JP2006528150A - リボフラビンの精製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、周囲温度において第一結晶形のリボフラビンが第二結晶形のリボフラビンよりも熱力学的に不安定であることを条件として、(a)第一結晶形のリボフラビンを沈殿させ、(b)第一結晶形のリボフラビンを単離し、(c)希釈されたDNAを分解する条件で第一結晶形のリボフラビンを第二結晶形のリボフラビンに変換し、そして(d)第二結晶形のリボフラビンを単離する工程を含む、リボフラビンの精製方法に関する。

Description

本発明は、リボフラビン(ビタミンB2)の精製方法に関し、本方法はリボフラビン結晶に関連するDNAの除去に特に適する。
リボフラビンは、過去に合成により製造されてきたが、リボフラビンの最新の製造方法は、経済的な理由から発酵技術に基づいている。そのような方法は、リボフラビンが微生物により生成され、リボフラビンを含む粗反応スラリー(発酵ブロス)から開始する連続精製工程により純生成物が得られるという共通点を有する。
発酵によるリボフラビンの製造方法は、従来技術から公知である。これに関して、例えばTakata, Ryohei; Nagata, Toshiomi; Shimamoto, Sumio;培養エレモセシウムアシュビー(Eremothecium ashbyii)から得られたリボフラビンの溶解度(1949) 27, pp. 8-10および50-52; Sen Gupta, S. B.; Gupta, H. N.; リボフラビン(ビタミンB2)の水溶性; J. Proc. Inst. Chemists (India) (1949) 21, pp. 1-4; Chemical Engineering, April 2002, p. 23; van Loon R.P.G.M.ら;リボフラビンの製造のための発酵方法の開発; Chimia 50 (1996) No. 9 pp. 410-412;EP−A428767;EP−A464582およびDE−A2920592を参照できる。
発酵プロセスの間、発酵槽中のリボフラビン濃度は着実に増加する。しかし、水性溶液中のリボフラビンの溶解度はかなり低く、中性水性溶液で、温度30〜50℃の間では約0.014wt%〜0.031wt%の溶解度が報告されている。したがって、発酵プロセス中にある一定のレベルの過飽和に達すると、リボフラビンは自発的に結晶化し始める。発酵プロセス中に最初の結晶が一旦形成したならば、発酵の進行によって生成したリボフラビンは、発酵プロセスが終了するまで連続的に結晶化する。
一般にリボフラビンの結晶を含む反応スラリー(発酵ブロス)は、プロセスの下流部分に移送される。第一の工程において、反応スラリーを通常、低温殺菌し、すなわち酸性条件で、かつ温度を上げて微生物を殺菌する。第二の工程において、デカンテーションによりバイオマスの大部分を反応スラリーから除去する。第三の工程において、残留している不純物(例えばバイオマス、タンパク質、脂質、DNA)をある程度分解除去することによってリボフラビンの結晶を精製するために、反応スラリーを酸性化して95〜115℃に加熱する。酸処理中に、リボフラビンの結晶の純度は、通常約85wt%〜約96wt%に高まる。第四の工程において、酸性化した反応スラリーをろ過し、洗浄する。場合によりさらなる工程には、最終産物形態を得るための精製工程および製剤化工程がある。
精製工程(第三の工程)において、脂質、タンパク質、DNAならびに他の有機および無機化合物をある程度だけ除去することができる。2wt%硫酸または別の鉱酸を加え、反応スラリーを95℃〜105℃の範囲の温度に加熱することによって97wt%までの純度を達成できることが報告されている。
しかし、生成物が、依然としてかなりの量の不純物、特にDNAを含むことから、従来技術の発酵方法で製造されるリボフラビンの質は満足できるものではない。一方、リボフラビンの純度は、特に薬学的または栄養学的目的では可能な限り高くなければならない。しかし、他方で精製方法は、かなり単純、効果的、定量的および温和でなければならない(例えば、劣化生成物の形成を防止するためにはリボフラビンを高温に一定期間曝露してはならない)。
本発明の目的は、従来技術の方法よりも優れたリボフラビンの精製方法を提供することである。
この基礎をなす技術的問題は、本特許請求の範囲の主題によって、すなわち周囲温度で第一結晶形のリボフラビンは、第二結晶形のリボフラビンよりも不安定であることを条件として、
(a)第一結晶形のリボフラビンを沈殿させ、
(b)第一結晶形のリボフラビンを単離し、
(c)希釈されたDNAを分解する条件で第一結晶形のリボフラビンを第二結晶形のリボフラビンに変換し、そして
(d)第二結晶形のリボフラビンを単離する
工程を含むリボフラビンの精製方法によって解決された。
「周囲温度」という用語は、平均室温、好ましくは23℃を意味する。
前記方法によって、好ましくは従来のPCR分析の検出限界(約0.2ppb)を下回る程度に、リボフラビン結晶のDNA含量をかなり低減できることが見出された。
第一結晶形のリボフラビンを第二結晶形のリボフラビンに変換しない従来技術の方法の条件よりもはるかに温和な条件(温度、滞留時間、酸濃度など)で、リボフラビンの前記精製方法を実施できる。
本発明は、発酵時のリボフラビンの結晶化が発酵槽内の条件に応じて異なる結晶形(変態)をもたらすという予想外の発見に基づく。発酵ブロス中のリボフラビン結晶の分析から、無水物(すなわちリボフラビン無水物I)が沈殿したバッチもあれば、水和物(すなわちリボフラビン二水和物)が沈殿したバッチもあることが明らかとなった。両結晶形の混合物が見出されたバッチも存在した。いくつかの場合には、第三の結晶形(すなわちリボフラビン四水和物)さえも確認された。これらの結晶形、すなわちリボフラビン水和物およびリボフラビン無水物は、粉末X線回折(XRD)および動的蒸気収着(Dynamic Vapor Sorption)(DVS)によって特性化された。異なる結晶形の溶解度をラマン分光法によって検討した。DVSとXRDとの併用は、水和物の形成の検討を可能にする。
3つの異なる無水結晶変態(リボフラビン無水物I、IIおよびIII)は、異なるリボフラビン水和物(リボフラビン一水和物、二水和物および四水和物)と平衡状態にあることが見出された。
温度に依存して以下の結晶形が互いに平衡にあるか、または決められた条件(温度、湿度など)で互いに不可逆的に変換される:
リボフラビン無水物Iとリボフラビン二水和物およびリボフラビン四水和物、リボフラビン無水物IIとリボフラビン一水和物およびリボフラビン二水和物、リボフラビン無水物IIIとリボフラビン四水和物。
23℃におけるリボフラビン無水物Iおよびリボフラビン二水和物に関する状況は、以下のように図解できる:
