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS1208)。そして、ステップS1215の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、RAM41cにビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS1209)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM41cに設定すると共に、RAM41cに設定されているビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。また、RAM41cのRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS1210)。そして、ステップS1215の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、RAM41cにレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS1211)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM41cに設定すると共に、RAM41cに設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。また、RAM41cのRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS1212)。そして、ステップS1215の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、RAM41cにRTの入賞フラグが設定されているかどうかにより、RT入賞したかどうかを判定する(ステップS1213)。RT入賞していれば、RAM41cのRTカウンタの初期値として6をセットする。ここで、初期値として6をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS1510(後述)でRTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味してRTのゲーム数として5ゲームを確保するためである(ステップS1214)。そして、ステップS1215の処理に進む。RT入賞もしていなければ、そのままステップS1215の処理に進む。
ステップS1215では、RAM41cに設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出される遊技球の個数を示す入賞判定コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS406の賞球付与処理について詳しく説明する。図28は、CPU41aがステップS406で実行する賞球付与処理を詳細に示すフローチャートである。賞球付与処理では、まず、RAM41cに払出予定数が設定されているか否かに基づいて賞球の付与を伴う入賞が発生しているか否かを判定する(ステップS1301)。賞球の付与を伴う入賞が発生していない場合には、賞球付与処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
また、賞球の付与を伴う入賞が発生している場合には、払出予定数だけの賞球数を、RAM41cに設定された未払出球カウンタ(払出要求に基づく未払出球数を記憶するカウンタ)にセットする。払出予定数は、ここでRAM41cから消去する(ステップS1302)。そして、図29に示す払出要求処理に制御を移行する(ステップS1303)。そして、払出要求処理から復帰すると、賞球付与処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS1303の払出要求処理について詳しく説明する。図29は、遊技制御基板40のCPU41aがステップS1303において実行する払出要求処理を詳細に示すフローチャートである。
払出要求処理では、まず、払出制御基板接続確認信号のonが検出されているか否か、すなわち遊技制御基板40と払出制御基板60が接続されているか否かを判定する(ステップS1401)。払出制御基板接続確認信号のonが検出されていなければ、払出制御基板60と正常に接続されていない旨を示す払出制御基板接続エラーを示すエラーコードをセットし(ステップS1402)、所定のエラー処理に制御を移行する(ステップS1403)。このエラー処理においてエラー状態が解除され、エラー処理から復帰すると、ステップS1401の処理に戻る。
また、ステップS1401において払出制御基板接続確認信号のonが検出されていれば、球数信号の値を未払出球カウンタの値に更新し(ステップS1404)、前述したエラー判定用タイマカウンタに初期値を設定し(ステップS1405)、払出要求信号をonとする(ステップS1406)。
次に、動作中信号のonが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS1407〜S1409)。より詳しく説明すると、動作中信号のonが検出されない時には、払出通信エラー判定時間(例えば5秒)が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定する(ステップS1408)。払出通信エラー判定時間を経過していなければ、そのままステップS1407の処理に戻る。払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち払出要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該払出要求に基づく遊技球の払出動作の開始が確認できない場合には、前述した払出通信エラーを示すエラーコードを設定し(ステップS1409)、再びステップS1407の処理に戻る。これに伴い、前述のように払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS1407において動作中信号のonが検出された場合、すなわち払出要求に基づく遊技球の払出動作の開始を確認した場合には、動作中信号のoffが検出されるまで動作中信号の出力状況を監視する(ステップS1410〜S1415)。より詳しく説明すると、払出球検出スイッチ202の検出状況をチェックして払出球が検出されたか否かを判定する(ステップS1410)。払出球が検出された場合には、未払出球カウンタの値を1減算し(ステップS1412)、取込済球/払出済球表示器11に表示されている払出済球数を、(賞球数−未払出球カウンタの値)、すなわち賞球数のうちその時点で既に払い出されている払出済球数に更新し(ステップS1413)、再びステップS1410の処理に戻る。
ステップS1410において払出球が検出されなければ、動作中信号のoffが検出されたかどうかを判定する(ステップS1411)。動作中信号のoffが検出されなければ、払出通信エラー判定時間が経過したか否か、すなわちエラー判定用タイマカウンタが0か否かを判定する(ステップS1414)。払出通信エラー判定時間が経過していなければ、ステップS1410の処理に戻る。払出通信エラー判定時間が経過している場合、すなわち払出要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過しても当該払出要求に基づく遊技球の払出動作の終了が確認できない場合には、前述した払出通信エラーを示すエラーコードを設定し(ステップS1415)、再びステップS1410の処理に戻る。払出通信エラーフラグがセットされると、前述のように払出制御基板60側で払出に伴う異常が発生した旨を示すエラーコードが遊技補助表示器12に表示される。
次に、ステップS1411において動作中信号のoffが検出された場合、すなわち払出要求に基づく遊技球の払出動作の終了を確認した場合には、払出通信エラーフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1416)。払出通信エラーを示すエラーコードがセットされていなければ、そのままステップS1418の処理に進む。払出通信エラーを示すエラーコードがセットされている場合には、当該エラーコードをクリアして(ステップS1417)、ステップS1418の処理に進む。すなわち払出要求を行った時点から払出通信エラー判定時間が経過してエラー状態に制御されている場合でも、払出要求に基づく遊技球の払出動作の終了を確認した場合には、当該エラー状態が自動的に解除されるようになっている。これに伴い遊技補助表示器12に表示されたエラーコードの表示も解除される。
ステップS1418では、未払出球カウンタの値が0か否かを判定する。未払出球カウンタの値が0であれば、そのまま払出要求信号をoffにする(ステップS1420)。そして、払出要求処理を終了して、図28のフローチャートに復帰する。また、未払出球カウンタの値が0でなければ、未払出球カウンタの値をクリアするとともに、取込済球/払出済球表示器11に表示されている払出済球数を賞球数の値に更新してから(ステップS1419)、払出要求信号をoffにする(ステップS1420)。そして、払出要求処理を終了して、図28のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS407のゲーム終了時処理について詳しく説明する。図30は、CPU41aがステップS407で実行するゲーム終了時処理を詳細に示すフローチャートである。ゲーム終了時処理では、RAM41cにビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する(ステップS1501)。但し、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM41cに設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞またはビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM41cに設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからの遊技球の払出総数をカウントする(ステップS1502)。このカウントの結果、遊技球の払出総数が1725個を越えたかどうかを判定する(ステップS1503)。遊技球の払出総数が1725個を越えていなければ、ステップS1506の処理に進む。
遊技球の払出総数が1725個を越えた場合には、RAM41cに設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、遊技球の払出総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS1504)。そして、ステップS1508の処理に進む。
当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含まない)であったかどうかを判定する(ステップS1505)。但し、レギュラーボーナスの入賞フラグがRAM41cに設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、ステップS1506の処理に進む。
ステップS1506では、RAM41cに設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS1507)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS1508の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS1511の処理に進む。ステップS1508では、RAM41cに設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS1511の処理に進む。
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでもなかった場合には、RAM41cのRTカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1509)。RTカウンタの値が0であれば、そのままステップS1511の処理に進む。RTカウンタの値が0でなければ、RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS1510)、ステップS1511の処理に進む。
ステップS1511では、RAM41cに組み合わせ小役当選フラグ、スイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグ、リプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS1203においてRAM41cに入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
