JP2000139345A - 糖脂質含有乳化組成物および該乳化組成物の製造方法 - Google Patents
糖脂質含有乳化組成物および該乳化組成物の製造方法Info
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- JP2000139345A JP2000139345A JP10314809A JP31480998A JP2000139345A JP 2000139345 A JP2000139345 A JP 2000139345A JP 10314809 A JP10314809 A JP 10314809A JP 31480998 A JP31480998 A JP 31480998A JP 2000139345 A JP2000139345 A JP 2000139345A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】糖脂質又は糖脂質を含有する天然物を水に添加
して均質化することを特徴とする糖脂質含有乳化組成物
および該乳化組成物の製造方法に関するものであり、酸
性下でのレトルト処理条件においても長期間安定な耐熱
耐酸性に優れた糖脂質含有乳化組成物を得ることを目的
とする。 【解決手段】グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン
脂肪酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから
選ばれる少なくとも１種を用いて糖脂質を均質化したこ
とを特徴とする糖脂質含有乳化組成物。
して均質化することを特徴とする糖脂質含有乳化組成物
および該乳化組成物の製造方法に関するものであり、酸
性下でのレトルト処理条件においても長期間安定な耐熱
耐酸性に優れた糖脂質含有乳化組成物を得ることを目的
とする。 【解決手段】グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン
脂肪酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから
選ばれる少なくとも１種を用いて糖脂質を均質化したこ
とを特徴とする糖脂質含有乳化組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、健康食品又は化粧
品の添加物質として作用効果が期待されている糖脂質を
含有する乳化組成物に関し、特に、水に対して不溶性の
糖脂質を安定かつ均一に乳化させた組成物及び該組成物
の製造方法に関するものである。
品の添加物質として作用効果が期待されている糖脂質を
含有する乳化組成物に関し、特に、水に対して不溶性の
糖脂質を安定かつ均一に乳化させた組成物及び該組成物
の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】現在、缶詰など製造工程で加熱処理を受
ける食品に、糖脂質等の脂溶性天然物を乳化等によって
均質に水中に分散含有させる場合に、一旦分散した乳化
組成物も加熱により乳化状態が破壊され、脂溶性天然物
が液体の表面に浮上する現象、いわゆるクリーミング現
象が発生する。特に、クエン酸、酢酸等が添加された食
品であって、pHが５以下の酸性状態になる食品に糖脂質
を添加した場合には、乳化状態の破壊は顕著に起こる。
この問題を解決するために、特開平４−２９９９４０号
公報では、ショ糖縮合リシノール酸エステルと多価アル
コールエステルを用いて耐熱性乳化組成物を形成するこ
とが提案されている。しかし、ここに提案された乳化組
成物は、酸性条件下での缶コーヒーのレトルト処理条件
（一般的には１２５℃で２０分間）のような加熱条件が
厳しい場合には、全く効果がないことが分かった。
ける食品に、糖脂質等の脂溶性天然物を乳化等によって
均質に水中に分散含有させる場合に、一旦分散した乳化
組成物も加熱により乳化状態が破壊され、脂溶性天然物
が液体の表面に浮上する現象、いわゆるクリーミング現
象が発生する。特に、クエン酸、酢酸等が添加された食
品であって、pHが５以下の酸性状態になる食品に糖脂質
を添加した場合には、乳化状態の破壊は顕著に起こる。
この問題を解決するために、特開平４−２９９９４０号
公報では、ショ糖縮合リシノール酸エステルと多価アル
コールエステルを用いて耐熱性乳化組成物を形成するこ
とが提案されている。しかし、ここに提案された乳化組
成物は、酸性条件下での缶コーヒーのレトルト処理条件
（一般的には１２５℃で２０分間）のような加熱条件が
厳しい場合には、全く効果がないことが分かった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のグリ
セリン脂肪酸エステルの存在下で、糖脂質又は糖脂質を
含有する天然物を水に添加して均質化することを特徴と
する糖脂質含有乳化組成物および該乳化組成物の製造方
法に関するものであり、酸性下でのレトルト処理条件に
おいても長期間安定な耐熱耐酸性に優れた糖脂質含有乳