Figure 2006528150
23℃において、リボフラビン無水物Iとリボフラビン二水和物との間の平衡は、リボフラビン無水物Iの側に完全に傾いており、すなわちこの温度でリボフラビン二水和物は、リボフラビン無水物Iに不可逆的に変換されている。このように、23℃において純粋なリボフラビン無水物Iからリボフラビン二水和物を得ることはできない。また、高温、例えば39℃においてリボフラビン二水和物は、リボフラビン無水物Iよりも熱力学的に不安定である。
23℃において、リボフラビン二水和物からリボフラビン無水物Iへの変換速度は、かなり遅い。温度23℃において、純粋なリボフラビン二水和物を含むスラリーを撹拌する結果として、11日間で(ラマン分光分析で測定)リボフラビン無水物Iへの部分変換(80%)がもたらされる。39℃において、溶解度または化学ポテンシャルの差は小さい。したがって、この温度において、リボフラビン二水和物からリボフラビン無水物Iへの変換は遅い。
さらに高温において、リボフラビン無水物Iとリボフラビン二水和物との間の化学ポテンシャルの差は増加する。したがって、80℃においてリボフラビン二水和物は20秒間以内でリボフラビン無水物Iに完全に変換されることから、変換過程の速度は顕著に増加する。
しかし、4℃では熱力学的状況は異なる。水性スラリーにおいてリボフラビン無水物Iは、リボフラビン二水和物に変換でき、後者は、(特に高温で)リボフラビン四水和物から不可逆的に得ることができる:
Figure 2006528150
4℃において、リボフラビン無水物Iからリボフラビン二水和物への変換速度は、非常に遅い。温度4℃でリボフラビン無水物Iのみを含むスラリーを撹拌することで、56日間でリボフラビン無水物Iからリボフラビン二水和物への部分変換(80%)がもたらされる。
結晶形、特にリボフラビン無水物I、リボフラビン二水和物およびリボフラビン四水和物の溶解度の研究から、驚くことに約40℃未満で溶解度線が互いに非常に近接していることが明らかとなった。4℃〜23℃の間の範囲のある温度で、リボフラビン無水物Iおよびリボフラビン二水和物の結晶形のギブズ自由エネルギー(ΔG)は等しい。前記温度範囲内のある温度において、リボフラビン無水物Iの溶解度線とリボフラビン二水和物の溶解度線とは交わる。交点を超える温度で、リボフラビン無水物Iの方が熱力学的に安定な(ギブズ自由エネルギーの低い)結晶形であり、交点未満の温度では、リボフラビン二水和物の方が熱力学的に安定な結晶形である。
23℃において、リボフラビン無水物IIと、リボフラビン一水和物およびリボフラビン二水和物との間にも平衡が存在し、その平衡は相対湿度に依存する。さらに、23℃で、リボフラビン無水物IIIも相対湿度に依存してリボフラビン四水和物に可逆的に変換されうる:
Figure 2006528150
リボフラビンの結晶形の性質、特に溶解度および自発結晶化は、注意深く研究されてきた(実施例1参照)。結果を図1および2にまとめる。44℃〜52℃の温度範囲でのリボフラビン二水和物の溶解度および44℃〜59℃の温度範囲でのリボフラビンの自発結晶化を検討した。39℃への過飽和線の外挿は、リボフラビン無水物Iおよびリボフラビン二水和物の過飽和線が互いにかなり近づくことを示している。別の実験では、リボフラビンを濃度0.7gl-1および温度69℃で溶解した。
溶液を3時間以内に連続冷却して39℃にすると、リボフラビン無水物Iの結晶化が生じた。リボフラビン二水和物は、39℃においてリボフラビン無水物Iよりも熱力学的に不安定である。39℃におけるリボフラビン無水物Iの過飽和線の位置は、0.6gl-1を超えると見積もることができる。したがって、過飽和線と溶解度線との間の準安定帯において所望の結晶形の種結晶を接種することによって、この結晶形のリボフラビンの形成を制御することが可能である。
リボフラビン無水物I、リボフラビン無水物II、リボフラビン無水物III、リボフラビン一水和物、リボフラビン二水和物およびリボフラビン四水和物の結晶形の粉末のディフラクトグラムを図A〜Fに示す。
結晶学分野の用語(例えば「結晶形」、「多形」、「多形相」などの用語の意味)に関して、例えばSolid State Chemistry of Drugs; Stephen R. Byrn, Ralph R. Pfeiffer, Joseph G. Stowell: SSCI Inc. West Lafayette; 1999を参照できる。
無水物は、特に無水雰囲気中において結晶水を含まない結晶形である。リボフラビン無水物Iは、図AのX線ディフラクトグラムに性状を示されるリボフラビンの多形相である。リボフラビン無水物IIは、水蒸気下でリボフラビン一水和物およびリボフラビン二水和物に平衡である。リボフラビン無水物IIIは、水蒸気下でリボフラビン四水和物に平衡である。
水和物は、結晶水を含む結晶形である。リボフラビン一水和物(図D参照)は、水蒸気下でリボフラビン無水物IIおよびリボフラビン二水和物に平衡である。リボフラビン二水和物は、図EのX線ディフラクトグラムに性状を示される。リボフラビン四水和物(図F参照)は、水蒸気下でリボフラビン無水物IIIに平衡である。
結晶リボフラビンの多様な変態が従来技術から公知である。これに関して、例えばEP−A995749、US2324800、US2603633、US2797215、US4687847およびInternational Center of Diffraction Data(2002 JCPDS; PCPDFWIN v.2.2; Eli Lilly and Company、インディアナ州、米国、1955により提出されたデータ)を参照できる。
従来技術においてリボフラビンの結晶形(変態)の命名は統一されておらず、本明細書における以下の表に種々の用語をまとめる:
Figure 2006528150
本発明の方法の工程(a)では、第一結晶形のリボフラビンを沈殿、すなわち結晶化させる。好ましくは、発酵槽(発酵ブロス)中の微生物によって生成される粗反応スラリーから開始して工程(a)を実施する。適当な微生物には遺伝子修飾されていない生物(非GMO)および遺伝子修飾微生物(GMO)がある。発酵プロセスを連続的に、またはバッチ法として実施できるが、後者が好ましい。通常、発酵槽に含まれる水の量はリボフラビン生成物の全量を溶解しておくには不十分である。このように、発酵プロセスのごく初期に得られた量のリボフラビンだけが溶液状態にあるが、発酵の進行過程で、あるレベルの過飽和に達するとリボフラビンは自発的に結晶化を開始する。一般に、結晶化は発酵プロセスの終了のかなり前に開始する。したがって、このプロセスの終了時に大部分の生成物が結晶リボフラビン(リボフラビン第一結晶形)の形で沈殿しており、比較的少量のリボフラビンしか溶液中に残っていない。
