JP2004115544A - 医薬用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 強力な乳化力を有し、医薬品組成物として使用される極めて安全な界面活性剤を含有してなる医薬用組成物の提供。
【解決手段】 ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの混合物であり、かつ該混合物中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率が15〜60重量%である界面活性剤組成物を含有する医薬用組成物。

Description

 本発明は、強力な乳化力を有し安全な界面活性剤を含有してなる医薬用組成物に関する。
 従来、高級脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、及びポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が、洗浄剤、乳化剤、分散剤等として広く利用されてきた。しかしながら、上記界面活性剤は安全性の面で問題があった。一方安全性の高い乳化剤として知られる蔗糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルは前述の界面活性剤、特に非イオン界面活性剤等と比べ、乳化力が著しく劣る欠点があった。こうして安全性に優れる一方で、乳化力において満足できる界面活性剤が求められていた。
 また医薬品のように直接摂取したり、人などの皮膚に接触する製品などにおいても、安全でかつ優れた乳化作用をもつ界面活性剤の開発が求められている。
 このうち、特に医薬品などの薬剤が脂溶性のものであるものをカプセルなどにする場合にも、安全でかつ優れた乳化作用をもつ界面活性剤の開発が求められている。ところで、服用しやすくする目的で脂溶性健康食品及び脂溶性薬剤をカプセルに充填する場合、体内での吸収率、吸収速度を改善するため、当該食品、薬剤をポリグリセリン脂肪酸エステルでもって油状液体となし、自己乳化型カプセルとする試みは知られている。例えば、特公昭62─30965号公報では、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルでもって分散せしめ、特公平4─74339号公報では、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステルでもって分散せしめ、それぞれ自己乳化型カプセルとする技術が開示されている。また特開昭61─12632号公報では、HLBが11.5以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとHLBが1.5以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとの混合物でもって分散せしめ、自己乳化型カプセルとする技術が開示されている。
 しかしながら、これらの技術は依然としていくつかの問題点を有している。すなわち、ポリグリセリン脂肪酸エステルによる乳化が不十分で、薬物の体内での吸収率を向上させるに十分良好な乳化が得られない。また結果的に粘度の高い高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルを多量に用いることとなり、カプセル充填時の粘度が著しく高いこととなり製造上問題である。充填物の粘度が高いと、オリフィス径の小さな二重ノズルや三重ノズルから吐出して製造するシームレス・ミニカプセルにすることはできない。
 さらに、ソフトゼラチンカプセルでも、高粘度充填物は、充填不可能か、あるいは充填されても充填量のコントロールができないという問題がある。また充填液を加温して粘度を下げることも行われるが、40℃以上では被膜のゼラチンが固まらずに充填できない。40℃を僅かに下回る温度に保温しても、粘度は十分に下がらず変形カプセルとなりシール不良を起こし、液漏れしたり、経時安定性の悪いカプセルとなる。
 これまではこうした問題の対策としては、例えばグリセリンや粘度が低くて比較的乳化の容易な、サフラワー油やオクチルデシルトリグリセリド等をカプセル充填用乳化組成物の一部として添加し、粘度を調製することがなされている。しかし、このような対策では、目的物以外の添加量が増加し、良好な乳化が得にくくなる。また1つのカプセルで済むところを、2カプセルとか3カプセルというようにその服用量を増加しなければならなず、服用を容易にすることが困難であるという問題がある。このようにこれまでの技術は、体内での吸収率を改善させるための乳化と、カプセル充填するための粘度との、それぞれの妥協により得られた、いわば未完成なカプセル剤であったといえる。
