JP2007051115A - 脂溶性薬剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 脂溶性成分及び乳化剤を含有し、該乳化剤がグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステル及びグリセリン不飽和脂肪酸エステルを含有することを特徴とする脂溶性薬剤組成物。
【選択図】 なし
Description
(1)脂溶性成分及び乳化剤を含有し、該乳化剤がグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステル及びグリセリン不飽和脂肪酸エステルを含有することを特徴とする脂溶性薬剤組成物、
(2)脂溶性薬剤組成物に含有されるグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステルとグリセリン不飽和脂肪酸エステルとの比率が、1:4〜4:1(質量部)であることを特徴とする前記(1)に記載の脂溶性薬剤組成物、
(3)脂溶性薬剤組成物中におけるグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステルとグリセリン不飽和脂肪酸エステルの合計の含有割合が、1〜6質量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の脂溶性薬剤組成物、
(4)HLB値が6以上であるグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステルとHLB値が6未満であるグリセリン不飽和脂肪酸エステルであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の脂溶性薬剤組成物、
(5)グリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステルが、グリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステルであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の脂溶性薬剤組成物、
(6)グリセリン不飽和脂肪酸エステルが、グリセリンモノオレートであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の脂溶性薬剤組成物、および
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の脂溶性薬剤組成物を含有することを特徴とするソフトカプセル、に関する。
また本発明に係る脂溶性薬剤組成物は、使用される乳化剤の界面張力低下能が優れているため、組成物に対する乳化剤の含有量を少なくすることができ、脂溶性成分の含有量を多くすることができる。したがって、例えば本発明に係る脂溶性薬剤組成物をカプセルに封入する際、脂溶性薬剤組成物の量が従来の自己乳化型油脂組成物の封入量より少量であっても、本発明では上記のように乳化剤の量が少量でよいから、十分量の脂溶性成分(例えば脂溶性薬剤等)を含有する脂溶性薬剤組成物をカプセルに封入し得る。
さらに、本発明に係る脂溶性薬剤組成物は、該脂溶性薬剤組成物中での経時変化や環境変化による乳化剤の結晶析出や沈殿を防止することができるので、例えば製剤的に安定なカプセル剤を提供できる。
また、乳化剤の含有量が少ないため、食する際にも味、風味が乳化剤により損なわれることなく、良好である。
これらグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、前記した不飽和脂肪酸のものを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ハードカプセルは、カプセルに充填する脂溶性薬剤組成物の漏出などを防止できる、例えばカプセルボディーとキャップを一体化したもの等がより好ましい。
ソフトカプセルは、通常のソフトカプセル基剤、例えばゼラチン、水溶性高分子(例えば、寒天、カラギナン、ファーセレラン、ジェランガム、ネーティブジェランガム、デンプン、加工デンプン、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、タマリンドガム、ペクチン、アラビアガム、プルラン、大豆多糖類、セルロース誘導体等)、糖質(例えばトレハロース、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、シュクロース、ソルビトール、マルトース等)及びグリセリン等の1種又は2以上を適宜混合して調製されるソフトカプセル皮膜、あるいは特開2005−170929、特開2005−170863、特開2004−351007、特開2004−167084、特開2002−360665、特開2001−247453、特開平11−001427等に記載のソフトカプセル皮膜等が使用され得る。ソフトカプセルは、例えばトウモロコシ由来の天然タンパク質等をコーティング等した腸溶性ソフトカプセル、又は味付けや香り付けをした咀嚼用カプセル、あるいは超薄膜ソフトカプセル(特開2001−288075)等も好ましく使用し得る。カプセル皮膜には、例えば防腐剤、着色剤、不透明化剤、着香剤、矯味剤等も必要により適宜添加して調製することができる。
製造されたソフトカプセルの包装形態は、一般的に知られている形態を用いることができ、例えば、ビン充填、アルミ包装、PTP包装等が挙げられる。
実施例1〜4及び比較例1〜6の脂溶性薬剤組成物を製造した。
(実施例1)
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)(製品名:トナリンTG−80、コグニス社製)に、グリセリンモノオレート(3g)(製品名;エマルジーOL−100H、理研ビタミン社製)及びグリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル(3g)(パノダンAB−100V、ダニスコ社製)を添加し、70℃に加温した後、攪拌機で攪拌して溶解することにより脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(42g)(製品名;アクターM−107FR、理研ビタミン社製)及びビタミンE(54g)(製品名;理研Eオイル800、理研ビタミン社製)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)の代わりにグリセリンモノオレート(1g)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりになたね油(94g)(製品名;ボーソー油脂社製)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