本発明の方法は、周囲温度(好ましくは23℃以上)で、第一結晶形のリボフラビンが工程(c)で生成する第二結晶形のリボフラビンよりも熱力学的に不安定であることを必要とする。これは、工程(a)自体を周囲温度で実施しなければならないことを意味せず、温度は、それぞれの結晶形のリボフラビンの熱力学的安定性をどの条件で比較すべきかを単に規定したものである。好ましくは、工程(a)は40℃未満の温度で実施される。
一方、工程(a)で沈殿したリボフラビンの結晶形が、周囲温度で結晶リボフラビンの熱力学的に最も安定な形であることを避けねばならない。それは、その場合に周囲温度において熱力学的にさらに安定なあらゆる第二結晶形への変換が不可能であろうからである。他方で、第一結晶形のリボフラビンは、制御された沈殿により得られねばならず、発酵条件および引き続く任意の低温殺菌工程に耐えねばならない。これらの性質を示すあらゆる結晶形が、リボフラビンの効率的な精製、特に工程(c)におけるリボフラビン結晶に含まれるDNA濃度の顕著な減少を可能にする。
本発明の方法の好ましい実施形態において、工程(a)で沈殿した第一結晶形のリボフラビンは、リボフラビン水和物、好ましくはリボフラビン一水和物、リボフラビン二水和物またはリボフラビン四水和物を含む。最も好ましくは、工程(a)で沈殿した第一結晶形のリボフラビンは、リボフラビン二水和物である。
工程(a)の反応条件に応じて、発酵ブロスから自発的に沈殿する第一結晶形のリボフラビンは、必ずしも所望の第一結晶形のリボフラビンではない。このように、工程(a)で沈殿する、すなわち好ましくは発酵工程の途中で生成する結晶リボフラビンの沈殿の形を制御することが必要となりうる。
驚くことに、工程(a)において、ある結晶構造を有する種結晶による結晶化の開始によって、発酵槽中の所望の第一結晶形のリボフラビンの形成を制御できることが見出された。適当な種結晶の発酵ブロスへの添加は、別個の第一結晶形のリボフラビンの沈殿を引き起こす。したがって、選択された適当な種結晶により、好ましい第一結晶形のリボフラビン(例えばリボフラビン一水和物、リボフラビン二水和物またはリボフラビン四水和物)、好ましくはリボフラビン二水和物の沈殿を実施できる。
種結晶(接種)による結晶化の開始は、公知の技術であり、それによって結晶化する生成物の形が影響を受けうる。これに関して、例えばCrystallization Technology Handbook; A. Mersmann; Marcel Decker, Inc.; 1995を参照できる。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(a)における第一結晶形のリボフラビンの沈殿は、種結晶によって、好ましくはリボフラビンの種結晶によって開始される。好ましくは種結晶は、リボフラビン水和物、さらに好ましくは、リボフラビン一水和物、リボフラビン二水和物またはリボフラビン四水和物の種結晶を含む。最も好ましくは、リボフラビンの種結晶は、リボフラビン一水和物を含む。
好ましくは、工程(a)で沈殿する第一結晶形のリボフラビンは、適当な種結晶により得られるリボフラビン二水和物またはリボフラビン四水和物である。好ましくは、第一結晶形のリボフラビンは、沈殿が好ましくはリボフラビン一水和物の種結晶によって制御されるリボフラビン二水和物である。
驚くことに、リボフラビン一水和物の種結晶は、リボフラビン二水和物の沈殿に適していることが見出された。リボフラビン一水和物の結晶を水と接触させると、過飽和水溶液(発酵ブロス)に溶解したリボフラビンは、リボフラビン二水和物の結晶形になって直ちに沈殿する。結晶形の性質の研究によって、結晶リボフラビン一水和物は水性分散液において結晶リボフラビン二水和物に速やかに変換することが明らかとなった。
本発明の好ましい態様において、種結晶を2〜10時間後、好ましくは4〜7時間後に発酵ブロスに加える。好ましくは、種結晶は針により滅菌瓶から発酵槽に移植される。
結晶リボフラビン一水和物の調製方法は、従来技術から公知である(EP−A995749、変態B/Cを参照)。
好ましくは、pH値5〜8の、さらに好ましくはpH値6.5〜7のリボフラビンの過飽和水溶液に、リボフラビン一水和物の種結晶を加えることにより結晶リボフラビン二水和物を生成させることができる。本発明の一局面は、リボフラビン二水和物に関する。本発明の別の局面は、結晶リボフラビン一水和物をリボフラビンの飽和水溶液に加える、結晶リボフラビン二水和物の調製方法に関するものである。
約40℃でリボフラビンの水溶液から水を蒸発させることによって、結晶リボフラビン四水和物を減圧下で生成させることができる。出発物質、すなわちリボフラビンの水溶液を得るために、好ましくはリボフラビン無水物Iを約0.07gl-1の濃度で脱イオン水に懸濁する(実施例6参照)。次に、ファイバーグラスを有するプレフィルターと5μmテフロンフィルターとの組み合わせを包含するフィルターシステムにより未溶解の結晶から飽和溶液を分離できる。ロータリーエバポレーターに入れたリボフラビン溶液にリボフラビンの飽和水溶液を連続的に添加する。同時に、好ましくは30と60℃との間、特に35と45℃との間の温度および10〜100mbar、好ましくは20〜25mbarの減圧下で水を蒸発させる。好ましくは、水浴の温度は40℃を超えてはならない。エバポレーターのフラスコにリボフラビン溶液を連続的に移送し、一方でフラスコ内の溶液の体積を蒸発により一定に保つ。結晶化はある時点で開始する。蒸発が終了した後でスラリーをろ過する。リボフラビン四水和物の湿結晶をXRDで特性化できる。本発明の一局面は、リボフラビン四水和物に関するものである。本発明の別の局面は、約40℃の温度で減圧下でリボフラビンの溶液から水が蒸発し、ロータリーエバポレーターにリボフラビンの飽和溶液を同時に加える、リボフラビン四水和物の調製方法に関するものである。
結晶リボフラビン一水和物、リボフラビン二水和物およびリボフラビン四水和物の適当な種結晶、または工程(a)で有用な他の適当な結晶形のリボフラビンを得るためのさらなる処理を、本明細書において以下に記載する。
本発明の方法の工程(a)において、所望の第一結晶形のリボフラビンの沈殿が成功するには、種結晶が所望の結晶形、好ましくはリボフラビン一水和物、リボフラビン二水和物またはリボフラビン四水和物、さらに好ましくはリボフラビン一水和物またはリボフラビン二水和物であることを要する。さらに、種結晶は、外部からの生物が発酵プロセスに混入しないように滅菌されているべきである。
リボフラビンの種結晶を種発酵槽または別の適当な反応器の中で調製できる。種発酵槽に出発物質として導入されたリボフラビンを完全に希釈しなければならない。後にこのプロセスの工程(a)でいかなる不純物、すなわち望ましくない結晶形のあらゆる未溶解結晶は、結果として同一の望ましくない結晶形の沈殿を通常もたらし、よって望ましくない中間体(すなわち第一結晶形のリボフラビン)が得られる。特に、種結晶におけるリボフラビン無水物Iのあらゆる不純物は、結果として発酵プロセス中にリボフラビン無水物Iの沈殿を必然的に招くことから、避けるべきである。