 そこで本発明者は、安全性と乳化力の両立を求めて鋭意研究の結果、安全性が高くかつ特異的に乳化力が強く、多くの親油成分に対応することのできる界面活性剤組成物、そしてその界面活性剤組成物を用いた医薬用組成物を製造することに成功した。
 したがって、本発明の目的は、医薬品の乳化に使用でき、乳化対応力を格段に広げた、安全性の高い界面活性剤組成物を提供し、その界面活性剤組成物を用いた医薬用組成物を提供することにある。
 本発明に係る界面活性剤は、その乳化力が非常に優良であり、安全で毒性が無く、該界面活性剤を添加することで経時安定性に優れた医薬用組成物を提供することができ、さらに、脂溶性薬物を含む、均一で、透明性が高く、乳化が良好で、さらに経時安定性も非常に良好な医薬用組成物のカプセルを提供することができる。
 本発明者は、安全性の優れたポリグリセリン脂肪酸エステルを利用すべく、鋭意研究の結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルも組み合わせしだいでは驚くべき乳化力を発揮することを知見し、本発明を完成した。すなわち、本発明者はポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がラウリン酸及び縮合リシノレイン酸であるポリグリセリンエステルを含有してなる界面活性剤組成物、特にはポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がラウリン酸であるものと、縮合リシノレイン酸のポリグリセリンエステルとを特定の割合で含有するものは、乳化力などが非常に優れ、安全性も高いものであることを見出し、さらにそうした界面活性剤組成物は、医薬用組成物を得るのに非常に優れていることを見出した。
 こうした特性の界面活性剤組成物は、安心してその強い乳化作用を利用して、医薬品配合剤として用いられて有用である。
 また本発明者は、この安全性の極めて優れたポリグリセリン脂肪酸エステルを利用して、最小量で最大限の脂溶性薬剤を乳化すべく種々検討を重ね、その結果ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステルであるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリン飽和脂肪酸エステルであるポリグリセリンラウリン酸エステルとを組合わせると、少量で優れた乳化力を有し、カプセル充填に最適な低粘度を保持できることを見出した。
 こうして本発明の目的は、また脂溶性薬剤を、少量の乳化組成物でもって、良好な自己乳化特性を有するカプセルを容易に生産する手段を提供するにある。
 本発明は、(1)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの混合物であり、かつ該混合物中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率が15〜60重量%である界面活性剤組成物を含有してなることを特徴とする医薬用組成物、及び(2)ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの混合物で、かつ該混合物中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率が15〜60重量%である界面活性剤組成物と脂溶性薬物との混合物であって、かつ該混合物をカプセルに充填してなる医薬用組成物である。
 上記本発明に係る界面活性剤においては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率は15〜60重量%の範囲がその乳化作用も十分に発揮されて好ましいものであるが、その含有率が15重量%未満あるいは60重量%を越えると、乳化作用が不十分なものとなることが実験の結果確認された。
 また、上記界面活性剤組成物の乳化作用は、温度変化、塩分濃度変化、pH変化等に対して、安定で良好な成績を保持するものであり、その事実はいくつかの実験により確認されている。上記界面活性剤組成物は、その安全性、高い乳化作用を利用して様々な分野で利用でき、医薬品を製造する際に好適に用いることができる。
 さらに、本発明の上記界面活性剤組成物は、グルテンなどの安定化剤、脂肪などの乳化剤や安定化剤、湿潤剤、粘性低下剤、分散剤、泡沫の安定化剤としても用いることができる。こうして製品を、乳化したり、その味、きめ、舌触りを優れたものにしたり、乾燥を防止したり、粘度低下を改善したり、結晶化を阻止したり、エマルジョンを安定化したり、脂肪の分離を防いだり、糖分の析出を防いだり、水分の損失を防いだり、芳香をより保持したり、水への溶解を速めるなど製品の再構成を助けたり、製品の老化を防いだり、分散の安定化を図ったり、各種色素の分散性を高めたり、発色性能を向上させたり、柔軟性を改善したりするのに有用である。
