JP2009079012A - ソフトカプセル充填用液状組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミツロウを使用せず、且つミツロウを使用した従来処方と同等以上の難油溶性成分の分散安定性を有するカプセル充填用分散液組成物を提供する。
【解決手段】食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめた組成物であって、該難油溶性成分を分散させるための分散安定剤として(a)ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステルと(b)ベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドとを含有することを特徴とするソフトカプセル充填用液状組成物。
【選択図】なし
【解決手段】食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめた組成物であって、該難油溶性成分を分散させるための分散安定剤として(a)ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステルと(b)ベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドとを含有することを特徴とするソフトカプセル充填用液状組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、ソフトカプセル充填用液状組成物に関する。
難油溶性や粉末状の有効成分を含有するソフトカプセル剤は、一般に、有効成分を食用油脂に分散して調製した分散液を、ゼラチンを皮膜とするカプセルに充填して製造される。その際、有効成分を食用油脂中に安定に分散させるための分散剤として、従来グリセリン脂肪酸エステルやミツロウが使用されている(特許文献1参照)。
しかし、分散剤にミツロウを使用すると、有効成分の効果が生体内で十分に発揮されないおそれがあることが知られている。このため、ミツロウを使用せずに有効成分を食用油脂中に安定に分散させるための手段として、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及び水素添加加工油脂の組み合わせによって有効成分を懸濁化した組成物(特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、上記技術では、ミツロウを使用した従来品に比べ有効成分の分散性に難があり、必ずしも満足できるものではない。
本発明の目的は、ミツロウを使用せず、且つミツロウを使用した従来処方と同等以上の難油溶性成分の分散安定性を有するカプセル充填用分散液組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、難油溶性成分を分散させるための分散安定剤として(a)ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステルと(b)ベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドを使用することにより、ミツロウを使用しなくても食用油脂中の難油溶性成分が安定に分散することを見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
即ち、本発明は、食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめた組成物であって、該難油溶性成分を分散させるための分散安定剤として(a)ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステルと(b)ベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドを含有することを特徴とするソフトカプセル充填用液状組成物、からなっている。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物は、ミツロウを含有していない。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物は、ミツロウを使用した従来品と同等以上の難油溶性成分の分散安定性を有している。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物は、ミツロウを使用した従来品と同等以上の難油溶性成分の分散安定性を有している。
本発明で用いられる食用油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はないが、例
えばオリーブ油、ごま油、こめ油、サフラワー油、大豆油、とうもろこし油、なたね油、
パーム油、パームオレイン、パーム核油、ひまわり油、ぶどう油、綿実油、やし油、落花
生油などの植物油脂が好ましく、これら植物油脂のサラダ油が特に好ましい。本発明にお
いては、これらの油脂を一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用い
ても良い。
えばオリーブ油、ごま油、こめ油、サフラワー油、大豆油、とうもろこし油、なたね油、
パーム油、パームオレイン、パーム核油、ひまわり油、ぶどう油、綿実油、やし油、落花
生油などの植物油脂が好ましく、これら植物油脂のサラダ油が特に好ましい。本発明にお
いては、これらの油脂を一種類で用いても良いし、二種類以上を任意に組み合わせて用い
ても良い。
本発明で用いられる難油溶性成分は、親油性の低い物質から構成され、本発明のソフトカプセル充填用液状組成物の有効成分を構成するものである。このような難油溶性成分としては、例えば、ビタミン類(特にアスコルビン酸、ビタミンB1,B2,B6,B12などの水溶性ビタミン)、クエン酸、ヒアルロン酸、カルシウムパウダーなどの栄養補助成分、ローヤルゼリーエキス末(粉末)、プロポリスエキス末、ブルーベリーエキス末、アガリクスエキス末、サメ軟骨抽出エキス末、ウコン末、イチョウ葉エキス末、ギムネマエキス末、その他の動植物粉末、乳糖、オリゴ糖、キトサン、食物繊維などの健康食品成分、或いは生薬エキス末、漢方、医薬組成物などの薬効成分が挙げられる。
本発明で用いられるベヘン酸の蒸留モノグリセライドは、グリセリンとベヘン酸とのエステル化生成物を精製してモノエステル体の含有量を高めたものであり、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド100%中のモノエステル体の含有量は、通常約90%以上である。
本発明で用いられるベヘン酸の蒸留モノグリセライドの原料として用いられるベヘン酸としては、特に制限はないが、純度が50%以上のものが好ましい。純度が50%未満であると、難油溶性成分の分散安定性が十分に得られないため好ましくない。
本発明で用いられるベヘン酸の蒸留モノグリセライドの製造方法としては、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器にグリセリン及びベヘン酸を1:1のモル比で仕込み、必要に応じ酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃で約0.5〜5時間、好ましくは約1〜3時間加熱してエステル化反応を行う。得られた反応液は、グリセリン、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンジベヘン酸エステル、グリセリントリベヘン酸エステルなどを含む混合物である。