次に、RAM41cにおけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグに基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板90に送信する(ステップS1512)。そして、ゲーム終了時処理を終了して、図19のフローチャートに復帰する。ここで図19のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のCPU41aは、通常の遊技状態、RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のCPU91aは、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、連続演出及び追加演出を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板90側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図31は、演出制御基板90のCPU91aが実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板90側では、遊技制御基板40から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1601)。遊技制御基板40からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1602)。
受信したコマンドの種類がステップS504、S517またはS521で送信されたBETコマンドであった場合には、詳細を後述するBET時処理を行う(ステップS1603)。BET時処理を終了すると、ステップS1601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS919で送信された内部当選コマンドであった場合には、詳細を後述するスタート時処理を行う(ステップS1604)。スタート時処理を終了すると、ステップS1601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS403で送信されたリール回転開始コマンドであった場合には、前のゲームでRAM91cに保存したリール2L、2C、2Rの停止図柄に関する情報をクリアする(ステップS1605)。そして、ステップS1601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1105で送信されたリール停止コマンドであった場合には、詳細を後述するリール停止時処理を行う(ステップS1606)。リール停止時処理を終了すると、ステップS1601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1215で送信された入賞判定コマンドであった場合には、当該入賞判定コマンドがレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに入賞したことを示しているかどうかを判定する(ステップS1607)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していないことを示していれば、そのままステップS1601の処理に戻る。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに入賞していることを示していれば、RAM91cの連続カウンタの値も追加カウンタの値も0であるかどうかを判定する(ステップS1608)。連続カウンタの値も追加カウンタの値も0であれば、現時点で連続演出も追加演出も行われていないこととなるので、そのままステップS1611の処理に進む。
連続カウンタの値か追加カウンタの値の少なくとも一方でも0でない場合には、連続演出または追加演出の実行中であるか、またはこれらの演出を行い得る状態となっている。この場合には、まず、実行中の連続演出または追加演出を終了させる(ステップS1609)。さらに、RAM91cの連続カウンタの値も追加カウンタの値も0に初期化させる(ステップS1610)。そして、ステップS1611の処理に進む。
ステップS1611では、液晶表示器51、スピーカ53、54、演出効果LED52などを制御して、所定のボーナス入賞演出を行う。このボーナス入賞演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のいずれに入賞したかによって、態様が異なるものであってもよい。そして、ステップS1601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS1512で送信された遊技状態コマンドであった場合には、前回のゲームで最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存された遊技状態(すなわち、今回のゲームで適用されていた遊技状態)をRAM91cに設けられた前回ゲームの遊技状態の保存領域に移し、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM91cに設けられた最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存する(ステップS1612)。また、ここで1ゲームの終了となるので、次のゲームにおける最初のBETコマンドの送信を判定できるようにするため、RAM91cに設定されているBETフラグを消去する(ステップS1613)。そして、ステップS1601の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS1614)。その後、ステップS1601の処理に戻る。
次に、ステップS1603のBET時処理について詳しく説明する。図32は、CPU91aがステップS1603で実行するBET時処理を詳細に示すフローチャートである。BET時処理では、まず、当該ゲームで最初のBETコマンドの受信であるかを判定するため、RAM91cにBETフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1701)。BETフラグが設定されていれば、当該ゲームでは既にBETコマンドを受信しているので、そのままBET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
BETフラグが設定されていなければ、ここでBETフラグをRAM91cに設定する(ステップS1702)。ここでBETフラグを設定することにより、ステップS1703以下の処理は、1ゲームで1回しか行われなくなる。次に、RAM91cに確定報知フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1703)。確定報知フラグが設定されていれば、前回以前のゲームでリール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したときに、連続演出または追加演出が終了して、ボーナス当選の確定が報知されていることとなる。
この場合、ソフトウェア乱数機能により種別報知抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に値により当選してるボーナスの種別を報知するかどうかを決定する種別報知抽選を行う(ステップS1704)。そして、この種別報知抽選においてボーナスの種別を報知する旨が決定されたかどうかを判定する(ステップS1705)。ボーナスの種別を報知しない旨が決定された場合には、そのままステップS1707の処理に進む。
ボーナスの種別を報知する旨が決定された場合には、前回のゲームのステップS1801の処理(後述)でRAM91cに保存した当選状況に従って、液晶表示器51への画像の表示により、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれに当選しているのかを報知する(ステップS1706)。そして、ステップS1707の処理に進む。ステップS1707では、RAM91cに設定されている確定報知フラグを消去する。そして、BET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
確定報知フラグが設定されていない場合には、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1708)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が実行されているので、そのままBET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。連続カウンタの値が0であれば、さらにRAM91cの追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1709)。
追加カウンタの値も0であれば、RAM91cに保存されている2回分の遊技状態に基づいて、今回のゲームで遊技状態がRTに変化したかどうかを判定する(ステップS1710)。ここで、今回のゲームの遊技状態がRT、前回のゲームの遊技状態が通常となっていれば、遊技状態がRTに変化したものと判定することができる。遊技状態がRTに変化していなければ、そのままBET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
遊技状態がRTに変化していれば、前回のゲームのステップS1801の処理(後述)でRAM91cに保存した当選状況に従って、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているかどうかを判定する(ステップS1711)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選していれば、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM91bに格納された連続演出選択テーブルのうちの当選時テーブルを参照して、これから開始する連続演出のパターンを選択する。ここで選択した連続演出のパターンは、RAM91cに保存しておく(ステップS1712)。そして、ステップS1714の処理に進む。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していなければ、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM91bに格納された連続演出選択テーブルのうちの非当選時テーブルを参照して、これから開始する連続演出のパターンを選択する。ここで選択した連続演出のパターンは、RAM91cに保存しておく(ステップS1713)。そして、ステップS1714の処理に進む。
ステップS1714では、ステップS1712またはステップS1713で選択した演出パターンに応じた値を初期値として、RAM91cの連続カウンタにセットする。さらに、液晶表示器51に連続演出の開始を示す所定の画像を表示することにより開始演出を行う(ステップS1715)。そして、BET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
また、ステップS1709において連続カウンタの値が0でなかった場合には、RAM91cに再開フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1716)。再開フラグが設定されていなければ、そのままBET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
再開フラグが設定されていれば、今回のゲームから連続演出に代わって追加演出を実行することになる。ここでは、追加演出の開始(一旦は終了した連続演出の再開)を示す所定の画像を表示することにより再開演出を行う(ステップS1717)。さらに、RAM91cに設定されている再開フラグを消去する(ステップS1718)。そして、BET時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS1604のスタート時処理について詳しく説明する。図33は、CPU91aがステップS1604で実行するスタート時処理を詳細に示すフローチャートである。スタート時処理では、まず、受信した内部当選コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM91cに設けられた最新ゲームの当選状況の保存領域に保存する(ステップS1801)。
次に、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1802)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が開始しているか少なくとも開始演出は行われている状態にある。この場合、まず、RAM91cに保存した連続演出のパターンが当選時テーブルに基づいて選択されたパターンであって、ボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(ステップS1803)。ボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、そのままステップS1812の処理に進む。
ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、さらに連続カウンタの値が1であるかどうかを判定する(ステップS1804)。連続カウンタの値が1でもなければ、そのままステップS1812の処理に進む。
連続カウンタの値が1であれば、当該ゲームで連続演出が終了することとなるので、さらにRAM91cに保存した当選状況に基づいて、遊技制御基板40のRAM41cにレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1805)。RAM41cにレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていなければ、そのままステップS1812の処理に進む。