化組成物を得ることを目的とするものである。
セリン脂肪酸エステルの存在下で、糖脂質又は糖脂質を
含有する天然物を水に添加して均質化することを特徴と
する糖脂質含有乳化組成物および該乳化組成物の製造方
法に関するものであり、酸性下でのレトルト処理条件に
おいても長期間安定な耐熱耐酸性に優れた糖脂質含有乳
化組成物を得ることを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱耐酸
性の高い糖脂質の乳化状態を達成することを目的とし
て、重合度１〜１２のグリセリンの脂肪酸エステルと糖
脂質の乳化安定性との関係を鋭意研究した結果、特定の
グリセリン脂肪酸エステル類と糖脂質又は糖脂質含有天
然物を混合した組成物を水に添加して均質化することに
より、糖脂質を水に均一に、かつ安定に乳化させること
ができ、この乳化組成物を酸性下でレトルト処理した後
も、乳化が長期間安定であることを見い出し、この知見
に基づき本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、次の各項の発明よりなる。 （１）グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸
エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれ
る少なくとも１種を用いて糖脂質を均質化したことを特
徴とする糖脂質含有乳化組成物。 （２）糖脂質又は糖脂質含有天然物の脂溶性成分１００
重量部、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪
酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから選ば
れる少なくとも１種１〜１０００重量部を、水又はアル
コールに添加して、均質化することを特徴とする糖脂質
含有乳化組成物の製造方法。 （３）グリセリン脂肪酸エステルがトリグリセンリン脂
肪酸エステルである第(２)項記載の糖脂質含有乳化組成
物の製造方法。
性の高い糖脂質の乳化状態を達成することを目的とし
て、重合度１〜１２のグリセリンの脂肪酸エステルと糖
脂質の乳化安定性との関係を鋭意研究した結果、特定の
グリセリン脂肪酸エステル類と糖脂質又は糖脂質含有天
然物を混合した組成物を水に添加して均質化することに
より、糖脂質を水に均一に、かつ安定に乳化させること
ができ、この乳化組成物を酸性下でレトルト処理した後
も、乳化が長期間安定であることを見い出し、この知見
に基づき本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、次の各項の発明よりなる。 （１）グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸
エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれ
る少なくとも１種を用いて糖脂質を均質化したことを特
徴とする糖脂質含有乳化組成物。 （２）糖脂質又は糖脂質含有天然物の脂溶性成分１００
重量部、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪
酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから選ば
れる少なくとも１種１〜１０００重量部を、水又はアル
コールに添加して、均質化することを特徴とする糖脂質
含有乳化組成物の製造方法。 （３）グリセリン脂肪酸エステルがトリグリセンリン脂
肪酸エステルである第(２)項記載の糖脂質含有乳化組成
物の製造方法。
【０００５】
【発明の実施の形態】本発明に用いるグリセリン脂肪酸
エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル及びトリグリセ
リン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも１種（以下
本発明グリセリン脂肪酸エステル類と称する）として
は、重合度が３以下のグリセリン、すなわち、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル及びト
リグリセリン脂肪酸エステルの１種又は２種以上を使用
することができる。これらの中でも、トリグリセリン脂
肪酸エステル、特に好ましくは、トリグリセリン脂肪酸
モノエステルが乳化組成物の耐熱耐酸性の点から好適で
ある。本発明グリセリン脂肪酸エステル類の脂肪酸成分
は、炭素数８〜１８の有機脂肪酸であって、グリセリン
とのエステル化反応するものであれば特に制限なく使用
でき、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチ
ン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン
酸又はリノール酸などを好適に使用することができる。
