JPH08256786A - リボフラビンの精製方法 - Google Patents

リボフラビンの精製方法

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JPH08256786A
JPH08256786A JP4572696A JP4572696A JPH08256786A JP H08256786 A JPH08256786 A JP H08256786A JP 4572696 A JP4572696 A JP 4572696A JP 4572696 A JP4572696 A JP 4572696A JP H08256786 A JPH08256786 A JP H08256786A
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riboflavin
fermentation
minutes
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water
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JP4572696A
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Inventor
Ernst Kupfer
エルンスト・クップファー
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F Hoffmann La Roche AG
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F Hoffmann La Roche AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発酵法により生産された、つまり発酵を十分
な程度行った、好ましくは発酵を完了させた後に、発酵
ブロス中に存在するリボフラビンを回収及び精製する方
法であって、少なくともその後の使用目的に適した許容
しうる品質のリボフラビン生成物を得る方法を提供す
る。 【解決手段】 発酵後ブロスからリボフラビンを回収及
び精製する方法であって、(i)該発酵後ブロスを、約
45℃〜約120℃の温度で、約10分間〜約2時間に
わたって殺菌のために加熱し、(ii)殺菌したブロスを
1回以上遠心分離して、主にリボフラビンからなる生成
物を得、(iii)前工程の生成物を、水性鉱酸により、約
80℃〜約130℃の温度で、約30分〜約24時間に
わたって処理し、そして(iv)前工程の水性酸性媒質か
ら、ろ過によりリボフラビンを集め、水洗する必須工程
からなり、そして場合により、(v)前工程で集めた洗
浄後の生成物を乾燥して、十分な純度のリボフラビンを
得る工程も含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発酵により得られ
るリボフラビンを回収及び精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】知られているように、リボフラビン(ビ
タミンB2)は、有用な健康維持効果、医薬品としての効
果(例えば、脚気に対する)及び成長促進効果を有する
ため、食品及び飼料の添加物として広く使用されてい
る。リボフラビンは、食品の黄色着色料としても有用で
ある。更にまた、リボフラビンは、合成及び各種発酵法
により生産可能であることが知られており、なかでも微
生物であるBacillus subtilisAshbya gossypii 又は
Eremothecium ashbyiiを、適当な栄養培地中で培養する
ことによって生産することができる。得られるリボフラ
ビンは、用いる単離/回収及び精製の工程などの生産法
に応じて、ある種の品質に関する要件、例えば、動物用
飼料における使用向けではあるが、そのほか、特に人間
用の食料向けではないなどの要件を満たすことができ
る。しかし、従来、合成後又は発酵後の単離/回収及び
精製の工程について、鋭意検討されてきたにもかかわら
ず、目的とする用途について望まれる品質が、容易には
得られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発酵
法により生産された、つまり発酵を十分な程度行った、
好ましくは発酵を完了させた後に、いわゆる発酵ブロス
中に存在するリボフラビンを回収及び精製する方法であ
って(該ブロスを、以降、「発酵後ブロスと記載す
る」)、少なくとも以降の使用目的に適した許容しうる
品質のリボフラビン生成物を得る方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、発酵後ブロス
からリボフラビンを回収及び精製する方法であって、
(i)該発酵後ブロスを、約45℃〜約120℃の温度
で、約10分間〜約2時間にわたって殺菌のために加熱
し、(ii)殺菌したブロスを1回以上遠心分離して、主
にリボフラビンからなる生成物を得、(iii)前工程の生
成物を、水性鉱酸により、約80℃〜約130℃の温度
で、約30分〜約24時間にわたって処理し、そして
(iv)前工程の水性酸性媒質から、ろ過によりリボフラ
ビンを集め、水洗する必須工程からなり、そして場合に
より、(v)前工程で集めた洗浄後の生成物を乾燥し
て、十分な純度のリボフラビンを得る工程も含む方法を