反応終了後、反応液中に残存する触媒を中和し、次に反応液を、好ましくは、減圧下で蒸留して残存するグリセリンを留去し、必要であれば脱塩、脱色、ろ過などの処理を行い、ベヘン酸の蒸留モノグリセライドを得る。更に、該ベヘン酸の蒸留モノグリセライドを、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて真空蒸留することにより、モノグリセライド(グリセリンモノベヘン酸エステル)の含量を高めることができる。
反応終了後、反応液中に残存する触媒を中和し、次に反応液を、好ましくは、減圧下で蒸留して残存するグリセリンを留去し、必要であれば脱塩、脱色、ろ過などの処理を行い、ベヘン酸の蒸留モノグリセライドを得る。更に、該ベヘン酸の蒸留モノグリセライドを、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて真空蒸留することにより、モノグリセライド(グリセリンモノベヘン酸エステル)の含量を高めることができる。
本発明で用いられるポリグリセリンベヘン酸エステルは、ポリグリセリンとベヘン酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造され得る。
本発明に用いられるポリグリセリンベヘン酸エステルの原料として用いられるポリグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物が挙げられる。また、ポリグリセリンは、グリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩または脱色などの処理を行って良い。該ポリグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が通常約2〜20、好ましくは約2〜15のポリグリセリンが挙げられる。具体的には、例えばジグリセリン(平均重合度:約2.0)、トリグリセリン(平均重合度:約3.0)、テトラグリセリン(平均重合度:約4.0)、ヘキサグリセリン(平均重合度:約6.0)、オクタグリセリン(平均重合度:約8.0)およびデカグリセリン(平均重合度:約10.0)などが挙げられ、特にジグリセリン、テトラグリセリン、またはデカグリセリンが好ましい。
本発明で用いられるポリグリセリンベヘン酸エステルの原料として用いられるベヘン酸としては、特に制限はないが、純度が50%以上のものが好ましい。純度が50%未満であると、難油溶性成分の分散安定性が十分に得られないため好ましくない。
本発明で用いられるポリグリセリンベヘン酸エステルの好ましい製法の概略は以下の通りである。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器に、ポリグリセリンとベヘン酸を約1:1のモル比で仕込み、通常触媒として水酸化ナトリウムを加えて攪拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は常圧下または減圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、約12以下を目安に決められる。
エステル化反応終了後、必要に応じて反応混合物中に残存する触媒を中和し、必要であれば脱塩、脱色、ろ過などの処理を行い、最終的に、本発明のポリグリセリンベヘン酸エステルを得る。
本発明で用いられるベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドとしては、グリセリンとベヘン酸以外の脂肪酸とのエステル化反応あるいはグリセリンと油脂とのエステル交換反応により製造され、真空蒸留で分離濃縮し、高純度化したものが好ましく用いられる。
ベヘン酸以外の脂肪酸としては、ベヘン酸を除く炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸など)から選ばれる一種または二種以上の脂肪酸の混合物である。なお、該ベヘン酸以外の脂肪酸は、本発明の効果を阻害しない範囲においてベヘン酸を含有していても良く、例えば、50%未満のベヘン酸を含有するものであってよい。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物は、上記食用油脂、難油溶性成分、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステル、並びにベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドを混合・攪拌しながら、均一に分散させることにより製造される。具体的には、例えば、食用油脂、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステル、並びにベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドを、例えば、約60〜90℃に加熱して均一に混合・攪拌した後、これを例えば約40〜60℃に冷却し、更に難油溶性成分を加えて均一に混合・攪拌して製造される。混合・攪拌するための装置に特に制限はないが、例えば、バイオミキサー、ホモジェッター等の高速攪拌機または高速粉砕機を用いることができる。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物100質量%中の食用油脂の含有量は、特に限定されないが、例えば、約20〜95質量%である。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物100質量%中のベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、約0.5〜15質量%、好ましくは、約0.5〜10質量%である。ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸酸エステルの含有量が0.5質量%未満の場合には、食用油脂中の難油溶性成分の分散安定性が低下して該成分の分離が生じやすくなる。また、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸酸エステルの含有量が15質量%以上の場合には、難油溶性成分の含有量が相対的に低下することなどから好ましくない。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物100質量%中のベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドの含有量は、特に限定されないが、例えば、約0.5〜15質量%、好ましくは、約0.5〜10質量%である。該蒸留モノグリセライドの含有量が0.5質量%未満の場合には、食用油脂中の難油溶性成分の分散安定性が低下して該成分の分離が生じやすくなる。また、該グリセリン脂肪酸エステルの含有量の含有量が15質量%以上の場合には、難油溶性成分の含有量が相対的に低下することなどから好ましくない。
本発明のソフトカプセル充填用液状組成物100質量%中の難油溶性成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、約1〜70質量%、好ましくは約3〜60質量%、である。難油溶性成分の含有量が60質量%を超える場合には、難油溶性成分を食用油脂中に十分に分散させることができないか、食用油脂中における難油溶性成分の分散安定性が低下し、難油溶性成分の分離が生じやすくなる。また、難油溶性成分の含有量が1質量%未満の場合には、本発明に係るソフトカプセル剤中の有効成分の含量が少なくなりすぎて、生理活性などの効果が十分に発揮されなくなるおそれがある。