RAM41cにレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されている場合には、連続演出の開始時においてはこれらの当選フラグが設定されていなかった(すなわち、RT入賞に基づいてRTに制御された)が、連続演出の実行中に新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選して、これらの役の当選フラグが設定されたことになる。この場合には、ソフトウェア乱数機能により所定の乱数を抽出し、該乱数の値に応じて連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、それとも連続演出の終了後に追加演出を行うかを決定する差替/追加決定抽選を行う(ステップS1806)。この抽選の結果、最終ゲームの演出の内容の差し替えが決定されたか、追加演出の実行が決定されたかを判定する(ステップS1807)。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容の差し替えが決定された場合には、RAM41cに演出差替フラグを設定する(ステップS1808)。さらにRAM91cに保存している連続演出のパターンに応じて最終ゲームにおける演出の内容を差し替え、差し替え後の演出に応じた画像を液晶表示器51に表示して、連続演出の最終ゲームにおける演出を開始させる(ステップS1809)。そして、スタート時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
一方、追加演出の実行が決定された場合には、RAM91cに保存している連続演出のパターンに応じて、連続演出選択テーブルから追加演出のパターンを選択する。ここで選択した追加演出のパターンも、RAM91cに保存しておく(ステップS1810)。さらに選択した追加演出のパターンに応じた値を初期値として、RAM91cの追加カウンタにセットする(ステップS1811)。そして、ステップS1812の処理に進む。
ステップS1812では、RAM91cに保存されている追加演出のパターンとRAM91cの連続カウンタの値に応じた画像を液晶表示器51に表示して、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる。そして、スタート時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
ステップS1802において連続カウンタの値が0であった場合には、さらにRAM91cの追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1813)。追加カウンタの値も0であれば、ここでは何らの演出も開始しないでスタート時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰するものとなる。
追加カウンタの値が0でなければ、RAM91cに保存されている追加演出のパターンとRAM91cの追加カウンタの値に応じた画像を液晶表示器51に表示して、一連の追加演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる(ステップS1814)。なお、連続カウンタの値が0でなければ、追加カウンタの値が0でなくてもステップS1814の処理が実行されることはないので、追加演出は、連続演出が終了した後に行われるものとなる。そして、スタート時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS1606のリール停止時処理について詳しく説明する。図34は、CPU91aがステップS1606で実行するリール停止時処理を詳細に示すフローチャートである。リール停止時処理では、受信したリール停止コマンドに従ってROM91bのテーブルを参照して図柄を特定し、当該リール停止コマンドが示すリールについて停止した図柄をRAM91cの停止図柄テーブルに保存する(ステップS1901)。
次に、停止図柄テーブルを参照して、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(ステップS1902)。リール2L、2C、2Rのうちで未だ回転中のものが1つでもあれば、そのままリール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止した場合には、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1903)。連続カウンタの値が0でなければ、この時点で連続演出の実行中であるので、RAM91cに差替フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1904)。差替フラグが設定されていれば、差し替え後の演出の内容に応じた画像を液晶表示器51に表示して、連続演出の最終ゲームにおける演出の結果を報知する(ステップS1905)。さらに、RAM91cに設定されている差替フラグを消去し、連続カウンタの値を0に初期化する(ステップS1906)。そして、ステップS1918の処理に進む。
ステップS1904で差替フラグが設定されていなければ、RAM91cに保存されている連続演出のパターンと連続カウンタの値に応じた画像を液晶表示器51に表示して、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を報知する(ステップS1907)。さらに、RAM91cの連続カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1908)。ここで減算を行った結果、連続カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS1909)。連続カウンタの値が0とならなかった場合には、いずれにしても次のゲームでのBET時においてボーナス当選の有無を報知することはないので、そのままリール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
連続カウンタの値が0となった場合には、RAM91cに保存した連続演出のパターンが当選時テーブルに基づいて選択されたパターンであって、ボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(ステップS1910)。ボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、ステップS1918の処理に進む。
ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、ボーナスにハズレている旨を示す情報を液晶表示器51に表示して遊技者に報知する(ステップS1911)。次に、RAM91cの追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1912)。追加カウンタの値が0であれば、追加演出を行わずに連続演出が終了となるので、そのままリール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。追加カウンタの値が0でなければ、連続演出の終了後に追加演出を行うので、RAM91cに再開フラグを設定する(ステップS1913)。そして、リール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
ステップS1903で連続カウンタの値が0であれば、RAM91cの追加カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1914)。追加カウンタの値が0であれば、そのままリール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。追加カウンタの値が0でなければ、この時点で追加演出の実行中であるので、RAM91cに保存されている追加演出のパターンと追加カウンタの値に応じた画像を液晶表示器51に表示して、一連の追加演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を報知する(ステップS1915)。
さらに、RAM91cの追加カウンタの値を1だけ減算する(ステップS1916)。ここで減算を行った結果、追加カウンタの値が0となったかどうかを判定する(ステップS1917)。追加カウンタの値が0となった場合には、ステップS1918の処理に進む。追加カウンタの値が0とならなかった場合には、そのままリール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
ステップS1918では、RAM91cに確定報知フラグを設定する。さらに、ボーナスに当選している旨を示す情報を液晶表示器51に表示して遊技者に報知する。そして、リール停止時処理を終了して、図31のフローチャートに復帰する。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1において行われる連続演出及び追加演出を、具体的な例に基づいて説明する。図35、図36は、それぞれ連続演出及び追加演出の具体的な実行態様の第1、第2の例を模式的に示す図である。これらの例では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときにRT入賞して連続演出が開始された後、当該連続演出が終了するまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選した場合を例として説明するものとする。なお、RT入賞したゲームを第0ゲームとする。また、第1の例では追加演出の実行が、第2の例では演出の内容の差し替えが選択された場合を示している。
図35に示す第1の例において、第0ゲームでRT入賞したとき、RAM91cの停止図柄テーブルにはRT図柄が導出された旨が記憶されており、また、RAM91cに当選状況としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない旨が記憶されている。第1ゲームで賭け数が設定されたときに、非当選時テーブルに従って連続演出のパターンが選択される。ここで、3ゲームの間継続するパターンが選択されたものとすると、RAM91cの連続カウンタの初期値として3がセットされる。
また、第1ゲームで賭け数が設定されたときには、液晶表示器51のおいて開始演出が行われる。第1ゲームでスタートスイッチ7が操作されると、液晶表示器51において連続演出の1ゲーム目の演出が開始される。リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器51において連続演出の1ゲームの結果が示される。このとき、連続カウンタの値が2に減算される。
第2ゲームで賭け数が設定されたときには、連続演出の実行中の状態にあるため、演出として何も行われない。第2ゲームでスタートスイッチ7が操作されると、液晶表示器51において連続演出の2ゲーム目の演出が開始される。そして、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器51において連続演出の2ゲームの結果が示される。
第3ゲームで賭け数が設定されたときには、連続演出の実行中の状態にあるため、演出として何も行われない。第3ゲームでスタートスイッチ7が操作されると、連続演出の開始後にビッグボーナス(1)に当選したことが判定される。このときに差替/追加決定抽選が行われ、ここでは追加演出を行うことが決定される。これにより、連続演出のパターンに応じて追加演出のパターンが選択される。ここで、2ゲームの間継続するパターンが選択されたものとすると、RAM91cの追加カウンタの初期値として2がセットされる。
その後、液晶表示器51において連続演出の3ゲーム目の演出が開始される。リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器51において連続演出の3ゲームの結果が示される。このとき、連続カウンタの値が0に減算されるが、追加カウンタの値は2のままである。このとき、連続演出のパターンがボーナス当選の確定を報知するパターンではないため、ここでは液晶表示器51においてボーナスのハズレが報知される。追加カウンタの値が0ではないので、RAM91cに再開フラグが設定される。
第4ゲームで賭け数が設定されたときには、RAM91cに再開フラグが設定されているため、演出の継続を報知する再開演出が液晶表示器51において行われる。第4ゲームでスタートスイッチ7が操作されると、液晶表示器51において追加演出の1ゲーム目の演出が開始される。リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器51において追加演出の1ゲームの結果が示される。このとき、追加カウンタの値が1に減算される。
第5ゲームで賭け数が設定されたときには、連続演出の実行中の状態にあるため、演出として何も行われない。第5ゲームでスタートスイッチ7が操作されると、液晶表示器51において追加演出の2ゲーム目の演出が開始される。リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止すると、液晶表示器51において追加演出の2ゲームの結果が示される。このとき、追加カウンタの値が0に減算される。ここで追加カウンタの値が0となったため、液晶表示器51においてボーナス当選の確定が報知される。また、RAM91cに確定報知フラグが設定される。
