JP2004323383A - α−ヒドロキシカルボン酸の精製法 - Google Patents

α−ヒドロキシカルボン酸の精製法 Download PDF

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望 渋谷
Hideyuki Inaba
秀之 稲葉
Toshihiko Fukuda
俊彦 福田
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Abstract

【課題】α−ヒドロキシ酸の簡便な方法で副生物が除去できる精製方法を提供する
【解決手段】一定速度(5 〜30℃/hr)で冷却を実施し結晶化することにより、高純度のα−ヒドロキシ酸を精製する。とりわけ、α―ヒドロキシ酸がマンデル酸であり、不純物としてフェニルグリシンが含まれる場合、前記一定速度での冷却により、高純度のマンデル酸を得ることができる。また精製の対象となるα−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液が、酵素法により製造されたものである場合に好適に使用される方法である。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学合成法、又は酵素法により製造されたα−ヒドロキシカルボン酸の精製法関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボン酸類は、医薬中間原料、液晶原料、その他合成原料として有用である。特に、α−ヒドロキシカルボン酸の光学活性体は、医薬品骨格の中間体としてだけでなく、光学分割剤として非常に有効である。
【0003】
よって、上記の用途でα−ヒドロキシカルボン酸を使用する際には、高純度でることが求められ、そのためには高純度の精製技術が必要とされる。
【0004】
高純度化合物を得る目的でα−ヒドロキシニトリルを、微生物触媒を使用して加水分解を実施し、α−ヒドロキシ酸を得る方法が提案されている。
【0005】
しかし、上記反応は、キラル合成の点で有用なものの、その反応終了液には、副生成物として、α−ヒドロキシアミド、アミノ酸、無機アンモニム塩等が共存する。
【0006】
そのような副生物を除去する方法として、一般的に分別蒸留、分別昇華、帯溶解、分別沈殿、分別抽出、分別結晶、塩析、電解、各種クロマトグラフィーによる分離、膜現象を利用する分離法等、多種類の方法論が確立されており、除去物の性質等を考慮して適宜選択される。
【0007】
例えば、α−ヒドロキシ酸の精製では、抽出法が採用されている。また、無機アンモニム塩は電気透析によりアンモニアを回収する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の抽出分離は抽出用の大型釜設備、液分離設備および有機溶媒の廃液処理設備が必要となり経済的な精製方法とは言い難い。また、抽出平衡に達するまでの待機時間、上相と下相との界面の発見等、容易に装置運転できるものではない。
【0009】
さらには、副生物が複数種の場合、同時に複数の副生物を除去することは困難である。抽出の際に使用した有機溶媒が結晶中に残存する。そのため、続く加熱乾燥処理工程において、カルボン酸のエステル化反応等が起こり、新たな不純物が含有される危険性がある。さらに光学活性α−ヒドロキシ酸の場合はラセミ化が起こり不純物を含有する結果となる。
【0010】
本発明は、これら問題点を解決した、簡便な方法で副生物が除去できる精製方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ある一定速度で冷却を実施し結晶化することにより、高純度のα−ヒドロキシ酸を精製する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液を、一定の冷却速度で冷却することを含む、α−ヒドロキシカルボン酸の精製方法、である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液を、一定の冷却速度で冷却することを特徴とするα−ヒドロキシカルボン酸の精製方法、である。
【0014】
本発明で使用されるα−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液とは、いずれの方法で調製されたものでも良い。例えば、α―ヒドロキシニトリルからα―ヒドロキシカルボン酸に変換する能力を有する酵素により製造されたものが挙げられる。
【0015】
前記酵素としては、ニトリラーゼ並びにニトリルヒドラターゼ及びアミダーゼが好適に使用される。
【0016】