これら脂肪酸とのエステルのなかで、トリグリセリンオ
レイン酸モノエステル、トリグリセリンステアリン酸モ
ノエステルが乳化組成物の耐熱耐酸性の点で特に好まし
い。本発明グリセリン脂肪酸エステル類としては、上記
モノエステルのみならずジエステル等のグリセンリン脂
肪酸ポリエステルも使用することができる。本発明グリ
セリン脂肪酸エステル類の配合量は、糖脂質又は糖脂質
含有天然物の脂溶性成分１００重量部に対して、該脂肪
酸エステル１〜１０００重量部、好ましくは５〜５００
重量部、さらに好ましくは１０〜２００重量部を配合す
ることができる。
エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル及びトリグリセ
リン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも１種（以下
本発明グリセリン脂肪酸エステル類と称する）として
は、重合度が３以下のグリセリン、すなわち、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル及びト
リグリセリン脂肪酸エステルの１種又は２種以上を使用
することができる。これらの中でも、トリグリセリン脂
肪酸エステル、特に好ましくは、トリグリセリン脂肪酸
モノエステルが乳化組成物の耐熱耐酸性の点から好適で
ある。本発明グリセリン脂肪酸エステル類の脂肪酸成分
は、炭素数８〜１８の有機脂肪酸であって、グリセリン
とのエステル化反応するものであれば特に制限なく使用
でき、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチ
ン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、オレイン
酸又はリノール酸などを好適に使用することができる。
これら脂肪酸とのエステルのなかで、トリグリセリンオ
レイン酸モノエステル、トリグリセリンステアリン酸モ
ノエステルが乳化組成物の耐熱耐酸性の点で特に好まし
い。本発明グリセリン脂肪酸エステル類としては、上記
モノエステルのみならずジエステル等のグリセンリン脂
肪酸ポリエステルも使用することができる。本発明グリ
セリン脂肪酸エステル類の配合量は、糖脂質又は糖脂質
含有天然物の脂溶性成分１００重量部に対して、該脂肪
酸エステル１〜１０００重量部、好ましくは５〜５００
重量部、さらに好ましくは１０〜２００重量部を配合す
ることができる。
【０００６】本発明グリセリン脂肪酸エステル類の配合
量が１重量部未満の場合、糖脂質を安定に乳化させるこ
とが困難となり、１０００重量部を越えると添加量に応
じた作用効果の向上がなく、さらに、該グリセリン脂肪
酸エステルの種類によっては析出する恐れが生じる。本
発明グリセリン脂肪酸エステル類として、モノグリセリ
ン脂肪酸モノエステルを使用するときは、モノグリセリ
ンと脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミ
リスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、オ
レイン酸又はリノール酸などをエステル結合させたもの
が好適であるが、特に、モノグリセリンモノミリスチン
エステルが乳化組成物の安定性が良好である。本発明で
はジグリセリン脂肪酸エステルとトリグリセリン脂肪酸
エステル及びモノグリセリン脂肪酸エステルを加熱条件
に対応してそれぞれ単独で使用するのが好ましいが、所
望により２種以上を併用することができる。本発明にお
いて、ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン
脂肪酸エステルと糖脂質又は糖脂質含有天然物を混合し
た乳化組成物の溶媒として水以外にアルコール及びアル
コール水溶液を使用することができる。これらのアルコ
ールとしては、エタノールやグリセリン、プロピレング
リコール、マルチトール、ラクチトール、パラチニッ
ト、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールを用
いることができるが、本発明グリセリン脂肪酸エステル
類を溶解する機能上から、さらにまた、食用としての安
全性の点からエタノールとグリセリンが特に好ましい。
量が１重量部未満の場合、糖脂質を安定に乳化させるこ
とが困難となり、１０００重量部を越えると添加量に応
じた作用効果の向上がなく、さらに、該グリセリン脂肪
酸エステルの種類によっては析出する恐れが生じる。本
発明グリセリン脂肪酸エステル類として、モノグリセリ
ン脂肪酸モノエステルを使用するときは、モノグリセリ
ンと脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミ
リスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、オ
レイン酸又はリノール酸などをエステル結合させたもの
が好適であるが、特に、モノグリセリンモノミリスチン