本発明の好ましい態様において、リボフラビンの種結晶は、リボフラビン一水和物の形である。この調製は、好ましくはリボフラビン一水和物から開始する(EP−A995749参照)。次に、リボフラビン一水和物の結晶を温度2℃〜40℃、好ましくは10℃〜20℃の範囲で水に懸濁し、これらの条件でリボフラビン一水和物をリボフラビン二水和物に変換する。結晶をろ過し、表面水を除くために乾燥させる。結晶の粉砕によって、後に工程(a)で発酵ブロスに導入後に高い核形成速度をもたらす比表面積が増加する。次に、粉砕した結晶を純エタノールまたはエタノールと水との混合物で洗浄する。
好ましくは、本発明の方法の工程(a)に使用する前にリボフラビンの種結晶を滅菌する。好ましくは、蒸気滅菌により、または溶媒、好ましくはエタノールと水との混合物、最も好ましくは、>70%エタノールと水との混合物により種結晶を滅菌する。
種結晶を蒸気により滅菌する場合、リボフラビン一水和物またはリボフラビン二水和物の乾燥結晶を閉鎖系に移送する。この系内で110℃と150℃との間、好ましくは120℃と140℃との間の温度まで、好ましくは約30分間結晶を加熱する。本発明の方法の好ましい態様において、リボフラビン水和物の種結晶、さらに好ましくはリボフラビン一水和物またはリボフラビン二水和物の種結晶を好ましくは120〜140℃の温度で蒸気滅菌する。驚くことに、これらの条件で種結晶の結晶形は変化しないことが見出された。
別の可能性は溶媒による滅菌である。溶媒、例えばアルコールまたはケトンの添加によって第二の滅菌方法を実施でき、ここでエタノールまたはメタノールの添加が好ましい。リボフラビンの種結晶は溶媒に事実上不溶性であることから、スラリーが形成し、そこからろ過により溶媒を除去する。滅菌水で湿結晶を洗浄し、残りの溶媒を除去する。本発明の方法の好ましい態様において、リボフラビン水和物の種結晶、さらに好ましくはリボフラビン一水和物またはリボフラビン二水和物の種結晶を、好ましくは70vol%〜90vol%のエタノールを含む、エタノールと水との混合物によって滅菌する。驚くことに、これらの条件で種結晶の結晶形は変化しないことが見出された。
この時点では、新たに調製されたリボフラビンの種結晶が本発明の方法の工程(a)に使用できる状態である。XRDは、滅菌後に結晶形は変化しないことを示している。驚くことに、滅菌された種結晶は、アルコール80%および水20%を含む溶液中で室温で安定であることが見出された。しかし、それよりも高いアルコール濃度は、結晶形の変化をもたらす。
本発明の方法の好ましい態様において、蒸気滅菌と溶媒による滅菌とを併用する。好ましくは、オーブン中で100℃を超える温度で、好ましくは約140℃で約50分間、種結晶を蒸気により滅菌する。次に、0〜1000重量当量の、好ましくは5〜100重量当量のエタノールに10〜200分間、好ましくは20〜40分間、種結晶を懸濁させる。工程(a)で使用する前に、液体の取り扱いをより容易にするために0〜100体積当量の滅菌H2Oを加える。
本発明の方法の好ましい態様において、種結晶は、リボフラビン水和物、特にリボフラビン一水和物またはリボフラビン二水和物を含む。希釈されたリボフラビンの濃度が溶解度の高い方の結晶形の溶解限度を超えるとき、工程(a)の発酵ブロスに種結晶を好ましくは加える。溶解度が高い方の結晶形は、(温度に応じて)リボフラビン二水和物でありうる。リボフラビン二水和物およびリボフラビン無水物Iの溶解限度を超えて、リボフラビン無水物Iの準安定帯が存在する。
リボフラビン無水物Iの自発結晶化は起こらない。好ましくは、接種は36℃〜43℃の間で、発酵ブロス中のリボフラビン濃度0.16gl-1〜0.23gl-1で起こる。
本発明の方法の工程(b)において、第一結晶形のリボフラビンを単離する。これは、発酵槽に含まれる粗反応スラリーから開始して工程(a)を実施したこと、好ましくは、大部分のバイオマスが反応スラリーから除去されていることを意味する。好ましくは、デカンテーションにより、すなわち沈殿からオーバーヘッドを分離すること(バイオマスの分離)によって第一結晶形のリボフラビンを単離する。本発明の方法の工程(b)は、結果として通常は純粋なリボフラビンの単離をもたらさない。一般に、単離された第一結晶形のリボフラビンは、さらなる精製工程により分離しなければならない不純物を依然として含む。本発明は、これらの不純物の除去に特に関する。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(a)で沈殿し、そして工程(b)で単離された第一結晶形のリボフラビンは、好ましくは工程(b)の後、そして好ましくは工程(c)の前に低温殺菌される。好ましくは低温殺菌は、反応スラリーに含まれる大量のバイオマスから工程(b)の初期に分離された第一結晶形のリボフラビンを加熱することによって実施される。好ましい実施形態において、低温殺菌は、40℃〜80℃、好ましくは60℃〜75℃の温度範囲で実施される。好ましくは低温殺菌は酸性条件で実施される。低温殺菌は、好ましくは6未満のpH値で、さらに好ましくは4未満のpH値で実施される。第一結晶形のリボフラビンの水性懸濁液に加えることができる好ましい酸は、鉱酸、好ましくは硫酸もしくは硝酸、または有機酸、好ましくはカルボン酸、最も好ましくはギ酸もしくはシュウ酸である。
本発明の方法の工程(c)において、希釈されたDNAを分解する条件で第一結晶形のリボフラビンを第二結晶形のリボフラビンに変換する。周囲温度(好ましくは23℃)において第一結晶形のリボフラビンが第二結晶形のリボフラビンよりも熱力学的に不安定であることは本発明の方法の本質的な特色である。好ましくは、第一結晶形のリボフラビンは、周囲温度を超えた温度でも第二結晶形のリボフラビンよりも熱力学的に不安定である。
発酵槽内で遺伝子修飾された微生物を使用することによって、組換えDNA(rDNA)が発酵ブロスに存在する。最終生成物に要求される仕様に応じて、下流の工程、特に精製工程の間に組換えDNAを完全に除去または分解しなければならない。本明細書において、「DNA」という用語には、リボフラビンの結晶に包含される、リボフラビン結晶表面に吸着している、およびリボフラビン結晶に接触して安定化しているあらゆる種類のDNA(例えば、天然または組換えDNA)がある。