提供するものである。
【0005】この方法で回収及び精製されるリボフラビ
ンは、一般的に、少なくとも96%の純度を有するの
で、適当な添加剤の配合及び噴霧乾燥などの処理を行え
ば、動物用飼料への適用には非常に適している。
【0006】本発明は、発酵後ブロスから回収され、場
合により、水性鉱酸による処理、ろ過及び水洗によりあ
る程度は既に精製されたリボフラビンを更に精製する方
法であって、(vi)濃塩酸及び水から該リボフラビンを
結晶化し、(vii)前工程の酸性媒質から、ろ過により固
形分のリボフラビンを集め、水洗し、そして(viii)前
工程で集めた洗浄生成物を乾燥して、高純度のリボフラ
ビンを得る必須工程からなる方法もまた提供するもので
ある。
【0007】この方法、つまり上記の(vi)、(vii)及
び(viii)の工程を含む方法での更なる精製のための出
発物質であるリボフラビンは、好ましくは、(i)、
(ii)、(iii)及び(iv)並びに場合により(v)の工
程を含む上述の方法により回収及び精製されたものであ
る。しかし、(i)及び(ii)の工程のみを行った後に
得られたリボフラビンであってもよい。生成物は、高純
度、つまり一般的には、少なくとも98%の純度を有す
るため、ヒトにおける使用、特に食品及び医薬品への使
用に非常に適している。
【0008】本発明の方法により回収及び精製されるリ
ボフラビンを生産するための発酵自体は、それ自体、適
切ないかなる方法によっても行うことができる。公知の
発酵法は、Bacillus subtilis (以降、B. subtilis
称する)、Ashbya gossypiiEremothecium ashbyiiC
andida flaveriClostridium acetobutylicumSacch
aromyces cerevisiaeBrevibacterium ammoniagenes
及びTorulopsis xylinusなどのリボフラビン産生微生物
を、適当な栄養培地中、通常は好気性条件下で培養する
ことからなる。リボフラビンを生産するために実際に使
用する発酵法は、本発明にとっては重要ではない。しか
し、本発明の方法のための予備的条件が関連する限りで
は、発酵によりリボフラビンを生産するには、B. subti
lis が、好ましい培養微生物である。発酵方法がどのよ
うなものであろうとも、発酵が、十分な程度行われたこ
と、好ましくは、発酵が完了したことを確認するための
技術もまた良く知られており、その方法としては、HP
LCが挙げられる。
【0009】本発明の方法の出発点は、前述の発酵後ブ
ロスである。該ブロスを、(i)の工程に従い、約45
℃〜約120℃の範囲の温度で、約10分間〜約2時間
加熱する。一般的には、この方法で「殺菌」を行うに
は、約120℃までは、温度が高いほど、約10分間と
短かい時間しか必要とされない。これらの条件下で加熱
又は殺菌を行う効果は、その前の発酵後残留している微
生物を非活性化して、ブロスが不適当に自己分解するの
を予防し、長期間にわたって相対的に低粘度のブロスを
保持又は作成し、その結果、以降の遠心分離〔(ii)の
工程〕を容易かつ効率的に行うことができるというもの
である。約50℃〜約70℃の狭い温度範囲で加熱する
のが好ましく、その加熱の間、発酵後ブロスを撹拌する
のが好都合である。加熱期間を、約45分以下に限定す
るのも好ましい。発酵後ブロスのpH値は、加熱を行う
(i)の工程の前には、調節する必要はないが、所望で
あれば、適当な量の鉱酸、好ましくは濃塩酸又は硫酸を
加えることによって、pH値を約5〜約7の範囲に調節
してもよい。このような酸性化は、加熱と同様の目的に
有用であり、実際、加熱を行う(i)の工程に替えるこ
とさえできる。
【0010】次の(ii)の工程は、殺菌した発酵後ブロ
スを1回以上遠心分離することからなる。場合により、
室温で一時的に保存することも含む、ブロスを遠心分離
装置に移動する通常工程においては、ブロスは、かな
り、特に約40℃〜約20℃の範囲の温度に冷却するか
もしれない。しかし、このような冷却は必須ではなく、
このような冷却を行うために、特別な手段を講じる必要
はない。しかし、ブロスは、(第1回目の)遠心分離の
直前に、上記の温度範囲内にあるのが好ましい。このブ
ロスは、その前の発酵に由来する栄養分、塩などを溶解
して含む水性媒質に、固形分のリボフラビン及びバイオ
マスが懸濁した懸濁液の形である。
【0011】遠心分離自体は、より軽いバイオマスか
ら、より高密度のリボフラビンを分離するために行い、
遠心分離を繰り返す間に分離する高密度の層を、好都合
には脱イオン水に懸濁させて、更に遠心分離を行う。こ
のような遠心分離を行うごとに分離される高密度の層
は、その前の遠心分離により得られたそれよりもリボフ
ラビンを多く含む。2回以上の遠心分離を行う場合、遠
心分離により分離される(又は放出される)固形分(リ
ボフラビン)の層に、更に遠心分離を行うために加える
脱イオン水の量は、適当には、該分離又は放出された固
形分層の重量の約2〜6倍である。上述したように、遠
心分離されるリボフラビン、バイオマス及び水性媒質の
混合物の温度は、決定的なものではなく、約15℃〜約
80℃の範囲内であることができるが、実際的には、一
回のみの遠心分離又は数回のうちの最初の遠心分離の間
では、通常では約20℃〜約40℃の範囲内である。以
降行う遠心分離の際は、遠心分離される混合物の温度
は、好ましくは室温である。遠心分離に用いる相対的遠