 本発明者は、この安全性の優れたポリグリセリン脂肪酸エステルを利用すべく、鋭意研究の結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルも組み合わせしだいでは驚くべき乳化力を発揮することを知見し、そうして得られた界面活性剤を含有せしめてなる医薬用組成物を提供するに至った。
 本発明でいうポリグリセリン脂肪酸エステルとは、2つ以上のグリセリンの重合物に種々の脂肪酸をエステル化して得たものであり、HLBは当該物質におけるグリセリンの重合度、脂肪酸の分子量、エステル化度により異なり、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン及びデカグリセリン等に、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、リノール酸及び縮合リシノレイン酸等の脂肪酸をモノ、トリ、ペンタ及びデカエステル等とした種々のHLBの製品を使用でき、それらは市販されており容易に入手できる。
 さらに本発明者は、この安全性の優れたポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がラウリン酸であるものと、縮合リシノレイン酸のポリグリセリンエステルとを含有してなる界面活性剤組成物、特にはそれら成分を、特定の割合で含有する界面活性剤組成物を利用すべく、鋭意研究の結果、驚くべき乳化力を利用して、医薬品組成物を提供するに至った。
 本発明の医薬品組成物としては、軟膏、例えば乳化型基剤など、脂溶性医薬品の可溶化あるいは乳化製品、難溶性医薬品の可溶化などに使用できる。
 上記界面活性剤組成物は、優れた乳化力を持ち、その安全性も高く、医薬品などを乳化するに適しているが、さらに研究を進めた結果、それら医薬品のうち脂溶性医薬品をカプセル化する場合にも、非常に優れた性状を示すことを見出した。
 本発明では、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの組成物で、かつ組成物中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率が15〜60重量%である界面活性剤組成物と脂溶性薬物との混合物からなる医薬用組成物と、該混合物をカプセルに充填してなる医薬用組成物が提供される。
 本発明において脂溶性薬物としては、脂溶性の医薬活性を有する薬物や脂溶性の医薬用原料を意味し、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、あるいはこれらビタミン類の酢酸、酪酸、ニコチン酸、パルミチン酸などのエステル、CoQ7 、CoQ9 、CoQ10(ユビデカレノン)、リボフラビン・テトラニコチネート、アスコルビン酸パルミテート等の水溶性ビタミンの脂溶性の誘導体、エリスロマイシン、キサンタマイシン等の抗生物質、γ−オリザノール等の実質上水に溶解しがたい薬剤が挙げられる。
 本発明において上記カプセル製造に適した界面活性剤組成物に使用されるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとしては、リシノレイン酸分子中の水酸基とカルボキシル基をあらかじめリシノレイン酸同志で一部分縮合し、その縮合物を更にポリグリセリンと縮合したものを意味する。こうしたポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとしては、市販されたものの中から選ぶことができ、例えばSYグリスターCR−ED、CR−310、CR−500、CRS−75(いずれも坂本薬品工業株式会社製)等が挙げられる。これらのもののHLBは、Griffinの計算式によればいずれも、2〜3である。
 こうしたものは、明らかに特開昭61−12632号公報に開示された、テトラグリセリンポリリシノレート(HLB 0.5)とは、そのHLB値及びリシノレイン酸自身の縮合の有無の点で異なるものである。本発明において上記カプセル製造に適した界面活性剤組成物に使用されるポリグリセリンラウリン酸エステルとしては、ポリグリセリンとラウリン酸との縮合物で、本発明の目的のためには、エステル化度の低い高HLB値を持つものが挙げられ、例えばデカグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノラウレートなどが好ましいものとして挙げられる。
 本発明において界面活性剤組成物に使用されるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル及びポリグリセリンラウリン酸エステルは、低級脂肪酸とのエステルとは異なり、苦味等、味覚に影響を与えないという優れた特性が認められる。 本発明の組成物には、必要に応じ、水やエタノールを添加してもよい。本発明のカプセル化に適した組成物は、特にカプセルへの充填に適しているが、もちろんカプセル充填用のみに限定されことなく、例えば水に分散して懸濁水溶液、乳液、分散液、ゼリーにしたり、デキストリンやデンプンなどの担体に吸着したりあるいはスプレードライして粉体などとして使用することもできる。