エステルが乳化組成物の安定性が良好である。本発明で
はジグリセリン脂肪酸エステルとトリグリセリン脂肪酸
エステル及びモノグリセリン脂肪酸エステルを加熱条件
に対応してそれぞれ単独で使用するのが好ましいが、所
望により２種以上を併用することができる。本発明にお
いて、ポリグリセリン脂肪酸エステルとモノグリセリン
脂肪酸エステルと糖脂質又は糖脂質含有天然物を混合し
た乳化組成物の溶媒として水以外にアルコール及びアル
コール水溶液を使用することができる。これらのアルコ
ールとしては、エタノールやグリセリン、プロピレング
リコール、マルチトール、ラクチトール、パラチニッ
ト、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールを用
いることができるが、本発明グリセリン脂肪酸エステル
類を溶解する機能上から、さらにまた、食用としての安
全性の点からエタノールとグリセリンが特に好ましい。
【０００７】本発明で用いる糖脂質は、糖を含む複合脂
質であり、グリセロールを含むグリセロ糖脂質及びスフ
ィンゴイドを含むスフィンゴ糖脂質に分類することがで
きる。本発明は、糖脂質であれば、特に制限なく適用す
ることができるが、例えばグリコシルセラミド、ステリ
ングリコシドなどの糖脂質は特に好適に使用することが
できる。実際には、小麦抽出物、米糖抽出物、大豆抽出
物又はこれらを精製したものなどであって、これらを単
独で、又は適宜組み合わせて使用することができる。ま
た、これらの糖脂質を食用油脂、例えば、豚脂、牛脂、
チキンオイル、マグロ油、イワシ油、鯨油、肝油、大豆
油、綿実油、サフラワー油、米油、コーン油、ナタネ
油、パーム油、カカオ脂、落花生油、ヤシ油、シソ油な
どで希釈することも可能である。本発明の乳化組成物を
製造するに当たり構成成分の混合方法に特に制限はない
が、例えば、本発明グリセリン脂肪酸エステル類を溶解
した水に、撹拌機やホモジナイザーによる撹拌下で、糖
脂質又は糖脂質含有天然物の混合物を少しづつ順次添加
して、均質化した乳化組成物を調製し、この組成物を所
定量の水に入れてさらに均質化して、糖脂質含有乳化組
成物を得ることができる。耐熱性乳化物中の糖脂質又は
糖脂質含有天然物の配合量は、水１００重量部に対して
０.０１〜７０重量部、好ましくは０.０５〜３０重量
部、さらに好ましくは０.１〜２０重量部となるように
配合することができる。糖脂質又は糖脂質含有天然物の
上記配合量が０.０１重量部未満の場合は、本発明製造
方法によらなくとも脂溶性成分を安定に水に分散させる
ことができる。また、脂溶成分の配合量が７０重量％を
越えると、耐熱耐酸性の乳化組成物の製造が困難とな
る。本発明で製造した乳化組成物の安定性をさらに高め
るために、製造後にコロイドミル、ホモジナイザー、マ
イクロフルイダイザー、ナノマイザーや超音波乳化機な
どの均質化処理機による均質処理を行うことが望まし
い。本発明の糖脂質含有乳化組成物は、飲料としは、コ
ーヒ、スポーツ飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、アルコー
ル飲料、ビタミン飲料、ミネラル飲料等に均一に分散さ
せる状態で添加することができ、食品としては、パン、
ビスケット、ゼリー、濃厚流動食品、味噌、ソース、ス
ープなどの固形、ゼリー状及びペースト状の各種食品の
添加材料として使用することができる。
質であり、グリセロールを含むグリセロ糖脂質及びスフ
ィンゴイドを含むスフィンゴ糖脂質に分類することがで
きる。本発明は、糖脂質であれば、特に制限なく適用す
ることができるが、例えばグリコシルセラミド、ステリ
ングリコシドなどの糖脂質は特に好適に使用することが
できる。実際には、小麦抽出物、米糖抽出物、大豆抽出
物又はこれらを精製したものなどであって、これらを単
独で、又は適宜組み合わせて使用することができる。ま
た、これらの糖脂質を食用油脂、例えば、豚脂、牛脂、
チキンオイル、マグロ油、イワシ油、鯨油、肝油、大豆
油、綿実油、サフラワー油、米油、コーン油、ナタネ
油、パーム油、カカオ脂、落花生油、ヤシ油、シソ油な
どで希釈することも可能である。本発明の乳化組成物を
製造するに当たり構成成分の混合方法に特に制限はない
が、例えば、本発明グリセリン脂肪酸エステル類を溶解
した水に、撹拌機やホモジナイザーによる撹拌下で、糖
脂質又は糖脂質含有天然物の混合物を少しづつ順次添加
して、均質化した乳化組成物を調製し、この組成物を所
定量の水に入れてさらに均質化して、糖脂質含有乳化組
成物を得ることができる。耐熱性乳化物中の糖脂質又は
糖脂質含有天然物の配合量は、水１００重量部に対して
０.０１〜７０重量部、好ましくは０.０５〜３０重量
部、さらに好ましくは０.１〜２０重量部となるように
配合することができる。糖脂質又は糖脂質含有天然物の
上記配合量が０.０１重量部未満の場合は、本発明製造
方法によらなくとも脂溶性成分を安定に水に分散させる
ことができる。また、脂溶成分の配合量が７０重量％を
越えると、耐熱耐酸性の乳化組成物の製造が困難とな