第6ゲームで賭け数が設定されたときには、RAM91cに確定報知フラグが設定されているため、種別報知抽選が行われる。この種別報知抽選に当選したものとすると、ビッグボーナス(1)に当選している旨が液晶表示器51において報知される。
図36に示す第2の例では、第2ゲームまで第1の例と同様に演出が行われる。第3ゲームで賭け数が設定されたときに演出として何も行われないことも第1の例と同じである。第3ゲームでスタートスイッチ7が操作されると、連続演出の開始後にビッグボーナス(1)に当選したことが判定される。このときに差替/追加決定抽選が行われ、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えることが決定される。ここで、RAM91cに差替フラグが設定される。
その後、液晶表示器51において連続演出の最終ゲームにおける差し替えられた内容の演出が開始される。さらにリール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したときには、液晶表示器51において差し替え後の内容で連続演出の最終ゲームの結果が示される。ここで報知される結果は、差し替えでなければ報知されない結果であることがある(図36では、そのようなものを示している)。また、差替フラグが消去されるとともに連続カウンタの値が0に初期化される。さらに、液晶表示器51においてボーナス当選の確定が報知される。また、RAM91cに確定報知フラグが設定される。
第4ゲームで賭け数が設定されたときには、RAM91cに確定報知フラグが設定されているため、種別報知抽選が行われる。この種別報知抽選に当選したものとすると、ビッグボーナス(1)に当選している旨が液晶表示器51において報知される。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときも、これらに当選していないときにも行われる。後者の場合の連続演出は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも当選していない内容のもので、その終了までに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、そのままハズレの確定が報知される。
もっとも、後者の場合の連続演出が開始された後のゲームにおいて、新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがある。この場合であっても、既に開始していた連続演出は、最後まで行うこととしているので、連続演出の実行に関する制御が複雑になることがない。もっとも、このままハズレの確定が報知されるだけとすれば、連続演出の終了時における当選状況とは、異なる情報が遊技者に示されたままになってしまう。
そこで、連続演出の最終ゲームにおいて、実行中の連続演出がRT入賞に基づくものか、すなわちレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときに開始された連続演出であるかどうかを判定し、さらにこの連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたかどうかを判定するものとしている。そして、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していた場合には、差替/追加決定抽選の結果により、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、連続演出の終了後に追加演出を実行するかを選択するものとしている。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容が差し替えられた場合には、最終ゲームにおいて差し替え後の演出の内容を示して、ボーナス当選の確定を遊技者に示すことができるものとなる。このため、遊技者に不信感を感じさせずに、連続演出を終了させることができる。一方、追加演出の実行が選択された場合には、一旦ハズレの結果が報知されるものとなるが、連続演出の終了後直ちに実行される追加演出によって、遊技者は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることが分かることとなる。これにより、遊技者に不信感を感じさせずに、一旦開始された連続演出を最後まで行うことができる。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるのか、連続演出に続けて追加演出を実行するのかに関わらず、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたかどうかを判定するのは、連続演出の最終ゲームにおいてだけ行えばよい。このように実行中の連続演出がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときに開始された連続演出であるかどうかの判定と、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していたかどうかの判定が1回だけで済むため、制御負荷が大きくなりすぎない。
また、演出の内容の差し替えを選択する場合であっても、演出の内容の差し替えが行われるのは、連続演出の最終ゲームにおける演出分だけである。このため、演出の内容の差し替えのパターンが複雑になりすぎず、制御負荷が大きくなりすぎない。追加演出の実行を選択する場合には、連続演出の内容はそのままで新たに追加演出を行えばよいだけである。このため、連続演出の実行に対して余計な制御負荷がかかることがない。さらに、演出の内容の差し替えと追加演出の実行のいずれもあるので、演出の種類が豊富になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出は、遊技状態がRTに制御されたときに開始されるものとなっている。遊技状態がRTに制御される契機としては、通常の遊技状態でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することか、組み合わせ小役の取りこぼしによってRT図柄が導出されることでRT入賞となることが定められている。前者の場合、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順によりレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しなかったときには、多くの場合でリーチ目としてRT図柄が導出される。
このため、連続演出の開始とRT図柄の導出と一致する場合が多く、連続演出の開始されることが可変表示装置2の結果によって遊技者に分かりやすく示されるのとなる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づくRTへの制御で連続演出が開始された場合でも、リーチ目としてRT図柄が導出されることで、遊技者が可変表示装置2の表示結果を参照してもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているのかどうかが分からないようにすることができる。さらに、連続演出が開始される前のRT図柄の導出によっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する期待感を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、連続演出が開始される場合には遊技状態がRTに制御されているので、リプレイ入賞が頻発することになる。通常の遊技状態でも偶然にリプレイ入賞が頻発することはあるが、リプレイ入賞が頻発しているときには、遊技状態がRTにある、すなわちレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性が高い。このため、連続演出以外にもリプレイ入賞の頻発によっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を遊技者に期待させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、連続演出が実行されている間は、遊技状態がRTに制御されているので、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)以外の役(特にリプレイ)に入賞する場合が多くなるので、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したり、ハズレ目が導出されたりすることで、連続演出の終了前にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているのかどうかが遊技者に分かってしまう場合が少ない。このため、連続演出の継続している間、1ゲームより長い期間で遊技者に期待感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
連続演出は、遊技状態がRTに制御されたときに、予め定められた複数種類のパターンの中からいずれかの演出パターンが選ばれる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないときに開始された連続演出の最終ゲームにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が判定されたときに追加演出の実行が選択された場合、実行される追加演出のパターンは、そのときに実行中であった連続演出のパターンに応じて選ばれる。このように複数種類のパターンで連続演出(及び追加演出)を行うものとすることで、演出の態様が豊富となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、追加演出のパターンが実行中の連続演出のパターンに従って選ばれることにより、追加演出を連続演出に整合させることができ、連続演出と追加演出とを一連の演出として違和感なく遊技者に示すことができるようになる。
さらに、連続演出のパターンとしては、2ゲームの期間で継続するパターンと3ゲームの期間で継続するパターンとがあり、パターンの選択によって連続演出が継続する期間が決まる。追加演出のパターンとしても、1ゲームの期間で継続するパターンと2ゲームの期間で継続するパターンとがあり、パターンの選択によって追加演出が継続する期間が決まる。このように連続演出や追加演出が行われる期間として異なる期間のものがあることで、演出の態様が豊富となり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
一方、連続演出の最終ゲームにおいて演出の内容の差し替えが選択された場合、差し替え後の最終ゲームにおける演出の内容も、そのときに実行中であった連続演出のパターンに応じて選ばれる。これにより、連続演出の内容を最終ゲームにおける当選状況と整合させて遊技者に違和感なく示すことができるようになる。
さらに、連続演出及び追加演出における各回のゲームにおける演出の結果としては、勝、負、大勝利の3種類があるが、このうちで「大勝利」については、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容が差し替えられた場合か、追加演出が実行された場合にしか示されることがない。演出の内容の差し替え、或いは追加演出の実行は、連続演出が開始された後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合というレアケースで行われるものであるが、大勝利という演出の結果は、このようなレアケースでのみ示されるものとなることで、演出の内容にプレミア性を持たせることができ、演出の興趣を高めることができるようになる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技者に有利な遊技状態に移行させる特別役として、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の3種類を用意している。ここで、各々の役の図柄である「BAR」、「赤7」及び「白7」は、左のリール2Lについては7コマ間隔で配置されているため、それぞれに入賞させるためのストップスイッチ8Lの操作タイミングは、互いに排他的なものとなっている。このため、連続演出(及び追加演出)の結果としてボーナス当選の確定が報知されても、遊技者は、ストップスイッチ8Lの操作について適切な操作タイミングを選択しなければならない。このように遊技手順が増えると共に、遊技者による技術介入性も高まるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出(及び追加演出)の結果としてボーナス当選の確定が報知されたときには、種別報知抽選が行われ、これに当選すると、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれに当選しているのかまで報知されることとなる。この報知により、遊技者がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のそれぞれに対応した操作タイミングを試す必要がなくなり、即座にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞させられるようになるので、遊技を円滑に進行することができるようになる。また、種別の報知は、種別報知抽選にハズレれば行われないので、ボーナス当選の確定が報知された後に、さらに種別まで報知されるかどうかについて遊技者に期待感を与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記したように遊技状態毎に内部抽選の対象となる役の種類は、遊技状態別当選役テーブルに登録されているが、各役の当選確率を定める判定値数は、役別テーブルから参照されるアドレスに格納されている。役別テーブルにおいて、いずれの遊技状態においても入賞となる役として定められた組み合わせ小役、スイカ、ベル、及びチェリーについては、賭け数毎に判定値数の格納先アドレスが登録されており、賭け数に従って判定値数が取得されることとなる(もっとも、スイカ、チェリーでは、結果的に同じ判定値数が取得される)。