心力(RCF)については、遠心分離又は最初の遠心分
離は、好ましくは、約2,500xg〜約3,000xg、
より好ましくは約2,600xg〜約2,800xgの範囲
内のRCFで行う。それ以降の遠心分離は、好ましくは
約600xg〜約750xgの範囲内のRCFで行う。適当
な遠心分離装置、特にFlottweg Z1Ld 及びFlottweg Z18
-3などのいわゆる遠心分離デカンタは市販されており、
本目的には好適であり、このような装置においては、パ
ラメーター、例えばボール及びスクロールの間の速度
差、ウエアー直径、及び供給又は液体放出の流入速度
は、最適の結果を得るために、相互に関連させて変化さ
せることができる。分離後、十分な純度のリボフラビン
材料を、以降の処理工程において更に精製することを目
的とする条件に付すには、2〜4回の遠心分離、特に3
回の遠心分離が、十分であることが認められている。
【0012】上述の(i)及び(ii)の工程の終了時に
分離されるリボフラビン材料の純度は、例えば、3回の
遠心分離後で、一般的に約90%の範囲である。
【0013】本発明による方法の(iii)の工程は、その
前の遠心分離により分離されるリボフラビンを、上述の
温度及び時間条件で、水性鉱酸と共に加熱することを含
むが、(i)の工程の場合におけるように、実際の加熱
方法は、重要ではない。しかし、該加熱は、過熱蒸気を
用い、約6〜約10bar の範囲の圧力下で行うのが、好
都合である。更に、約130℃まででは、加熱温度が高
いほど、加熱時間は、約30分ほどと短くて済む。好ま
しいとされる加熱温度範囲と加熱時間との組み合わせ
が、いろいろに確立されており、約90℃〜約130℃
で約30分〜約6時間、詳細には、約100℃〜約12
5℃で約1〜3時間;そして約80℃〜約100℃で約
8〜約16時間加熱するなどの組み合わせがある。原則
として、この処理工程においては、いかなる鉱酸、例え
ば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、及びこれらの酸の
混合物を使用することができるが、好ましくは塩酸を使
用する。水性鉱酸中の酸(例えばHCl)の濃度は、好
都合には、約0.1〜約2wt%であり、水性鉱酸中のリ
ボフラビン濃度は、好都合には、約3〜約10wt%であ
る。リボフラビンを鉱酸と接触させるための実際の方法
は、好都合には、リボフラビンを水に懸濁させ、次に濃
酸を加えるか、又はリボフラビンを、それほど高濃度で
はない酸に懸濁させて、懸濁液に水を加えることからな
る。用いる水は、好ましくは、脱イオン化したものであ
る。次に、懸濁液を、好都合には撹拌しながら、加熱す
る。
【0014】上述の(iii)の工程の目的は、望ましくな
い不純物として存在するバイオマスを加水分解し、それ
によってバイオマスを、水性鉱酸に可溶な形に変換する
ことである。それと共に、存在するいかなるDNAをも
分解(加水分解)し、タンパク質及び多糖などの高分子
不純物を分解し、そして可溶な形に変換する。リボフラ
ビンは、この工程の終了時には、ほとんど溶けない形の
ままである。
【0015】次の(iv)の工程では、前の酸処理の工程
の実施によりバイオマス及びその他の不純物がほとんど
除去されたリボフラビンを、ろ過により水性の酸性媒質
から分離し、水洗する。ろ過は、媒質と共に、室温で、
又は約125℃、もしくは約130℃にまで温度を上げ
て行うことができる。前の酸処理の工程の終了後、直
接、つまりこの2工程の間でいかなる(有意な)冷却を
行うこともなく、(iv)のろ過の工程を行うのが、好都
合であり、事実、これが、本発明の好ましい特性を示
す。ろ過は、前の酸処理の工程を、同じ温度で行ったか
どうかとは関係なく、好ましくは、約70℃〜約90℃
の温度範囲で行う。ろ過は、ろ過の手段(これは、本発
明にとっては、重要ではない)及びその他の因子の特性
に応じて、約3〜4時間行う。リボフラビンをこのよう
にして集めた後、水、好ましくは脱イオン水により、ろ
過装置上で、又は水、好ましくは脱イオン水に懸濁さ
せ、再びろ過することのいずれかによって、最適には繰
り返して洗浄する。いかなる場合においても、洗浄水自
体は、室温又は約80℃までのより高い温度のものであ
る。
【0016】リボフラビンを、動物用飼料への配合又は
その添加剤として使用する予定である場合は、一般的に
は、最適な(v)の乾燥の工程を実施する。このような
乾燥は、好都合には、約70℃〜約90℃の範囲、好ま
しくは約80℃の温度で、減圧下、好ましくは約60〜
約30mmHgの圧力下で行う。上述したように、この段階
では、リボフラビンの純度は、一般的には、少なくとも
96%である。しかし、特にヒトへの使用を予定してい
る場合などで、リボフラビンを更に精製するのであれ
ば、上述の以降の(vi)、(vii)及び(viii)の3工程
のために、(v)の乾燥工程を省略してもよい。
【0017】(vi)の処理工程は、更に精製すべきリボ
フラビンを、濃塩酸及び水から結晶化することを含み、
好都合には、リボフラビンを、最少量又は少なくとも最
少ではない程度の量の濃塩酸に、選択した特定の温度で
溶解し、次にリボフラビンの濃塩酸溶液を、水、好まし
くは脱イオン水と接触させることによって、リボフラビ
ンの沈殿、より詳細にはリボフラビンの結晶化を促進す
ることによって行う。該接触は、好都合には、溶液を、
例えば、水に注ぐなどのように加えることによって行