リボフラビン産物中のDNA含量を標準的なPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により監視できる。PCRに基づいた現況技術の分析器具を使用して、決められた配列のrDNA(例えば200塩基対を含む産生株のDNAの特異配列)を検出する。ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーのようなクロマトグラフィー法に比べて、PCRの方が数オーダも高感度である。検出限界は、種々のパラメーター、例えばサイクルの回数、プライマーの種類、ポリメラーゼの種類などに依存する。結晶リボフラビンに関連した決められた配列のrDNAに関して、PCRの特徴的な検出限界は、約0.2ppbである。本発明の方法の好ましい態様において、リボフラビン結晶中に決められた長さの塩基対(bp)、好ましくは50〜10000bp、さらに好ましくは100〜1000bp、最も好ましくは約200bpを有するDNAの含量は、約0.2ppbの検出限界未満に低減している。
希釈されたDNAを分解する条件は、従来技術から公知である。希釈されたDNAは、10-4〜10-3moll-1を超える濃度の酸の存在下、高温で十分速やかに分解する(pH値に対するDNA分解の依存性は、Lindahl T.およびNyberg B.;天然デオキシリボ核酸の脱プリン速度; Biochemistry, 11, 19 (1972) 3610-3618参照)。濃度約10-3moll-1のクエン酸は、60℃で1時間以内にDNAを分解することが報告された(Schriftenreihe des Fonds der Chemischen Industrie zu Forderung der Chemie and Biologischen Chemie im Verband der Chemischen Industrie e.V.; 60329 Frankfurt; Karlstrasse 21; Heft 32, Informationsband "Sicherheitsforschung in der Biotechnologie"参照)。
本発明の方法の好ましい態様において、DNAを分解する工程(c)の条件は、酸性条件である。酸性条件は、0.5〜50wt%、好ましくは2〜10wt%のリボフラビンを含む水性スラリーに懸濁した第一結晶形のリボフラビンに酸を加えることによって好ましくは実現される。好ましい実施形態において、酸は、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸からなる群より選択される鉱酸、または酢酸、ギ酸およびシュウ酸からなる群より選択される有機酸である。水性スラリー中の酸の濃度は、好ましくは10-4moll-1を超え、好ましくは10-4と10-1moll-1との間で、最も好ましくは約5・10-4moll-1でなければならない。水性スラリーのpHは好ましくは6未満、さらに好ましくは5未満、最も好ましくは4未満でなければならない。
本発明の方法の別の好ましい態様において、DNAを分解する工程(c)の条件は、塩基性条件である。塩基性条件は、0.5〜50wt%、好ましくは2〜10wt%のリボフラビンを含む水性スラリーに懸濁した第一結晶形のリボフラビンに塩基を加えることによって好ましくは実現する。好ましい態様において塩基は、NaOH、KOHおよびCa(OH)2からなる群より選択される無機塩基である。水性スラリー中の塩基濃度は、好ましくは10-4moll-1よりも高く、好ましくは10-4と10-1moll-1との間で、最も好ましくは約5・10-4moll-1でなければならない。水性スラリーのpH値は好ましくは8を超え、さらに好ましくは9を超え、最も好ましくは10を超えなければならない。
原則として、DNAを分解する条件にDNA分子を含む水溶液を曝露するとき、DNA鎖は速やかに分解する。しかし、DNAが完全には溶解していないならば、例えばDNAが表面に吸着しているか、または結晶格子に包含されているならば(吸蔵)、DNAの分解は阻害される。
DNAは、表面に吸着され表面で安定化できると報告された。DNAを吸着する種々の担体を評価するために研究が行われた。原子間力顕微鏡の先端の引力に抗するに足る強い吸着が必要である。吸着の性質および/または強度は、イオンの存在にも依存する。特に、Mg2+およびCa2+のような二価陽イオンは、安定性に影響する(Bezanillaら;雲母、シリル化雲母、および鉱物に対するDNAの吸着:原子間力顕微鏡による特性化; Langmuir 11 (1995) 655-659参照)。他の研究は、ヌクレアーゼの攻撃に抗する程度にまで、表面に吸着した枯草菌(bacillus subtilis)由来DNAを安定化できることを明らかにした。安定化の程度は、周囲の溶液の組成、例えば一価または二価イオンの濃度によって影響される。低pH値は、より強い安定化作用を有するようである(Khanna M.、Yoder M.、Calamay L.およびStotzky G.;粘土鉱物に結合した枯草菌由来DNAのX線ディフラクトメトリーおよび電子顕微鏡観察; Sciences of soils (1998) 3:1参照)。
リボフラビンの結晶に関連したDNA、特にrDNAである不純物の分解は、リボフラビンの結晶形の性質に強く依存することが驚くことに見出された。リボフラビン無水物Iが発酵時に沈殿する場合、rDNAの分解は特に困難であるが、発酵時にリボフラビン二水和物が形成するならば下流におけるrDNAの分解は比較的迅速である。理論に縛られることを全く意図することなく、回収された細胞から放出されるrDNAはリボフラビン結晶と強く関連していると仮定する。
リボフラビンの結晶形の性質は、下流における精製プロセスの有効性、特にPCRのような分析法の検出限界を下回る組換えDNA(rDNA)の分解に徹底的に影響する。リボフラビンの精製中に、第一結晶形のリボフラビンの変換によって結晶格子が精製条件で解体するときに、特にリボフラビン結晶に関連する組換えDNAを速やかに分解できる。新しい結晶形のリボフラビン、すなわちリボフラビン二水和物が驚くことに見出された。リボフラビン二水和物は、発酵プロセス中に好ましくは形成され、周囲温度で熱力学的により安定である第二結晶形のリボフラビンに精製中に変換されうる。所望の結晶形の形成を制御するために必要なデータが確立された。従来技術の方法において結晶形は変化しない。これらの発見に基づき、特に結晶から組換えDNAを除去することに関してリボフラビンの新しくさらに効率的な方法が見出された。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(a)で沈殿する第一結晶形のリボフラビンは、リボフラビン二水和物である。沈殿した結晶リボフラビン二水和物は、工程(b)において好ましくは大部分のバイオマスのデカンテーションによって単離され、場合により低温殺菌される。単離された結晶リボフラビン二水和物を水に懸濁して、70℃を超える温度にそのスラリーを加熱するときに、粘度が顕著に増加することが今や観察された。高速で2、3分間撹拌するとその高い粘度を下げることができる。