(85g)及びコエンザイムQ10(製品名;Bio−Q10、三菱ガス化学社製)(10g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)の代わりにグリセリンモノオレート(2g)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(97g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)及びグリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル(3g)の代わりにグリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル(3g)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりになたね油(97g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)及びグリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル(3g)の代わりにジグリセリンモノレート(3g)(製品名;ポエムDO−100V、理研ビタミン社製)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりになたね油(94g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)及びグリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル(3g)の代わりにヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(3g)(製品名;ポエムPR−300、理研ビタミン社製)及びデカグリセリンラウリン酸エステル(3g)(製品名;SYグリスターML750、阪本薬品工業社製)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(94g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)及びグリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル(3g)の代わりにヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(3g)及びデカグリセリンラウリン酸エステル(3g)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
(比較例5)
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりに中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)(95g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)の代わりにヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(2g)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
(比較例6)
共役リノール酸(CLA)トリグリセライド(94g)の代わりになたね油(85g)及びコエンザイムQ10(10g)を使用し、またグリセリンモノオレート(3g)の代わりにプロピレングリコールオレイン酸エステル(2g)(製品名;リケマールPO−100、理研ビタミン社製)を使用すること以外は、実施例1と同様にして脂溶性薬剤組成物を製造した。
水道水100gに対して、実施例1〜4及び比較例1〜6の脂溶性薬剤組成物をそれぞれ1g添加して、脂溶性薬剤組成物の自己乳化性及び平均粒子径を測定した。平均粒子径は、散乱式粒度分布測定機LA−950(堀場製作所)を用いて、レーザー回析法により測定した。自己乳化性は、液体の状態を目で見て測定し、以下の基準に従って記号化した。
○:均一に白濁して安定である
△:一旦白濁して乳化するが、時間とともに油相と水相が分離する
×:白濁せずに油相と水相が分離する
その結果を表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜6の脂溶性薬剤組成物を20℃の恒温槽にそれぞれ保存し、1ヶ月間観測することにより結晶性を評価した。組成物が白濁したり、沈殿物の生成が認められた場合に、結晶性ありとした。その結果を表1に示す。
ゼラチン(5kg)を、60〜70℃に加温した精製水4.6kgに、攪拌しながら、少量ずつ添加し、均一に分散させた。攪拌下、分散液の温度を80〜90℃として、ゼラチンを完全に溶解させた。ゼラチン溶解後、濃グリセリン1.5kgを加え均一に混合した。ついで穏やかに攪拌しながら室温まで冷却し、ゼラチンシートを製造した。カプセル鋳型を持つ一対の回転ローラーに、2枚のゼラチンシートを送り、実施例1〜4、比較例1〜6の脂溶性薬剤組成物をそれぞれ100mg注入し、充填して、連続的にカプセルを成形し、打ち抜いてソフトカプセルを製造した。
4で製造した実施例1〜4及び比較例1〜6の脂溶性薬剤組成物を含有するソフトカプセルの味及び風味を、下記表2に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価した。
◎:極めて良好 平均値3.5以上
○:良好 平均値2.5〜3.4
△:やや悪い 平均値1.5〜2.4
×:悪い 平均値1.4以下
Claims (4)
- 脂溶性成分及び乳化剤を含有し、該乳化剤がグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステル及びグリセリン不飽和脂肪酸エステルを含有することを特徴とする脂溶性薬剤組成物。
- 脂溶性薬剤組成物に含有されるグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステルとグリセリン不飽和脂肪酸エステルとの比率が、1:4〜4:1(質量部)であることを特徴とする請求項1に記載の脂溶性薬剤組成物。
- 脂溶性薬剤組成物中におけるグリセリンジアセチル酒石酸不飽和脂肪酸エステルとグリセリン不飽和脂肪酸エステルの合計の含有割合が、1〜6質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脂溶性薬剤組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂溶性薬剤組成物を含有することを特徴とするソフトカプセル。
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