ここで、レギュラーボーナスにおける賭け数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭け数は3で固定されている。これにより、賭け数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じた当選確率で組み合わせ小役、スイカ、ベル及びチェリーの内部抽選を行うことができる。また、判定値数を取得する際に遊技状態を判断する必要がないので、内部抽選における処理ステップが簡素化される。
しかも、レギュラーボーナスに対応した賭け数1の方が、賭け数3のときよりもベルの当選確率が高いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感をさらに高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。組み合わせ小役は、賭け数1の方が当選確率が低いが、ベルの当選確率を高くしたことに比べればその影響は少なく、レギュラーボーナスにおいてRT図柄が導出されにくくなるという効果を生じさせるものとなっている。
また、役別テーブルに登録されている各役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭け数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、内部抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、内部抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態に応じて抽選対象とされる役に応じた判定値数を内部抽選用の乱数に順次加算しておき、加算の結果がオーバーフローしたときに当該役に当選したものと判定されることとなっている。このように内部抽選を行うと、処理効率は高いものとなるが、各役に当選となるかどうかの判定値は、役毎に値の連続する範囲で設定されることとなる。
ここで、内部抽選用の乱数は、乱数発生回路42の発生する2バイトの乱数の値をそのまま用いるのではない。すなわち、サンプリング回路43は、乱数発生回路42から抽出した乱数を、上位バイトと下位バイトとでそれぞれビットの並び順を逆順として取り込み、さらにサンプリング回路43のラッチした2バイトの乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替えて、上位領域と下位領域に取り込むものとしている。その上で、上位領域のデータから11hを減算し、上位領域のデータをローテイトし、上位領域のデータと下位領域のデータをビット毎に排他的論理和演算して下位領域のデータを書き換え、さらに書き換えた下位領域のデータと上位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算して、内部抽選用の乱数を得ている。
ところで、乱数発生回路42の発生する乱数は、パルス発生回路42aがパルス信号を発生する度にカウントアップされるので、仮に乱数発生回路42の発生する乱数をそのまま内部抽選用の乱数として用いた場合には、何回かのパルス入力に対して同じ役の当選と判定されることが連続してしまい、遊技者による狙い打ちが可能となってしまう。また、乱数発生回路42の発生する乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替えただけでは、パルスの発生毎の値が256毎に周期的になるため、依然としてある程度の狙い打ちが可能となる。さらに、バイト毎にビットの並び順を逆順に入れ替えたとしても、パルス信号の発生毎に値が周期的になるということが解消しきれず、やはり遊技者による狙い打ちが可能となってしまう。
これに対して、この実施の形態のスロットマシン1で用いられる内部抽選用の乱数は、乱数発生回路42の発生する乱数のビットの並び順を逆順とした上で、上位領域のデータと下位領域のデータで排他的論理和演算を行っているため、各ビットの値が1となるか0となるかについての変化が大きくなり、パルス信号の発生毎に値が周期的になるのを十分に解消することができる。これにより、当選期間や当選容易期間が生じるのを回避し、遊技者による狙い打ちを防ぐことができるようになる。
また、排他的論理和演算を行う前に上位領域のデータから11hを減算し、さらに上位領域のデータをローテイトすることで、各ビットの値が1となるか0となるかについての変化を大きくすることができ、パルス信号の発生毎の内部抽選用の乱数の値をバラケさせることとなり、遊技者による狙い打ち防止の効果を高めることができる。また、排他的論理和演算は、内部抽選用の乱数において下位バイトとなるデータに対しても行われているため、パルス信号の発生毎の内部抽選用の乱数の値をバラケさせることとなり、遊技者による狙い打ち防止の効果を高めることができる。
さらに、内部抽選用の乱数において上位バイトとなるデータは、排他的論理和演算回路が行われた下位領域のデータを上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算することでえられるものとなっている。このように、最初の排他的論理和演算で値をバラケさせた下位領域のデータで上位領域のデータもさらにバラケさせることができ、遊技者による狙い打ちをより効果的に防ぐことができるようになる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たなに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク41c−4に格納されている設定値が適正な値(1〜6の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(例えば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たなに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行うことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時や制御部41が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧して制御部41が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行うようになっているので、RAM41cに記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行うことができる。すなわち、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行わずに済み、制御部41の負荷を軽減させることができる。
また、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM41cに記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域41c−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域41c−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM41cのデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確且つ簡便に行うことができる。
また、RAM41cのデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM41cに記憶されているデータが初期化される。このため、RAM41cのデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行うことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、制御部41の起動時には、RAM41cのデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ37がONの状態であると判定した場合には、RAM41cのデータが正常であるか否かの判定は行わずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM41cのデータが正常であるか否かの判定を行わずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な、上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、連続演出が開始した後にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときに連続演出の最終ゲームにおいて差替/追加抽選を行うものとしていたが、最終ゲームにおける演出の内容の差し替えと追加演出の実行とは、当選しているボーナスの種類に関わらずにそれぞれ同じ確率で選択されるものとなっていた。これに対して、レギュラーボーナスに当選したのか、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したのかで、演出の内容の差し替えと追加演出の実行の選択比率を変えるものとしてもよい。
例えば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、レギュラーボーナスに当選したときよりも追加演出の実行の選択比率を高くするものとした場合には、追加演出が実行されることで、より遊技価値の高いビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることを遊技者が期待できるようになる。これにより、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、RTの遊技状態は、当該RTからの開始から消化したゲーム数が5ゲームとなったときに終了するものとしていた。もっとも、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときには、5ゲームに限らずに、これらの役に入賞するまで遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されているときに必ず遊技状態をRTに制御するものとすると、これによってレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への入賞が非常に困難になってしまう。そこで、遊技状態がRTに制御されてから所定ゲーム数を消化した後には、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグ以外の当選フラグが重ねて設定されていても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に優先して入賞させるものとすることができる。
例えば、レギュラーボーナス当選フラグとベル当選フラグが設定されている状態で「BAR」を入賞ライン上に揃えられるタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたのであれば、「ベル」の図柄も入賞ライン上に揃えることができる。この場合、遊技状態がRTに制御されてからの消化ゲーム数が所定ゲーム数を越えたときには、「BAR」を「ベル」よりも高い割合(100%でもよい)で入賞ライン上に揃えるものとしてもよい。これ以外の場合であっても、RTの遊技状態においてレギュラーボーナス当選フラグとベル当選フラグが設定されている状態で「BAR」を入賞ライン上に揃えられるタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたのであれば、所定の割合(但し、50%未満)で「ベル」ではなく「BAR」を入賞ライン上に揃えるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態でRT入賞したことと、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したこととを契機として、RTの遊技状態に制御されるものとなっていた。後者の場合、RT図柄が導出されなくても、遊技状態がRTに制御されて連続演出が開始される場合があり、この場合には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が遊技者に分かってしまう。そこで、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても遊技状態をRTに制御せずに、リーチ目としてRT図柄が導出されたことを契機として、遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。