う。リボフラビンの塩酸への溶解は、室温又は例えば約
80℃までの室温以上の温度、しかし好ましくは室温で
行う。塩酸の濃度は、好ましくは約25%〜約35%で
ある。所望であれば、吸収木炭及び/又は、例えばセル
ロースもしくはけいそう土などのろ過助剤などの物質
を、溶液に加え、これを、ろ過してから、水と接触させ
る。リボフラビン塩酸溶液の水に対する体積比は、好都
合には、約1:5〜約1:15、好ましくは約1:7〜
約1:12の範囲内である。沈殿/結晶化は、適当には
約20℃〜約95℃、好ましくは約80℃の温度で行わ
せる。
【0018】次に、前の工程で得られた水性酸性媒質中
のリボフラビン懸濁液をろ過し、このようにして集めた
リボフラビンを、(vii)の工程に従って水洗する。これ
は、上述の(iv)の工程と同様に行ってよいが、温度が
約40℃を超えるのは、勧められない。ろ過及び洗浄
は、好ましくは、ほぼ室温から約40℃の範囲の媒質温
度で行う。
【0019】最後に、(vii)の工程で集めたリボフラビ
ンを、乾燥する〔(viii)の工程〕。これもまた、前の
工程、つまり上述の(v)の工程と同様の条件下で行う
のが好都合である。このようにして精製したリボフラビ
ンは、一般的には、少なくとも98%の高い純度を有
し、所望の通り、食品又は医薬品への加工に直接使用す
ることができる。
【0020】本発明のもう一つの特長は、(i)から
(iv)の工程、そして場合により(v)の工程からなる
上述の方法の変法にあり、変法は、発酵後ブロスのpH
値を、適量の鉱酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸又はリン
酸、好ましくは(濃)塩酸又は硫酸を加えることによっ
て、約5〜約7の範囲に調節する(ia)の工程によ
り、最初の(i)の工程を、付加する又は置き換えるも
のである。このように添加を行う間、発酵後ブロスは、
撹拌しておくのが適当である。
【0021】一般的には、それぞれの工程は、バッチ式
に行うことができるが、あるいは2工程以上を連続し
て、連続操作の一端として行うこともできる。後者の例
としては、上述したような中間冷却を行わない酸処理及
びろ過の連続工程〔(iii)及び(iv)〕が挙げられる。
【0022】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明を説明す
る。 実施例1 公知の方法により、B. subtilis を用い、発酵により、
リボフラビンを産生させた。発酵後ブロスを、約60℃
で約30分間加熱して、殺菌した。
【0023】発酵後ブロスの一部(約6,900リット
ル)をデカンタ(Tanabe Z3LL-V)により遠心分離した。
遠心分離は、相対遠心力(RCF)2,800xg、ボー
ル及びスクロール間の速度差(DS−BS)10rpm 、
及びインペラ直径(ID)240mmで行った。発酵後ブ
ロスを、デカンタに、2,700l/h の速度で供給し
た。固形の分離物1(リボフラビン純度:55.7%)
を、次の遠心分離の工程へ進めた。
【0024】固形の分離物1(約1,180kg)を、5
klの発酵槽懸濁容器中、水に懸濁させて、懸濁液3,3
30リットルを得た。30分間撹拌した後、懸濁液を、
1,500l/h の速度で、デカンタ中に入れた。RCF
2,800xg、DS−BS10rpm 、ID240mmで、
遠心分離を行った。固形の分離物2(リボフラビン純
度:76.9%)を、次の工程に進めた。
【0025】固形の分離物2(約740kg)を、5klの
発酵槽懸濁容器中、水に懸濁させて、懸濁液3,330
リットルを得た。30分間撹拌した後、懸濁液を、1,
200l/h の速度で、デカンタ中に入れた。主にRCF
1,630xg、DS−BS8rpm 、ID240mmで、遠
心分離を行った。固形の分離物3の重量は、552kg
であり、水分含有率は、72.6%、リボフラビン純度
は、87.4%であった。
【0026】リボフラビンのスラリー約550kg(固
形の分離物3)を、4klのガラスライニング容器中、脱
イオン水及び塩酸に懸濁させた。固形分及び塩酸の濃度
は、固形分含有率が、3.9wt%、HCl含有率が0.
6wt%となるように調節した。リボフラビン懸濁液を、
約120〜125℃まで加熱し、撹拌しながら、この温
度範囲で、約60分間保持し、次に、80℃まで冷却し
た。
【0027】前の工程で得た酸処理懸濁液を、ゴムライ
ニング遠心機(Mitsubishi Krauss-Maffei, Peeler Cen
trifuge TypeHZ 125)を用いてろ過した。リボフラビン
ケークを、80℃で、脱イオン水2,000リットルで
洗浄し、次に20〜30℃で脱イオン水200リットル
で洗浄した。湿潤した「リボフラビン96%」約190
kgを得、その水分含有率は、30.5%、リボフラビン
純度は、97%であった。
【0028】35%塩酸338リットル及び脱イオン水
115リットルを、3klの混合容器中で混合し、湿潤し
た「リボフラビン96%」180kgを、塩酸溶液に加え
た。混合物を、1時間撹拌した。試料溶液を容器から取
り出し、リボフラビンの溶解していることを確認した。
活性炭1kg(Takeda Shirasagi-A、50wt%)を、混合
容器中に導入し、溶液を、1時間撹拌した。次に、ろ過
助剤(Nippon Paper Industries KC-Floc 、セルロー
ス)0.6kgを加え、混合物を、30分間撹拌した。次