前記処理によって結晶リボフラビン二水和物が結晶リボフラビン無水物Iに変換されることをX線粉末回折により立証できる。さらに、結晶の変態は短針状(10〜20μm)から長針状(50〜200μm)へと変化する。長針の形成は、粘度の顕著な増加を引き起こす。懸濁液中の結晶リボフラビン二水和物の変換の結果、結晶格子が完全に破壊され、その直後に結晶リボフラビン無水物Iの形のリボフラビン分子の再結晶が続く。不純物、特にDNAが遊離し、完全に放出され周囲の媒質に入って希釈される。少量の酸の存在下で(好ましくは4未満のpH値で)、比較的低温でDNAは通常のPCRの検出限界を下回る程度まで速やかに分解する。50〜70℃およびpH4未満で10〜30分以内でリボフラビン結晶からDNA、特にrDNAを検出できない。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(c)において第一結晶形のリボフラビンから第二結晶形のリボフラビンへの変換は、上昇した温度で、好ましくは60℃と75℃との間の温度で、最も好ましくは約70℃で実施される。好ましくは、変換は酸性条件で、最も好ましくは4未満のpH値で実施される。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(c)は、
(i)鉱酸、好ましくはH2SO4、HNO3、HCl、HBrもしくはH3PO4、または
(ii)塩基、好ましくはNaOH、KOHもしくはCa(OH)2、または
(iii)有機酸、好ましくはギ酸、酢酸、シュウ酸もしくはクエン酸
を使用して60℃〜75℃の間の温度で実施される。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(c)では第一結晶形のリボフラビンを含む水性スラリーをインペラースターラーを備える反応器に移送する。次に、好ましくは十分量の鉱酸または有機酸を加える。好ましくはジャケットにより、好ましくは60℃と75℃との間の温度に、最も好ましくは約70℃に温度を上げる。インペラースターラーの撹拌速度を約500rpmに調節する。粘度が上がるやいなや、撹拌速度を好ましくは約2000rpmまで上げ、再びスラリーを液化する。約20分間処理した後でスラリーをろ過する。得られた結晶をXRDで特性化でき、rDNAの含量をPCRで分析できる。
または、バイオマスの分離および低温殺菌後に、第一結晶形のリボフラビンを含むスラリーを酸性化して撹拌多段抽出装置に絶えずポンプで汲み入れることができる。撹拌多段抽出装置での滞留時間は好ましくは5〜20分間であるが、汲み入れ速度により定めることができる。好ましくは、抽出装置をジャケットにより約70℃の所望の温度に加熱できる。
本発明の方法の好ましい態様において、工程(c)では撹拌多段抽出装置に入る前に熱交換器により第一結晶形のリボフラビン含むスラリーを約70℃に予備加熱する。熱交換器は、数秒以内にスラリーを加熱できる。第一結晶形のリボフラビンは、所望の温度を速やかに達成する熱交換器を介して好ましくは連続的にポンプで汲み入れられ、ジャケットヒーティングおよび十分高い剪断力を適用する多段撹拌システムを備えるチューブを介して好ましくはさらに汲み入れられる。撹拌多段抽出装置の代わりに、スタティックミキサーを備えるリアクターチューブも使用できる。
リボフラビンの結晶は、変換する間に溶解することによってその結晶に包含されるか関連するDNA分子を遊離させる。しかし、溶解したリボフラビンは第二結晶形のリボフラビンに直ちに再結晶し、その第二結晶形のリボフラビンは、周囲温度(好ましくは23℃以上)で第一結晶形のリボフラビンよりも熱力学的に安定である。
対照的に、リボフラビン無水物Iを含む対応する発酵液を加熱すると粘度の増加は観察されない。X線回折により決定された結晶構造は変化しない。したがって、結晶形の変換は誘導されず、DNAに関連するリボフラビンは溶液中に放出されない。リボフラビン無水物Iに関して溶媒または酸性水にスラリーを完全に希釈したものだけがDNAを遊離できる。しかし、これらの条件で95℃を超えた温度で12時間を超えて、または100℃を超えて6時間を超えて、または120℃を超えて2時間を超えてそれぞれリボフラビンスラリーを処理することによってのみPCR検出限界未満までDNAを分解できる。
本発明の方法の好ましい態様において、第一結晶形のリボフラビンは、リボフラビン水和物、好ましくはリボフラビン二水和物であり、第二結晶形のリボフラビンは、リボフラビン無水物Iである。工程(a)における第一結晶形のリボフラビンの沈殿は、種結晶の添加によって、さらに好ましくはリボフラビン水和物の種結晶によって、最も好ましくはリボフラビン一水和物の種結晶またはリボフラビン二水和物の種結晶によって好ましくは制御される。
本発明の方法の好ましい態様においてリボフラビン二水和物(第一結晶形の リボフラビン)は、工程(a)で沈殿し、それは次に工程(c)でリボフラビン無水物I(第二結晶形のリボフラビン)に変換する。変換の過程でリボフラビンの結晶に関連するrDNAおよび他の化合物は、周囲の媒質に放出される。あらゆる適当な条件または成分によって、例えば溶解したDNAを分解する鉱酸または有機酸によって、溶液中に溶解したrDNAを容易に分解できる。
本発明の方法の工程(d)において、第二結晶形のリボフラビンを単離する。好ましくは第二結晶形のリボフラビンは、ろ過、遠心分離またはデカンテーションにより単離される。工程(d)から得られる結晶を、好ましくは冷エタノールまたはエタノールと水との混合で洗浄してから、乾燥する。
本発明は、(組換え)DNAが従来のPCRの検出限界未満で分解するリボフラビンの精製および結晶化のための効率的な方法に関するものである。好ましい態様において、本方法は、適当な種結晶、好ましくはリボフラビン一水和物またはリボフラビン二水和物の種結晶を形成させることおよび滅菌することを含む。好ましい態様において、第一結晶形のリボフラビン、好ましくはリボフラビン二水和物の沈殿は、発酵槽中の前記種結晶により開始される。さらに、本方法は、希釈されたDNAを分解する条件で第一結晶形のリボフラビン、好ましくはリボフラビン二水和物を第二結晶形のリボフラビン、好ましくはリボフラビン無水物Iに変換することによって、第一結晶形のリボフラビンに関連するDNA分子の除去を含む。好ましくは、第一結晶形のリボフラビンから第二結晶形のリボフラビンへの変換は、酸の存在下で懸濁した第一結晶形のリボフラビンを加熱することによって実施される。酸の濃度は、好ましくは10-4moll-1を超え、溶液のpH値は好ましくは6未満、さらに好ましくは5未満、最も好ましくは4未満である。
リボフラビンの個別の結晶形、特にリボフラビン無水物II、リボフラビン無水物III、リボフラビン二水和物およびリボフラビン四水和物を、ヒトおよび動物の栄養ならびに動物の健康およびヒトの健康の分野に使用できる。