ここでは、遊技制御基板40の側の処理として、図24のステップS916、S917の処理を削除し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても、遊技状態がRTに制御されないようにすればよい。また、図27のステップS1213では、組み合わせ小役の取りこぼしによるRT入賞であるかレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選時のリーチ目であるかに関わらず、可変表示装置2の表示結果として入賞ライン上にRT図柄が導出されたかどうかを判定し、RT図柄が導出されたときにはRTカウンタの初期値として6をセットして、遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。演出制御基板90の側の処理は、上記の実施の形態と同じでよい。
この場合には、必ずRT図柄の導出を契機として連続演出が行われるため、連続演出の開始される契機が遊技者にとって視覚的にも分かりやすくなる。RT図柄が導出されずに連続演出が開始されることはないので、連続演出の開始されたときにおける可変表示装置2の表示結果によって、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が遊技者に分かってしまうことがなくなる。
上記の実施の形態では、遊技状態がRTに制御されたことを契機として連続演出が開始されるものとしていた。しかし、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、且つこれらの役に入賞しない場合であっても、可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されない場合がある。そこで、遊技状態をRTに制御する契機は、上記の実施の形態と同じとするが、RT入賞であるかどうかを問わずに可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されたことを契機として、連続演出を開始するものとしてもよい。
ここでは、遊技制御基板40の側の処理は、上記の実施の形態と同じでよい。演出制御基板90の側の処理として、ステップS1711では、遊技状態がRTに変化したかどうかを判定するのではなく、ステップS1901で保存した停止図柄に基づいて、前回のゲームでRT図柄が導出されたかどうかを判定するものとすればよい。
ここでは、連続演出を実行する契機を、遊技状態がRTに制御されることではなく、RT図柄が導出されることとしている。このようにRT図柄の導出により連続演出を実行するものとすることで、連続演出が開始されたときの可変表示装置2の表示結果に基づいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているのかどうかが遊技者に分かってしまうことがなくなる。さらに、連続演出の開始の契機とRTへの制御の契機も一致するので、連続演出の継続している間はレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても入賞が困難になる。このため、1ゲームより長い期間で遊技者に期待感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、組み合わせ小役の取りこぼしによるRT入賞であるかレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選であるかどうかに関わらず、遊技状態がRTに制御されたときには、必ず連続演出が開始されるものとなっていた。もっとも、遊技状態がRTに制御されたときに(或いは、上記の変形例ではRT図柄が導出されたときに)、所定の確率で当選する連続演出抽選を行い、該連続演出抽選に当選したことを条件として、連続演出を開始させるものとしてもよい。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に基づくRTへの制御(或いは、上記の変形例ではリーチ目としてのRT図柄の導出)では必ず連続演出を開始させるものとするが、組み合わせ小役の取りこぼしに基づくRTへの制御(或いは、上記の変形例ではRT入賞)では所定の確率で連続演出を開始させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、組み合わせ小役の取りこぼしによりRT入賞するか、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選によりRTに制御されるものとしていた。しかしながら、RTに制御する条件は、これに限るものではなく、特定の小役(例えば、スイカ)に入賞することで遊技状態をRTに制御するとともに、遊技状態がRTに制御されたことを契機として、連続演出を開始させるものとしてもよい。この場合、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同時に特定の小役を抽選対象役とする場合を含めるものとすればよい。
図37は、この変形例において適用される遊技状態別当選役テーブルを示す図である。この変形例においては、組み合わせ小役は、抽選対象役となっていない。図37において、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、またはビッグボーナス(2)+スイカとあるのは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、スイカとが同時に抽選対象役になっているということである。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、スイカ、ベル、チェリーが内部抽選の対象役として順に読み出される。もっとも、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカが内部抽選の対象役となっていても、レギュラーボーナスの遊技状態においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することはなく、これらを内部抽選の対象役として読み出したときの当選の判定では、スイカの当選としかならない。
通常の遊技状態またはRTにあるときには、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+スイカ、スイカ、ベル、チェリー、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。通常の遊技状態におけるリプレイとRTにおけるリプレイとは、内部抽選の対象役としては別個に定められているが、当選したときに設定されるリプレイ当選フラグは、同じである。
また、通常の遊技状態またはRTにおいて、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときに、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、内部抽選の対象役とならないのは、上記の実施の形態と同じである。また、通常の遊技状態またはRTにおいて、既にレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されている状態で、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカを内部抽選の対象役として読み出したときの当選の判定でも、スイカの当選としかならない。
ここでの遊技制御基板40の側の処理として、図24のステップS914でオーバーフローが生じたものと判定された場合に、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中で提供された場合を含む)にあるかどうか、及びレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されているかどうかを判定するものとすればよい。
遊技状態がレギュラーボーナスでもなく、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグが未だ設定されていない場合には、抽選対象役として両方の当選フラグ(例えば、抽選対象役がレギュラーボーナス+スイカであれば、レギュラーボーナス当選フラグとスイカ当選フラグ)をRAM91cに設定するものとすればよい。そうでない場合には、スイカ当選フラグのみをRAM91cに設定するものとしても、いずれの当選フラグも設定しないものとしてもよい。
また、図24のステップS916、S917の処理を削除し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しても、遊技状態がRTに制御されないようにすればよい。また、図27のステップS1413では、スイカの小役に入賞したかどうかを判定するものとし、スイカの小役に入賞したときにはRTカウンタの初期値として6をセットして、遊技状態をRTに制御するものとしてもよい。
なお、図37の遊技状態別当選役テーブルに対応する役別テーブルにおいても、賭け数の違い毎に、設定値1〜6のそれぞれに共通して判定値数が記憶される抽選対象役と、設定値1〜6のそれぞれに応じて個別に判定値数が記憶される抽選対象役とがあってもよい。後者では、設定値毎に異なる判定値が記憶される抽選対象役と、設定値に関わらずに同じ判定値数が記憶される抽選対象役とがあってもよい。
この場合には、スイカの小役に入賞したことを契機として連続演出が開始されるため、連続演出の開始される契機が遊技者にとって視覚的にも分かりやすいものとなる。また、スイカの小役に入賞したときには、単に連続演出を開始させるものとしているだけではなく、そのこと自体でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している確率が高いことを示している。内部抽選において、スイカと同時にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することがあるからである。これにより、スイカの入賞では、75個の遊技球の払い出しによる配当が与えられるという以外にも、遊技者にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の期待感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図37を用いて説明した変形例においては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と、スイカとを同時に抽選対象としていた。これを含めて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)といった特別役の抽選と、非特別役(小役、リプレイ)の抽選は、同じ流れの中で行うものとしていた。これに対して、特別役の抽選と非特別役の抽選とは、別々に行うものとしてもよい。この場合、図37を用いて説明した変形例における内部抽選をさらに次のように変形することができる。
図38は、このさらなる変形例において適用される当選判定用テーブルを模式的に示す図である。図39は、このさらなる変形例において適用される内部抽選処理を詳細に示すフローチャートである。これ以外の構成及び処理については、図37を用いて説明した変形例のスロットマシンと同一であるものとする。
図38に示すように、当選判定用テーブルとしては、遊技状態別の小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルがあり、ROM41bに予め格納されている。小役当選判定用テーブル及びボーナス当選判定用テーブルは、いずれも設定値に応じて用意され、内部抽選処理においては設定値に応じたものが用いられるものとなっているが、ここでは、図示を省略している。
ここで、図38(a)に示すように、通常の遊技状態にあって前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていないときには、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)とボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて、内部抽選が行われる。なお、図28(a)において、斜線を付している範囲は、内部抽選用の乱数の値がこの範囲の値であれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とスイカに重複して当選となる範囲である。
一方、通常の遊技状態またはRTにある場合であっても、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときには、図38(b)に示すように、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)のみが用いられて、内部抽選が行われる。遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、そもそもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の抽選を行わないので、図38(c)に示すように、レギュラーボーナスに対応した小役テーブル(2)のみが用いられて、内部抽選が行われる。
図39に示す内部抽選処理において、ステップS2001〜S2005の処理と、ステップS2002で設定値が1以上6以下の範囲にないと判定されたときにRAM異常エラー処理に移行する点については、上記の実施の形態における内部抽選処理(図24のステップS901〜S905)と同じである。また、当該ゲームにおける当選フラグの設定状況が確定した後に内部当選コマンドを送信する処理(ステップS2016)の処理についても、図24のステップS919の処理と同じである。