そのような酵素は主に微生物により産生される。微生物としては、カゼオバクター属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、ノカルジア属、ロドコッカス属、アースロバクター属、ゴルドナ属、バチルス属、バクテリジウム属、ミクロコッカス属、アシネトバクター属等に属する公知のニトリラーゼ産生微生物の他、遺伝子操作により得られるニトリラーゼ産生能を有する微生物を例示することができる。
【0017】
上記の微生物を適当な方法で培養し、その培養物をそのまま、又は適当な処理を施し、触媒として使用する、適当な処理とは、例えば微生物菌体を包括固定する、微生物菌体から酵素を抽出する、等の処理をいう。
【0018】
上記のごとく調製された触媒は、α―ヒドロキシニトリルを含む水性媒体中に添加することにより使用される。
【0019】
酵素反応終了後、反応終了液には、目的とするα−ヒドロキシカルボン酸の他、α―ヒドロキシカルボン酸アミド、アミノ酸、無機アンモニウム塩等が存在する。
【0020】
上記不純物は以下の操作により分別され、高純度α−ヒドロキシカルボン酸を取得することができる。
【0021】
次にα−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液を、一定の冷却速度で冷却する。
【0022】
ここで、一定速度の冷却とは、5℃/hr〜30℃/hrの速度で冷却することをいう。結晶析出開始までは10℃/hr〜30℃/hrで行い、結晶析出後は、5℃〜20℃で行うことが好ましい。さらには、結晶析出開始までは20℃〜30℃で冷却し、結晶析出後は、5℃〜10℃で行うことが好ましい。
【0023】
冷却の手段としては、冷却溶媒を用いた冷却機を用いた冷却法が挙げられる。好ましくは、冷却溶媒が0℃〜−10℃で冷却能力が高い装置が良い。
【0024】
冷却とともに結晶が析出する。析出温度はα―ヒドロキシ酸の溶解度により異なることは周知であり、冷却の最低温度は適宜選択される。
【0025】
次いで結晶化の後、結晶を採取する。採取方法としては、ろ過装置で結晶をろ過採取する方法が挙げられる。好ましくは、遠心ろ過装置により、分離液を十分に分離し、リンス水等の添加を行わない採取が収率の低減を防ぐためには好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の一態様を実施例にて示す。
【0027】
<実施例1>
重量比で、0.12%のフェニルグリシンが含有しているR−マンデル酸結晶を水に溶解し、35質量%濃度のR−マンデル酸水溶液を1L、準備した。これを、結晶析出までは、冷却速度20℃/hr、析出後は5℃/hrで冷却を維持した。
【0028】
結晶は48℃付近から析出し始め、冷却は15℃で中止した。以上の工程で7時間を要した。直ちに遠心ろ過装置により析出した結晶を回収した。結果、285gのマンデル酸結晶を得た。
【0029】
次に得られた結晶中のフェニルグリシンの含有量を測定した。1gのマンデル酸を水に溶解し、それをHPLC分析に供した。
【0030】
分析条件はいかに示すとおりである。
【0031】
〔分析方法〕
カラム :TSK Octyl−80Ts 内径4.6mm カラム長15cm(東ソー社製)
溶離液 :15%ATN水 50mMリン酸
検出 : UV吸収 254nm
結果、マンデル酸に対して、重量比で含有フェニルグリシンは0.05%まで削減できた。
【0032】
<比較例1>
冷却速度を1℃/hrとした以外は、実施例1と同様に操作を行った。
【0033】
結果、得られたマンデル酸結晶は、重量比で0.1%フェニルグリシンを含有し、水溶液からの再結晶操作により、マンデル酸結晶中の含有フェニルグリシン量を低減できなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、簡便で経済的な方法で高純度のα―ヒドロキシ酸を取得することができる。

Claims (5)

  1. α−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液を、一定の冷却速度で冷却することを含む、α−ヒドロキシカルボン酸の精製方法。
  2. 一定の冷却速度が、5 〜30℃/hrである請求項1記載の精製方法。
  3. α−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液が酵素法により製造されたものである請求項1又は2記載の精製方法。
  4. α−ヒドロキシカルボン酸がマンデル酸である請求項1〜3のいずれかに記載の精製方法。
  5. α−ヒドロキシカルボン酸を含む溶液にフェニルグリシンが含まれている請求項4記載の精製方法。
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