JP2801689B2 - 菌体内セリン分解酵素活性の抑制方法 - Google Patents

菌体内セリン分解酵素活性の抑制方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、セリンヒドロキシメチルトランスフェラー
ゼ活性を有する微生物細胞、もしくは細胞処理物の菌体
を、60℃以下の温度で溶存酸素濃度が1ppm以上存在する
条件下、処理することにより、菌体内に含まれるセリン
ヒドロキシメチルトランスフェラーゼ活性を低下させる
ことなく、セリン分解酵素活性だけを抑制する方法に関
する。
〔従来の技術〕
L−セリンは医薬品、化粧品、化学原料等に利用され
るアミノ酸であり、現在は化学的合成法またはグリシン
を前駆体とする発酵法により製造されている。
しかしながら、化学合成法の場合はDL体が合成される
ためにL体のみを得るには光学分割しなければならない
という欠点があり、又、グリシンを前駆体とする発酵法
には蓄積量、収率、精製、廃水処理等に難点があり、こ
れらの方法は実用上有利な方法とい言い難い。
これらの方法に代わって最近は、セリンヒドロキシメ
チルトランスフェラーゼ(EC 2.1.2.1.以下「SHMT」と
称する)を利用し、グリシンとホルムアルデヒドからL
−セリンを酵素的に合成する方法が注目されている。
更には、遺伝子操作により微生物のSHMT活性を向上さ
せる方法も知られている(Gene,14,P63−72(1981).Ge
ne,27,P47−54(1984))ので、工業的には微生物の生
産するSHMTを利用する方法は、将来一層有利であると期
待されている。
SHMTを利用して酵素法によりグリシンとホルムアルデ
ヒドからL−セリンを工業的に有利に製造する方法とし
ては、SHMT活性を有する微生物または、微生物の細胞
を、グリシン溶液と接触させた後L−セリン反応に使用
する方法が知られている。(特開昭61−9294)しかしな
がら、微生物にはセリン分解酵素活性(以下SD活性と称
する)の存在も知られている。〔例えばL−セリンデヒ
ドラターゼ(Shizuta Y.and Tokushige M.Methods in
enzymology 17B p575〜p580,Academic Press Inc. New
York(1971) Burns.R.O.Methods in enzynology 17B Academic Pre
ss New York(1971) Kubota.k.etal.J.Fermentational Bioenzyic 67
(6)p391〜p394(1989))〕 該SD活性は酵素法L−セリンの製造法において次のよ
うな問題点を生じる。
生成したL−セリンが分解され反応収率(対原料グリ
シン収率)が低下する。
L−セリン分解生成物によりL−セリン生成反応が抑
制されセリン蓄積量が低下する。
このため、SD活性の低下した微生物変異株を用いてL
−セリンを効率よく製造する方法が知られている。〔文
献(Kubota.K.Agric Biol Chem 49 P7〜P12(198
5))〕しかしながら、SD失活変異株を造成することは
容易なことではなく、復元株の出現といった問題があ
り、工業的規模での方法としては問題があった。
また、セリン分解活性の抑制法については、特開昭58
−129972号公報、特開昭58−129975号公報に開示されて
いるが、いずれも菌体を40〜60℃の特定温度条件下、10
〜30分間の短時間処理するもので、処理時間が長くなる
とセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼも失活す
る問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような状況のもとに本発明者らは、SHMT活性を有
すると同時にSD活性も有している微生物の培養液、菌体
もしくは菌体処理物を用いて、グリシンとホルムアルデ
ヒドよりL−セリンを製造するに当たり、その細胞、も
しくは細胞処理物中に存在するSD活性を、SHMT活性の低
下は極力抑えながら、選択的に低下させ、更に長時間熱
処理を受けてもSHMT活性が低下しない方法を確立するこ
とを目的とし、鋭意検討した。
その結果、STMT活性を有すると同時にSD活性も有して
いる微生物の細胞懸濁液もしくは細胞処理物溶液を60℃