 次に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1:
 本例は乳化剤としての使用に好適な界面活性剤の発明に係わる例である。
 表1に示すごとく、各種のポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物とオリーブ油等の乳化対象物との混合液を試験液として、乳化力を比較・実験した。前者の各種ポリグリセリン脂肪酸エステルと後者のオリーブ油等の乳化対象物との混合比は、前者とオリーブ油又はビタミンEとは50:50重量部にスクワラン30部を混合し試験液とした。乳化対象物としてのユビデカレノンは、ユビデカレノン100mgをビーカーに計り取り60℃のウオーターバス中で溶解した後、ポリグリセリン脂肪酸エステル混合物1gを添加混合して試験液とした。この様にして得た各々の試験液を、約20mlの水を入れたネジ口試験管中へ2〜3滴加えた後、密栓をしてから数度上下に軽く震盪し、30分後の乳化状態を観察した。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2004115544
Figure 2004115544
 この時の評価は。◎、○、△及び×の4段階表示とした。◎は、「良好」なもので、表面に油は浮遊せずに、乳化液の透明度が高く、白濁してもわずかなもの、○は、「比較的良好」なもので、白濁が強いが表面にはほとんど油の浮遊しないもの、△は、「良くない」もので、乳化液が層をなす、又は白濁が表面に浮遊するなど乳化の良くないもの、×は、「不良」なもので、ほとんど又は全く乳化しないもの、を夫々意味する。
 なお、表1中の記号とHLB値(親油性と親水性の均合程度の値)は下記の通りである。
[記号]       [HLB] [成分名]
CRS−75    3      ポリグリセリンポリ縮合リシノレート
ML−750   15      デカグリセリンモノラウレート
ML−500   13      ヘキサグリセリンモノラウレート
ML−310   10      テトラグリセリンモノラウレート
MCA−750  16      デカグリセリンモノカプレート
FRL−1    13      デカグリセリンモノリノレート
MO−500   11      ヘキサグリセリンモノオレエート
MO−310    8      テトラグリセリンモノオレエート
PO−500    4      ヘキサグリセリンペンタオレエート
PO−310    2      テトラグリセリンペンタオレエート
 表1及び表2に示した結果からみて、乳化剤としては、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルと他のポリグリセリン脂肪酸エステルとの組み合わせが良好であることが判った。なかでも、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの組み合わせは乳化力が特異的に良好であって、同時に多くの乳化対象物に巾広く対応できることが判った。
 表1及び表2に示した結果からみると、本発明以外の組み合わせでは、類似したHLBとしたものでも、十分な乳化力は発揮されない。一方本発明のものでは、HLBが低く、O/W型の乳化には一般的に使用されないポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いることにより、親油性の乳化対象物に対する一種の改質溶剤となり、HLBの高いポリグリセリンラウリン酸エステルとの組み合わせで、意外な乳化力を示したものと考えられる。
実施例2:
 本例は、CoQ10+天然ビタミンE含有ソフトカプセルの製造に係わる例である。ユビデカレノン(CoQ10)100g、ビタミンE(商品名ビタミンE5−67、イーストマン社製)1kg、乳化剤としてポリグリセリンポリ縮合リシノレート(商品名SYグリスターCRS−75、坂本薬品工業株式会社製)1kg、デカグリセリンモノラウレート(坂本薬品工業株式会社製 商品名:ML−750)1kgを30℃に保温しながら良く混合し、この混合液を1カプセル当たり300mg充填したオーバル型ソフトゼラチンカプセルを製造した。得られたカプセルは37℃の人工胃液中で容易に乳化分散した。また経時安定性も非常に良好であった。
実施例3:
 ビタミンE(商品名ビタミンE5−67、イーストマン社製)2重量部と月見草油8重量部の混合油を乳化対象物として用意した。この混合油と表3に示す各種のポリグリセリン脂肪酸エステルを表3の添加量加え良く混合して、試験液(試料)No.6〜8、26〜35を試作した。