以下の実施例は、本発明の方法をさらに例示するものである。
実施例1
DVSおよびX線回折による特徴付:
DVS−重力測定の併用およびDVS−X線回折の併用により、変態B/Cの試料(EP−A995749に記載;リボフラビン一水和物に対応)を検討した(図3)。試料を周囲温度および相対湿度(水蒸気)52%で固定した。両併用法において、相対湿度約96%に達するまで相対湿度(RH)を絶えず増加させた。次に、相対湿度を0%まで絶えず減少させた。次に、出発点に再び達するように湿度を52%まで増やした。このサイクルをもう一度繰り返した。
水蒸気の増加または減少に依存するサイクル中の結晶結合水の取込みおよび放出は、ヒステリシスに従った。相対湿度の増加時に速度論的に決定される取込みおよび相対湿度の減少時の結晶水の放出遅延によってヒステリシスを説明できる。
異なる水和物をもたらすリボフラビンの結晶形に取り込まれる水の理論量を以下に挙げる:
リボフラビン無水物からリボフラビン一水和物:4.79wt%
リボフラビン無水物からリボフラビン二水和物:9.57wt%
リボフラビン無水物からリボフラビン三水和物:14.36wt%
リボフラビン無水物からリボフラビン四水和物:19.15wt%
平行走査X線回折は、異なる範囲の相対湿度で出現する結晶形について少なくとも三つの明確に区別できるスペクトルを示した:
範囲 結晶形
0%RH リボフラビン無水物II
20<RH<75% リボフラビン一水和物
90〜20% リボフラビン二水和物
リボフラビン無水物IIは、リボフラビン無水物Iのものとは異なるX線ディフラクトグラムを示す。したがって、リボフラビン無水物IIは、リボフラビン無水物Iの真の多形として確認できる。相対湿度を増加させることによって、結晶構造は、リボフラビン一水和物の形に変化する。20%近くの相対湿度でリボフラビン一水和物の構造は依然として確立されている。ほぼ乾燥したスポンジのように、リボフラビン結晶格子中の少数の位置だけが水分子に占有されている。それらの位置は相対湿度を増加させることによって埋まる。相対湿度が約75%を超えると、結晶構造は、リボフラビン一水和物についての理論量の水が取込まれる前に突然再びリボフラビン二水和物の構造へと変化する。相対湿度が75%を超えると、水はリボフラビン二水和物の構造に速やかに取込まれる。相対湿度約92%において水の取込みは、リボフラビン二水和物に対応する理論量9.57wt%に達する。
水は、相対湿度を減少させることによって絶えず放出される。リボフラビン二水和物の構造は、相対湿度20%に達するまで損なわれないままである。二水和物構造は、相対湿度20%でリボフラビン1molあたり依然として約1.3molの水を含む。その後、構造はリボフラビン無水物IIに直接変化する。
3つの異なる形をラマン分光法によってはっきりと識別できる。
試料「B/C」を分析したのと同じ方法でリボフラビンの結晶形の第二試料をDVSによって分析した(図4)。試料は、US2603633によるとC形と同定できる結晶構造を示した。
以下の範囲で二つの異なる結晶形を確認できた:
範囲 結晶形
0%<RH リボフラビン無水物III
50%<RH<90% リボフラビン四水和物
リボフラビン四水和物の構造は、C形(変態)として公知である。リボフラビン無水物IIIは、新しい結晶形であり、リボフラビン無水物Iおよびリボフラビン無水物II以外の第三の無水変態である。そのX線ディフラクトグラムは、他のすべての結晶形のリボフラビンのディフラクトグラムとは異なる。
実施例2
溶解度および過飽和を決定する方法
熱流熱量計で実験を行った。加熱による希釈および冷却による結晶化の過程を濁度センサーで監視した。リボフラビン無水物Iの結晶36mgまたはリボフラビン一水和物の結晶60mgまたはリボフラビン二水和物の結晶120mgをそれぞれ発酵液に懸濁し、1分間あたり0.1℃の速度で80℃に加熱した。温度を60分間維持した。次に、システムを0.1℃/分の速度で再び20℃に冷却した。
39℃において過飽和線の依存関係は、温度の単に弱い関数である。したがって、39℃での過飽和を決定するために別の方法(MethB)を適用した。リボフラビン四水和物の結晶420mgを懸濁し、69℃に加熱することによって完全に溶解させた。リボフラビンの濃度は0.6mgml-1であった。冷却して再び39℃にした後で、温度を一定に維持した。3時間後に結晶化がゆっくりと始まった(図2参照)。
リボフラビン四水和物の結晶360mgで実施した同じ実験(0.7mgml-1に対応)は、46℃でも自発結晶化をもたらした。
このように、39℃において過飽和線は0.6mgml-1を下回ると結論できる。
実施例3
種結晶の調製、滅菌および接種
リボフラビン一水和物の結晶500mgを140℃で50分間、オーブン中で滅菌し、エタノール5mlに10〜200分間、好ましくは20〜40分間懸濁し、誘導前に液体を取り扱いし易くするために滅菌H2O 10mlを加えた。6時間後に針で滅菌瓶から懸濁液をバイオリアクターに加えた。リボフラビン二水和物の結晶が形成し、培養物中で単一種状態を維持した。これらの実験から、リボフラビン二水和物に結晶の変態を方向付けることが可能であると結論できる。
誘導および非誘導培養におけるリボフラビンの可溶性画分の測定は、大きな差を示した。非誘導の培養において6〜9時間後に過飽和溶液を得た。次に、溶解度は1時間以内に顕著に減少する。誘導した培養の場合、この現象は観察されない。リボフラビンの溶解度(約0.4gl-1)は超えない。滅菌プロセスの間に結晶の結晶形が変化するかどうかはX線回折によって管理される。
実施例4
バッチ操作によるリボフラビン二水和物のリボフラビン結晶からのDNAの除去
バイオマスの大部分の滅菌およびデカンテーション後に6wt%のリボフラビン結晶を含む残余のリボフラビンスラリーを鉱酸、好ましくは硫酸、硝酸、リン酸および/または有機酸、好ましくは酢酸、ギ酸、シュウ酸を加えることによって処理する。酸を加えた後で、スラリー中の酸の濃度は5・10-4mol l-1であった。酸性化したスラリーを激しく撹拌した。
インペラースターラーを備える容量1.5リットルの反応器にスラリーを満たした。スラリーを酸性にし、ジャケット温度により温度を70℃まで上げた。撹拌速度を500rpmに調節した。粘度が上がると直ちに撹拌速度を2000rpmに上げ、スラリーを再び液化させた。20分間の処理後にスラリーをろ過した。得られた結晶をXRDで特徴付した。PCRによりrDNA含量を分析した(図5参照)。
実施例5
連続操作によるリボフラビン二水和物のリボフラビン結晶からのDNAの除去
実施例4によるバイオマスの分離および低温殺菌後のスラリーを酸性化し、撹拌多段抽出装置にポンプで常に汲み入れた。撹拌多段抽出装置中の滞留時間5〜20分間をポンプ汲み入れ速度により定めた。所望の温度70℃までジャケットにより抽出装置を加熱できた。