に混合物を、混合容器から、ろ過のためのゴムライニン
グ溶解容器に移した。
【0029】ゴムライニングスパークラーフィルター
(sparkler filter)2個を、ろ過のために準備した。第
1のフィルターには、ろ紙Toyo No.424 を、第2のフィ
ルターには、パッドToyo NA10 を使用した。次に、ゴム
ライニング溶解容器中のリボフラビンの塩酸溶液を、加
圧空気により、スパークラーフィルターに供給し、ろ液
を、保持タンクに集めた。ろ液が活性炭により汚染され
ていないことを確認後、保持タンク中のろ液を、溶解容
器に移した。次に、ろ液を、ろ液タンクに移した。フィ
ルターに残留している溶液を、加圧空気により、ろ液タ
ンクに移した。溶解容器とフィルターを、35%塩酸1
30リットルと脱イオン水60リットルの混合物で洗浄
した。ろ過した洗浄液も、ろ液タンクに移した。試料溶
液を、ろ液タンクから取りだしたところ、活性炭により
汚染されていないことが確認できた。
【0030】脱イオン水7,500リットルを、17kl
のガラスライニング結晶化容器に入れ、78〜82℃ま
で加熱した。ろ液タンク中のリボフラビンの塩酸溶液
を、300〜350l/h の速度で、結晶化容器に注ぎ、
熱水中で、リボフラビンを、結晶化させた。混合物を、
1時間撹拌し、次に、撹拌せずに、冷却した。混合物の
温度が、50℃まで低下した後、撹拌を再開し、混合物
を、40℃以下にまで更に冷却した。
【0031】脱イオン水1,300リットルを、2klの
ゴムライニングの再スラリー化用タンクに入れた。結晶
化容器中のリボフラビンスラリーを、ストリング分離フ
ィルター(string discharge filter)に供給した。ろ過
したリボフラビン結晶を、脱イオン水で洗浄し、再スラ
リー化用タンクに分離し、ろ液を、廃水処理プラントに
放出した。
【0032】懸濁したリボフラビン結晶を、遠心機(Mi
tsubishi Krauss-Maffei, Peeler Centrifuge Type HZ
125)により950rpm でろ過し、脱イオン水500リッ
トルで洗浄した。ろ過後のケーク約140kgを、容器に
集め、10klの円錐状の乾燥機に移した。
【0033】リボフラビンのろ過後のケークを、円錐状
の乾燥機に入れ、68〜72℃で、60〜35mmHgの圧
力下、8時間乾燥した。次に、乾燥機を、35℃以下に
まで冷却し、乾燥粉末約90kgを、プラスチック製バッ
グに集めることができた。生成物を、「リボフラビン9
8%」とした。
【0034】分析結果 リボフラビン96%及び98%の純度を、表1に示す。
再結晶リボフラビンの含有率は、光度測定では、10
0.2%であった(E値=328)。不純物について
は、6,7−ジメチル−8−リビチルルマジン(DMR
L)が、リボフラビン98%から除去されたが、再結晶
の間に8−ヒドロキシメチルリボフラビンが形成され
た。ルミクロムが、リボフラビン96%及びリボフラビ
ン98%の両方に検出された。上記のように得られたリ
ボフラビン98%は、クロマトグラフィーによると、合
成されたリボフラビン98%と比べて、不純物を含んで
いなかった。リボフラビン98%の品質は、EP/BP
(ヨーロッパ薬局方/イギリス薬局方)及びUSP(米
国薬局方)の仕様に合致していた。
【0035】
【表1】
【0036】実施例2B. subtilis を用いて、公知の方法で、発酵によりリボ
フラビンを産生させた。発酵後ブロスを、約60℃で、
約30分間加熱して殺菌し、次に更に処理するために、
ブロス貯蔵タンクに移した。
【0037】次に、ブロスを、第1のデカンタに、約
3.0m3/hの速度で、連続して供給した。第1の遠心分
離を、相対遠心力(RCF)2,800xgで行った。デ
カンタから分離された固形分を、スラッジタンクに移
し、インラインミキサーを用いて、水により再びスラリ
ー化した。次に、スラリーを、第2のデカンタに、約
1.5m3/hの速度で供給した。第2の遠心分離を、RC
F700xgで行った。第2のデカンタより分離された固
形分を、水と再びスラリー化し、第3のデカンタに、約
1.5m3/hの速度で供給した。第3の遠心分離を、RC
F700xgで行った。第3の工程で得た固形分を、脱イ
オン水及び35%塩酸と混合し、酸処理のための貯蔵タ
ンクに移した。35%塩酸を貯蔵タンクからポンプによ
りくみ出した。デカンタより得た上清の流れを、水受理
タンクに供給し、廃水処理プラントに放出した。
【0038】固形分3%及びHCl 0.7%を含有す
るリボフラビンスラリーを、ガラスライニング反応器3
個に供給した。スラリーを、125℃で2時間加熱し、
反応器中で80℃にまで冷却した。反応器より得たスラ
リーを、連続真空フィルターに、約2.5m3/hの速度
で、供給した。ろ過したケークを、熱した脱イオン水で
洗浄し、混合タンク中に集めた。ろ液及び洗浄水を、廃
水処理プラントに放出した。
【0039】ろ過したリボフラビンは、脱イオン水と、
混合タンク中で再スラリー化し(水分含有率:約65
%)、エアヒーター、排気送風機及びスクリューフィー
ダーの取りつけられたスプレー型乾燥機に連続して供給
した。乾燥した生成物を、生成物ホッパー中に、約70
kg/hの速度で集めた。生成物ホッパー中の生成物「リボ
フラビン96%」を、包装システムに送り、バルクバッ
グ又はバッグ−イン−ボックス容器中で包装した。