以下の温度で溶存酸素が1ppm以上存在する条件で処理す
ると選択的にSD活性を低下させることを見い出し、以上
の処理を施した該微生物の細胞もしくは細胞処理物を用
い、グリシンとホルムアルデヒドよりL−セリンを効率
よく製造する方法を完成した。
即ち、本発明は酵素セリンヒドロキシメチルトランス
フェラーゼ活性を有する、微生物の細胞もしくは細胞処
理物の菌体を60℃以下の温度で溶存酸素濃度が1ppm以上
に保たれるように懸濁液または細胞処理溶液に酸素又は
空気を溶解し、処理する事を特徴とするSD活性の抑制方
法である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明において用いられる微生物は、SHMT活性を有す
るものであればよく、このような微生物の例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)MT−10350(F
ERM BP−793)、エシェリヒア・コリMT−10351(FERM B
P−794)をあげることができる。
本発明において用いられる微生物の培養に当たって
は、使用菌株の利用しうる炭素源、窒素源、無機塩類、
有機栄養物などを含有するものであれば合成培地、天然
培地のいずれも使用できる。培養は好気的条件、培養温
度25〜40℃、培養液のpH6〜8で行われる。
本発明に於いては、このようにして得られた培養液は
そのまま遠心分離、濾過等により集菌した細胞又は細胞
処理物を酵素源として用いる。細胞処理物としては、細
胞を機械的破壊、超音波処理、凍結融解処理、乾燥処
理、溶媒処理、化学的処理、浸透圧処理、自己消化、界
面活性剤処理、酵素処理等により細胞壁の一部もしくは
前部を破砕したもの、これらより得られる酵素画分、細
胞及び細胞抽出物の固定化物などがある。
培養液から細胞を集菌する場合、培養液中の炭素源、
たとえばグルコース等が消費された培養液から集菌され
るのが好ましい。
本発明においては、本発明に用いる細胞又は細胞処理
物を60℃以下、好ましくは30〜50℃に保ちつつ、酸素ま
たは空気を通気、あるいは撹拌により、処理液中の溶存
酸素濃度を常に1ppm以上となるように溶解、保持するこ
とにより、細胞内又は、細胞処理物中に存在するSD活性
のみを選択的に低下させることが出来る。
処理温度は30℃未満ではSD活性の低下を効率よく実施
できないことがある。又、60℃を越せばSD活性と共にSH
MT活性も低下するので好ましくない。
処理液中の溶存酸素量は溶媒、溶質によって変化する
が常に処理液中に1ppm以上の溶存酸素があれば十分であ
る。処理液のpHは6〜9、処理時間は2〜10時間、好ま
しくは4〜8時間である。
SD活性失活処理において発泡防止のため通常使用され
る消泡剤を添加してもよい。処理液中にグリシンを添加
して処理することは更に好ましい態様である。以上の前
処理を施したSHMT活性を有する細胞又は、細胞処理物を
用いてL−セリンの合成を実施することが出来る。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば菌体内に含まれるSHMT酵素活性
を低下させることなく、SD活性のみを低下させ得るの
で、L−セリンの工業的製造に大いに貢献し得る。
〔実施例〕
以下、実施例及び参考実験例により本発明を詳細に説
明する。
勿論、実施例は本発明を具体的に例証するものであ
り、本発明がこの実施例の範囲に限定されるものではな
い。
実施例1 エシェリヒア・コリMT−10350(FERM BP−793)の菌
体を後述のLB−AP寒天平板培地に植菌し、35℃にて一夜
培養を行ない、生育したコロニーから2白金耳を150ml
のLB−AP液体培地の入った綿栓付き500ml坂口フラスコ
に接種した。接種した坂口フラスコは35℃にて20時間振
盪培養(120rpm)を行ない、所定時間培養後、PT最小培
地を20仕込んだ30ジャーファーメンターに移液して
35℃、通気量1vvm、撹拌回転数600rpmにてpH6.8にpHコ
ントローラーによりアンモニア水の添加により制御を行
いつつ、殺菌済み40%グルコース水溶液を遂時添加しな
がら40時間培養を行った。所定時間培養後、培地中のグ
ルコースが消費されるのを確認して、直ちに遠心分離機
にて集菌を行い、湿菌体を得た。得られた集菌湿菌体0.