異なる実験において、撹拌多段抽出装置に入れる前に熱交換器によりスラリーを70℃まで予備加熱した。熱交換器を用いてスラリーを数秒以内に加熱できた。撹拌多段抽出装置の代わりに、スタティックミキサーを備えるリアクターチューブを使用した。
実施例6
リボフラビン四水和物の調製のための方法は、米国特許第2603633号に記載されている。この方法は、所望の四水和物「C形」(変態)を得るためにリボフラビンを速やかに沈殿させる溶媒を基本的に使用する。本方法によって調製される試料は、相対湿度95%で約100分間でリボフラビン二水和物に変換する。
少量のリボフラビン四水和物の別の製造方法は、水溶液の蒸発に基づく。一方法を以下に解説する:
リボフラビン500mg(アッセイ>98wt%、化学製造物由来)を脱塩水7リットルに溶かした。次に、ガラス繊維フィルターと5μテフロンフィルターとから成るSartoriusフィルターシステムでこの溶液をろ過した。次に、ろ液をビュッヒ(Buchi)回転フラスコエバポレーターシステムで蒸発させた。20〜25mbarの減圧および最高40℃の浴温度で蒸発フラスコに溶液を常に吸引した。同時に水を蒸発させた。フラスコの容量を最大200mlに保った。手順の終わりに結晶化が開始した。
最後に、全量7リットルをエバポレーターのフラスコに吸引し、蒸発させた。エバポレーターのフラスコ内の体積を蒸発により約100mlに減らした。次に、追加の洗浄を行わずに懸濁液をろ過し、最高35℃でp<0.05mbarの高真空で乾燥させた。次に試料をX線回折で特性化し、四水和物の構造であることを確認した。次にさらなる実験に試料を使用した。
実施例7
対照DNA
産生株の全ゲノムをPCR増幅のための陽性対照として使用した。100ngμl-1以下のゲノム濃度を使用した。
PCR増幅
二つのプライマーを使用した。0.2部の10億分率(ppb)よりも高い濃度で試料が産生株のDNAを含んでいたならば、これらのプライマーを用いて200塩基対(bp)の断片が増幅した。
PCRプログラム
− 最初に変性
− 94℃40秒、55℃60秒、72℃60秒を45サイクル
− 最後に試料を72℃に600秒間保った。
抽出
リボフラビン50mgに1%デスオキシコラートを有するTE緩衝液(pH8)0.5mlを加えた。10分間振盪した後、フェノール0.7ml(TEで飽和)を加えて15分間再び振盪した。相が分離した後で、クロマトグラフィー(MicroSpin S200、Amersham Pharmacia Biotech)によって水相50μlを精製し、フェノール、デスオキシコラートおよびリボフラビンの残りを除去した。
同定
DNAを指示するためにUV活性核酸系を用いたアガロースゲル電気泳動によって増幅産物を確認した。
図Aは、リボフラビン無水物I粉末のX線デイフラクトグラムである。 図Bは、リボフラビン無水物II粉末のX線デイフラクトグラムである。 図Cは、リボフラビン無水物III粉末のX線デイフラクトグラムである。 図Dは、リボフラビン一水和物のX線デイフラクトグラムである。 図Eは、リボフラビン二水和物のX線デイフラクトグラムである。 図Fは、リボフラビン四水和物のX線デイフラクトグラムである。 図1は、リボフラビンの各結晶形の溶解度線を示す。 図2は、リボフラビンの各結晶形の過飽和線を示す。 図3は、変態B/Cの試料のDVSによる検討結果を示す。 図4は、第二試料のDVSによる検討結果を示す。 図5は、PCRによるrDNA含量の分析結果を示す。

Claims (12)

  1. 周囲温度において第一結晶形のリボフラビンが第二結晶形のリボフラビンよりも熱力学的に不安定であることを条件として、
    (a)該第一結晶形のリボフラビンを沈殿させ、
    (b)該第一結晶形のリボフラビンを単離し、
    (c)希釈されたDNAを分解する条件下で該第一結晶形のリボフラビンを該第二結晶形のリボフラビンに変換し、そして
    (d)該第二結晶形のリボフラビンを単離する
    工程を含む、リボフラビンの精製方法。
  2. 工程(b)の後で第一結晶形のリボフラビンを低温殺菌する工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 第一結晶形のリボフラビンが、リボフラビン水和物であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか記載の方法。
  4. リボフラビン水和物が、リボフラビン二水和物であることを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 第二結晶形のリボフラビンが、リボフラビン無水物Iであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載の方法。
  6. 工程(c)において、希釈されたDNAを分解する条件が酸性条件または塩基性条件であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか記載の方法。
  7. 酸性条件が、10-4と10-1moll-1との間の濃度を有する酸によりもたらされることを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 工程(a)において、第一結晶形のリボフラビンの沈殿が種結晶により誘導されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか記載の方法。
  9. 種結晶が、リボフラビン水和物の種結晶を含むことを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. リボフラビン水和物の種結晶が、リボフラビン二水和物の種結晶またはリボフラビン一水和物の種結晶であることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 工程(c)が、60℃と75℃との間の温度で、
    (i)鉱酸、
    (ii)塩基、または
    (iii)有機酸
    を使用して実施されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか記載の方法。
  12. 工程(c)において、第一結晶形のリボフラビンを含むスラリーが、熱交換器を介して連続的にポンプで汲み入れられ、かつジャケットヒーティングと多段撹拌システムまたはスタティックミキサーのいずれかとを備えるチューブを介してさらにポンプで汲み入れられることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか記載の方法。
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