【0040】実施例3 リボフラビンを生産するために、B. subtilis により4
8時間の発酵後、2000リットルの発酵容器を、蒸気
ジャケットヒーターにより、蒸気温度120℃で加熱し
た。このようにして、発酵後のブロスを、45分間かけ
て60℃にまで加熱し、58〜62℃の温度範囲で30
分間保持(殺菌)し、そして1時間かけて25℃にまで
冷却させた。以降、殺菌された発酵後ブロスは、以下の
特性を有していた: 臭い:わずかに酸臭;色:橙黄色;密度:1.037g/
ml(20℃);pH値:6.93(20℃);リボフラ
ビン力価:18.45g/l (HPLC)。
【0041】殺菌したブロス約900リットルを、Flot
tweg Z 1Ldデカンタで遠心分離した。殺菌工程の終了
後、すぐに遠心分離を開始した。発酵槽容器に設定した
約0.5bar の圧力で、ブロスをデカンタに供給した。
パラメーターの設定の調節後(ボール及びスクロール間
の速度差、ウエアー直径、容器の深さ、乾燥及び貯蔵ゾ
ーン、デカンタの容量、液体分離物の流れ、及び相対遠
心力)、デカンタをRCF2600xgで、約30分間作
動させて、固形分及び液体分離物の試料を、分析のため
に採取した。液体分離物を、400リットルの撹拌容器
中に集め、28%水酸化ナトリウム水溶液(液体分離物
20リットル当り1リットル)を加えることによって、
pH≧11に調節した。本溶液を、アルカリ性pHで30
分間保持した後、液体部分を、廃水処理プラントに放出
し、デカンタは、工業用水で完全に洗浄することによっ
て清浄化した。
【0042】第1回の遠心分離後、固形分の分離物(生
成物1)61.4kgを得、この生成物を、4℃で一夜貯
蔵した。
【0043】第1回の遠心分離の生成物(1)を、40
0リットル容器中、脱イオン水に懸濁して、懸濁液23
0リットルを得たが、これは以下の特長を有していた: 臭い:わずかに酸臭;色:橙黄色;密度:1.028g/
ml(20℃);pH値:7.45(20℃);粘度:
2.28cSt (20℃);リボフラビン濃度:52.4
9g/l (HPLC)。
【0044】リボフラビン懸濁液を、Watson-Marlow 70
1 S/R 蠕動ポンプ(シリコンチューブ、内径φ:10m
m;外径φ:15mm)によりくみ上げることによって、F
lottweg Z1Ld デカンタに導入した。パラメーターの設
定値の調節後、デカンタを、RCF650xgで、約15
分間作動させて、固形及び液体分離物の試料を、分析の
ために採取した。液体分離物を集め、第1回の遠心分離
における液体分離物と同様に処理した。
【0045】第2回の遠心分離後、固形の分離物(生成
物2)45.6kgを得、この生成物を、速やかに、更に
処理した。
【0046】生成物2を、脱イオン水に再び懸濁して、
懸濁液210リットルを得たが、これは以下の特長を有
していた: 臭い:わずかに酸臭;色:橙黄色;密度:1.021g/
ml(20℃で);pH値:8.21(20℃で);粘
度:1.37cSt (20℃で);リボフラビン濃度:5
4.13g/l (HPLC)。
【0047】リボフラビン懸濁液を、Watson-Marlow 70
1 S/R 蠕動ポンプ(仕様は、上述の通り)によりくみ上
げることによって、Flottweg Z1Ld デカンタに導入し
た。パラメーターの設定値の調節後、デカンタを、RC
F650xgで、約15分間作動させて、固形及び液体分
離物の試料を、分析のために採取した。液体分離物を集
め、前の遠心分離におけるものと同様に処理した。
【0048】第3回の遠心分離後、固形の分離物(生成
物3)36.4kgを得た。
【0049】遠心分離デカンタのパラメーター設定値を
各種用いることによって、上記の遠心分離の作動を繰り
返し行って得た結果には、以下の表2に示すような最適
値が含まれていた。
【0050】
【表2】
【0051】上述したような、発酵後ブロスからの回収
及び3回の遠心分離による精製により得られた、「90
%リボフラビン」を、次に、実施例1(第5パラグラフ
以降)及び実施例2(第2パラグラフ以降)に記載され
たのと同様に、酸処理(iii)、ろ過及び洗浄(iv)、結
晶化(vi)、ろ過及び洗浄(vii)、そして乾燥(viii)
の工程に付して、適宜、「リボフラビン96%」及び/
又は「リボフラビン98%」を得ることができた。
【0052】実施例4 発酵後ブロスについて、実験室スケールで、2種類のコ
ントロール実験を実施した。1番目の実験(A)では、
発酵後ブロスを、25%塩酸でpH5に酸性化したが、リ
ボフラビンの回収前に加熱は行わなかった。2番目の実
験(B)においては、発酵後ブロスを、回収の前に、約
60℃で約30分間加熱した(殺菌)。
【0053】それぞれの場合、発酵後ブロス1リットル
を、RCF1,100xgで5分間(スイングアウト式ロ
ーター258-963 付きの遠心機Mistral 6000、2,000
rpm)遠心分離した。上清を取り出し、固形分のより高密
度の物質(ペレット)を、15分間撹拌しながら、脱イ
オン水に再懸濁させた。このようにして得られたリボフ
ラビンをRCF630xgで5分間(同一の遠心機により
1,500rpm)遠心分離し、新たな上清を取り出し、ペ
レットを水に再懸濁させた。この方法により最後(第3
回目)の遠心分離の後、得られたペレットを、真空中、
80℃で20時間乾燥し、粉砕し、この条件下で更に4
時間、再び乾燥した。
【0054】それぞれの段階において、該当する生成物