ステップS2005において内部抽選用の乱数を取得した後、現在の遊技状態(通常及びRT、またはレギュラーボーナス)と設定値に応じて用意された小役当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS2006)。次に、設定した小役当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS2005で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS2007)、設定した小役当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS2008)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグをRAM41cに設定し(ステップS2009)、ステップS2010の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS2010の処理に進む。
ステップS2010では、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであるかどうかを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであれば、そのままステップS2016の処理に進む。
現在の遊技状態がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなければ、通常の遊技状態かRTのいずれかであるが、この場合には、RAM41cにレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが前回以前のゲームで既に設定されていて、入賞せずに持ち越されているかどうかを判定する(ステップS2011)。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが既に設定されていれば、そのままステップS2016の処理に進む。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも設定されていなければ、設定値に応じたボーナス当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS2012)。次に、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS2005で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS2013)、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS2014)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグをRAM41cに設定し(ステップS2015)、ステップS2016の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS2016の処理に進む。
このように特別役と非特別役とで別個の当選判定用テーブルを用意しておき、通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選用の乱数の値が特別役に当選となる値に対応するとともに非特別役にも当選となる値に対応するときには、特別役と非特別役とに同時に当選することとなる。この場合、小役やリプレイなどの非特別役の当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果が小役やリプレイの入賞となったとしても、なおも特別役にも当選していたという可能性がある。これにより、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、内部抽選の結果として特別役に当選しなくても、小役やリプレイには当選しているという可能性があるので、遊技者の期待感の維持を図ることができる。さらに、通常の遊技状態またはRTにおいて特別役の当選フラグが前回以前のゲームから持ち越されていなければ、小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて内部抽選を行うが、特別役の当選フラグが前回以前のゲームから持ち越されていれば、小役当選判定用テーブルのみを用いて内部抽選を行えばよいこととなる。これにより、通常の遊技状態及びRTにおける内部抽選を簡単な処理で行うことができるようになる。
このさらなる変形例では、特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も非特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も同一のものであったが、互いに別々の乱数を用いるものとしてもよい。また、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されてるか否かに関わらず、通常の遊技状態またはRTにおいては小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの両方を用いて抽選を行うようにし、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、その当選を無効とするものとしてもよい。
上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、組み合わせ小役当選フラグが設定されている状態でストップスイッチ8Rの操作タイミングにより組み合わせ小役を取りこぼしたときには、必ずRT図柄が入賞ライン上に導出されるものとなっていた。これは、右のリール2Rについて「BAR」、「赤7」及び「白7」のいずれかは、必ず5コマ以内の間隔で配置されているからである。これに対して、組み合わせ小役当選フラグが設定されている状態で組み合わせ小役を取りこぼしたときにおいて、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによってはRT図柄も取りこぼすことがあるものとしてもよい。例えば、RT図柄の図柄組み合わせを「ベル−ベル−赤7」とし、「ベル−ベル−白7」の組み合わせはRT図柄でないものとすれば、右のリール2Rについて必ずしも「BAR」か「赤7」が5コマ以内の間隔で配置されているとは限らないので、RT図柄の取りこぼしも生じることとなる。
上記の実施の形態では、ボーナス当選の確定が報知された次のゲームで賭け数が設定されたときにボーナス種別抽選が行われ、これに当選したことを条件として、当選しているボーナスの種別も報知されるものとしていた。ここでのボーナス種別抽選に当選しなければ、当選しているボーナスの種別が報知されることはなかった。しかしながら、当選しているボーナスの種別を報知するタイミングも報知するための条件も、これに限るものではない。
例えば、ボーナス当選の確定が報知された後、所定ゲーム数を消化してもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも入賞しないことを条件として、ボーナス種別抽選を行うものとしてもよい。ボーナス当選の確定が報知された後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに入賞するまでの各ゲームにおいて、ボーナス種別抽選を行うものとしてもよい。ボーナス当選の確定が報知された後、所定ゲーム数を消化してもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれにも入賞しないときには、必ず当選しているボーナスの種別を報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出は、2ゲームまたは3ゲームの期間で継続し、追加演出は、1ゲームまたは2ゲームの期間で継続するものとなっていた。これに対して、RTの遊技状態は、5ゲームの期間で継続するので、連続演出(及び追加演出)が終了したときに、未だ遊技状態がRTにあってレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞が困難になっている場合もある。
そこで、ボーナス当選の確定の報知は、ボーナス当選の確定を除く連続演出(及び追加演出)が終了した後、さらにRTの終了を待って行うものとしてもよい。これにより、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が確実に分かっているのに入賞させられないというストレスを遊技者に与えずに済み、遊技者に不満を感じさせることがなくなる。
なお、ボーナス当選の確定の報知は、連続演出(及び追加演出)とは別個に行うものとしてもよい。液晶表示器51への画像の表示の代わりに所定のランプを点灯することで行うものとしてもよい。一連の連続演出(及び追加演出)の流れの中で所定のランプを点灯することで、ボーナス当選の確定を報知するものとしてもよい。いずれの場合においても、RTの終了を待ってボーナス当選の確定を報知することができる。さらに、ハズレの確定の報知も、RTの終了を待って行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないで開始された連続演出における最終ゲームまでにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選して、該最終ゲームの演出に内容が差し替えられないときには、当該連続演出の終了に続けて追加演出を行うものとしていた。これに対して、連続演出が終了するまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選がなかったとしても、所定の割合で連続演出の終了に続けて追加演出を行うものとしてもよい。
この場合は、当該追加演出の最終ゲームまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しなければ、追加演出の結果としてハズレの確定が報知されるものとなる。追加演出の最終ゲームまでに新たにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、追加演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、さらに延長した追加演出を行うものとしてもよい。
このようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していなくても、追加演出が行われる場合を生じさせるようにすることで、連続演出の終了後に追加演出が開始された場合にあっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する遊技者の興味を減退させることがない。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、追加演出のパターンは、実行されている連続演出のパターンに対応して選択されるものとしていた。連続演出の最終ゲームにおける差し替え後の演出の内容も、実行されている連続演出のパターンに対応して選択されるものとしていた。もっとも、連続演出と追加演出を合わせて、個々のゲームの演出の結果全体で勝ちが負けの数よりも多くなるか、追加演出中の個々のゲームの演出の結果として大勝利が含まれていることを条件として、追加演出のパターンを実行されている連続演出のパターンとは独立して選択できるようにしてもよい。差し替え後の演出の内容も、最終ゲームよりも前までのゲームで勝と負が何回あったかに応じて、勝または大勝利に差し替えるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、連続演出及び追加演出は、液晶表示器51への画像の表示によって行われるものとしていたが、スピーカ53、54からの音声の出力や、リールランプ55や演出効果LED52の点灯など、他の演出手段を用いて行うものであっても構わない。開始演出、再開演出を行う演出手段と、個々のゲームにおける演出を行う演出手段と、ハズレまたはボーナス当選の確定を報知する演出手段とが異なっていても構わない。
上記の実施の形態では、内部当選コマンドの送信時、すなわちスタートスイッチ7の操作時に連続演出または追加演出における各ゲームの演出を開始するものとしていた。しかし、スタートスイッチ7を操作したときであっても前回のゲーム開始から所定時間を経過していなければ、リール2L、2C、2Rの回転開始が待機させられる。スタートスイッチ7の操作時ではなく、リール2L、2C、2Rの回転開始時において連続演出または追加演出における各ゲームの演出を開始してもよい。この場合、図33のステップS1802〜S1808の処理を、ステップS1605の処理に続けて行うものとすればよい。
上記の実施の形態では、上位領域のデータと下位領域のデータとの最終的な論理和演算(ステップS1010)を行う前に、上位領域のデータから11hを減算し(ステップS1005)、下位に1ビットローテイトし(ステップS1006)、下位領域のデータと排他的論理和演算して(ステップS1007)、上位領域のデータを予め加工しておくものとしていた。もっとも、必ずしもこれらの全てのステップを必要とする訳ではなく、いずれか1つまたは2つを適用し、或いはこれらのステップが全く行われないものとしてもよい。