46kgを1.43kgの水及び0.41kgのグリシン溶液中に加え
た。pHをNaOHにて調製し、7.5に合わせ、おだやかに撹
拌しながら40℃に16時間保った。
所定時間反応後SD活性を測定し、次いで消泡剤(アデ
カノール LG−109旭電化製)を0.1%濃度に添加し、表
−1に示す各溶存酸素濃度に保たれるように通気量を調
製し、通気後、2時間,4時間目の残存SD活性及びSHMT活
性を測定した。
培地組成 1. LB−AP 寒天平板培地 Bacto トリプトン(Difco社製) 10.0g Bacto 酵母エキス(Difco社製) 5.0g NaCl 10.0g 蒸留水 1000ml pH=7.5にNaOHにて調整 pH調整後、寒天15gを加えてオートクレーブ殺菌(120
℃,10分間)し60℃以下に冷却後、アンピシリンを濃度2
0μg/になるように無菌フィルターを通して添加。シ
ャーレに分注し固化させ寒天平板を作製した。
2. LB−AP 液体培地 Bacto トリプトン(Difco社製) 10.0g Bacto 酵母エキス(Difco社製) 5.0g NaCl 10.0g 蒸留水 1000ml pH=7.5にNaOHにて調整 pH調整後、オートクレーブ殺菌(120℃,10分間)し、
60℃以下に冷却後、アンピシリンを濃度25μg/になる
ように無菌フィルターを通して添加した。
3. PT 最少培地 リン酸1カリウム 2.0g リン酸2カリウム 2.0g MgSO4・7H2O 2.0g (NH42SO4 1.5g LPフェニルアラニン 2.5g CaCl・2H2O 80mg CuCl2・2H2O 8mg CoCl2・6H2O 8mg AlCl2・6H2O 20mg H3BO3 1mg MnSO4・5H2O 20mg ZnSO4・7H2O 4mg Na2MoO4・2H2O 4mg FeSO4・7H2O 80mg 蒸留水 1000ml を混合し、120℃で30分間殺菌後、0.2μmの無菌フィル
ターにて無菌濾過した塩酸チアミン水溶液をチアミン濃
度が50mg/となるように添加した。
SD活性及びSHMT活性の測定方法 1. SD活性測定方法 2.2mlのエッペンドルフチューブ中へ、0.1mlの500mM
リン酸緩衝液(pH7.5)と0.6mlの33mM L−セリン水溶液
と0.1mlの0.1mMピリドキサルリン酸(50mMリン酸緩衝液
(pH7.5))と0.1mlの蒸留水を加え、30℃で5分間プレ
インキュベーションを行った。次に、その溶液へ、0.4m
lの菌体処理液を加え撹拌した後、30℃で2時間反応し
た。所定時間終了後、0.2mlのトリクロロ酢酸(15%水
溶液)を加えて反応を停止した。反応液は遠心分離を行
い、上清液を10倍に希釈し、液体クロマトグラフィー
(以下、HPLCと略する)にてL−セリンの分析を行っ
た。対照として、プレインキュベーションした後、反応
液にトリクロロ酢酸を加え、次に、菌体処理液を加え
た。所定時間30℃で反応を行い、上記と同様に遠心分離
を行い上清液中のL−セリン濃度を分析しこれを標準と
した。HPLCでのL−セリンの分析条件は、下記の通りで
ある。
HPLC分析条件(L−セリン、グリシンの定量)ポスト
ラベル法にて分析を行った。すなわち、移動相は脱気水
を用い、流速を1.0ml/minに設定した。
発色剤は、o−フタルアルデヒド溶液を流速0.4ml/mi
nで通液した。検出器は蛍光検出器を用いて、照射波長3
65nm、放射波長455nmにて行った。分離カラムは、shode
x DM−614(昭和電工製)を2本直列につないで使用し
た。
2. SHMT活性測定方法 2.2mlのエッペンドルフチューブ中へ、0.1mlの500mM
リン酸Buffer(pH=7.3)と0.5mlの1.0Mグリシン水溶液