る。本発明で製造した乳化組成物の安定性をさらに高め
るために、製造後にコロイドミル、ホモジナイザー、マ
イクロフルイダイザー、ナノマイザーや超音波乳化機な
どの均質化処理機による均質処理を行うことが望まし
い。本発明の糖脂質含有乳化組成物は、飲料としは、コ
ーヒ、スポーツ飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、アルコー
ル飲料、ビタミン飲料、ミネラル飲料等に均一に分散さ
せる状態で添加することができ、食品としては、パン、
ビスケット、ゼリー、濃厚流動食品、味噌、ソース、ス
ープなどの固形、ゼリー状及びペースト状の各種食品の
添加材料として使用することができる。
【０００８】
【実施例】次に、本発明を製造例、実施例および比較例
によりさらに詳細に説明する。 糖脂質製造例 脱脂米糠１kgをエタノール５０００mlに入れ、良く撹拌
後、室温で１昼夜保存してろ過し、ろ液をロータリーエ
バポレータで乾固し、乾燥物をヘキサンで洗浄して調製
した。このとき１２ｇの淡褐色の精製糖脂質（グルコシ
ルセラミド１０％含有）粉末を得た。これを製造例抽出
物とする。第１表に示す配合で、成分を下記の処方によ
って混合して、実施例１〜６と比較例１〜４の乳化組成
物１kgを調整した。５０００ml容ステンレス製ビーカー
に第１表に示した量のエタノール、水又はグリセリン中
に表示の乳化剤成分を表示量入れて、８０℃に加温して
完全に溶解させた。次いで、第１表に示した量の脂溶性
成分（グリコシルセラミド又は製造例抽出物）を添加し
て、ホモジナイザー［形式：１２０Ｌ／Ｈ（三和機械
(株)製）］で均質化圧３００kg／cm2、パス回数１回で
均質化処理を行い、均一な組成物を得た。さらに、クエ
ン酸の０.２％水溶液（pH＝３.０）１００重量部に対し
て上記組成物１重量部を添加して、ホモジナイザー［形
式：１２０Ｌ／Ｈ（三和機械(株)製）］で均質化圧３０
０kg／cm2、パス回数３回で均質化処理を行い、均一な
乳化組成物を得た。得られた乳化組成物１００mlを耐熱
ビン［柴田科学機器工業株式会社：１７２０−１００
Ａ］に入れ、オートクレーブ［平山製作所：ＨＭ−３０
０Ｍ］で１２１℃で１５分間の加熱処理を行った。得ら
れた乳化物１５ｇを２０ml容ガラス容器に取り、３０日
間４０℃恒温槽に保存して乳化状態の安定性試験を行っ
た。乳化状態の安定性試験結果を第１表に示した。第１
表から、実施例１〜６の乳化組成物が、PH３.０の条件
下でのレトルト処理後１カ月以上で、乳化状態が安定な
ことがわかった。一方、比較例１〜４の乳化組成物は、
実施例１〜６に比べて不安定であることがわかる。さら
に、３カ月及び６カ月経過後の乳化状態を観察して、第
２表に示した。本発明組成物の長期間の乳化状態の安定
性が確認された。
によりさらに詳細に説明する。 糖脂質製造例 脱脂米糠１kgをエタノール５０００mlに入れ、良く撹拌
後、室温で１昼夜保存してろ過し、ろ液をロータリーエ
バポレータで乾固し、乾燥物をヘキサンで洗浄して調製
した。このとき１２ｇの淡褐色の精製糖脂質（グルコシ
ルセラミド１０％含有）粉末を得た。これを製造例抽出
物とする。第１表に示す配合で、成分を下記の処方によ
って混合して、実施例１〜６と比較例１〜４の乳化組成
物１kgを調整した。５０００ml容ステンレス製ビーカー
に第１表に示した量のエタノール、水又はグリセリン中
に表示の乳化剤成分を表示量入れて、８０℃に加温して
完全に溶解させた。次いで、第１表に示した量の脂溶性
成分（グリコシルセラミド又は製造例抽出物）を添加し
て、ホモジナイザー［形式：１２０Ｌ／Ｈ（三和機械
(株)製）］で均質化圧３００kg／cm2、パス回数１回で
均質化処理を行い、均一な組成物を得た。さらに、クエ
ン酸の０.２％水溶液（pH＝３.０）１００重量部に対し
て上記組成物１重量部を添加して、ホモジナイザー［形
式：１２０Ｌ／Ｈ（三和機械(株)製）］で均質化圧３０
０kg／cm2、パス回数３回で均質化処理を行い、均一な
乳化組成物を得た。得られた乳化組成物１００mlを耐熱
ビン［柴田科学機器工業株式会社：１７２０−１００
Ａ］に入れ、オートクレーブ［平山製作所：ＨＭ−３０
０Ｍ］で１２１℃で１５分間の加熱処理を行った。得ら
れた乳化物１５ｇを２０ml容ガラス容器に取り、３０日
間４０℃恒温槽に保存して乳化状態の安定性試験を行っ
た。乳化状態の安定性試験結果を第１表に示した。第１
表から、実施例１〜６の乳化組成物が、PH３.０の条件
下でのレトルト処理後１カ月以上で、乳化状態が安定な
ことがわかった。一方、比較例１〜４の乳化組成物は、
実施例１〜６に比べて不安定であることがわかる。さら
に、３カ月及び６カ月経過後の乳化状態を観察して、第
２表に示した。本発明組成物の長期間の乳化状態の安定
性が確認された。
【０００９】
【表１】
【００１０】
【表２】
【００１１】
【表３】
【００１２】
【表４】
【００１３】
【発明の効果】本発明によれば、グリセリン脂肪酸エス
テル、ジグリセリン脂肪酸エステルとトリグリセリン脂
肪酸エステルから選ばれる少なくとも１種を用いて糖脂