ここで、ステップS1007の処理が行われないものとした場合には、ステップS1008の処理は、上位領域のデータと下位領域のデータとをビット毎に排他的論理和演算して、その排他的論理和演算の結果を新たな下位領域のデータとして格納するものとすればよい。また、ステップS1005〜S1007の処理を行う順番は、任意の順番に入れ替えることができる。ステップS1005〜S1007のうちの少なくとも1つのステップが適用されるのであれば、ステップS1010の処理を行わずに、ステップS1005〜S1007の処理のうちで適用したステップ全てを行った後の上位領域のデータを、内部抽選用の乱数における最終的な上位バイトのデータとしてもよい。
また、ステップS1005で減算する値は11hに限るものではなく、00h以外の任意の値を加算または減算することができ、ステップS1006でローテイトするのは下位に1ビットに限るものではなく、7ビットまでの任意のビット数だけ上位または下位にローテイトすることができる。ステップS1007で排他的論理和演算される下位領域のデータは、乱数発生回路42から最初に下位領域に入力したデータに対して所定の演算を行ったものであってもよい。上位領域のデータに対して行う演算としては、これ以外の演算式による演算も適用することができる。さらには、ステップS1010で上位領域のデータに対して排他的論理和演算される待避領域のデータは、乱数発生回路42から最初に下位領域に入力したデータであってもよく、ステップS1007、S1009とは異なる所定の演算を行ったデータであってもよい。
上記の実施の形態では、ステップS1005〜S1007による加工を経た上位領域のデータを下位領域のデータと排他的論理和演算したデータを、内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしていた。これに対して、乱数発生回路42から最初に下位領域に入力したデータをそのまま内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。ステップS1009で78hを加算した後の待避領域のデータを内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい(或いは、ステップS1008で下位領域に格納したデータに78hを加算して、最終的な下位バイトのデータとしてもよい)。さらには、下位領域のデータに対して行う演算として、これ以外の演算式による演算を適用し、その演算結果を内部抽選用の乱数における最終的な下位バイトのデータとしてもよい。
上記の実施の形態では、例えばステップS1005において、RAM41cの上位領域に格納されたデータから11hを減算し、その減算結果のデータを上位領域に格納するものとしていた。また、ステップS1007においては、RAM41cの上位領域に格納されたデータと、同じくRAM41cの下位領域に格納されたデータとを排他的論理和演算し、その排他的論理和演算の結果のデータを上位領域に格納するものとしていた。もっとも、このようにRAM41cの領域を用いて直接演算を行えるのは、CPU41aの有する命令セットが2アドレス方式または3アドレス方式の場合だけである。
これに対して、CPU41aの有する命令セットが1アドレス方式である場合には、例えばステップS1005のような減算を行う場合に、RAM41cの上位領域に格納されたデータをまずアキュムレータ(汎用レジスタ)にロードし、アキュムレータのデータから11hを減算して減算結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ここでは、RAM41cの上位領域に格納されたデータをアキュムレータにロードしたときに、当該アキュムレータは実質上は上位領域として作用することとなり、ここでは上位領域のデータに対して未だ演算を行うので、アキュムレータのデータをRAM41cの上位領域に未だストアする必要はない。
ステップS1006では、ステップS1005の減算の結果が格納されているアキュムレータのデータを1ビットずつ下位にローテイトし、その結果のデータを再びアキュムレータに格納するものとなる。ステップS1007では、ステップS1006の演算の結果が格納されているアキュムレータのデータに対してRAM41cの下位領域に格納されているデータをビット毎に排他的論理和演算し、その結果のデータをアキュムレータに格納するものとなる。この時点では依然として、アキュムレータがRAM41cの上位領域として作用しているので、ステップS1008では、アキュムレータのデータをRAM41cの下位領域にストアすればよいこととなる。
さらに、ステップS1009では、RAM41cの待避領域のデータをアキュムレータにロードするが、ここでアキュムレータは待避領域として作用することとなり、アキュムレータのデータに11hを加算してアキュムレータに格納すればよい。ステップS1010では、アキュムレータのデータをRAM41cの上位領域のデータとビット毎に排他的論理和演算し、その結果をアキュムレータに格納することとなるが、排他的論理和演算の結果が格納された後のアキュムレータは、再び上位領域として作用することとなる。
このように1アドレス方式の命令セットを有するCPU41aにおけるアキュムレータは、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる(もっとも、上記のような乱数の加工法では、アキュムレータが下位領域として作用することはない)。同様に0アドレス方式の命令セットを有するCPU41aにおけるスタックも、演算の過程において格納されているデータによって、上位領域、下位領域、待避領域のいずれとしても作用するものとなる。
また、CPU41aが複数の汎用レジスタを有するのであれば、RAM41cに上位領域及び下位領域を設けるのではなく、いずれかの汎用レジスタ2つを上位領域及び下位領域として適用するものとしてもよい。特にCPU41aが1バイトの汎用レジスタの他に、2バイトの汎用レジスタを有すれば、これを上位領域及び下位領域のために用いるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、サンプリング回路43から取り込んだ2nビットの数値データを格納する領域にも、最終的に生成された内部抽選用の乱数を格納する領域にも、同じ上位領域と下位領域とを用いていたが、別々の領域を用いるものとしてもよい。例えば、最終的に生成される内部抽選用の乱数が格納される2バイトの乱数領域を、上位領域及び下位領域とは別に設けるものとした場合、ステップS1008では上位領域のデータを乱数領域の下位バイトに格納し、ステップS1009では排他的論理和演算の結果のデータを乱数領域の上位バイトに格納するものとすればよい。
上記の実施の形態では、内部抽選用の乱数のビット数は、乱数発生回路42の発生する乱数のビット数と同じ16ビットであって0〜65535の値をとるものとしていたが、一部のビットを間引くことにより、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲がこれより小さくなるものとしてもよい。例えば、ステップS1010の後に、上位領域と下位領域のそれぞれの最上位ビット(内部抽選用の乱数として第7ビットと第15ビット)を間引くものとしてもよい。
この場合、ステップS1010の結果である乱数の第8ビットから第14ビットを第7ビットから第13ビットにシフトし、第15ビットと第14ビットとには、1(上記した変形例のように減算で当選判定を行う場合は、0)を挿入するものとすることができる。また、ステップS1010の結果から間引いた第14ビットと第8ビットにより示される2ビットの数値は、他の処理(例えば、ボーナス告知のための演出など)の抽選に用いることができる。これにより、間引いたビットの数値も有効に利用することができる。
上記の実施の形態では、乱数発生回路42の発生する乱数の上位バイトのビットの並び順を逆順として内部抽選用の乱数の下位バイトとし、乱数発生回路42の発生する乱数の下位バイトのビットの並び順を逆順として内部抽選用の乱数の上位バイトとしていた。しかしながら、それぞれのバイト内でのビットの並び順は、必ずしも逆順に限るものではなく、例えば、それぞれのバイト内の最上位ビットと最下位ビットとを入れ替えるだけのものであってもよい。もっとも、とりわけタイミングの違いに応じた値の変化が少ない乱数発生回路42の発生する乱数の上位バイトは、なるべく多くのビットが入れ替えられることが好ましい。
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、或いはビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、通常の遊技状態またはRTにおいても、賭け数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭け数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
通常の遊技状態及びRTで賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの遊技球の払出数を増加させることができる。また、通常の遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいて賭け数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭け数1〜3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭け数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにある場合において、スタートスイッチ7の操作時にRAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。もっとも、ビッグボーナス)における遊技状態をレギュラーボーナスに制御する条件はこれに限るものではなく、例えば、ビッグボーナスにおいて可変表示装置2の表示結果として所定の結果(JACIN)が導出されたことを条件として、レギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合、遊技状態がビッグボーナスに制御されているときには、内部抽選においてJACINも抽選対象役とし、JACIN当選したときには、JACIN当選フラグをRAM41cに設定するものとすればよい。JACIN入賞は、JACIN当選フラグの設定が条件となる。
上記の実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときの各リール2L、2C、2Rについての図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。
これに対して、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときの各リール2L、2C、2Rについての図柄位置と当選フラグの設定状況に応じて図柄の停止位置が予め登録されたリール制御テーブル(当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて予め選択される)を参照し、当該リール制御テーブルに登録された図柄の停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール2L、2C、2Rの回転を停止させるスロットマシン(例えば、特許第2627604号公報参照)にも適用することができる。ここで、リール制御テーブルにおいては、図柄の停止位置が予め定められているが、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で定められているものである。つまり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作により停止される図柄は、最大停止遅延時間の範囲内で選択されるものとなる。
また、リール制御テーブルは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作される前に予め、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて選択されているが、どのリール制御テーブルを選択したかによって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングが同じでも停止される図柄が異なってくる。従って、リール制御テーブルを選択することは、当選フラグの設定状況や遊技状態に応じて図柄を選択することとなる。さらに、リール制御テーブルには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときに表示されている図柄位置と図柄を停止すべき位置との関係が登録されているが、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたときの図柄位置に対応して登録されている図柄の停止位置を選択することとなるので、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したときに図柄の停止位置を選択するものということができる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール2L、2C、2Rを備えるものとし、これらのリール2L、2C、2Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。