と0.3mlの0.45%テトラヒドロ葉酸溶液〔0.08%ホルマ
リンを含む500mMリン酸緩衝液(pH=7.3)〕と0.2mlの
蒸留水を加え、50℃で5分間プレインキュベーションを
行った。
次に、その溶液へ0.1mlの菌体処理液(50mMリン酸緩
衝液にて50倍に希釈処理液)を加え撹拌した後、50℃で
10分間反応した。所定時間終了後、0.3mlのトリクロロ
酢酸(15%水溶液)を加えて反応を停止した。反応液は
遠心分離を行い、上清液を5倍に希釈し、HPLCにてL−
セリンの分析を行った。HPLCでのL−セリンの分析条件
は、上記の通りである。
実施例2 エシェリヒア・コリMT−10350の菌体を、実施例1と
同様の操作で培養を行い、培養液から遠心分離し湿菌体
を得た。得られた湿菌体を培養液の1/3量の0.85%NaCl
水溶液で洗浄後、再度遠心により集菌した洗浄菌体を得
た。88.8gの洗浄湿菌体を5℃に冷却した0.1Mトリス・
塩酸緩衝液(pH7.5)を加え800gとした。該懸濁液を2
分割し、一方の懸濁液は超音波破砕機(BRANSON社製)
にて、氷上で破砕処理を行い、破砕液を更に2分割し、
各々の破砕液を溶存酸素濃度計(東亜電波製)、通気ノ
ズル、撹拌装置及び温度調節装置を有する容器に注入
し、消泡のためアデカノールLG−109(旭電化製)を0.0
05%になるように添加し、40℃にて、表−2に示す溶存
酸素濃度になるように通気量を調整し、開始時のSHMT活
性およびSD活性を測定した。
また、通気後4時間目の各々の活性を測定し、残存率
を表−2に示す。該懸濁液の残りは超音波処理を行なわ
ず、更に、これを2分割し、溶存酸素濃度計(東亜電波
製)、通気ノズル、撹拌装置及び温度調節装置を有する
容器に注入し、消泡のためアデカノール LG−109(旭
電化製)を0.05%になるように添加し、40℃にて、表−
2に示す溶存酸素濃度になるように通気量を調整し処理
を行った。処理4時間後、懸濁液に等量の0.1Mトリス・
塩酸緩衝液(pH=7.5)を加え、超音波破砕機(BRANSON
社製)にて氷上で破砕処理を行い、破砕液のSHMT活性お
よびSD活性を測定した。
実施例3 エシェリヒア・コリMT−10350の菌体を、実験例1と
同様の操作で培養を行い、培養液から遠心分離し湿菌体
を得た。得られた湿菌体を培養液の1/3量の0.85%NaCl
水溶液で洗浄後、再度遠心分離により集菌し洗浄菌体を
得た。100gの洗浄湿菌体を5℃に冷却した0.1Mトリス・
塩酸緩衝液(pH=7.5)を加え1000gとした。該懸濁液を
5分割し各々の懸濁液を溶存酸素濃度計、通気ノズル、
撹拌装置及び温度調節装置を有する容器に注入し、消泡
のためアデカノール LG−109(旭電化製)を0.05%に
なるように添加し、表−3に示す溶存酸素濃度になるよ
うに通気量又は撹拌を調整し、20〜60℃の温度条件下で
4時間撹拌処理を行った。
処理前及び4時間処理後の各々のSHMT活性及びSD活性
を測定し、残存率を表−3に示す。
参考実験例1 実施例1に示した方法でエシェリヒア・コリMT−1035
0の菌体を培養した菌体を、遠心分離により集菌した。
得られた菌体40gは、溶存酸素濃度計、pH計、撹拌機、
スーパージャー付通気ノズルおよび温度調整機の付いた
1フラスコに125gの蒸留水に36gグリシンを溶解し、p
Hを7.5に調整した溶液中へ加えた。40℃で16時間無通気
のまま緩やかに撹拌を行ない、次に、溶存酸素濃度が1p
pm以上に保たれるように、40℃で4時間通気を行った。
このようにして得られた通気処理液200gはホルマリン
フィード用ポンプおよびpH計、撹拌機、温度調節機の付
いた2反応器に、前もって調整した700gの蒸留水に34