質又は糖脂質を含有する天然物を混合した組成物を乳化
することにより、酸性下でのレトルト処理という厳しい
加熱条件においても、長期間の安定な糖脂質含有乳化組
成物を得ることができる。
テル、ジグリセリン脂肪酸エステルとトリグリセリン脂
肪酸エステルから選ばれる少なくとも１種を用いて糖脂
質又は糖脂質を含有する天然物を混合した組成物を乳化
することにより、酸性下でのレトルト処理という厳しい
加熱条件においても、長期間の安定な糖脂質含有乳化組
成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ａ６１Ｋ 9/107 Ａ６１Ｋ 9/107 Ｅ ４Ｇ０６５ Ｂ０１Ｆ 17/00 Ｂ０１Ｆ 17/00 Ｆターム(参考） 4B026 DC03 DC06 DG20 DH10 DK01 DP01 DX04 4B035 LC05 LE03 LG08 LG17 LG36 LG54 LK13 LP21 4C076 AA17 BB01 CC40 DD08 DD37 DD38 DD46 DD69 EE53 FF16 FF36 FF43 GG45 4C083 AA112 AB051 AB052 AC101 AC122 AC391 AC392 AC421 AC422 AD192 CC01 DD31 EE01 FF01 4D077 AA02 AA09 AB08 AB11 AC01 BA07 BA15 BA20 CA02 CA03 CA04 CA12 CA13 DA02Z DC02Y DC27Z DC36Y DD36Z DE02Y DE02Z DE07Y DE08Y DE09Y 4G065 AA01 AB12Y AB33Y AB40Y BA06 BA07 CA02 DA01 DA02 EA01 EA06
Claims (3)
- 【請求項１】グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン
脂肪酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルから
選ばれる少なくとも１種を用いて糖脂質を均質化したこ
とを特徴とする糖脂質含有乳化組成物。 - 【請求項２】糖脂質又は糖脂質含有天然物の脂溶性成分
１００重量部、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリ
ン脂肪酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルか
ら選ばれる少なくとも１種１〜１０００重量部を、水又
はアルコールに添加して、均質化することを特徴とする
糖脂質含有乳化組成物の製造方法。 - 【請求項３】グリセリン脂肪酸エステルがトリグリセン
リン脂肪酸エステルである請求項２記載の糖脂質含有乳
化組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10314809A JP2000139345A (ja) | 1998-11-05 | 1998-11-05 | 糖脂質含有乳化組成物および該乳化組成物の製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-11-05 JP JP10314809A patent/JP2000139345A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2002005662A1 (fr) * | 2000-07-19 | 2002-01-24 | Unitika Ltd. | Produits de beaute ou aliments physiologiquement fonctionnels contenant des sphingoglycolipides et procedes permettant de les fabriquer |
| US6896896B2 (en) | 2000-07-19 | 2005-05-24 | Unitika Ltd. | Physiologically functional foods or cosmetics containing sphingoglycolipids and processes for their production |
| US7648714B2 (en) * | 2004-08-05 | 2010-01-19 | Kao Corporation | Food for skin moisture retention |
| JP2006160948A (ja) * | 2004-12-09 | 2006-06-22 | Unitika Ltd | スフィンゴ糖脂質の油溶解物及びその製造方法 |
| JP2015047080A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 株式会社ファンケル | 乳化組成物 |
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