このようにして得られるソフトカプセル充填用液状組成物を、常法に従い、ゼラチンを主成分とする皮膜で包み込むことによりソフトカプセルを製造することができる。具体的には、例えば、2枚のゼラチンシートの間に内容物としてソフトカプセル充填用液状組成物を一定量注入して打ち抜く方法によりソフトカプセルを製造することができる。
以下に本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
ジグリセリンベヘン酸エステルの製造
先ず、攪拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mLを加え、窒素ガス気流中250°で4時間グリセリン縮合反応を行った。
得られた反応生成物を約90℃まで冷却し、リン酸約20gを添加して中和した後ろ過し、ろ液を160℃、250Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの高真空条件下で真空蒸留してグリセリン3%、ジグリセリン92%、トリグリセリン5%を含む留分(ジグリセリン混合物)約3.0kgを得た。
次に、留分に対して1質量%の活性炭を加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過した。得られたジグリセリン混合物の水酸基価は約1359で、その平均重合度は約2.0であった。
続いて、撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、ジグリセリン混合物166g(約1.0モル)、およびベヘン酸(商品名:ベヘン酸85;ミヨシ油脂社製)402g(約1.2モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液5mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のジグリセリンを含むポリオール約5gを除去し、ジグリセリンベヘン酸エステル(試作品A)約530gを得た。このものの酸価は0.9であった。
ジグリセリンベヘン酸エステルの製造
先ず、攪拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mLを加え、窒素ガス気流中250°で4時間グリセリン縮合反応を行った。
得られた反応生成物を約90℃まで冷却し、リン酸約20gを添加して中和した後ろ過し、ろ液を160℃、250Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの高真空条件下で真空蒸留してグリセリン3%、ジグリセリン92%、トリグリセリン5%を含む留分(ジグリセリン混合物)約3.0kgを得た。
次に、留分に対して1質量%の活性炭を加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過した。得られたジグリセリン混合物の水酸基価は約1359で、その平均重合度は約2.0であった。
続いて、撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、ジグリセリン混合物166g(約1.0モル)、およびベヘン酸(商品名:ベヘン酸85;ミヨシ油脂社製)402g(約1.2モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液5mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のジグリセリンを含むポリオール約5gを除去し、ジグリセリンベヘン酸エステル(試作品A)約530gを得た。このものの酸価は0.9であった。
[製造例2]
テトラグリセリンベヘン酸エステルの製造
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、テトラグリセリン(商品名:ポリグリセリン#310;阪本薬品工業社製、水分約5%)165g(約0.5モル)、およびベヘン酸(商品名:ベヘン酸85;ミヨシ油脂社製)436g、(約1.3モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液6mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のポリグリセリン約5gを除去し、テトラグリセリンベヘン酸エステル(試作品B)約550gを得た。このものの酸価は1.4であった。
テトラグリセリンベヘン酸エステルの製造
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、テトラグリセリン(商品名:ポリグリセリン#310;阪本薬品工業社製、水分約5%)165g(約0.5モル)、およびベヘン酸(商品名:ベヘン酸85;ミヨシ油脂社製)436g、(約1.3モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%水溶液6mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価3以下となるまで、約2時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を約180℃まで冷却し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のポリグリセリン約5gを除去し、テトラグリセリンベヘン酸エステル(試作品B)約550gを得た。このものの酸価は1.4であった。
[実施例1]
80℃に加熱して溶融したベヘン酸の蒸留モノグリセライド(商品名:ポエムB−100;理研ビタミン社製)5.0gおよびベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライド(商品名:ポエムS−100;理研ビタミン社製)5.0gを80℃のサフラワーサラダ油(カーギル社製)80.0gに加え、混合・溶解した。得られた混合物を50℃まで自然冷却し、これにリボフラビン(理研ビタミン社製)9.7g、L−アスコルビン酸(BASF武田ビタミン社製)0.3gを加えてミキサー(型式:ウルトラタラックスT−25ベーシック;IKAジャパン社製)でさらに8000rpmで10分間混合・攪拌した。得られた分散液は真空脱泡処理をした後、室温まで冷却し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品1)を得た。
80℃に加熱して溶融したベヘン酸の蒸留モノグリセライド(商品名:ポエムB−100;理研ビタミン社製)5.0gおよびベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライド(商品名:ポエムS−100;理研ビタミン社製)5.0gを80℃のサフラワーサラダ油(カーギル社製)80.0gに加え、混合・溶解した。得られた混合物を50℃まで自然冷却し、これにリボフラビン(理研ビタミン社製)9.7g、L−アスコルビン酸(BASF武田ビタミン社製)0.3gを加えてミキサー(型式:ウルトラタラックスT−25ベーシック;IKAジャパン社製)でさらに8000rpmで10分間混合・攪拌した。得られた分散液は真空脱泡処理をした後、室温まで冷却し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品1)を得た。
[実施例2]
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、ジグリセリンベヘン酸エステル(試作品A)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品2)を得た。
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、ジグリセリンベヘン酸エステル(試作品A)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品2)を得た。