の収率及び純度を求めた。リボフラビン懸濁液2mlを、
真空中、110℃で30分間乾燥して、乾燥後の残渣の
重量を測定し、リボフラビン懸濁液10mlを、リボフラ
ビン濃度(純度)の分析のために採取した。
【0055】これらの実験の結果を、以下の表3に示
す。
【0056】
【表3】
【0057】上述したように発酵後ブロスからの回収、
3回の遠心分離による精製により得られた「90%リボ
フラビン」を、次に、実施例1(第5パラグラフ以降)
及び実施例2(第2パラグラフ以降)に記載したのと同
様に、酸処理(iii)、ろ過及び洗浄(iv)、結晶化(v
i)、ろ過及び洗浄(vii)、並びに乾燥(viii)の工程
に付して、適宜、「リボフラビン96%」及び/又は
「リボフラビン98%」を得ることができた。
【0058】実施例5 「リボフラビン90%」133g(リボフラビン30
g、バイオマス3g、水100g)、1M 塩酸120ml
及び脱イオン水440mlを混合して、固形分5%の懸濁
液を得た。オクチルアルコール50μl を、消泡剤とし
て加えた。スラリーを、300rpm で撹拌しながら、1
00℃で30分間加熱した。しかし、100℃まで加熱
する間に、リボフラビン結晶の形状の変化によりスラリ
ーの粘度が上昇した場合には、撹拌速度を、75rpm ま
で低下させた。次にスラリーを、蒸気容器に移し、12
0〜125℃で60分間加熱した。リボフラビンスラリ
ーを80℃まで冷却した後、真空下、ろ紙(Machery an
d Nagel 713 、φ90mm)を用いてろ過した。ろ過後の
ケークを、80℃で、脱イオン水300mlで洗浄した。
リボフラビンを、脱イオン水300mlで再びスラリー化
した。スラリーを、撹拌しながら、80℃で15分間加
熱した。次に、リボフラビンスラリーを、真空下、80
℃で、ろ紙を用いてろ過した。ろ過後のケークを、80
℃で脱イオン水300mlで洗浄した。得られたリボフラ
ビンを、真空中、80℃で乾燥し、粉砕した。このよう
にして得られたリボフラビン生成物を、「リボフラビン
96%」とし、これは一般的に、少なくとも96%の純
度を有し、高品質であった。
【0059】実施例6 「リボフラビン90%」30gを、室温で10分間撹拌
しながら、25%塩酸105ml(リボフラビン1g当り
3.5ml)に溶解した。活性炭Norit SX2 0.9gを加
えた。溶液を、約8分間かけて80℃まで加熱し、次に
この温度で20分間保持した。この熱溶液を、クラルセ
ル(Clarcel)1.0gで被覆した2層のろ紙(Machery
and Nagel 713 、φ40mm)を用い、真空下でろ過し
た。ろ過時間は、用いる「90%」の品質に応じて、1
0〜70分間とした。ろ液(約117ml)を、80℃で
撹拌(300rpm)しながら、脱イオン水840ml(用い
る酸の8倍量)に、2ml/minの速度で導入した。リボフ
ラビンの種結晶を、5分後及び10分後に加えた。リボ
フラビンの沈殿の完了後、結晶スラリーを、80℃で更
に30分間撹拌した。次に、スラリーを、60分以内
に、約25℃に冷却した。リボフラビンスラリーを、真
空下、ろ布(DACRON DA-50)でろ過した。ろ過後のケー
クを、脱イオン水300mlで洗浄し、脱イオン水300
mlで再びスラリー化し、23℃で15分間撹拌した。リ
ボフラビンスラリーを、真空下、ろ布でろ過し、ろ過後
のケークを、脱イオン水300ml、次にメタノール(FL
UKA puriss)300mlで洗浄した。得られたリボフラビ
ンを、真空オーブン中、80℃で、重量が一定になるま
で乾燥し、粉砕した。このようにして得られたリボフラ
ビン生成物を、「リボフラビン98%」とし、これは一
般的には、少なくとも98%の純度を有し、特に高品質
であった。
【0060】実施例7 「リボフラビン90%」30gを、室温で10分間撹拌
しながら、25%塩酸105ml(リボフラビン1g当り
3.5ml)に溶解した。溶液を、約8分間かけて80℃
まで加熱し、この温度で20分間保持した。熱溶液を、
真空下、2層のろ紙(Machery and Nagel 713 、φ40
mm)でろ過した。ろ過時間は、出発物質である「リボフ
ラビン90%」の品質に応じて、1〜6分間とした。ろ
液(約121ml)を、撹拌(300rpm)しながら、80
℃で、脱イオン水840ml(使用する塩酸の8倍量)
に、2ml/minの速度で導入した。リボフラビンの種結晶
を、5分後及び10分後に加えた。リボフラビンの沈殿
の完了後、結晶スラリーを、80℃で更に30分間撹拌
した。次に、スラリーを、60分以内に約25℃まで冷
却した。スラリーを、真空下、ろ布(DACRON DA-50)で
ろ過した。ろ過後のケークを、脱イオン水300mlで洗
浄し、脱イオン水300mlで再びスラリー化し、23℃
で15分間撹拌した。リボフラビンスラリーを、真空
下、ろ布でろ過し、ろ過後のケークを脱イオン水300
ml、次にメタノール(FLUKA puriss)300mlで洗浄し
た。このようにして得られたリボフラビンを、真空オー
ブン中、重量が一定になるまで、80℃で乾燥し、粉砕
した。このようにして得たリボフラビンを、「リボフラ
ビン98%」とし、これは、一般的には、少なくとも9
8%の純度を有し、特に高品質であった。
【0061】実施例8 「リボフラビン90%」(リボフラビン30.74g、
不純物3.4g及び水56.3g)90.4gを、1M
塩酸120ml及び脱イオン水460mlに懸濁し、懸濁液