 各試験液は、約35℃に保温した水20mlを入れた50mlのビーカーの中に2〜3滴加え、ミクロスパーテルで数度攪拌したときの乳化状態を観察した。 また試験液は粘度約10,000cpsのテトラグリセリンモノオレエート(商品名SY−グリスタ−MO−310 阪本薬品工業社製)と比較して、粘度の高いものはロータリー式のカプセル充填機での充填に適さないと判断して評価した。
Figure 2004115544
 結果は表3に示した。同表からも明らかなように、試料No.26〜29はHLB13以上の高HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた例であるが、いずれも乳化がやや不十分で、特に粘度が極端に高くなる欠点があった。
 試料No.30〜33のHLB3以下の低HLBのポリグリセリン脂肪酸エステルを併用した例では、粘度は低下したが乳化が不十分であった。また、試料No.34においては、乳化対象物と界面活性剤との混合比で、界面活性剤が50%を越えると、粘度が高くなり問題が生じることが判る。
 また、試料No.35では、乳化剤組成物中のポリグリセリンポリ縮合リシノレイン酸の混合比が20%から10%に低下すると、乳化が不良になることが判る。
 なお、表3中「MO−750」は、デカグリセリンモノオレエートを意味する。 また、評価記号としての○,×,△は、乳化状態の欄においては、○は、乳化の大変良好なもの。×は、ほとんど乳化しないもの。△は、粘度が高く固まりとなり、なかなか乳化しない。又は分散するが乳化は不十分で、暫くすると表面に油の浮遊するもの。粘度の欄においては、○は、対照のテトラグリセリンモノオレエートの粘度より低く、充填適性の良好なもの。×は、対照のテトラグリセリンモノオレエートの粘度より高く、充填適性の不良なもの。総合判定の良否の欄においては、○は、乳化、粘度のどちらも大変良好なもの。△は、乳化または粘度のどちら化に改良の余地のあるもの。×は、乳化、粘度のどちらも不良なもの。を、各々意味する。
実施例4:
 スクワレン80kg(カプセル充填用混合物中の含有率80%)、デカグリセリンモノラウレート6kg、テトラグリセリンモノラウレート8kg、ポリグリセリンポリ縮合リシノレート6kg(界面活性剤中の含有率30%)を良く混合し、この混合物をロータリー式自動カプセル充填機で、1カプセル当たり250mg充填したオーバル型ソフトゼラチンカプセルを製造した。製造は大変スムーズに行うことができ、得られたカプセルの重量にバラツキがなく均一で、透明性が高く、乳化が良好で、さらに経時安定性も非常に良好であった。
実施例5:
 dl−αトコフェノールアセテート(ロッシュ社製)70kg、デカグリセリンモノラウレート15kg、ポリグリセリンポリ縮合リシノレート15kgを良く混合し、実施例4と同様にロータリー式自動カプセル充填機で、1カプセル600mg充填したオブロング型ソフトゼラチンカプセルを製造した。製造は大変スムーズに行うことができ、得られたカプセルの重量にばらつきはなく、乳化状態は良好で、さらに経時安定性も非常に良好であった。
参考例1:
 本例は、水溶性粉末香料の製造に係わる例である。スペアミントオイル10gに乳化剤としてポリグリセリンポリ縮合リシノレート(商品名SYグリスターCRS−75、坂本薬品工業株式会社製)10g、デカグリセリンモノラウレート(坂本薬品工業株式会社製 商品名:ML−750)10g及び賦形薬としてデキストリン70gを水200ml中へ加えホモジュナイザー(キネマチカ社製 ポリトロンRT3000)で充分乳化分散した後、噴霧乾燥して、水分散性の大変良好な微粉末を得た。本品は乳化剤として添加するアラビアガムを用いた水溶性粉末香料の代替品となるものであった。

Claims (2)

  1.  ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの混合物であり、かつ該混合物中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率が15〜60重量%である界面活性剤組成物を含有してなることを特徴とする医薬用組成物。
  2.  ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリグリセリンラウリン酸エステルとの混合物で、かつ該混合物中のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの含有率が15〜60重量%である界面活性剤組成物と脂溶性薬物との混合物であって、かつ該混合物をカプセルに充填してなる医薬用組成物。
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