[実施例3]
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、テトラグリセリンベヘン酸エステル(試作品B)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品3)を得た。
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、テトラグリセリンベヘン酸エステル(試作品B)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品3)を得た。
[実施例4]
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、デカグリセリンベヘン酸エステル(商品名:SY−グリスターHB−750;阪本薬品工業社製)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品4)を得た。
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、デカグリセリンベヘン酸エステル(商品名:SY−グリスターHB−750;阪本薬品工業社製)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(実施品4)を得た。
[比較例1]
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、ミツロウ(商品名;脱臭精製ミツロウ高酸;セラリカ野田社製)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品1)を得た。
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、ミツロウ(商品名;脱臭精製ミツロウ高酸;セラリカ野田社製)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品1)を得た。
[比較例2]
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gおよびベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド(商品名:ポエムB−100;理研ビタミン社製)10.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品2)を得た。
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gおよびベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド(商品名:ポエムB−100;理研ビタミン社製)10.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品2)を得た。
[比較例3]
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gおよびベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、グリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−100;理研ビタミン社製)10.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品3)を得た。
実施例1に記載のベヘン酸の蒸留モノグリセライド5.0gおよびベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライド5.0gに替えて、グリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−100;理研ビタミン社製)10.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品3)を得た。
[比較例4]
実施例2に記載のジグリセリンベヘン酸エステル5.0gに替えて、ジグリセリンステアリン酸エステル(商品名:ポエムJ−2081V;理研ビタミン社製)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品4)を得た。
実施例2に記載のジグリセリンベヘン酸エステル5.0gに替えて、ジグリセリンステアリン酸エステル(商品名:ポエムJ−2081V;理研ビタミン社製)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に実施し、ソフトカプセル充填用液状組成物約80g(比較品4)を得た。
[試験例]
[ソフトカプセル充填用液状組成物の分離の評価]
上述した方法により作製したソフトカプセル充填用液状組成物(実施品1〜4および比較品1〜4)の各々を遠沈管(容量50ml、共栓付き)に30g入れ、これを遠心機(型式:SL−05;佐久間製作所社製)を用いて回転数1500rpmで20分間遠心した。その後、遠心分離機から遠沈管を取り出し、遠沈管の試料について、難油溶性成分(リボフラビンおよびL−アスコルビン酸)の分離の有無を目視により観察した。結果を表1に示した。
[ソフトカプセル充填用液状組成物の分離の評価]
上述した方法により作製したソフトカプセル充填用液状組成物(実施品1〜4および比較品1〜4)の各々を遠沈管(容量50ml、共栓付き)に30g入れ、これを遠心機(型式:SL−05;佐久間製作所社製)を用いて回転数1500rpmで20分間遠心した。その後、遠心分離機から遠沈管を取り出し、遠沈管の試料について、難油溶性成分(リボフラビンおよびL−アスコルビン酸)の分離の有無を目視により観察した。結果を表1に示した。
実施品1〜4のいずれも、難油溶性成分の分離が全く生じていなかった。従って、本発明のソフトカプセル充填用液状組成物(実施品1〜4)は、ミツロウを使用していないにも関わらず、ミツロウを使用したもの(比較品1)と同等の分散安定性を有するものであることが明らかである。また、比較品2〜4は、いずれも難油溶性成分の分離が生じ、実施品に比べ明らかに劣るものであった。
Claims (1)
- 食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめた組成物であって、該難油溶性成分を分散させるための分散安定剤として(a)ベヘン酸の蒸留モノグリセライド及び/又はポリグリセリンベヘン酸エステルと(b)ベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドとを含有することを特徴とするソフトカプセル充填用液状組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007250359A JP2009079012A (ja) | 2007-09-27 | 2007-09-27 | ソフトカプセル充填用液状組成物 |
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JP2015155384A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | アリメント工業株式会社 | ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル |
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2007
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