に、消泡剤としてオクチルアルコール50μl を加え
た。全体を撹拌しながら、100℃で30分間、次に1
20〜125℃で60分間、蒸気容器中で加熱した。
【0062】懸濁液を、80℃まで冷却し、ろ紙(Mach
ery and Nagel (MN) 713、φ90mm)を用いたろ過によ
り、ろ化フラスコに結晶を集めた。このようにして集め
たリボフラビン結晶を、80℃で、脱イオン水300ml
で洗浄した後、脱イオン水300mlに再懸濁し、懸濁液
を、撹拌しながら、80℃で15分間加熱した。次に、
結晶を、前回と同様にろ過し、80℃で、脱イオン水3
00mlで洗浄し、真空中、80℃で20時間乾燥し、粉
砕後、真空中で更に2時間乾燥した。
【0063】このようにして、純度100%であると推
定される「リボフラビン96%」29.07gを、収率
約95%で得た。
【0064】実施例9 乾燥した「リボフラビン90%」(純度92.8%)3
0.0gを、10分間撹拌しながら、25w/v %塩酸1
05mlに溶解し、その後、活性炭Norit SX2 0.9gを
加えた。混合物を、80℃で20分間撹拌した。次に混
合物を、ろ過フラスコ中、クラルセル(Clarcel)1.0
gで被覆したろ紙(MN 713、φ40mm)2層でろ過し
た。
【0065】ろ液を、撹拌しながら、80℃で、脱イオ
ン水840mlに、2ml/minの速度で加え、種結晶とし
て、リボフラビン結晶を加えた。リボフラビンの沈殿の
終了後、得られた懸濁液を、更に30分間撹拌し、次に
60分以内に25℃まで冷却した。
【0066】ろ布(DACRON DA-50、φ90mm)を用い、
リボフラビン結晶を、ろ過フラスコ中、懸濁液からろ過
し、20℃で脱イオン水300mlで洗浄した。このよう
にして集めたリボフラビンを、20℃で、脱イオン水3
00mlで再びスラリー化し、結晶を、前のように再びろ
過及び洗浄し、更にメタノール300mlで洗浄した。
【0067】このようにして集め、洗浄したリボフラビ
ンを、真空中、80℃で、重量が一定となるまで乾燥し
た後、純度がほぼ100%と推定される「リボフラビン
98%」25.1gを、収率約93%で得た。
【0068】実施例10 製造プラント中、遠心分離の3工程の後、「リボフラビ
ン90%」を単離し、脱イオン水及び塩酸と混合した。
このようにして得た、希酸溶液中に懸濁したリボフラビ
ンの各種試料を、貯蔵タンク中、室温で、貯蔵した。各
試料溶液を、貯蔵タンクから取り出し、本発明の酸処理
及びろ過の工程〔(iii)及び(iv)の工程〕についての
実験のために使用した。それぞれの場合、希塩酸とのリ
ボフラビンのスラリーを、分離フラスコ中、大気圧下、
撹拌しながら、90〜120℃で一定時間、加熱し、熱
い状態で(冷却せずに)ろ過し、集めた固形分を、熱水
で洗浄し、真空下、80℃で約12時間乾燥し、このよ
うにして得た「リボフラビン96%」の純度を求めた。
本発明方法の(iii)及び(iv)の工程のバッチ処理操作
より得たデータ及び結果を、表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】実施例11 酸処理及びろ過の連続操作〔本発明方法の(iii)及び
(iv)の工程〕に従って行った一連の実験において、濃
度0.8wt%の希塩酸との「リボフラビン90%」のス
ラリーの試料を、72ml/hの速度で加熱フラスコに供給
し、そこで90℃で加熱し、72ml/hの速度で連続して
第2の加熱フラスコに移し、90℃で更に一定時間、こ
のフラスコ中で加熱した。第2のフラスコ中の加熱した
内容物を、冷却せずに、72ml/hの速度で、ろ過ユニッ
トに連続して移し、熱い状態でろ過した。最後に、集め
た固形分を熱水で洗浄し、真空下、80℃で約12時間
乾燥し、このようにして得た「リボフラビン96%」の
純度を求めた。酸処理及びろ過の連続操作より得たデー
タ及び結果を、表5に示す。
【0071】
【表5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵後ブロスからリボフラビンを回収及
    び精製する方法であって、(i)該発酵後ブロスを、4
    5℃〜120℃の温度で、10分間〜2時間にわたって
    殺菌のために加熱し、(ii)殺菌したブロスを1回以上
    遠心分離して、主にリボフラビンからなる生成物を得、
    (iii)前工程の生成物を、水性鉱酸により、80℃〜1
    30℃の温度で、30分〜24時間にわたって処理し、
    そして(iv)前工程の水性酸性媒質から、ろ過によりリ
    ボフラビンを集め、水洗する必須工程からなり、そして
    場合により、(v)前工程で集めた洗浄後の生成物を乾
    燥して、十分な純度のリボフラビンを得る工程も含む方
    法。
  2. 【請求項2】 発酵後ブロスから回収され、場合によ
    り、水性鉱酸による処理、ろ過及び水洗によりある程度
    は既に精製されたリボフラビンを更に精製する方法であ
    って、(vi)濃塩酸及び水から該リボフラビンを結晶化
    し、(vii)前工程の酸性媒質から、ろ過により固形分の
    リボフラビンを集め、水洗し、そして(viii)前工程で
    集めた洗浄生成物を乾燥して、高純度のリボフラビンを
    得る必須工程からなる方法。
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