0gのグリシン、1.0gのテトラヒドロ葉酸及び20mgのピリ
ドキサルリン酸を混合した反応溶液に加えた。
通気処理液を加えた後、反応溶液を50℃に加温して、
pHを6.7にNaOHで調整した。次に、反応液中のホルマリ
ン濃度を分析しながら、反応液中のホルマリン濃度を次
式を満たす許容範囲;{(ホルマリン濃度mM)=(20m
M)+(10mM)*(反応経過時間)}以下になるように
制御して反応を行った。
一方、反応液のpHを1N−NaOHの添加にてpH6.6に保っ
た。反応は35時間行った。所定時間反応後反応液中のL
−セリン及びグリシン濃度をHPLCにて分析を行い、425g
のL−セリンの生成を認めた。
反応終了後、反応液に硫酸を加えpHを4.0とし、活性
炭21.3g(PMSX 三井製薬製)を加え90℃にて1時間加
熱後、熱濾過を行い、濾液を反応液の半分量まで減圧濃
縮し、冷却晶析後、濾過した。
濾別した結晶を乾燥後、127.5gのL−セリンを得た。
L−セリンは純度99.4%、旋光度+15.2であった。
エシエリヒア・コリ(MT−10351)も同様の操作を行
い表−4の結果を得た。
参考実験例2 エシェリヒア・コリMT−10350を実施例1と同様に培
養集菌後、湿菌体を蒸留水に菌体濃度が2.5%(乾燥菌
体の重量%)になるように懸濁し、pHを7.5にNaOHにて
調整後、40℃にて、溶存酸素濃度を1〜4ppmに保ち、4
時間、通気撹拌を行なった。次に、超音波破砕機にて菌
体を破砕処理し、処理後のSHMT活性を測定した結果、SH
MT活性は200U/mlであった。375gのグリシン、1.00gのテ
トラヒドロ葉酸及び20mgのピリドキサルリン酸を700gの
蒸留水に加えpHを6.7にNaOHで調整し、50℃に加温した
基質溶液を、pH計、撹拌機、N2ガス吹き込みノズル、ホ
ルマリンフィード用ポンプおよび温度調整機のついた遮
光2フラスコに入れた。
更に、菌体破砕通気処理液250g加えた後、ホルマリン
フィード用ポンプにより、ホルマリン水溶液を断続的に
添加した。ホルマリンの添加速度は反応液中のホルマリ
ン濃度を分析しながら該ホルマリン濃度を実施例1と同
様に制御して行った。
また、反応液のpHを2N−NaOH水溶液の添加にて行い、
pH6.6に保った。反応は35時間行い、所定時間反応後、
反応液中のL−セリン濃度およびグリシン濃度の分析を
HPLCにて行った。410.0gのL−セリンの生成を認め、表
−5に示す反応成績を得た。
エシェリヒア・コリMT−10351も同様の操作を行い表
−5の結果を得た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素セリンヒドロキシメチルトランスフェ
    ラーゼ活性を有する、微生物の細胞もしくは、細胞処理
    物の菌体を、60℃以下の温度で溶存酸素濃度が1ppm以上
    存在する条件下、処理することを特徴とする、菌体内セ
    リン分解酵素活性の抑制方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58129972A (ja) * 1982-01-28 1983-08-03 Mitsui Toatsu Chem Inc 菌体内セリン分解酵素活性の抑制法
JPS58129975A (ja) * 1982-01-28 1983-08-03 Mitsui Toatsu Chem Inc 菌体内セリン分解酵素活性の抑制方法
JPH01269497A (ja) * 1988-04-22 1989-10-26 Nippon Zeon Co Ltd L−セリンの製造方法、およびそれに用いる粗酵素

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